JP2012219155A - 透明樹脂複合材 - Google Patents
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Abstract
【課題】リタデーションが小さく、熱によるリタデーション変化や着色が小さく、液晶ディスプレイ等に好適に用いることができる透明樹脂複合材を提供する。
【解決手段】ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸し硬化させてなる透明樹脂複合材である。前記透明樹脂組成物はビスアリールフルオレン構造を有する樹脂を含む。
【選択図】なし
【解決手段】ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸し硬化させてなる透明樹脂複合材である。前記透明樹脂組成物はビスアリールフルオレン構造を有する樹脂を含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ディスプレイの基板等に用いられる透明樹脂複合材に関するものである。
従来、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの薄型、軽量化が進んでいるが、これをさらに進める手段としてガラス基板のプラスチックフィルムへの置き換えが検討されている。ガラス基板をプラスチックフィルムに置き換えることで、より薄くより軽くすることができるとともに、割れにくさやフレキシビリティー(柔軟性)といった性質を付与することができる。
さらに、このような一般の透明プラスチックフィルムの特性に加えて、耐熱性が高く、温度や湿度に対する寸法安定性が高いものとして、透明樹脂組成物及びガラス繊維の基材からなる透明樹脂複合材が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この透明樹脂複合材を製造する際には、ガラス繊維よりも屈折率の大きい高屈折率樹脂と、ガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように樹脂組成物を調製する。そしてガラス繊維の基材に樹脂組成物を含浸し、乾燥して半硬化することによりプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形することにより透明樹脂複合材が製造される。高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂としては、エポキシ樹脂等が用いられている。
このように、基材を構成するガラス繊維の屈折率とマトリクス樹脂(樹脂組成物)の屈折率とを合わせることにより、透明樹脂複合材内での光の屈折を抑え、視認性に優れたディスプレイの透明樹脂複合材として用いることができる。
そしてこの透明樹脂複合材は、液晶ディスプレイ等に要求される透明性、耐熱性、寸法安定性といった一般的な物性に加えて、ITO膜等の導電膜との密着性、表面平滑性、ガスバリア性等の性能も付与し得る材料として注目されている。
しかしながら、この透明樹脂組成物及びガラス繊維の基材からなる透明樹脂複合材は、リタデーションや、熱によるリタデーション変化や着色について改善の余地があった。すなわち、この透明樹脂複合材をガラス基板に代替するものとして液晶ディスプレイ等に用いる場合には、製造プロセスでの加熱によって発生する複屈折性により透過光に位相のずれとして大きなリタデーションが発生したり、製造プロセスでの加熱によって発生するフィルムの着色により、表示品質の低下を招くという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、リタデーションが小さく、熱によるリタデーション変化や着色が小さく、液晶ディスプレイ等に好適に用いることができる透明樹脂複合材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る透明樹脂複合材は、ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸し硬化させてなる透明樹脂複合材であって、前記透明樹脂組成物はビスアリールフルオレン構造を有する樹脂を含むことを特徴とするものである。
前記透明樹脂組成物は、前記ガラス繊維よりも屈折率が大きい樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂と、前記ガラス繊維よりも屈折率が小さい樹脂として1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂とを含有することが好ましい。
前記ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が5〜8質量%であり、前記1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が30〜92質量%であることが好ましい。
前記透明樹脂組成物は、前記ガラス繊維よりも屈折率が大きい樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂と、前記ガラス繊維よりも屈折率が小さい樹脂として3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートとを含有することが好ましい。
前記ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が10〜12質量%であり、前記3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートは、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が30〜88質量%であることが好ましい。
前記透明樹脂組成物には硬化開始剤としてカチオン系硬化開始剤が配合されていることが好ましい。
前記透明樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度が220℃以上であることが好ましい。
200℃での熱処理前後のリタデーション差が0.1nm以下であることが好ましい。
200℃での熱処理前後の色差ΔEが2以下であることが好ましい。
本発明によれば、リタデーションや熱によるリタデーション変化や着色を小さく抑えることができ、液晶ディスプレイ等に好適に用いることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において透明樹脂複合材は透明フィルムとして形成することができ、ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸し硬化して形成される。このように、透明樹脂複合材は、ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物が保持されている透明複合シートである。具体的には、基材のガラス繊維よりも屈折率の大きい高屈折率樹脂と、基材のガラス繊維よりも屈折率の小さい低屈折率樹脂とを混合して、屈折率が基材のガラス繊維の屈折率に近似するように調製された透明樹脂組成物を、ガラス繊維の基材に含浸し硬化して形成することができる。
透明樹脂組成物に配合される高屈折率樹脂としては、ビスアリールフルオレン構造を有する樹脂を用いる。ビスアリールフルオレン構造を有する樹脂としては、ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂を用いることができる。これを用いることによって、リタデーションが小さく、加熱後のリタデーション変化や色変化が少ない透明樹脂複合材が得られる。
また、ビスアリールフルオレン構造を有する樹脂の他に、シアネートエステル樹脂や式(I)で表されるようなエポキシ樹脂を高屈折率樹脂として併用してもよい。
シアネートエステル樹脂としては、例えば、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)エタン、これらの誘導体、芳香族シアネートエステル化合物等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シアネートエステル樹脂は、エポキシ樹脂とともに硬化反応をさせることでトリアジン環やオキサゾリン環を生成し、エポキシ樹脂の架橋密度を高め、剛直な構造を形成することで硬化物に高いガラス転移温度を付与することができる。また、シアネートエステル樹脂は常温で固形であるため、後述のように透明樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸し乾燥することによりプリプレグを調製する際に、指触乾燥することが容易になり、プリプレグの取扱い性が良好になる。
上記式(I)で表される3官能以上の多官能エポキシ樹脂は、これを用いることで、高い透明性を維持しつつ、ガラス転移温度が高く硬化物の耐熱性を高めることができ、さらに熱による変色も抑制することができる。
式(I)におけるR1は、特に限定されず、水素基や炭化水素基などを例示することができる。
式(I)におけるR2の2価の有機基としては、例えば、フェニレン基等の置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換のアリーレン基と炭素原子または炭素鎖とが結合した構造を持つ基等が挙げられる。炭素原子または炭素鎖としては、例えば、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基等のアルキレン基、カルボニル基等が挙げられる。
R2の2価の有機基としては、式(I)の右側のグリシジルオキシ基にフェニレン基が結合してグリシジルオキシフェニル基を構成する基が好ましく用いられる。また、熱による透明樹脂複合材の変色抑制の点から、アリーレン基同士の間に介在する炭素原子または炭素鎖に、メチレン基(−CH2−)を含まないものが好ましく用いられる。
R2の2価の有機基としては、例えば、下記の構造(四角括弧内)が挙げられる。
式(I)におけるR3〜R10の置換基としては、特に限定されないが、例えば、低級アルキル基等の炭化水素基、その他の有機基等が挙げられる。R3〜R10のエポキシ基含有の分子鎖としては、例えば、下記の構造(四角括弧内)が挙げられる。
(式中、pは正の整数を示す。)
式(I)で表される3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(I−a)、(I−b)、(I−c)で表される多官能エポキシ樹脂を用いることができる。
式(I)で表される3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(I−a)、(I−b)、(I−c)で表される多官能エポキシ樹脂を用いることができる。
(式中、qは正の整数を示す。)
特に高屈折率樹脂としては、上記式(I−a)で表される3官能のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これにより、他の式(I)で表される3官能以上の多官能エポキシ樹脂を用いる場合に比べて、高い透明性を維持しつつ、ガラス転移温度が高く硬化物の耐熱性を高めることができ、さらに熱による変色も抑制することができる。
高屈折率樹脂としてのビスアリールフルオレン構造を有する樹脂、あるいはこの樹脂とシアネートエステル樹脂や式(I)で表される3官能以上の多官能エポキシ樹脂との混合物の屈折率は、好ましくは1.58〜1.63である。例えば、ガラス繊維の屈折率が1.563(Eガラス)である場合、高屈折率樹脂は屈折率が1.6前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n+0.03〜n+0.06の範囲のものが好ましい。
なお、本発明において、樹脂の屈折率は、いずれも硬化した樹脂の状態(硬化樹脂)での屈折率を意味するものであり、ASTM D542に従って試験した値である。
他方、透明樹脂組成物に配合される低屈折率樹脂としては、1種または複数種のエポキシ樹脂を用いることができる。中でも、下記式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂が好ましく用いられる。この多官能エポキシ樹脂は、脂環式で透明性が高く、ガラス転移温度が高く硬化物の耐熱性を高めることができる。
式(II)において、有機基Rは、四角括弧内の脂環式エポキシ構造に基づく本発明の効果を損なわない範囲内において任意であってよいが、例えば、炭素数1〜10の直鎖または分岐の炭化水素基等が挙げられる。式(II)のmは、特に限定されないが、例えば1〜5であり、nは、特に限定されないが、好ましくは常温(25℃)で流動性を失い固形となる範囲とされる。常温で固形であることで、透明樹脂複合材の製造を容易にすることができる。
式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂としては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールに1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを付加して得られるものを用いることができる。具体的には、例えば、下記式(II−a)で表されるものを用いることができる。
(式中、3つのnはそれぞれ独立に正の整数を示す。)
この多官能エポキシ樹脂は、例えば、融点が85℃程度であり、分子量は、特に限定されないが、例えば、2000〜3000程度である。
この多官能エポキシ樹脂は、例えば、融点が85℃程度であり、分子量は、特に限定されないが、例えば、2000〜3000程度である。
また、低屈折率樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートを用いることができる。これを用いることにより、透明性樹脂組成物の硬化物の耐熱性を高くすることができ、また、透明性樹脂組成物のワニスを無溶媒にすることができる。
また、低屈折率樹脂としては、式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂や3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの他、例えば、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができる。水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型等のものを用いることができる。好ましくは、常温で固形の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂が用いられる。常温で液状の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることもできるが、透明樹脂組成物をガラス繊維の基材に含浸し乾燥することによりプリプレグを調製する際に、指触で粘着性のある状態にまでしか乾燥することができないことが多く、プリプレグの取扱い性が悪くなる場合がある。
低屈折率樹脂である式(II)で表される構造を有する多官能エポキシ樹脂や3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの屈折率、あるいはこれらの樹脂と他の樹脂との混合物の屈折率は、好ましくは1.47〜1.53である。例えば、ガラス繊維の屈折率が1.563である場合、低屈折率樹脂は屈折率が1.5前後のものが好ましく、ガラス繊維の屈折率をnとすると、n−0.04〜n−0.08の範囲のものが好ましい。
本発明では、上述のような高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とを混合して、屈折率がガラス繊維の屈折率に近似するように、透明樹脂組成物を調製することができる。ここで、ガラス繊維の屈折率n1と透明樹脂組成物の屈折率n2とが0.001≦n2−n1≦0.007の関係を満たし、透明樹脂複合材の透過率が最大となる光の波長が600〜780nmの範囲となるように、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との配合を調整することが好ましい。高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との配合をこのように調整することで、透明樹脂複合材の高い透明性を維持しながらリタデーションを低くすることができる。詳細には、透明樹脂組成物の屈折率n2をガラス繊維の屈折率n1より若干高めに設定することが好ましい。これは、ガラス繊維の基材に保持されている透明樹脂組成物は硬化する際に張力がかかっており、ガラス繊維の基材に保持されていない場合に比べて局所的に屈折率が小さい状態で硬化することになるためである。よって、透明樹脂組成物の屈折率を若干高めに設定することで、硬化時には透明樹脂組成物の屈折率とガラス繊維の屈折率とをマクロに略一致させることができる。また、基材に保持されていない透明樹脂組成物の屈折率とガラス繊維の屈折率とを完全一致させるようにした場合、透明樹脂複合材の透過率が最大となる光の波長は通常550nm付近である。しかし、ガラス繊維の屈折率n1と透明樹脂組成物の屈折率n2とが0.001≦n2−n1≦0.007の関係を満たす場合には、透明樹脂複合材の透過率が最大となる光の波長が600nm以降にシフトする。
上記のような透明性樹脂組成物を調製するにあたって、高屈折率樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂を用いると共に低屈折率樹脂として1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂を用いた場合、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を5〜8質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂の含有量を30〜92質量%とするのが好ましい。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。より好ましくは、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を6〜8質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂の含有量を70〜92質量%とする。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。さらに好ましくは、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を7〜8質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂の含有量を80〜92質量%とする。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。
また、上記のような透明性樹脂組成物を調製するにあたって、高屈折率樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂を用いると共に低屈折率樹脂として3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートを用いた場合、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を10〜12質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの含有量を30〜88質量%とするのが好ましい。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。より好ましくは、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を11〜12質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの含有量を70〜88質量%とする。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。さらに好ましくは、透明性樹脂組成物の樹脂中のビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を11〜12質量%とし、透明性樹脂組成物の樹脂中の3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの含有量を80〜88質量%とする。これにより、透明樹脂複合材の耐熱性を向上し、リタデーションを小さくし、色変化を小さくするという各性能を確保しやすくなる。
尚、透明樹脂組成物におけるシアネートエステル樹脂の配合量は、高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂の全量に対して、好ましくは10〜40質量%である。この範囲であれば、ガラス転移温度が十分に向上し、また、シアネートエステル樹脂の溶解度が十分であって、シアネートエステル樹脂が含浸工程や保存中にワニス中から析出しにくくすることができる。
本発明における好ましい態様では、ガラス繊維として安価で供給品質が安定しているEガラス繊維を用いる。また、高屈折率樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂を用いる。また、低屈折率樹脂として1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂又は3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートを用いる。また、透明樹脂組成物における高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂の合計量に対して、ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を5〜8質量%、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂の含有量を30〜92質量%とする。また、透明樹脂組成物における高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂の合計量に対して、ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂の含有量を10〜12質量%、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートの含有量を30〜88質量%とする。このようにすることで、透明樹脂複合材の高い透明性を維持しながらリタデーションを例えば1.5nm未満、さらには1.4nm未満にすることができ、さらに耐熱性も大幅に高めることができる。
透明樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度(Tg)は220℃以上であることが好ましく、230℃以上であることがより好ましく、235℃以上であることが最も好ましい。このように、硬化樹脂の高いガラス転移温度により、透明樹脂複合材の耐熱性を高めることができる。ガラス転移温度の上限は特に限定されないが、実用的には280℃程度が上限である。なお、本発明においてガラス転移温度は、JIS C6481 TMA法に従って測定した値である。
本発明において、透明樹脂組成物には、硬化開始剤(硬化剤)を配合することができる。硬化開始剤としては、金属キレート及び有機金属塩等の金属塩から選ばれるものを用いることが好ましい。金属キレートとしては、例えば、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。他方、金属塩、特に有機金属塩としては、例えば、オクタン酸、ステアリン酸、アセチルアセトネート、ナフテン酸、サリチル酸等の有機酸と、Zn、Cu、Fe等の金属との塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このように、硬化開始剤として金属キレート及び金属塩から選ばれるものを用いることにより、硬化樹脂のガラス転移温度を高めることができる。中でも、硬化開始剤としてはオクタン酸亜鉛を用いることが好ましい。このように、硬化開始剤としてオクタン酸亜鉛を用いることにより、他の金属キレート又は金属塩を用いる場合に比べて、硬化樹脂のガラス転移温度をより高めることができる。透明樹脂組成物における金属キレート及びオクタン酸亜鉛等の金属塩の配合量は、好ましくは0.01〜0.1PHRの範囲である。
また、硬化開始剤としては、カチオン系硬化開始剤を用いることも好ましい。これを用いることにより、透明性と耐熱性が高い透明樹脂複合材を作製することができる。カチオン系硬化開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。このように、硬化開始剤としてカチオン系硬化開始剤を用いることにより、硬化樹脂の透明性を高めることができる。透明樹脂組成物におけるカチオン系硬化開始剤の配合量は、好ましくは0.2〜3.0PHRの範囲である。
さらに硬化開始剤として、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の硬化触媒を用いることもできる。透明樹脂組成物におけるこれらの硬化触媒の配合量は、好ましくは0.5〜5.0PHRの範囲である。
透明樹脂組成物は、高屈折率樹脂、低屈折率樹脂、必要に応じて硬化開始剤等を配合することにより調製することができる。この透明樹脂組成物は、必要に応じて溶媒で希釈してワニスとして調製することができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
基材を構成するガラス繊維としては、透明樹脂複合材の耐衝撃性を高める点や、安価で供給品質が安定している点等から、Eガラス、NEガラス、Tガラスの繊維が好ましく用いられる。Eガラス繊維は無アルカリガラス繊維とも称され、樹脂強化用ガラス繊維として汎用されるガラス繊維であり、NEガラスはNewEガラスのことである。
また、ガラス繊維には、耐衝撃性を向上させる目的で、ガラス繊維処理剤として通常用いられているシランカップリング剤により表面処理しておくことが好ましい。ガラス繊維の屈折率は、好ましくは1.55〜1.57、より好ましくは1.555〜1.565である。この場合、硬化後の高屈折率樹脂の屈折率は1.58〜1.63、硬化後の低屈折率樹脂の屈折率は1.47〜1.53であることが好ましい。ガラス繊維、高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂の屈折率が上記の範囲であれば、視認性に優れた透明樹脂複合材を得ることができる。あるいはガラス繊維の屈折率が1.50〜1.53、硬化後の高屈折率樹脂の屈折率が1.54〜1.63、硬化後の低屈折率樹脂の屈折率が1.47〜ガラス繊維の屈折率であることも好ましい。この場合も、視認性に優れた透明樹脂複合材を得ることができる。ガラス繊維の基材としては、ガラス繊維の織布あるいは不織布を用いることができる。
そしてガラス繊維の基材に透明樹脂組成物のワニスを含浸し、加熱して乾燥することにより、プリプレグを調製することができる。乾燥条件は、特に限定されないが、乾燥温度100〜160℃、乾燥時間1〜10分間の範囲が好ましい。
次にこのプリプレグを1枚、あるいは複数枚重ね、加熱加圧成形することにより、透明樹脂組成物を硬化させて透明樹脂複合材を得ることができる。加熱加圧成形の条件は、特に限定されないが、温度150〜200℃、圧力1〜4MPa、時間10〜120分間の範囲が好ましい。
上記のようにして得られる透明樹脂複合材において、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが重合して形成される樹脂マトリクスは、ガラス転移温度が高いものであり、耐熱性に優れた透明樹脂複合材を得ることができる。
また、上記に例示したような高屈折率樹脂と低屈折率樹脂は、透明性に優れるものであり、高い透明性を確保した透明樹脂複合材を得ることができる。この透明樹脂複合材において、ガラス繊維の基材の含有率は25〜65質量%の範囲が好ましく、より好ましくは35〜60質量%の範囲である。この範囲であれば、ガラス繊維による補強効果で高い耐衝撃性を得ることができるとともに、十分な透明性を得ることができる。また、ガラス繊維が多過ぎると表面の凹凸が大きくなり、透明性も低下する。一方、ガラス繊維が少な過ぎると透明樹脂複合材の熱膨張係数が大きくなる場合がある。
なお、ガラス繊維の基材は、透明性を高く得るために、厚みの薄いものを複数枚重ねて用いることができる。具体的には、ガラス繊維の基材として厚み50μm以下のものを用い、これを2枚以上重ねて用いることができる。ガラス繊維の基材の厚みは、特に限定されないが、10μm程度が実用上の下限である。また、ガラス繊維の基材の枚数も特に限定されないが、20枚程度が実用上の上限である。このように複数枚のガラス繊維の基材を用いて透明樹脂複合材を製造する場合、各々のガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸、乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねて加熱加圧成形することにより透明樹脂複合材を得ることができるが、複数枚のガラス繊維の基材を重ねた状態で透明樹脂組成物を含浸、乾燥してプリプレグを作製し、このプリプレグを加熱加圧成形して透明樹脂複合材を得るようにしてもよい。
このようにして得られる本発明の透明樹脂複合材は、透明性及び耐熱性に優れ、さらにリタデーションも低いものとなる。透明樹脂複合材の白色光透過率は、例えば88%以上とすることができる。また、透明樹脂複合材の表面にITOにより導電性を付与することも可能であり、液晶ディスプレイ等に適している。
また、本発明の透明樹脂複合材は寸法安定性も高く、特に面方向(XY方向)において低い熱膨張係数(CTE)を有している。例えば、50〜150℃における面方向の熱膨張係数を30ppm/℃以下とすることができる。
また、本発明の透明樹脂複合材の表面は平滑であり、例えば、表面粗さ(Rz)を1μm以下とすることができる。
本発明の透明樹脂複合材の少なくとも片面にはハードコート層を設けることができる。ハードコート層としては、従来のプラスチックフィルム等のハードコート層として知られている構成を適用することもできるが、例えば、透明樹脂複合材の表面にラミネート転写工法で数μmのエポキシ樹脂層を形成することで、表面が平滑なハードコート層を得ることができる。具体的には、まずキャリアフィルムとなるPETフィルム等に、溶媒に溶解した分子量の大きいエポキシ樹脂を塗工する。次にこのフィルムを真空ラミネータを用いて透明樹脂複合材の表面にラミネートする。その後、紫外線照射あるいは熱処理でエポキシ樹脂を硬化させ、最後にキャリアフィルムを除去することで平滑なハードコート層を得ることができる。
また、本発明の透明樹脂複合材の少なくとも片面にはガスバリア層を設けることができる。例えば、透明樹脂複合材の表面に、SiO2やSiONXの薄膜をスパッタリング等により形成することで、あるいはこれらの無機薄膜と、アクリルやエポキシ、又はその混合物等の有機樹脂膜とを積層することで、平滑なガスバリア層を得ることができる。
本発明の透明樹脂複合材は、200℃での熱処理前後のリタデーション差が0.1nm以下であることが好ましい。これにより、製造プロセス等での加熱によっても大きな透過光の位相のずれを生じにくくすることができ、透明樹脂複合材の透明性の低下などの品質の低下を抑えることができる。尚、上記のリタデーション差は小さいほど好ましいので、下限は0である。
本発明の透明樹脂複合材は、200℃での熱処理前後の色差ΔEが2以下であることが好ましい。これにより、製造プロセス等での加熱によっても変色を生じにくくすることができ、透明樹脂複合材の透明性の低下などの品質の低下を抑えることができる。尚、上記の色差は小さいほど好ましいので、下限は0である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1の配合量は質量部を示す。
実施例及び比較例の配合成分として以下のものを用いた。
1.高屈折率樹脂
・オグソールPG100:大阪ガスケミカル(株)製、ビスアリールフルオレン構造を有する樹脂、屈折率樹脂 1.644
・テクモアVG3101:(株)プリンテック製、上記式(I−a)で表される分子構造を有する3官能エポキシ樹脂、屈折率 1.59
2.低屈折率樹脂
・EHPE3150:ダイセル化学工業(株)製、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、エポキシ当量185、分子量2234、屈折率 1.51
・セロキサイド2021P:ダイセル化学工業(株)製、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、エポキシ当量135、分子量252.3、屈折率1.51
・EP−4080:ADEKA社製、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、屈折率1.51
3.硬化開始剤
・SI−150L、三新化学工業(株)製、カチオン系硬化開始剤(SbF6 −系スルホニウム塩)
実施例1〜9及び比較例1、2については、厚み25μmのガラスクロス(日東紡株式会社製、Tガラス繊維(WTX1037、屈折率(1.528))に、上記の樹脂組成物のワニスを含浸し、150℃で5分間加熱することにより、溶媒を除去するとともに樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
・オグソールPG100:大阪ガスケミカル(株)製、ビスアリールフルオレン構造を有する樹脂、屈折率樹脂 1.644
・テクモアVG3101:(株)プリンテック製、上記式(I−a)で表される分子構造を有する3官能エポキシ樹脂、屈折率 1.59
2.低屈折率樹脂
・EHPE3150:ダイセル化学工業(株)製、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、エポキシ当量185、分子量2234、屈折率 1.51
・セロキサイド2021P:ダイセル化学工業(株)製、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、エポキシ当量135、分子量252.3、屈折率1.51
・EP−4080:ADEKA社製、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、屈折率1.51
3.硬化開始剤
・SI−150L、三新化学工業(株)製、カチオン系硬化開始剤(SbF6 −系スルホニウム塩)
実施例1〜9及び比較例1、2については、厚み25μmのガラスクロス(日東紡株式会社製、Tガラス繊維(WTX1037、屈折率(1.528))に、上記の樹脂組成物のワニスを含浸し、150℃で5分間加熱することにより、溶媒を除去するとともに樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
そしてこのプリプレグを2枚重ねて、プレス機にセットし、170℃、2MPa、15分の条件で加熱加圧成形することにより、樹脂の含有率が63質量%、厚み70μmの透明樹脂複合材を得た。
このようにして得られた実施例及び比較例の透明樹脂複合材について、次の測定及び評価を行った。
[透明性(ヘイズ)]
JIS K7136に従って透明樹脂複合材のヘイズ値を測定し、透明性を評価した。
JIS K7136に従って透明樹脂複合材のヘイズ値を測定し、透明性を評価した。
[硬化樹脂のガラス転移温度]
透明樹脂組成物が硬化した硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)をJIS C6481 TMA法に従って測定した。
透明樹脂組成物が硬化した硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)をJIS C6481 TMA法に従って測定した。
[全光線透過率(%)]
日本電色工業(株)製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JISK7136に準拠して透明複合体の透明性(全光線透過率)を測定した。
日本電色工業(株)製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JISK7136に準拠して透明複合体の透明性(全光線透過率)を測定した。
[リタデーション]
(株)東京インスツルメンツ製複屈折測定装置「Abrio」を用い、測定波長:546nm、測定範囲:11mm×8mm、動作モード:透過の条件で、リタデーションを測定した。なお、リタデーションは、透明樹脂複合材の面内の光学異方性を示す遅相軸と進相軸の屈折率差△nに透明樹脂複合材の厚みd(=70μm)をかけた値△n・d(nm)である。
(株)東京インスツルメンツ製複屈折測定装置「Abrio」を用い、測定波長:546nm、測定範囲:11mm×8mm、動作モード:透過の条件で、リタデーションを測定した。なお、リタデーションは、透明樹脂複合材の面内の光学異方性を示す遅相軸と進相軸の屈折率差△nに透明樹脂複合材の厚みd(=70μm)をかけた値△n・d(nm)である。
[200℃30分後リタデーション]
透明樹脂複合材を200℃で30分間加熱した後、上記[リタデーション]と同様にした。
透明樹脂複合材を200℃で30分間加熱した後、上記[リタデーション]と同様にした。
[200℃30分後色差ΔE]
透明樹脂複合材を200℃で30分間加熱する前後で色を測定し、加熱前後での色差を求めた。色の測定には色差計(ミノルタ社製の品番CM−3600d)を用いた。
透明樹脂複合材を200℃で30分間加熱する前後で色を測定し、加熱前後での色差を求めた。色の測定には色差計(ミノルタ社製の品番CM−3600d)を用いた。
これらの測定及び評価の結果を表1に示す。
実施例1と比較例1とを対比すると、実施例1の方が透明樹脂複合材のリタデーション、200℃30分後リタデーション、200℃30分後色差ΔEを小さく抑えることができることが確認された。
また、実施例2と比較例2とを対比すると、実施例2の方が透明樹脂複合材のリタデーション、200℃30分後リタデーション、200℃30分後色差ΔEを小さく抑えることができることが確認された。
また、実施例3〜9についても、比較例1、2に比べて、200℃30分後色差ΔEを小さく抑えることができることが確認された。
Claims (9)
- ガラス繊維の基材に透明樹脂組成物を含浸し硬化させてなる透明樹脂複合材であって、前記透明樹脂組成物はビスアリールフルオレン構造を有する樹脂を含むことを特徴とする透明樹脂複合材。
- 前記透明樹脂組成物は、前記ガラス繊維よりも屈折率が大きい樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂と、前記ガラス繊維よりも屈折率が小さい樹脂として1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂とを含有することを特徴とする請求項1に記載の透明樹脂複合材。
- 前記ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が5〜8質量%であり、前記1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを含むエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が30〜92質量%であることを特徴とする請求項2に記載の透明樹脂複合材。
- 前記透明樹脂組成物は、前記ガラス繊維よりも屈折率が大きい樹脂としてビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂と、前記ガラス繊維よりも屈折率が小さい樹脂として3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートとを含有することを特徴する請求項1に記載の透明樹脂複合材。
- 前記ビスアリールフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が10〜12質量%であり、前記3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートは、前記透明樹脂組成物の樹脂中の含有量が30〜88質量%であることを特徴とする請求項4に記載の透明樹脂複合材。
- 前記透明樹脂組成物には硬化開始剤としてカチオン系硬化開始剤が配合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の透明樹脂複合材。
- 前記透明樹脂組成物の硬化後のガラス転移温度が220℃以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の透明樹脂複合材。
- 200℃での熱処理前後のリタデーション差が0.1nm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の透明樹脂複合材。
- 200℃での熱処理前後の色差ΔEが2以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の透明樹脂複合材。
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