JP5410978B2 - 有機電子デバイスの製造方法および制御プログラムが記憶された記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電子デバイス、有機電子デバイスの製造方法、有機電子デバイスの製造装置、基板処理システム、保護膜の構造体、および制御プログラムが記憶された記憶媒体に関し、特に、有機素子を保護する膜の構造及びその保護膜を用いた有機電子デバイスの製造方法に関する。
近年、有機化合物を用いて発光させる有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)素子を利用した有機ELディスプレイが注目されている。有機EL素子は、自発光し、反応速度が速く、消費電力が低い等の特徴を有しているため、バックライトを必要とせず、たとえば、携帯型機器の表示部等への応用が期待されている。
有機EL素子は、ガラス基板上に形成され、有機層を陽極層(アノード)および陰極層(カソード)にてサンドイッチした構造をしていて、このうちの有機層は、水分や酸素に弱く、水分や酸素が混入すると、特性が変化して非発光点(ダークスポット)が発生し、有機EL素子の寿命を縮める一因となる。このため、有機電子デバイスの製造において、外部の水分や酸素をデバイス内に透過させないように有機素子を封止することは非常に重要である。
そこで、外部の湿気や酸素などから有機層を保護する方法として、従来から、メタル缶などの封止缶を用いる方法が提案されている(たとえば、非特許文献1を参照)。これによれば、有機EL素子上に封止缶を貼り付け、さらに封止缶の内部に乾燥剤を取りつけることにより有機EL素子を封止および乾燥させ、これにより、有機EL素子への水分の混入を防止する。
薄型化を考慮して、封止缶に替えて緻密な薄膜により有機素子を封止する方法も提案されている(たとえば、特許文献2を参照)。この保護膜には、耐透湿性および耐酸化性に加え、成膜温度が低いこと、膜応力が低いこと、物理的な衝撃から素子自体を充分に保護することなどが要求される。特に、高温プロセスでは、有機素子がプロセス中にダメージを受ける。このため、保護膜には、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着薄膜成膜法)により100℃以下の低温にて成膜可能なシリコン窒化(SiN)膜が有力視されている。
シリコン窒化膜は緻密で封止性の高い膜であるが膜中の引張応力が大きい。引張応力が大きいと膜はお椀状に反る方向に応力がかかり、保護膜が剥がれたり、有機素子と保護膜との界面付近が損傷したりする。
そこで、密度が低い膜と密度が高い膜を積層させる多層構造の保護膜にて有機EL素子を封止する方法も提案されている(たとえば、特許文献3を参照)。これによれば、主に密度が高い膜にて封止し、密度が低い膜にて応力を緩和して、保護膜のクラックや剥離の発生を防止する。
吉澤 達矢 "有機ELフィルムディスプレイの開発" 繊維学会誌、 Vol.59、 No.12, pp.P_407−P_411 (2003) 特開2003−282237号公報 特開2003−282242号公報
しかしながら、有機素子は非常にデリケートな素材であり周りの環境によって特性上の影響を受けやすく、また、階層的に形成されるため、特に各層の界面にて機械的強度が弱い。よって、たとえ、封止する性質の高い膜と応力を緩和する性質の高い膜とにより保護膜を階層的に形成したとしても、保護膜全体の封止性と応力緩和性とのバランスが悪いために有機デバイス内のいずれかの層の界面に局所的に大きな力が加わったり、保護膜の組成によっては保護膜が有機素子に影響を及ぼして有機素子の特性を変化させてしまう場合がある。
そこで、上記問題を解消するために、本発明は、応力を緩和しながら高い封止力を保持し、かつ有機素子の特性を変化させない有機電子デバイスの保護膜を提案する。
また、上記課題を解決するために、本発明の態様によれば、有機素子を被処理体上に形成し、前記有機素子を保護するための保護膜の一つとして、炭素成分を含有しかつ窒素成分を含有しない応力緩和層を前記有機素子に隣接して前記有機素子を覆うように積層し、前記有機素子を保護するための保護膜の他の一つとして、窒素成分を含有する封止層を前記応力緩和層上に積層する有機電子デバイスの製造方法であって、前記封止膜として積層される膜は、マイクロ波のパワーによりシランガスおよび窒素ガスを含むガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて形成された第1のシリコン窒化膜を含み、前記封止膜として積層される膜は、前記第1のシリコン窒化膜を形成後、シランガスの供給を停止した状態にて窒素ガスによって前記第1のシリコン窒化膜の表層近傍を窒化することにより形成される第2のシリコン窒化膜を含む、有機電子デバイスの製造方法が提供される。
前記有機素子および前記被処理体の露出部分にカップリング剤による密着層を形成した後、前記応力緩和層を積層してもよい。
アモルファスハイドロカーボン膜を前記応力緩和層として形成してもよい。
前記アモルファスハイドロカーボン膜の形成に際しては、マイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が20mTorr以下、同処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm以上、同処理室内に載置される被処理体近傍の温度(たとえば、被処理体の表面温度)が100℃以下のプロセス条件下が好ましい。
前記第1のシリコン窒化膜の形成に際しては、マイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が10mTorr以下、同処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm以上、同処理室内に載置される被処理体近傍の温度が100℃以下の条件下が好ましい。有機素子(たとえば、有機EL素子)は温度に弱く、プロセス中の最高温度が100℃以下でないと、有機EL素子にダメージを与えるからである。よって、前記第1のシリコン窒化膜の形成時、前記被処理体近傍の温度を70℃以下に設定するとさらに良好である。
シランガスの供給停止およびシランガスの供給再開を繰り返すことにより、同じ処理室内で前記第1のシリコン窒化膜の成膜および第1のシリコン窒化膜の改質による第2のシリコン窒化膜の形成を連続的に形成してもよい。
この連続処理では、前記シランガスの供給停止およびシランガスの供給再開のタイミングを制御することにより、前記第2のシリコン窒化膜の膜厚が、前記第1のシリコン窒化膜の1/2〜1/3の厚さになるように制御するほうが好ましい。前述したように前記第2のシリコン窒化膜がこれ以上の厚みになると、SiN膜にクラックや剥離が発生するからである。
前記有機素子および前記被処理体の露出部分にカップリング剤による密着層を形成する前に、マイクロ波のパワーにより不活性ガスを含むガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて前記有機素子および前記被処理体の露出部分をクリーニングしてもよい。これによれば、有機素子に吸着した物質(例えば有機物など)を除去することにより有機素子とaCHx膜との密着性を高めることができる。
前記クリーニングは、マイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が100mTorr〜800mTorr以下、同処理室内のマイクロ波のパワーが4kw/cm〜6kw/cm、被処理体の表面温度が100℃以下の条件下で実行してもよい。
前記アモルファスハイドロカーボン膜および前記シリコン窒化膜は、ラジアルラインスロットアンテナを有するプラズマ処理装置を用いて形成されてもよい。これによれば、たとえば、平行平板型プラズマ処理装置に比べて、電子温度が低いため、ガスの解離をコントロールすることができ、より良質な膜を成膜することができる。
前記クリーニングを実行したマイクロ波プラズマ処理装置で、引き続き前記アモルファスハイドロカーボン膜を成膜してもよい。
前記応力緩和層を積層する間、または前記封止層を積層する間の少なくともいずれかの間、バイアス電圧を印加してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータは、前記制御プログラムを実行することにより、前記有機電子デバイスの製造方法にて有機電子デバイスが製造されるように基板処理システムを制御する前記制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、応力を緩和しながら高い封止力を持ち、かつ有機素子の特性を変化させない保護膜にて覆われた有機電子デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかるデバイスの製造工程を示した図である。 本発明の第1および第2実施形態にかかる基板処理システムを示した図である。 第1および第2実施形態にかかる蒸着装置の縦断面図である。 第1および第2実施形態にかかるシリル化処理装置の縦断面図である。 第1および第2実施形態にかかるRLSA型マイクロ波プラズマ処理装置の縦断面図である。 第2実施形態にかかる封止層の製造工程における各条件のタイミングチャート及び各タイミングにおける成膜状態を示した図である。 封止層の他の成膜状態を示した図である。 封止層の他の成膜状態を示した図である。 封止層の製造工程においてバイアス電圧をかけるタイミングを示した図である。 封止層の製造工程においてバイアス電圧をかける他のタイミングを示した図である。 封止層の製造工程においてバイアス電圧をかける他のタイミングを示した図である。
符号の説明
10 基板処理装置
20 制御装置
50 ITO
51 有機層
52 メタル電極
53 密着層
54 aCHx膜
55 SiNx膜
55a SiNyHx膜
55b Si
G ガラス基板
Sys 基板処理システム
発明を実施するための形態
以下に添付図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、同一の構成及び機能を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。また、本明細書中1mTorrは(10−3×101325/760)Pa、1sccmは(10−6/60)m/sec、1Åは10−10mとする。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかる有機電子デバイスの製造方法について、その概略構成を示した図1を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、有機EL素子のデバイスについて、有機EL素子を封止する工程も含めて説明する。
(有機EL素子デバイスの製造方法)
図1のaに示したように、ガラス基板G上には予め陽極層としてインジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)50が形成されていて、その表面をクリーニングした後、蒸着によりITO(陽極)50上に有機層51が成膜される。
ついで、図1のbに示したように、スパッタリングによりパターンマスクを介して有機層51上にターゲット原子(たとえば、Ag)が堆積することにより、メタル電極(陰極)52が形成される。以下では、有機層51およびメタル電極(陰極)52を含めて有機EL素子という。
次に、図1のcに示したように、メタル電極52をマスクとして、有機層51がエッチングされる。その後、図1のdに示したように、有機EL素子およびガラス基板G(ITO50)の露出部分をクリーニングして、有機EL素子に吸着した物質(例えば有機物など)を取り除く(プリクリーニング)。
クリーニング後、図1のeに示したように、カップリング剤を用いてシリル化処理により極薄い密着層53を形成する。カップリング剤としては、たとえば、HMDS(Hexamethyldisilan)、DMSDMA(Dimethylsilyldimethylamine)、TMSDMA(Trimethylsilyldimethylamine)、TMDS(1,1,3,3−Tetramethyldisilazane)、TMSPyrole(1−Trimethylsilylpyrole)、BSTFA(N,O−Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide)、BDMADMS(Bis(dimethylamino)dimethylsilane)が挙げられる。これらカップリング剤の化学構造を以下に示す。
Figure 0005410978
密着層53では、上記組成のカップリング剤HMDSに含まれるNH成分は反応性に富むため、何らかのエネルギーを与えることによってNHとSiとの結合が切れ、結合の切れたSiが下地の有機EL素子と化学結合することにより、有機EL素子と密着層53とが強固に密着する。また、密着層53上に堆積させるaCHx膜(アモルファスハイドロカーボン膜)54に含まれるCHxと密着層53に含まれるCHとは同成分であるので、密着層53とその上に成膜されるaCHx膜との密着性(連続性)は高い。
以上から、有機EL素子とaCHx膜54と間に密着層53を設け、密着層53上にaCHx膜54を成長させることにより、密着層53に含まれるSiの上記接着効果から有機EL素子とaCHx膜54との間の密着性を高め、これにより有機素子を保護することができる。なお、密着層53は3nmより薄い膜であるため、たとえ、密着層53に窒素が含有されていても有機EL素子51の特性を変化させるほどには至らない。
次に、図1のfに示したように、aCHx膜54が形成される。aCHx膜54は、マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成される。具体的には、マイクロ波のパワーによりブチンガス(C)を含むガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて100℃以下の低温で良質なaCHx膜54を形成する。有機EL素子は100℃以上の高温になるとダメージを受けるので、aCHx膜54は100℃以下の低温プロセスで形成される必要がある。
同様に、図1のgに示したSiNx膜(シリコン窒化膜)55も、マイクロ波プラズマCVDにより100℃以下の低温プロセスで形成される。
以上に説明したように、本実施形態では、保護膜はaCHx膜54とSiNx膜55とから形成された階層構造になっていて、aCHx膜54が有機素子(有機層51およびメタル電極52)に密着して有機素子を覆うように設けられ、その外側にてSiNx膜55が全体を封止する。これによれば、aCHx膜54は炭素成分を含有するので、SiNx膜55よりも応力が小さい。よって、SiNx膜55の応力をaCHx膜54にて緩和することができ、これにより、有機素子に過度なストレスが加わることを防止することができ。この結果、有機素子からaCHx膜54が剥離したり有機素子の界面近傍が破壊したりすることを防ぐことができる。
また、aCHx膜54は窒素成分を含有しないので、下地である有機素子がaCHx膜54と密着しても窒化する危険がない。これにより、たとえば、有機素子のメタル電極52が窒化してメタル電極52が導体から絶縁層(又は誘電層)に変化することにより電気が流れにくくなったり、窒素が直接有機層51に混入したりすることにより、発光強度や移動度等の有機素子に本来的に必要とされる特性を悪化させる危険性がなくなる。この結果、応力を緩和しながら耐透湿性や耐酸化性に優れ、かつ有機素子の特性を変化させない保護膜により有機素子を保護することによって、寿命が長く実用性の高い有機EL電子デバイスを製造することができる。
特に、本実施形態では、応力緩和層の一例としてaCHx膜54を挙げているが、これは次のような理由による。すなわち、aCHx膜54はある程度緻密であるため、耐透湿性を有する。また、aCHx膜54は、カーボンを含んでいるので窒化膜と比べて応力が小さく、有機素子とSiNx膜55との間に介在して応力を緩和する。さらに、aCHx膜54は、窒素(N)を含んでいないので下地の有機素子を窒化させて有機素子にダメージを与える危険性がない。また、aCHx膜54は、機械的強度が高く、光透過性に優れている。CN膜が、光を吸収する性質を有しているので、有機EL素子の場合には、特に、CN膜より光透過性に優れたaCHx膜54を応力緩和層に適用する意義は大きい。さらに、aCHx膜54は、疎水性であるため、水分を通さないだけでなく、水素が近傍の酸素と還元反応することにより酸素を残留させない。つまり、aCHx膜54は、耐透湿性、耐酸化性にも優れ、有機素子に密着させて設ける有機素子を保護する膜としては最も優れた材質の一つであるといえる。
一方、本実施形態では、封止層の一例としてSiNx膜55を挙げているが、これは次のような理由による。すなわち、SiNx膜55は非常に緻密であり封止性が高い。たとえば、SiO膜は水を通すのに対してSiNx膜55は水を通さないため、耐透湿性に優れている。しかしながら、SiNx膜55は、非常に緻密であるが故にSiO膜より応力が大きく、有機素子に密着させると有機素子に大きなストレスを与え、歪みや剥離の原因となるとともに、窒化物であるため有機素子を窒化させて有機素子の特性を悪化させる可能性がある。
よって、本実施形態では、SiNx膜55を最も外側に設けて、外部からの水分や酸素の混入を確実に防いで有機素子が水分や酸素により劣化するのを防ぐとともに、SiNx膜55と有機素子の間にaCHx膜54をある程度の厚みをもって形成し、SiNx膜55の応力が直接有機素子に加わって有機素子の界面近傍が損傷したり、有機素子が窒化してその特性を悪化させたりする不具合から有機素子を保護する。特に、本実施形態では、有機素子とaCHx膜54との密着を密着層53により強化することにより、aCHx膜54の剥離をより強固に防止している。
(基板処理システム)
次に、図1に示した一連のプロセスを実施するための基板処理システムについて、図2を参照しながら説明する。本実施形態にかかる基板処理システムSysは、複数の処理装置を有するクラスタ型の基板処理装置10および基板処理装置10を制御する制御装置20を有している。
(基板処理装置10)
基板処理装置10は、ロードロック室LLM、搬送室TM(Transfer Module)、クリーニング室CM(Cleaning Module)および6つのプロセスモジュールPM(Process Module)1〜6から構成されている。
ロードロック室LLMは、大気系から搬送されたガラス基板Gを、減圧状態にある搬送室TMに搬送するために内部を所定の減圧状態に保持した真空搬送室である。搬送室TMには、その内部に屈伸および旋回可能な多関節状の搬送アームArmが配設されている。ガラス基板Gは、最初に、搬送アームArmを用いてロードロック室LLMからクリーニング室CMに搬送され、ITO表面をクリーニングした後、プロセスモジュールPM1に搬送され、さらに、他のプロセスモジュールPM2〜PM6に搬送される。クリーニング室CMでは、ガラス基板Gに形成されたITO(陽極層)の表面に付着した汚染物(主に有機物)を除去する。
6つのプロセスモジュールPM1〜6では、まず、PM1にて蒸着によりガラス基板GのITO表面に6層の有機層51が連続成膜される。次に、ガラス基板GはPM5に搬送され、スパッタリングによりメタル電極52が形成される。
次に、ガラス基板GはPM2に搬送され、有機層51の一部がエッチングにより除去される。次に、ガラス基板Gはクリーニング室CMまたはPM3に搬送され、プロセス中にメタル電極52や有機層51の露出部分に付着した有機物を除去する。ついで、ガラス基板GはPM6に搬送され、たとえば、HMDSなどのシランカップリング剤を有機EL素子に蒸着させることにより密着層53が形成される。
その後、ガラス基板GはPM3にてマイクロ波プラズマCVDによりaCHx膜54が成膜され、PM4にてマイクロ波プラズマCVDによりSiNx膜55が形成される。
(制御装置20)
制御装置20は、基板処理システムSysの全体を制御するコンピュータである。具体的には、制御装置20は、基板処理システムSys内のガラス基板Gの搬送および基板処理装置10内部での実際のプロセスを制御する。制御装置20は、ROM22a、RAM22b、CPU24、バス26、外部インタフェース(外部I/F)28aおよび内部インタフェース(内部I/F)28bを有している。
ROM22aには、制御装置20にて実行される基本プログラムや、異常時に起動するプログラムや各PMのプロセス手順が示されたレシピ等が記録されている。RAM22bには、各PMでのプロセス条件を示すデータやプロセスを実行するための制御プログラムが蓄積されている。ROM22aおよびRAM22bは、記憶媒体の一例であり、EEPROM、光ディスク、光磁気ディスクなどであってもよい。
CPU24は、各種レシピにしたがって制御プログラムを実行することにより、ガラス基板G上に有機電子デバイスを製造するプロセスを制御する。バス26は、各デバイス間でデータをやりとりする経路である。内部インタフェース28aは、データを入力し、必要なデータを図示しないモニタやスピーカ等に出力する。外部インタフェース28bは、ネットワークを介して基板処理装置10との間でデータを送受信する。
たとえば、制御装置20から駆動信号が送信されると、基板処理装置10では、指示されたガラス基板Gを搬送し、指示されたPMを駆動させ、必要なプロセスを制御するとともに、制御結果(応答信号)を制御装置20に通知する。このようにして、制御装置20(コンピュータ)は、ROM22aやRAM22bに記憶された制御プログラムを実行することにより、図1に示した有機EL素子(デバイス)の製造プロセスが遂行されるように基板処理システムSysを制御する。
次に、各PMの内部構成および各PMで実行される具体的処理について順に説明する。なお、エッチングおよびスパッタリングの各処理を実行するPM2およびPM5については、一般的な装置を用いればよく、その内部構成の説明は省略する。
(PM1:有機膜51の蒸着処理)
図3にPM1の縦断面を模式的に示したように、蒸着装置PM1は、第1の処理容器100および第2の処理容器200を有していて、第1の処理容器100内にて6層の有機膜を連続成膜する。
第1の処理容器100は直方体の形状であり、その内部に摺動機構110、6つの吹き出し機構120a〜120fおよび7つの隔壁130を有している。第1の処理容器100の側壁には、開閉により室内の機密を保持しながらガラス基板Gを搬入、搬出可能なゲートバルブ140が設けられている。
摺動機構110は、ステージ110a、支持体110bおよびスライド機構110cを有している。ステージ110aは、支持体110bにより支持され、ゲートバルブ140から搬入された基板Gを、図示しない高電圧電源から印加された高電圧により静電吸着する。スライド機構110cは、第1の処理容器100の天井部に装着されるとともに接地されていて、基板Gをステージ110aおよび支持体110bとともに第1の処理容器100の長手方向にスライドさせ、これにより、各吹き出し機構120のわずか上空にて基板Gを平行移動させるようになっている。
6つの吹き出し機構120a〜120fは、形状および構造がすべて同一であって、互いに平行して等間隔に配置されている。吹き出し機構120a〜120fは、その内部が中空の矩形形状をしていて、その上部中央に設けられた開口から有機分子を吹き出すようになっている。吹き出し機構120a〜120fの下部は、第1の処理容器100の底壁を貫通する連結管150a〜150fにそれぞれ連結されている。
各吹き出し機構120の間には隔壁130がそれぞれ設けられている。隔壁130は、各吹き出し機構120を仕切ることにより、各吹き出し機構120の開口から吹き出される有機分子が混ざり合うことを防止する。
第2の処理容器200には、形状および構造が同一の6つの蒸着源210a〜210fが内蔵されている。蒸着源210a〜210fは、収納部210a1〜210f1に有機材料をそれぞれ収納していて、各収納部を200〜500℃程度の高温にすることにより各有機材料を気化させるようになっている。なお、気化とは、液体が気体に変わる現象だけでなく、固体が液体の状態を経ずに直接気体に変わる現象(すなわち、昇華)も含んでいる。
蒸着源210a〜210fは、その上部にて連結管150a〜150fにそれぞれ連結されている。各蒸着源210にて気化された有機分子は、各連結管150を高温に保つことにより、各連結管150に付着することなく各連結管150を通って各吹き出し機構120の開口から第1の処理容器100の内部に放出される。なお、第1および第2の処理容器100、200は、その内部を所定の真空度に保持するために、図示しない排気機構により所望の真空度まで減圧されている。各連結管150には、大気中にてバルブ220a〜220fがそれぞれ取り付けられていて、蒸着源210内の空間と第1の処理容器の内部空間との遮断および連通を制御する。
CMにて予めクリーニングされたガラス基板Gは、以上のように構成されたPM1のゲートバルブ140から搬入され、制御装置20の制御に基づき吹き出し機構120aから吹き出し機構120fに向かって各吹き出し口の上方を順に所定速度で進行する。ガラス基板Gには、各吹き出し口から順に吹き出された有機分子が蒸着し、これにより、たとえば、ホール輸送層、有機発光層、電子輸送層からなる6層の有機層が順に形成される。ただし、図1のaに示した有機層51は6層でなくてもよい。
(PM4:メタル電極52のスパッタリング処理)
次に、基板GはPM5に搬送され、制御装置20の制御に基づき処理容器内に供給されたガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマ中のイオンをターゲットに衝突させ(スパッタリング)、ターゲットから飛び出したターゲット原子Agを有機層51上に堆積させることにより、図1のbに示したメタル電極(陰極)520を形成する。
(PM2:有機膜51のエッチング処理)
次に、基板GはPM2に搬送され、制御装置20の制御に基づきエッチングガスを励起させることにより生成されたプラズマによりメタル電極52をマスクとして有機層51をドライエッチングする。これにより、図1のcに示したように有機層51が形成される。
(PM3:プリクリーニング)
次に、ガラス基板Gは、制御装置20の制御に基づきCM又はPM3に搬送され、アルゴンガスを励起させて生成したプラズマを用いて有機層51の界面に付着した有機物を取り除く。
プリクリーニング時、マイクロ波プラズマ処理装置PM3の処理室内の圧力が100〜800mTorr以下、ガラス基板G近傍の温度(たとえば基板の表面温度)が100℃以下の条件下において、所定量のアルゴンガス(不活性ガス)を供給しながら4〜6kw/cmのパワーのマイクロ波を15〜60秒間投入することにより、ガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマにより有機層51の界面に吸着した有機物を除去する。これにより、有機層51の界面と保護膜との密着を良くすることができる。なお、アルゴンガスに対してその10%の水素を混合させた混合ガスを供給してもよい。
(PM6:密着層53の形成)
次に、ガラス基板Gは制御装置20の制御に基づきシリル化処理装置PM6に搬送され、シリル化処理が施される。図4にシリル化処理を実行するシリル化処理装置PM6の縦断面を模式的に示す。
シリル化処理装置PM6は、容器400および蓋体405を有している。容器400の上部外周面には、内周側および外周側に第1のシールドリング410がそれぞれ設けられている。また、蓋体405の下部外周面には、内周側および外周側に第2のシールドリング415がそれぞれ設けられている。蓋体405により上部から容器400に蓋をすると、第1のシールドリング410と第2のシールドリング415とが内周側および外周側にて密着し、さらに、第1のシールドリング410と第2のシールドリング415の間の空間を減圧することにより、気密に保持された処理室Uが形成される。
容器400にはホットプレート420が設けられている。ホットプレート420の内部にはヒータ420aが埋設されていて、ヒータ420aにより処理室U内の温度は室温〜200℃の範囲で調節される。ホットプレート420の上面にはガラス基板Gを支持するピン420bが昇降可能に設けられていて、基板の搬送を容易にするとともに基板の裏面の汚染を防止するようになっている。
HMDSなどのシランカップリング剤は、気化器425によって気化され、気化分子となりNガスをキャリアガスとしてガス流路430を通過し、ホットプレート410の周囲から処理室U内の上方に供給される。シランカップリング剤の供給は電磁弁435の開閉により制御される。蓋体405の略中央には排気口440が設けられていて、処理室Uに供給されたシランカップリング剤およびNガスは、圧力調整装置445および真空ポンプPを用いて外部に排気される。なお、本装置の上下を逆にした状態で、シランカップリング剤を、Nガスをキャリアガスとしてホットプレート410の周囲から処理室U内の下方に供給し、装置の底面に設けられた排気口から圧力調整装置445および真空ポンプPを用いて外部に排気するようにしてもよい。
このように構成されたシリル化処理装置PM6では、制御装置20の制御に基づき、ホットプレート420は50〜95℃の範囲の所定温度に制御され、気化器425の温度が室温〜50℃の範囲の所定温度に制御され、真空ポンプPにより処理室内の圧力が0.5〜5Torrになるように真空引きされる。この状態で、ホットプレート420のピン420b上にガラス基板Gが載置され、シランカップリング剤の流量をたとえば0.1〜1.0(g/min)、Nガスの流量をたとえば1〜10(l/min)に制御して供給しながら、クリーニング直後の有機EL素子上に30〜180秒間シリル化処理を施す。これにより、in−situeで有機EL素子表面にカップリング剤によるモノレイヤーの密着層53が形成される。なお、シリル化処理後、処理室内の残留ガス(たとえば、シランカップリング剤HMDSから脱離したNH)は真空ポンプPにより外部に排気される。図1のeに示した密着層53は、前述した作用により有機EL素子およびガラス基板Gの露出部分とこの後に積層されるaCHx膜54との密着を強化する。
(PM3:aCHx膜54の成膜処理)
次に、ガラス基板Gは制御装置20の制御に基づきマイクロ波プラズマ処理装置PM3(第1のマイクロ波プラズマ処理装置に相当)に搬送され、図1のfに示したように、密着層53を挟んで有機EL素子を覆うようにaCHx膜が成膜される。図5に成膜処理を実行するマイクロ波プラズマ処理装置PM3の縦断面を模式的に示す。
マイクロ波プラズマ処理装置PM3は、天井部が開口した有底直方形状の処理容器500を有している。処理容器500は、たとえばアルミニウム合金により形成され、接地されている。処理容器500の底部中央にはガラス基板Gを載置する載置台505が設けられている。載置台505には、整合器510を介して高周波電源515が接続されていて、高周波電源515から出力された高周波電力により載置台505に所定のバイアス電圧を印加するようになっている。また、載置台505には、コイル520を介して高圧直流電源525が接続されていて、高圧直流電源525から出力された直流電圧によりガラス基板Gを静電吸着するようになっている。さらに、載置台505の内部にはヒータ530が埋設されている。ヒータ530は交流電源535に接続されていて,交流電源535から出力された交流電圧によりガラス基板Gを所定の温度に保持する。
処理容器500の天井部の開口は、石英などから形成された誘電体プレート540により閉塞され、さらに、処理容器500と誘電体プレート540との間に設けられたOリング545により処理室内の気密性が保持されている。
誘電体プレート540の上部にはラジアルラインスロットアンテナ550(RLSA:Radial Line Slot Antenna)が配設されている。RLSA550は、下面が開口したアンテナ本体550aを有していて、そのアンテナ本体550aの下面開口には、低損失誘電体材料により形成された遅相板550bを介して多数のスロットが形成されたスロット板550cが設けられている。
RLSA550は、同軸導波管555を介して外部のマイクロ波発生器560に接続されている。マイクロ波発生器560から出力された、たとえば2.45GHzのマイクロ波は、同軸導波管555を介してRLSA550のアンテナ本体550aを伝搬し、遅相板550bにて短波長化された後、スロット板550cの各スロットに通され、円偏波しながら処理容器500内部に供給される。
処理容器500の上部側壁にはガスを供給するためのガス供給口565が多数形成され、各ガス供給口565は、ガスライン570を介してアルゴンガス供給源575に連通している。処理室の略中央には略平板状のガスシャワープレート580が設けられている。ガスシャワープレート580は、ガス管が互いに直交するように格子状に形成されている。各ガス管には載置台505側にガス孔580aが等間隔に多数設けられている。ガスシャワープレート580に連通されたブチン(C)ガス供給源585から供給されたブチンガスは、ガスシャワープレート580のガス孔580aから均等にガラス基板Gに向けて放出される。
処理容器500には、ガス排出管590を介して排気装置595が取り付けられていて、処理容器500内のガスを排出することにより、処理室を所望の真空度まで減圧するようになっている。
このように構成されたマイクロ波プラズマ処理装置PM3では、制御装置20の制御に基づき、真空装置595により処理室内の圧力が20mTorr以下、マイクロ波発生器560から処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm以上、同処理室内に載置されるガラス基板G近傍の温度(たとえば、基板表面温度)が100℃以下に制御され、この状態で、アルゴンガスとブチンガスとの流量比を1:1として処理室上方のガス供給口565からアルゴンガス(不活性ガス)を50sccm供給し、処理室中央のガスシャワープレート580からブチンガスを50sccm供給する。これによれば、マイクロ波のパワーにより上記混合ガスが励起してプラズマが生成され、生成されたプラズマを用いて100℃以下の低温にてaCHx(アモルファスハイドロカーボン)膜54が成膜される。
aCHx膜54は、有機EL素子の保護膜のうち、応力緩和層として積層される。このため、aCHx膜54の膜厚はある程度厚いほうがよく、ある程度の厚さとは、たとえば、500〜3000Åが好ましい。これは、aCHx膜54をある程度厚くすることにより、この後積層されるSiNx膜55にて発生した応力を緩和することができる。また、aCHx膜54をある程度厚くすることにより、SiN膜内の窒素が有機EL素子まで到達することを抑えることができる。より具体的に説明すると、酸素分子や水分子は、拡散係数にて定められた距離だけ拡散することができる。よって酸素分子や水分子が拡散途中で壊れてしまう時間よりも有機EL素子まで到達する時間の方が長ければ、それらの分子は有機EL素子に悪影響を及ぼさないので製品としては問題ない。よって、拡散係数との関係で、500〜3000Åであれば、たとえ、酸素分子や水分子がSiN膜を通過して内部に混入したとしても有機EL素子に悪影響を及ぼす確率は非常に低くなる。
なお、密着層53は、図2のPM6にて形成される替わりに、PM3にてプリクリーニングの後、引き続き処理することにより形成されてもよい。この場合には、PM3にてプリクリーニング、密着層53の形成、aCHx膜54の成膜が連続的に行われる。この場合、密着層53の形成では、プラズマを立てずにガスシャワープレート580のガス孔580aからシランカップリング剤HMDSおよび、希ガス、HガスまたはNガスを供給し、有機EL素子に吸着させ、その後、aCHx膜54のマイクロ波プラズマCVD処理前にアルゴンガスをプラズマ着火させて、プラズマ中のアルゴン(イオン)によりHMDS中のSiとNHとの結合を切るようにしてもよい。または、シランカップリング剤HMDSおよびH2ガスを有機EL素子に吸着させた後、aCHx膜54のマイクロ波プラズマCVD処理時に発生させるプラズマ中のイオンによりHMDS中のSiとNHとの結合を切るようにしてもよい。結合が切れたNHは、マイクロ波プラズマ処理中に外部に排出される。
(PM4:SiNx膜55の成膜処理)
次に、ガラス基板Gは制御装置20の制御に基づきマイクロ波プラズマ処理装置PM4(第2のマイクロ波プラズマ処理装置に相当)に搬送され、aCHx膜54上にSiNx膜55が成膜される。マイクロ波プラズマ処理装置PM4の内部構造は、図5に示したマイクロ波プラズマ処理装置PM3と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このように構成されたマイクロ波プラズマ処理装置PM4では、制御装置20の制御に基づき、真空装置595により処理室内の圧力が10mTorr以下、マイクロ波発生器560から処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm以上、同処理室内に載置されるガラス基板G近傍の温度(たとえば、基板表面温度)が100℃以下に制御され、この状態で、上部からアルゴンガスを5〜500sccm供給し、ガスシャワープレート580からシラン(SiH)ガスを0.1〜100sccm供給するのに対して、シランガスと窒素ガスの流量比を1:100にして供給する。これによれば、マイクロ波のパワーにより上記混合ガスが励起してプラズマが生成され、生成されたプラズマを用いて低温にてSiNx(シリコン窒化)膜55が成膜される。なお、有機EL素子への影響を考慮すると、ガラス基板Gの表面温度は70℃以下に制御する方がより好ましい。
SiNx膜55は、有機EL素子の保護膜のうち、封止層として積層される。保護膜の耐透湿性や耐酸化性と保護膜に内在する応力とのバランスを保つためには、SiNx膜55はある程度薄い必要があり、たとえば、その膜厚は1000Å以下であることが好ましい。
保護膜のうち有機素子に密着した層が、たとえばCNx膜等、窒素を含んだ膜で構成されている場合、下地となっている有機素子を窒化し、有機素子の特性を変化させる危険性がある。たとえば、有機EL素子のAl電極上に窒化膜があると、電極を窒化させてAlNになり、電極が絶縁物または誘電物として振る舞うため、電気が流れにくくなり、その結果、発光強度が低下する。また、窒化物が直接有機EL素子の活性層に混入すると、有機EL素子に直接ダメージを与え、素子の特性を変化させてしまう。
しかしながら、以上に説明したように、本実施形態にかかる保護膜は、炭素成分を含有しかつ窒素成分を含有しない応力緩和層(aCHx膜54)と窒素成分を含有する封止層(SiNx膜55)とからなる階層構造になっている。これによれば、封止層により耐透湿性や耐酸化性を強固に保持しながら、有機EL素子にストレスを与えないように応力緩和層にて封止層の応力を緩和し、かつ有機EL素子に密着した応力緩和層に窒素を含めないことにより有機EL素子の特性を良好に保つことができる。
このように、本実施形態にかかる有機電子デバイスの製造方法によれば、有機EL素子を保護するために必要な(1)物理的衝撃から素子を充分に保護すること、(2)成膜温度が低いこと、(3)水分や酸素を透過させないこと、(4)膜応力が低いこと、のすべての要求を満たしたバランスの良い保護膜を形成することができる。この結果、本実施形態の保護膜によって、水分や酸素から有機EL素子を保護しかつ有機EL素子が窒化されることを防止することにより有機EL素子の発光強度や寿命などを劣化させることなく、保護膜の応力を自己緩和して有機EL素子へ付加されるストレスを低減することによりデバイス内での特に各層界面での剥離や損傷を効果的に抑止することができる。
また、本実施形態では、特にRLSA型マイクロ波プラズマ処理装置を用いてaCHx膜およびSiNx膜を形成しているので、たとえば、平行平板型プラズマ処理装置にて同膜を形成する場合に比べて、電子温度が低いため、ガスの解離を容易にコントロールすることができ、より良質な膜を成膜することができる。
なお、プリクリーニング後、密着層53を形成せずにaCHx膜54を積層させる場合には、プリクリーニングしたマイクロ波プラズマ処理装置で引き続きaCHx膜54を成膜することができ、これにより、処理の効率を上げることができる。
また、CHx膜54とSiNx膜55とを階層的に設けてもよい。これにより、CHx膜54とSiNx膜55とからなる保護膜中の応力を保護膜内部にて効果的に分散させることができる。
また、aCHx膜の形成時に供給するガスとしては、ブチンガスに代えて多重結合を有する他の炭化水素ガスを用いることができる。多重結合を有する他の炭化水素ガスとしては、たとえば二重結合するエチレン(C)ガス、三重結合するアセチレン(C)ガス、1−ペンチン、2−ペンチンなどのペンチン(C10)ガス、およびこれらの多重結合を有するガスと水素ガスの混合ガスを用いることができる。ブチンガスの中では2−ブチンガスを用いるとより好ましい。また、SiNx膜の形成時に供給するガスとしては、SiHガスに代えてSiガスを用いてもよい。SiHガスやSiガスに加えて、モノメチルシラン(CHSiH:Monomethylsilane)や、ジメチルシラン((CHSiH:Dimethylsilane)、トリメチルシラン((CH3SiH:Trimethylsilane)を用いることも可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、SiNx膜55が階層構造になっている点において、SiNx膜55が階層構造になっていない第1実施形態と構造上異なる。よって、以下では、第1実施形態と異なるSiNx膜55の構造を中心に説明する。
本実施形態では、マイクロ波プラズマ処理装置PM4においてSiNx膜を形成する際、制御装置20の制御に基づき、図6上部のタイムチャートに示したようにシラン(SiH)ガス(またはSiガス)を断続的に供給する。すなわち、シランガス、窒素ガスの供給およびマイクロ波パワーの投入から所定時間経過後の時刻tでは、ガスの供給およびマイクロ波パワーの供給が安定し、さらに、所定時間経過後の時刻tでは、図6下部に示したように、厚さが100Å程度のSiNyHx膜55aがaCHx膜54上に積層される。この膜厚にまでSiNyHx膜55aが積層されたら、図6上部に示したようにシランガスの供給のみ停止し窒素ガスおよびマイクロ波のパワーは引き続き供給する。
シランガスを停止すると相対的に窒素ガスの量が増え、窒素ガスによりSiNyHx膜55aの表層近傍から膜の改質が起こり、所定時間経過後の時刻tでは、図6下部に示したようにSiNyHx膜55aの1/3程度が窒化して、たとえばSi膜55bのような窒化されたシリコン窒化膜に変化する。このようにSiNyHx膜55aの1/3〜1/2程度が窒化してSi膜55bなどの窒化されたシリコン窒化膜が形成される状態までシランガスの供給を停止したのち、図6上部に示したように、時刻tにて再びシランガスの供給を始める。窒素ガスおよびマイクロ波パワーも引き続き供給する。
シランガスの供給を再開すると相対的に窒素ガスの量が減り、この状態で所定時間が経過した時刻tでは、図6下部に示したように、再び、厚さが100Å程度のSiNyHx膜55aがSi膜55b上に積層される。この膜厚にまでSi膜55bが積層されたら、図6上部に示したように再びシランガスの供給を停止し、窒素ガスおよびマイクロ波パワーのみを供給する。さらに所定時間が経過した時刻tでは、図6下部に示したように、再び、2層目のSiNyHx膜55aの1/3程度が窒化して2層目のSi膜55bが形成される。
以上に説明したように、本実施形態では、SiNyHx膜55a(第1のシリコン窒化膜に相当)を形成後、シランガスの供給を停止して窒素ガスによりSiNyHx膜55aを窒化することによって、SiNyHx膜55aより更に緻密なSi膜55b(第2のシリコン窒化膜に相当)を形成する。そして、このようなシランガスの供給停止およびシランガスの供給再開を繰り返すことにより、同じマイクロ波プラズマ処理装置内でSiNyHx膜55aおよびSi膜55bが連続的に堆積され、階層構造を有したシリコン窒化膜が形成される。
シリコン窒化膜は、窒化するとより緻密な膜となり封止性が向上する。また、耐酸化性、耐透湿性、機械的強度、ピンホール、その他の傷などを考慮すると、シリコン窒化膜はある程度の厚みが必要である。しかしながら、窒化して緻密な膜になればなるほどこれに比例して膜の応力が大きくなってしまうのでシリコン窒化膜を単層構造の膜としてあまり厚くすることはできない。このような膜の性質を考慮して、本実施形態では、SiNyHx膜55aと、窒化によりさらに緻密な膜に改質されたSi膜55bとを交互に積層させる。この結果、シリコン窒化膜全体の応力を抑えながらシリコン窒化膜をある程度厚く形成することができ、シリコン窒化膜全体の封止性をより強化することができる。
また、本実施形態にかかる製造方法では、同一のプラズマ処理装置内にて連続してSiNyHx膜55aとSi膜55bとを交互に積層させることにより、処理の効率化を図ることができる。
シリコン窒化膜の積層構造としては、図7Aに示したように、たとえば、SiNyHx膜55aおよびSi膜55bを一層のみ設けてもよく、図7Bに示したように、Si膜55bがSiNyHx膜55aに挟まれて形成されていてもよく、SiNyHx膜55aとSi膜55bとは、交互に複数回積層されていてもよい。この場合、積層回数が多いほど合計膜厚を厚くしても応力が高くなりにくいが、デバイスの機械的強度や処理の負荷を考慮すると、1層(図7A)、1.5層(図7B)、2層(図6)程度が好ましい。
また、保護膜の耐透湿性や耐酸化性と保護膜に内在する応力とのバランスを保つためには、SiN膜はある程度薄い必要があり、たとえばSiNyHx膜55aなどの第1のSiN膜およびSi膜55bなどの第2のSiN膜の合計膜厚は1000Å以下であるほうがよい。
また、この連続処理では、制御装置20によってシランガスの供給停止およびシランガスの供給再開のタイミングを制御することにより、SiNyHx膜55aに対するSi膜55bの膜厚比を制御することができる。前述したように、Si膜55bは封止性に優れるが膜応力が大きいため、Si膜55bの厚みが所定以上になるとシリコン窒化膜にクラックが生じたり、剥離が発生する可能性が高くなったりする。よって、SiNyHx膜55aに対するSi膜55bの膜厚比は、1/2〜1/3が好ましく、これにより膜の割れや剥離を回避することができる。
なお、このようにシリコン窒化膜を階層的に設けることにより、シリコン窒化膜に内在する応力をシリコン窒化膜の内部にて効果的に分散したとしても、シリコン窒化膜の応力が有機EL素子に加わることを回避するためにアモルファスハイドロカーボン(aCHx)膜をシリコン窒化膜と有機EL素子との間に介在させる必要があるのは第1実施形態の場合と同様である。
上記各実施形態によれば、応力を緩和しながら高い封止力を持ち、かつ有機素子の特性を変化させない保護膜にて覆われた有機電子デバイスを製造することができる。
(バイアス印加)
保護膜を形成する際には、所定のタイミングに高周波電源515から出力された高周波電力により載置台505に所定のバイアス電圧が印加されてもよい。たとえば、図8上部に示したタイムチャートでは、時刻t〜t及び時刻t〜tの間、バイアス電圧が印加される。高周波電源515から出力される高周波電力は、周波数が1MHz〜4MHz、パワーが0.01〜0.1W/cmであればよい。ここでは、たとえば、0.05W/cmのパワーのバイアス電圧を印加する。
このように、SiNyHx膜55aを積層する際、同時にバイアス電圧を印可すると、プラズマ中のイオンを引き込み、図8下部に示したように、イオンのエネルギーにより成膜中に膜の再構成を図ることができる。これにより、SiNyHx膜55aの膜応力を緩和し、下地へのストレス及びダメージを低減することができる。
また、たとえば、図9上部に示したタイムチャートでは、時刻t〜t及び時刻t〜tの間、バイアス電圧が印加される。このように、Si膜55bに改質する際、同時にバイアス電圧を印可すると、図9下部に示したように、Nイオンを直接膜中に打ち込むことができる。これにより、更に緻密なSi膜55bを形成し、膜の封止性を向上させることができる。
さらに、たとえば、図10上部に示したタイムチャートでは、時刻t〜tの間、バイアス電圧が印加される。これによれば、図10下部に示したように、SiNyHx膜55aの再構成とSi膜55bの改質とをトータルに促進することができる。この結果、保護膜全体の応力を抑えながら、その封止性をより強化することができる。
なお、Nガスの替わりにNHガスを供給してもよい。また、SiHガスの替わりにSiガスを供給してもよい。
ガラス基板Gのサイズは、730mm×920mm以上であってもよく、たとえば、730mm×920mm(チャンバ内の径:1000mm×1190mm)のG4.5基板サイズや、1100mm×1300mm(チャンバ内の径:1470mm×1590mm)のG5基板サイズ以上であってもよい。また、素子が形成される被処理体は、上記サイズのガラス基板Gに限られず、たとえば200mmや300mmのシリコンウエハであってもよい。
上記実施形態において、各部の動作はお互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このように置き換えることにより、上記有機電子デバイスの製造方法の実施形態を有機電子デバイスの製造装置の実施形態とすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、本発明にかかる保護膜は、有機EL素子の封止膜に限られず、たとえば、成膜材料に主に液体の有機金属を用い、気化させた成膜材料を500〜700℃に加熱された被処理体上で分解させることにより、被処理体上に薄膜を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長法)により形成された有機金属素子を封止するために使用することもできる。さらに、本発明にかかる保護膜は、有機トランジスタ、有機FET(Field Effect Transistor)、有機太陽電池などの有機素子や、液晶ディスプレイの駆動系に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)等の有機電子デバイスを封止するために使用することもできる。
また、本発明にかかる保護膜の成膜装置としては、上述した複数のスロットを備えた平面アンテナを有するRLSA型マイクロ波プラズマ処理装置であってもよいが、これに限られず、複数の誘電体板が処理容器の天井面にタイル状に形成され、各誘電体板上に設けられたスロットを介して各誘電体板を透過したマイクロ波のパワーにより処理室内にてガスをプラズマ化させて被処理体をプラズマ処理するCMEP(Cellular Micro−wave Excitation Plasma)装置に使用することもできる。

Claims (14)

  1. 有機素子を被処理体上に形成し、前記有機素子を保護するための保護膜の一つとして、炭素成分を含有しかつ窒素成分を含有しない応力緩和層を前記有機素子に隣接して前記有機素子を覆うように積層し、前記有機素子を保護するための保護膜の他の一つとして、窒素成分を含有する封止層を前記応力緩和層上に積層する有機電子デバイスの製造方法であって、
    前記封止膜として積層される膜は、マイクロ波のパワーによりシランガスおよび窒素ガスを含むガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて形成された第1のシリコン窒化膜を含み、
    前記封止膜として積層される膜は、前記第1のシリコン窒化膜を形成後、シランガスの供給を停止した状態にて窒素ガスによって前記第1のシリコン窒化膜の表層近傍を窒化することにより形成される第2のシリコン窒化膜を含む、有機電子デバイスの製造方法。
  2. 前記有機素子および前記被処理体の露出部分にカップリング剤による密着層を形成した後、前記応力緩和層を積層する請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  3. 前記応力緩和層として積層される膜は、マイクロ波のパワーによりブチンガスを含むガスを励起させてプラズマを生成し、生成されたプラズマを用いて形成されたアモルファスハイドロカーボン膜である請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  4. 前記アモルファスハイドロカーボン膜は、第1のマイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が20mTorr以下、同処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm 以上、同処理室内に載置される被処理体近傍の温度が100℃以下のプロセス条件下で形成される請求項3に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  5. 前記第1のシリコン窒化膜は、第2のマイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が10mTorr以下、同処理室内に供給されるマイクロ波のパワーが5kw/cm 以上、同処理室内に載置される被処理体近傍の温度が100℃以下の条件下で形成される請求項4に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  6. 前記第1のシリコン窒化膜の形成時、前記被処理体近傍の温度を70℃以下に設定する請求項5に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  7. シランガスの供給停止およびシランガスの供給再開を繰り返すことにより、前記第1のシリコン窒化膜の成膜および前記第1のシリコン窒化膜の改質による前記第2のシリコン窒化膜の形成を連続的に行う請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  8. 前記シランガスの供給停止およびシランガスの供給再開のタイミングを制御することにより、前記第1のシリコン窒化膜に対する前記第2のシリコン窒化膜の膜厚比を1/2〜1/3に制御する請求項7に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  9. 前記密着層を形成する前に、マイクロ波のパワーにより不活性ガスを励起させて生成されたプラズマを用いて前記有機素子および前記被処理体の露出部分をクリーニングする請求項2に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  10. 前記クリーニングは、マイクロ波プラズマ処理装置の処理室内の圧力が100〜800mTorr以下、同処理室内のマイクロ波のパワーが4〜6kw/cm 、被処理体近傍の温度が100℃以下の条件下で実行される請求項9に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  11. 前記アモルファスハイドロカーボン膜、前記第1および第2のシリコン窒化膜は、ラジアルラインスロットアンテナを有するプラズマ処理装置を用いて形成される請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  12. 前記クリーニングを実行したマイクロ波プラズマ処理装置の処理室内で、引き続き前記アモルファスハイドロカーボン膜を成膜する請求項9に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  13. 前記応力緩和層を積層する間、または前記封止層を積層する間の少なくともいずれかの間、バイアス電圧を印加する請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法。
  14. コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記コンピュータは、前記制御プログラムを実行することにより、請求項1に記載された有機電子デバイスの製造方法にて有機電子デバイスが製造されるように基板処理システムを制御する前記制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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