JP4410424B2 - 内燃機関の筒内圧検出装置 - Google Patents

内燃機関の筒内圧検出装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の筒内圧検出装置に関し、特に、筒内圧の測定精度を高めるための実測値補正手段を有する内燃機関の筒内圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の筒内圧により、その内燃機関の燃焼状態を判断できることが知られる。例えば、特許第2830305号公報には、少なくとも2点のクランク角位置における筒内圧検出信号とその2点のクランク角に対応する燃焼室容積とに基づいて、真の筒内圧に対する筒内圧検出信号のバイアス量を設定する手段を有する内燃機関の燃焼状態検出装置が記載されている。この装置では、前記バイアス量に基づいて筒内圧検出信号を補正して筒内圧を求める一方、非サンプリング期間においては非サンプリング期間の燃焼室容積と補正された筒内圧とに基づいて筒内圧を予測する。
【0003】
また、内燃機関の筒内圧を検出するための圧電方式のセンサでは、ピロ効果つまり焦電効果に起因する出力ドリフトが発生するため、これを抑制する手段を有する装置が提案されている。例えば、特開平4−292555号公報には、予定のクランク角位置において圧力センサに接続されるチャージアンプの出力を短絡し、それによって零点のドリフトを累積させないようにした内燃機関の燃焼状態判定装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載された前者の装置では、サイクル毎(4サイクル機関ではクランク角度720度毎)に変化するバイアス量を補正することができる。しかし、この装置では、圧力センサの特性のばらつきや経時劣化等、圧力センサ自体の感度変化について配慮されておらず、さらなる改善が望まれている。
【0005】
また、前記公報に記載された後者の装置では、長周期的な温度ドリフトを抑制することはできるが、短期的なドリフト、例えばサイクル内のドリフトは考慮されていない。したがって、短期的な圧力変化や温度変化の大きい条件下では正確に圧力を検出できないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消し、圧力センサ自体の感度変化や、温度変化等外部要因による圧力センサの出力ドリフトに関して、特に短期的な現象に配慮した内燃機関の筒内圧検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筒内圧を検出する圧力センサと、当該内燃機関の運転状態を代表する情報を検出する手段と、クランク角に応じた燃焼室容積を検出する手段と、前記運転状態を代表する情報および圧縮行程に設定される複数位置での燃焼室容積に基づいて、前記複数位置での筒内圧を算出する筒内圧算出手段と、前記複数位置で前記圧力センサによって筒内圧検出信号を採取するサンプリング手段と、前記筒内圧算出手段で算出された筒内圧および前記サンプリング手段で採取された実測筒内圧に基づいて、前記圧力センサによる筒内圧検出信号の感度補正係数およびオフセット量を算出する補正値算出手段と、前記感度補正係数およびオフセット量を使用して前記圧力センサによる筒内圧検出信号を補正するセンサ出力補正手段とを具備した点に第1の特徴がある。
【0008】
内燃機関の圧縮行程では、燃焼室容積Vのm乗(mは定数)と燃焼室内(つまり筒内)圧力Pとの積が一定であるポリトロープ変化を示す。第1の特徴によれば、このポリトロープ変化に鑑み、圧縮行程の少なくとも2点で筒内圧を演算により求める。そして、この演算結果つまり少なくとも2位置での算出筒内圧と、同位置での圧力センサの検出信号とによって、筒内圧検出信号の感度補正係数およびオフセット量が算出される。そして、これら係数およびオフセット量によって補正された筒内圧検出信号により真の筒内圧を検出することができる。
【0009】
また、本発明は、前記圧縮行程の複数位置として3位置が設定され、前記補正値算出手段が、さらに前記筒内圧検出信号のクランク角に対応したドリフト補正係数を算出するように構成され、前記センサ出力補正手段が、前記ドリフト補正係数をも含めて前記筒内圧検出信号を補正する点に第2の特徴がある。
【0010】
第2の特徴によれば、前記算出筒内圧を3位置に関して求め、この3位置での算出筒内圧により、前記感度補正係数およびオフセット量に加えて、さらにドリフト補正係数を算出することができる。
【0011】
また、本発明は、前記運転状態を代表する情報が、吸気行程での吸気管内圧であり、この吸気管内圧に基づいて前記複数位置のうち1位置での筒内圧が算出され、他の位置での筒内圧は、前記1位置の筒内圧に基づき、ポリトロープ変化を利用して算出される点に第3の特徴がある。第3の特徴によれば、吸気行程での吸気管内圧は、圧縮行程の初期の筒内圧に近似しているので、吸気管内圧を筒内圧と同値とみなせるか、または吸気管内圧に近似した予定値とするかできる。そして、圧縮行程の他の位置での筒内圧は、ポリトロープ変化を利用して算出できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。まず、本発明の前提となる技術事項を説明する。図2は本発明の一実施形態に係る4サイクル内燃機関(以下、「エンジン」という)の要部構成を示す図である。エンジン1の筒(シリンダ)2には、吸気管3および排気管4が連結され、吸気管3のシリンダ側開口(吸気ポート)3aには吸気弁5が配され、排気管4のシリンダ側開口(排気ポート)4aには排気弁6が配される。シリンダ2内にはピストン7が収容され、ピストン7はコンロッド8を介してクランク軸9に連結される。ピストン7の上部とシリンダ2の壁面に囲まれた空間つまり燃焼室には、前記吸気弁5や排気弁6のほか、点火プラグ10の電極が臨んでいる。
【0015】
点火プラグ10の取り付け座には、シリンダ内圧つまり燃焼室内の圧力を検出する手段としての圧力センサ11が設けられる。吸気管3には、燃料噴射弁12、吸気圧センサ(PBセンサ)13,およびスロットル弁14が配され、スロットル弁14にはスロットル開度センサ15が接続される。また、排気管4には、O2センサ16が設けられる。さらに、クランク軸9の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサ17が設けられる。
【0016】
圧力センサ11、吸気圧センサ13、スロットル開度センサ15、O2センサ16、クランク角センサ17の検出信号は、エンジン制御用電子制御ユニット(以下、「ECU」という)18に供給される。燃料噴射弁12には、ECU18から制御信号が供給されて開弁時間が制御される。
【0017】
図3は、圧力センサ11の取り付け態様を示すシリンダヘッドの断面図である。同図において、環状の圧電素子からなる圧力センサ11は、シリンダヘッド21の、点火プラグ装着凹部22の底部に着座させられ、点火プラグ10がシリンダヘッド21に螺着されたときに、点火プラグ10のシール面10aと凹部の底面とで挟まれて固定される。
【0018】
上記構成において、圧力センサ11の検出信号から真のシリンダ内圧を求めるための補正係数およびオフセット量は、次のように決定する。図4は、本発明の一実施形態で考慮されるポリトロープ変化領域を含むエンジンの1サイクル内における燃焼室容積Vとシリンダ内圧Pとの関係を示す指圧線図である。同図において、エンジン1の吸気弁5を閉じてから吸入された混合気が燃焼を開始するまでの期間つまり圧縮行程では、シリンダ2内の圧縮混合気とシリンダ2の壁面との熱交換により、安定した物理法則(ポリトロープ変化)に従って容積Vと圧力Pとが変化する。この状態の下では容積Vと圧力Pとは、「P×V=一定」の関係にある。なお、この式において、mはポリトロープ指数であり、空気はm=1.4、混合気はm=1.3である。例えば、減速時などでは、燃料供給が断たれるので、空気のポロトロープ指数(m=1.4)が適合する。
【0019】
また、圧力センサ11の出力Sと真のシリンダ内圧Pとの関係は、P=A×S+B…(式1)と置くことができる。但し、Aは圧力センサ11の感度補正係数、Bは圧力センサ11の出力オフセット量(バイアス量)である。この「式1」に対応する真のシリンダ内圧Pと圧力センサ11の出力Sとの関係を図5に示す。同図において、Aは真のシリンダ内圧の勾配と検出出力の勾配との比である。
【0020】
ポリトロープ変化を伴う圧縮行程において、少なくともクランク角30度以上の間隔で設定された2点(クランク角θ1とθ2の位置)でシリンダ内圧を測定し、この2点での測定値を含む上記「式1」の連立方程式を立てる。そして、これを解いて補正係数Aとオフセット量Bとを求める。なお、図4において、吸気行程の、ある1点での吸気圧はPb、そのときの燃焼室容積はV0である。また、圧縮行程の、2カ所のサンプリング時点でのシリンダ内圧および燃焼室容積は、それぞれP1,V1、ならびにP2,V2である。
【0021】
圧縮行程のクランク角θ1とθ2での圧力センサ11の出力をそれぞれS1,S2とすると、真の圧力P1,P2は、「P1=A×S1+B,P2=A×S2+B」となり、この連立方程式を解くことにより、感度補正係数Aとオフセット量Bとを得ることができる。
【0022】
この連立方程式を解くためには、圧力センサ11の検出信号S1とS2のほか、真のシリンダ内圧P1,P2が決定されなければならない。ここでは、真のシリンダ内圧P1,P2を、ポリトロープ変化を考慮して次のように推定する。まず、1つの測定点θ1は吸気弁5を閉じた直後の位置に設定する。この位置での燃焼室容積V1はクランク角センサ17の出力に基づくピストンの位置とシリンダ2のボア(内径)により演算で求めることができる。また、その時のシリンダ内圧P1は、吸気弁5を閉じた直後であり、吸気圧と近似しているため、吸気行程におけるPBセンサ13の出力信号に所定の微小値(実験により求められた値でよい)を加算するなどして予測できる。なお、測定点θ1でのシリンダ内圧は、吸気行程のPBセンサ13の出力信号をそのまま使用してもよい。
【0023】
また、他の1つの測定点θ2は、圧縮行程の終端部つまり点火前の位置に設定する。この位置での燃焼室容積V2は燃焼室容積V1と同様、クランク角の関数としてクランク角センサ17の出力に基づいて演算で求めることができる。そして、そのときのシリンダ内圧P2は、ポリトロープ変化を考慮して、P2=P1×(V1/V2)…(式2) により算出することができる。ここで使用するポリトロープ指数mは予め実験により決定しておく。こうして得られたシリンダ内圧P1,P2を使用して前記連立方程式を解くことができる。
【0024】
連立方程式を解いて感度補正係数Aとオフセット量Bとを算出したならば、これらを使用した「式1」により、任意のサンプリングタイミングにおける圧力センサ11の検出出力を補正して真の圧力Pを求めることができる。なお、前記測定点θ1でのシリンダ内圧P1をPBセンサ13の出力信号に基づいて推定したが、このPBセンサ13の出力信号に限らない。例えば空燃比(O2センサの出力に基づいて得られる)やエンジンの冷却水温など、エンジン1の運転状態を代表するパラメータの関数として、圧縮行程の予定位置でのシリンダ内圧P1を予め設定しておくこともできる。
【0025】
図1は、上記手法による圧力センサ11の検出出力を補正するためのECU18の要部機能を示すブロック図である。同図において、圧力センサ11の出力信号Sはセンサ出力補正部19に入力される。この補正部19では、圧力センサ11の検出信号Sに感度補正係数Aが乗算され、かつオフセット量Bが加算されて真のシリンダ内圧Pが補正される。前記感度補正係数Aおよびオフセット量Bは補正値算出部20において算出される。
【0026】
クランク角検出部24は、クランク角センサ17の出力信号に基づき、圧縮行程に設定された2点に対応するクランク角θ1,θ2において検出信号CA1およびCA2をそれぞれ出力する。この検出信号CA1,CA2に応答して、圧力センサ11の検出信号S1,S2が補正値算出部20に取り込まれる。また、検出信号CA1,CA2に応答して燃焼室容積算出部25でクランク角θ1,θ2に対応する燃焼室容積V1,V2が算出される。
【0027】
さらに、クランク角検出信号CA1は第1圧力算出部26に入力され、これに応答してPBセンサ13の検出信号Pbが第1圧力算出部26に取り込まれる。第1圧力算出部26は検出信号Pbに基づいてクランク角θ1でのシリンダ内圧を決定し、仮の内圧(以下、「算出内圧」という)P1として出力する。
【0028】
前記燃焼室容積V1,V2ならびに算出内圧P1は、第2圧力算出部27に入力され、この第2圧力算出部27は、前記「式2」を使用してクランク角θ2でのシリンダ内圧を決定し、算出内圧P2として出力する。この算出内圧P2および前記算出内圧P1は補正値算出部20に入力される。補正値算出部20は、前記検出信号S1,S2ならびに算出内圧P2および前記算出内圧P1を含む前記連立方程式により、感度補正係数Aおよびオフセット量Bを算出し、センサ出力補正部19に出力する。
【0029】
次に、上記技術を前提として、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、圧力センサ11の1サイクル内での出力のドリフトを考慮する。図6は、1サイクルのシリンダ内圧変化を示す図である。同図に示すように、圧力センサ11の検出出力Sは1サイクル内で次第に大きくなる短期的なドリフトを呈する。
【0030】
そこで、本実施形態に係る装置には、ドリフトを考慮して前記オフセット量を補正する手段を設けた。真のシリンダ内圧Pは、前提技術に関して説明したように、P=A×S+B…(式1)で表されるが、さらにオフセット量Bはドリフトを考慮すると、次式で表される。B=C×θ+D…(式3)。この式において、Cはドリフト補正係数、θはクランク角、Dは圧力センサ検出出力のオフセット量である。
【0031】
図7はエンジンの1サイクル内における燃焼室容積Vとシリンダ内圧力Pとの関係を示す指圧線図であり、第2実施形態では、圧力センサ11の検出出力補正のために圧縮行程の予定の3点(クランク角-α、0、α)でシリンダ内圧のサンプリングを行う。なお、各点は互いにクランク角で30度以上の間隔を有する。同図において、各点のシリンダ内圧をそれぞれP-1、P0、P1とし、燃焼室容積をそれぞれV-1、V0、V1とする。
【0032】
上記指圧線図において、クランク角-α、0、αにおける圧力センサ11の検出出力をS-1、S0、S1とすると、次の連立方程式が成立する。「P-1=A×S-1+C×-α+D、P0=A×S0+D、P1=A×S1+C×α+D」この連立方程式を解くことにより、補正値A,C,Dを求めることができる。
【0033】
上記連立方程式を解くためには、圧力センサ11の検出信号S-1、S0、S1のほか、真のシリンダ内圧P-1,P0、P1が決定されなければならない。ここでは、真のシリンダ内圧P-1,P0、P1を、ポリトロープ変化を考慮して次のように推定する。まず、クランク角-αの測定点は吸気弁5を閉じた直後の位置に設定する。この位置での燃焼室容積V-1はクランク角センサ17の出力に基づくピストンの位置とシリンダ2のボア(内径)により演算で求めることができる。また、その時のシリンダ内圧P-1は、吸気弁5を閉じた直後であり、吸気圧と近似しているため、PBセンサ13の出力信号に所定の微小値(実験により求められた値でよい)を加算するなどして予測できる。
【0034】
また、クランク角0、クランク角αである測定点での燃焼室容積V0、V1は燃焼室容積V-1と同様、クランク角の関数としてクランク角センサ17の出力に基づいて演算で求めることができる。そして、そのときのシリンダ内圧P0、P1は、ポリトロープ変化を考慮して、P0=P-1×(V-1/V0)…(式4)、 P1=P0×(V0/V1)…(式5)により算出することができる。ここで使用するポリトロープ指数mは予め実験により決定しておく。こうして得られたシリンダ内圧P-1、P0、P1を使用して前記連立方程式を解くことができる。
【0035】
連立方程式を解いて感度補正係数Aならびにオフセット量B、Dを算出したならば、これらを使用した「式1」、「式3」により、任意のサンプリングタイミングにおける圧力センサ11の検出出力を補正して真の圧力Pを求めることができる。
【0036】
なお、前記測定点(クランク角−α)でのシリンダ内圧P−1をPBセンサ13の出力信号に基づいて推定したが、エンジン1の運転状態を代表するパラメータであれば、このPBセンサ13の出力信号に限らない。
【0037】
次に、本発明の関連技術を参考に説明する。図8は、圧力センサ11の、焦電効果によるドリフトを含む検出出力を示す図である。同図に示すように、圧力センサ11の検出出力はドリフトを有するので、このドリフトの蓄積を防止するため、予定の時点でドリフトをキャンセルするリセット操作を行う。
【0038】
図9は、リセット操作を含む圧力センサ11の検出出力を示す図である。同図に示すように、エンジンの1サイクル毎に、予定のリセットタイミングRTで圧力センサ11の検出出力をゼロにリセットする。そして、このリセット操作前後の検出出力の差ΔSに基づき、次式を使用してクランク角1度あたりの焦電量PEを算出する。PE=ΔS/720…(式6)。なお、リセットタイミングRTは、リセット前後で圧力センサ11の検出出力を読み込む必要から、シリンダ内圧の安定する吸気行程に設定される。
【0039】
上記焦電量を考慮すると、リセットタイミングRTを基準としたクランク角θに対応するドリフトを補正した真のシリンダ内圧Pは、次式により算出される。
P=S−ΔS/720×θ…(式7)。
【0040】
図10は、参考技術における圧力センサ11の、出力補正のためのECU18の要部機能を示すブロック図である。同図において、圧力センサ11の検出出力はチャージアンプ28で増幅された後、センサ出力補正部29に入力される。センサ出力補正部29は、焦電量算出部30で算出されるクランク角1度あたりの焦電量PEにより、前記「式7」を使用して圧力センサ11の出力に含まれるドリフトを解消するよう、チャージアンプ28の出力を補正する。
【0041】
リセットタイミング検出部31はクランク角センサ17の出力に基づいて、予定のリセットタイミング、すなわち吸気行程の予定のクランク角であるか否かを判別する。予定のリセットタイミングになったときに、リセット信号resetを出力してチャージアンプ28の出力をゼロにリセットする。
【0042】
焦電量算出部30にはチャージアンプ28の出力信号が供給されていて、リセット信号resetが入力されると、その時点でチャージアンプ28からの入力は禁止される。すなわち、リセット信号resetが入力される直前のチャージアンプ28の出力信号が焦電量算出部30に保持される。この保持された信号は、エンジンの1サイクルでの焦電量(ドリフト)であり、焦電量算出部30は、このドリフトを表す値ΔSにより、前記「式6」を使用して、クランク角1度あたりの焦電量PEを算出する。焦電量PEはセンサ出力補正部29に供給される。リセット信号resetはリセットタイミングを過ぎたときに消滅する。
【0043】
なお、チャージアンプ28は、公知のものを使用できるので、詳細な構成の説明は省略する。例えば、特開平4−292555号公報に開示されたチャージアンプを使用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、オフセット量だけでなく、圧力センサの感度補正係数をも考慮して圧力センサの検出信号を補正することができる。すなわち、圧力センサの出力ドリフトの補正係数を算出し、この補正係数により圧力センサによる筒内圧検出信号のドリフトをクランク角に対応して補正することができる。したがって、サイクル内のドリフトも解消させることができる。
【0045】
また、本発明によれば、算出筒内圧として吸気管内圧を利用し、簡便に補正値を算出することができる。
【0047】
このように、本発明によれば、圧力センサで検出された筒内圧を、正確に補正して真の筒内圧を検出することができる。特に、1サイクル内のドリフトを簡便に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提技術となる筒内圧検出装置の要部機能ブロック図である。
【図2】 本発明の前提技術となる筒内圧検出装置を含む内燃機関の要部構成を示す図である。
【図3】 圧力センサの取り付け態様を示すシリンダヘッドの要部断面図である。
【図4】 本発明の前提技術におけるシリンダ内圧と燃焼室容積との関係を示す指圧線図である。
【図5】 真のシリンダ内圧と圧力センサの検出出力との関係を示す図である。
【図6】 クランク角とシリンダ内圧との関係を示す図である。
【図7】 本発明におけるシリンダ内圧と燃焼室容積との関係を示す指圧線図である。
【図8】本発明の関連技術におけるドリフトを有する圧力センサの検出出力の変化を示す図である。
【図9】本発明の関連技術におけるドリフトがリセットされた圧力センサの検出出力の変化を示す図である。
【図10】 本発明の関連技術に係る筒内圧検出装置の要部機能ブロック図である。

Claims (1)

  1. 内燃機関の筒内圧を検出する圧力センサと、
    前記内燃機関の吸気行程での吸気管内圧を検出する手段と、
    クランク角を検出する手段と、
    前記クランク角に基づいてクランク角に応じた燃焼室容積を検出する手段と、
    圧縮行程に設定される3位置のうち吸気弁を閉じた直後の第1位置では前記吸気管内圧に基づいて筒内圧を算出し、他の2つの位置のうち、前記第1位置に近い側の第2位置では、ポリトロープ変化を考慮して、前記第1位置での筒内圧と燃焼室容積および第2位置での燃焼室容積に基づいて筒内圧を算出し、前記第1位置から遠い側の第3位置では、ポリトロープ変化を考慮して、第2位置での筒内圧と燃焼室容積および第3位置での燃焼室容積を使用した算出式で筒内圧を算出する筒内圧算出手段と、
    前記圧縮行程の3位置で前記圧力センサによって筒内圧検出信号を採取するサンプリング手段と、
    前記筒内圧算出手段で算出された筒内圧および前記サンプリング手段で採取された実測筒内圧に基づいて、前記圧力センサによる筒内圧検出信号の感度補正係数と前記筒内圧検出信号のクランク角に対応したドリフト補正係数を含むオフセット量とを算出する補正値算出手段と、
    前記感度補正係数と前記ドリフト補正係数含むオフセット量とを使用して前記圧力センサによる筒内圧検出信号を補正するセンサ出力補正手段とを具備し、
    前記補正値算出手段が、前記実測筒内圧に感度補正係数を乗算し、かつその乗算結果に、前記ドリフト補正係数を含むオフセット量を加算した値を、前記算出された筒内圧とする方程式を前記3位置のそれぞれについて設定し、これらの方程式を連立方程式にして、前記感度補正係数と前記ドリフト補正係数を含むオフセット量とを求めるように構成されていることを特徴とする内燃機関の筒内圧検出装置。
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