JP2014172990A - エポキシ樹脂組成物、封止材、および光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
気泡がほとんどなく、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくい硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより形成された封止材、及びこの封止材を有する光半導体装置を提供する。
【解決手段】
特定の構造を有するエポキシ化合物を含有するエポキシ化合物成分、酸無水物、及び硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物、このエポキシ樹脂組成物の硬化物からなる封止材、及び、発光体と、この発光体を封止する封止材を有する光半導体装置。
【選択図】 なし
Description
近年においては、LED素子の高出力化及び短波長化が進んでおり、光半導体の封止材にも、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくいものが望まれている。
(A)成分:下記式(I)
で示されるエポキシ化合物(α)と、
下記式(II)
で示される、エポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および下記式(III)
で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分
(B)成分:酸無水物
(C)成分:硬化促進剤
(2)前記エポキシ化合物(α)が、テトラヒドロインデンジエポキシドである、(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3)前記エポキシ化合物(α)が、2つのエポキシ環の立体配置に基づく4つの立体異性体の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から求めたときに、エキソ−エンド体とエンド−エンド体の含有割合が、それぞれ、4つの立体異性体全体中10%以下のものである、(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4)前記エポキシ化合物(β)が、25℃で固体の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(5)前記(C)成分の硬化促進剤が、分子内に硫黄原子を有しない4級ホスホニウム塩系硬化促進剤である、(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(6)さらに、多価アルコール化合物を含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(7)前記多価アルコール化合物の含有量が、(B)成分の酸無水物に対して、3〜20重量%である、(6)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(8)さらに、リン系変色防止剤を、(A)成分のエポキシ化合物成分に対して、0.5重量%以上含有する、(1)〜(7)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(9)前記リン系変色防止剤が、下記式(IV)で示される化合物である、(8)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(11)前記(1)〜(10)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなる封止材。
(12)発光体と、この発光体を封止する(11)に記載の封止材を有する光半導体装置。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記の(A)成分〜(C)成分を含有するものである。
(A)成分:前記式(I)で示されるエポキシ化合物(α)と、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および前記式(III)で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分
(B)成分:酸無水物
(C)成分:硬化促進剤
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分として、前記式(I)で示されるエポキシ化合物(α)と、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および前記式(III)で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分を含有する。
R1〜R12のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R1〜R12の炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等の炭素数2〜20のアルキリデン基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
エポキシ化合物(α)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化剤としては、過酸化水素、脂肪族過カルボン酸、有機過酸化物等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、環状ポリオレフィン化合物の不飽和結合に対して1当量以上、好ましくは、1〜2当量である。
反応時間は、反応規模等にもよるが、通常1〜100時間、好ましくは2〜50時間である。
反応終了後は、例えば、貧溶媒で沈殿させる方法やエポキシ化物を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法等により、目的とするエポキシ化合物を得ることができる。
カラム:HP−1(アジレント社製)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
液相:100%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):50℃で10分間保持、5℃/分で250℃まで昇温
スプリット比:50
サンプル:0.5μL
R13、R14の炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、R1〜R12の炭素数1〜20の炭化水素基として示したものと同様のものが挙げられる。
mは、0〜20の整数、好ましくは0〜10の整数を表す。
2種以上のエポキシ化合物(β1)を用いる場合、繰り返し単位の数(m)の平均値は、通常、0.3以上、好ましくは0.3〜20である。
例えば、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等の炭素数2〜20のアルキリデン基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
qは、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数である。
エポキシ化合物(β2)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
q価のアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の1価のアルコール化合物;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール化合物;グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコール化合物が挙げられる。
エポキシ化合物(α)の割合が少なすぎると、エポキシ樹脂組成物の粘度が上がり易く、エポキシ樹脂組成物の調製時や封止材の製造時の作業性が低下する。また、エポキシ化合物(α)の割合が多すぎると硬化時に発泡し易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(B)成分として、酸無水物を含有する。
酸無水物は、(A)成分と反応し、エポキシ樹脂組成物を硬化させる化合物である。酸無水物は、エポキシ樹脂組成物を硬化させ得るものであれば特に限定されず、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として慣用されているものを使用することができる。酸無水物としては、例えば、分子内に脂肪族環又は芳香族環を1個又は2個有するとともに、酸無水物基を1個又は2個有する、炭素原子数4〜25個、好ましくは8〜20個の化合物が挙げられる。
25℃で液体の酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
25℃で固体の酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらの中でも、他の成分と容易に混合することができ、エポキシ樹脂組成物を効率よく調製することができることから、25℃で液体の酸無水物が好ましい。
特に25℃で固体の酸無水物を用いる場合、より均一なエポキシ樹脂組成物を効率よく調製することができることから、25℃で液体の酸無水物と組み合わせて用いることが好ましい。
好ましい酸無水物又はその組合せとしては、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及び、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(C)成分として、硬化促進剤を含有する。
硬化促進剤は、前記(A)成分と(B)成分の硬化反応を促進させる化合物である。硬化促進剤は、この硬化反応を促進させるものであれば特に限定されない。
分子内に硫黄原子を有しない4級ホスホニウム塩系硬化促進剤の具体例としては、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラn−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラn−ブチルホスホニウムテトラフルオロボーレート等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分〜(C)成分のほかに、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、反応調整剤、変色防止剤、(A)成分以外のエポキシ化合物、各種添加剤等が挙げられる。
炭素数が4以上で、かつ、水酸基の数が3以上の多価アルコール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いることで、より耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
多価アルコール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価アルコール化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコール化合物を含有する場合、その含有量は、(B)成分の酸無水物に対して、通常3〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
変色防止剤としては、リン系変色防止剤、ヒンダードフェノール系変色防止剤、チオエーテル系変色防止剤等が挙げられる。
これらの変色防止剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのエポキシ化合物を含有する場合、その含有量は、これらのエポキシ化合物と(A)成分との合計量中、好ましくは30〜50重量%であり、より好ましくは35〜45重量%である。この範囲内であることで、気泡がほとんどなく、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくい硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易くなる。
本発明の効果を阻害しない限り、添加剤の含有量は特に限定されない。本発明のエポキシ樹脂組成物は、任意の量の添加剤を含有してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分〜(C)成分、及び、必要に応じて用いられるその他の成分を、公知の方法に従って撹拌、混合することにより調製することができる。
撹拌、混合の際の温度は、配合する成分によっても異なるが、10〜80℃程度であるのが好ましい。調製時の温度が低すぎると、粘度が高すぎて均一な撹拌、混合作業が困難になるおそれがあり、逆に、調製時の温度が高すぎると、硬化反応が起き、この場合もエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなるおそれがあるので、好ましくない。
したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物は、封止材の形成用に好ましく用いられ、なかでも光半導体封止用に好ましく用いられる。
本発明の封止材は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなるものである。
本発明の封止材は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を所定の場所に塗布した後、このものを加熱して硬化させることにより得ることができる。
加熱温度は、通常、100〜200℃、好ましくは100〜180℃、より好ましくは100〜150℃である。
加熱時間は、通常、1〜24時間、好ましくは2〜12時間である。
また、急激に硬化反応が進行すると、内部応力によるクラックの発生を誘引するおそれがあるため、段階的に加熱温度を変化させることが好ましい。例えば、1次硬化を100〜130℃で1〜3時間程度、2次硬化を130〜180℃で2〜6時間程度行うことで、クラックの発生を抑えることができる。
これらの特性を有するため、本発明の封止材は、発光素子の発光体を封止する封止材として有用である。具体的には、本発明の封止材は、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、電荷結合素子(CCD)、EPROM、フォトセンサー等の発光素子の発光体を封止する封止材として有用である。
本発明の光半導体装置は、発光体と、この発光体を封止する本発明の封止材を有するものである。
エポキシ樹脂組成物の塗布方法や硬化方法としては、封止材の項で示したものが挙げられる。を利用することができる。
温度計を備えた3つ口反応器内において、窒素気流中、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン40.0g(0.333mol)をアセトン400mlに溶解させ、さらに、炭酸水素ナトリウム201.3g(2.396mol)及び蒸留水400mlを加えた。得られた混合液を水浴で10℃に冷却した後、一過硫酸カリウム〔オキソン(登録商標)、デュポン社製〕327.4g(0.532mol)を加え、反応液の液温が20〜30℃になるように水浴温度を調整しながら2時間攪拌した。その後、反応液を0℃に冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液300ml、蒸留水300ml、および飽和食塩水300mlを加え、n−ヘキサン500mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物を真空乾燥させることで、ジエポキシ化合物A(粗生成物)を41.5g得た(収率82%)。
測定装置:7890A(アジレント社製)
カラム:HP−1(アジレント社製)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
液相:100%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):50℃で10分間保持、5℃/分で250℃まで昇温
スプリット比:50
サンプル:0.5μL
上記合成例で得たジエポキシ化合物Aの粗生成物40.1gを、小型高速回転バンド式精密蒸留装置(型式;HSB−605FF、東科精機社製)を用いて減圧蒸留(真空度;0.3kPa)により精製した。
ジエポキシ化合物Aを構成する4つの立体異性体の沸点は、(エキソ−エンド体の沸点)<(エンド−エキソ体の沸点)<(エキソ−エキソ体の沸点)<(エンド−エンド体の沸点)の順に高くなる。
減圧蒸留により、ジエポキシ化合物A(精製物)を得た。このものをガスクロマトグラフィーにより分析した結果を図2に示す。
ジエポキシ化合物A(精製物)を構成する4つの立体異性体の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から算出したところ、エキソ−エンド体:エンド−エキソ体:エキソ−エキソ体:エンド−エンド体=0.3:9.1:88.9:1.6であり、エキソ−エンド体及びエンド−エンド体の含有割合はそれぞれ10%以下であった。
第1表に、ジエポキシ化合物Aの精製前後における異性体比率をまとめて示す。
・エポキシ化合物(1):前記精製例で得たジエポキシ化合物A(精製物)
・エポキシ化合物(2):前記合成例で得たジエポキシ化合物A(粗生成物)
・エポキシ化合物(3):前記式(II)において、R13及びR14が水素原子であって、mの平均値が6.2であるエポキシ化合物〔jER(登録商標)YX8040、エポキシ当量1005、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(4):前記式(II)において、R13及びR14が水素原子であって、mの平均値が0.77であるエポキシ化合物〔jER(登録商標)YX8034、エポキシ当量266、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(5):2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物〔EHPE3150、エポキシ当量176、ダイセル社製〕
・エポキシ化合物(6):前記式(II)において、R13及びR14が水素原子であって、mの平均値が0.19であるエポキシ化合物〔YX8000、エポキシ当量 204、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(7):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔セロキサイド(登録商標)2021P、ダイセル社製)
・硬化促進剤(1):メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート〔ヒシコーリン(登録商標)PX−4MP、日本化学工業社製〕
・硬化促進剤(2):テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート〔ヒシコーリン(登録商標)PX−4ET、日本化学工業社製〕
・反応調整剤(1):トリメチロールプロパン
・反応調整剤(2):エチレングリコール
・変色防止剤(1):9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド(SANKO Epoclean、三光社製)
・変色防止剤(2):ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]〔イルガノックス(登録商標)1010、BASF社製〕
硬化物の外観を下記に示す基準により目視で評価した。
○:硬化物中に気泡の混入が無い。
△:硬化物中に1個以上5個未満の気泡がある。
×:硬化物中に5個以上の気泡がある。
硬化物の透過スペクトルを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、V−570)にて測定し、波長400nmにおける光線透過率を求めた。また、同様に硬化物の黄色度を、分光色差計(日本電色工業社製、SE−2000)にて測定した。
硬化物を、150℃に温度設定した恒温槽中に100時間静置した後、前記<初期光線透過率・黄色度>と同様の方法により光線透過率・黄色度を測定した。
硬化物を、切断装置(マルトー社製、ラボカッターMC−120)にて5mm角に切断し、熱機械分析(TMA)測定装置(エスアイアイナノテクノロジー社製、EXSTER TMA/SS7100)を用いて、膨張・圧縮法によりTMA測定を行った。得られたデータから、ガラス転移温度(Tg)と30〜150℃の範囲の平均線膨張率を算出した。
エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 60部、エポキシ化合物(3) 40部、硬化剤として、酸無水物(1) 116部、硬化促進剤として、硬化促進剤(1) 1部、反応調整剤として、反応調整剤(1) 5.8部、変色防止剤として、変色防止剤(1) 1部を加え、得られた混合物をプラネタリーミキサーにて10分間攪拌し、エポキシ樹脂組成物を調製した。硬化剤とエポキシ化合物成分の当量比は、酸無水物当量/エポキシ当量の値で0.9であった。
得られたエポキシ樹脂組成物を、あらかじめ離型フィルムで被覆した1対のガラス基板の間(3mmのスペーサーで間隔が調整されている)に注入し、1次硬化を120℃のオーブン中で2時間、さらに2次硬化を150℃のオーブン中で4時間実施して、厚さ3mmの硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 50部とエポキシ化合物(3) 50部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 99部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 5.0部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 70部とエポキシ化合物(3) 30部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 133部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.7部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(4) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 130部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(5) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 134部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.7部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例8において、エポキシ化合物(1)の代わりに、エポキシ化合物(2) 60部を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(6) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 139部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
比較例1において、エポキシ化合物(1)の代わりに、エポキシ化合物(2) 60部を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(2) 50部、エポキシ化合物(7)50部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 142部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(2) 100部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 170部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
実施例1〜9の硬化物は、気泡がなく、優れた外観を有し、さらに、耐黄変性及び光透過性に優れている。
また、実施例1〜9の硬化物はガラス転移温度が高く、平均線膨張率が小さいことから、封止材として用いた場合、耐久性に優れるものである。
一方、比較例1〜4の硬化物は、気泡を有し、さらに、耐熱試験後の黄色度や光透過性が劣っている。
Claims (12)
- 下記の(A)成分〜(C)成分を含有するエポキシ樹脂組成物。
(A)成分:下記式(I)
で示されるエポキシ化合物(α)と、
下記式(II)
で示される、エポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および下記式(III)
で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分
(B)成分:酸無水物
(C)成分:硬化促進剤 - 前記エポキシ化合物(α)が、テトラヒドロインデンジエポキシドである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ化合物(α)が、2つのエポキシ環の立体配置に基づく4つの立体異性体の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から求めたときに、エキソ−エンド体とエンド−エンド体の含有割合が、それぞれ、4つの立体異性体全体中10%以下のものである、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ化合物(β)が、25℃で固体の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記(C)成分の硬化促進剤が、分子内に硫黄原子を有しない4級ホスホニウム塩系硬化促進剤である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、多価アルコール化合物を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記多価アルコール化合物の含有量が、(B)成分の酸無水物に対して、3〜20重量%である、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、リン系変色防止剤を、(A)成分のエポキシ化合物成分に対して、0.5重量%以上含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 光半導体封止用に用いられるものである、請求項1〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなる封止材。
- 発光体と、この発光体を封止する請求項11に記載の封止材を有する光半導体装置。
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