JP5524480B2 - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は保護膜形成用に好適な熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、ガラス基板等の表面に形成された機能性膜(例えばカラーフィルター等の着色樹脂膜)上に設けられる保護膜として好適なエポキシ系熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
液晶表示素子におけるカラーフィルターは、その製造工程中に、溶剤、酸、アルカリ溶液等に浸漬され、又、ITO(Indium Tin Oxide)層形成時にスパッタリングにより素子表面が局部的に高温に曝される。このような過酷な条件から素子の劣化や損傷を防止するために、これらの処理に対して耐性を有する保護膜で素子表面を保護することが一般的に行われている。又、液晶表示素子に高視野角化、高速応答化などの高性能化が要求される場合には、カラーフィルターの平坦性が重要となるため、平坦化能の高い保護膜を設けることが必要とされる。また、このような液晶表示素子においては、保護膜形成後に紫外線照射(通常オゾンの発生を伴う)により、その表面の有機物をはじめとする狭雑物を酸化除去したのち、更に高温処理に処される場合がある。このような高温処理においては往々にして保護膜が黄変(化)するという現象が見られるため、保護膜にはこのような黄変に対する耐性が要求される。更にこのような保護膜には、液晶汚染度が低いこと、平滑性に優れていること、保護膜で保護する機能性膜又は基材の表面への密着性、及び保護膜上に更に樹脂層等を形成する場合には、形成される層に対する密着性が良好であること、液晶表示の明るさを低下させないよう可視光透過率が高いこと、保護膜自体に着色、白化、黄変等の経時変化のないこと、衝撃、歪などに耐えられる靭性を有すること等が要求される。
従来、機能性膜の保護膜用材料としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂等が提案されているが、上記したような要求特性のすべてをバランスよく満足するような材料が未だ見出されていないのが現状である。例えば、アクリル樹脂は可視光透過率には優れているというものの、耐熱性が不十分であり、ITO膜等の製膜時に膜表面にしわやクラックが生じるという問題点がある。又、メラミン樹脂は耐熱性は良いがガラス基板との密着性が極端に悪く、基板やフィルター上でハジキ(密着不良により、保護膜上に1mm程度の凹みや穴を生じる現象)を生じやすいという問題点がある。更に、ポリイミド樹脂は高い耐熱性を有する反面、透明性が不十分な上に樹脂の保存安定性に欠ける点や、溶解性が悪く、使用できる有機溶剤が限定される上、最適な溶媒はカラーフィルター(着色樹脂膜)自体をも溶かす等の問題点がある。又、特許文献1においては、エポキシ樹脂とテルペン骨格を有する多価フェノール系硬化剤を用いた保護膜等が検討されているが、それらは密着性が不十分であったり、或いは、近年のITO製膜時の処理温度の高温化に伴い、該製膜時にシワやクラックが生じたり、熱による黄変化が発生するといった問題がある。又前記したオゾンの発生を伴う紫外線照射後に行われる高温処理によっても上記保護膜は黄変化するという難点がある。このような黄変化を解決すべく、硬化剤に酸無水物を使用する試みもなされている。しかしその反応性、吸湿性の点から保存安定性に問題があり、更に、溶解する有機溶剤が限られている上、その溶剤の安全性に問題がある等の問題点が残されている。
特開2004−315657号公報
本発明は前記した従来技術における欠点を改善し、機能性膜の保護膜用として適した樹脂組成物を提供しようとするものであり、密着性、可視光透過性等を満足し、かつ基材表面の平坦化能、表面平滑能の高い保護膜を形成することが出来るとともに、機能性膜、特に液晶表示用カラーフィルター着色樹脂膜の保護膜として適する、高温耐性に優れた保護膜形成能を有する樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の骨格を有するエポキシ基を有するケイ素化合物の縮合物、ポリカルボン酸類及び溶剤とを含有する熱硬化性樹脂組成物が上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)(A)下記式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物の自己縮合物、及び/又は下記式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物と下記式(2)で表されるアルコキシケイ素化合物との共縮合物、
Figure 0005524480
(式中において、XはC2〜C5のアルキレン基を、R及びRはそれぞれ独立にC1〜C4のアルキル基を、Zはメチル基又はフェニル基をそれぞれ表す。)、
(B)カルボキシル基を2個以上有する脂肪族、芳香族及び脂環式化合物からなる群から選ばれる種又は2種以上及び
(C)溶剤
を含有し、且つ、
上記(B)のカルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物からなる群が下記式


Figure 0005524480

で表されるヘキサヒドロフタル酸(3)、フタル酸(4)、テトラヒドロフタル酸(5)、1,3−アダマンタン二酢酸(6)、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(7)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(8)及び1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(9)からなる群であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、
(2)カルボキシル基を2個以上有する脂肪族、芳香族又は脂環式化合物が下記式(3)乃至式(8)で表される化合物である上記(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
Figure 0005524480
3)
(B)成分におけるカルボキシル基を2個以上有する脂環式化合物が下記式(9)

Figure 0005524480

で表される化合物である上記(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(4)
(B)成分が、式(3)、式(5)、式(7)及び式(8)の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
5)
(B)成分におけるカルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸である上記()に記載の熱硬化性樹脂組成物。
6)
(A)成分が式(1)のエポキシ基を有するケイ素化合物と式(2)で表されるアルコキシケイ素化合物との共縮合物であり、かつ式(2)のZがフェニル基である上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(7)
共縮合物が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとフェニルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとの共縮合物である上記(6)に記載の熱硬化性樹脂組成物、
8)
上記(1)〜(7)の何れか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる機能性膜用保護膜剤、
9)
機能性膜が着色樹脂膜である(8)に記載の機能性膜用保護膜剤、
10)
上記(8)又は上記(9)に記載の機能性膜用保護膜剤を硬化させてなる樹脂硬化膜、
11)
上記(10)に記載の樹脂硬化膜を有する着色樹脂膜からなるカラーフィルター、
12)
上記(11)に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示装置、
13)
上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる光デバイス用保護膜剤、
に関する。
本発明のエポキシ系熱硬化性樹脂組成物は、保護膜にした場合、透明性、平坦化能に優れる上、特に高い耐熱性を有しており、高温における安定性が高く、適度の硬度を有し、着色樹脂膜の保護に有利である。特に液晶表示装置に使用されるカラーフィルター上に、本発明の保護膜を設けることにより、該カラーフィルターの信頼性を向上させることができる。
以下本発明について詳細に説明する。
まず本発明で使用される(A)成分、即ち、下記式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物(以下単にエポキシ含有ケイ素化合物ともいう)の自己縮合物、及び/又は式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物と下記式(2)で表されるアルコキシケイ素化合物との共縮合物について説明する。
Figure 0005524480
(式中において、XはC2〜C5のアルキレン基を、R及びRはそれぞれ独立にC1〜C4のアルキル基を、Zはメチル基又はフェニル基をそれぞれ表す。)
XにおけるC2〜C5のアルキレン基としては、具体的にはエチレン、プロピレン、ブチレン又はペンチレンが挙げられ、好ましくはエチレンである。また、複数のR及びRはそれぞれ同じであっても、異なってもよい。通常同じものが好ましい。R及びRにおけるC1〜C4のアルキル基としては、具体的にはメチル、エチル、プロピル又はブチルが挙げられ、好ましくはメチル又はエチルである。
式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物の具体例としては2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのうち好ましいものは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
又、式(2)のアルコキシケイ素化合物の具体例としてはフェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのうち好ましいものはフェニルトリメトキシシラン及びメチルトリメトキシシランであり、前者がより好ましい。
上記式(1)及び式(2)で表されるケイ素化合物はいずれも市場から容易に入手が可能である。
本発明で使用される(A)成分における縮合物としては、上記式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物の自己縮合物であっても、式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物と上記式(2)のアルコキシケイ素化合物との共縮合物であっても、また、両者の混合物のいずれでもよい。本発明においては通常上記の共縮合物が好ましい。該共縮合物において、R及びRはそれぞれ同じであっても、異なってもよく、通常同じものが好ましく、R及びRの全てがメチル又はエチルの場合がより好ましく、全てがメチルの場合が最も好ましい。この共縮合物において、Xとしてはエチレンが好ましく、Zとしてはフェニルが好ましい。
この共縮合物における式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物と上記式(2)のアルコキシケイ素化合物にそれぞれ由来する部分構造の割合(モル割合)は、通常、式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物に由来する部分構造が、共縮合物全体の全ケイ素化合物のモル数に対して、20%以上であり、より好ましくは25%以上で、上限は100%までよい通常80%以下、好ましくは75%以下であり、残部が上記式(2)のアルコキシケイ素化合物にそれぞれ由来する部分構造であり、ゼロでもよいが、通常20%以上で80%より少ない範囲が好ましく、より好ましくは25%〜75%程度である。
また、(A)成分における縮合物としては、式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物の自己縮合物と、式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物と式(2)のアルコキシケイ素化合物との共縮合物を併用して使用することも出来る。
前記自己縮合物又は共縮合物は、WO2004/072150 A1等に開示される方法又はそれに準ずる方法で容易に得ることができる。例えばアルカリ及び水の存在下、前記の原料化合物、又は各原料化合物の混合物を加熱して加水分解・縮合することにより得ることができる。この縮合反応において使用する水の量は、反応系全体のアルコキシ基1モルに対して、通常0.1〜1.5モル、好ましくは0.2〜1.2モルである。この縮合に使用されるアルカリとしては、水中で塩基性を示す化合物であれば何れも使用する事が出来る。使用しうるアルカリの具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム又は水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の無機塩基;アンモニア;トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機塩基を使用することができる。これらの中でも、反応生成物からの除去が容易である点で無機塩基又はアンモニアの使用が好ましい。これらのアルカリの添加量は、反応系中の原料ケイ素化合物の合計重量に対し、通常0.001〜7.5重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
縮合反応は、無溶剤で行うこともできるが、溶剤中で行うのが好ましい。溶剤としては、原料ケイ素化合物を溶解する溶剤であれば特に制限なく使用できる。該溶剤の具体例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素等が例示できる。これらの中で、非プロトン性極性溶媒が好ましい。溶剤の使用量には、特に制限はないが、原料ケイ素化合物の合計重量100重量部に対して、通常50〜900重量部、好ましくは150〜500重量部程度使用するのが好ましい。
縮合反応における反応温度は、アルカリの種類及び量等にもよるが、通常20〜160℃、好ましくは40〜140℃である。又、反応時間は通常1〜12時間である。反応生成物(縮合物)のMw(重量平均分子量)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することが出来る。反応が終了したら、加熱を止め、前記溶剤及び水を加え、分液を行った後有機層を分離し、溶剤を減圧除去して目的の縮合物を得る。必要なら、得られた縮合物をゲルろ過等により精製することも出来る。
以上のようにして得られた縮合物(A)は下記式(10)のような繰り返し単位を有した高分子化合物であると考えられる。本発明で使用する該縮合物の分子量は本発明の目的を達成しうる限り特に限定は無いが、通常500〜10000程度であり、好ましくは、1000〜5000程度、より好ましくは1000〜3000程度である。
Figure 0005524480
(式中、X及びZは式(1)又は式(2)におけるのと同じ意味を表す。)
本発明において、(B)成分のカルボキシル基を2個以上有する脂肪族、芳香族又は脂環式化合物からなる群から選ばれる一種又は2種以上の化合物は、硬化剤として働くもので、前記(A)成分の縮合物と反応し、透明で耐熱性に優れた硬化膜を形成する。上記(B)成分の好ましいものとしては、それぞれ、2〜5個のカルボキシル基で置換された炭素数2〜8の脂肪族化合物、2〜4個のカルボキシル基で置換され、かつ芳香族基の炭素数が6〜14である芳香族化合物、及び2〜4個のカルボキシル基又はカルボキシルメチル基で置換され、脂環式基の炭素数が6〜10である脂環式化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を挙げることが出来る。これらのなかでより好ましいものとしては2〜4個、好ましくは3〜4個のカルボキシル基で置換され、脂肪族基の炭素数が2〜4、好ましくは3〜4である直鎖脂肪族化合物、又は2〜4個、好ましくは2〜3個のカルボキシル基で置換されたC6脂環式化合物(更に好ましくはシクロヘキサン)、又は2個のカルボキシル基又はカルボキシルメチル基で置換されたアダマンタン等を挙げることが出来る。
上記(B)成分として具体的には下記のものが挙げられる。
(a) シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
(b) フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビナフチルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;
(c) ヘキサヒドロフタル酸、1,3−アダマンタン二酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;
(d) テトラヒドロフタル酸、2,3−ノルボルネンジカルボン酸;
(e) ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸;
(f) 1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式トリカルボン酸;
(g) 1,2,3−プロパントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸;
(h) トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌル環トリカルボン酸;
(i) メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、3,3’4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、アントラセンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸;
(j) 1,2,4,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸;
(k) 1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸等の脂環式ヘキサカルボン酸;
(l) 1,2,3−プロパントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸;
(m) 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボン酸;
これらの化合物は一種又は二種以上が適宜選択されて使用できる。
これらの中で、特に透明性、耐熱性に優れ、又後述の本発明で使用される溶剤に溶解しやすいという理由から、下記式で表されるヘキサヒドロフタル酸(3)、フタル酸(4)、テトラヒドロフタル酸(5)、1,3−アダマンタン二酢酸(6)、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(7)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(8)及び1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(9)が好ましい例として挙げられる。最も好ましくはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を挙げることが出来る。
Figure 0005524480
Figure 0005524480
次に本発明で使用される溶剤(C)について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用される溶媒としては、前記(A)成分及び(B)成分に対して高い溶解能を有し、これらのものと反応性を示さないものであればいずれも制限なく使用することが出来る。使用しうる溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノール等のアルコール類、好ましくは炭素数1〜4の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のグリコールエーテル類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテル;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート及びエチルエトキシプロピオラート等のアルキレングリコールエーテルカルボキシラート類、好ましくは炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン及び4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル及び3−エトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、好ましくはヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜4の脂肪酸の炭素数1〜4のアルキルエステル;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;等が挙げられる。
これらのうち、前記(A)成分及び(B)成分に対する溶解性、揮発による濃度的な経時変化及び人体に対する毒性等を考慮すると、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の炭素数2〜3のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール又は上記エステル類が好ましい例として挙げられる。より好ましくは炭素数2〜3のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテートを挙げることが出来る。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の好ましいものは、上記(A)成分、上記(B)成分及び(C)成分の三者における少なくとも一つを、好ましいもの若しくはより好ましいものを使用した熱硬化性樹脂組成物であり、より好ましいものは、いずれか二者更に好ましくは三者を、好ましいもの同士若しくはより好ましいもの同士を組み合わせた熱硬化性樹脂組成物である。
例えば、(A)成分が式(1)のエポキシ含有ケイ素化合物と式(2)のアルコキシケイ素化合物との共縮合物(より好ましくは式(2)のZがフェニル基)であり、(B)成分が2〜5個(より好ましくは3〜4個)のカルボキシル基で置換され、かつ脂肪族基の炭素数が2〜8(より好ましくは3〜4)の脂肪族化合物、2〜4個のカルボキシル基で置換され、かつ芳香族基の炭素数が6〜14である芳香族化合物、及び2〜4個のカルボキシル基で置換され、かつ脂環式基の炭素数が6〜10である脂環式化合物である群から選ばれる少なくとも一種であり、(C)成分の溶剤が炭素数1〜4のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテル、炭素数2〜3のアルキレングリコールの炭素数1〜4の低級エーテルアセテート及びエステル類、より好ましくはヒドロキシ基又は炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数2〜4の脂肪酸の炭素数1〜4のアルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも一種である組み合わせの場合を挙げることが出来る。この組み合わせにおいて、いずれかの成分をより好ましい成分、例えば、(A)成分における共縮合物として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとフェニルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとの共縮合物を用いればより好ましい。また同様に、上記の組み合わせにおいて、(B)成分として3〜4個のカルボキシル基で置換されたプロパン又はブタン、又は2〜4個のカルボキシル基で置換されたC6脂環式化合物を用いればより好ましい。また、(B)成分として1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は2〜4個のカルボキシル基で置換されたC6脂環式化合物を用いれば更に好ましい。なおC6脂環式化合物は炭素が6個からなる6員脂環式化合物を意味する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における、前記(A)成分の縮合物、(B)成分(カルボキシル基を2個以上有するカルボン酸化合物)、及び(C)溶剤の各成分の含有割合は、通常(A)成分5〜50重量%、(B)成分0.5〜30重量%、(C)成分 残部(好ましくは30〜90重量%)、好ましくは(A)成分10〜25重量%、場合により10〜20重量%、(B)成分 1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%、(C)成分残部(好ましくは70〜80重量%)である。本発明においては(B)成分の(A)成分に対する割合は、(A)成分100重量部に対して、(B)成分4〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部程度が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、透明性、耐熱性、耐薬品性、平坦性、耐黄変性等の物性を実質的に低下させない範囲で、上記(A)成分以外のエポキシ樹脂を添加することができる。通常は(A)成分以外のエポキシ樹脂を含まなくてよい。
(A)成分以外のエポキシ樹脂の例としては、例えばフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記のうちフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4'−ビフェノール、ジメチル−4,4'−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂が挙げられる。
又、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、又はナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
更に、脂環式エポキシ樹脂としてはシクロヘキサン等の脂肪族環骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール又はペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類、複素環式エポキシ樹脂としてはイソシアヌル環又はヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としてはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂としてはアニリン又はトルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としてはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS又はクロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂のうち、耐熱性、透明性等を考慮すると、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン;ビスフェノールA又はフルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂;シクロヘキサン等の脂肪族環骨格を有する脂環式エポキシ樹脂;又はペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が好ましい。
前記したようなその他のエポキシ樹脂は、本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0〜10重量部、必要により、添加される。
更に、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化促進剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化安定剤、光安定剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、消泡剤、他の各種の樹脂、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤及び/又は紫外線吸収剤等の添加剤を配合することもできる。これらはそれ自体公知の方法により本発明の熱硬化性樹脂組成物に添加される。通常これらの添加量は0〜20重量%以内程度である。
例えば、本発明で使用しうる硬化促進剤としては、エポキシ化合物とカルボキシル基を2個以上有する化合物との縮合反応を促進する機能のあるものであればいずれも使用可能であり、イミダゾ−ル系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、アンモニウム系硬化促進剤、ルイス酸系硬化促進剤等がその例として挙げられる。本発明においては、イミダゾ−ル系硬化促進剤の使用が特に好ましい。使用しうるイミダゾール系硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール又は1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等の各種イミダゾール化合物が挙げられる。これらの中で、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール又は2−フェニル−4−メチルイミダゾールが特に好ましい例として挙げられる。
又、用いうるカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート及びアンモニウムジルコニウムカーボネート、或いはAl−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート及びAl−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。これらの中でシラン系カップリング剤が好ましく、エポキシ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。カップリング剤を使用する事により基材との密着性が向上し、かつ耐湿信頼性に優れた保護膜が得られる。
硬化促進剤は本発明においては無くてもよいが、添加する場合は(A)、(B)及び(C)を含有する本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部である。
又、カップリング剤も本発明においては無くてもよいが、添加する場合は使用量は前記(A)、(B)及び(C)を含有する本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。
同様に、界面活性剤は熱硬化性樹脂組成物の塗布適性を向上させるために添加するものである。使用しうる界面活性剤の具体例としては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機系界面活性剤が挙げられる。例えばBM−1000、BM−1100(BMCHEMIE社製)、メガファックRTMF470、同F472、同BL−20、同R−08、同R−30、同R−90(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンRTMS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−381、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106、同KH−40(旭硝子(株)製)、エフトップRTMEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(東レシリコーン(株)製)、PolyFOXPF−636、同PF−651、同PF−652、同PF−3320(OMNOVA社製)、グラノール400、グラノール420、グラノール440、ターレンRTMKY−5020、フローレンRTMDOPA−15BHFS、同DOPA17HF、同DOPA−33、同DOPA−44、同TG−720W、同TG−750W、ポリフローKL−245、同KL−260、同KL−500、同KL−600、同WS−30(共栄社化学(株)製)、ユニダインRTMDS−403、同DS−451、同NS−1602、同NS−1603、同NS―1605(ダイキン工業(株)製)等のシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤又は有機系界面活性剤が適宜用いられる。通常フッ素系界面活性剤が好ましい。なお、上付の「RTM」は登録商標を意味する。
その添加量としては、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する本発明の熱硬化性樹脂組成物100重量部に対し、通常0.001〜0.5重量部、好ましくは0.08〜0.3重量部である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(A)成分の縮合物、(B)成分のカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸化合物及び(C)成分の溶剤、並びに必要に応じ前記各種添加剤を均一に溶解させることによりワニスとして得ることができる。この場合、固形分濃度が通常15〜50重量%、好ましくは20〜40重量%となるように調整するのが好ましい。又、上記のようにして得られた本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要により、例えば0.05〜1μmのフィルターを用いて精密濾過を行ってもよい。
このようにして得られる本発明の熱硬化性樹脂組成物により形成される塗膜の硬化膜(保護膜)は、ガラス、木、金属、プラスチック等の種々の基材若しくは基材上に設けられた機能性膜に対して優れた密着性を有し、平滑性、耐熱耐黄変性、透明性及び靭性に優れ、適度の硬度も有していることから、該硬化膜は有機EL素子、プラズマディスプレイパネル及び液晶表示用カラーフィルターといった高可視光透過率を要求される光デバイスの保護用の硬化膜(高可視光透過率塗膜)として、特に、本発明の熱硬化性樹脂組成物及びその硬化膜は液晶を汚染しないので、液晶表示用カラーフィルターの着色樹脂膜等の機能性膜の保護用に有用である。従って本発明の熱硬化性樹脂組成物はこのような光デバイス用の保護膜剤として、特に、液晶表示用カラーフィルターの着色樹脂膜等の機能性膜の保護膜剤として適する。
本発明において、基材上に設けられた機能性膜のもっとも好ましいものは液晶表示用カラーフィルターの着色樹脂膜である。
該樹脂組成物を保護膜剤として使用して、前記機能性膜上に保護膜を形成させるには、該樹脂組成物を、通常スピンコート法等により該機能性膜上に塗布し、塗膜を形成させ、該塗膜を熱硬化させればよい。膜厚は通常、加熱硬化後0.1〜10μmに、好ましくは0.5〜8μmになるような条件で塗布される。この際、塗布作業を効率的に行うため、本発明の熱硬化性樹脂組成物又は機能性膜用保護膜剤の25℃における粘度を2〜30mPa・s、好ましくは3〜10mPa・sになるように調整するのが好ましい。
塗布後の乾燥及び硬化条件は組成物の成分割合、溶剤の種類等によって最適な条件を適宜選択するのが好ましい。通常、70〜100℃でプリベークを行い溶剤を除去した後、150〜250℃で10分〜1.5時間ポストベークを行い硬化させる。硬化温度は一定でなくても良く、例えば昇温しながら硬化を行ってもよい。プリベークによる溶媒除去、及びポストベークによる硬化はオーブン又はホットプレート等を用いて行うことができる。
上記のようにして本発明の保護膜を形成された機能性膜はそれぞれの膜に応じ種々の機材の調製に供される。
次に、機能性膜がカラーフィルターの着色樹脂膜の場合について詳細に説明する。
液晶表示素子に用いられる通常のカラーフィルターは、ガラス基板等の透明基板上に、赤・青・緑等の着色透明パターンを規則的に配列したものである。着色透明パターンの形成には、各色の顔料、バインダー樹脂、反応性希釈剤、光重合剤及び溶剤等からなるカラーレジストを用いるフォトリソグラフ法が広く用いられている。フォトリソグラフ法は、該レジストを基板上に塗布した後、所定のパターンを有したフォトマスクを介して露光し、その後不要な部分の現像除去を行い、この工程を少なくとも赤、青、緑の着色パターンごとに3回繰り返してパターン化された着色樹脂膜を製造する。このパターン化された着色樹脂膜上に前記した方法により本発明の保護膜を設けることにより、本発明の前記樹脂組成物の硬化膜を有するカラーフィルターとすることができる。
通常の液晶表示装置は、一般に、カラーフィルター部(必要に応じてITO製膜、ITOパターンニングが施される)、液晶部、バックライト部及び偏光フィルム部から構成されるので、そのカラーフィルター部に本発明の保護膜を施したカラーフィルターを使用することにより、本発明の液晶表示装置とすることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、透明性に優れる上、特に高い耐熱温度を有しており、高温における安定性が高く、着色樹脂膜等の機能性膜の保護膜として有利で、特にカラーフィルターの保護膜として好適に使用できる。このような保護膜を設けたカラーフィルターを用いた液晶表示装置においてはその信頼性を向上することができる。
以下、実施例を以って本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、「部」は重量部を、「%」は重量%をそれぞれ意味する。
合成例1
式(1)と式(2)のケイ素化合物の共縮合物(A−1)の合成
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(前記式(1)で表される化合物、信越化学工業株式会社製)58.5部、フェニルトリメトキシシラン(前記式(2)で表される化合物、信越化学工業株式会社製)109.9部及びメチルイソブチルケトン339部を反応容器に仕込み、液温を80℃に昇温した。昇温後、そこに0.5%水酸化カリウム水溶液19.5部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下、80℃にて5時間反応させた。
反応終了後、反応液にメチルイソブチルケトン80部及び水200部を加え分液を行い、有機層を分離し、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で該有機層から溶媒を除去することにより共縮合物(A−1)106部を得た。得られた共縮合物のエポキシ当量は507g/eq、Mw=1500であった。
合成例2
式(1)と式(2)のケイ素化合物の共縮合物(A−2)の合成
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン117.0部、フェニルトリメトキシシラン62.8部、メチルイソブチルケトン339部を反応容器に仕込み、液温を80℃に昇温した。昇温後、そこに0.5%水酸化カリウム水溶液19.5部を30分間かけて連続的に滴下した。滴下終了後、還流下80℃にて5時間反応させた。
反応終了後、反応液にメチルイソブチルケトン80部及び水200部を加え、分液を行い、有機層を分離し、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返した。次いで減圧下で該有基層から溶媒を除去することにより共縮合物(A−2)113部を得た。得られた共縮合物のエポキシ当量は272g/eq、Mw=1500であった。
実施例1〜実施例6、比較例1
表1に示される各成分を、同表に示される組成割合で混合溶解し、均一な溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)とし、それぞれ固形分濃度約25%の本発明の熱硬化性樹脂組成物を得た。この熱硬化性樹脂組成物の粘度はいずれも5〜7mPa・s(東機産業(株)製R型粘度計で10rpmの条件で測定)であった。
比較例1についても、表1に示される成分及び組成割合で、実施例1〜実施例6と同様にして比較用の熱硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 0005524480
注1 ケイ素化合物(A−1);合成例1で得られたエポキシ基を有するケイ素化合物
注2 ケイ素化合物(A−2);合成例2で得られたエポキシ基を有するケイ素化合物
注3 次の式(11)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ当量;220g/eq 特許文献1の実施例に記載のエポキシ樹脂)
Figure 0005524480
注4 硬化剤(B−1);フタル酸
注5 硬化剤(B−2);テトラヒドロフタル酸
注6 硬化剤(B−3);ヘキサヒドロフタル酸
注7 硬化剤(B−4);1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸
注8 硬化剤(B−5);1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
注9 硬化剤;エピキュアMP402FPY(ノボラック型テルペン骨格含有フェノール樹脂、日本エポキシレジン(株)製)
注10 硬化促進剤;2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−[1,2−a]ベンズイミダゾール
注11 界面活性剤;メガファックF470(フッ素系界面活性剤、大日本インキ(株)製)
注12 溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
注13 硬化剤(B−6);1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
実施例7〜実施例12、比較例2
前記実施例1〜実施例6及び比較例1で得られた本発明及び比較用の各熱硬化性樹脂組成物を厚さ0.7mmのガラス基板上にスピンコーターを用いて、硬化後の膜厚が1.5μmになるように塗布し(但し、ITOスパッタ耐性試験においては膜厚2μm)、85℃、2分の条件でプリベークを行った後、230℃、40分の条件で熱硬化を行い、本発明及び比較用の各硬化皮膜を得た。
評価試験
これらの各硬化皮膜について、次の各項目について評価試験を行い、表2にその結果を示した。
(1)透明性
分光光度計(U−3310 (株)日立製作所製)により、400〜800nmにおける透過率を測定し、その中で最低の透過率の値を表2に示した。400〜800nmの全域において、透過率95%以上であることが好ましい。
(2) 耐熱透明性(塗膜黄変性試験)
各硬化皮膜の設けられたガラス基板を250℃のオーブン中に60分間放置し、400〜800nmにおける透過率を測定し、その中で最低の透過率の値を表2に示した。400〜800nmの全域において、透過率95%以上であることが好ましい。
(3)耐オゾン性(紫外線照射時に発生するオゾンに対する耐性)
前記各硬化膜に紫外線洗浄器(UVD−25U03 日本UVマシーン(有)製)により90秒間洗浄処理を行い、その後250℃のオーブン中に60秒間放置し、400〜800nmにおける透過率を測定し、その中で最低の透過率の値を表2に示した。400〜800nmの全域において、透過率95%以上であることが好ましい。
(4)ITOスパッタ耐性
ガラス基板上に前記各熱硬化性樹脂組成物を2μmの硬化膜厚になるように塗布し、85℃、2分の条件でプリベークを行った後、230℃、40分の条件で熱硬化を行った。それらの硬化皮膜上に240℃でITOを膜厚2500Å、シート抵抗値5.7Ω/cmになるようにスパッタした時の硬化膜の状態を目視により観察した。次の基準により評価した。
○:外観に変化の見られない
△:部分的に皺又はクラックの発生がみられる
×:硬化皮膜全体に皺、クラック又は白濁が発生している
(5)耐溶剤性
前記で得られた各硬化皮膜の設けられたガラス基板をイソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンの各溶剤に40℃、45分浸漬した後の各硬化皮膜の減少度合を触針式表面粗さ計(P−15 テンコ−ル(株)製)で測定した。いずれの溶剤に浸漬した時もそれらの減少度合が5%以下である場合、○と評価した。
(6)平坦性
ガラス基板上にそれぞれ空洞部を有する厚さ1.5ミクロンの青の着色樹脂膜を設け、その上に前記各熱硬化性樹脂組成物を1.5ミクロンの硬化膜厚になるように塗布し、85℃、2分の条件でプリベークを行った後、230℃、40分の条件で熱硬化を行った後、表面の平坦性を前記触針式表面粗さ計で測定した。表2には最大の段差値を示した。
評価結果
上記各評価試験で得られた結果を表2に示した。
Figure 0005524480
また、上記で得られた膜厚1.5μmの本発明の硬化膜について、JIS K5600-5-4 の「引っかき硬度(鉛筆法)」により測定したところ、比較例1のものでは鉛筆硬度Bであったが、本発明の実施例のものでは何れも鉛筆硬度3H〜5Hであった。
表2の結果から明らかなように、本発明の熱硬化性樹脂組成物から得られた保護膜は、透明性に優れる上、特に高い耐熱温度を有しており、高温における安定性が高く、更に、耐溶剤性、平坦性に優れている。又オゾン発生を伴う紫外線洗浄後に行われる高温処理における耐黄変性においても優れている。
従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は着色樹脂膜用の保護膜剤として有用で、特に液晶表示装置用のカラーフィルターに使用される着色樹脂膜の保護膜として使用することによりカラーフィルターの性能及びその信頼性を向上させることができる。

Claims (13)

  1. (A)下記式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物の自己縮合物、及び/又は下記式(1)で表されるエポキシ基を有するケイ素化合物と下記式(2)で表されるアルコキシケイ素化合物との共縮合物、

    Figure 0005524480
    (式(1)及び式(2)において、XはC2〜C5のアルキレン基を、R1及びR2はC1〜C4のアルキル基を、Zはメチル基又はフェニル基をそれぞれ表す。)
    (B)カルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれる種又は2種以上及び
    (C)溶剤
    を含有し、かつ、
    上記(B)のカルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物からなる群が下記式

    Figure 0005524480

    で表されるヘキサヒドロフタル酸(3)、フタル酸(4)、テトラヒドロフタル酸(5)、1,3−アダマンタン二酢酸(6)、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(7)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(8)及び1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(9)からなる群であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. (B)成分のカルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物、芳香族化合物及び脂環式化合物が下記式(3)乃至式(8)で表される化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物

    Figure 0005524480
  3. (B)成分におけるカルボキシル基を2個以上有する脂環式化合物が下記式(9)
    Figure 0005524480
    で表される化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. (B)成分が、式(3)、式(5)、式(7)及び式(8)の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. (B)成分におけるカルボキシル基を2個以上有する脂肪族化合物が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸である請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. (A)成分が式(1)のエポキシ基を有するケイ素化合物と式(2)で表されるアルコキシケイ素化合物との共縮合物であり、かつ式(2)のZがフェニル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 共縮合物が2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとフェニルトリ(C1〜C4)アルコキシシランとの共縮合物である請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる機能性膜用保護膜剤。
  9. 機能性膜が着色樹脂膜である請求項に記載の機能性膜用保護膜剤。
  10. 請求項又は請求項に記載の機能性膜用保護膜剤を硬化させてなる樹脂硬化膜。
  11. 請求項10に記載の樹脂硬化膜を有する着色樹脂膜からなるカラーフィルター。
  12. 請求項11に記載のカラーフィルターを備えた液晶表示装置。
  13. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる光デバイス用保護膜剤。
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