JP2007169172A - エポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて高い非着色性を有し、高い透明性を維持することが可能な光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能なエポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法を提供する。
【解決手段】光学部材用接着剤に用いるエポキシ化合物の精製方法であって、エポキシ化合物100体積部に対して、純水を500〜2000体積部加えた後、60〜100℃に加熱しながら1〜24時間攪拌する工程、前記純水を分液して前記エポキシ化合物を分取する工程、及び、前記分取したエポキシ化合物から水分を除去する工程を有するエポキシ化合物の精製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、極めて高い非着色性を有し、高い透明性を維持することが可能な光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能なエポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法に関する。
従来から、レンズ、ミラー、プリズム等の光学部材を製造する場合には、アクリル化合物やエポキシ化合物からなる樹脂組成物が接着剤として用いられてきた。
しかしながら、アクリル化合物からなる接着剤は、短波長の光に対する耐性には優れているが、吸水率が高いため水分による劣化が起こるという問題や、硬化時の体積収縮が大きいため寸法安定性に劣るという問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1には、光カチオン重合開始剤を配合したエポキシ系光硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このような光硬化性樹脂組成物では、光カチオン重合開始剤がイオン性化合物を形成し、硬化直後又は長期の使用中に樹脂が着色してしまうという着色性の問題があった。
これに対して、耐光性を向上させるために、例えば、特許文献2には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシシクロヘキサンに代表されるような脂環式エポキシ樹脂等からなるエポキシ樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3には、ビスフェノールA型エポキシ化合物を直接水素化したエポキシ樹脂と無水ヘキサヒドロフタル酸及び/又は無水メチルヘキサヒドロフタル酸硬化剤とからなるエポキシ樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物は、酸無水物等の熱硬化剤を使用するものであるため、硬化させるために高温で長時間保持しなければならず、紫外線や熱による着色の改善も不充分となっていた。
このように、従来公知の樹脂組成物はいずれも充分な耐光性と耐熱性とを有するものではない。したがって、短波長光の照射や高温の下でも着色することのない接着剤が求められていた。
特開2000−109780号公報 特開2000−196151号公報 特開2003−40972号公報
本発明は、上記現状に鑑み、極めて高い非着色性を有し、高い透明性を維持することが可能な光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能なエポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、光学部材用接着剤に用いるエポキシ化合物の精製方法であって、エポキシ化合物100体積部に対して、純水を500〜2000体積部加えた後、60〜100℃に加熱しながら1〜24時間攪拌する工程、前記純水を分液して前記エポキシ化合物を分取する工程、及び、前記分取したエポキシ化合物から水分を除去する工程を有するエポキシ化合物の精製方法である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、エポキシ化合物を所定量の純水で洗浄し、精製することによって、前記エポキシ化合物中の不純物をより効果的に除去して、極めて高い非着色性を有する光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のエポキシ化合物の精製方法を用いることによって、エポキシ化合物から不純物を効果的に取り除くことができる。
また、本発明のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ樹脂を光学部材用接着剤に使用することによって、極めて優れた非着色性を有し、加熱又は光照射後にも黄変することなく、充分な透明性を維持することができる光学部材用接着剤を得ることができる。
本発明のエポキシ化合物の精製方法は、エポキシ化合物100体積部に対して、純水を500〜2000体積部加えた後、60〜100℃に加熱しながら1〜24時間攪拌する工程を有する。
上記エポキシ化合物としては特に限定されないが、例えば、着色の少ない脂肪族エポキシ化合物や脂環式エポキシ化合物式等が好適に用いられる。
上記純水は、常温の純水であってもよく、最初から60〜100℃の温水であってもよい。上記加熱温度と加熱時間との組み合わせとしては、具体的には、例えば、60℃に加熱しながら24時間攪拌することが好ましく、又は、80℃に加熱しながら6時間攪拌することが好ましい。
上記攪拌する方法としては、上記エポキシ化合物が細かく分散されるように攪拌することができれば特に限定されないが、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー等を用いることができる。
本発明のエポキシ化合物の精製方法は、上記純水を分液して上記エポキシ化合物を分取する工程を有する。
上記純水を分液する方法としては特に限定されず、例えば、分液漏斗による方法やデカンテ−ション法等を用いることができる。
本発明のエポキシ化合物の精製方法において、エポキシ化合物100体積部に対して、500〜2000体積部の純水を加えた後、60〜100℃に加熱しながら1〜24時間攪拌する工程、及び、前記純水を分液してエポキシ化合物を分取する工程は、これらを一組として、1回以上繰り返して行うことが好ましく、3回以上繰り返して行うことがより好ましい。このように繰り返して行うことによって、エポキシ化合物に含有される不純物をより効果的に除去することができる。
上記エポキシ化合物の精製方法は、前記分取したエポキシ化合物から水分を除去する工程を有する。
上記水分を除去する方法としては特に限定されず、例えば、真空乾燥やモリキュラーシーブ等による吸水剤の添加等が挙げられる。
本発明のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ化合物は、光学部材用接着剤に使用することができる。
本発明のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ化合物と、下記一般式(1)で表されるアニオンを含有する光カチオン重合開始剤とを含有する光学部材用接着剤であって、上記エポキシ化合物は脂肪族エポキシ化合物及び/又は脂環式エポキシ化合物を含有する光学部材用接着剤もまた、本発明の一つである。
Figure 2007169172
本発明のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ化合物を使用することによって、極めて優れた非着色性を有し、黄変等の着色を防止することができる光学部材用接着剤を得ることができる。
本発明の光学部材用接着剤は、本発明のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ化合物を含有する。
上記エポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物及び/又は脂環式エポキシ化合物を含有する。
上記脂肪族エポキシ化合物及び/又は脂環式エポキシ化合物を含有することにより、本発明の光学部材用接着剤は、適度に粘度を低下させることができるため作業性に優れ、硬化して得られる硬化物が優れた耐熱性を有する。
上記脂肪族エポキシ化合物としては特に限定はされず、例えば、水素化された芳香族エポキシや、アルコールのグリシジルエーテル等を用いることができる。
なかでも、下記一般式(2)〜(7)で表される脂肪族エポキシ化合物を好適に用いることができる。このような脂肪族エポキシ化合物を用いることにより、本発明の光学部材用接着剤は、極めて優れた非着色性を有し、黄変等の変色を防止することができるとともに、耐熱性にも優れたものとなる。
Figure 2007169172
上記一般式(2)中、nは0〜20の整数を表し、R、Rは、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状C〜C12アルキル基を表し、それぞれ同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
Figure 2007169172
上記一般式(3)中、nは0〜20の整数を表し、R〜Rは、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状C〜C12のアルキル基を表し、それぞれ同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
Figure 2007169172
上記一般式(4)中、nは0〜20の整数を表す。
Figure 2007169172
上記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、「DME−100」(新日本理化工業社)、「EP−4085」(旭電化工業社製)等、市販されているものを用いることができる。
Figure 2007169172
上記一般式(6)中、Rは、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状C〜C12アルキル基を表す。
Figure 2007169172
上記一般式(7)中、nは1〜20の整数を表し、Rは、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状C〜C12アルキレン基を表す。
上記一般式(2)〜(7)で表される脂肪族エポキシ化合物のなかでも、環状骨格を有する脂肪族エポキシ化合物を用いることがより好ましい。具体的には、例えば、上記一般式(2)においてR、Rがメチル基であるビスフェノールA型エポキシ化合物が特に好適に用いられる。このようなビスフェノールA型エポキシ化合物を用いることによって、本発明の光学部材用接着剤は、透湿を防止することができ、適度に粘度を低下させることができるとともに、透明性に優れるものとすることが可能となる。
更に、上記一般式(2)においてR、Rがメチル基であるビスフェノールA型エポキシ化合物と、上記一般式(5)で表される脂肪族エポキシ化合物とを併用することにより、本発明の光学部材用接着剤は、適度に粘度を下げることができ、作業性を向上させることができる。
上記一般式(2)においてR、Rがメチル基であるビスフェノールA型エポキシ化合物と、上記一般式(5)で表されるエポキシ化合物を併用する場合、上記一般式(5)で表されるエポキシ化合物の好ましい配合量としては、エポキシ化合物の全配合量を100重量部としたとき、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。5重量部未満であると、適度に粘度を低下させることができず、良好な作業性が得られないことがある。100重量部より多いと耐熱性が低下し、高温時の接着強度低下や着色の発生等の問題が生じることがある。
上記脂環式エポキシ化合物としては特に限定はされず、例えば、環状オレフィンのエポキシ化物等を用いることができる。
なかでも、下記一般式(8)〜(10)で表される脂環式エポキシ化合物を好適に用いることができる。これらの脂環式エポキシ化合物を用いることにより、粘度を低下させ、作業性を向上させるとともに、反応性を向上させることができるため、重合度の向上や開始剤の低減を図ることができる。
Figure 2007169172
上記一般式(8)で表される化合物としては、例えば、「セロキサイド2021」(ダイセル化学工業社製)等、市販されているものを用いることができる。
Figure 2007169172
上記一般式(9)中、Rは、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状C〜C12アルキル基を表す。
上記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、「EHPE3150」(ダイセル化学工業社製)等、市販されているものを用いることができる。
Figure 2007169172
上記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、「セロキサイド3000」(1,2:8,9ジエポキシリモネン、ダイセル化学工業社製)等、市販されているものを用いることができる。
本発明の光学部材用接着剤は、下記一般式(1)で表されるアニオンを含有する光カチオン重合開始剤を含有する。
Figure 2007169172
このようなアニオンを含有する光カチオン重合開始剤を含有することによって、本発明の光学部材用接着剤に光を照射したときの重合効率を向上させることができる。
上記一般式(1)で表されるアニオンからなる光カチオン重合開始剤としては、具体的には、例えば、「RP2074」(ローディア社製)等、市販されているものを用いることができる。
本発明の光学部材用接着剤は、更に、イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤を含有してもよく、非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤を含有してもよい。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。これらの光カチオン重合開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤の具体例としては、例えば、「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(いずれも旭電化工業社製)、「UVE−1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(サートマー社製)、「RP−2074」(ローディア社製)等が挙げられる。
また、上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤は、下記一般式(11)又は下記一般式(12)で表されるスルホニウムカチオン部分を有することが好ましい。
Figure 2007169172
上記一般式(11)及び一般式(12)中、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ1価若しくは2価のフェニル基又はナフチル基を表し、これらフェニル基又はナフチル基は、直鎖状又は分枝鎖状C〜C12アルキル基、直鎖状又は分枝鎖状C〜C12アルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基及び−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C〜C12残基である)からなる群より選択される少なくとも1個の基で随意に置換されていてもよい。
また、上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤は、下記一般式(13)で表されるホウ素中心アニオン部分を有することが好ましい。
Figure 2007169172
上記一般式(13)中、Bは、3価のホウ素を表し、R〜R10の少なくとも1個は、炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基を表す。このように中心アニオンがホウ素であると、光カチオン重合開始剤の酸強度が強くなるため、この光カチオン重合開始剤を用いた光学部材用接着剤の硬化性が向上し、高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができる。その結果、本発明の光学部材用接着剤の硬化物の透湿性(透湿度)が低下するため、この光学部材用接着剤を用いて作製した光学部材の寿命を長くすることができ、信頼性を高めることができる。
上記一般式(13)中、R〜R10の少なくとも1個は、炭素数6〜30のハロゲン置換芳香族基である。上記芳香族基としては特に限定されず、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。また、ハロゲン置換基としては特に限定されず、例えば、塩素、フッ素等が挙げられ、なかでも、フッ素が好適に用いられる。上記ハロゲン置換基は、芳香族基の芳香族環に直接結合したハロゲン基であってもよいし、例えば、ハロ−ヒドロカルビル置換基の場合のように他の置換基の一部として導入されたものであってもよく、なかでも、フルオロ−ヒドロカルビル置換基が好ましい。
上記光カチオン重合開始剤において、有用なホウ素中心アニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C−p−CF、(C−m−CF、(C−p−F)、(C(CH)B、(C(n−C)B、(C−p−CH(C)B、(CFB、(C(C)B、(CH(C−p−CF、(C(n−C1837O)B等が挙げられる。
上記好ましいホウ素中心アニオンは、一般的に、ホウ素に結合した3個以上のハロゲン置換芳香族基を含有しており、そのハロゲン置換基としては、フッ素が最も好ましい。最も好ましいホウ素中心アニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CF、(C、(C(CH)B、(C(n−C)B、(CFB等が挙げられる。
また、有用な他の金属中心又は半金属中心を含有する適当なアニオンも使用可能であり、そのようなアニオンとしては特に限定されず、例えば、[3,5−(CFAl、(CAl、(C、(C)FSb、(C)F等が挙げられる。更に、有用であると考えられる他のホウ素中心非求核的塩や、他の金属や半金属を含有している他の有用なアニオン等も使用可能である。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されないが、上記一般式(13)で表されるホウ素中心アニオン部分の最大光学吸収波長が350nm以下であることが好ましく、最大光学吸収波長が200〜320nmであることがより好ましい。350nmを超えると、吸収端が可視光領域に達するため、着色の原因となることがある。
上記光カチオン重合開始剤は、上記一般式(11)又は一般式(12)で表されるカチオン部分と、上記一般式(13)で表されるホウ素中心アニオン部分とを有することが好ましく、より好ましくは、上記ホウ素中心アニオン部分の最大光学吸収波長が350nm以下であることが好ましく、最大光学吸収波長が200〜320nmであることがより好ましい。なかでも、上記光カチオン重合開始剤を用いた接着剤組成物の硬化進行過程における着色防止効果や硬化物のガラス転移温度上昇効果等に優れることから、下記一般式(14)又は一般式(15)で表される光カチオン重合開始剤であることが好ましい。これらの光カチオン重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
Figure 2007169172
上記一般式(14)及び一般式(15)中、R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ、水素、直鎖状又は分枝鎖状C〜C12アルキル基、直鎖状又は分枝鎖状C〜C12アルコキシル基、ハロゲン原子、−OH基、−COOH基及び−COO−アルキルエステル基(ここで、アルキル部分は直鎖状又は分枝鎖状C〜C12残基である)からなる群より選択される基を表す。
上記一般式(14)及び一般式(15)中、Xは、下記一般式(16)で表されるアニオンを示す。
Figure 2007169172
上記非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
本発明の光学部材用接着剤において、上記一般式(1)で表されるアニオンを含有する光カチオン重合開始剤の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、光カチオン重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。10重量部を超えると、反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、反応が不均一になりやすくなったりすることがある。
本発明の光学部材用接着剤において、上記エポキシ化合物として上記環状骨格を有する脂肪族エポキシ化合物を含有する場合、上記一般式(1)で表されるアニオンを含有する光カチオン重合開始剤の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。0.1重量部未満であると、光カチオン重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。5重量部を超えると、上記環状骨格を有する脂肪族エポキシ化合物の反応性が高いため、反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、反応が不均一になりやすくなったりすることがある。
上記エポキシ化合物として上記環状骨格を有する脂肪族エポキシ化合物を含有する場合には、上記光カチオン重合開始剤の配合量を低減することができ、アウトガスの発生、上記光カチオン重合開始剤による着色、光の照射による着色等を抑制することができる。
本発明の光学部材用接着剤は、更に、硬化制御剤を含有することが好ましい。
上記硬化制御剤を含有することによって、本発明の光学部材用接着剤は、可使時間や光照射後に硬化するまでの時間を制御することができる。
上記硬化制御剤としては特に限定されず、例えば、水酸基を有する脂肪族炭化水素やエーテル結合を有する化合物等が挙げられる。これらの硬化制御剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記水酸基を有する脂肪族炭化水素としては特に限定されず、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能水酸基含有化合物等が挙げられる。
上記エーテル結合を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイド、クラウンエーテル等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテルが好適に用いられる。
上記硬化制御剤としてポリアルキレンオキサイドを用いる場合には、その末端は水酸基でもよく、他の化合物によりエーテル化、エステル化されていてもよく、エポキシ基等の官能基となっていてもよい。なかでも、末端が水酸基又はエポキシ基であるポリエルキレンオキサイドは、上記光カチオン重合性化合物と反応するので好ましい。
上記ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリアルキレンオキサイド付加ビスフェノール誘導体も好適に用いられ、特に末端が水酸基又はエポキシ基を有する化合物がより好適に用いられる。これらのうち市販品としては特に限定されず、例えば、「リカレジンBEO−60E」、「リカレジンBPO−20E」、「リカレジンEO−20」、「リカレジンPO−20」(いずれも新日本理化社製)等が挙げられる。
上記クラウンエーテルとしては特に限定されず、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等が挙げられる。
本発明の光学部材用接着剤において、上記硬化制御剤の配合量としては特に限定されないが、上記光カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。0.1重量部未満であると、本発明の光学部材用接着剤に光を照射した後に充分な可使時間が得られないことがあり、20重量部を超えると、上記光カチオン重合性化合物の光カチオン重合が完全に完結しないことがある。
本発明の光学部材用接着剤において、上記硬化制御剤として特にクラウンエーテルを使用する場合、クラウンエーテルの配合量としては特に限定されないが、上記光カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5重量部である。0.1重量部未満であると、本発明の光学部材用接着剤に光を照射した後に充分な可使時間が得られないことがあり、5重量部を超えると、上記光カチオン重合性化合物の光カチオン重合が完全に完結しなかったり、クラウンエーテルが揮発してガス発生の原因となったりすることがある。
本発明の光学部材用接着剤は、更に、オキセタン化合物を含有することが好ましい。
上記オキセタン化合物を含有することにより、本発明の光学部材用接着剤は硬化反応に優れ、硬化収縮が少なく、かつ、硬化物を加熱した場合の着色を大きく改善することができる。
上記オキセタン化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−メチル−3−グリシジルオキセタン、3−エチル−3−グリシジルオキセタン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジ{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル等が挙げられる。これらオキセタン化合物の市販品としては、アロンオキセタンOXT−121,0XT−221,OXT−212(以上、東亞合成(株)製)等が挙げられる。なかでも、水酸基を有するオキセタン化合物を特に好適に用いることができ、そのようなオキセタン化合物としては、エタナコールEHO(宇部興産製)、OXT−101(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
本発明の光学部材用接着剤は、透湿性、接着強度、硬化収縮、熱膨張率等を改良するため、充填剤としてコロイダルシリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の粉体、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン等の無機中空体;ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ、フッ素系樹脂ビーズ等の有機球状体、塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等の有機中空体;ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、セルロース等の単繊維等が添加されていてもよい。
また、本発明の光学部材用接着剤は、セル内への水分の浸入を防ぐため、接着剤組成物に吸水剤等が添加されていてもよい。吸水材の具体例としては特に限定されず、例えば、シリカゲル、モレキュラーシーブ、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等アルカリ土類金属の酸化物等が挙げられる。
本発明の光学部材用接着剤は、更に、密着性向上剤、増感剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加物が添加されていてもよい。
本発明の光学部材用接着剤は、光を照射した後硬化反応が進行し、接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。可使時間が1分未満であると、基板等を貼り合わせる前に硬化進行してしまい、充分な接着強度を得られなくなることがある。
本発明の光学部材用接着剤の製造方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール等の混合機を用いて、常温又は加温下で、脂肪族エポキシ化合物及び/又は脂環式エポキシ化合物、上記一般式(1)で表されるアニオン部分を有する光カチオン重合開始剤、硬化制御剤及び添加剤等の各所定量を混合する方法等が挙げられる。なお、製造する際は、光を遮断した状態で行われることが好ましい。
本発明の光学部材用接着剤の用途としては特に限定されず、例えば、特に短波長の光を発する発光ダイオードに用いる封止剤、ビームスプリッタ、波長板、ピックアップレンズ等の光ピックアップ用光学部品の貼り合わせに用いる接着剤、液晶プロジェクターやDMDプロジェクター用のプリズムの貼り合わせに用いる接着剤、液晶パネル等の各種フラットパネルディスプレイの貼り合わせに用いる接着剤、DVDディスク等のメディアのコーティング剤や貼り合わせに用いる接着剤、光ファイバーや光回路の接続に用いる接着剤、光半導体に用いる接着剤や封止剤等として好適に使用される。
本発明の光学部材用接着剤は、極めて優れた非着色性を有するため、これらの用途に好適に使用することができる。
本発明の接着剤組成物は、光を照射することにより硬化させることができる。
上記光を照射するための光源としては特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの光源の選択に際しては、上記光カチオン重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜選ぶのがよい。
また、上記光源の接着剤組成物への照射手順としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を採ってもよい。
本発明の接着剤組成物の硬化に際しては、光カチオン重合性化合物等の光カチオン重合をより促進して、硬化時間をより短縮するために、光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱硬化を併用する場合の加熱温度としては特に限定されないが、50〜100℃程度であることが好ましい。
本発明の光学部材用接着剤に光を照射して硬化させたとき、光路長0.1mmにおける350nm〜800nmの範囲の波長での透過率が99%以上であり、かつ、85℃にて1000時間加熱した後の光路長0.1mmにおける350nm〜800nmの範囲の波長での透過率が98%以上であることが好ましい。
上記範囲を超えると、充分に光を透過させることができず、上記光学部材用接着剤の用途に用いることができなくなることがある。
本発明の光学部材用接着剤を用いることによって光学部材を製造することができる。
本発明の光学部材用接着剤を用いて光学部材を製造する方法としては、例えば、一方の基材の全面又は一部に前記光学部材用接着剤を塗布した後に光を照射する工程、及び、前記光学部材用接着剤を介して、他方の基材を貼り合わせた後に常温又は加熱下で硬化させる工程を有する方法を用いることができる。このような光学部材の製造方法も、本発明の一つである。
本発明の光学部材用接着剤が上記硬化制御剤を含有する場合には、本発明の光学部材の製造方法が好適に用いられる。
また、本発明の光学部材の製造方法は、例えば、基材の表面に誘電体層等が形成されていて、基材を介しては本発明の光学部材用接着剤に光を照射しにくい場合であっても、好適に用いることができる。また、貼り合わせ後、硬化するまでに位置を合わせたり、加圧しながら硬化させたりすることができるため、寸法精度を向上させることができる。
本発明の光学部材の製造方法としては、具体的には、例えば、本発明の光学部材用接着剤を用いて2個のプリズムを接着して偏光ビ−ムスプリッターを製造する方法であって、一方のプリズムの接着面に本発明の光学部材用接着剤を塗布し、紫外線を照射した後、他方のプリズムを貼り合わせ、硬化するまで常温又は加熱下で固定する方法が挙げられる。
本発明の光学部材の製造方法を用いて、2個のプリズムを接着する場合には、例えば、プリズムの接着面に誘電体層が形成されており、光が通りにくい場合でも効率よく接着することができる。また、貼り合わせ後、硬化するまでに位置を合わせたり、加圧しながら硬化させたりすることができるため、寸法精度を向上させることができる。
また、本発明の光学部材用接着剤を用いて光学部材を製造する方法としては、一方の基材に本発明の光学部材用接着剤を塗布する工程、及び、前記光学部材用接着剤を介して他方の基材を貼り合せた後に光を照射して常温又は加熱下で硬化させる工程を有する方法も用いることができる。
このような光学部材の製造方法としては、具体的には、例えば、一方のプリズムの接着面に本発明の光学部材用接着剤を塗布し、他方のプリズムを貼り合わせた後、紫外線を照射して常温又は加熱下で硬化させる方法を用いることもできる。
本発明によれば、エポキシ化合物中の不純物を効果的に除去することができるため、短波長光用又は高温下で使用される光学部材に用いた場合にも極めて高い非着色性を有し、高い透明性を維持することが可能な光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能なエポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)90部とシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(DME−100、新日本理化社製)10部を混合した混合樹脂に10倍の純水を加えて90℃に加熱した。充分振とうして90℃に温度を保ったまま1時間静置した後、分離した水を除去した。この操作を3回繰り返した後、得られた樹脂を90℃で8時間真空乾燥を行い、熱水処理樹脂を得た。
得られた熱水処理樹脂100重量部に対して、光カチオン重合開始剤としてヨウドニウムボレート系の光カチオン型重合開始剤(RP2074、ローディア社製)1重量部、硬化制御剤としてポリエチレングリコール(分子量1000)5重量部、及び、シランカップリング剤としてサイラエースS−510(チッソ社製)1重量部を混合し80℃に加熱後、ホモディスパー型撹拌混合機(ホモディスパーL型、特殊機化社製)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して、光学部材用接着剤を調製した。
調整した熱光学部材用接着剤を塗布し、厚みが100μmとなるように2枚の無アルカリガラスの間に挟んだ後、3000mJ/cmの紫外線を照射した後、80℃で30分間加熱して熱光学部材用接着剤を硬化させ、試験片を作製した。
(実施例2)
実施例1と同様にして熱水処理樹脂を調製し、光カチオン型重合開始剤(RP2074、ローディア社製)1部の代わりに上記一般式(14)で表される化合物1部を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(実施例3)
水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)90部とシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(DME−100、新日本理化社製)10部の代わりに、水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)85部、ジ{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル(アロンオキセタンOXT−221、東亞合成製)10部及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(アロンオキセタンOXT−101、東亞合成製)5部を用いた以外は、実施例1と同様にして光学部材用接着剤を調製した。
調整した熱光学部材用接着剤に、2000mJ/cmの紫外線を直接照射した後、熱光学部材用接着剤を、厚みが100μmとなるように2枚の無アルカリガラスの間に挟み、80℃で30分加熱して熱光学部材用接着剤を硬化させ、試験片を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様にして熱水処理樹脂を調製し、更に硬化制御剤として18−クラウン−6(和光純薬社製)0.5部を混合した以外は、実施例1と同様にして熱光学部材用接着剤を調製した。
調整した熱光学部材用接着剤を用いて、実施例3と同様にして、試験片を作製した。
(比較例1)
水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)90部とシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(DME−100、新日本理化社製)10部とを混合した混合樹脂を熱水処理により精製しなかった以外は、実施例1と同様にして熱光学部材用接着剤を調製し、試験片を作製した。
(比較例2)
水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)90部とシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(DME−100、新日本理化社製)10部の代わりに、水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(YX8034、ジャパンエポキシレジン社製)90部とジ{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル(アロンオキセタンOXT−121、東亞合成製)10部とを用い、得られた混合樹脂を熱水処理により精製しなかった以外は、実施例1と同様にして熱光学部材用接着剤を調製し、試験片を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で作製した試験片について評価を行った。熱光学部材用接着剤の組成及び評価結果を表1に示した。
(1)初期光線透過率
ガラスのみの場合をブランクとして、分光光度計(U−3000、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、試験片の光線透過率を測定した。
(2)加熱後光線透過率
試験片を85℃で500時間加熱した後、分光光度計(U−3000、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、光線透過率を測定した。
(3)紫外線照射後光線透過率
スーパーキセノンウエザーメーターSX75(スガ試験機社製)を用いて、試験片に紫外線を200時間照射した後、分光光度計(U−3000、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、試験片の光線透過率を測定した。
Figure 2007169172
本発明によれば、極めて高い非着色性を有し、高い透明性を維持することが可能な光学部材用接着剤に用いることができるエポキシ化合物を得ることが可能なエポキシ樹脂の精製方法、光学部材用接着剤及び光学部材の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 光学部材用接着剤に用いるエポキシ化合物の精製方法であって、
    エポキシ化合物100体積部に対して、純水を500〜2000体積部加えた後、
    60〜100℃に加熱しながら1〜24時間攪拌する工程、
    前記純水を分液して前記エポキシ化合物を分取する工程、及び、
    前記分取したエポキシ化合物から水分を除去する工程を有する
    ことを特徴とするエポキシ化合物の精製方法。
  2. 請求項1記載のエポキシ化合物の精製方法によって精製されたエポキシ化合物と、下記一般式(1)で表されるアニオンを含有する光カチオン重合開始剤とを含有する光学部材用接着剤であって、
    前記エポキシ化合物は脂肪族エポキシ化合物及び/又は脂環式エポキシ化合物を含有する
    ことを特徴とする光学部材用接着剤。
    Figure 2007169172
  3. 更に、硬化制御剤を含有することを特徴とする請求項2記載の光学部材用接着剤。
  4. 更に、オキセタン化合物を含有することを特徴とする請求項2又は3記載の光学部材用接着剤。
  5. 光を照射して硬化させたときの光路長0.1mmにおける350nm〜800nmの範囲の波長での透過率が99%以上であり、かつ、85℃にて1000時間加熱した後の光路長0.1mmにおける350nm〜800nmの範囲の波長での透過率が98%以上であることを特徴とする請求項2、3又は4記載の光学部材用接着剤。
  6. 請求項2、3、4又は5記載の光学部材用接着剤を用いて光学部材を製造する方法であって、一方の基材の全面又は一部に前記光学部材用接着剤を塗布した後に光を照射する工程、及び、前記光学部材用接着剤を介して、他方の基材を貼り合わせた後に常温又は加熱下で硬化させる工程を有することを特徴とする光学部材の製造方法。

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