JP2004315683A - 光透明性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光透過性、及び耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、硬化剤として(B)環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、 環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する光透明性エポキシ樹脂組成物。
【解決手段】(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、硬化剤として(B)環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、 環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する光透明性エポキシ樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光透過性、及び耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物において、その使用される用途に透明性が必要である場合、通常硬化剤として一般的に酸無水物が用いられる。例えば、オプトエレクトロニクス関連分野では酸無水物を硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物が透明性に優れ、又、波長900〜1000nmの近赤外領域での透過率にも優れているのでフォトセンサー等に使用されている。しかし、酸無水物を用いたエポキシ樹脂組成物は、例えば温度100〜125℃、湿度85〜100%RHという高温高湿条件下に置かれた場合、酸無水物とエポキシ基の反応により生じたエステル基が加水分解され白濁して光透過率が著しく低下するという欠点を有している。また、親水性が高いため、一般に樹脂組成物の吸水率が高くなり、表面実装型パッケージをIRリフロー等で実装した場合、熱衝撃によるパッケージのクラックや、素子・リードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離が生じやすいという問題がある。この問題点を改良するためシリコーンオイルを添加して耐湿性を良くする方法(特許文献1)、カップリング剤を添加し耐湿性を良くする方法(特許文献2)等が提案されているが、未だ満足するものは得られていない。従って耐湿性が必要とされるエリアセンサー等の用途にはガラスを用いて気密封止した光半導体が用いられているが組立コストが高いという欠点がある等の問題がある。
【0003】
更に、酸無水物はエポキシ樹脂組成物にした場合、徐々に反応が進行し増粘しやすく、またゲルタイムが短くなったりする等保存安定性が悪く、また固形の酸無水物に至っては、その融点の高さから取り扱いに困難をきたす場合も多々ある。
【特許文献1】
特開昭61−127723号公報
【特許文献2】
特開昭61−127724号公報
【非特許文献1】
J. Org. Chem. 1995, 60, 3612−3618
Products from the Acid−Catalyzed Reaction of Cyclic Monoterpenes and Phenol
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を有しながらも硬化着色の問題より使用せざるを得なかった酸無水物系硬化剤を使用することなく、透明性を付与できる光透明性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記問題点を満足させる光透明性エポキシ樹脂組成物が得られることを見出したものである。即ち本発明は
(1)(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤として環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する光透明性エポキシ樹脂組成物、
(2)光半導体用である(1)記載の光透明性エポキシ樹脂組成物、
(3)カラーフィルター保護膜用である(1)記載の光透明性エポキシ樹脂組成物、
(4)(1)記載のエポキシ樹脂組成物で封止された光半導体、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。なお、以下において「%」および「部」は、特記しない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0007】
本発明の光透明性エポキシ樹脂組成物は、(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤として環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する
【0008】
本発明において使用する、一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(多官能エポキシ樹脂)としては、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、また、2種以上を混合しても良い。また、場合により、得られる塗膜の耐熱耐黄変性、透明性等の物性を阻害しない範囲内で他の単官能エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を混合してもよい。
【0009】
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2−[4−(2,3−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ジメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
【00010】
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
【00011】
脂環式多官能エポキシ樹脂としてはシクロヘキサン等の脂肪族環骨格を有する脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類、複素環式多官能エポキシ樹脂としてはイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としてはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂としてはアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としてはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0012】
また、場合により併用してもよい単官能エポキシ樹脂としては脂環式単官能エポキシ樹脂、脂肪族系単官能エポキシ樹脂、複素環式単官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系単官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系単官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した単官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0013】
また、本発明の組成物において、多官能エポキシ樹脂に、所望により配合してもよい単官能エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等は、組成物の耐熱耐黄変性、透明性等の物性を実質的に低下させない範囲内であれば特に制限はないが、通常多官能エポキシ樹脂100部に対して0〜20部程度の範囲である。
【0014】
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては、特に制限はないが、透明性の観点から着色性の少ないものがより好ましい。通常ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2−[4−(2,3−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、2,6−ジtert−ブチルハイドロキノン、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジル化物である多官能エポキシ樹脂、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル類、トリグリシジルイソシアヌレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが好ましく用いられる。 更に、これらエポキシ樹脂は耐熱性付与等必要に応じ1種又は2種以上の混合物として併用することが出来る。
【0015】
本発明で用いる硬化剤(B)は、環状テルペン化合物一分子にフェノール類を2分子付加させてなるテルペン骨格含有多価フェノールであり、環状テルペン化合物とフェノール類とを塩酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、三フッ化ホウ素又はその錯体、活性白土等の酸性触媒の存在下50〜150℃に過熱することにより得られる。環状テルペン化合物の1,3−ジフェノール体を得るためには、例えばγ−型テルピネンを用い、非特許文献1に記載された方法に準じればよい。
【0016】
また、上述のようにして得られたテルペン骨格含有1,3−ジフェノール体を使用し、アルデヒド類又はケトン類を用いて通常の方法により縮合することにより高分子量化した多官能フェノール体を得ることが出来る。ここでアルデヒド類又はケトン類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトン、シクロヘキサノン等の炭素数1〜6の脂肪族アルデヒド若しくはケトン又はヒドロキシ基などの置換基を有してもよいベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0017】
このように、フェノール類を付加させる際に、付加位置を1,3位に選択することにより、よりフェノール化合物単体の着色が小さく、また、組成物にした際の硬化着色性を低減することが出来る。
【0018】
該環状テルペン骨格含有多価フェノール化合物は本発明において硬化剤として作用し、通常単独で使用されるが場合により、他の硬化剤を組み合わせて用いてもよい。併用する場合には、得られる硬化物の耐熱耐黄変性、透過率等の物性を低下させない範囲で使用するのが好ましい。併用する硬化剤としては酸無水物系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤等を挙げることができる。
【0019】
酸無水物系硬化剤としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物が挙げられる。
【0020】
アミン系硬化剤としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン類が挙げられる。
【0021】
フェノール系硬化剤としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
【0022】
ヒドラジド系硬化剤としては、例えばカルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド系硬化剤、ピロメリット酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド等の多官能ヒドラジド系硬化剤が挙げられる。
【0023】
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の官能基の当量比において通常0.2〜1.8、好ましくは0.4〜1.4、更に好ましくは0.6〜1.2の範囲で用いられる。
【0024】
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニュウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニュウムブロマイド等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件といった得られる透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。
【0025】
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100部に対し通常0.1〜5部の範囲で使用される。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、目的に応じ着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。着色剤としては特に制限はなく、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料が挙げられる。
【0027】
レベリング剤としてはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。滑剤としてはパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシュウム、カルシュウム、カドニュウム、バリュウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルナウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
【0028】
カップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニュウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニュウム、或いはアルミニュウム系カップリング剤が挙げられるが、好ましくはシラン系カップリング剤である。カップリング剤を使用する事により耐湿信頼性が優れる硬化物が得られる。
【0029】
本発明で得られる組成物は、例えば、フォトダイオード、フォトカプラー、LD、フォトセンサー、トランシーバー等の光半導体の封止用エポキシ樹脂組成物として使用することが出来る。これら光半導体を得るには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来の成型方法で成形すれば良い。
【0030】
また、特に高温時における硬化物の変色が少ないことより、組み立て工程中、ITO蒸着や配向膜塗布工程時に200℃以上の高温負荷がかかるLCDパネルにおいて、着色膜の保護膜用途に有用である。本発明の組成物を用いて、保護膜用組成物を調整するには、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶剤に溶解させ、適当な界面活性剤を添加し得ることが出来る。この溶液を用いて着色膜の保護膜を形成するには、例えばスピンコート等による通常の方法で薄膜を得ることが出来る。
【0031】
本発明の組成物は、透明性が必要とされる分野において特に有用ではあるが、耐湿性、高温時の変色に優れている面から、例えばシリカ化合物、アルミナ、炭酸カルシウム等のフィラー等を含有した半透明、及び/または、非透明の組成物としても応用が可能である。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤並びに必要によりカップリング剤、着色剤及びレベリング剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練し冷却後、粉砕して粉末状として得ることができる。一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散して本発明のエポキシ樹脂組成物とする。また、製品形態がワニスの場合は、適当な溶剤に溶解させて本発明のエポキシ樹脂組成物とする。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜2、比較例1〜2
下記に示す原料を表1の「配合物の組成」に示す重量割合で混合し、本発明または比較用のエポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂1:脂環型多官能エポキシ樹脂(ダイセル化学製EHPE3150、エポキシ当量180eq/g)
エポキシ樹脂2:芳香型多官能エポキシ樹脂(三井化学製VG3101、エポキシ当量210eq/g)
エポキシ樹脂3:ビフェノール含有多官能エポキシ樹脂(日本化薬製NC3000、エポキシ当量274eq/g)
硬化剤1:環状テルペン含有ジフェノール(1,3−体)
硬化剤2:フェノールノボラック樹脂(明和化学製H−1)
硬化剤3:トリメリット酸無水物(試薬)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(TPP:試薬)
【0035】
実施例、比較例で得られたエポキシ樹脂組成物につき、下記の物性試験を行い。その結果を表1の「硬化物の物性の欄」に示した。
(光透過性)実施例または比較例で得られた組成物を、低圧トランスファーを用い、金型温度150℃、脱型時間10分、ポストキュア150℃×1時間の硬化条件で厚み1mm、20mm×15mmの試験片を作成した。これらの試験片を用い、分光光度計により透過率を測定し550nmの透過率を表1に示した。
(耐変色性)上記試験片を、150℃に168時間放置した後の、550nmの透過率を測定した。
(耐湿性)上記試験片を、85℃、85%RHの条件下、168時間放置した後の、550nmの透過率を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明により表1の耐湿性試験結果から明らかなように耐湿性、透明性、耐変色性に優れる光透明性エポキシ樹脂組成物が得られた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光透過性、及び耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物において、その使用される用途に透明性が必要である場合、通常硬化剤として一般的に酸無水物が用いられる。例えば、オプトエレクトロニクス関連分野では酸無水物を硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物が透明性に優れ、又、波長900〜1000nmの近赤外領域での透過率にも優れているのでフォトセンサー等に使用されている。しかし、酸無水物を用いたエポキシ樹脂組成物は、例えば温度100〜125℃、湿度85〜100%RHという高温高湿条件下に置かれた場合、酸無水物とエポキシ基の反応により生じたエステル基が加水分解され白濁して光透過率が著しく低下するという欠点を有している。また、親水性が高いため、一般に樹脂組成物の吸水率が高くなり、表面実装型パッケージをIRリフロー等で実装した場合、熱衝撃によるパッケージのクラックや、素子・リードフレームとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離が生じやすいという問題がある。この問題点を改良するためシリコーンオイルを添加して耐湿性を良くする方法(特許文献1)、カップリング剤を添加し耐湿性を良くする方法(特許文献2)等が提案されているが、未だ満足するものは得られていない。従って耐湿性が必要とされるエリアセンサー等の用途にはガラスを用いて気密封止した光半導体が用いられているが組立コストが高いという欠点がある等の問題がある。
【0003】
更に、酸無水物はエポキシ樹脂組成物にした場合、徐々に反応が進行し増粘しやすく、またゲルタイムが短くなったりする等保存安定性が悪く、また固形の酸無水物に至っては、その融点の高さから取り扱いに困難をきたす場合も多々ある。
【特許文献1】
特開昭61−127723号公報
【特許文献2】
特開昭61−127724号公報
【非特許文献1】
J. Org. Chem. 1995, 60, 3612−3618
Products from the Acid−Catalyzed Reaction of Cyclic Monoterpenes and Phenol
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点を有しながらも硬化着色の問題より使用せざるを得なかった酸無水物系硬化剤を使用することなく、透明性を付与できる光透明性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記問題点を満足させる光透明性エポキシ樹脂組成物が得られることを見出したものである。即ち本発明は
(1)(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤として環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する光透明性エポキシ樹脂組成物、
(2)光半導体用である(1)記載の光透明性エポキシ樹脂組成物、
(3)カラーフィルター保護膜用である(1)記載の光透明性エポキシ樹脂組成物、
(4)(1)記載のエポキシ樹脂組成物で封止された光半導体、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。なお、以下において「%」および「部」は、特記しない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0007】
本発明の光透明性エポキシ樹脂組成物は、(A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤として環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに、酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する
【0008】
本発明において使用する、一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(多官能エポキシ樹脂)としては、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、また、2種以上を混合しても良い。また、場合により、得られる塗膜の耐熱耐黄変性、透明性等の物性を阻害しない範囲内で他の単官能エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を混合してもよい。
【0009】
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2−[4−(2,3−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、ジメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログリシノール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
【00010】
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノール類、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
【00011】
脂環式多官能エポキシ樹脂としてはシクロヘキサン等の脂肪族環骨格を有する脂環式多官能エポキシ樹脂、脂肪族系多官能エポキシ樹脂としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル類、複素環式多官能エポキシ樹脂としてはイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としてはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸エステル類からなるエポキシ樹脂、グリシジルアミン系多官能エポキシ樹脂としてはアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としてはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂が挙げられる。
【0012】
また、場合により併用してもよい単官能エポキシ樹脂としては脂環式単官能エポキシ樹脂、脂肪族系単官能エポキシ樹脂、複素環式単官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル系単官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン系単官能エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化した単官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0013】
また、本発明の組成物において、多官能エポキシ樹脂に、所望により配合してもよい単官能エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等は、組成物の耐熱耐黄変性、透明性等の物性を実質的に低下させない範囲内であれば特に制限はないが、通常多官能エポキシ樹脂100部に対して0〜20部程度の範囲である。
【0014】
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては、特に制限はないが、透明性の観点から着色性の少ないものがより好ましい。通常ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2−[4−(2,3−ヒドロキシフェニル)−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−ヒドロキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、2,6−ジtert−ブチルハイドロキノン、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類のグリシジル化物である多官能エポキシ樹脂、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル類、トリグリシジルイソシアヌレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルが好ましく用いられる。 更に、これらエポキシ樹脂は耐熱性付与等必要に応じ1種又は2種以上の混合物として併用することが出来る。
【0015】
本発明で用いる硬化剤(B)は、環状テルペン化合物一分子にフェノール類を2分子付加させてなるテルペン骨格含有多価フェノールであり、環状テルペン化合物とフェノール類とを塩酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、三フッ化ホウ素又はその錯体、活性白土等の酸性触媒の存在下50〜150℃に過熱することにより得られる。環状テルペン化合物の1,3−ジフェノール体を得るためには、例えばγ−型テルピネンを用い、非特許文献1に記載された方法に準じればよい。
【0016】
また、上述のようにして得られたテルペン骨格含有1,3−ジフェノール体を使用し、アルデヒド類又はケトン類を用いて通常の方法により縮合することにより高分子量化した多官能フェノール体を得ることが出来る。ここでアルデヒド類又はケトン類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトン、シクロヘキサノン等の炭素数1〜6の脂肪族アルデヒド若しくはケトン又はヒドロキシ基などの置換基を有してもよいベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0017】
このように、フェノール類を付加させる際に、付加位置を1,3位に選択することにより、よりフェノール化合物単体の着色が小さく、また、組成物にした際の硬化着色性を低減することが出来る。
【0018】
該環状テルペン骨格含有多価フェノール化合物は本発明において硬化剤として作用し、通常単独で使用されるが場合により、他の硬化剤を組み合わせて用いてもよい。併用する場合には、得られる硬化物の耐熱耐黄変性、透過率等の物性を低下させない範囲で使用するのが好ましい。併用する硬化剤としては酸無水物系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤等を挙げることができる。
【0019】
酸無水物系硬化剤としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物が挙げられる。
【0020】
アミン系硬化剤としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン類が挙げられる。
【0021】
フェノール系硬化剤としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
【0022】
ヒドラジド系硬化剤としては、例えばカルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド系硬化剤、ピロメリット酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド等の多官能ヒドラジド系硬化剤が挙げられる。
【0023】
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の官能基の当量比において通常0.2〜1.8、好ましくは0.4〜1.4、更に好ましくは0.6〜1.2の範囲で用いられる。
【0024】
本発明で用いられる硬化促進剤(C)としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類、ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニュウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニュウムブロマイド等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件といった得られる透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。
【0025】
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100部に対し通常0.1〜5部の範囲で使用される。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、目的に応じ着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。着色剤としては特に制限はなく、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料が挙げられる。
【0027】
レベリング剤としてはエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。滑剤としてはパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシュウム、カルシュウム、カドニュウム、バリュウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルナウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
【0028】
カップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニュウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニュウム、或いはアルミニュウム系カップリング剤が挙げられるが、好ましくはシラン系カップリング剤である。カップリング剤を使用する事により耐湿信頼性が優れる硬化物が得られる。
【0029】
本発明で得られる組成物は、例えば、フォトダイオード、フォトカプラー、LD、フォトセンサー、トランシーバー等の光半導体の封止用エポキシ樹脂組成物として使用することが出来る。これら光半導体を得るには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来の成型方法で成形すれば良い。
【0030】
また、特に高温時における硬化物の変色が少ないことより、組み立て工程中、ITO蒸着や配向膜塗布工程時に200℃以上の高温負荷がかかるLCDパネルにおいて、着色膜の保護膜用途に有用である。本発明の組成物を用いて、保護膜用組成物を調整するには、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶剤に溶解させ、適当な界面活性剤を添加し得ることが出来る。この溶液を用いて着色膜の保護膜を形成するには、例えばスピンコート等による通常の方法で薄膜を得ることが出来る。
【0031】
本発明の組成物は、透明性が必要とされる分野において特に有用ではあるが、耐湿性、高温時の変色に優れている面から、例えばシリカ化合物、アルミナ、炭酸カルシウム等のフィラー等を含有した半透明、及び/または、非透明の組成物としても応用が可能である。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤並びに必要によりカップリング剤、着色剤及びレベリング剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練し冷却後、粉砕して粉末状として得ることができる。一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散して本発明のエポキシ樹脂組成物とする。また、製品形態がワニスの場合は、適当な溶剤に溶解させて本発明のエポキシ樹脂組成物とする。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜2、比較例1〜2
下記に示す原料を表1の「配合物の組成」に示す重量割合で混合し、本発明または比較用のエポキシ樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂1:脂環型多官能エポキシ樹脂(ダイセル化学製EHPE3150、エポキシ当量180eq/g)
エポキシ樹脂2:芳香型多官能エポキシ樹脂(三井化学製VG3101、エポキシ当量210eq/g)
エポキシ樹脂3:ビフェノール含有多官能エポキシ樹脂(日本化薬製NC3000、エポキシ当量274eq/g)
硬化剤1:環状テルペン含有ジフェノール(1,3−体)
硬化剤2:フェノールノボラック樹脂(明和化学製H−1)
硬化剤3:トリメリット酸無水物(試薬)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(TPP:試薬)
【0035】
実施例、比較例で得られたエポキシ樹脂組成物につき、下記の物性試験を行い。その結果を表1の「硬化物の物性の欄」に示した。
(光透過性)実施例または比較例で得られた組成物を、低圧トランスファーを用い、金型温度150℃、脱型時間10分、ポストキュア150℃×1時間の硬化条件で厚み1mm、20mm×15mmの試験片を作成した。これらの試験片を用い、分光光度計により透過率を測定し550nmの透過率を表1に示した。
(耐変色性)上記試験片を、150℃に168時間放置した後の、550nmの透過率を測定した。
(耐湿性)上記試験片を、85℃、85%RHの条件下、168時間放置した後の、550nmの透過率を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明により表1の耐湿性試験結果から明らかなように耐湿性、透明性、耐変色性に優れる光透明性エポキシ樹脂組成物が得られた。
Claims (4)
- (A)一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤として、環状テルペンの1位及び3位にフェノール類を付加させた環状テルペン骨格含有ジフェノール、及び/又は、該環状テルペン骨格含有ジフェノールに酸性触媒の存在下にさらにアルデヒド類及び/又はケトン類を縮合反応させて得られた化合物、(C)硬化促進剤を必須成分として含有する光透明性エポキシ樹脂組成物。
- 光半導体用である請求項1記載の光透明性エポキシ樹脂組成物。
- カラーフィルター保護膜用である請求項1記載の光透明性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物で封止された光半導体。
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JP5329043B2 (ja) * | 2004-12-16 | 2013-10-30 | 株式会社ダイセル | 熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びその用途 |
US9464163B2 (en) | 2012-12-26 | 2016-10-11 | Central Glass Company, Limited | Novolak resin containing hexafluoroisopropanol group, method for producing same, and composition of same |
-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112575A patent/JP2004315683A/ja active Pending
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