JP4399787B2 - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
一般に、内燃機関では、筒内における混合気の燃焼開始時期(火花点火時期または圧縮着火時期)が遅れると本来のトルクを得ることができず、逆に、点火または着火時期を進角させ過ぎるとノッキングが発生してしまう。このため、内燃機関の筒内における燃焼開始時期は、回転数やスロットル開度等に応じて、ノッキングが発生しない範囲で大きなトルクが得られるように最適なタイミング(MBT:Minimum advance for Best Torque)に設定されることが好ましい。
内燃機関の筒内における燃焼開始時期を最適に設定するための技術としては、従来から、筒内における燃焼割合に基づいて点火時期を制御する内燃機関の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、従来から、所定クランク角までの燃焼割合を検知し、検知した燃焼割合が目標値になるように点火時期をフィードバックする技術(例えば、特許文献2参照。)や、所定の燃焼割合に到達する実際のクランク角を検知し、検知したクランク角と目標クランク角との偏差に応じて点火時期を変化させる技術も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開昭64−87874号公報 特開平9−250435号公報 特開平9−317522号公報
しかしながら、上述のような従来の内燃機関の制御装置等は、何れも最適燃焼開始時期(MBT)自体を直接に得るものではない。このため、従来から、内燃機関の最適燃焼開始時期を直接求め、それに基づいて所望の運転状態になるように内燃機関を制御することが求められている。
そこで、本発明は、内燃機関の最適燃焼開始時期を精度よく求めることを可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の提供を目的とする。
本発明による内燃機関の制御装置は、燃料および空気の混合気を燃焼室内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置において、所定のタイミングにおける燃焼割合を複数の燃焼開始時期について算出する燃焼割合算出手段と、燃焼割合算出手段によって算出された複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と複数の燃焼開始時期とに基づいて最適燃焼開始時期を求める燃焼開始時期算出手段とを備えることを特徴とする。
この場合、燃焼開始時期算出手段は、燃焼割合算出手段によって算出された複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と複数の燃焼開始時期とを用いて一次近似処理を実行することにより最適燃焼開始時期を求めると好ましい。
また、本発明による内燃機関の制御装置は、燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段を更に備えるとよく、燃焼割合算出手段は、筒内圧検出手段によって検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積である制御パラメータに基づいて所定のタイミングにおける燃焼割合を算出すると好ましい。
そして、本発明による内燃機関の制御装置は、燃焼割合算出手段によって算出された燃焼割合を平均化する平均化手段を更に備えると好ましい。
本発明による内燃機関の制御方法は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御方法において、所定のタイミングにおける燃焼割合を複数の燃焼開始時期について算出すると共に、複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と複数の燃焼開始時期とに基づいて最適燃焼開始時期を求めることを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の最適燃焼開始時期を精度よく求めることを可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の実現が可能となる。
本発明者は、内燃機関の最適な燃焼開始時期を精度よく求めるべく鋭意研究を行い、その結果、内燃機関の燃焼開始時期(点火時期)と燃焼室における燃焼割合との関係に着目するに至った。そして、本発明者は、内燃機関の燃焼室における燃焼割合が、図1に示されるように、最適燃焼開始時期(MBT)付近に(図1の例では、圧縮上死点前15°から40°度付近)において、内燃機関の燃焼開始時期(点火時期)に概ね比例して変化することを見出したのである。
本発明による内燃機関の制御装置および制御方法は、このような新規な知見を利用するものである。すなわち、本発明では、例えば最適燃焼開始時期(図1の例では、圧縮上死点前27〜28°付近)を挟む複数の燃焼開始時期について、所定のタイミング(例えばクランク角が上死点後8°となるタイミング)における燃焼割合が算出され、得られた複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と複数の燃焼開始時期とに基づいて最適燃焼開始時期が求められる。この場合、図1に示されるような燃焼開始時期(点火時期)と燃焼割合との相関を利用し、算出された複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と複数の燃焼開始時期とを用いた一次近似処理を実行することにより、例えばクランク角が上死点後8°の際に燃焼割合がおよそ50%となるようにする最適燃焼開始時期を低負荷で精度よく求めることができる。そして、得られた最適燃焼開始時期を用いて内燃機関を制御することにより、ノッキングが発生しないようにしつつ内燃機関から大きなトルクを得ることが可能となる。なお、燃料割合がおよそ50%となるクランク角は、内燃機関の冷却損失によって変化するものであり、機種によって上死点後8°から多少前後する。
一方、本発明者は、燃焼室における燃焼割合を低負荷で算出すべく更に研究を行い、その過程で、筒内圧検出手段によって検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積とに基づいて算出される制御パラメータに着目した。より詳細には、本発明者は、クランク角がθである際に筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力をP(θ)とし、クランク角がθである際の筒内容積をV(θ)とし、比熱比をκとした場合に、筒内圧力P(θ)と、筒内容積V(θ)を比熱比(所定の指数)κで累乗した値Vκ(θ)との積として得られる制御パラメータP(θ)・Vκ(θ)(以下、適宜「PVκ」と記す)に着目した。そして、本発明者は、クランク角に対する内燃機関の筒内における熱発生量Qの変化パターンと、クランク角に対する制御パラメータPVκの変化パターンとが、図2に示されるような相関を有していることを見出した。ただし、図2において、−360°,0°および360°は、上死点に、−180°および180°は、下死点に対応する。
図2において、実線は、所定のモデル気筒において所定の微小クランク角おきに検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の比熱比κで累乗した値との積である制御パラメータPVκをプロットしたものである。また、図2において、破線は、上記モデル気筒における熱発生量Qを、次の(1)式に基づき、Q=∫dQとして算出・プロットしたものである。なお、何れの場合も、簡単のために、κ=1.32とした。
Figure 0004399787
図2に示される結果からわかるように、クランク角に対する熱発生量Qの変化パターンと、クランク角に対する制御パラメータPVκの変化パターンとは、概ね一致(相似)しており、特に、筒内の混合気の燃焼開始(点火時または着火時)の前後(例えば、図2における約−180°から約135°までの範囲)では、熱発生量Qの変化パターンと、制御パラメータPVκの変化パターンとは極めて良好に一致することがわかる。
本発明では、このような熱発生量Qと制御パラメータPVκとの相関を利用し、筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積とから算出される制御パラメータPVκに基づいて、ある2点間におけるトータルの熱発生量に対する当該2点間の所定のタイミングまでの熱発生量の比である燃焼割合(MFB)が求められる。ここで、制御パラメータPVκに基づいて筒内における燃焼割合を算出すれば、高負荷な演算処理を要することなく筒内における燃焼割合を精度よく得ることができる。そして、図3に示されるように、制御パラメータPVκに基づいて求められる燃焼割合(同図における実線参照)は、熱発生率に基づいて求められる燃焼割合(同図における破線参照)とほぼ一致する。
図3において、実線は、上述のモデル気筒においてクランク角=θとなるタイミングにおける燃焼割合を、次の(2)式に従うと共に、検出した筒内圧力P(θ)に基づいて算出し、プロットしたものである。ただし、簡単のために、κ=1.32とした。
Figure 0004399787
また、図3において、破線は、上述のモデル気筒においてクランク角=θとなるタイミングにおける燃焼割合を、上記(1)式および次の(3)式に従うと共に、検出した筒内圧力P(θ)に基づいて算出し、プロットしたものである。この場合も、簡単のために、κ=1.32とした。
Figure 0004399787
また、燃焼開始時期の制御に際しては、吸気弁開弁後かつ燃焼開始前に設定されたクランク角=θとなる第1のタイミングと、燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定されたクランク角=θとなる第2のタイミングとの間の所定のタイミングにおける燃焼割合が算出されると好ましい。この場合、当該所定のタイミングにおけるクランク角をθとすると、クランク角=θとなる当該所定のタイミングにおける燃焼割合(MFB)は、
Figure 0004399787
として求めることができる。これにより、3点(クランク角=θ,θ,θとなる点)において検出した筒内圧力に基づいて精度よく燃焼割合を求めることが可能となり、演算負荷を大幅に低減させつつ、筒内における燃焼開始時期を最適化することが可能となる。
ところで、内燃機関が安定に作動している場合であっても、複数の燃焼室間で燃焼状態が異なる(バラつく)ことがあり、これに伴い、上述のようにして算出される燃焼割合の値も、ある程度の幅をもって変動することになる。従って、燃焼割合に基づいて最適燃焼開始時期を求める際には、上述のようにして算出される燃焼割合を平均化する平均化処理が実行されると好ましい。この場合、平均化処理は、比較的少ない回数の燃焼サイクルが実行される間に複数の燃焼室のすべてについて求められた燃焼割合を平均化するものであると好ましい。また、複数の燃焼室の何れかについて燃焼割合を求める場合も、燃焼室間の燃焼のバラツキ等を考慮した重み係数を用いながら、複数の燃焼室のすべてについて求められた燃焼割合を平均化すると好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
図4は、本発明による制御装置を備えた内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図4には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気マニホールドを介して吸気管5に接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気マニホールドを介して排気管6に接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、例えば可変バルブタイミング機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5は、図4に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気管L1が接続されており、給気管L1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気管L1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)10が組み込まれている。一方、排気管6には、図4に示されるように、三元触媒を含む前段触媒装置11aおよびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は、複数のインジェクタ12を有する。各インジェクタ12は、図4に示されるように、対応する吸気管5の内部(吸気ポート内)に臨むように配設されており、各吸気ポート内にガソリン等の燃料を噴射する。なお、本実施形態の内燃機関1は、いわゆるポート噴射式のガソリンエンジンとして説明されるが、これに限られるものではなく、本発明がいわゆる直噴式内燃機関に適用され得ることはいうまでもない。また、本発明が、ガソリンエンジンだけではなく、ディーゼルエンジンにも適用され得ることはいうまでもない。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12および動弁機構等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。ECU20には、図4に示されるように、内燃機関1のクランク角センサ14を始めとした各種センサが電気的に接続されている。ECU20は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、動弁機構等を制御する。また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ(筒内圧検出手段)15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、ECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15の検出値は、所定時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。
次に、図5を参照しながら、上述の内燃機関1において最適点火時期を求める手順について説明する。図5のルーチンは、ECU20によって所定のタイミングで繰り返し実行されるものである。このルーチンを実行する場合、ECU20は、まず、クランク角センサ14からの信号に基づいて機関回転数を取得すると共に、図示されないエアフローメータにより測定される吸入空気量あるいはスロットルバルブ10の開度等に基づいて内燃機関1の負荷を取得する(S10)。更に、ECU20は、S10にて取得した機関回転数および機関負荷に対応した点火時期SA1およびSA2を読み出す(S12)。これらの点火時期SA1およびSA2は、点火制御用ベースマップにおいてS10で取得された機関回転数および機関負荷に対応する最適点火時期を挟む2点として定められる。本実施形態では、点火時期SA1およびSA2を機関回転数および負荷に応じて規定するマップ(3次元マップ)が予め用意されており、ECU20は、このマップから、S10で取得した内燃機関1の回転数および負荷に対応した点火時期SA1およびSA2を読み出す(S12)。
S12にて点火時期SA1およびSA2を決定すると、ECU20は、まず、点火時期をSA1(例えば、圧縮上死点前20°)として各燃焼室3における燃焼を数サイクル(ここでは2サイクル)だけ実行させる(S14)。点火時期SA1のもとで各燃焼室3における燃焼が実行される間、各筒内圧センサ15によって所定時間おきに各燃焼室3における筒内圧力が検出され、各筒内圧センサ15の検出値は、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に格納保持される。
S14の処理の開始後または完了後、ECU20は、点火時期SA1のもとで燃焼が実行された際にクランク角が上死点後8°(=θ)となったタイミングにおける燃焼割合MFB1を燃焼室3ごとに求め、すべての燃焼室3についての燃焼割合MFB1に対して平均化処理を実行する(S16)。すなわち、ECU20は、S16において、吸気弁Viの開弁後かつ点火前(燃焼開始前)に設定されたクランク角=θとなる第1のタイミングにおける筒内圧力P(θ)と、点火後(燃焼開始後)かつ排気弁Veの開弁前に設定されたクランク角=θとなる第2のタイミングにおける筒内圧力P(θ)と、第1のタイミングと第2のタイミングとの間のクランク角=θとなる所定のタイミングにおける筒内圧力P(θ)とを点火時期がSA1とされた各燃焼サイクルについて燃焼室3ごとに所定の記憶領域から読み出す。そして、ECU20は、読み出した筒内圧力P(θ),P(θ)およびP(θ)をV(θ),V(θ)およびV(θ)の値と共に上記(4)式に代入し、燃焼室3ごとに、点火時期がSA1とされた各燃焼サイクルにおいてクランク角が上死点後8°(=θ)となったタイミングでの燃焼割合MFB1を算出する。
なお、本実施形態では、θ=−60°(上死点前60°),θ=90°(上死点後90°)とされ、θは、上述のように上死点後8°(θ=8°)とされる。また、Vκ(θ),Vκ(θ)およびVκ(θ),の値は、予め算出された上で記憶装置にマップとして記憶されている。
燃焼室3ごとに、点火時期がSA1とされた各燃焼サイクルにおいてクランク角が上死点後8°(=θ)となったタイミングでの燃焼割合MFB1を算出すると、ECU20は、算出した全データ(ここでは、4気筒×2サイクルで8つのMFB1のデータ)に対する平均化処理を実行し、燃焼割合MFB1の平均値MFB1AVを算出する。本実施形態では、燃焼室3間の充填率等の相違を考慮した補正係数α〜αが導入された次の(5)式を用いる平均化処理が実行される。なお、(5)式において、k,nは燃焼サイクルの数を示し、添字#1〜#4は、気筒番号を示す。
Figure 0004399787
このように、比較的少ない回数の燃焼サイクルが実行される間に複数の燃焼室3のすべてについて求められた燃焼割合MFB1を平均化することにより、サンプリング数が比較的少なくても、燃焼室間の燃焼のバラツキの影響を低減化することができる。本発明者の研究によれば、かかる手法を採用することにより、4気筒エンジンの場合、2サイクルの平均値と40サイクルの平均値とで分散をほぼ同等にし得ることが判明している。
S16の処理と並行して、あるいは、S16の処理の完了後、ECU20は、更に、点火時期をSA2(例えば、圧縮上死点前30°)として各燃焼室3における燃焼を数サイクル(2サイクル)だけ実行させる(S18)。点火時期SA2のもとで各燃焼室3における燃焼が実行される間、各筒内圧センサ15によって所定時間おきに各燃焼室3における筒内圧力が検出され、各筒内圧センサ15の検出値は、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に格納保持される。
S16の処理の開始後または完了後、ECU20は、点火時期SA2のもとで燃焼が実行された際にクランク角が上死点後8°(=θ)となったタイミングにおける燃焼割合MFB2を燃焼室3ごとに求め、すべての燃焼室3についての燃焼割合MFB2に対して平均化処理を実行する(S20)。この場合、ECU20は、クランク角=θとなる第1のタイミングにおける筒内圧力P(θ)と、クランク角=θとなる第2のタイミングにおける筒内圧力P(θ)と、クランク角=θとなる所定のタイミングにおける筒内圧力P(θ)とを点火時期がSA2とされた各燃焼サイクルについて燃焼室3ごとに所定の記憶領域から読み出す。そして、ECU20は、読み出した筒内圧力P(θ),P(θ)およびP(θ)をV(θ),V(θ)およびV(θ)の値と共に上記(4)式に代入し、燃焼室3ごとに、点火時期がSA2とされた各燃焼サイクルにおいてクランク角が上死点後8°(=θ)となったタイミングでの燃焼割合MFB2を算出する。更に、ECU20は、次の(6)式を用いて、算出したMFB2の全データに対する平均化処理を実行し、燃焼割合MFB2の平均値MFB2AVを算出する。
Figure 0004399787
ここで、図1に関連して説明されたように、内燃機関の燃焼室における燃焼割合は、最適燃焼開始時期(MBT)付近において、内燃機関の燃焼開始時期(点火時期)に概ね比例して変化することが判明している。従って、燃焼割合をx(%)とし、最適燃焼開始時期をyとすれば、内燃機関の燃焼室における燃焼割合と、最適燃焼開始時期との関係は、次の(7)式のように1次式で表す(近似する)ことができる。そして、上述のように点火時期SA1およびこれに対応する燃焼割合MFB1(MFB1AV)と、点火時期SA2およびこれに対応する燃焼割合MFB2(MFB2AV)とがわかれば、未知数a,bを簡単に求めることができる。すなわち、ECU20は、S16においてMFB1AVを、また、S20においてMFB2AVを算出すると、次の(8)式を解くことにより、上記(7)式におけるaおよびbを算出する(S22)。
Figure 0004399787
Figure 0004399787
また、各インジェクタ12によって各吸気ポート内に燃料が噴射される内燃機関1では、実験的、経験的に、クランク角が上死点後8°の際に燃焼割合がおよそ50%となるようにする点火時期が最適点火時期となることが知られている。この点に鑑みて、上記未知数a,bを求めると、ECU20は、最適点火時期SAMBTを、
Figure 0004399787
として算出する(S24)。そして、ECU20は、S10にて取得した機関回転数および機関負荷と、S24にて算出した最適点火時期SAMBTとに基づいて点火制御用ベースマップを更新し(S26)、図5のルーチンを一旦終了させる。
このように、図5のルーチンを実行することにより、内燃機関1の最適点火時期SAMBTを低負荷で精度よく求めることができる。そして、得られた最適点火時期SAMBTを用いて内燃機関1を制御することにより、ノッキングが発生しないようにしつつ内燃機関1から大きなトルクを得ることが可能となる。また、内燃機関1では、点火制御用ベースマップが初期状態において比較的ラフに適合されたものであっても、その稼動時間が長期化していくにつれて図5のルーチンが繰り返し実行されていくので、当該点火制御用ベースマップは、内燃機関1の運転状態や周囲環境等に応じて更新されていくことになる。従って、内燃機関1では、点火制御用ベースマップの適合に要するコストを低減させることが可能となると共に、点火制御用ベースマップを用いた点火時期制御自体の精度を向上させていくことができる。
内燃機関の燃焼開始時期と、燃焼室内における熱発生量との相関を示すグラフである。 本発明において用いられる制御パラメータPVκと、燃焼室内における熱発生量との相関を示すグラフである。 制御パラメータPVκに基づいて求められる燃焼割合と、熱発生率に基づいて求められる燃焼割合との相関を示すグラフである。 本発明による制御装置を備えた内燃機関を示す概略構成図である。 図4の内燃機関において最適点火時期を求める手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
3 燃焼室
7 点火プラグ
10 スロットルバルブ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
Ve 排気弁
Vi 吸気弁

Claims (5)

  1. 燃料および空気の混合気を燃焼室内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置において、
    前記燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と
    前記筒内圧検出手段によって検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積であり、かつ、筒内の熱発生量を反映する制御パラメータ(PVκ)を用いて、燃焼開始前後の所定の2点間に発生する全熱発生量に対する燃焼開始前の所定点から所定のタイミングまでに発生する熱発生量の割合である燃焼割合(MFB1,MFB2)を異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)について算出する燃焼割合算出手段と、
    前記燃焼割合算出手段によって算出された前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)についての燃焼割合(MFB1,MFB2)と、前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)とに基づいて、最適燃焼開始時期を算出する燃焼開始時期算出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃焼開始時期算出手段は、前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)についての燃焼割合(MFB1,MFB2)と、前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)とにより規定される一次関数の係数と定数を求め、当該一次関数を用いて前記最適燃焼開始時期を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 機関回転数および機関負荷と、算出した前記燃焼開始時期とに基づいて点火制御用ベースマップを更新する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)についての燃焼割合(MFB1,MFB2)に、前記異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)についての複数の燃焼割合の平均値を用いる、ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御方法において、
    検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積であり、かつ、筒内の熱発生量を反映する制御パラメータ(PVκ)を用いて、燃焼開始前後の所定の2点間に発生する全熱発生量に対する燃焼開始前の所定点から所定のタイミングまでに発生する熱発生量の割合である燃焼割合(MFB1,MFB2)を異なる2点の燃焼開始時期(SA1,SA2)について算出し、
    前記複数の燃焼開始時期についての燃焼割合と前記複数の燃焼開始時期とに基づいて最適燃焼開始時期を求めることを特徴とする内燃機関の制御方法。
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