JP2004315690A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Tomoe Umeyama
智江 梅山
Yoshihiro Kawada
義浩 川田
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

【課題】密着性、可視光透過率に優れ、かつ基材表面が平坦化されていない場合であっても高い表面平滑性の保護膜の形成が可能であり、また、非常に高い耐熱耐黄変性を有しており、特に液晶表示用カラーフィルターの着色樹脂膜の保護膜として使用した場合に、配向膜塗布時・ITO蒸着時の高温耐性(耐黄変性)に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(1)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2) 環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペンジ骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペンジ骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、及び(3)イミダゾール系硬化促進剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は保護膜形成用として好適なエポキシ樹脂組成物に関し、特にガラス基板等の表面に形成された着色膜(例えば着色樹脂膜)上の保護膜として好適なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、その製造工程中に、溶剤、酸、アルカリ溶液等に浸漬され、又、ITO形成時にスパッタリングにより素子表面が局部的に高温に曝される。このような過酷な条件から素子の劣化や損傷を防止するために、これらに対する耐性を有する保護膜の形成が一般的に行われている。このような保護膜は上記要求特性の他、液晶汚染度が低いこと、平滑性を有していること、保護膜を形成する基材及び保護膜上に形成される層に対する密着性が良好であること、液晶表示の明るさを低下させないために可視光透過率が高いこと、着色、白化、黄変等の経時変化のないこと、衝撃、歪などに耐えられる靭性を有すること等が要求されている。
【0003】
従来保護膜用材料としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等が提案されているが、すべての要求特性を満足するというバランスのとれた材料は未だないのが現状である。例えばアクリル系樹脂では可視光透過率には優れているが耐熱性が不十分であり、ITO(Indium Tin Oxide)等の蒸着時に膜表面にしわやクラックが生じるという問題点がある。メラミン樹脂では耐熱性は良いがガラス基板との密着性が極端に悪く、基板やフィルター上でハジキを生じやすいという問題点がある。ポリイミド樹脂は高い耐熱性を有する反面、透明性が不十分な上に樹脂の保存安定性に欠ける点や、溶解性が悪く、使用できる有機溶剤がカラーフィルターを侵すような溶剤になってしまうというような問題点がある。又、エポキシ基を有するアクリル樹脂、又は特許文献1及び特許文献2で提案されているエポキシ樹脂とo−クレゾールノボラック系硬化剤を用いた保護膜も検討されているが、密着性が不十分であったり、或いは、近年のITOの蒸着温度の高温化に伴い、蒸着時の熱による耐黄変性に劣ったりするといった問題点がある。この黄変性を克服すべく、硬化剤に酸無水物を使用する試みもなされている。しかしその反応性、吸湿性の点から保存安定性に問題があり、更に、溶解する有機溶剤が限られている上、その溶剤の安全性に問題がある等の問題点が残されている。
【特許文献1】
特開平5−140274号公報
【特許文献2】
特開平5−140267号公報
【非特許文献1】
J. Org. Chem. 1995, 60, 3612−3618
Products from the Acid−Catalyzed Reaction of Cyclic Monoterpenes and Phenol
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来からの要求性能である密着性、可視光透過性を満足し、かつ基材表面が平坦化されていない場合であっても高い表面平滑性を有する保護膜を形成するとともに良好な耐液晶汚染性を有し、特に液晶表示用カラーフィルター着色樹脂膜の保護膜として使用した場合の、高耐熱黄変性、及び経時安定性に優れた保護膜形成用に好適なエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の骨格を有する多価フェノール化合物を硬化剤として含有するエポキシ樹脂組成物が上記性能を同時に満足することを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、
(1)(1)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、及び(3)イミダゾール系硬化促進剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
(2)エポキシ樹脂が、下記構造式[A]
【0006】
【化2】
Figure 2004315690
【0007】
を有するエポキシ樹脂Aである(1)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(3)エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂である(1)に記載のエポキシ樹脂組成物、
(4)テルペン骨格含有多価フェノール化合物のフェノール骨格が、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール及びo−アリルフェノールからなる群から選ばれた1種以上に由来するものである(1)〜(3)の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)イミダゾール系硬化促進剤が、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾールである(1)〜(4)の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(6)イミダゾール系硬化促進剤が、2−フェニル−4−メチルイミダゾールである(1)〜(4)の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(7)カラーフィルター保護膜用である(1)〜(6)の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(8)(1)〜(7)の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた透明薄膜、
(9)(8)に記載の透明薄膜を有するカラーフィルターを備えた液晶表示装置、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。なお、以下において「%」および「部」は、特記しない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0009】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(1)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、及び(3)イミダゾール系硬化促進剤を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明において使用する一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(多官能エポキシ樹脂)としては、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、また、2種以上を混合しても良い。
【0011】
これらの多官能エポキシ樹脂の中で好ましいエポキシ樹脂のひとつは、脂環式多官能エポキシ樹脂であり、透明性により好ましい効果を与える場合がある。脂環式多官能エポキシ樹脂の中では、脂肪族環が炭素数6のシクロヘキサン環である脂環式多官能エポキシ樹脂が好ましい。例えば2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)−1−ブタノールと1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンを重縮合させた化合物を原料としたエポキシ樹脂はより好ましいものの1つである。また、シクロヘキサン環を有する好ましい脂環式多官能エポキシ樹脂は、例えばダイセル化学工業株式会社よりEHPE3150(以下エポキシ樹脂Aという)等として入手可能である。
【0012】
また、他の好ましいエポキシ樹脂として、上記構造式[A]で表されるエポキシ樹脂Aが挙げられる。
【0013】
これらエポキシ樹脂は単独で用いても、他の多官能エポキシ樹脂と併用してよい。また、場合により、得られる塗膜の耐熱耐黄変性、透明性等の物性を阻害しない範囲内で他の単官能エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を混合してもよい。
【0014】
他の多官能エポキシ樹脂としては、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
【0016】
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
【0017】
脂環式多官能エポキシ樹脂としては、例えばシクロヘキサン等の脂肪族環骨格を有する脂環式多官能エポキシ樹脂等が、脂肪族系多官能エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等があげられる。複素環式多官能エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式多官能エポキシ樹脂類等が、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂類等があげられる。グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂が、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0018】
また、場合により併用してもよい単官能エポキシ樹脂としては脂環式単官能エポキシ樹脂、脂肪族系単官能エポキシ樹脂、複素環式単官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系単官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系単官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した単官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0019】
本発明で用いる硬化剤(2)は、環状テルペン化合物一分子にフェノール類を2分子付加させてなるテルペン骨格含有多価フェノールであり、環状テルペン化合物とフェノール類とを塩酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、三フッ化ホウ素又はその錯体、活性白土等の酸性触媒の存在下50〜150℃に過熱することにより得られる。環状テルペン化合物の1,3−ジフェノール体を得るためには、例えばγ−型テルピネンを用い、非特許文献1に記載された方法に準じればよい。
【0020】
また、上述のようにして得られたテルペン骨格含有1,3−ジフェノール体を使用し、アルデヒド類又はケトン類を用いて通常の方法により縮合することにより高分子量化した多官能フェノール体を得ることが出来る。ここでアルデヒド類又はケトン類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトン、シクロヘキサノン等の炭素数1〜6の脂肪族アルデヒド若しくはケトン又はヒドロキシ基などの置換基を有してもよいベンズアルデヒドなどが挙げられる。このように、フェノール類を付加させる際に、付加位置を1,3位に選択することにより、よりフェノール化合物単体の着色が小さく、また、組成物にした際の硬化着色性を低減することが出来る。
【0021】
該環状テルペン骨格含有多価フェノール化合物は本発明において硬化剤として作用するが、場合により、他の硬化剤を組み合わせて用いてもよい。併用する場合には、得られる硬化物の耐熱耐黄変性、可視光透過率等の物性を低下させない範囲で、使用するのが好ましい。併用する硬化剤としては酸無水物系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤等を挙げることができる。
【0022】
酸無水物系硬化剤としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物が挙げられる。また、アミン系硬化剤としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン類が挙げられる。
【0023】
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
【0024】
ヒドラジド系硬化剤の具体例としては、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド系硬化剤、ピロメリット酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド等の多官能ヒドラジド系硬化剤が挙げられる。
【0025】
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の官能基の当量比において通常0.2〜1.8、好ましくは0.4〜1.4、更に好ましくは0.6〜1.2の範囲で用いられる。
【0026】
本発明においては、好ましい硬化促進剤として、イミダゾール系硬化促進剤が用いられる。他にエポキシ樹脂の硬化を促進する触媒として知られている化合物、例えば第3級アミン類、ホスフィン類等、物性を阻害しない範囲内であれば併用して用いることが出来る。イミダゾール系硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール又は1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等の各種イミダゾール化合物が挙げられる。これらの中で、エポキシ基とフェノール性水酸基の反応を優先的に促進する触媒である2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール及び、硬化着色性、耐熱性の面から2−フェニル−4−メチルイミダゾールが好ましい。
【0027】
これらイミダゾール系硬化促進剤の使用量としては、エポキシ樹脂100部に対して通常0.1部以上、好ましくは0.3部以上、更に好ましくは0.5部以上であり、かつ7部以下、好ましくは5部以下、より好ましくは4部以下、更に好ましくは3.5部以下である。イミダゾール系硬化促進剤の使用量があまり少ない場合、充分な架橋反応が起こりにくく、保護膜の耐熱性に悪影響を及ぼし、又、多すぎる場合、経時安定性や硬化時の耐黄変性、耐液晶汚染性を低下させる可能性が有る。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、カップリング剤、界面活性剤、酸化安定剤、光安定剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、他の各種の樹脂、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合することもできる。
【0029】
用いうるカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。これらの中でシラン系カップリング剤が好ましく、エポキシ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。カップリング剤を使用する事により基材との密着性が向上し、かつ耐湿信頼性に優れた保護膜が得られる。
カップリング剤の使用量はエポキシ樹脂100部に対して、0.1〜5部、好ましくは0.5〜4部程度である。
又、界面活性剤はエポキシ樹脂組成物の塗布適性を向上させるために添加するものである。例えばシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が用いられ、その添加量としては、エポキシ樹脂100部に対し、通常0.001〜0.5部、好ましくは0.08〜0.3部である。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、イミダゾール系硬化促進剤、並びに必要に応じ各種添加剤を有機溶媒中に均一に溶解させることによりワニスとして得ることができる。この場合通常固形分濃度が10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上で、かつ50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下程度になるよう調製すればよい。これらの濃度はエポキシ樹脂組成物により適宜調整すればよく、塗膜などの効率化等を考えれば25℃における粘度が2〜30mPa・s、好ましくは4〜15mPa・sになるように調製すればよい。
【0031】
該有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、好ましくは炭素数1〜4の低級アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3―メトキシブタノール、3―メチル―3―メトキシブタノール等のグリコールエーテル類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3―メトキシブチルアセテート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテート、エチルエトキシプロピオラート等のアルキレングリコールエーテルアセテート類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4―ヒドロキシ―4―メチル−2―ペンタノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、好ましくヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜4の脂肪酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
【0032】
これらのうち、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の溶解性、及び有機溶剤との反応性、揮発による濃度的な経時変化、人体に対する毒性等を考慮すると、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の炭素数2〜3のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、エステル類が好ましい。
又、これら有機溶剤の使用量については特に限定はされず、所望膜厚、表面平滑性、成膜方法等に応じ、調節し、塗布適性を付与すればよい。
【0033】
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物により形成される塗膜は、ガラス、木、金属、プラスチック等の種々の材料に対して優れた密着性を有し、平滑性、耐熱耐黄変性、透明性、靭性に優れていることから、例えば各種保護膜等として、特に有機EL素子やプラズマディスプレイパネルといった高可視光透過率を要求される箇所における塗膜(高可視光透過率塗膜)として有用である。また、更に液晶汚染性に優れることより、液晶表示用カラーフィルター等の着色樹脂膜の上に保護膜を形成させる場合あるいは液晶表示用カラーフィルターの平滑層の形成に際し特に有用である。この場合、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる透明薄膜はカラーフィルターから溶出するイオン性不純物が液晶を汚染するのを効果的に防ぐ機能がある。
【0034】
ここで、カラーフィルター保護膜等の保護膜として使用する場合は、通常スピンコート法により塗布が行われる。膜厚は通常、加熱硬化後0.1〜10μmに、好ましくは0.5〜8μmになるような条件で塗布される。この際、塗布作業を効率的に行うため、本発明の組成物の25℃における粘度を2mPa・s以上、好ましくは4mPa・s以上、更に好ましくは5mPa・s以上で、かつ、30mPa・s以下、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは13mPa・s以下になるように、通常有機溶剤の使用量で調整する。塗布後の乾燥、硬化条件は組成物溶液中の成分割合配合比、溶剤の種類によって最適な条件を選択する必要があるが、通常、70〜100℃でプリベークを行い溶剤を除去した後、150〜250℃で10分〜1.5時間ポストベークを行い硬化させる。硬化温度は一定でなくても良く、例えば昇温させながら硬化を行ってもよい。プリベーク溶媒除去、及びポストベーク硬化はオーブン、ホットプレート等を用いて行うことができる。
【0035】
上記のようにして本発明の保護膜(本発明の透明薄膜)を形成したカラーフィルターは液晶表示装置等に好適に使用することができる。通常の液晶表示装置はカラーフィルター部(必要に応じてITO製膜、ITOパターンニングが施される)、液晶部、バックライト部及び偏光フィルム部から構成されるので、そのカラーフィルター部に本発明の保護膜を施したカラーフィルターを使用することにより、本発明の液晶表示装置とすることができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を以って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1
エポキシ樹脂組成物として表1の実施例1の欄に示す組成(数値は「部」)のものをプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに溶解して、固形分濃度25%、粘度5.2mPa・s(R型粘度計、10rpmでの測定)のエポキシ樹脂組成物を調製した。次に厚さ0.7mmのガラス基板上に、前記組成物をスピンコーターを用いて、硬化後の厚さが2ミクロンになるように塗布し、100℃、2分の条件でプリベークを行った後、220℃、20分の条件で硬化し、本発明の透明薄膜を得た。得られた透明薄膜の評価結果(評価方法は後述)を表2に示す。
【0038】
実施例2〜3、比較例1〜2
エポキシ樹脂組成物として表1の実施例2〜3及び比較例1〜2の各欄に示す組成のものを用いた以外は実施例1と同様に行い透明薄膜を作成した。これらの評価結果を表2に示した。
【0039】
実施例4〜6
エポキシ樹脂組成物として表1の実施例1〜3の各欄に示す組成のものを用い、ガラス基板の代わりに微細パターン化したカラーフィルター(ガラス基板の表面に着色樹脂膜が形成されたもの)を用いた以外は実施例1と同様にして得られた保護膜につき評価した結果を表3に示した。
【0040】
【表1】
Figure 2004315690
【0041】
表1中、各成分の詳細は次のとおりである。
エポキシ樹脂A:構造式[A]で表されるエポキシ樹脂(VG3101(エポキシ当量:約210g/eq)(商品名:VG3101、三井化学工業株式会社製))
エポキシ樹脂B:シクロヘキサン環上にエポキシ基を有する多官能シクロヘキサンエポキシ樹脂(エポキシ当量:約180g/eq)(商品名:EHPE3150、ダイセル化学工業株式会社製)
エポキシ樹脂C:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:201g/eq)(商品名:EOCN−1020−80、日本化薬株式会社製)
硬化剤A:テルペン骨格含有ジフェノール(1,3−付加物)(水酸基当量:164g/eq)
硬化剤B:ノボラック型テルペン骨格含有フェノール樹脂(1,3−付加物)(水酸基当量:165g/eq)
硬化剤C:フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:105g/eq)(商品名:HF−1、明和化成株式会社製)
促進剤A:2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール(四国化成製イミダゾール系硬化促進剤)
カップリング剤:エポキシシラン系カップリングサイラエースS−510(株式会社味の素製)
界面活性剤:フッ素系界面活性剤メガファックF470(大日本インキ株式会社製)
【0042】
【表2】
Figure 2004315690
【0043】
表2〜表3において評価方法、及び判定基準は以下のとおりである。
1.耐熱性試験(塗膜黄変性試験)
得られた保護膜を、230℃、240℃のオーブンにそれぞれ30分間放置し、保護膜の黄変性を目視により判定した。判定基準は、高温放置する前の塗膜に比較し、◎が全く変化なし、○がほとんど変化なし、×が黄変し使用に耐えないものを示した。
2.ガラス転移温度測定
表1において、実施例1〜3、比較例1〜2のうち、溶剤を除いた組成を、熱ロールで混練し、トランスファー成型後、220℃、20分の条件でポストキュアを行ったものをサンプルとし、DMA;Differential Mechanical Analysis(東洋精機(株)製、レオログラフソリッド、昇温速度2℃/分)によりガラス転移温度(Tg)を測定した。この時トランスファー成型条件は、175℃、5分で行った。
【0044】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、透明性に優れ、更に特に高い耐熱温度を有しており、高温下での使用条件下でも変色・着色がほとんど無く、着色樹脂膜の保護に有利で、特にカラー液晶表示装置においてその信頼性を向上することができる。
通常クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のような、芳香環を有する多官能エポキシ樹脂は、硬化時、特に180℃以上の高温で硬化するような場合は、硬化着色がひどく、高い透明性を必要とする用途に使用するのは困難であった。また、硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いた場合は硬化着色が更に深刻となり、硬化後も高温にさらされるような使用条件下では特に変色・着色が進行するので、これまでは研究者が開発を行う際は設計の段階でこのような材料を避けているのが実情である。しかしながら、本発明で使用されるエポキシ樹脂Aは、芳香環を有するエポキシ樹脂でありながら、硬化剤に環状テルペン骨格を有する多価フェノール化合物を組み合わせることにより、硬化時の着色がなく、また硬化後の変色・着色も極力少ない硬化物を得ることが出来る。

Claims (9)

  1. (1)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(2)硬化剤として環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、及び(3)イミダゾール系硬化促進剤を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂が、下記構造式[A]
    Figure 2004315690
    を有するエポキシ樹脂Aである請求項1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂である請求項1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. テルペン骨格含有多価フェノール化合物のフェノール骨格が、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール及びo−アリルフェノールからなる群から選ばれた1種以上に由来するものである請求項1〜3の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. イミダゾール系硬化促進剤が、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾールである請求項1〜4の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. イミダゾール系硬化促進剤が、2−フェニル−4−メチルイミダゾールである請求項1〜4の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. カラーフィルターの保護膜用である請求項1〜6項の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7項の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた透明薄膜。
  9. 請求項8に記載の透明薄膜を有するカラーフィルターを備えた液晶表示装置。
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