JP4385323B2 - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
従来から、筒内圧力を検出する筒内圧センサを備えた内燃機関が知られている。一般に内燃機関に適用される筒内圧センサによる筒内圧力の実測値は、筒内圧力の真値に所定の感度を乗じた値とバイアス値とを加算したものとなるが、筒内圧センサの感度は、経時的に変化するものであり、しかも、当該感度には個体差が存在する。このため、従来から、筒内圧力を精度よく検出するための技術として、筒内圧センサ(燃焼圧力センサ)からの信号に基づいて算出される図示トルクと、内燃機関に導入される燃料の量との比を用いて筒内圧センサの感度を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、筒内圧センサの感度やバイアス値の変動(バラツキ)の影響を排除する技術としては、筒内圧センサにより圧縮行程中の任意の2点のクランク角に同期して内燃機関の気筒内圧力差を計測すると共に、計測された気筒内圧力差を内燃機関の任意の基準状態で得られる気筒内圧力差で正規化する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。同様に、筒内圧センサの感度やバイアス値の変動の影響を排除する技術として、筒内圧センサにより検出された筒内圧力に基づいて算出される演算トルクと、当該演算トルクに基づいて算出されるトルク変化量との比として定義されるトルク変化率が予め定められた変動率となるように空燃比を制御する技術も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特許第2782841号公報 特許第2564933号公報 特開平8−177577号公報
しかしながら、上述の従来手法により筒内圧センサの感度を補正する場合、燃料量を算出する際の公差の影響が大きくなり、結果として筒内圧センサの感度を良好に補正できないこともあった。
そこで、本発明は、筒内圧センサの感度を容易かつ精度よく推定可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の提供を目的とする。
本発明による内燃機関の制御装置は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、吸気行程中の所定の1点における筒内圧センサの検出値と、吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力と、圧縮行程中または膨張行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、筒内圧センサの感度の推定値を算出する演算手段を備えることを特徴とする。
この場合、上記吸気行程中の所定の1点は、吸気行程中に吸気弁を閉じる時点であると好ましい。
また、この内燃機関の制御装置は、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、吸気行程中の所定の1点に対応した時点を設定する手段を更に備えると好ましい。
更に、この内燃機関の制御装置は、演算手段によって算出された筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、筒内壁面の温度を推定する手段を更に備えると好ましい。
本発明による内燃機関の制御方法は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、吸気行程中の所定の1点における筒内圧センサの検出値と、吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力と、圧縮行程中または膨張行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、筒内圧センサの感度の推定値を算出することを特徴とする。
本発明による他の内燃機関の制御装置は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、吸気行程中の所定の2点における筒内圧センサの検出値と、吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて、筒内圧センサの感度の推定値を算出する演算手段を備えることを特徴とする。
この場合、この内燃機関の制御装置は、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点を設定する手段を更に備えると好ましい。
また、この内燃機関の制御装置は、演算手段によって算出された筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、筒内壁面の温度を推定する手段を更に備えると好ましい。
本発明による他の内燃機関の制御方法は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、吸気行程中の所定の2点における筒内圧センサの検出値と、吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて、筒内圧センサの感度の推定値を算出することを特徴とする。
本発明によれば、筒内圧センサの感度を容易かつ精度よく推定可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の実現が可能となる。
本発明者は、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧センサの感度を容易かつ精度よく推定すべく鋭意研究を行い、その過程で、まず、筒内圧センサの実測値と筒内圧力の真値との関係に着目した。すなわち、クランク角がθである時の筒内圧力の実測値(筒内圧センサの出力電圧値を圧力に換算した値)をPc(θ)、クランク角がθである時の筒内圧力の真値をPct(θ)、筒内圧センサの感度(ゲイン)をα、筒内圧センサのバイアス値(オフセット量)をδとすれば、筒内圧力の実測値Pc(θ)と筒内圧力の真値Pct(θ)との間には、一般に次の(1)式に示される関係が成り立つ。
Figure 0004385323
また、例えば吸気下死点付近(吸気行程中に吸気弁を閉じる〔閉じ始める〕時点)では、筒内圧力(真値)と吸気系統における吸入空気の圧力とが概ね一致することから、クランク角がθである時の吸入空気の圧力(絶対圧力)をPi(θ)とし、吸気行程中にクランク角がθ0となる時に筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するとすれば、
Figure 0004385323
という関係が成り立つ。
ここで、(2)式における「λ」は、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量(筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するタイミングの位相差)を示す。すなわち、吸気脈動等に起因して、例えば吸気下死点付近(クランク角がθ0となる時点)での筒内圧力は、実際には、吸気下死点から多少遅れた時点(クランク角がθ0+λとなる時点)での吸入空気の圧力と概ね一致する。このような現象を考慮して、(2)式には、かかる位相遅れ量λが導入される。
一方、内燃機関の圧縮行程または膨張行程は、断熱過程であるとみなすことができるので、クランク角がθである際の筒内容積をV(θ)とし、筒内に導入されている混合気の比熱比をκ(例えば、κ=1.32)とすれば、圧縮行程または膨張行程中の所定の2点間(クランク角がθ1,θ2となる時点の間)では、次の(3)式に示される関係が成立する。
Figure 0004385323
かかる(3)の関係式は、(1)式に基づいて、真値Pct(θ1),Pct(θ2)を実測値Pc(θ1),Pc(θ2)で置き換えれば、
Figure 0004385323
と書き換えることができる。
そして、上記(2)式と上記(4)式とからバイアス値δを消去した上でαについて解けば、筒内圧センサの感度αの推定値αeを、
Figure 0004385323
として算出することができる。これにより、かかる(5)式を用いれば、吸気行程中の所定の1点における筒内圧センサの検出値と、当該吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力(吸気圧センサの検出値)と、圧縮行程中または膨張行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧センサの検出値および筒内容積とから、筒内圧センサの感度αの推定値αeを容易かつ精度よく算出することが可能となる。
すなわち、上記(5)式を用いて筒内圧センサの感度αの推定値αeを求めるに際しては、まず、吸気行程中の所定の1点(クランク角がθ0となる時点)および圧縮行程または膨張行程中の所定の2点(クランク角がθ1,θ2となる時点)にて筒内圧力を検出すると共に、上記吸気行程中の所定の1点に対応した時点(クランク角がθ0+λとなる時点)にて吸入空気の圧力を検出する。そして、上記所定の1点における筒内圧力Pc(θ0)と、上記所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)と、上記所定の2点における筒内圧力Pc(θ1),Pc(θ)および筒内容積V(θ1),V(θ2)とを上記(5)式に代入することにより、筒内圧センサの感度αの正確な推定値αeを低負荷で容易に得ることが可能となる。また、上述のように、吸入空気の圧力を検出する時点(上記吸気行程中の所定の1点に対応した時点)を位相遅れ量λに応じて設定することにより、感度αの推定値αeの算出精度をより一層向上させることが可能となる。
ところで、上記(2)式に示される関係は、筒内圧力(真値)と吸気系統における吸入空気の圧力とが概ね一致するタイミング付近において成立することから、吸気行程中にクランク角がθおよびθとなる時に筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するとすれば、次の(6)および(7)に示される関係が成立する。
Figure 0004385323
そして、上記(6)および(7)式からδを消去すれば、筒内圧センサの感度αの推定値αeを、
Figure 0004385323
として算出することができる。これにより、かかる(8)式を用いても、吸気行程中の所定の2点における筒内圧センサの検出値と、当該吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力(吸気圧センサの検出値)とから、筒内圧センサの感度αの推定値αeを容易かつ精度よく算出することが可能となる。
すなわち、(8)式を用いて筒内圧センサの感度αの推定値αeを求めるに際しては、まず、吸気行程中の所定の2点(クランク角がθ,θとなる時点)にて筒内圧力を検出すると共に、当該吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点(クランク角がθ+λとなる時点およびθ+λとなる時点)にて吸入空気の圧力を検出する。そして、上記吸気行程中の所定の2点における筒内圧力Pc(θ)およびPc(θ)と、当該吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力Pi(θ+λ)およびPi(θ+λ)とを上記(8)式に代入することにより、筒内圧センサの感度αの正確な推定値αeを低負荷で容易に得ることが可能となる。また、上記(8)式を用いる場合も、吸入空気の圧力を検出する時点(吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点)を位相遅れ量λに応じて設定することにより、感度αの推定値αeの算出精度をより一層向上させることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明による内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図1には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気マニホールドを介して吸気管5に接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気マニホールドを介して排気管6に接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構VMによって開閉させられる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5は、図1に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気管L1が接続されており、給気管L1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気管L1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)10が組み込まれている。一方、排気管6には、図1に示されるように、三元触媒を含む前段触媒装置11aおよびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は、図1に示されるように、複数のインジェクタ12を有し、インジェクタ12は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。また、内燃機関1の各ピストン4は、いわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には、凹部4aが形成されている。そして、内燃機関1では、各燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ12から各燃焼室3内のピストン4の凹部4aに向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関1では、点火プラグ7の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。なお、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる直噴エンジンとして説明されるが、これに限られるものではなく、本発明が吸気管(吸気ポート)噴射式の内燃機関に適用され得ることはいうまでもない。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12および動弁機構VM等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。ECU20には、図1に示されるように、内燃機関1のクランク角センサ14を始めとした各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、動弁機構VM等を制御する。
また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3における筒内圧力(相対圧力)を検出し、検出値を示す信号をECU20に与える。更に、内燃機関1は、サージタンク8内の吸入空気の圧力(吸気圧)を絶対圧力として検出する吸気圧センサ16を有している。吸気圧センサ16は、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されており、検出したサージタンク8内の吸入空気の絶対圧力を示す信号をECU20に与える。クランク角センサ14、各筒内圧センサ15および吸気圧センサ16の検出値は、微小時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。
次に、図2を参照しながら、上述の内燃機関1において筒内圧センサ15の感度αの推定値αeを算出する手順について説明する。図2に示されるルーチンは、内燃機関1のECU20によって所定時間おきに実行され、ECU20は、本ルーチンの実行タイミングになると、まず、クランク角センサ14の検出値に基づいて、内燃機関1の回転数を取得する(S10)。機関回転数を取得すると、ECU20は、記憶装置に記憶されている所定のマップまたは関数式を用いて、S10にて取得した回転数に対応する位相遅れ量λを設定する(S12)。
ここで、かかる位相遅れ量λは、本実施形態において、概ね吸気下死点になる時刻(吸気行程中に吸気弁を閉じる時点)と、吸入空気の圧力が吸気下死点における筒内圧力と概ね一致する時刻との差に応じた角度とされるが、本発明者の研究によれば、位相遅れ量λは、機関回転数が増加するにつれて大きくなり、機関回転数に対して概ね比例して増加することが判明している。このため、S12では、図3に示されるような機関回転数と位相遅れ量λとの相関を規定するマップまたは関数式が用いられる。なお、S12にて用いられるマップまたは関数式を作成するに際しては、吸気弁Viや排気弁Veの開閉タイミングやリフト量、更には内燃機関1における背圧を考慮すると好ましい。
S12にて位相遅れ量λを設定すると、ECU20は、所定の記憶領域から、燃焼室3ごとに、クランク角がθ0(例えば−180°)となる時の筒内圧力Pc(θ0)と、クランク角がθ1(例えば−100°)となる時の筒内圧力Pc(θ1)と、クランク角がθ2(例えば−50°)となる時の筒内圧力Pc(θ2)とを読み出すと共に、クランク角がθ0+λ(例えば−180°+λ)となる時の(吸気下死点付近における)吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)を読み出す(S14)。なお、角度θ1およびθ2は、圧縮行程または膨張行程中に含まれるように選択されば、それぞれの値は任意とされ得る。
そして、ECU20は、燃焼室3ごとに、S14にて読み出した筒内圧力Pc(θ0),Pc(θ1),Pc(θ2)を吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)および筒内容積V(θ1),V(θ2)と共に上記(5)式に代入することにより、筒内圧センサ15ごとに、感度αの推定値αeを算出する(S16)。なお、S16にて用いられる筒内容積Vκ(θ1),Vκ(θ2)の値(本実施形態では、Vκ(−100°)およびVκ(−50°)の値)は、例えばκ=1.32として予め算出された上で記憶装置に記憶されており、ECU20は、これらVκ(θ1),Vκ(θ2)の値を記憶装置から読み出してS20の処理に用いる。
感度αの推定値αeを得ると、ECU20は、筒内圧センサ15(燃焼室3)ごとに、推定値αeが予め定められている閾値Aを下回っているか否か判定する(S18)。そして、ECU20は、S18にて推定値αeが閾値Aを下回っていると判断した筒内圧センサ15について、所定の記憶領域に記憶されている感度αをS16にて算出した推定値αeで更新し(S20)、これにより、各筒内圧センサ15の出力が補正されることになる。
そして、本実施形態では、S20の処理の後、更新された各筒内圧センサ15の感度α(S16にて算出された推定値αe)を用いて各燃焼室3の壁面温度(筒内壁面の温度)を推定する処理が実行される(S22)。
ここで、筒内圧センサの感度は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等のセンサ素子の温度に依存するものであり、筒内圧センサの感度を求めるということは、センサ素子の温度を把握することに繋がる。そして、センサ素子の温度は、筒内圧センサの取付箇所周辺の温度(壁面温度)と密接な相関を有することから、燃焼室の所定箇所における壁面温度と、当該燃焼室に設けられている筒内圧センサの感度の初期値(あるいは前回値)からの変化量とは、例えば図4に示されるような相関を有している。
このような点を踏まえて、本実施形態では、燃焼室3の壁面温度と筒内圧センサ15の感度αの初期値(あるいは前回値)α0からの変化量との相関を規定する筒内壁温推定マップが予め作成され、記憶装置に格納されている。そして、ECU20は、S22にて、筒内圧センサ15ごとに、感度α(推定値αe)と初期値α0との偏差Δαを求めると共に、筒内壁温推定マップから、偏差Δαに対応する壁面温度を燃焼室3ごとに読み出す。更に、本実施形態では、S22において、得られた壁面温度と予め作成されているマップとを用いて、燃焼室3ごとに壁面に付着した燃料の量の推定値が算出され、算出された燃料付着量の推定値は、燃料噴射制御に際して用いられる。このようなS22の処理を実行すると、ECU20は、本ルーチンの次の実行タイミングまで待機することになる。
上述のように、内燃機関1では、各燃焼室3に備えられる筒内圧センサ15の感度αの正確な推定値αeを得ることが可能である。そして、上述のようにして算出される感度αの正確な推定値αeを用いれば、各燃焼室3における壁面温度や壁面に対する燃料付着量等を容易かつ精度よく把握すると共に、それらを内燃機関1の制御に有効利用することが可能となる。
一方、S18にて何れかの筒内圧センサ15の感度αの推定値αeが閾値A以上になっていると判断された場合、当該筒内圧センサ15の感度劣化がある程度進行していることになる。このため、S18にて何れかの筒内圧センサ15について否定判断を行った場合、ECU20は、該当する筒内圧センサ15に異常が発生しているとみなし、図示されない所定の警告灯を点灯させるなどして警報を発生させた上で(S24)、待機状態へと移行する。
図5は、上述の内燃機関1において筒内圧センサ15の感度αの推定値αeを算出する他の手順を説明するためのフローチャートである。
図5のルーチンは、上述の(8)式を利用するものであり、ECU20は、本ルーチンの実行タイミングになると、クランク角センサ14の検出値に基づいて、内燃機関1の回転数を取得し(S30)、更に、S30にて取得した回転数に対応する位相遅れ量λを設定する(S32)。S32にて位相遅れ量λを設定すると、ECU20は、所定の記憶領域から、クランク角がθ(例えば−300°)となる時の筒内圧力Pc(θ)と、クランク角がθ(例えば−200°)となる時の筒内圧力Pc(θ)とを燃焼室3ごとに読み出すと共に、クランク角がθ+λ(例えば−300°+λ)となる時の吸入空気の圧力Pi(θ+λ)と、クランク角がθ+λ(例えば−200°+λ)となる時の吸入空気の圧力Pi(θ+λ)とを読み出す(S34)。なお、角度θおよびθは、吸気行程中に含まれ、かつ、筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するタイミングであれば、それぞれの値は任意とされ得る。
そして、ECU20は、燃焼室3ごとに、S34にて読み出した筒内圧力のPc(θ),Pc(θ)を吸入空気の圧力Pi(θ+λ),Pi(θ+λ)と共に上記(8)式に代入することにより、筒内圧センサ15ごとに、感度αの推定値αeを算出する(S36)。感度αの推定値αeを得ると、ECU20は、筒内圧センサ15(燃焼室3)ごとに、推定値αeが予め定められている閾値Aを下回っているか否か判定する(S38)。
そして、ECU20は、S38にて推定値αeが閾値Aを下回っていると判断した筒内圧センサ15について、所定の記憶領域に記憶されている感度αをS36にて算出した推定値αeで更新する(S40)。更に、ECU20は、S40の処理の後、更新された各筒内圧センサ15の感度α(S36にて算出された推定値αe)を用いて上述のS22と同様の処理を実行する(S42)。また、S38にて何れかの筒内圧センサ15の感度αの推定値αeが閾値A以上になっていると判断した場合、ECU20は、該当する筒内圧センサ15に異常が発生しているとみなし、図示されない所定の警告灯を点灯させるなどして警報を発生させた上で(S44)、待機状態へと移行する。
このように、上述の(8)式を用いた図5のルーチンが実行されても、各燃焼室3に備えられる筒内圧センサ15の感度αの正確な推定値αeを得ることが可能である。そして、図5のルーチンを経て算出される感度αの正確な推定値αeを用いれば、各燃焼室3における壁面温度や壁面に対する燃料付着量等を容易かつ精度よく把握すると共に、それらを内燃機関1の制御に有効利用することが可能となる。
なお、図2および図5のルーチンにおいて、感度αの推定値αeを用いて各筒内圧センサ15の異常を判定するに際しては、感度αの初期値α0あるいは前回値からの変化量、すなわち、推定値αeと初期値α0(あるいは前回値)との偏差を求め、当該変化量(偏差)が予め定められた閾値以上になった場合に、その筒内圧センサ15に異常が発生していると判断するようにしてもよい。また、上記S22やS42における処理には、燃焼室3ごとに、壁面温度に基づいて燃焼室壁部(シリンダブロック2)に伝わった熱エネルギの量を求める工程が含まれてもよい。
そして、図2および図5のルーチンの何れにおいても、筒内圧力や吸入空気の圧力のサンプリング点θ0,θ1,θ2またはθ,θを少しずつずらし、多数のサンプリング点に基づいて各筒内圧センサ15の感度αの推定値αeを複数求め、複数の推定値αeを平均化してもよい。これにより、各筒内圧センサ15の感度αの推定値αeをより精度よく算出可能となる。また、サージタンク8の吸気圧センサ16を省略し、吸入空気の圧力をスロットルバルブ10の開度や、吸入空気量を測定する図示されないエアフローメータの測定値から推定して用いてもよい。そして、上述の内燃機関1は、ガソリンエンジンであるものとして説明されたが、これに限られるものではなく、本発明がディーゼルエンジンに適用され得ることはいうまでもない。
本発明による制御装置を含む内燃機関を示す概略構成図である。 図1の内燃機関において筒内圧センサの感度の推定値を算出する手順を説明するためのフローチャートである。 内燃機関の回転数と、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量との関係を例示するグラフである。 燃焼室に設けられている筒内圧センサの感度の変化量と、当該燃焼室の壁面温度との関係を例示するグラフである。 図1の内燃機関において筒内圧センサの感度の推定値を算出する他の手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 燃焼室
4 ピストン
5 吸気管
6 排気管
7 点火プラグ
8 サージタンク
10 スロットルバルブ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
16 吸気圧センサ
L1 給気管
Ve 排気弁
Vi 吸気弁
VM 動弁機構

Claims (7)

  1. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、
    吸気行程中の所定の1点における前記筒内圧センサの検出値と、前記吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力と、圧縮行程中または膨張行程中の少なくとも所定の2点における前記筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、前記筒内圧センサの感度の推定値を算出する演算手段と、
    前記演算手段によって算出された前記筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、当該筒内圧センサの取付箇所周辺の筒内壁面の温度を推定する温度推定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記温度推定手段により推定された筒内壁面の温度から当該壁面に付着した燃料の量を推定する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記演算手段は、クランク角がθである時の筒内圧力の実測値をPc(θ)、クランク角がθである時の筒内圧力の真値をPct(θ)、筒内圧センサの感度をα、筒内圧センサのバイアス値をδとしたときに、筒内圧力の実測値Pc(θ)を、次式により求めることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
    Figure 0004385323
  4. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、
    吸気行程中の所定の1点における前記筒内圧センサの検出値と、前記吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力と、圧縮行程中または膨張行程中の少なくとも所定の2点における前記筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、前記筒内圧センサの感度の推定値を算出し、
    算出された前記筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、当該筒内圧センサの取付箇所周辺の筒内壁面の温度を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  5. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、
    吸気行程中の所定の2点における前記筒内圧センサの検出値と、前記吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて、前記筒内圧センサの感度の推定値を算出する演算手段と、
    前記演算手段によって算出された前記筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、当該筒内圧センサの取付箇所周辺の筒内壁面の温度を推定する手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、前記吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点を設定する手段を更に備えることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、
    吸気行程中の所定の2点における前記筒内圧センサの検出値と、前記吸気行程中の所定の2点の各々に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて、前記筒内圧センサの感度の推定値を算出し、
    算出された前記筒内圧センサの感度の推定値に基づいて、当該筒内圧センサの取付箇所周辺の筒内壁面の温度を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
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