JP5406179B2 - アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物を含む共重合体、およびその製造方法 - Google Patents

アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物を含む共重合体、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5406179B2
JP5406179B2 JP2010508301A JP2010508301A JP5406179B2 JP 5406179 B2 JP5406179 B2 JP 5406179B2 JP 2010508301 A JP2010508301 A JP 2010508301A JP 2010508301 A JP2010508301 A JP 2010508301A JP 5406179 B2 JP5406179 B2 JP 5406179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
monomer
mol
alkene
acid anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010508301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010526929A (ja
Inventor
ジョン、ビョン−ホ
ジュン、ユ−ヨン
ロ、キ−ス
ノ、キュン−ソプ
シン、ベ−クン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LG Chem Ltd
Original Assignee
LG Chem Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LG Chem Ltd filed Critical LG Chem Ltd
Publication of JP2010526929A publication Critical patent/JP2010526929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5406179B2 publication Critical patent/JP5406179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/04Anhydrides, e.g. cyclic anhydrides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • C08F220/14Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/04Acids; Metal salts or ammonium salts thereof
    • C08F220/06Acrylic acid; Methacrylic acid; Metal salts or ammonium salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/04Anhydrides, e.g. cyclic anhydrides
    • C08F222/06Maleic anhydride
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、新規の共重合体およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明は、透明性および機械的物性に優れ、接着性と耐熱性に優れ、様々な光学素材に適用できる新規の共重合体およびその製造方法に関する。本出願は2007年5月16日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0047525号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
アルケン、特にエチレンは、アルキル(メタ)アクリレート共単量体と共重合する場合、単なるポリエチレンからは得ることができない相異なる物性を有する重合体を形成することができる。例えば、接着力、低温靭性などのような一部特性は、共単量体の含量が増加することによって相当改善することができる。したがって、このようなアルケンと異なる共単量体を混用した共重合体の開発は多くの研究の対象となってきた。
エチレンとアルキルアクリレートまたはエチレンとアルキルメタクリレート共重合体は、高温高圧反応から得られるのが一般的な従来技術であった。したがって、チューブ型反応器やオートクレーブ反応器を利用し、1000気圧以上、100℃以上の苛酷な条件でエチレンとアクリル系単量体を同時に投入して反応を行うことが開示されており、このような条件で得られた高分子はエチレンを基準に極性単量体であるアクリル系単量体が3〜35%の範囲で重合された共重合体である。
しかし、このような高温高圧の条件を実現するためには、1次圧縮機、2次圧縮機および特殊反応器など、作業者の安全のための付加装置が必要となる。また、苛酷な工程条件により、共重合体の組成変化を所望の方向に変えるためには、多くの制約条件が伴われる。
また、従来の方法により製造されたエチレン系共重合体は若干の極性基を含む程度に過ぎない。すなわち、極性単量体の含量が高くないため、ポリエチレンの結晶性が共重合体に残存するようになり、透明フィルムなどの光学用素材として用いるには制約があった。したがって、既存のチューブ型反応器やオートクレーブにおける高温高圧法により得られた高分子は、結局、透明性に大きい影響を及ぼさない製品に使用しかなかった。
したがって、高温高圧の苛酷な重合条件を避けつつ、極性共単量体の含量が高くて結晶性のない共重合体を製造できる新しい極性共重合体の製造方法に対する開発が求められている。
一方、金属錯化合物触媒を用いてオレフィンにビニル単量体を共重合する方法が知られている。しかし、金属の酸素に対する高い親和力のため、初期遷移金属とランタニド系金属に基づいた金属錯化合物触媒は、極性ビニル単量体の官能基(C=O)によって容易に汚染される短所があった。一部の後期遷移金属に基づいた金属錯化合物触媒システムにおいて、アルキルアクリレートとオレフィンの共重合が可能であることが報告されているものの、依然としてオレフィンの含量が顕著に高かった。
極性基の内部に存在する酸素によって金属錯化合物触媒が汚染されて活性が低下し、極性基の含有量が低い高分子が得られる金属錯化合物触媒重合法の短所を克服するための代替的な方法として、調節されたラジカル重合(Controlled radical polymerization)が提案されている。調節されたラジカル重合の代表的な重合法であるATRP(Atom Transfer Radical Polymerization)によってオレフィンと極性ビニル単量体を共重合する場合、金属錯化合物触媒重合法とは逆に、極性ビニル単量体の含有量がオレフィンの含有量より高く得られる。すなわち、重合条件により、オレフィンの含量がある程度調節されたランダム共重合体の合成が可能である。しかし、ATRPを使用する場合、高分子量を得るためには、長時間が必要であり、オレフィンの含量が低いレベルに維持される限界があった。1−アルケン−アクリレート共重合体は高い透明性を有するため、光学素材として用いられるのに好適であるが、前記用途として用いられるためには、製造工程および光学機器の作動時に発生する熱によって変形が生じないように耐熱性に優れなければならない。したがって、耐熱性などの物性を向上させられる新しい共重合体の開発が求められている。
本発明は、極性単量体の含有量が高くて無結晶性を有する共重合体であって、透明性、接着性および耐熱性に優れ、金属のような素材との接着性に優れた共重合体を提供することを目的とする。また、本発明は、前記共重合体を温和な反応条件においても、求められる物性に必要な適正量の共単量体を重合することができ、触媒の回収および再使用が可能であるために経済性が確保され、重合体内の不純物を最小化することができる共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1種のアルケン単量体0.1〜30モル%、少なくとも1種のアクリレート系単量体30〜95モル%、および少なくとも1種の不飽和酸無水物単量体0.1〜40モル%を含む共重合体を提供する。
また、本発明は、少なくとも1種のアルケン単量体0.1〜30モル%、少なくとも1種のアクリレート系単量体30〜95モル%、および少なくとも1種の不飽和酸無水物単量体0.1〜40モル%を、ルイス酸または金属酸化物の存在下で、ラジカル重合開始剤によって重合させるステップを含む共重合体の製造方法を提供する。
本発明に係る共重合体は、極性基の含有量が極めて高い無結晶性高分子であって、透明性に優れ、接着性と耐熱性が改善され、様々な光学素材として適用することができる。従来のアルケン−アクリレート単量体の場合、エチレン含量が増加するによってガラス転移温度が低くなる短所があった反面、本発明に係る共重合体は不飽和酸無水物を含むことによって、光学素材として適用できるようにガラス転移温度が100度以上に高い。
また、本発明に係る共重合体の製造方法は、ルイス酸または金属酸化物を用いることにより、温和な反応条件においても、求められる物性に必要な適正量のアルケン単量体を重合することができ、金属酸化物を用いる場合、回収および再使用が可能であるために経済性が確保され、重合体内の不純物の問題を解決することができるために高純度の重合体を製造することができる。
比較例2で得られたエチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体の水素核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR spectrum)の結果である。 実施例1および6で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対する走査熱量(DSC)の結果である。 実施例2で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の結果である。 実施例5で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体で製造したフィルムの紫外線−可視光線分光スペクトル(UV−Visible spectrum)の結果である。 実施例6で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の結果である。 実施例7で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対する赤外線スペクトル(IR spectrum)の結果である。 実施例8で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物−グリシジルメタクリレートランダム共重合体に対する走査熱量(DSC)の結果である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明に係る共重合体は、アルケン単量体、アクリレート系単量体、および不飽和酸無水物単量体を含むことを特徴とする。本発明において、前記アルケン単量体、アクリレート系単量体、および不飽和酸無水物単量体の含量は、それぞれ0.1〜30モル%、30〜95モル%、および0.1〜40モル%であることが好ましい。
本明細書において、本発明に係る共重合体がアルケン単量体、アクリレート系単量体、および不飽和酸無水物単量体を含むということは、本発明に係る共重合体が前記単量体が重合されて形成されることを意味するものであり、便宜上、単量体の用語でその構造を表現したのである。実際、本発明の共重合体の主鎖に単量体の二重結合がそのまま存在するのではないことは、本発明の技術分野で通常の知識を有する者であれば容易に理解するはずである。
本発明に係る共重合体のガラス転移温度(Tg)は80〜220℃範囲、好ましくは100〜180℃範囲、より好ましくは120〜180℃範囲のガラス転移温度(Tg)を有する。前記共重合体が光学素材用として効果的に用いられるためには、100℃以上のガラス転移温度を有することが好ましい。また、本発明に係る共重合体は、数平均分子量が5,000〜400,000、重量平均分子量が10,000〜800,000が好ましい。また、本発明の共重合体は、初期重量の50%が分解される温度(Td50)が300〜550℃範囲内であることが好ましい。
本発明において、前記アルケン単量体としては特に限定されず、炭素鎖の末端に二重結合を有する1−アルケン、炭素鎖の中間に二重結合を有する2−アルケン、3−アルケンなどのようなアルケンを含むことができる。
1−アルケンの例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。炭素鎖の中間に二重結合を有するアルケンの例としては、2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−オクテン、2−ノネンなどが挙げられる。
前記共重合体のうちの前記アルケン単量体の含量は0.1〜30モル%、好ましくは10〜30モル%である。アルケン単量体を用いることなく、重合体が極性基を含む単量体のみから形成される場合には、フィルムを形成した時に脆い問題がある。特に、前記共重合体のうちのアルケン単量体の含量が10モル%以上であるものが、光学素材の積層フィルムへの適用時に脆い問題点が少ない。しかし、脆くない物性が要求されない用途の製品においては、アルケン単量体の含量が10モル%未満で含まれてもよい。
本発明において、前記アクリレート系単量体は、エステル基のカルボニル基と共役化した(conjugated)炭素間の二重結合を有する化合物であればよく、その置換基は特に限定されない。本明細書に記載されるアクリレート系単量体は、アクリレートだけでなく、アクリレート系誘導体を含むことを意味し、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルブタクリレートなどを含む概念で理解しなければならない。
具体的には、前記アクリレート系単量体の例としては下記化学式1で示される化合物が含まれる。
Figure 0005406179
前記化学式1において、
1、R2、およびR3は互いに同じであるか異なり、それぞれ独立に、水素原子、ヘテロ原子を含むことができる炭素数1〜30の1価炭化水素基を示し、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも一つはエポキシ基であってもよく;R4は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
前記化学式1のうち、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも一つがエポキシ基であるアクリレート系単量体の例としては、グリシジルメタクリレートおよびグリシジルアクリレートを含む。また、前記アクリレート系単量体は、アルキルの炭素数が1〜12である直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を含むアルキルアクリレート、アルキルの炭素数が1〜12である直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を含むアルキルメタクリレート、またはアルキルの炭素数が1〜12である直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を含むアルキルブタクリレートを含む。
前記共重合体のうちの前記アクリレート系単量体の含量は30〜95モル%、好ましくは40〜95モル%、より好ましくは50〜90モル%、最も好ましくは50〜80モル%である。
前記極性単量体であるアクリレート系共単量体の含量が増加する場合、アルケン、特にエチレンなどの1−アルケンの固有物性である結晶性を防止できるため、無結晶性共重合体の製造が可能である。このような無結晶性の1−アルケン−アクリレート系共重合体は、従来技術では製造し難かった。前記無結晶性共重合体は、高い透明性を有し、接着性などにも優れるために光学素材として使用可能であり、特に、極性官能基を多く含んでおり、金属などとの接着力に優れているために電気素子への適用に有利である。
前記反応において、アクリレート系共単量体の量が単量体の総量を基準に30モル%未満である場合には接合性と透明性に問題があり、95モル%を超過する場合には機械的物性が低下して脆い問題がある。また、前記共重合体を光学素材用積層フィルムに適用するためには、フィルムの形成時に脆い性質を緩和するために、アクリレート系単量体の量は95モル%以下、より好ましくは90モル%以下に調節することが好ましい。
本発明において、前記不飽和酸無水物は二重結合を一つ以上有しており、その二重結合によってラジカル重合が可能であることを示し、別に二重結合を一つ以上有するという限定がなくても、特に指定しない限りには二重結合を一つ以上有すると理解すべきである。本発明において、前記不飽和酸無水物としては、カルボン酸無水物を用いることができ、1価または2価以上の多価カルボン酸無水物を用いることができる。好ましくは、マレイン酸無水物またはその誘導体を用いることができ、例えば、下記化学式2の化合物を用いることができる。
Figure 0005406179
前記化学式2において、
5 およびR 6 はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
しかし、本発明の範囲が前記例だけに限定されるものではなく、他の置換基を有するマレイン酸無水物または他種類の不飽和酸無水物を用いることもできる。
前記共重合体のうちの前記不飽和酸無水物単量体の含量は0.1〜40モル%、好ましくは10〜30モル%である。このような不飽和酸無水物単量体を共重合体の成分として導入すれば、共重合体が高いガラス転移温度を有するようになるために光学素材として使用可能であり、特に、極性官能基を多く含んでおり、金属などとの接着力に優れるために電子素子への適用に有利である。
前述した単量体の繰り返し単位から構成される共重合体は、下記化学式3で示される繰り返し単位を含むことができる。
Figure 0005406179
前記化学式3において、
a、b、およびcはモル比であり、0.1≦a≦30、30≦b≦95、0.1≦c≦40、
1 4 は前述した通りであり、R5およびR6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
前記共重合体はランダム共重合体であってよく、この場合、前記化学式3で示される様々な繰り返し単位を含むことができる。また、前記共重合体は透明性を維持する限り、一部のブロックを含むことができる。本発明に係る共重合体は、フィルムの形成時、光透過率80%以上の透明性を維持することが好ましい。
本発明に係る共重合体は、極性基の含有量が極めて高く、エチレンのようなアルケンの結晶性が存在しないため、高分子フィルムなどに加工した後にも透明であり、不飽和酸無水物を含むために高いガラス転移温度を有し、接着性が改善され、偏光板を含む多層構造の光学フィルムの用途に好適に用いることができる。
また、本発明に係るアルケン−アクリレート−不飽和酸無水物共重合体は、その単量体成分として1種のアルケン、1種のアクリレート、および1種の不飽和酸無水物を含むことができるだけでなく、前記アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物のうちの少なくとも一つが2種以上を含むことができる。特に、前記アクリレート系単量体として2種以上を用い、そのうちの1種以上がアルキルアクリレート系単量体であることが好ましい。また、前記重合体の物性の範囲および本発明の目的から逸脱しない限り、共単量体をさらに含むことができる。共単量体の例としては、不飽和有機酸、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、ブタジエン、スティルレンなどが挙げられる。前記不飽和有機酸としては、1価または多価のカルボン酸を用いることができる。
前記共重合体は、アルケン単量体、アクリレート系単量体、および不飽和酸無水物単量体を、ルイス酸または金属酸化物の存在下で、ラジカル重合開始剤によって重合させるステップを含む方法により製造することができる。本発明に係る共重合体の製造方法は、ルイス酸または金属酸化物を用いることにより、従来技術とは異なり、高温高圧の苛酷な条件を避けることができるので工程が簡単である。また、用いられた金属酸化物を重合後に濾過装置だけで容易に100%回収して再使用できるために製造原価を顕著に低減することができ、精製しやすく、高純度の共重合体を提供することができる。また、水分および空気安定性にも優れて効率が高く、重合工程を単純化できるために産業的な適用可能性が大きい。
前記金属酸化物は、重合反応において実質的に酸点(acid site)を提供するルイス酸と同様の役割を果たすため、概念上、ルイス酸に含まれるものである。しかし、一般的な他のルイス酸に比べ、重合反応後にも実質的にその構造や組成の変化がないため、簡単に分離できるだけでなく、再使用が可能であるという更なる利点もあるので、本明細書では、便宜上、一般的な他のルイス酸とは区別して金属酸化物または複合金属酸化物と命名することにする。
前記金属酸化物は下記化学式4で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0005406179
前記化学式4において、
は第5族または第6族原子を示し;
Oは酸素原子を示し;
x、y、およびzはMおよびAの酸化状態によって決定される値であって、
x>0、y≧0、z>0である。
より具体的には、前記金属酸化物は、酸化アルミニウム(Al23)、酸化イットリウム(Y23)、酸化亜鉛(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ボロン(B23)、酸化セシウム(CeO2)、酸化ジスプロシウム(Dy23)、酸化エルビウム(Er23)、酸化ユーロピウム(Eu23)、酸化ガドリニウム(Gd23)、酸化ホルミウム(Ho23)、酸化ランタン(La23)、酸化ルテニウム(Lu23)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、酸化テルビウム(Tb23)、酸化トリウム(Th47)、酸化ツリウム(Tm23)、酸化イッテルビウム(Yb23)、酸化スズ(SnO)、および酸化チタニウム(TiO2)のような金属酸化物と、ジスプロシウムアルミネート(Dy3Al512)、イットリウムアルミネート(Y3Al512)、アルミニウムチタネート(Al23・TiO2)、アルミニウムシリケート(3Al23・2SiO2)、カルシウムチタネート(CaTiO3)、カルシウムジルコネート(CaZrO3)、鉄チタネート(FeTiO3)、マグネシウムアルミネート(MgO・Al23)、セシウムアルミネート(CeAl1118)、Al2(SO43、およびAlPO4のような複合金属酸化物からなる群から選択された一つ以上であることが好ましい。
前記金属酸化物は固体タイプであるため、濾過装置だけを使う物理的な方法によっても100%近く回収することができ、回収された金属酸化物を再び重合に用いることができる。回収された金属酸化物は、通常、20回程度は再使用することができる。
前記ルイス酸としては、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、カドミウム、レニウム、およびスズからなる群から選択された一つ以上の金属陽イオンを含んで形成されるルイス酸が好ましく、ハライド、トリフラート(triflate)、HPO3 2-、H3PO2-、CF3COO-、C715OSO2-、およびSO4 2-からなる群から選択された一つ以上の陰イオンを含むことが好ましい。より具体的には、アルミニウムトリクロライド、スカンジウムトリフラート、亜鉛トリフラート、銅トリフラート、トリフルオロボロン、これらの2以上の混合物などが好ましい。
前記共重合体の製造方法において、前記金属酸化物または前記ルイス酸は、アクリレート系共単量体を基準に0.01〜200モル%を用いることが好ましい。
前記金属酸化物またはルイス酸を用いることにより、製造される前記共重合体に繰り返し単位として含まれる単量体の含量を、求められる物性に応じて適切に調節および制御することができる。特に、エチレンまたはプロピレンのように反応条件において気相として存在するアルケン単量体が溶媒に一部溶解されて重合反応に参加する場合、金属酸化物またはルイス酸は製造される共重合体の求められる物性に必要な適正量のアルケン単量体が重合されるように調節する役割を果たすことができ、また、従来技術に比べて低温低圧において重合反応が行われるようにする役割を果たす。
前記ラジカル重合開始剤としては過酸化物、アゾ化合物などが好ましい。より具体的には、過酸化物化合物の例としては、過酸化水素、デカノニルパーオキシド、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジエチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド、アルカリ金属パーサルフェート、パーボレート、およびパーカーボネートが挙げられ、アゾ化合物の例としては2,2’−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)(2,2’−azo−bis(isobutyronitrile))のようなアゾ化合物が挙げられる。好ましい開始剤はアゾ化合物である。このような開始剤の混合物を用いることもできる。
前記ラジカル重合開始剤は、任意の適切な方式により、例えば、純粋な形態、適切な溶媒に溶解された形態および/または単量体または共単量体供給物ストリームと混合された形態で反応ストリームに添加することができる。前記共重合体を製造するのに用いられるラジカル重合開始剤は、前記アクリレート系単量体を基準に0.01〜10モル%範囲で添加されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、必要により適切に用いることができる。
前記共重合体の重合反応は溶媒、特に有機溶媒で行われることが好ましい。そのような溶媒の例としては、トルエン、クロロベンゼン、n−ヘキサン、ヘプタン、テトラヒドロフラン、エーテル、メタノール、エタノール、クロロホルム、およびメチレンクロライドからなる群から選択された一つ以上の溶媒が好ましいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明の技術分野で使用可能な溶媒であれば特に限定されるものではない。
前記重合反応において、アクリレート系単量体および不飽和酸無水物単量体は、反応条件下で一般的に液相として存在するため、溶媒に溶解されて重合反応に参加する。したがって、前述した共重合体に含まれる単量体が反応条件において液相として存在できるものであれば、反応圧力は特に限定されない。
一方、アルケン単量体は、特にエチレンとプロピレンの場合には、反応条件において一般的に気体状態として存在するため、アルケン単量体を本発明の共重合体の繰り返し単位に適正量で含有させるためには加圧の反応条件が要求されるが、前記アルケン単量体が反応条件において液相として存在する場合であれば反応圧力は特に限定されない。
前記重合反応は、1000気圧以上および100℃以上の高温高圧の苛酷な反応条件を要する従来技術とは異なり、200気圧以下および150℃以下、好ましくは50気圧以下および100℃以下の温和な条件でも行われることができ、工程が単純であり、製造される共重合体の物性制御が容易である。また、前記金属酸化物は、特に水分安全性に優れ、効率的であり、再活用が可能である。
具体的には、前記共重合体の重合のための反応条件は、アルケン単量体が反応条件において気相である場合、重合反応が5〜200気圧の圧力および30〜150℃の温度条件で行われることが好ましく、特に好ましくは前記反応が20〜50気圧の圧力および50〜80℃の温度条件で行われる。
圧力が5気圧未満の場合にはアルケン含量が低くなることができ、圧力が200気圧を超過する場合には工程上において追加装置の設置が必要になる。また、温度が30℃未満の場合には開始剤が活性化されないこともあり、150℃を超過する場合には工程の制御が難しいことがある。
本発明の具体的な一実現例は、アルケン単量体としてエチレンまたはプロピレン、アクリレート系単量体としてメチルメタクリレートまたはメチルアクリレート、不飽和酸無水物単量体としてマレイン酸無水物、金属酸化物としてアルミナを用い、5〜50気圧の圧力と50〜80℃の温度でAIBNを重合開始剤にして重合するものである。
本発明に係る共重合体は、ガラス転移温度および靭性が高く、光透過度に優れ、接着性に優れる。したがって、本発明に係る共重合体は、特に、光学用フィルムの製造に好適に用いることができる。本発明に係る共重合体を含む光学用フィルムは、光透過度、ガラス転移温度および靭性の高い共重合体樹脂を用いて製造するために高い光透過度を有し、極性官能基を有する単量体の含量が高いために接着性に優れるので、偏光板などのような積層フィルムとして使われるのに好適である。したがって、延伸等を通じ、複屈折率を有する位相差補償フィルム、ヨウ素溶液との後処理を通じて偏光フィルムとして製造することもでき、その他の様々な光学用フィルムとして使用することができる。
以下では、実施例により、本発明をより詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲が下記実施例の内容に制限されるものではない。
重合に必要な有機試薬と溶媒はアルドリッチ(Aldrich)社の製品をもって標準方法によって精製し、エチレンはApplied Gas Technology社の高純度製品を水分および酸素濾過装置を通過させた後に重合を進行した。
共重合体内の単量体の含量比を求めるために、Varian社で製造した500 MHz NMRを利用してスペクトルを得た。収得された重合体の熱的特性であるガラス転移温度(Tg)はTA Instrument社製であるDSC Q100で測定し、50%熱分解温度(Td50)は同一社のTGAを利用した。
光透過度はフィルムを製造してUV spectrometerによって分析した。
分子量および分子量の分布はWaters社製であるGPC(gel permeation chromatography)分析によって得られた。分析温度は25℃であり、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として用い、ポリスチレンで標準化して数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を求めた。
[比較例1]
125mL反応装置にマレイン酸無水物(MAH)およびメチルメタクリレート(MMA)を投入した。次に、トルエンに溶かした開始剤AIBNを投入した。その次、反応器の温度を65℃までに上昇させ、18時間重合を施した。
[比較例2]
125mL高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填させた。前記アルゴン雰囲気の反応器にメチルメタクリレートとアルミナを投入した。次に、トルエンに溶かした開始剤AIBNを投入した。その次、35barのエチレンを充填させた後、反応器の温度を75℃までに上昇させ、18時間重合を施した。得られたエチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体の水素核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR spectrum)の結果を図1に示した。
[比較例3]
アルミナの投入量を減らしたことを除いては、前記比較例2と同じ方法により重合した。
前記比較例1、2、および3の重合条件および結果を表1および表2に示した。また、図1に前記比較例2から得られたエチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体の水素核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR spectrum)示した。
Figure 0005406179
Figure 0005406179
比較例1はマレイン酸無水物(MAH)およびメチルメタクリレート(MMA)ランダム共重合体の製造に関するものであり、その共重合体は高いガラス転移温度を有しているために耐熱性に優れるが、脆い(brittle)性質を有しているため、それだけではフィルムを形成するのが容易でない問題点がある。
比較例2および3はエチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体に関するものである。比較例2の実験結果、エチレン含量20モル%を有するエチレン−メチルメタクリレートランダム共重合体が重合された。比較例3は、比較例2の重合条件と比較してアルミナの投入量を減らした状態でフリーラジカル重合した結果であって、比較例2に比べてエチレン含量が減った9.7モル%を含有したランダム共重合体が重合された。比較例3は、エチレン含量が減ったため、ガラス転移温度は比較例2より高く得られたが、エチレン含量が低いためにフィルムの製造時に折れる短所がある。
この結果により、アルミナの投入有無は共重合体内のエチレン含量の増大効果をもたらし、エチレンの含量が増大すればガラス転移温度が低くなることが分かる。比較例2の重合体は、エチレン含量が約10モル%以上であるために成形性の良い高透明の光学フィルムとして製造可能であるが、ガラス転移温度が100度以下であるために光学フィルムに適用するのに耐熱性が足りない短所がある。すなわち、エチレンの含量を上げることにより、アクリレートの脆い特性を補ってフィルムの形成性が良いが、低いガラス転移温度のために応用範囲が制限される。
[実施例1]
125ml Parr高圧反応装置を真空にした後、アルゴンを充填させた。アルゴン雰囲気の反応器にメチルメタクリレート(MMA)、マレイン酸無水物(MAH)、およびルイス酸としてアルミナを投入した。次に、トルエンに溶かした開始剤AIBNを投入した。その次、35barのエチレンを充填させた後、反応器の温度を65℃までに上昇させ、18時間重合を施した。
重合が終われば重合液はフィルタを介してアルミナを除去し、エタノールまたはヘキサンに沈殿させた。得られた高分子は24時間、減圧下、Tg以下の温度で乾燥した。
[実施例2]
溶媒量を調節したことを除いては、実施例1と同じ方法により重合を施した。
[実施例3]
溶媒としてトルエン/THF=3(体積比)の混合溶媒を用いたことを除いては、実施例1と同じ方法により重合を施した。
[実施例4]
溶媒としてヘキサン/THF=3(体積比)の混合溶媒を用いたことを除いては、実施例1と同じ方法により重合を施した。
[実施例5〜7]
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、溶媒量、温度、時間は同一の条件で金属酸化物の種類を異にして重合した。
前記実施例1〜7の重合条件および結果を表3および表4に示した。また、図2には実施例1および6で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対する走査熱量(DSC)グラフを示し、図3には実施例2で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の結果を示し、図4には実施例5で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対する紫外線−可視光線分光スペクトル(UV−Visible spectrum)の結果を示し、図5には実施例6で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の結果を示し、図6には実施例7で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物ランダム共重合体に対する赤外線スペクトル(IR spectrum)の結果を示した。
Figure 0005406179
Figure 0005406179
実施例1〜7の結果、ガラス転移温度がおおよそ120℃以上のエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物共重合体が合成された。比較例で合成された高透明フィルムの短所である低いガラス転移温度の問題を解決し、TGAで測定された50%熱分解温度も400℃以上に高く得られた。エチレン含量が高くなるほどガラス転移温度は低くなり、マレイン酸無水物及びアクリレート含量が高くなるほどガラス転移温度は高くなるため、重合条件の変化によって所望する耐熱性及び物性に適合する高分子を合成することができる。
実施例5〜7の結果、多様な金属酸化物の適用が可能であり、溶媒としてテトラヒドロフランを用いる場合、生成された高分子の溶解度がトルエンを用いる場合より高いため、分子量の分布が狭く得られるということが分かる。
[実施例8〜11]
前記実施例1〜7と同じ方法により重合するが、2種のアクリレートを用いて4元共重合した。第4の単量体はアルキルアクリレートあるいはエポキシ基が置換されたグリシジルメタクリレートを用いた。すなわち、単量体としてメチルメタクリレート、マレイン酸無水物、エチレン以外に、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、グリシジルメタクリレート(GMA)をそれぞれ投入して4元共重合した。前記実施例8〜11の詳細な重合条件および結果を表5および表6に示した。また、図7には実施例8で得られたエチレン−メチルメタクリレート−マレイン酸無水物−グリシジルメタクリレートランダム共重合体に対する走査熱量(DSC)グラフを示した。
Figure 0005406179
Figure 0005406179
*フィルム特性は重合体をTHFに溶かして製造したフィルムを70℃で1日乾燥した後、曲げた時に折れる程度を測定したものである。10回曲げた時に2回以下で折れる場合には優秀、5回以下で折れる場合には良好に判断した。
実施例8〜11の重合結果、第4の単量体としてアルキルアクリレートの使用時にフィルム特性がより改善された。少量のアルキルアクリレートの添加時にエチレンとともにフィルムの折れる特性を向上させることを確認し、実施例5〜7と比べた時、分子量の増大效果もあることが分かる。

Claims (10)

  1. 少なくとも1種のアルケン単量体0.1〜30モル%、少なくとも1種のアクリレート系単量体30〜95モル%、および少なくとも1種の不飽和酸無水物単量体0.1〜40モル%を金属酸化物とラジカル重合開始剤存在下で重合させて得られた共重合体であって、
    前記共重合体のガラス転移温度(Tg)が、80〜220℃であり、
    前記アクリレート系単量体が、以下の化学式1で表される化合物を含み、
    Figure 0005406179
    [前記化学式1において、
    1、R2、およびR3は互いに同じであるか異なり、それぞれ独立に、水素原子またはヘテロ原子を含むことができる炭素数1〜30の1価炭化水素基を示し、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも一つはエポキシ基であってもよく;R4は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
    前記金属酸化物が、以下の化学式4で表される化合物である。
    Figure 0005406179
    前記化学式4において、
    Aは第5族または第6族原子を示し;
    Oは酸素原子を示し;
    x、y、およびzはMおよびAの酸化状態によって決定される値であって、
    x>0、y≧0、z>0である。
  2. 数平均分子量が5,000〜400,000、重量平均分子量が10,000〜800,000である、請求項1に記載の共重合体。
  3. 初期重量の50%が分解される温度(Td50)が300〜550℃範囲内である、請求項1または2に記載の共重合体。
  4. 前記アルケン単量体は、1−アルケン、2−アルケン、および3−アルケンのうちから選択される少なくとも一つを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体。
  5. 前記不飽和酸無水物単量体は1価カルボン酸無水物または多価カルボン酸無水物である、請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体。
  6. 前記不飽和酸無水物単量体は下記化学式2の化合物を含む、請求項5に記載の共重合体:
    Figure 0005406179
    前記化学式2において、
    5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
  7. 少なくとも1種のアルケン単量体0.1〜30モル%、少なくとも1種のアクリレート系単量体30〜95モル%、および少なくとも1種の不飽和酸無水物単量体0.1〜40モル%を、金属酸化物の存在下で、200気圧以下の条件下で、ラジカル重合開始剤によって重合させて、ガラス転移温度(Tg)が、80〜220℃の共重合体を得るステップを含み、
    前記アクリレート系単量体が、以下の化学式1で表される化合物を含み、
    Figure 0005406179
    [前記化学式1において、
    1、R2、およびR3は互いに同じであるか異なり、それぞれ独立に、水素原子またはヘテロ原子を含むことができる炭素数1〜30の1価炭化水素基を示し、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも一つはエポキシ基であってもよく;R4は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
    前記金属酸化物が、下記化学式4で示される化合物である
    Figure 0005406179
    前記化学式4において、
    Aは第5族または第6族原子を示し;
    Oは酸素原子を示し;
    x、y、およびzはMおよびAの酸化状態によって決定される値であって、
    x>0、y≧0、z>0である。
    共重合体の製造方法。
  8. 前記金属酸化物は、前記アクリレート系共単量体を基準に0.01〜200モル%用いられる、請求項7に記載の共重合体の製造方法。
  9. 前記ラジカル重合開始剤は、前記アクリレート系単量体を基準に0.01〜1モル%範囲で添加される、請求項7または8に記載の共重合体の製造方法。
  10. 前記重合は、150℃以下の条件で行われる、請求項7〜9のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
JP2010508301A 2007-05-16 2008-05-15 アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物を含む共重合体、およびその製造方法 Active JP5406179B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020070047525A KR100943150B1 (ko) 2007-05-16 2007-05-16 알켄-아크릴레이트-불포화 산 무수물 공중합체 및 상기중합체의 제조 방법
KR10-2007-0047525 2007-05-16
PCT/KR2008/002700 WO2008140264A1 (en) 2007-05-16 2008-05-15 Copolymer comprising alkene, acrylate and unsaturated acid anhydride, and method for preparing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010526929A JP2010526929A (ja) 2010-08-05
JP5406179B2 true JP5406179B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=40002402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010508301A Active JP5406179B2 (ja) 2007-05-16 2008-05-15 アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物を含む共重合体、およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US7884162B2 (ja)
JP (1) JP5406179B2 (ja)
KR (1) KR100943150B1 (ja)
CN (1) CN101687959B (ja)
WO (1) WO2008140264A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9147803B2 (en) 2013-01-02 2015-09-29 Micron Technology, Inc. Engineered substrates having epitaxial formation structures with enhanced shear strength and associated systems and methods
WO2017118544A1 (en) * 2016-01-05 2017-07-13 Sabic Global Technologies B.V. Method for preparing ethylene copolymer
CN107501464A (zh) * 2017-07-24 2017-12-22 四川大学 一种烯烃‑丙烯酸酯共聚物的制备方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3326871A (en) * 1962-08-27 1967-06-20 Standard Oil Co Catalytic conversion and catalysts
US3926925A (en) * 1973-07-27 1975-12-16 Exxon Research Engineering Co Novel polymers of olefins and polar monomers
US3904588A (en) * 1973-08-09 1975-09-09 Du Pont Random ethylene/alkyl acrylate 1,4-butene-dioic acid terpolymers
JPS6063240A (ja) * 1983-09-19 1985-04-11 Mitsui Petrochem Ind Ltd 積層物
JPS60141708A (ja) * 1983-12-29 1985-07-26 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性メタクリル系樹脂およびその製造法
JPS61126120A (ja) * 1984-11-22 1986-06-13 Mitsui Petrochem Ind Ltd 液状変性エチレン系ランダム共重合体
CA1261499A (en) * 1984-11-22 1989-09-26 Tatsuo Kinoshita Modified ethylenic random copolymer
JPS62285936A (ja) * 1986-06-03 1987-12-11 Showa Denko Kk 塩素化ポリエチレン組成物
JPH0794486B2 (ja) * 1987-12-14 1995-10-11 昭和電工株式会社 エチレン系共重合体の製造方法
DE69120042T2 (de) * 1990-11-28 1996-10-17 Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd N-Substituierte Acrylamid-Copolymere
JP2535668B2 (ja) 1990-11-28 1996-09-18 第一工業製薬株式会社 アクリルアミド系共重合体
JPH05112615A (ja) * 1991-08-22 1993-05-07 Kuraray Co Ltd アルカリ水溶性熱可塑性樹脂
JP3280093B2 (ja) * 1992-11-05 2002-04-30 昭和電工株式会社 樹脂組成物
EP0787568B1 (en) * 1994-10-20 2002-05-08 Komatsu Ltd. Method of manufacturing a laminated glass plate
JP2001270905A (ja) * 2000-01-21 2001-10-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性メタクリル共重合体、その製造方法および光学素子
JP4897156B2 (ja) * 2000-06-09 2012-03-14 株式会社日本触媒 透明耐熱性樹脂およびその製造方法
CN1133669C (zh) * 2000-08-30 2004-01-07 华南理工大学 聚烯烃与三单体固相接枝共聚物的制备方法及其应用
US6703445B2 (en) * 2000-11-22 2004-03-09 Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. Molding thermoplastic resin material and a method for equal quality recycle of thermoplastic resin mold
JP4342183B2 (ja) * 2003-01-15 2009-10-14 三菱レイヨン株式会社 担持型触媒を用いた(メタ)アクリル系樹脂の製造方法
US7153918B2 (en) * 2003-07-24 2006-12-26 E. I. Du Pont De Nemours And Company Random ethylene/alkyl acrylate copolymers, compounds and elastomeric compositions thereof with improved low temperature properties

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010526929A (ja) 2010-08-05
KR20080101159A (ko) 2008-11-21
WO2008140264A1 (en) 2008-11-20
US8168733B2 (en) 2012-05-01
US7884162B2 (en) 2011-02-08
KR100943150B1 (ko) 2010-02-22
CN101687959B (zh) 2012-02-15
US20100130706A1 (en) 2010-05-27
CN101687959A (zh) 2010-03-31
US20110130526A1 (en) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5406174B2 (ja) アルケン、アクリレートおよび不飽和有機酸を含む共重合体、およびその製造方法
JP5761863B2 (ja) アルケン−アクリレート−ノルボルネン3元共重合体及びその製造方法
JP5048750B2 (ja) 1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法
JP5395090B2 (ja) 1−アルケン−アクリレート系共重合体の製造方法
JP5406179B2 (ja) アルケン、アクリレート、および不飽和酸無水物を含む共重合体、およびその製造方法
CN101443369A (zh) 基于1-烯烃-丙烯酸酯的共聚物
KR100880519B1 (ko) 올레핀-아크릴레이트-말레산 무수물-노보넨 4원 공중합체및 상기 중합체의 제조 방법
KR101009106B1 (ko) 분자량 분포를 제어한 알켄-아크릴레이트계 공중합체의제조방법
KR101037008B1 (ko) 환형올레핀, 아크릴레이트 및 불포화 유기산을 포함하는공중합체, 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120801

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5406179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250