JP5394899B2 - 反射板 - Google Patents

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Description

本発明は、LED(発光ダイオード)照明、有機エレクトロルミネッセンス照明、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等に用いられる反射板に関するものである。
LEDバックライト等のLED照明、有機エレクトロルミネッセンス照明、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等において用いられる反射板は、その照射効率を上げるために反射率が重要であり、そのため白色板が多く用いられている。
しかしながら、これらの白色板は反射率が80%程度のものが多く、反射率が十分であるとは言えない。
一方、フラットパネルディスプレイの基材等に用いられる透明フィルムの分野においては、一般の透明プラスチックフィルムの特性に加えて、耐熱性が高く、温度や湿度に対する寸法安定性が高いものとして、透明樹脂およびガラス繊維の基材からなる透明フィルムが提案され(特許文献1、2参照)、本発明者らはこの透明フィルムについてさらなる検討を進めてきた。
この透明フィルムを製造する際には、ガラス繊維よりも屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように樹脂組成物を調製する。そしてガラス繊維の基材に樹脂組成物を含浸し、乾燥して半硬化することによりプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形することにより透明フィルムが製造される。高屈折率樹脂および低屈折率樹脂としては、エポキシ樹脂等が用いられている。
このように基材のガラス繊維とマトリクス樹脂(樹脂組成物の硬化物)の屈折率とを合わせることにより、透明フィルム内での光の屈折を抑え、視認性に優れたディスプレイの透明フィルムとして用いることができる。
特開2004−307851号公報 特開2009−066931号公報
しかしながら、この透明フィルムにおいては、光を透過させる用途について検討が進められてきたが、反射板としての応用、特性に関しては未だ検討されていない。本発明者らは、この透明フィルムの優れた特性に着目し、反射板としての応用を検討した。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、可視光の反射率がきわめて高く、耐熱性や寸法安定性等にも優れたLED照明、有機エレクトロルミネッセンス照明、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等に用いることができる反射板を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の反射板は、ガラス繊維の基材に透明樹脂が保持されている透明フィルムの背面に金属層を有し、400〜780nmの可視光領域における反射率が95%以上である。
第2に、上記第1の反射板において、ガラス繊維の基材に透明樹脂形成用の樹脂組成物を含浸、乾燥して作製したプリプレグと、金属層形成用の金属箔とを積層し加熱加圧成形して得られたものである。
第3に、上記第1の反射板において、透明フィルムの背面に金属を蒸着またはスパッタリングして金属層を形成したものである。
第4に、上記第1ないし第3のいずれかの反射板において、透明フィルムのガラス繊維がEガラス繊維である。
第5に、上記第1ないし第4のいずれかの反射板において、透明フィルム形成用の樹脂組成物がシアネートエステル樹脂を含有する。
第6に、上記第1ないし第5のいずれかの反射板において、透明フィルム形成用の樹脂組成物が下記式(I):
Figure 0005394899
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は2価の有機基を示し、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子、置換基、またはエポキシ基含有の分子鎖を示す。)で表される多官能エポキシ樹脂を含有する。
第7に、上記第1ないし第6のいずれかの反射板において、透明フィルム形成用の樹脂組成物が下記式(II):
Figure 0005394899
(式中、Rはm価の有機基を示し、m、nは正の整数を示す。)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂を含有する。
第8に、上記第1ないし第7のいずれかの反射板において、透明フィルム形成用の樹脂組成物が熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂を含有する。
第9に、上記第1ないし第8のいずれかの反射板において、LED照明の反射板として用いられるものである。
第10に、上記第1ないし第8のいずれかの反射板において、有機エレクトロルミネッセンス照明の反射板として用いられるものである。
第11に、上記第1ないし第8のいずれかの反射板において、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの反射板として用いられるものである。
上記第1、第9ないし第11の発明によれば、可視光の反射率がきわめて高く、耐熱性や寸法安定性等にも優れており、LED照明、有機エレクトロルミネッセンス照明、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等に用いることができる。
上記第2の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、反射板の製造コストを大幅に低減することができる。
上記第3の発明によれば、上記第1の発明の効果に加え、反射率を特に高めることができる。
上記第4ないし第8の発明によれば、上記第1ないし第3の発明の効果に加え、反射板の耐熱性を特に高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射板は、透明フィルムの背面に金属層を有し、400〜780nmの可視光領域における反射率が95%以上であることを特徴としている。
なお、本発明において反射率は、400〜780nmにおける正反射成分と拡散反射成分とを含む全反射率(%)のことである。
本発明の反射板に用いられる透明フィルムは、ガラス繊維の基材に透明樹脂が保持されている透明フィルムであり、ガラス繊維よりも屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように調製された樹脂組成物を、ガラス繊維の基材に含浸し硬化して形成される。
樹脂組成物に配合される高屈折率樹脂としては、シアネートエステル樹脂、および上記式(I)で表される多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらは1種単独で用いてもよく、両者を併用してもよい。
シアネートエステル樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、これらの誘導体、芳香族シアネートエステル化合物等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シアネートエステル樹脂は、エポキシ樹脂とともに硬化反応をさせることでトリアジン環やオキサゾリン環を生成し、エポキシ樹脂の架橋密度を高め、剛直な構造を形成することで硬化物に高いガラス転移温度を付与することができる。また、シアネートエステル樹脂は常温で固形であるため、後述のように樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸し乾燥することによりプリプレグを調製する際に、指触乾燥することが容易になり、プリプレグの取扱い性が良好になる。
上記式(I)で表される多官能エポキシ樹脂は、ガラス転移温度が高く、硬化物の耐熱性を高めることができ、さらに熱による変色も抑制できる。
式(I)におけるR2の2価の有機基としては、例えば、フェニレン基等の置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換のアリーレン基と炭素原子または炭素鎖とが結合した構造を持つ基等が挙げられる。炭素原子または炭素鎖としては、例えば、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基等のアルキレン基、カルボニル基等が挙げられる。
2の2価の有機基としては、式(I)の右側のグリシジルオキシ基にフェニレン基が結合してグリシジルオキシフェニル基を構成する基が好ましく用いられる。また、熱による透明フィルムの変色抑制の点から、アリーレン基同士の間に介在する炭素原子または炭素鎖に、メチレン基(−CH2−)を含まないものが好ましく用いられる。
2の2価の有機基としては、例えば、下記の構造(四角括弧内)が挙げられる。
Figure 0005394899
式(I)におけるR3〜R10の置換基としては、特に限定されないが、例えば、低級アルキル基等の炭化水素基、その他の有機基等が挙げられる。R3〜R10のエポキシ基含有の分子鎖としては、例えば、下記の構造(四角括弧内)が挙げられる。
Figure 0005394899
(式中、pは正の整数を示す。)
式(I)で表される多官能エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(I-a)、(I-b)、(I-c)で表される多官能エポキシ樹脂を用いることができる。
Figure 0005394899
Figure 0005394899
(式中、qは正の整数を示す。)
Figure 0005394899
高屈折率樹脂の屈折率は、好ましくは1.58〜1.63である。例えば、ガラス繊維の屈折率が1.563である場合、高屈折率樹脂は屈折率が1.6前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲のものが好ましい。
なお、本発明において、樹脂の屈折率は、いずれも硬化した樹脂の状態(硬化樹脂)での屈折率を意味するものであり、ASTM D542に従って試験した値である。
本発明において、ガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂としては、エポキシ樹脂を用いることができる。中でも、上記式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられる。この多官能エポキシ樹脂は、脂環式で透明性が高く、ガラス転移温度が高いため硬化物の耐熱性を高めることができる。
式(II)において、有機基Rは、四角括弧内の脂環式エポキシ構造に基づく本発明の効果を損なわない範囲内において任意であってよいが、例えば、炭素数1〜10の直鎖または分岐の炭化水素基等が挙げられる。式(II)のmは、特に限定されないが、例えば1〜5であり、nは、特に限定されないが、好ましくは常温(25℃)で流動性を失い固形となる範囲とされる。常温で固形であることで、透明フィルムの製造を容易にすることができる。
式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールに1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを付加して得られるものを用いることができる。具体的には、例えば、下記式(II-a)で表されるものを用いることができる。
Figure 0005394899
(式中、3つのnはそれぞれ独立に正の整数を示す。)
この多官能エポキシ樹脂は、例えば、融点が85℃程度であり、分子量は、特に限定されないが、例えば、重量平均分子量で2000〜3000である。
また、低屈折率樹脂としては、式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂の他、例えば、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型等のものを用いることができる。好ましくは、常温で固形の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が用いられる。常温で液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることもできるが、樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸し乾燥することによりプリプレグを調製する際に、指触で粘着性のある状態にまでしか乾燥することができないことが多く、プリプレグの取扱い性が悪くなる場合がある。
本発明において、低屈折率樹脂の屈折率は、好ましくは1.47〜1.53である。例えば、ガラス繊維の屈折率が1.563である場合、低屈折率樹脂は屈折率が1.5前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.04〜n−0.08の範囲のものが好ましい。
また、樹脂組成物の高屈折率樹脂または低屈折率樹脂として、上記に例示したものの他、熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂を好ましく用いることができる。熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂は、エポキシ樹脂やシアネートエステル樹脂と組み合わせることで、耐熱性の高い硬化物が得られる。
熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂としては、例えば、下記式(A)で表されるものを用いることができる。
Figure 0005394899
(式中、R1はそれぞれ独立に、炭素数が好ましくは6〜20の2価の芳香族基または脂環族基を示し、R2はそれぞれ独立に、炭素数が好ましくは6〜20の3価の芳香族基または脂環族基を示し、nは正の整数を示す。)
熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂を高屈折率樹脂として用いる場合、R1およびR2として芳香族基を用いた全芳香族系のものを好ましく用いることができる。あるいは、R1またはR2として脂環族基を用いた脂環族系のものを用いることもできる。
熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂を低屈折率樹脂として用いる場合、R1またはR2として脂環族基を用いた脂環族型のものを好ましく用いることができる。
式(A)で表される熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂の酸価は、有機溶剤への溶解性や硬化特性等も考慮すると、固形分換算で好ましくは30〜80mgKOH/g、より好ましくは40〜70mgKOH/gである。
式(A)で表される熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂は、エーテル類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類等の溶剤に溶解して溶液として用いることができ、例えば、粘度0.1〜100Pa・s(25℃)の溶液として用いることができる。
樹脂組成物における高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との混合比率は、ガラス繊維の屈折率に近似させるように、任意に調整される。ここで、樹脂組成物の屈折率はガラス繊維の屈折率にできるだけ近いことが望ましいが、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.02〜n+0.02の範囲内で近似するように調整するのが好ましい。
高屈折率樹脂と低屈折率樹脂の比率は、ガラス繊維として安価で供給品質が安定しているEガラス繊維を用いる場合には、Eガラス繊維の屈折率に樹脂の屈折率を合わせる点からは、質量比で好ましくは40:60〜55:45の範囲内である。
樹脂組成物は、好ましくは、その硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃以上、より好ましくは200℃以上になるように調製される。ガラス転移温度が高いことで、反射板の耐熱性を高めることができる。ガラス転移温度の上限は特に限定されないが、実用的には280℃程度がガラス転移温度の上限である。
なお、本発明においてガラス転移温度は、JIS C6481 TMA法に準拠して測定した値である。
本発明において、樹脂組成物には、硬化開始剤(硬化剤)を配合することができる。この硬化開始剤としては、例えば、有機金属塩を用いることができる。有機金属塩としては、例えば、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、サリチル酸等の有機酸と、Zn、Cu、Fe等の金属との塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、オクタン酸亜鉛が好ましい。硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を用いることにより、硬化樹脂のガラス転移温度を高めることができる。樹脂組成物におけるオクタン酸亜鉛等の有機金属塩の配合量は、好ましくは0.01〜0.1PHRの範囲である。
また、硬化開始剤として、カチオン系硬化剤を用いることもできる。カチオン系硬化剤を用いることにより、硬化樹脂の透明性を高めることができる。カチオン系硬化剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。樹脂組成物におけるカチオン系硬化剤の配合量は、好ましくは0.2〜3.0PHRの範囲である。
さらに硬化開始剤として、トリフェニルホスフィン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の硬化触媒を用いることもできる。樹脂組成物における硬化触媒の配合量は、好ましくは0.5〜5.0PHRの範囲である。
樹脂組成物は、上記の高屈折率樹脂、低屈折率樹脂、および必要に応じて硬化開始剤等を配合することにより調製することができる。この樹脂組成物は、必要に応じて溶媒で希釈してワニスとして調製することができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
ガラス繊維の基材を構成するガラス繊維としては、特に限定されないが、透明フィルムの耐衝撃性を高める点や、安価で供給品質が安定している点等から、EガラスやNEガラスの繊維が好ましく用いられる。Eガラス繊維は無アルカリガラス繊維とも称され、樹脂強化用ガラス繊維として汎用されるガラス繊維であり、NEガラスはNewEガラスのことである。また、Tガラスの繊維を用いることもできる。Tガラスは、汎用のEガラスに比べて機械的、熱的特性が優れている。
また、ガラス繊維は、耐衝撃性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常用いられているシランカップリング剤により表面処理しておくことが好ましい。ガラス繊維の屈折率は、好ましくは1.55〜1.57、より好ましくは1.555〜1.565である。ガラス繊維の屈折率がこの範囲であれば、反射率の高い反射板を得ることができる。ガラス繊維の基材としては、ガラス繊維の織布あるいは不織布を用いることができる。
そしてガラス繊維の基材に樹脂組成物のワニスを含浸し、加熱して乾燥することにより、プリプレグを調製することができる。乾燥条件は、特に限定されないが、乾燥温度100〜160℃、乾燥時間1〜10分間の範囲が好ましい。
次にこのプリプレグを1枚、あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形することにより、樹脂組成物を硬化させて透明フィルムを得ることができる。加熱加圧成形の条件は、特に限定されないが、温度150〜200℃、圧力1〜4MPa、時間10〜120分間の範囲が好ましい。
このとき、プリプレグと、金属層形成用の金属箔とを積層して加熱加圧成形することで、本発明の反射板を製造することができる。このような製造方法によれば、反射板の製造コストを大幅に低減することができる。
あるいは、本発明の反射板は、加熱加圧成形により硬化して得た透明フィルムの背面に、金属を蒸着またはスパッタリングして金属層を形成することで製造することができる。このような製造方法によれば、反射率を特に高めることができる。
透明フィルムの背面に積層する金属層を構成する金属材料としては、可視光線の反射率が十分に高いものであれば特に限定されないが、例えば、銀、アルミニウム、白金、SUS(ステンレス鋼)、パラジウム等が挙げられる。
上記のようにして得られる透明フィルムにおいて、ガラス繊維の基材の含有率は25〜65質量%の範囲が好ましく、より好ましくは35〜60質量%の範囲である。この範囲であれば、ガラス繊維による補強効果で高い耐衝撃性を得ることができるとともに、耐熱性も高くなり、十分な反射率を得ることもできる。
なお、ガラス繊維の基材は、透明性を高く得るために、厚みの薄いものを複数枚重ねて用いることができる。具体的には、ガラス繊維の基材として厚み50μm以下のものを用い、これを2枚以上重ねて用いることができる。ガラス繊維の基材の厚みは、特に限定されないが、10μm程度が実用上の下限である。また、ガラス繊維の基材の枚数も特に限定されないが、20枚程度が実用上の上限である。このように複数枚のガラス繊維の基材を用いて透明フィルムを製造する場合、各々のガラス繊維の基材に樹脂組成物を含浸、乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねて加熱加圧成形することにより透明フィルムを得ることができるが、複数枚のガラス繊維の基材を重ねた状態で樹脂組成物を含浸、乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形して透明フィルムを得るようにしてもよい。
このようにして得られる本発明の反射板は、400〜780nmの可視光領域における反射率が95%以上ときわめて高く、さらに寸法安定性や耐熱性も高いものとすることができる。従って、LED照明、有機エレクトロルミネッセンス照明、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の反射板として好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例の配合成分として以下のものを用いた。
高屈折率樹脂
・BADCy、Lonza社製、固形のシアネートエステル樹脂、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、屈折率 1.59
・ユニディックV−8001、DIC(株)製、熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂、全芳香族系、溶剤 γ−ブチロラクトン、粘度 0.1〜10Pa・s(25℃)、不揮発分 30〜50質量%、酸価 40〜70mgKOH/g、屈折率1.75
・テクモアVG3101、(株)プリンテック製、上記式(I-a)で表される分子構造を有する3官能エポキシ樹脂、屈折率1.59
・JER1003、ジャパンエポキシレジン(株)製、固形のビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量670〜770、軟化点89℃、屈折率1.60
低屈折率樹脂
・ユニディックV−8002、DIC(株)製、熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂、脂環族系、溶剤 エチルジグリコールアセテート、粘度 50〜150Pa・s(25℃)、不揮発分 35〜45質量%、酸価 45〜65mgKOH/g、屈折率1.53
・EHPE3150、ダイセル化学工業(株)製、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、エポキシ当量185、分子量2234、屈折率 1.51
・YL7170、ジャパンエポキシレジン(株)製、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量1200、屈折率1.51
硬化開始剤
・SI−150L、三新化学工業(株)製、カチオン系硬化剤(SbF6 -系スルホニウム塩)
・トリフェニルホスフィン
・オクタン酸亜鉛
上記の高屈折率樹脂および低屈折率樹脂を表1に示す量(質量部)で配合し、さらに硬化開始剤を配合し、これに溶媒のトルエン50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加して、温度70℃で攪拌溶解することにより、樹脂組成物のワニスを調製した。
次に、厚み25μmのガラスクロス(旭化成エレクトロニクス(株)製、Eガラス繊維、屈折率 1.563)に、上記の樹脂組成物のワニスを含浸し、150℃で5分間加熱することにより、溶媒を除去するとともに樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
そしてこのプリプレグを2枚重ねて、一方の面にSUS箔(日本金属工業(株)製、厚み50μm、表面BA仕上げ)を配置し、他方の面に離型処理したガラス板を配置してプレス機にセットし、170℃、2MPa、15分の条件で加熱加圧成形することにより、樹脂の含有率が63質量%、厚み120μmの反射板(実施例1、3、4、5)を得た。
また、実施例2では、プリプレグの両面を離型処理したガラス板で挟んで加熱加圧成形し、得られた透明フィルムの片面に銀蒸着を行うことで反射板を得た。
なお、比較例1では、プリプレグとしてR−5670(パナソニック電工(株)製、厚み0.04mm)を用いて上記と同様にSUS箔と積層して加熱加圧成形することにより反射板を得た。
このようにして得られた実施例および比較例の反射板について、次の測定を行った。
[ガラス転移温度]
作製したプリプレグから樹脂分を掻き落とし、透明フィルムの成形条件と同じ条件で直圧成形して得た樹脂板を供試サンプルとして、JISC6481 TMA法に準拠して測定した。
[反射率]
分光光度計(UV−2450、(株)島津製作所製)を用いて反射板の反射率を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。
Figure 0005394899
表1より、実施例1〜5では、樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸、硬化した透明フィルムの背面に金属層を設けて反射板を作製したが、この反射板は反射率が高く、全て95%以上であった。中でも蒸着により金属層を形成した実施例2では反射率が97%と特に高く、また樹脂組成物の構成樹脂として特定のものを用いた実施例3〜5ではガラス転移温度が高いものであった。
一方、従来において汎用されているプリプレグを用いた比較例1では、実施例1〜5に比べると反射率が大きく低下した。

Claims (11)

  1. ガラス繊維の基材に透明樹脂が保持されている透明フィルムの背面に金属層を有し、400〜780nmの可視光領域における反射率が95%以上であることを特徴とする反射板。
  2. ガラス繊維の基材に透明樹脂形成用の樹脂組成物を含浸、乾燥して作製したプリプレグと、金属層形成用の金属箔とを積層し加熱加圧成形して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の反射板。
  3. 透明フィルムの背面に金属を蒸着またはスパッタリングして金属層を形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の反射板。
  4. 透明フィルムのガラス繊維がEガラス繊維であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の反射板。
  5. 透明フィルムの樹脂組成物の高屈折率樹脂としてシアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載の反射板。
  6. 透明フィルム形成用の樹脂組成物が下記式(I):
    Figure 0005394899

    (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は2価の有機基を示し、R3〜R10はそれぞれ独立に水素原子、置換基、またはエポキシ基含有の分子鎖を示す。)で表される多官能エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の反射板。
  7. 透明フィルム形成用の樹脂組成物が下記式(II):
    Figure 0005394899

    (式中、Rはm価の有機基を示し、m、nは正の整数を示す。)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の反射板。
  8. 透明フィルム形成用の樹脂組成物が熱硬化型溶剤可溶性イミド樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし7いずれか一項に記載の反射板。
  9. LED照明の反射板として用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の反射板。
  10. 有機エレクトロルミネッセンス照明の反射板として用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の反射板。
  11. 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの反射板として用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に記載の反射板。
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