JP6166568B2 - エポキシ樹脂組成物、その製造方法、及びエポキシ樹脂硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その製造方法、及びエポキシ樹脂硬化物 Download PDF

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本発明は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物の製造方法、該エポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂組成物、及び上記エポキシ化合物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、一般に、石油資源から誘導される原料を用いて製造される。近年、石油資源の枯渇が危惧されているため、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いてエポキシ樹脂を製造することが求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が気候変動などをもたらすことが危惧されるという観点からも、植物由来のモノマーを原料としたエポキシ樹脂の開発が求められている。
そこで、植物由来のモノマーとして、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールを使用し、これとエピハロヒドリンとを反応させることによりエポキシ樹脂を得る方法が開発されている(特許文献1参照)。
米国特許第3041300号明細書
しかしながら、従来の手法により得られるエポキシ樹脂の硬化物は、耐熱性が不十分であり、加熱前は透明であった硬化物が加熱後には黄色〜黒色に着色し、光線透過率が低下し易いという問題がある。具体的には、波長400nmの光線透過率が加熱前に比べて著しく低下する。したがって、従来の手法により得られるエポキシ樹脂の硬化物は、加熱後においても高い光線透過率が要求される光学用途に用いることが困難であった。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、植物由来のモノマーを原料として製造することが可能であり、加熱しても波長400nmの光線透過率が低下し難いエポキシ樹脂硬化物、該エポキシ樹脂硬化物を得ることができるエポキシ樹脂組成物、及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物を含有し、上記エポキシ化合物100質量部に対してエポキシ樹脂用硬化剤0.01〜200質量部を混合して用いられるエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たり2〜15当量のエピハロヒドリンと0.7〜5当量のアルカリ金属水酸化物の存在下で、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとエピハロヒドリンとを圧力60kPa以下の減圧条件下で反応させることにより上記エポキシ化合物を得る減圧反応工程を行った後、
上記エポキシ化合物に亜リン酸エステルのアリールアルキルホスファイト類からなるリン系酸化防止剤を混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法にある
本発明の他の態様は、上記製造方法によって得られるエポキシ樹脂組成物にある
本発明のさらに他の態様は、上記エポキシ樹脂組成物を上記エポキシ樹脂用硬化剤により硬化してなるエポキシ樹脂硬化物であって、
厚み2mmの上記エポキシ樹脂硬化物を温度120℃で168時間加熱したとき、加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が70%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物にある
上記エポキシ化合物の製造にあたっては、上記減圧反応工程を行う。即ち、上記特定の配合割合の1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとエピハロヒドリンとを90kPa以下という減圧条件下で反応させている。そのため、上記エポキシ化合物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物は、耐熱性に優れ、加熱を行っても着色し難く、波長400nmの光線透過率が低下し難い。これは、上記減圧反応工程によって得られるエポキシ化合物においては、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルの純度が高く、副生成物が少なくなり、加熱しても着色成分が生成し難くなるためであると考えられる。
したがって、上記エポキシ化合物を用いることにより、加熱後においても透明性を維持することができ、高い光透過性が要求される光学用途に好適なエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
また、上記減圧反応工程において用いられる1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールは、バイオマス資源であり、植物由来の化合物である。そのため、上記エポキシ化合物は、植物由来の原料から製造することができ、上記エポキシ化合物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物は、植物由来のモノマーを原料として製造することができる。
また、上記エポキシ樹脂組成物は、上記減圧反応工程を行って得られたエポキシ化合物100質量部エポキシ樹脂用硬化剤0.01〜200質量部を混合して用いられる。そのため、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物は、上述のように耐熱性に優れ、加熱により波長400nmの光線透過率が低下し難い。それ故、上記エポキシ樹脂組成物は、高い光透過性が要求される光学用途に好適である。
また、上記エポキシ樹脂硬化物は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物100質量部を0.01〜200質量部のエポキシ樹脂用硬化剤により硬化してなる。そして、上記エポキシ樹脂硬化物は、厚み2mmの上記エポキシ樹脂硬化物を温度120℃で168時間加熱したとき、その加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が50%以上である。
即ち、エポキシ樹脂硬化物は、耐熱性に優れ、加熱により着色し難く、波長400nmの光線透過率が低下し難い。それ故、上記エポキシ樹脂硬化物は、高い光透過性が要求される光学用途に好適である。
また、上記エポキシ樹脂硬化物は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールという植物由来の構成単位を含み、バイオマス資源から得られる原料を用いて製造することができる。
なお、上記エポキシ樹脂硬化物は、例えば上記減圧反応工程を行って得られるエポキシ化合物を硬化させることにより得ることができる。
次に、上記エポキシ化合物の製造方法、上記エポキシ樹脂組成物、及び上記エポキシ樹脂硬化物の好ましい実施形態について説明する。
エポキシ化合物は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなる。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとしては、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール、1,4:3,6−ジアンヒドログルシトール、1,4:3,6−ジアンヒドロマンニトール、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールがあり、これらの中でも1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールが好ましい。
また、上記エポキシ化合物において、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルとしては、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、これらのグリシジルエーテルの縮合重合物があり、該縮合重合物においては、さらに複数のグリシジル基(エポキシ基)が結合していてもよい。上記エポキシ化合物としては、これらのグリシジルエーテルのいずれか1つ又は混合物があり、通常は混合物が得られる。上記エポキシ化合物において、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルは、少なくとも2つ以上のグリシジル基(エポキシ基)を有するものが主成分であることが好ましい。
エポキシ化合物は、上記減圧反応工程を行うことにより製造することができる。即ち、エポキシ化合物は、アルカリ金属水酸化物の存在下で、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとエピハロヒドリンとを減圧条件下で反応させるという減圧反応工程を行うことにより得ることができる。
減圧反応工程におけるエピハロヒドリンの使用量が少なすぎる場合には、重合反応が進行しすぎて粘度が高くなり、反応物の撹拌ができなくなるため、取り扱いが困難になる。一方、エピハロヒドリンの使用量が多すぎる場合には、エポキシ化合物の生成量が少なくなりすぎるおそれがある。したがって、減圧反応工程においては、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たりのエピハロヒドリンの使用量を2〜15当量にすることが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たりに2〜10当量がより好ましく、2〜5当量がさらに好ましい。
エピハロヒドリンとしては、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等を用いることができる。これらの中でも工業的に入手が容易であるという観点から、エピクロルヒドリンが好ましい。
また、減圧反応工程におけるアルカリ金属水酸化物の使用量が少なすぎる場合には、エポキシ化合物において、末端が水酸基である化合物の生成量が多くなったり、原料の残存量が多くなったりするため、得られるエポキシ化合物の硬化が困難になる。一方、アルカリ金属水酸化物の使用量が多すぎる場合には、製造上のメリットもなく、製造コストが増大してしまうおそれがある。かかる観点から、減圧反応工程においては、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たりのアルカリ金属水酸化物の使用量を0.7〜5当量にすることが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たりに0.7〜3当量がより好ましく、0.7〜2当量がさらに好ましい。アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属の水酸化物であるが、これらの中でも工業的に入手が容易であるという観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
また、減圧反応工程における圧力条件が90kPaを超える場合には、減圧反応工程後に得られるエポキシ化合物を硬化させても、耐熱性に優れた硬化物(エポキシ樹脂硬化物)が得られなくなる。即ち、得られる硬化物は、高温に曝されると着色しやすく、波長400nmの光線透過率が低下し易くなる。
したがって、減圧反応工程における1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとエピハロヒドリンとの反応は、圧力90kPa以下で行うことが好ましい。より好ましくは、減圧反応工程は、60kPa以下の上記減圧条件下で行うことがよくさらに好ましくは30kPa以下の減圧条件下で行うことがよい。
また、圧力が低すぎる場合には、減圧反応工程において反応原料が硬化し、析出物が生成して反応を進行させることが困難になる。かかる観点から、減圧反応工程における圧力条件は15kPa以上が好ましい。
また、減圧反応工程においては、反応系に必要に応じて炭化水素等の溶媒を加えて反応を行うこともできる。
減圧反応工程においては、上記減圧条件下でエピハロヒドリンの還流を保ちながら1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール及びグリシジル化触媒の存在下において反応系内にアルカリ金属水酸化物を添加することが好ましい(請求項2)。
この場合には、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールと、エピハロヒドリンとの反応が進行し易くなる。
グリシジル化触媒としては、例えば市販品などの各種公知の触媒を用いることができる。
また、減圧反応工程後の精製は、常法によって行うことができる。例えば濾過や水洗等により、反応により生成する塩を除去し、未反応のエピハロヒドリン等を留去することにより、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物を得る事ができる。
次に、エポキシ樹脂組成物は、減圧反応工程を行うことにより得られるエポキシ化合物100質量部と、エポキシ樹脂用硬化剤0.01〜200質量部とを含有する。エポキシ樹脂組成物は、加熱により硬化させることができ、エポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
エポキシ樹脂用硬化剤の含有量が0.01質量部未満の場合には、エポキシ樹脂組成物を加熱により硬化させる際に、硬化が充分に進行しなくなるおそれがある。一方、エポキシ樹脂用硬化剤の含有量が200質量部を超える場合には、硬化後に未反応物が残留してしまい、硬化物の耐熱性に悪影響を与えるおそれがある。エポキシ樹脂用硬化剤の含有量は0.1〜150質量部であることがより好ましく、70〜100質量部であることがさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂用硬化剤は、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、有機酸ヒドラジッド類、ポリカルボン酸類、及び有機ホスフィン類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい
アミン類としては、脂肪族アミン類、脂環族アミン類、芳香族アミン類、3級アミン類、これらの塩類等を用いることができる。
具体的には、脂肪族アミン類及び脂環族アミン類としては、例えばビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン等を用いることができる。
また、芳香族アミン類としては、例えばメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等を用いることができる。
また、3級アミン類としては、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ−(4,3,0)−ノネン−7等を用いることができる。
また、酸無水物類としては、芳香族酸無水物類、環状脂肪酸無水物類等を用いることができる。
芳香族酸無水物類としては、例えば無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を用いることができる。
環状脂肪酸無水物類としては、例えば無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水シクロドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラヒドロフタル酸などを用いることができる。
また、多価フェノール類としては、カテコ−ル、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノ−ルF、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルS、ビフェノ−ル等の2価フェノール、又はこれら2価フェノールのノボラック化合物等を用いることができる。また、多価フェノール類としては、フェノールノボラック化合物、クレゾールノボラック化合物等を用いることもできる。さらに、多価フェノール類としては、その他にもトリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノ−ル類、ジシクロペンタジエンポリフェノ−ル類等を用いることもできる。
また、エポキシ樹脂用硬化剤としては、その他に、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾ−ル系化合物、又はその塩類を用いることもできる。また、アミンのBF3錯体化合物、脂肪族スルホニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のブレンステッド酸塩類を用いることもできる。また、アジピン酸ジヒドラジッド、フタル酸ジヒドラジッド等の有機酸ヒドラジッド類、ジシアンジアミド類等を用いることもできる。また、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、カルボキシル基含有ポリエステル等のポリカルボン酸類を用いることもできる。また、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物類、レゾール類を用いることもできる。
エポキシ樹脂用硬化剤としては、例えば上述の物質のうちのいずれかを単独で用いることもできるが、2種以上併用することもできる。
また、エポキシ樹脂硬化物の光線透過率の低下をより一層抑制できるという観点から、エポキシ樹脂用硬化剤は、酸無水物類がより好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物100質量部に対して、さらにリン系酸化防止剤を0.001〜10質量部含有することが好ましい
この場合には、エポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性をより一層向上させることができ、加熱による光線透過率の低下をより一層抑制することができる。
リン系酸化防止剤の含有量が0.001質量部未満の場合には、リン系酸化防止剤の添加効果、即ち加熱による光線透過率の低下抑制効果が充分に得られなくなるおそれがある。リン系酸化防止剤の含有量は0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。一方、リン系酸化防止剤を、10質量部を超えて添加しても添加量に見合った効果を得ることができず、コストが増大してしまうおそれがある。上記リン系酸化防止剤の含有量は、より好ましくは5質量部以下がよく、さらに好ましくは3質量部以下がよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば市販品などの公知のものを採用することができる。リン系酸化防止剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステルが好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、アリールアルキルホスフェート類、トリアルキルホスフェート類、トリシクロアルキルホスフェート類、トリアリールホスフェート類等を用いることができる。
アリールアルキルホスフェート類としては、具体的には、例えばビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフェート、ペンタエリスリチル(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフェート、ペンタエリスリチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスフェート(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフェート、ペンタエリスリチル(ノニルフェニル)ホスフェート(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスフェート、ジフェニルイソオクチルホスフェート、フェニルジイソオクチルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、テトラフェニルプロピレングリコールジホスフェート、プロピレングリコールジフェニルホスフェートジフェニルホスファイト、テトラキス(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスフェート、4,4’−イソプロピリデンジフェニルビス(トリデシル)ホスフェートビス(トリデシル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフェート等がある。
また、トリアルキルホスフェート類としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェート、ペンタエリスリチルステアリルホスフェートステアリルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリチルジホスフェート、ペンタエリスリチルトリデシルホスフェートトリデシルホスファイト、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート等がある。
また、トリシクロアルキルホスフェート類としては、トリシクロヘキシルホスフェート等がある。
また、トリアリールホスフェート類としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(エチルフェニル)ホスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスフェート等がある。
また、その他に、リン酸エステル系のリン系酸化防止剤として、水添ビスフェノール−Aとペンタエリスリチルホスフェートとのポリマー等を用いることもできる。
リン酸エステルとしては、上述の化合物のうちいずれか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの中でもリン酸エステル系のリン系酸化防止剤としては、アリールアルキルホスフェート類、トリアリールホスフェート類が好ましく、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフェート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートがより好ましい。
また、リン系酸化防止剤として用いられる亜リン酸エステルとしては、例えばアリールアルキルホスファイト類、トリアルキルホスファイト類、トリシクロアルキルホスファイト類、トリアリールホスファイト類等を用いることができる。
アリールアルキルホスファイト類としては、具体的には、例えばビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト、テトラフェニルプロピレングリコールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスファイト、テトラキス(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2−{{2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ{d,f}{1,3,2}ジオキサフォスフェピン6−イル}オキシ}−N,N−ビス{2−{{2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ{d,f}{1,3,2}ジオキサフォスフェピン6−イル}オキシ}−エチル}エタナミン等がある。
また、トリアルキルホスファイト類としては、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリチルジホスファイト、トリス(2−クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイト等がある。
また、トリシクロアルキルホスファイト類としては、例えばトリシクロヘキシルホスファイト等がある。
また、トリアリールホスファイト類としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイト等がある。
また、その他に、亜リン酸エステル系のリン系酸化防止剤として、水添ビスフェノール−Aとペンタエリスリチルホスファイトとのポリマー等を用いることもできる。
亜リン酸エステルとしては、上述の化合物のうちいずれか1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
加熱による光線透過率の低下をより一層抑制できるという観点から、リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エステルが好ましい。また、亜リン酸エステル系のリン系酸化防止剤の中でも、アリールアルキルホスファイト類、トリアルキルホスファイト類、トリアリールホスファイト類が好ましく、ビス(2,4−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4‘−ビフェニレンジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましい。さらに好ましくは、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトがよい。
また、エポキシ樹脂組成物は、加熱による光線透過率の低下を抑制できるという上述の作用効果を損ねない配合割合の範囲において、必要に応じてエポキシ樹脂用の硬化促進剤、着色剤、難燃剤、無機充填剤などを含有することができる。これらは、例えば市販品などの公知の物質を採用することができる。
次に、エポキシ樹脂硬化物は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物100質量部を0.01〜200質量部のエポキシ樹脂用硬化剤により硬化してなる。そして、厚み2mmのエポキシ樹脂硬化物を温度120℃で168時間加熱したとき、その加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が50%以上である。光線透過率の保持率50%以上のエポキシ樹脂硬化物は、上述の特定の減圧条件下で反応させるという上記減圧反応工程を行って得られるエポキシ化合物100質量部を0.01〜200質量部のエポキシ樹脂用硬化剤により硬化させることにより得ることができる。
エポキシ樹脂硬化物の光線透過率の保持率が50%未満の場合には、耐熱性が不十分で、加熱により着色し易く、光学用途に用いることが困難になるおそれがある。エポキシ樹脂硬化物の波長400nmの光線透過率の保持率は、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
エポキシ樹脂硬化物は、光学用途に用いることが好ましい
この場合には、加熱によるエポキシ樹脂硬化物の光線透過率の低下を抑制できるという上述の作用効果を充分にいかすことができる。即ち、エポキシ樹脂硬化物は、透明であり、加熱しても着色し難いため、各種センサの封止材、光学用接着剤、レンズ、LEDの封止材、ディスプレイ等の、加熱環境下に曝されると共に透明さが要求される光学材料として好適である。
(実施例1〜7)
次に、上記エポキシ化合物、エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物の実施例について説明する。なお、実施例3、実施例6、実施例7は、本発明の参考例に相当する。
本例においては、まず、所定量のアルカリ金属水酸化物の存在下で、所定量の1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールとエピハロヒドリンとを圧力90kPa以下の減圧条件下で反応させるという減圧反応工程を行って、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物を製造する(図1参照)。
具体的には、まず、温度計、滴下ロート、及び分離器を備えた容積1Lのフラスコ内において、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール100質量部と、グリシジル化触媒としてのベンジルトリエチルアンモニウムクロリド1質量部とをエピクロルヒドリン380質量部に溶解させた。なお、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール100質量部に対して380質量部のエピクロルヒドリンは、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールの水酸基1個当たりに3当量のエピクロルヒドリンに相当する。
次いで、反応系内の圧力を20kPaまで減圧し、エピクロルヒドリンが還流するまで加熱した。その後、エピクロルヒドリンの還流を保ちながら、濃度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール100質量部に対して137質量部滴下した。なお、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール100質量部に対して138質量部の水酸化ナトリウム水溶液(濃度48質量%)は、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールの水酸基1個当たりに1.2当量の水酸化ナトリウムに相当する。この水酸化ナトリウム水溶液の滴下により、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールのグリシジルエーテル(エポキシ化合物)が生成する。
反応中に、フラスコ内に水が入らないよう注意しながら分離器からエピクロルヒドリンのみをフラスコ内に戻した。そして、反応終了後、フラスコ内を室温まで冷却し、メチルエチルケトン125質量部と水250質量部を加えて1時間撹拌した。その後、フラスコを静置し、水相を除去した。次いで、有機相を減圧加熱して未反応のエピクロルヒドリンおよびメチルエチルケトンを除去し、濾過を行った。これにより、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物139質量部を得た。これを合成物Aとする。
また、本例においては、上記合成物Aとは、水酸化ナトリウムの添加量、減圧条件を変更してさらに2種類のエポキシ化合物(合成物B、合成物C)を作製した。
合成物Bは、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールの水酸基1個当たりの水酸化ナトリウム当量を0.9当量に変更した点を除いては上記合成物Aと同様にして作製したエポキシ化合物である。
また、合成物Cは、減圧条件を60kPaに変更した点を除いては上記合成物Aと同様にして作製したエポキシ化合物である。合成物A〜Cの合成条件を後述の表1に示す。
次に、上記のようにして作製した合成物A〜Cのエポキシ化合物を用いて、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物を作製する。
具体的には、エポキシ化合物(合成物A〜C)100質量部と、エポキシ樹脂用硬化剤(新日本理化株式会社製の「リカシッドMH−700」、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(質量比))79〜90質量部と、リン系酸化防止剤0.1質量部とを均一になるまで撹拌して混合し、7種類のエポキシ樹脂組成物(実施例1〜7)を得た。各実施例のエポキシ樹脂組成物の製造にあたっては、リン系酸化防止剤として、株式会社ADEKA製の「アデカスタブPEP−36」(化合物名:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト)、株式会社ADEKA製の「アデカスタブPEP−8」(化合物名:ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト)、株式会社ADEKA製の「アデカスタブPEP−4C」(化合物名:ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト)のいずれかを用いた。各実施例におけるエポキシ樹脂組成物の作製に用いたエポキシ化合物、硬化剤、及びリン系酸化防止剤の種類、配合割合を後述の表2に示す。
次に、各実施例品のエポキシ樹脂組成物を用いて、エポキシ樹脂硬化物を作製した。
具体的には、まず、硬化速度を調整するために、各エポキシ樹脂組成物に硬化促進剤(日本化学工業社製の「ヒシコーリンPX−4MP」、化合物名:メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート)を添加した。硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物100質量部に対して1質量部とした。その後、エポキシ樹脂組成物を自転・公転ミキサーで脱泡し、厚さ2mmの型内に流し込んだ。次いで、型内のエポキシ樹脂組成物をオーブンにて温度100℃で3時間加熱し、さらに温度130℃で3時間加熱することにより硬化させ、実施例1〜7の7種類の板状のエポキシ樹脂硬化物を得た。
次に、実施例1〜7の各エポキシ樹脂硬化物について、加熱前後における波長400nmの光線透過率を測定し、その保持率を算出した。
具体的には、まず、日本分光株式会社製のV−560型分光光度計を用いて、各エポキシ樹脂硬化物(厚さ2mm)の波長400nmの光線透過率を測定した。これを加熱前の光線透過率T0とした。次いで、各エポキシ樹脂硬化物を温度120℃で168時間加熱した後に、上記と同様にして、再度波長400nmの光線透過率を測定した。これを加熱後の光線透過率T1とした。そして、加熱前後における加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率Trを下記の式(1)から算出した。その結果を後述の表2に示す。
r(%)=100×T1/T0・・・(1)
(比較例1〜3)
次に、上述の実施例1〜7においては大気圧よりも低い減圧条件下でエポキシ化合物を作製したが、本例においては大気圧条件下で2種類のエポキシ化合物(合成物D及び合成物E)を作製し、これらのエポキシ化合物を用いてエポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物を作製する。
具体的には、まず、エピクロルヒドリンを還流させる際の圧力を大気圧(約101kPa)条件下とした点を除いては、上述の実施例の合成物Aと同様にして、エポキシ化合物(合成物D)を作製した。
また、反応系内にグリシジル化触媒を添加せず、エピクロルヒドリンを還流させる際の圧力を大気圧条件下とした点を除いては、上述の実施例の合成物Aと同様にして、エポキシ化合物(合成物E)を作製した。合成物D及び合成物Eの合成条件を後述の表1に示す。
次に、上記のようにして作製した合成物D及び合成物Eの各エポキシ化合物を用いて、エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物を作製する。
具体的には、エポキシ化合物(合成物D、合成物E)と、硬化剤と、リン系酸化防止剤とを後述の表2に示す配合割合で配合した点を除いては、上述の実施例と同様にして3種類のエポキシ樹脂組成物(比較例1〜3)を作製した。
次いで、各比較例品のエポキシ樹脂組成物を用いて、上述の実施例と同様にして厚さ2mmの板状の3種類のエポキシ樹脂硬化物を作製した。
そして、比較例1〜3の各エポキシ樹脂硬化物について、上述の実施例と同様にして熱前後における波長400nmの光線透過率を測定し、その保持率を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0006166568
Figure 0006166568
(実施例と比較例との比較)
表1及び表2より知られるごとく、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールとエピハロヒドリンとを大気圧条件下で反応させて作製したエポキシ化合物(合成物D及びE)を用いて得られたエポキシ樹脂硬化物(比較例1〜3)は、加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が20%以下と低かった。比較例1〜3においては、リン系酸化防止剤を添加の有無にかかわらず、また、硬化剤の添加量を変えても、波長400nmの光線透過率の保持率は低くなっていた。
これに対し、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールとエピハロヒドリンとを大気圧よりも低い減圧条件下で反応させて作製したエポキシ化合物(合成物A〜C)を用いて得られたエポキシ樹脂硬化物(実施例1〜7)は、波長400nmの光線透過率の保持率が52%を超えており、比較例1〜3に比べて顕著に向上した。
さらに、リン系酸化防止剤を添加したエポキシ樹脂硬化物は、72%を超えるというより高い光線透過率の保持率を示した(実施例1〜5参照)。また、表2より知られるごとく、リン系酸化防止剤として、亜リン酸エステルのアリールアルキルホファイト類を用いた場合(実施例1、実施例2、実施例4、実施例5)には、エポキシ樹脂硬化物は、79%以上というさらに高い光線透過率を示した。したがって、本例において、リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エステルのアリールアルキルホスファイト類が好ましいことがわかる。さらに、アリールアルキルホスファイト類の中でもビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトを用いた場合(実施例1、実施例2、実施例5)には、82%を超えるというさらにより一層高い光線透過率を示した。
したがって、本例においてリン系酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトが最も好ましい。
なお、本明細書の実施例においては、上述のように60kPa以下の減圧条件下で作製したエポキシ化合物を用いることにより、大気圧条件下で作製したエポキシ化合物を用いる場合に比べて、光線透過率の保持率が向上することを示した。本明細書において具体的には示していないが、90kPa以下の減圧条件下で作製したエポキシ化合物を用いても、大気圧条件下で作製したエポキシ化合物を用いる場合に比べて、光線透過率の保持率が向上することを確認している。
このように、実施例にかかるエポキシ樹脂硬化物は、加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が高い。即ち、実施例にかかるエポキシ樹脂硬化物は、加熱により着色が起こりにくく、加熱後においてもほぼ透明な状態を維持することができる。したがって、実施例のエポキシ樹脂硬化物は、光学用途に好適であり、特に加熱環境下に曝される各種センサの封止材、光学用接着剤、レンズ、LEDの封止材、ディスプレイ等の光学用途に好適である。また、実施例にかかるエポキシ樹脂硬化物は、1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトールという植物由来の構成単位を含んでいるため、バイオマス資源から得られる原料を用いて製造することができる。

Claims (8)

  1. 1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールのグリシジルエーテルからなるエポキシ化合物を含有し、上記エポキシ化合物100質量部に対してエポキシ樹脂用硬化剤0.01〜200質量部を混合して用いられるエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、
    1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールの水酸基1個当たり2〜15当量のエピハロヒドリンと0.7〜5当量のアルカリ金属水酸化物の存在下で、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールとエピハロヒドリンとを圧力60kPa以下の減圧条件下で反応させることにより上記エポキシ化合物を得る減圧反応工程を行った後、
    上記エポキシ化合物に亜リン酸エステルのアリールアルキルホスファイト類からなるリン系酸化防止剤を混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、上記減圧反応工程においては、上記減圧条件下でエピハロヒドリンの還流を保ちながら1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール及びグリシジル化触媒の存在下において反応系内にアルカリ金属水酸化物を添加することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法において、上記エポキシ樹脂用硬化剤は、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド類、有機酸ヒドラジッド類、ポリカルボン酸類、及び有機ホスフィン類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法において、上記エポキシ化合物100質量部に対して上記リン系酸化防止剤を0.001〜10質量部混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法において、上記リン酸系酸化防止剤は、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、及びビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイトの少なくとも一方からなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって得られるエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物を上記エポキシ樹脂用硬化剤により硬化してなるエポキシ樹脂硬化物であって、
    厚み2mmの上記エポキシ樹脂硬化物を温度120℃で168時間加熱したとき、加熱前後における波長400nmの光線透過率の保持率が70%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
  8. 請求項に記載のエポキシ樹脂硬化物において、光学用途に用いられることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
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