JP5126104B2 - 吸気圧センサの劣化判定装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関に設けられた吸気圧センサの劣化を判定するための吸気圧センサの劣化判定装置に関する。
内燃機関の吸気通路の圧力すなわち吸気管圧が、内燃機関の制御に用いられている。例えば、特許文献1は、筒内圧検出手段によって検出される内燃機関の筒内圧力と、吸気管圧検出手段によって検出される内燃機関の吸気管圧との差圧に基づいて機関制御にかかる制御量を算出する制御量算出手段を備える内燃機関の制御装置を開示する。
特開2002−332885号公報
ところで、吸気通路の圧力を検出するための吸気圧センサの感度が劣化した場合、それを用いて検出された吸気管圧すなわち吸気圧を利用して内燃機関を制御することは好ましくない。例えば、燃料噴射制御に、感度が劣化した吸気圧センサを用いて検出された吸気圧を利用すると、エミッションが悪化する。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、内燃機関の吸気通路の圧力を検出するための吸気圧センサの感度劣化を適切に判断することにある。
上記目的を達成するため、本発明の吸気圧センサの劣化判定装置は、筒内圧力を検出するための筒内圧センサと、劣化判定の対象である吸気圧センサを用いて検出された吸気通路の圧力、および、筒内圧センサを用いて検出された吸気下死点付近での筒内圧力との圧力差を算出する圧力差算出手段と、該圧力差算出手段によって算出された圧力差と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記吸気圧センサの感度劣化を判定する劣化判定手段とを備えることを特徴とする。
ある内燃機関のある気筒での所定期間における、筒内圧力の変化と、吸気圧の変化とを示すグラフである。 本発明の第1実施形態が適用された内燃機関の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るフローチャートである。 第1実施形態での、吸気下死点付近での筒内圧力の算出方法を説明するための、グラフである。 気筒内ガス量と筒内圧力との関係例をクランク角度に対して概念的に表したグラフである。 圧縮圧と吸入空気量との関係例を概念的に表したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るフローチャートである。
本発明では、吸気下死点付近での筒内圧力と、吸気系統における吸入空気の圧力(吸気圧)とが概ね一致することに着目して、吸気圧センサの劣化判定が行われる。
図1には、ある内燃機関のある気筒での所定期間における、筒内圧力の変化と、吸気通路の圧力の変化とが表されている。なお、図1中のクランク角度が−180°のときはピストンが吸気下死点に位置するときに対応し、図1中のクランク角度が0°のときはピストンが圧縮上死点に位置するときに対応する。線Aは筒内圧センサを用いて検出された、補正をしなかった場合の筒内圧力の値(補正前筒内圧力)の変化を表す。また、線Bはその筒内圧センサを用いて検出された、補正を行った場合の(絶対圧とした場合の)筒内圧力の値(補正後筒内圧力)の変化を表す。そして、線Cは吸気圧センサを用いて検出された吸気通路の圧力すなわち吸気圧の変化を表す。
あるクランク角度における補正後筒内圧力Pcは、同クランク角度における補正前筒内圧力Pc´に対して、(1)式の関係を実質的に有する(線A、線B参照)。なお、ΔPcは、両筒内圧力Pc、Pc´間の差圧、つまり補正前筒内圧力Pc´の補正後筒内圧力Pcからのオフセット圧である。
Figure 0005126104
他方、内燃機関の圧縮行程を断熱過程であるとみなした場合、その圧縮行程内のクランク角度θでの筒内圧力をPc(θ)、筒内容積をV(θ)とし、気筒内に導入されている混合気の比熱比をκとすれば、筒内圧力Pc(θ)と筒内容積V(θ)を比熱比κで累乗した値Vκ(θ)との積であるPc(θ)・Vκ(θ)は一定である。このPc(θ)・Vκ(θ)が一定であるという関係と、上記(1)式の関係とから、次の(2)式を導き出すことができる。なお、圧縮行程内のクランク角度θ1での補正前筒内圧力および筒内容積がPc´(θ1)、V(θ1)であり、圧縮行程内のクランク角度θ2でのそれらがPc´(θ2)、V(θ2)である。
Figure 0005126104
この(2)式を展開することで、(3)式が導き出される。
Figure 0005126104
そして、(1)式と(3)式とから、クランク角度θにおける補正後筒内圧力Pc(θ)と補正前筒内圧力Pc´(θ)との関係式、(4)式が導き出される。
Figure 0005126104
ここで吸気下死点付近でのクランク角度をθ3とすると、そのときの補正後筒内圧力はPc(θ3)、補正前筒内圧力はPc´(θ3)と表される。補正後筒内圧力Pc(θ3)は、吸気下死点付近での絶対圧としての筒内圧力である。補正前筒内圧力Pc´(θ3)を(4)式に代入して演算をすることで補正前筒内圧力Pc´(θ3)に対して絶対圧補正を行って、補正後筒内圧力Pc(θ3)を求めることができる。
他方、上記演算により求めることができる吸気下死点付近での補正後筒内圧力Pc(θ3)と、吸気圧Pimとは概ね一致する(線B、線C参照)。それ故、それらの差圧は、吸気圧センサの感度が適正範囲内であれば、所定範囲内におさまる。そこで、このような関係に基づいて、本発明では、吸気圧センサの劣化判定が行われる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る第1実施形態が適用された内燃機関10を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関10は、シリンダブロック12に形成された燃焼室14の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、気筒16内でピストン18を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図2には1気筒のみが示されるが、内燃機関10は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関10は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室14に臨む吸気ポートは、吸気マニホールド20に接続されている。この吸気マニホールド20上流側には、順に、サージタンク22および吸気管24が接続されている。吸気管24は、エアクリーナ26を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、吸気管24の中途(サージタンク22とエアクリーナ26との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)28が組み込まれている。それら、例えば、吸気ポート、吸気マニホールド20、吸気管24のそれぞれは、吸気通路30の一部を区画形成する。
他方、各燃焼室14に臨む排気ポートは、排気マニホールド32に接続され、この排気マニホールド32には下流側に排気管34が接続されている。排気管34には、三元触媒を含む前段触媒装置36およびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置38が接続されている。それら、例えば、排気ポート、排気マニホールド32、排気管34のそれぞれは、排気通路40の一部を区画形成する。
内燃機関10には、排気通路40を流れる排気ガスの一部を吸気通路30に導く排気ガス還流(EGR)装置(EGR装置)42が設けられている。EGR装置42は、排気通路40を流れる排気ガスの一部を吸気通路30に導くようにEGR管44によって区画形成されたEGR通路46と、EGR通路46に設けられたEGR弁(ここでは電子制御式EGR弁)48とを備える。なお、還流される排気ガス(EGRガス)冷却用のEGRクーラ50がEGR通路46に設けられている。
内燃機関10のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室14ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、可変バルブタイミングおよび/または可変リフト機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。更に、内燃機関10は、気筒数に応じた数の点火プラグ52を有し、各点火プラグ52は、対応する燃焼室14に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
更に、内燃機関10は、図2に示されるように、インジェクタ54を有し、インジェクタ54は、対応する燃焼室14に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。そして、内燃機関10では、各燃焼室14に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ54から各燃焼室14内のピストン18の凹部に向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関10では、点火プラグ52の近傍に燃料と空気との混合気の層を周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)することが可能となり、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することができる。
上述のスロットルバルブ28、各点火プラグ52、各インジェクタ54および動弁機構等は、内燃機関10の制御装置として実質的に機能するECU60に電気的に接続されている。ECU60は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。ECU60には、各種センサ類がA/D変換器等を介して電気的に接続されていて、例えば吸入空気量を検出するためのエアフローメータ62が接続されている。ECU60は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサ類を用いて得られる検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、スロットルバルブ28、EGR弁48、点火プラグ52、インジェクタ54、動弁機構等を制御する。
図2に示されるように、ECU60に接続されるセンサ類には、クランク角センサ64が含まれる。クランク角センサ64は、クランクシャフトに固定されるロータプレート(シグナルプレート)等を含む磁気センサまたは光電式センサ等であり、クランクシャフトの回転角度を示すパルス信号を微小時間ごとにECU60に与える。また、内燃機関10は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ66を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ66は、対応する燃焼室14に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、それぞれ、図示されないA/D変換器を介してECU60に電気的に接続されている。各筒内圧センサ66は、燃焼室14の圧力すなわち筒内圧力に応じた電気信号を出力する。各筒内圧センサ66からの出力信号は、所定時間(所定クランク角)おきにECU60に順次与えられ、圧力値にされた上で、クランク角度と関連付けて、ECU60の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。なお、ここでは、筒内圧センサ66を用いて検出されると共に所定の記憶領域に格納される圧力値は、上記補正前筒内圧力Pc´であり、いわゆる相対圧の値である。しかし、このような圧力値に、絶対圧としての補正後筒内圧力Pcが含まれてもよい。さらに、吸気通路の圧力すなわち吸気圧を検出するために吸気圧センサ68が設けられている。ここでは、吸気圧センサ68は、バキュームセンサであり、絶対圧としての吸気圧を検出するために用いられる。なお、ここではスロットルバルブ28とサージタンク22との間に吸気圧センサ68が設けられているが、吸気圧センサ68はサージタンク22に設けられてもよい。さらに、内燃機関10でのノッキング発生を検出するためのノックセンサ70や、EGRクーラ50での冷却水の温度を検出するためのEGRクーラ水温センサ72や、内燃機関10の冷却水の温度を検出するための水温センサ(不図示)が設けられている。
内燃機関10が作動されている状態で、図3のフローチャートに基づいて本第1実施形態に係る吸気圧センサ68の劣化判定が行われる。なお、図3のフローは、所定時期に行われる。この所定時期は、例えば、機関始動時や、内燃機関10が定常運転状態にあるときである。ECU60は、メインルーチンにしたがって機関制御を行っているときに、当該所定時期になったことを検知あるいは判断すると、図3のルーチンに進む。しかし、図3のフローチャートが、種々の期間、例えば所定期間のみ、繰り返されてもよい。
ECU60は、ステップS301で、吸気下死点付近での、ここでは吸気弁Viを閉じ始める時点での、絶対圧としての筒内圧力つまり補正後筒内圧力Pcを算出する(検出する)。この筒内圧力Pcの算出は、上記(4)式に基づいて行われる。本第1実施形態では、圧縮断熱行程における所定の2つの時点として、2つのクランク角度θ1、θ2が予め定められている(図4参照)。ここで、圧縮断熱行程とは、吸気弁Vi閉弁時から点火時までの間の期間である。しかし、本第1実施形態の内燃機関10は筒内噴射式機関であるので、圧縮断熱行程は、吸気弁Vi閉弁時から燃料噴射開始時点までの間の期間、あるいは、燃料噴射終了時点から点火時までの間の期間であるとよい。なお、図4には、ある内燃機関のある気筒での所定期間における、筒内圧力の変化と、吸気通路の圧力の変化とが表されている。そして、図4中のクランク角度が0°のときはピストン18が圧縮上死点に位置するときに対応する。図4の線A´は筒内圧センサ66を用いて検出された補正前筒内圧力Pc´の変化を表し、図4の線B´はその筒内圧センサ66を用いて検出された補正後筒内圧力Pcの変化を表し、そして、図4の線C´は吸気圧センサ68を用いて検出された吸気圧の変化を表す。
ECU60は、所定の記憶領域から、クランク角度θ1での筒内圧力Pc´(θ1)と、クランク角度θ2での筒内圧力Pc´(θ2)とを読み出す。また、同様に、ECU60は、所定の記憶領域から、クランク角度θ1でのVκ(θ1)と、クランク角度θ2でのVκ(θ2)とを読み出す。なお、ここでは、比熱比κが例えば1.3に定められている。また、クランク角度θ1、θ2でのV(θ1)、V(θ2)が予め定められて(求められて)いて、それらに比熱比κが乗じられたVκ(θ1)、Vκ(θ2)が予め記憶されている。ただし、筒内容積V(θ1)、V(θ2)がその都度求められ、それらを用いてVκ(θ1)、Vκ(θ2)がその都度算出されてもよい。さらに、吸気下死点付近(クランク角度θ3(例えばクランク角度θ3=−180°))での筒内圧力Pc´(θ3)(図4参照)が、所定の記憶領域から読み出される。そして、これらPc´(θ3)、Pc´(θ1)、Pc´(θ2)、Vκ(θ1)、Vκ(θ2)が(4)式に代入されて、吸気下死点付近での補正後筒内圧力Pc(θ3)が算出される。なお、これら読み出される補正前筒内圧力Pc´(θ1)、Pc´(θ2)、Pc´(θ3)は、直近の燃焼サイクルでの各対応する時点での補正前筒内圧力であるとよい。
次に、ステップS303で、吸気圧Pimが算出される(検出される)。この吸気圧Pimは絶対圧である。この吸気圧Pimは、吸気下死点付近での吸気圧であるとよく、ステップS301で算出されるPc(θ3)に対して同じクランク角度θ3での吸気圧であるとよい。なお、吸気圧センサ68からの出力信号に基づいて求められた(検出された)吸気圧が、クランク角度と関連付けられて、ECU60の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持されてもよい。この場合、ステップS303では、クランク角度θ3での吸気圧Pim(θ3)が所定の記憶領域から読み出される(算出される)。
そして、ステップS305で、上記ステップS301で算出された吸気下死点付近での補正後筒内圧力Pc(θ3)と、上記ステップS303で算出された吸気圧Pimとの圧力差ΔPが算出される。
ステップS305で算出された圧力差ΔPは、ステップS307で、所定の閾値αと比較判定される。より具体的には、圧力差ΔPの絶対値すなわち大きさが、所定の閾値αよりも大きいか否かが判定される。この所定の閾値αは、予め実験等に基づいて定められて記憶されている。この所定の閾値αは、吸気下死点付近での補正後筒内圧Pc(θ3)と吸気圧Pimとに許容される差に対応する。つまり、所定の閾値αは、吸気圧センサ68に対する要求精度に基づいて定められる。
ステップS307で圧力差ΔPの大きさが所定の閾値α以下であるので否定判定されると、該ルーチンは終了し、例えばメインルーチンに戻る。つまり、この場合、吸気圧センサ68の感度は正常範囲内であると判断される。
他方、ステップS307で圧力差ΔPの大きさが所定の閾値αよりも大きいので肯定判定されると、ステップS309で警告灯などが点灯される。つまり、この場合、筒内圧センサ68の感度が正常範囲内にないとしてその筒内圧センサ68が劣化したと判断される。なお、警告灯は、運転席のフロントパネル等に設けられ、運転者等に筒内圧センサ68の修理交換を促すために設けられ得る。こうして、この場合も、該ルーチンは終了し、例えばメインルーチンに戻る。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、吸気下死点付近での筒内圧力と、吸気圧力との圧力差を求め、その圧力差と所定の閾値との比較結果に基づいて、吸気圧センサ68の感度劣化を判定することが可能になる。
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。ただし、本第2実施形態が適用された内燃機関は、上記内燃機関10と概ね同じ構成を有する。そこで、以下の説明において、本第2実施形態が適用された内燃機関の構成要素には、内燃機関10の対応する構成要素と同じ符号を付して、その構成および構成要素の説明を省略する。
本第2実施形態では、吸気圧センサ68の劣化判定を実質的に行う前に、筒内圧センサ66の劣化判定が行われる。筒内圧センサ66が劣化している場合、単に、上記第1実施形態のように吸気圧センサ68の劣化判定を行うと、その判定を誤る可能性があるからである。
図5に一例を概念的に示すように、ある気筒16における、エアフローメータ62からの出力信号に基づいて得られる単位時間当たりの吸入空気量Gaが40%のとき、その単位時間当たりの吸入空気量Gaが20%のときに比べて、圧縮行程および燃焼・膨張行程を通じて、筒内圧力がより高く上昇する。
しかし、圧縮断熱行程での所定の2点間での筒内圧力の変化幅(圧縮圧)ΔPs、ここでは上記筒内圧力P´(θ1)と筒内圧力P´(θ2)との差圧ΔPsは、単位時間当たりの吸入空気量Gaと比例関係にある。そして、その比例係数は、外部EGRがない場合、吸入空気量に関わらず一定である。例えば、図6には、残留ガスつまり内部EGRガス量が少ないあるいは零のときの吸入空気量Gaと筒内圧力の圧縮圧ΔPsとの関係が実線で表され、内部EGRガス量等がそれよりも多いときのそれらの関係が点線で表されている。この両線は平行であり、その傾きは同じである。そして、このような関係は、筒内圧センサ66の感度が同じときに成立する。換言すると、筒内圧センサ66の感度が変化すると、具体的には筒内圧センサ66の感度劣化が進むと、その吸入空気量Gaと圧縮圧ΔPsとの比例関係における比例係数は変化する。そこで、ここでは、この比例係数の変化に着目して、筒内圧センサ66の劣化を判定する。なお、図6中、符号NEは、機関回転速度を表し、クランク角センサ64からの出力信号に基づいて検出される(算出される)。
本第2実施形態での、吸気圧センサ68の劣化判定を、以下に図7のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、図7のフローチャートは、所定時期に行われる。しかし、図7のフローチャートが、種々の期間、例えば所定期間のみ、繰り返されてもよい。
なお、図7のフローチャートのステップS707〜ステップS715は、図3のフローチャートのステップS301〜ステップS309に対応する。それ故、ここでは、それらステップの重複説明を省略する。
本第2実施形態のステップS701では、EGR弁48が全閉か否かが判定される。これは、EGR装置42を介して外部EGRガスが気筒内に導かれていないことを確認するべく行われる。
そして、ステップS701で肯定判定されると、ステップS703へ進む。なお、ステップS701で否定判定されるとき、筒内圧センサ66の劣化判定を含む吸気圧センサ68の劣化判定は行われない(禁止される)。
ステップS701で肯定判定されると、ステップS703で、吸入空気量Gaと圧縮圧ΔPsとの比例関係における比例係数ΔFが算出される。まず、吸入空気量Gaが検出される(算出される)。この吸入空気量Gaは、エアフローメータ62からの出力信号に基づいて所定の演算をすることで検出される。また、圧縮圧ΔPs(=P´(θ2)−P´(θ1))が算出される。この圧縮圧ΔPsは、圧縮行程での所定の2点(2つの時点)間での筒内圧力の変化である。そして、この所定の2点は、筒内ガス量の変化のない状態での所定の2点であるとよい。また、この所定の2点は、吸気弁Viの閉弁や点火プラグでの点火によるノイズが実質的にない状態での所定の2点であるとよい。ECU60は、クランク角度θ1での筒内圧力P´(θ1)を記憶領域から読み出すと共に、クランク角度θ2での筒内圧力P´(θ2)を同様に読み出して、圧縮圧ΔPsを算出する。また、機関回転速度NEを、特に好ましくはそのときの機関回転速度NEを、クランク角センサ64からの出力信号に基づいて算出する。そして、これら吸入空気量Ga、筒内圧力P´(θ1)、P´(θ2)、機関回転速度NEを(5)式に代入して、比例係数ΔFが算出される。
Figure 0005126104
そして、ステップS705で、ステップS703で算出された比例係数ΔFは、所定の閾値βと比較判定される。具体的には、比例係数ΔFの絶対値すなわち大きさが所定の閾値βよりも小さいか否かが判定される。この所定の閾値βは、筒内圧センサ66に対する要求精度に基づいて定められる。ここで、比例係数ΔFが所定の閾値β以上であるとして否定判定されると、筒内圧センサ66の修理交換を促すように、ステップS715へ進む。つまり、この場合、筒内圧センサ66の感度が劣化したと判断され、吸気圧センサ68の劣化判定を行うことが実質的に禁止される。
他方、ステップS705で比例係数ΔFの大きさが所定の閾値βよりも小さいとして肯定判定されると、ステップS707へ進み、上記した吸気圧センサ68の劣化判定が行われる。なお、所定の閾値βと上記所定の閾値αとの区別を容易にするべく、ここでは、上記所定の閾値αを所定第1閾値と称し、所定の閾値βを所定第2閾値と称する。
このように、第2実施形態での吸気圧センサ68の劣化判定のために、上記第1実施形態での吸気圧センサ68の劣化判定のための構成に加えて、エアフローメータ62を用いて得られた吸入空気量と、筒内圧センサ66を用いて得られた圧縮行程中の所定の2つの時点における筒内圧力の差分との比を算出する比算出手段と、該比算出手段によって算出された比と所定第2閾値との比較結果に基づいて、筒内圧センサ66の感度劣化を判定する筒内圧センサ劣化判定手段と、該筒内圧センサ劣化判定手段によって筒内圧センサ66の感度が劣化したと判定されたとき、吸気圧センサ68の劣化判定を禁止する禁止手段とがさらに備えられる。なお、ここでは、比算出手段はECU60の一部を含んで構成され、筒内圧センサ劣化判定手段はECU60の一部を含んで構成され、禁止手段はECU60の一部を含んで構成される。
以上、本発明を2つの実施形態およびそれらの変形例に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されない。クランク角度θ1、θ2の各々は、吸気弁Vi閉弁時から燃焼開始時までの間であれば、種々の時期に定められ得る。なお、本発明が適用される内燃機関が圧縮着火式機関である場合、圧縮断熱行程は、吸気弁Vi閉弁時から着火開始時点までの間の期間とされ得る。
また、上記2つの実施形態では、適用された内燃機関は火花点火式機関であったが、それは圧縮点火式機関であってもよい。あるいは、本発明が適用される内燃機関は、ポート噴射形式の内燃機関であってもよく、本発明は種々の内燃機関に適用可能である。
なお、本発明は、吸気圧センサの劣化判定装置のみならず、これを備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置にも存することができる。
以上、本発明を実施形態等に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されない。本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 内燃機関
12 シリンダブロック
14 燃焼室
16 気筒
18 ピストン
20 吸気マニホールド
22 サージタンク
24 吸気管
26 エアクリーナ
28 スロットルバルブ
30 吸気通路
32 排気マニホールド
34 排気管
36 前段触媒装置
38 後段触媒装置
40 排気通路
42 EGR装置
48 EGR弁
52 点火プラグ
54 インジェクタ
62 エアフローメータ
64 クランク角センサ
66 筒内圧センサ
68 吸気圧センサ
Vi 吸気弁
Ve 排気弁

Claims (1)

  1. 筒内圧力を検出するための筒内圧センサと、
    劣化判定の対象である吸気圧センサを用いて検出された吸気通路の圧力、および、前記筒内圧センサを用いて検出された吸気下死点付近での筒内圧力との圧力差を算出する圧力差算出手段と、
    該圧力差算出手段によって算出された圧力差と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記吸気圧センサの感度劣化を判定する劣化判定手段と
    を備えることを特徴とする吸気圧センサの劣化判定装置。
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