JP5413422B2 - 内燃機関の筒内圧検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に設けられた筒内圧センサから出力されるセンサ信号をA/D変換することにより筒内圧を検出する内燃機関の筒内圧検出装置に関する。
エンジン(内燃機関)には、気筒の燃焼室の圧力(筒内圧)に応じた信号を出力する筒内圧センサが設けられている。筒内圧センサ本体は、シリンダヘッドに形成された挿入孔内に配置されており、燃焼室内の圧力が筒内圧センサのダイアフラム部を介して圧電素子に与えられるようになっている。圧電素子の出力電圧は、筒内圧センサ内の増幅回路を通して出力される。エンジンECU(Electronic Control Unit)は、筒内圧センサから出力されるセンサ信号を入力してA/D変換することにより筒内圧を検出し、その検出した筒内圧に基づいて着火時期や燃焼温度などの燃焼状態を把握し、ノッキング検出や失火検出などを行っている。
しかし、エンジンのように急激な温度変化および圧力変化が生じる環境下では、温度や圧力の変動に起因して筒内圧センサの出力電圧にドリフトが生じる。筒内圧が最も低下する吸気行程付近でのセンサ信号の電圧、すなわちオフセット電圧を実測すると、オフセット電圧はその時々の燃焼状態に応じて変動する。
このような筒内圧センサのオフセットドリフトによる検出精度の低下を防止する手段として、センサ信号をA/D変換して得たデータを演算処理することによりオフセットドリフトを補正するものがある(例えば特許文献1、2参照)。また、筒内圧センサまたは電子装置内の増幅器を特定のタイミングでリセットすることによりオフセットドリフトをキャンセルするものがある(例えば特許文献3、4参照)。
特開2002−242750号公報 特開2010−196556号公報 特開平7−280686号公報 特開2008−216223号公報
特許文献1、2に記載された手段を用いる場合、筒内圧センサが出力するセンサ信号のオフセットドリフトは低減することなくそのまま存在する。このため、オフセット電圧が変動してもセンサ信号が常にA/D変換回路の入力レンジ内に入るように、入力回路または筒内圧センサのゲインを低く設定する必要がある。また、特許文献3、4に記載された手段を用いる場合でも、リセットをかけた直後はオフセット電圧が低減するが、リセットをかける前にはオフセットドリフトが生じている。このため、オフセット電圧が変動してもセンサ信号が常にA/D変換回路の入力レンジ内に入るように入力回路または筒内圧センサのゲインを低く設定する必要がある。
廉価な筒内圧センサの中には、5Vの入力レンジに対しオフセット電圧が±0.5Vも変動するものがある。こうした広範な変動が生じてもセンサ信号が入力レンジ内に入るようにゲインを低く設定すると、A/D変換回路のダイナミックレンジが狭まるという不都合が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、筒内圧センサのセンサ信号に対するA/D変換回路のダイナミックレンジを広く確保でき、オフセットドリフトによる筒内圧の検出精度の低下を防止できる内燃機関の筒内圧検出装置を提供することにある。
請求項1に記載した内燃機関の筒内圧検出装置は、内燃機関に設けられた筒内圧センサから筒内圧(気筒の燃焼室の圧力)に応じて出力されるセンサ信号を入力してA/D変換することにより筒内圧を検出する。基準電圧出力回路は、制御手段から入力した切替信号により複数レベルの中から選択したレベルを持つ基準電圧を出力する。レベルシフト回路は、センサ信号を筒内圧の低圧側に対応する信号電位の向きに基準電圧だけレベルシフトして出力する。第1A/D変換回路は、このレベルシフトされたセンサ信号を入力してA/D変換し、筒内圧に応じたデジタル変換値を出力する。
制御手段は、筒内圧が低下している期間(例えば排気行程から吸気行程にかけての期間および吸気行程の期間)内のセンサ信号の電圧であるオフセット電圧を得る。そして、オフセット電圧より筒内圧の低圧側に対応する信号電位側にレベルを持つ基準電圧を基準電圧出力回路に選択させる切替信号を出力する。制御手段は、第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて筒内圧を検出する。オフセット電圧は、第1A/D変換回路を用いて検出してもよいし、後述する第2A/D変換回路などその他の回路を用いて検出してもよい。
これにより、オフセット電圧のドリフト(オフセットドリフト)にかかわらず、低圧期間での筒内圧センサのオフセット電圧をA/D変換回路の入力レンジの下限電圧に近付けることができるので、より高い筒内圧に対応するセンサ信号までA/D変換回路の入力レンジ内とすることができる。すなわち、オフセットドリフトに起因する入力レンジ内の未使用領域を低減し、センサ信号に対するA/D変換回路の実効的な変換可能信号幅(ダイナミックレンジ)を広く確保することができる。これにより、センサ信号に対するゲインを従来よりも高く設定することが可能となり、A/D変換回路の分解能を高めてより高精度に筒内圧を検出することができる。
請求項2に記載した手段によれば、制御手段は、オフセット電圧より筒内圧の低圧側に対応する信号電位側においてオフセット電圧に最も近いレベルを持つ基準電圧を選択させる切替信号を出力する。これにより、基準電圧出力回路が出力可能な基準電圧の中で、センサ信号に対するA/D変換回路の実効的なダイナミックレンジを最も広く確保することができ、一層高精度に筒内圧を検出できる。
請求項3に記載した手段によれば、筒内圧センサから出力されるセンサ信号を入力してA/D変換する第2A/D変換回路を備えている。制御手段は、筒内圧が低下している期間内において第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいてオフセット電圧を検出する。この第2A/D変換回路は、センサ信号のドリフトにかかわらず、センサ信号をレベルシフトすることなく或いは一定の基準電圧でレベルシフトすることによりA/D変換を実行する。これにより、センサ信号が大きくドリフトしても、一定の基準のダイナミックレンジの下で確実にオフセット電圧を検出することができ、基準電圧出力回路に対し確実に基準電圧の選択動作を行わせることができる。
請求項4に記載した手段によれば、内燃機関の燃焼サイクルにおいて筒内圧センサから出力されるセンサ信号の電圧が第2A/D変換回路の入力レンジ内となるように、センサ信号に対するゲイン設定がなされている。これにより、筒内圧が変化しても或いはセンサ信号がドリフトしても、センサ信号に対するゲイン設定を変更することなく、第2A/D変換回路により常に筒内圧(オフセット電圧を含む)を検出することができる。また、オフセットドリフトによりセンサ信号が第1A/D変換回路の入力レンジを超えた状態となっても、第1A/D変換回路に替えて第2A/D変換回路により筒内圧を正しく検出することができる。
請求項5に記載した手段によれば、制御手段は、第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値と切替信号により選択される基準電圧を参照して、レベルシフトされたセンサ信号が第1A/D変換回路の入力レンジ内か否かを判定する。入力レンジ外と判定した場合には、第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に替えて第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて筒内圧を検出する。これにより、センサ信号が第1A/D変換回路の入力レンジを超える場合でも、第2A/D変換回路により筒内圧を正しく検出することができる。
請求項6に記載した手段によれば、制御手段は、第1A/D変換回路の入力レンジ内か否かの判定に際し、第1A/D変換回路の入力レンジの上限電圧よりも低い上限しきい値電圧および下限電圧よりも高い下限しきい値電圧を設定する。そして、レベルシフトされたセンサ信号がこれら上限しきい値電圧と下限しきい値電圧とで制限された入力レンジ内か否かを判定する。
A/D変換回路の入力レンジの上限電圧付近および下限電圧付近は、入力レンジの中間領域と比較してA/D変換誤差が大きくなる傾向がある。本手段によれば、第1A/D変換回路について上限しきい値電圧と下限しきい値電圧を設定し、センサ信号がこれらしきい値電圧で制限された入力レンジ外となる場合は、第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて筒内圧を検出する。これによりA/D変換誤差を低減できるので、より高精度に筒内圧を検出できる。
請求項7に記載した手段によれば、内燃機関に設けられたクランク角センサから入力したクランク角信号に基づいてクランク角を検出するクランク角検出手段を備えている。制御手段は、内燃機関の圧縮上死点から所定の角度以上離れたクランク角において第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいてオフセット電圧を検出する。
筒内圧は、圧縮上死点付近で最大となり、燃焼行程から排気行程において下降し、吸気行程を経て圧縮行程に入ると再び上昇する傾向を示す。すなわち、圧縮上死点から所定の角度以上離れたクランク角、例えば排気行程から吸気行程にかけてのクランク角範囲および吸気行程のクランク角範囲で筒内圧が最小となる。本手段によれば、筒内圧が低下している期間内のセンサ信号の電圧であるオフセット電圧を正しく検出することができる。
請求項8に記載した手段によれば、制御手段は、筒内圧の検出が必要となるクランク角に対し、少なくとも基準電圧出力回路により出力される基準電圧の安定化時間に相当する角度だけ前のクランク角で切替信号を出力する。これにより、少なくとも筒内圧の検出が必要となる期間では、安定した基準電圧を用いて高精度に筒内圧を検出することができる。基準電圧の安定化時間に加えレベルシフト回路の安定化時間に相当する角度だけ前のクランク角で切替信号を出力してもよい。
請求項9に記載した手段によれば、制御手段は、第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が所定の切替完了しきい値以下となったことを条件として、基準電圧の切り替えに係る動作(基準電圧出力回路の基準電圧出力動作、新たな基準電圧に基づくレベルシフト回路の動作など)が完了したと判定する。この判定結果を用いれば、基準電圧の切り替えに係る動作が安定する前に筒内圧を検出することを防止できる。
請求項10に記載した手段によれば、制御手段は、第1A/D変換回路および第2A/D変換回路を並行して動作させる。そして、各時点において第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が異常判定しきい値以上となった場合に異常状態と判定する。これにより、第1A/D変換回路および第2A/D変換回路の少なくとも一方に異常が生じたことを検出でき、筒内圧検出装置の信頼性を高めることができる。
請求項11に記載した手段によれば、制御手段は、切替信号を出力してから所定の安定化時間が経過するまでの期間、第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値を用いない。これにより、基準電圧の切り替えに係る動作(基準電圧出力回路の基準電圧出力動作、新たな基準電圧に基づくレベルシフト回路の動作など)が安定する前のデジタル変換値を用いて筒内圧を検出することを防止できる。また、安定する前のデジタル変換値を用いたために異常状態と誤判定することを防止できる。
請求項12に記載した手段によれば、レベルシフト回路は、センサ信号を基準電圧だけレベルシフトするとともに所定のゲインで増幅する差動増幅回路により構成されている。この構成により、センサ信号のレベルシフトとゲイン設定とが差動増幅回路だけで実現でき、回路の構成素子数およびコストを低減できる。また、差動増幅回路によりセンサ信号を増幅してからA/D変換するので、筒内圧の変化幅が小さくセンサ信号の振幅が小さい燃焼サイクルにおいても、センサ信号に対する適正なダイナミックレンジを確保でき、分解能の低下を防止することができる。
請求項13に記載した手段によれば、レベルシフト回路は、ゲイン切替信号に応じてゲインが変更される。これにより、その時々の燃焼状態に応じて、常にセンサ信号に対する適正なダイナミックレンジを確保できる。
請求項14に記載した手段によれば、内燃機関が備える複数の気筒ごとに筒内圧センサが設けられており、気筒ごとに基準電圧出力回路およびレベルシフト回路を備えている。これにより、各気筒の筒内圧センサが有する特性ばらつきを個別に調整できる。また、気筒ごとに基準電圧出力回路を備えることにより、基準電圧の切り替え時に生じるノイズの影響を回避できる。
本発明の第1の実施形態を示す筒内圧検出回路の構成図 エンジンシステムの概略構成を示す図 センサ信号の電圧Vpの時間変化を示す図 筒内圧検出処理のフローチャート 本発明の第2の実施形態を示す差動増幅回路の構成図
(第1の実施形態)
以下、内燃機関の筒内圧検出装置の第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。この筒内圧検出装置は、エンジンシステムに適用されている。図2に模式的に示すように、内燃機関であるエンジン1は、4つの気筒2(気筒#1〜#4)を備えた4ストロークのエンジンである。1燃焼サイクルは吸気・圧縮・燃焼・排気の4行程からなり、720°CAの周期を持つ。各行程は、各気筒間で180°CAずれて実行される。
各気筒2は、シリンダブロックとシリンダヘッドから構成されており、内部にピストンを収容している。ピストン上部には燃焼室が形成されている。各気筒2のシリンダヘッドにはそれぞれ筒内圧センサ3が配置されている。筒内圧センサ3は、燃焼室の圧力(筒内圧)をダイアフラム部を介して圧電素子(例えばピエゾ抵抗素子)に与え、その圧電素子の出力電圧を増幅したセンサ信号を出力するようになっている。センサ信号の電圧Vpは、筒内圧が上昇するほど高くなる。
気筒2には、燃料を燃焼室内に噴射するインジェクタ4が設けられている。この燃料噴射によるピストンの往復動により、エンジンの出力軸であるクランク軸5が回転するとともに、外周に所定の間隔で歯が形成されたパルサ6がクランク軸5と一体に回転する。電磁ピックアップからなるクランク角センサ7がパルサ6に対向して配設されており、クランク軸5の回転に伴いパルス状のクランク角信号を出力する。
エンジンECU8は、マイクロコンピュータ9(図1参照、以下マイコン9と称す)を備えており、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、クランク角信号、アクセル開度信号その他の各種センサ信号を入力し、エンジン1の運転状態を取得する。そして、取得したエンジン1の運転状態に基づいて、燃料供給制御を行うとともに、燃料噴射気筒に対する燃料の噴射開始タイミング、噴射時間などを算出して燃料噴射制御を行う。ECU8は、EDU10(Electronic Driving Unit)に対し噴射信号を出力することによりインジェクタ4を駆動する。
図1は、ECU8のうち筒内圧検出回路の構成を示している。筒内圧検出回路11(筒内圧検出装置)は、マイコン9、クランク角信号入力回路12および筒内圧信号入力回路13から構成されている。筒内圧信号入力回路13は筒内圧センサ3ごとに設けられているが、図1には1つのみを示している。この筒内圧検出回路11と筒内圧センサ3とクランク角センサ7は、共通の電源電圧Vcc(例えば5V)の供給を受けて動作する。
クランク角信号入力回路12(クランク角検出手段)は、クランク角センサ7から出力されるクランク角信号に基づいてクランク角や回転速度を検出する。マイコン9(制御手段に相当)は、CPU14、RAM15、ROM16、A/D変換回路17、入出力ポートなどを備えている。不揮発性メモリであるROM16には、上述した制御プログラムの他に、燃料供給制御や燃料噴射制御で用いられる各種データ、後述する基準電圧Vr1、Vr2、Vr3などが記憶されている。
A/D変換回路17は、A/D変換器18とマルチプレクサ19とを備えた複数チャネルの構成を有している。A/D変換器18はサンプルホールド回路を備えている。各気筒2の筒内圧信号入力回路13が使用するのは2つのチャネルであり、4気筒の場合には合計8チャネルを使用する。例えば気筒#1の場合、筒内圧センサ3から出力されるセンサ信号をチャネル1、2(CH1、CH2)を用いてA/D変換する。以下の説明では、チャネル1、2に係るA/D変換回路をそれぞれ第1A/D変換回路17a、第2A/D変換回路17bとする。図1ではその他のチャネルの表示を省略している。A/D変換回路17の入力レンジは、各チャネルとも0V(下限電圧)から5V(上限電圧)である。
筒内圧信号入力回路13は、基準電圧出力回路20、バッファ回路21、差動増幅回路22などを備えている。基準電圧出力回路20は、3つの異なるレベルの基準電圧Vr1、Vr2、Vr3の中から、切替信号Scにより選択したレベルを持つ基準電圧Vrを出力する。基準電圧Vr1、Vr2、Vr3は、分圧回路23を構成する抵抗23a〜23dで電源電圧Vccを分圧することにより生成される。切替スイッチ24は、切替信号Scに応じて基準電圧Vr1、Vr2、Vr3の何れかを選択する。選択された基準電圧Vrは、ボルテージフォロアの形態を持つオペアンプ25を介して出力される。
筒内圧センサ3から出力されるセンサ信号(以下では単にセンサ信号と称する場合もある)は、10Hz〜120Hzの周波数成分を持っている。そこで、抵抗26aとコンデンサ26bとからなるローパスフィルタ26を用いてノイズなどの不要な成分を除去してからバッファ回路21に入力している。バッファ回路21の出力電圧Vqは、差動増幅回路22と第2A/D変換回路17bに入力されている。
バッファ回路21のゲインは、エンジン1の燃焼サイクルの全域(720°CA)において、電圧Vqが第2A/D変換回路17bの入力レンジ内となるように設定されている。本実施形態では筒内圧センサ3とマイコン9の電源電圧Vccが等しいので、ゲインは1倍に設定されている。従って、電圧Vpを持つセンサ信号は、増幅およびレベルシフトされることなく第2A/D変換回路17bに入力される。なお、第2A/D変換回路17bへの入力部には、抵抗27aとコンデンサ27bとからなるローパスフィルタ27を備えている。このうちコンデンサ27bは、A/D変換器18内のサンプルホールド用コンデンサとの間の電荷分配によるサンプリング誤差を低減する作用も奏する。
差動増幅回路22は本発明でいうレベルシフト回路に相当し、オペアンプ22aと抵抗22b〜22eから構成されている。抵抗22bと22dの抵抗値をR1、抵抗22cと22eの抵抗値をR2とすれば、差動増幅回路22の出力電圧Vsは次の(1)式のようになる。
Vs=R2/R1(Vq−Vr) …(1)
すなわち、差動増幅回路22は、バッファ回路21から出力された電圧Vqを持つセンサ信号を、筒内圧の低圧側に対応する信号電位の向き、すなわち電圧を下げる向きに基準電圧Vrだけレベルシフトし、それを(R2/R1)倍に増幅してから第1A/D変換回路17aに入力する。ただし、ローパスフィルタ26で遮断される周波数成分を除きVp=Vqの関係があるので、出力電圧Vsは次の(2)式のようにも表せる。
Vs=R2/R1(Vp−Vr) …(2)
第1A/D変換回路17aへの入力部には、ダイオード28とコンデンサ29を備えている。コンデンサ29は、コンデンサ27bと同様にA/D変換器18内のサンプルホールド用コンデンサとの間の電荷分配によるサンプリング誤差を低減する作用を奏する。
次に、図3および図4を参照しながら本実施形態の作用を説明する。図3は、センサ信号の電圧Vpの時間変化を2燃焼サイクルに亘り示している。一般に、筒内圧は圧縮行程で急激に高まり、圧縮TDC(圧縮上死点)を経て燃焼行程で最大になる。その後、燃焼行程から排気行程にかけて急激に低下し、排気行程から吸気行程にかけて最低圧力に達する。センサ信号の電圧Vpも筒内圧に対応して同様の変化を示すが、既述したように温度や圧力の変動に起因してオフセット電圧Vpoにドリフトが生じる。
オフセット電圧Vpoは、筒内圧が低下している期間内のセンサ信号の電圧Vpであり、特には筒内圧が最も低下している期間例えばATDC300°CAから次の燃焼サイクルのBTDC150°CAまでの期間内のセンサ信号の電圧Vpである。図3に示す1サイクル目と2サイクル目とでは、このオフセット電圧VpoにΔVdのドリフト(オフセットドリフト)が生じている。
上述したように、センサ信号の電圧Vpは、燃焼サイクルの全域において第2A/D変換回路17bの入力レンジ(0V〜5V)内となる。一方、第1A/D変換回路17aの分解能を高めるため、(1)式、(2)式に示す差動増幅回路22のゲイン(R2/R1)は1よりも大きく設定されている。その結果、1燃焼サイクルにおける増幅されたセンサ信号の電圧Vsの最大変化幅(ドリフト分を除く)と、第1A/D変換回路17aの入力レンジ幅(5V)とは、若干の余裕幅を確保しつつ略等しくなる。ただし、図3ではセンサ信号は増幅前の電圧Vp(=Vq)のまま表し、差動増幅回路22の増幅作用によりセンサ信号に対し相対的に狭まった第1A/D変換回路17aの入力レンジを二点鎖線で示している。
このような振幅関係の下では、増幅されたセンサ信号の電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジ内に入るように、1燃焼サイクルごとにオフセット電圧Vpoの電圧値を検出し、その電圧値に応じて電圧Vpをレベルシフトする必要がある。図3において、1燃焼サイクル目のオフセット電圧はVpo1なので、オフセット電圧Vpo1より筒内圧の低圧側に対応する信号電位(0V)側にレベルを持ち、当該オフセット電圧Vpo1に最も近い基準電圧Vr3を用いてレベルシフトする。また、2燃焼サイクル目のオフセット電圧はVpo2なので、オフセット電圧Vpo2より筒内圧の低圧側に対応する信号電位(0V)側にレベルを持ち、当該オフセット電圧Vpo2に最も近い基準電圧Vr2を用いてレベルシフトする。
図4は、マイコン9が繰り返し実行する筒内圧検出処理のフローチャートである。A/D変換回路17は、マルチプレクサ19を順次切り替えながら第1A/D変換回路17aと第2A/D変換回路17bを含む各チャネルについて順次繰り返してA/D変換を実行する。A/D変換回路17の各チャネルが出力したデジタル変換値は、RAM15に記憶される。
マイコン9は、圧縮TDCから所定の角度以上離れ筒内圧が最も低くなるクランク角、例えばATDC300°CAから次の燃焼サイクルのBTDC150°CAの期間でオフセット電圧Vpoを検出する。ここでは、検出点としたATDC300°CAの検出を待つ(ステップS1)。
検出した(YES)と判断すると、第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいてオフセット電圧Vpoを検出する(ステップS2)。上述したように、マイコン9は、オフセット電圧Vpoより筒内圧の低圧側に対応する信号電位側において、当該オフセット電圧Vpoに最も近い基準電圧VrをVr1、Vr2、Vr3の中から選択する(ステップS3)。そして、この基準電圧Vrを基準電圧出力回路20に選択させる切替信号Scを出力する(ステップS4)。
ただし、切替信号Scが出力された後、基準電圧出力回路20による基準電圧Vrの切り替え動作と、切り替え後の新たな基準電圧Vrを入力とする差動増幅回路22のレベルシフト動作および増幅動作が安定するには時間を要する。そこで、マイコン9は、実際に筒内圧の検出が必要となるクランク角例えばBTDC150°CAに対し、少なくとも安定化時間Tsに相当する角度だけ前のクランク角で切替信号Scを出力し(ステップS4)、その後少なくとも安定化時間Tsが経過するのを待つ(ステップS5)。
従って、マイコン9は、切替信号Scを出力してから所定の安定化時間Tsが経過するまでの期間、第1A/D変換回路17aが出力したデジタル変換値を用いることはない。これにより、基準電圧Vrの切り替えに係る動作が安定する前のデジタル変換値を用いて筒内圧を検出することを防止できる。
その後、マイコン9は、第1A/D変換回路17aと第2A/D変換回路17bとからデジタル変換値を入力する(ステップS6)。ステップS3で基準電圧Vrを適切に選択したため、差動増幅回路22から出力されるセンサ信号の電圧Vsは、第1A/D変換回路17aの入力レンジ内に入るはずである。しかし、通常は1Vから4Vの範囲内の電圧Vpを出力する筒内圧センサ3が当該範囲を超える電圧Vpを出力した場合、急激なオフセットドリフトが生じた場合、基準電圧Vr1、Vr2、Vr3のステップ幅が大きい場合などに、電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジを超える可能性がある。
そこで、マイコン9は、第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値と切替信号Scにより選択される基準電圧Vrを参照して演算し、電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジ内か否かを判断する(ステップS7)。ここで、入力レンジ内(YES)と判断すると、第1A/D変換回路17aが出力した分解能の高いデジタル変換値に基づいて筒内圧を算出する(ステップS8)。これに対し、入力レンジ外(NO)と判断すると、第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいて筒内圧を算出する(ステップS9)。なお、電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジを超える虞がない場合には、ステップS7、S9の処理を省略してもよい。
マイコン9は、筒内圧の検出値が必要となる期間例えばATDC180°CAが経過したか否かを判断し(ステップS10)、当該期間が経過するまで上述したステップS6〜S9を繰り返し実行する。当該期間が経過すると再びステップS1に移行し、次の燃焼サイクルの筒内圧の検出に備えてオフセット電圧Vpoの検出処理を開始する。
以上説明した本実施形態によれば、マイコン9は、筒内圧が低下している期間内にセンサ信号のオフセット電圧Vpoを検出し、それに応じた基準電圧Vrだけセンサ信号を低電圧側にレベルシフトする。これにより、オフセットドリフトにかかわらず、第1A/D変換回路17aが出力するデジタル変換値に基づいてより高い筒内圧まで検出することが可能となる。また、センサ信号に対する第1A/D変換回路17aのダイナミックレンジを広く確保することができる。その結果、センサ信号に対するゲインを従来よりも高く設定することができるので第1A/D変換回路17aの分解能を高めることができ、より高精度に筒内圧を検出することができる。この効果は、筒内圧センサ3にオフセットドリフトが生じた場合のみならず、筒内圧センサ3のゲイン(センシング感度係数)が変動した場合にも同様に得られる。
この場合、オフセット電圧Vpoより筒内圧の低圧側に対応する信号電位側において、当該オフセット電圧Vpoに最も近い基準電圧Vrを選択してレベルシフトする。これにより、基準電圧出力回路20が出力可能な基準電圧Vr1、Vr2、Vr3の中でダイナミックレンジを最も広く確保することができ、一層高精度に筒内圧を検出できる。
差動増幅回路22は、レベルシフト動作と増幅動作とを同時に行うので、回路の構成素子数およびコストを低減できる。そのゲインは、差動増幅回路22の出力電圧Vsの最大変化幅が第1A/D変換回路17aの入力レンジ幅に近付くように設定されているので、非常に高い分解能を得ることができる。
筒内圧検出回路11は、センサ信号の電圧Vpが燃焼サイクルの全域において入力レンジ内となる第2A/D変換回路17bを備えている。マイコン9は、第2A/D変換回路17bが出力するデジタル変換値を用いてオフセット電圧Vpoを検出するので、センサ信号がドリフトしても常にオフセット電圧Vpoを検出することができる。また、増幅したセンサ信号の電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジ外になる場合には、第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいて筒内圧を検出する。これにより、センサ信号のオフセットドリフトが急変した場合でも筒内圧を正常に検出することができる。
筒内圧検出回路11は、クランク角信号に基づいてクランク角を検出するクランク角信号入力回路12を備えている。マイコン9は、この検出したクランク角に基づいて、筒内圧が最も低下している期間を判別するので、オフセット電圧Vpoを正しく検出することができる。
マイコン9は、筒内圧の検出が必要となるクランク角に対し、少なくとも基準電圧出力回路20と差動増幅回路22の安定化時間Tsに相当する角度だけ前のクランク角で基準電圧Vrの切替信号Scを出力する。これにより、筒内圧の検出が必要となるクランク角において、基準電圧出力回路20と差動増幅回路22の動作が安定した状態で、高精度に筒内圧を検出することができる。
筒内圧検出回路11は、気筒2ごとに基準電圧出力回路20および差動増幅回路22を備えている。これにより、気筒2の筒内圧センサ3が有する特性ばらつきを個別に調整できる。また、気筒2ごとに基準電圧出力回路20を備えることにより、基準電圧Vrの切り替え時に生じるノイズの影響を回避できる。
(第2の実施形態)
図5は、筒内圧検出回路11が備える差動増幅回路の構成を示している。差動増幅回路30(レベルシフト回路に相当)は、オペアンプ30a、抵抗30b〜30gおよび切替スイッチ30h、30iとから構成されている。切替スイッチ30hは抵抗30bと30cとを選択し、切替スイッチ30iは抵抗30eと30fとを選択する。切替スイッチ30h、30iは、ゲイン切替信号Sgに応じて連動して切り替え動作を行う。
抵抗30bと30eの抵抗値をR11、抵抗30cと30fの抵抗値をR12、抵抗30dと30gの抵抗値をR21とすれば、差動増幅回路30の出力電圧Vsは次の(3)式または(4)式のようになる。
Vs=R21/R11(Vq−Vr) …(3)
Vs=R21/R12(Vq−Vr) …(4)
マイコン9は、筒内圧センサ3をはじめ各種センサが出力するセンサ信号に基づいて燃焼状態を検出する。そして、その燃焼状態における電圧Vsの最大変化幅が第2A/D変換回路17bの入力レンジ幅以下であって且つその入力レンジ幅に近付くように、切替スイッチ30h、30iを切り替える。本実施形態によれば、センサ信号に対する適正なダイナミックレンジを確保し分解能を高めることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
上記実施形態において、マイコン9は、電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジ内か否かの判断処理(ステップS7)において、入力レンジを0V〜5Vの範囲とした。これに替えて、第1A/D変換回路17aの入力レンジの上限電圧5Vよりも低い上限しきい値電圧(例えば4.5V)および下限電圧0Vよりも高い下限しきい値電圧(例えば0.5V)を設定してもよい。この場合、マイコン9は、増幅されたセンサ信号の電圧Vsがこれら上限しきい値電圧と下限しきい値電圧とで制限された入力レンジ内か否かを判断する。
A/D変換回路17の入力レンジの上限電圧付近(例えば4.5V〜5V)および下限電圧付近(例えば0V〜0.5V)は、入力レンジの中間領域と比較してA/D変換誤差が大きくなる傾向がある。上記構成を採用すれば、A/D変換誤差を低減できるのでより高精度に筒内圧を検出できる。
上記実施形態において、マイコン9は、基準電圧Vrの切り替えに係る動作の安定化のため、切替信号Scを出力した後、所定の安定化時間Tsの経過を待った(ステップS5)。これに替えてまたはこれと併用して、切替信号Scを出力した後、第1A/D変換回路17aが出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が所定の切替完了しきい値以下となったときに、基準電圧Vrの切り替えに係る動作が完了したと判断してもよい。併用する場合には、安定化時間Tsが経過する時点と、上記筒内圧の差が切替完了しきい値以下となった時点のうち、何れか早い時点(または何れか遅い時点)で完了と判断すればよい。これにより、無駄な待ち時間がなくなるとともに、切り替え動作が完了する前(動作が安定する前)に筒内圧を検出することを防止できる。
上記実施形態では、第1A/D変換回路17aと第2A/D変換回路17bは順次並行してA/D変換を実行している。そこで、マイコン9は、燃焼サイクルの各時点において、第1A/D変換回路17aが出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が異常判定しきい値以上となった場合に異常状態と判定してもよい。これにより、第1A/D変換回路17aと第2A/D変換回路17bの少なくとも一方に異常が生じたことを検出でき、筒内圧検出回路11の信頼性を高めることができる。
上記実施形態では、第2A/D変換回路17bが出力したデジタル変換値に基づいてオフセット電圧Vpoを検出した。しかし、第1A/D変換回路17aが出力したデジタル変換値に基づいてオフセット電圧Vpoを検出してもよい。この場合には、オフセットドリフトが生じてもセンサ信号の電圧Vsが第1A/D変換回路17aの入力レンジに入るようにゲイン設定をすればよい。或いは、電圧Vsが入力レンジ外となったときには、基準電圧Vrを変更して入力レンジ内としてからオフセット電圧Vpoを検出すればよい。これにより第2A/D変換回路17bが不要になる。
第2A/D変換回路17bは、センサ信号を一定の基準電圧でレベルシフトしてからA/D変換を実行してもよい。
第1A/D変換回路17aと第2A/D変換回路17bにそれぞれ個別にバッファ回路21を設け、各バッファ回路21に個別のゲインを設定してもよい。
A/D変換回路17は、マルチプレクサ19に替えてチャネルごとにA/D変換器18を備えてもよい。
レベルシフト回路は差動増幅回路22に限られない。レベルシフト回路は少なくともレベルシフト作用を備えていればよく、増幅作用はバッファ回路21その他の増幅回路に持たせればよい。
基準電圧出力回路20は3段階の基準電圧Vr1、Vr2、Vr3を出力可能であるが、2段階或いは4段階以上の基準電圧を出力可能に構成してもよい。また、離散的な電圧ではなく連続的な電圧(アナログ値)を出力可能に構成してもよい。
基準電圧出力回路20に選択させる基準電圧Vrは、オフセット電圧Vpoより筒内圧の低圧側に対応する信号電位側にレベルを持つ電圧であればよく、必ずしも当該オフセット電圧Vpoに最も近い基準電圧Vrを選択する必要はない。
筒内圧検出回路11は、気筒2ごとに基準電圧出力回路20を備えたが、複数の気筒2に対し共通に基準電圧出力回路20を備えてもよい。
以上説明した第1、第2の実施形態およびその他の実施形態は、適宜組み合わせた構成としてもよい。
図面中、1はエンジン(内燃機関)、2は気筒、3は筒内圧センサ、9はマイクロコンピュータ(制御手段)、11は筒内圧検出回路(筒内圧検出装置)、12はクランク角信号入力回路(クランク角検出手段)、17aは第1A/D変換回路、17bは第2A/D変換回路、20は基準電圧出力回路、22は差動増幅回路(レベルシフト回路)、Scは切替信号、Sgはゲイン切替信号、Vrは基準電圧、Vpoはオフセット電圧である。

Claims (14)

  1. 内燃機関に設けられた筒内圧センサから筒内圧に応じて出力されるセンサ信号をA/D変換することにより前記筒内圧を検出する内燃機関の筒内圧検出装置において、
    複数レベルの中から切替信号により選択したレベルを持つ基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、
    前記センサ信号を前記筒内圧の低圧側に対応する信号電位の向きに前記基準電圧だけレベルシフトして出力するレベルシフト回路と、
    前記レベルシフトされたセンサ信号を入力してA/D変換する第1A/D変換回路と、
    前記筒内圧が低下している期間内の前記センサ信号の電圧であるオフセット電圧より前記筒内圧の低圧側に対応する信号電位側にレベルを持つ基準電圧を前記基準電圧出力回路に選択させる切替信号を出力し、前記第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて前記筒内圧を検出する制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の筒内圧検出装置。
  2. 前記制御手段は、前記オフセット電圧に最も近いレベルを持つ基準電圧を選択させる切替信号を出力することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  3. 前記筒内圧センサから出力されるセンサ信号を入力してA/D変換する第2A/D変換回路を備え、
    前記制御手段は、前記筒内圧が低下している期間内において前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて前記オフセット電圧を検出することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  4. 前記内燃機関の燃焼サイクルにおいて前記筒内圧センサから出力されるセンサ信号の電圧が前記第2A/D変換回路の入力レンジ内となるように、前記センサ信号に対するゲイン設定がなされていることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  5. 前記制御手段は、前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値と前記切替信号により選択される基準電圧を参照して、前記レベルシフトされたセンサ信号が前記第1A/D変換回路の入力レンジ内か否かを判定し、入力レンジ外と判定した場合には前記第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に替えて前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて前記筒内圧を検出することを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1A/D変換回路の入力レンジ内か否かの判定に際し、前記第1A/D変換回路の入力レンジの上限電圧よりも低い上限しきい値電圧および下限電圧よりも高い下限しきい値電圧を設定し、前記レベルシフトされたセンサ信号がこれら上限しきい値電圧と下限しきい値電圧とで制限された入力レンジ内か否かを判定することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  7. 前記内燃機関に設けられたクランク角センサから入力したクランク角信号に基づいてクランク角を検出するクランク角検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関の圧縮上死点から所定の角度以上離れたクランク角において前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて前記オフセット電圧を検出することを特徴とする請求項3ないし6の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  8. 前記制御手段は、前記筒内圧の検出が必要となるクランク角に対し、少なくとも前記基準電圧出力回路により出力される基準電圧の安定化時間に相当する角度だけ前のクランク角で前記切替信号を出力することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  9. 前記制御手段は、前記第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が所定の切替完了しきい値以下となったことを条件として、前記基準電圧の切り替えに係る動作が完了したと判定することを特徴とする請求項3ないし8の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1A/D変換回路および前記第2A/D変換回路を並行して動作させ、各時点において前記第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧と前記第2A/D変換回路が出力したデジタル変換値に基づいて検出される筒内圧との差が異常判定しきい値以上となった場合に異常状態と判定することを特徴とする請求項3ないし9の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  11. 前記制御手段は、前記切替信号を出力してから所定の安定化時間が経過するまでの期間、前記第1A/D変換回路が出力したデジタル変換値を用いないことを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  12. 前記レベルシフト回路は、前記センサ信号を前記基準電圧だけレベルシフトするとともに所定のゲインで増幅する差動増幅回路により構成されていることを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  13. 前記レベルシフト回路は、ゲイン切替信号に応じてゲインが変更されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
  14. 前記内燃機関が備える複数の気筒ごとに前記筒内圧センサが設けられており、前記気筒ごとに前記基準電圧出力回路および前記レベルシフト回路を備えていることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の内燃機関の筒内圧検出装置。
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