JP2011105949A - 水素化エポキシ樹脂、その製造方法及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の水素化エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で示されるフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応により得られる3官能性芳香族エポキシ樹脂を直接水素化することにより得られる。
1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、
1−[α−メチル−α−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−三級ブチルフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(2”−メチル−4”−ヒドロキシ−5”−三級ブチルフェニル)エチル]ベンゼン、
1−[α−メチル−α−(3’−三級ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(3”−三級ブチル−4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、
1−[α−メチル−α−(3’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−三級ブチルフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(3”−メチル−4”−ヒドロキシ−5”−三級ブチルフェニル)エチル]ベンゼン、
1−[α−メチル−α−(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(3”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシブチルフェニル)エチル]ベンゼン、
1−[α−メチル−α−(2’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(2”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシブチルフェニル)エチル]ベンゼン、
等を挙げることができる。これらのフェノール化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
上記一般式(2)においても、R1、R2及びR3はメチル基であり、R4、R5、R6及びR7は水素原子であることが好ましく、また、グリシジルエーテル基は、それぞれ6員環基のパラ位に結合していることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述のような本発明の水素化エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂成分とエポキシ樹脂用硬化剤とを配合してなるものである。エポキシ樹脂用硬化剤としては一般のエポキシ樹脂用硬化剤が用いられ、例えば次のものが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、本発明の水素化エポキシ樹脂のみを用いても良く、本発明の水素化エポキシ樹脂と、他の脂環式エポキシ樹脂とを混合して用いても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて次の成分を添加配合することができる。
硬化剤に酸無水物を用いる場合は、特に硬化促進剤の添加が有効であり、中でもメチルトリ−n−ブチルホスホニウムジメチルホスフェートのようなホスホニウム塩が好適に使用できる。
硬化促進剤量は、前記エポキシ樹脂成分100質量部に対して、0.1〜10質量部配合することができる。
これらは、本発明のエポキシ樹脂組成物の透明性を損なわない範囲で配合され、通常前記エポキシ樹脂成分100質量部に対して、10〜100質量部の範囲が適当である。
(d)難燃剤;例えば、三酸化アンチモン、ブロム化合物及びリン化合物等の1種又は2種以上。
(e)イオン吸着体。
(f)カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の特性向上剤。
上記(c)〜(f)は、通常前記エポキシ樹脂成分100質量部に対して、各々0.01〜30質量部、合計で0.1〜30質量部配合することができる。
なお、以下において「部」は「質量部」を意味する。
以下に本発明の水素化エポキシ樹脂を製造する実施例を示す。なお、以下の実施例において、得られた水素化エポキシ樹脂の各種分析法は次の通りである。
酢酸エチルに溶解した試料について、波長277nmでの吸光度を測定し、原料の3官能芳香族エポキシ樹脂の吸光度と比較することで算出した。なお、酢酸エチルによる希釈倍率は水素化率に応じ10〜1000倍とした。
JIS K7236−1955に準拠し、酢酸と臭化セチルトリメチルアンモニウムの存在下、過塩素酸で滴定し、発生する臭化水素をエポキシ基に付加させ、終点を電位差で判定した。
1L容のオートクレーブ中に、化学名:2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(日本化薬社製商品名;NC6000,エポキシ当量208)200gと、酢酸エチル400gと、触媒として5重量%Rh/グラファイト触媒を20g仕込み、115℃、8MPaの条件で1.5時間水素化反応を行った。
次いで、減圧下、150℃の温度で酢酸エチル溶媒を留去した後、冷却し、無色透明な固体の水素化エポキシ樹脂を得た。
1Lオートクレーブ中に、化学名:2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(三井化学社製商品名;TECHMORE VG3101H,エポキ当量208)200gと、酢酸エチル400gと、触媒として5重量%Rh/グラファイト触媒を2g仕込み、115℃、8MPaの条件で5時間水素化反応を行った。
以下に本発明のエポキシ樹脂組成物を製造し、製造されたエポキシ樹脂組成物から硬化体を得る実施例と比較例を挙げる。
〈その他の脂環式エポキシ樹脂〉
A;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)
B;水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製)
C;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート(ジャパンエポキシレジン社製)
〈エポキシ樹脂用硬化剤〉
a;無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製)
b;芳香族スルホニウム・六フッ化アンチモン塩(日本曹達社製)
〈硬化促進剤〉
メチルトリ−n−ブチルホスホニウムジメチルホスフェート(日本化学工業社製)
〈酸化防止剤〉
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)/トリフェニルホスファイト(T
PP)
〈ゲル化時間〉
安田精機社製ゲルタイムテスターを用い、120℃で測定した。
〈ガラス転移温度Tg〉
TMA法(5℃/分で昇温)により測定した。
〈色相〉
色差計にてYI値(Yellowness Index)を測定した。
〈耐紫外線特性〉
メタリングバーチカルウェザーメーター(スガ試験機社製)を使用し、照射強度0.4
kw/m2、ブラックパネル温度63℃の条件で、72時間照射後のYI値を測定した
。この値が小さいほど耐光性に優れる。
〈耐熱劣化性〉
150℃で72時間加熱後のYI値(Yellowness Index)を測定した。
〈吸湿率〉
厚さ3mm、直径50mmの円盤状硬化物について、121℃、24時間後の吸湿率を測定した。この値が小さいほど耐湿性に優れる。
表1に示す配合で、硬化促進剤以外の成分を温度80℃で均一になるまで混合した後、硬化促進剤を添加し(ただし、実施例6では硬化促進剤添加せず)、攪拌、溶解してエポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物の物性は表1に示す通りであった。
この得られたエポキシ硬化物の物性値は表1に示す通りであった。
Claims (9)
- 前記一般式(1)において、R1、R2及びR3はメチル基であり、R4、R5、R6及びR7は水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素化エポキシ樹脂。
- グリシジルエーテル基が結合した芳香環の水素化率が、70〜100%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水素化エポキシ樹脂。
- 3官能性芳香族エポキシ樹脂をロジウム触媒及び/又はルテニウム触媒の存在下、加圧下に水素化することを特徴とする水素化エポキシ樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水素化エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂成分とエポキシ樹脂用硬化剤とが配合されてなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂成分は、前記水素化エポキシ樹脂10〜90質量部と他の脂環式エポキシ樹脂10〜90質量部とを合計で100質量部含むことを特徴とする請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記他の脂環式エポキシ樹脂が、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビフェノール型エポキシ樹脂、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂用硬化剤が、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、アミンのBF3錯体化合物、有機酸ヒドラジッド類、ジシアンジアミド類及びポリカルボン酸類よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
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