JP6079033B2 - 光・熱硬化性組成物 - Google Patents
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Description
本発明は以下の構成を有する。
[2]有機溶媒(B)を含む、[1]に記載の光・熱硬化性組成物。
[3]光ラジカル開始剤(C)を含む、[1]または[2]に記載の光・熱硬化性組成物。
[4]重合性モノマーあるいはオリゴマー(D)を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光・熱硬化性組成物。
[5]前記式(I)において、Xは炭素数3または4のアルキレンまたはフェニレンであり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、メチル、メトキシまたはエトキシであり、R1、R2及びR3の少なくとも二つはメトキシまたはエトキシであり、前記式(II)において、R4、R5、R6及びR7のうち、少なくとも一つがメトキシまたはエトキシであり、それ以外のものが分岐鎖または環状構造を有してもよい炭素数1〜8のアルキルまたはフェニルである、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光・熱硬化性組成物。[6][1]〜[5]のいずれか一項に記載された光・熱硬化性組成物を用いて得られる硬化膜。
また、本発明の光・熱硬化性組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、重合性モノマー、オリゴマーなどの他の成分をさらに含有していてもよい。
本発明でいう、「光・熱硬化性組成物」とは、後述するように、60〜120℃程度の熱を加えて乾燥を行った後、波長250〜450nmの紫外線を照射する工程あるいは150〜300℃程度での焼成工程、またはそれらの両方の工程を経ることにより、硬化膜を形成する性質を有するものである。
<1−1. イミドシロキサン重合体(A)>
本発明のイミドシロキサン重合体(A)の合成方法は特に制限されないが、イタコン酸無水物及びマレイン酸無水物から選ばれる1種以上の化合物(a1)と、後述する式(I)で表される化合物(a2)と、後述する式(II)で表される化合物(a3)とを反応させ、その後に低沸点成分を留去にて除去することによって得ることができる。
あるいは、式(I)で表される化合物(a2)と式(II)で表される化合物(a3)を先に水を用いて加水分解縮合させた後にイタコン酸無水物及びマレイン酸無水物から選ばれる1種以上の化合物(a1)を加え、さらに還流・留去を行って合成することもできる。
ルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。
本発明の光・熱硬化性組成物に含有させるイミドシロキサン重合体(A)の合成に用いられる化合物(a1)は、前述のとおり、イタコン酸無水物及びマレイン酸無水物から選ばれる一種以上の化合物である。前記化合物(a1)は、イタコン酸無水物及びマレイン酸無水物の混合物であってもよく、混合物である場合には、イミドシロキサン重合体(A)の合成の際のモル比として、0.9:0.1〜0.1:0.9であることが好ましく、0.3:0.7〜0.7:0.3であることが反応性と透明性をバランスさせる観点から好ましい。
イタコン酸無水物またはマレイン酸無水物のいずれかを単独で用いることも可能であり、イタコン酸無水物を単独で用いることは、重合時の安定性が高いことから好ましい。
本発明の光・熱硬化性組成物に含有させるイミドシロキサン重合体(A)の合成に用いられる化合物(a2)は、以下の式(I)で表される化合物である。
1、R2及びR3の少なくとも二つはメトキシまたはエトキシであることが好ましい。
本発明の光・熱硬化性組成物に含有させるイミドシロキサン重合体(A)の合成に用いられる化合物(a3)は、以下の式(II)で表される化合物である。
メチル)ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン、ジフェニルシランジオールを挙げることができる。
これらの化合物のうち、アルコキシを一つ有するシランであるトリメチルメトキシシラン及びトリメチルエトキシシランは、得られる光・熱硬化性組成物の分子量制御に機能する観点から好ましい。
また、アルコキシを二つ有するシランであるジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、及びメチルフェニルジエトキシシランは、得られる光・熱硬化性組成物から形成される硬化膜において、耐クラック性を向上させる観点から好ましい。
また、(a1)と(a3)の比として通常1.0:0.5〜1.0〜10であり、1.0:1.0〜1.0:8.0であることが好ましく、1.0:1.0〜1.0:5.0であることがさらに好ましい。
なお、本発明の光・熱硬化性組成物に含有させるイミドシロキサン重合体(A)の含有量は、通常、光・熱硬化性組成物全量に対して10〜80重量%である。
本発明にて使用する有機溶媒(B)は、沸点が100〜300℃であるものが、得られる硬化膜の平坦性が高くなるので好ましい。有機溶媒(B)を含有する場合は、光・熱硬化性組成物全量の5〜80重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましく、20〜60重量%であることがさらに好ましい。
本発明の光・熱硬化性組成物には、光ラジカル開始剤(C)を含有させてもよい。光ラジカル開始剤(C)を添加すると、光・熱硬化性組成物を硬化させる際に、少ない露光量でも速く硬化させることができる。光ラジカル開始剤(C)としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チ
オキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチル
アントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル
)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2
−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−
クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−
メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−
クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,
2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカル
ボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(
2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ
ール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル
)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−
ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロー
ル−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニ
ル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(o−ベンゾイルオキシム)等が挙げられる。
これらの光ラジカル開始剤は1種であっても、2種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
本発明の光・熱硬化性組成物に光ラジカル開始剤を添加する場合には、光・熱硬化性組成物全量に対して、通常1.0〜10重量%含有させる。
本発明の光・熱硬化性組成物には、イミドシロキサン重合体(A)の他に、重合性モノマーあるいはオリゴマー(D)を添加してもよい。本発明における重合性モノマーあるいはオリゴマーとは、重合性二重結合を1以上有すれば特に限定されるものではないが、(メタ)アクリロイル基を1以上有していることが好ましい。
前記重合性二重結合を有する重合性モノマーあるいはオリゴマーの具体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]プロパン、(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)
アクリロキシポリエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレング
リコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグルセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの重合性二重結合を有する化合物は一種の化合物であっても、二種以上の異なる種類の混合物であってもよい。
本発明の光・熱硬化性組成物に重合性モノマーあるいはオリゴマーを添加する場合には、光・熱硬化性組成物全量に対して、通常20〜80重量%含有させる。
本発明の光・熱硬化性組成物において、イミドシロキサン重合体(A)に加えて、有機
溶媒(B)、光ラジカル開始剤(C)、重合性モノマーあるいはオリゴマー(D)のような任意の成分以外に、その他の成分がさらに含まれてもよい。その他の成分としては、界面活性剤、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤等の熱架橋剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤が挙げられる。前記他の成分は全体で一種でも二種以上でも添加してもよく、またそれぞれにおいても一種でも二種以上でもよい。
本発明の光・熱硬化性組成物は、塗布均一性をさらに向上させる観点から、界面活性剤をさらに含有してもよい。界面活性剤を含有させる場合、その含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.01〜8重量%であることがより好ましく、0.01〜5重量%であることがさらに好ましい。
熱硬化性組成物の塗布均一性を高める観点から好ましい。
本発明の光・熱硬化性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から、エポキシ樹脂をさらに含有してもよい。エポキシ樹脂の含有量は、上記光・熱硬化性組成物全量に対して、50重量%以下であることが好ましい。エポキシ樹脂を添加する場合、その含有量は通常3重量%以上である。
エポキシ樹脂の具体例としてはエピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P、エピコート871、エピコート872、エピコート4250、エピコート4275、エピコート1004、エピコート1256、YX8000(いずれも商品名;三菱化学(株))、アラルダイトCY177、アラルダイトCY184(いずれも商品名;日本チバガイギー(株))、セロキサイド2021P、EHPE−3150、エポリードPB3600(いずれも商品名;(株)ダイセル)、テクモアVG3101L(商品名;(株)プリンテック)、EPICLON TSR−960、EPICLON TSR−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1600−75X(いずれも商品名;DIC(株))、YD−171、YD−172、YD−175X75、PG−207、ZX−1627、YD−716(いずれも商品名;東都化成(株))、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4000S、アデカレジンEPB1200、アデカレジンEPB1200(いずれも商品名;(株)ADEKA)、EX−832、EX−841、EX−931、デナレックスR−45EPT(いずれも商品名;ナガセケムテックス(株))、BPO−20E、BPO−60E(いずれも商品名;新日本理化(株))、エポライト400E、エポライト400P、エポライト3002(いずれも商品名;共栄社化学(株))、SR−8EG、SR−4PG(いずれも商品名;阪本薬品(株))、Heloxy 84、Heloxy 505(いずれも商品名;Hexion(株))、SB−20G、IPU−22G(いずれも商品名;岡村製油(株))、EPB−13(商品名;日本曹達(株))が挙げられる。
本発明の光・熱硬化性組成物が、その他の成分としてエポキシ樹脂を含む場合は、硬化膜の耐熱性、耐薬品性、可撓性、柔軟性を向上させるためにエポキシ硬化剤をさらに含有することが好ましい。エポキシ硬化剤としては、例えばカルボン酸系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、及び触媒型硬化剤が挙げられる。エポキシ硬化剤は、着色の抑制及び耐熱性の点から、カルボン酸系硬化剤、酸無水物硬化剤、又はフェノール系硬化剤であることがより好ましい。
(商品名;DIC(株))、YH−306、YH−307、YH−309(いずれも商品名;三菱化学(株))、SL−12AH、SL−20AH、IPU−22AH(いずれも商品名;岡村製油(株))、OSA−DA、DSA、PDSA−DA(いずれも商品名;三洋化成(株))が挙げられる。
本発明の光・熱硬化性組成物は、耐候性の点から酸化防止剤をさらに含有してもよい。酸化防止剤の含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して、10重量%以下であることが好ましい。一方、酸化防止剤を含有させる場合、その含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して、通常0.1重量%以上である。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物が挙げられ、中でもヒンダードフェノール系がより好ましい。
本発明の光・熱硬化性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から密着性向上剤をさらに含有してもよい。密着性向上剤の含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。一方、密着性向上剤を含有させる場合、その含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して、通常1重量%以上である。
レート等のアルミニウム系カップリング剤、及びテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
本発明の光・熱硬化性組成物は、硬化膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。紫外線吸収剤の含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して10重量%以下であることが好ましい。一方、紫外線吸収剤を含有させる場合、その含有量は、光・熱硬化性組成物全量に対して、通常1重量%以上である。
本発明の光・熱硬化性組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましく、−20℃〜10℃であればより好ましい。
形成する硬化膜の膜厚により、本発明の光・熱硬化性組成物を上記有機溶媒でさらに希釈して、塗布液を調製してもよい。
本発明の硬化膜は、前述した本発明の光・熱硬化性組成物を用いて形成された塗膜を光・熱によって硬化させて得られる膜である。塗膜は、基板上に本発明の光・熱硬化性組成物を塗布することによって形成することができる。基板及び塗布方法には、表示素子において通常使用される基板や技術を用いることができる。
、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板等を挙げることができる。これらの基板には、所望によりシランカップリング剤等の薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を行うことができる。
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、化合物(a1)としてマレイン酸無水物、化合物(a2)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン、化合物(a3)としてトリメチルメトキシシラン、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去し、イミドシロキサン重合体(A1)の46.2重量%溶液を得た(溶液濃度は、合成したA1溶液をガラス基板にバーコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間乾燥させ、乾燥前後の重量変化から算出した)。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 32.60g
マレイン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 22.60g
トリメチルメトキシシラン 10.60g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0163g
攪拌器付4つ口フラスコに、化合物(a2)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン、化合物(a3)としてトリメチルメトキシシラン、水を下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去した。さらに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、化合物(a1)としてマレイン酸無水物、ジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後留去して低沸点成分を除去し、イミドシロキサン重合体(A2)の49.5重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 32.60g
マレイン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 22.60g
トリメチルメトキシシラン 10.60g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0163g
水 7.351g
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、化合物(a1)としてイタコン酸無水物、化合物(a2)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン、化合物(a3)としてトリメチルメトキシシラン、重合禁止剤とし
てジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去し、イミドシロキサン重合体(A3)の50.0重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 29.80g
イタコン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 19.80g
トリメチルメトキシシラン 9.300g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0149g
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、化合物(a1)としてイタコン酸無水物、化合物(a2)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン、化合物(a3)としてトリメチルメトキシシラン、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去し、イミドシロキサン重合体(A4)の49.8重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 29.80g
イタコン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 19.80g
ジメチルジメトキシシラン 13.20g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0149g
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてエタノール、化合物(a1)としてイタコン酸無水物、化合物(a2)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン、化合物(a3)としてトリメチルメトキシシラン、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を減圧留去により除去し、有効成分100%のイミドシロキサン重合体(A5)を得た。
エタノール 29.80g
イタコン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 19.80g
ジメチルジメトキシシラン 13.20g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0149g
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、マレイン酸無水物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去し、重合体(E1)の48.0重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 32.60g
マレイン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 22.60g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0163g
攪拌器付4つ口フラスコに、有機溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、イタコン酸無水物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを下記の重量で仕込み、還流温度で3時間加熱し、その後、低沸点成分を常圧留去により除去し、重合体(E2)の49.0重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 29.80g
イタコン酸無水物 10.00g
3−アミノプロピルトリエトキシシラン 19.80g
ジブチルヒドロキシトルエン 0.0163g
合成例1で得られたイミドシロキサン重合体(A1)溶液を10gに対して界面活性剤BYK342を0.01g混合溶解し、メンブレンフィルター(口径0.2μm)で濾過して光・熱硬化性組成物を得た。
得られた光・熱硬化性組成物を用いて以下の評価を行なった。
1)透明膜の形成
4cm角、厚さ0.7mmのガラス基板上に光・熱硬化性組成物を10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で5分間プリベイクを行った。さらに、この基板を230℃にて30分間ポストベイクし、膜厚が約1μmの透明膜を形成した。オーブンから取り出した基板を室温まで戻した後、得られた透明膜の膜厚を測定した。膜厚の測定にはKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計P−15を使用し、3箇所の測定の平均値を透明膜の膜厚とした。
上記1)で得られた透明膜の表面粗度(Ra値)を測定した。Ra値が2nm未満の場合は良好(○)と、2nm以上の場合は不良(×)と判定した。測定にはKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計P−15を使用し、3箇所の測定の平均値を透明膜の表面粗度とした。
光硬化を確認するために、超高圧水銀灯ランプにて1000mJ/cm2光照射し、膜表面のタック性有無を確認して、光硬化性を判断した。光照射後にタックが消失した場合を光硬化性○、タックが残ったままの場合は×とした。
230℃で30分間ポストベイクした後、さらに230℃で60分間追加ベイクを行い、その前後での膜厚変化を測定して残膜率を算出した。残膜率は次式から計算した。
(追加ベイク後膜厚/ポストベイク後膜厚)×100(%)
膜厚の変化が−5%以下の場合は良好(○)、5%を超えた場合は×と判定した。
230℃で30分間ポストベイクしたフィルムを作成し、水中に23℃で24時間浸漬処理し、その前後の重量変化から吸水率を算出した。吸水率は次式から計算した。
(水浸漬後のフィルム重量/ポストベイク後のフィルム重量−1)×100(%)
得られた硬化膜付きガラス基板において、紫外可視近赤外分光光度計(商品名;V−670、日本分光(株)製)により硬化膜のみの光の波長400nmでの透過率を測定した。透過率が90%以上の場合を○、90%未満の場合を×とした。
得られた硬化膜付きガラス基板に、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に40℃で10分間浸漬処理、36%塩酸/60%硝酸/水=40/20/40からなる混合液(重量比)に40℃で3分間浸漬処理、N−メチル−2−ピロリドン中に25℃で30分間浸漬処理
を別々に施した。処理後の残膜率が95%以上である場合を○とし、それ以下を×とした。
残膜率=(処理後の膜厚/ポストベイク後膜厚)×100
実施例1と同様にして、合成例2〜4で得られたイミドシロキサン溶液(A2)〜(A4)についても光・熱硬化性組成物を調製し、評価を行った。ただし、合成例5のイミドシロキサン(A5)を用いた実施例5では、イミドシロキサン(A5)の5gにジエチレングリコールメチルエチルエーテルを5g加えて希釈した。評価結果を表1に示す。
比較合成例1、2で得られた重合体(E1)及び重合体(E2)に関しても、実施例1と同様に組成物を調製し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- イタコン酸無水物及びマレイン酸無水物から選ばれる一種以上の化合物(a1)、下記式(I)で表される化合物(a2)、下記式(II)で表される化合物(a3)(ただし、一般式:Q−Si(OR) 3 で表されるシラン化合物を除く。Qはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又は水素原子であり、Rは水素原子または一価の有機基である。)の反応物であるイミドシロキサン重合体(A)と、光ラジカル開始剤(C)を含有する、光・熱硬化性組成物。
(式(I)中、Xは炭素数1〜5のアルキレンまたはフェニレンを表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキルまたは炭素数1〜5のアルコキシであり、R1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数1〜5のアルコキシである。)
(式(II)中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立して、ヒドロキシル、分岐鎖または環状構造を有してもよい炭素数1〜8のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシであり、R4、R5、R6及びR7の少なくとも一つが、ヒドロキシルまたは炭素数1〜5のアルコキシである。) - 有機溶媒(B)を含む、請求項1に記載の光・熱硬化性組成物。
- 重合性モノマーあるいはオリゴマー(D)を含む、請求項1または2に記載の光・熱硬化性組成物。
- 前記式(II)で表される化合物(a3)が、アルコキシを一つまたは二つ有するシランである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光・熱硬化性組成物。
- 前記式(I)において、Xは炭素数3または4のアルキレンまたはフェニレンであり、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、メチル、メトキシまたはエトキシであり、R1、R2及びR3の少なくとも二つはメトキシまたはエトキシであり、前記式(II)において、R4、R5、R6及びR7のうち、少なくとも一つがメトキシまたはエトキシであり、それ以外のものが分岐鎖または環状構造を有してもよい炭素数1〜8のアルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光・熱硬化性組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載された光・熱硬化性組成物を用いて得られる硬化膜。
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