JP5392089B2 - 皮膚の乾癬予防または改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ピロロキノリンキノンもしくはそのエステル、またはその塩を有効成分として含有する皮膚の乾癬予防または改善剤に関する。
皮膚は生命活動を維持するための防御器官としてバリア機能を有していると同時に、表面を見ると、なめらかである、かさかさしている、シワが刻まれているなど、美容的な役割も担っている器官と言える。皮膚のバリア機能発現には主に角層における角層細胞間脂質や天然保湿因子によって水分が保持されることが重要であり、角層の水分含量と皮膚表面の性状、例えば、なめらかである、かさかさしている、といったこととは相関していることが知られている(非特許文献1参照)。
これまで、皮膚の保湿性を維持または改善する手段として、ワセリン軟膏や油中水型乳化製剤などの閉塞剤により角層バリア機能を補う方法、ソルビトールやグリセリンなどの保湿剤により角層水分量を補う方法、グリチルリチン酸などの抗炎症剤により皮膚炎症を鎮める方法、ビタミン、ホルモンなどにより皮膚細胞を活性化する方法等が用いられている(非特許文献2参照)。
乾癬は、鱗屑を伴った慢性の炎症性角化症であり、表皮細胞の過増殖・分化異常、血管新生、活性化T細胞(CD3陽性細胞)の表皮/真皮への浸潤を特徴とする疾患である。乾癬の治療には、上述のような各種の抗炎症剤が用いられ、また保湿剤等が併用されているが、いずれも対症療法であり、現在のところ根治療法は知られていない。
ピロロキノリンキノン(以下、PQQという)は1979年メタノール資化性菌のメタノール脱水素酵素の補酵素として見出され(非特許文献3、4参照)、細菌類以外にも、大豆、空豆、ピーマン、ジャガイモ、パセリ、ホウレンソウなどの食用植物や、酢、茶、ココア、納豆、豆腐等の加工食品からも検出されている(非特許文献5参照)。また、ヒトやラットの生体内にも存在すること(非特許文献6参照)が報告されており、安全性の高い物質である。
PQQの作用としては、細胞の増殖促進作用(特許文献1参照)、活性酸素除去作用(特許文献2参照)、メラニン産生抑制及び美白作用(特許文献3参照)、紫外線吸収作用(特許文献4参照)、抗アレルギー作用(特許文献5参照)などが知られている。
しかしながら、PQQもしくはそのエステル、またはそれらの塩により皮膚の乾癬予防または改善効果が得られることは知られていない。
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本発明の目的は、皮膚の乾癬予防または改善剤を提供することにある。
本発明は、下記の(1)に示すような皮膚の乾癬予防または改善剤を提供するものである。また、下記(2)に示すような乾癬の予防または改善方法、および下記(3)の使用方法を提供する。
(1)一般式(I)
Figure 0005392089
(式中、R、RおよびRは同一または異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、アラアリール、フェニル、水素原子を表す。)で表される化合物[以下、化合物(I)という]、またはその塩を有効成分として含有する皮膚の乾癬予防または改善剤。
(2) 一般式(I)
Figure 0005392089
(式中、R、RおよびRは同一または異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、アラアリール、フェニル、水素原子を表す。)で表される化合物、またはその塩の治療学的に有効な量を患者に投与することを含む、皮膚の乾癬を予防または改善する方法。
(3) 皮膚の乾癬予防または改善剤を製造するための、一般式(I)
Figure 0005392089
(式中、R、RおよびRは同一または異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、アラアリール、フェニル、水素原子を表す。)で表される化合物、またはその塩の使用。
本発明により、皮膚の乾癬予防または改善剤を提供することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2007-296022号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
化合物(I)の定義において、式中、R、RおよびRは同一または異なって、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、アラアリール(アルキルアリール)、フェニル、水素原子を表すが、これらの低級アルキルおよびアラルキル、アラアリールのアルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキルがあげられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等があげられ、中でも、メチルまたはエチルが好ましい。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニルがあげられ、より具体的にはビニル、アリル、1−プロペニルメタクリル、クロチル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル等があげられる。
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルがあげられ、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等があげられる。
アラルキルとしては、例えば炭素数7〜15のアラルキルがあげられ、より具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチル等があげられる。
アラアリールのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。したがって、アラアリールとしては、メチルフェニル、エチルフェニル等があげられる。
PQQ、すなわち上述の一般式(I)においてR、RおよびRがいずれも水素原子である化合物は、有機化学的方法(例えば、J.Am.Chem.Soc.,103,5599−5600(1981))および発酵法、例えば、メタノール資化性を有し、かつピロロキノリンキノンを生産する能力を有する細菌を、炭素源としてメタノールを含有し鉄化合物の濃度を制御した培養液中で培養することによりピロロキノリンキノンを生産する方法(特開平1−218597号公報)などにより製造することが可能である。
化合物(I)で示されるPQQのエステル体の製造法は、PQQより常法のエステル化反応に従って合成することができる。
PQQのトリエステル体は、例えば、PQQまたはその塩を酸性条件下でアルコール類と反応させる方法(例えば、特開平3−123781号公報、特開平3−145492号公報)や、PQQまたはその塩を塩基の存在下でハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アラアリール等と反応させる方法などにより容易に合成することができる。また、上記方法によって得られるPQQのトリエステル体を酸性あるいは塩基性条件下で部分加水分解することで、モノエステル体、ジエステル体を得ることができる。
このようにして得られる化合物(I)は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、および溶媒抽出法などの通常の方法により、反応液中から分離・精製することができる。また、化合物(I)の同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析などの各種手段が用いられる。
化合物(I)の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の有機アミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等があげられる。
本発明の剤により、表皮の肥厚とT細胞の浸潤を特徴とする乾癬を予防または改善することができる。
本発明の皮膚の乾癬予防または改善剤としては、化合物(I)またはその塩をそのまま投与することも可能であるが、通常各種の製剤として提供するのが望ましい。
製剤は、有効成分として化合物(I)またはその塩を含有するが、さらに任意の他の治療のための有効成分を含有していてもよい。また、それら製剤は、有効成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与等の非経口投与をあげることができるが、経口投与が好ましい。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。
経口剤として製剤化する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物である場合は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等の場合には、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば食甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。
経口投与に適当な製剤は、そのまま、または例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態のものであってもよい。また、皮膚の乾癬予防または改善用の健康食品、機能性食品、栄養補助食品、特定保健用食品等の飲食品として用いてもよい。
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張である化合物(I)またはその塩を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、潤沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種またはそれ以上の補助成分を添加することができる。
本発明の皮膚の乾癬予防または改善剤における化合物(I)またはその塩の濃度は、製剤の種類、該製剤の投与により期待する効果等に応じて適宜選択されるが、例えば経口剤の場合、化合物(I)またはその塩として、通常は0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜70重量%、特に好ましくは1〜50重量%である。
本発明の皮膚の乾癬予防または改善剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、通常、成人一日当り、化合物(I)またはその塩として、通常は0.5mg〜10000mg、好ましくは0.5mg〜5000mg、より好ましくは5mg〜1000mgとなるように、一日一回ないし数回投与する。
投与期間は、特に限定されないが、通常は1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間である。
なお、本発明の製剤は、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物(以下、非ヒト動物と略す)に対しても使用することができる。非ヒト動物としては、ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等、好ましくはほ乳類に属する非ヒト動物をあげることができる。
本発明の皮膚の乾癬予防または改善剤を非ヒト動物に投与する場合の投与量および投与回数は、投与形態、動物の年齢、種類等により異なるが、体重1kg1日あたり、化合物(I)またはその塩として、通常は0.01mg〜200mg、好ましくは0.1mg〜100mg、より好ましくは0.1mg〜20mgとなるように一日一回ないし数回投与する。投与期間は、特に限定されないが、通常は1日間〜1年間、好ましくは2週間〜3ヶ月間である。
以下に、化合物(I)による皮膚の乾癬予防または改善効果を調べた試験例を示す。
(試験例)
試験には、HOS:HR−1マウス(メス、4週齢、星野試験動物飼育所より購入)を用いた。飼育は、室温22±3℃、湿度50±25%の条件下で行い、飼料および水は自由摂取とした。
各試験群は8匹のマウスで構成し、第1群のマウスには市販粉末飼料CE−2を、第2群のマウスには特殊飼料(日本農産工業株式会社製)を、第3群のマウスには0.0089重量%のピロロキノリンキノン二ナトリウム塩(以下、PQQ二ナトリウム塩という、三菱瓦斯化学社製)を含有する特殊飼料をそれぞれ給餌した。なお、上記特殊飼料を給餌することにより、HOS:HR−1マウスに乾燥肌が誘発されることが知られている(The Journal of international medical research pharmacology, 32, 392−399(2004))。
各飼料の給餌開始時、2週間後、4週間後および6週間後に、各マウスの右臀部の経表皮水分損失量(transepidermal water loss:TEWL)をTewameter TM210(Courage+Khazaka electronic GmbH,ドイツ)を用いて測定し、各群における平均値を算出した。試験開始0週間から6週間後の経表皮水分損失量(TEWL値)の測定結果を表1に示す。
表1から明らかなように、乾燥肌が誘発された第2群では、第1群と比較して有意に経表皮水分損失量(TEWL値)が増加した。一方、PQQ二ナトリウム塩を添加した第3群では、PQQ二ナトリウム塩を添加していない第2群に比べて経表皮水分損失量(TEWL値)が抑制された。
Figure 0005392089
また、皮表水分含量(コンダクタンス)をSKICON−200(IBS社製)を用いて測定し、各群における平均値を算出した。試験開始0週間から6週間後の皮表水分含量の測定結果を表2に示す。
表2から明らかなように、乾燥肌が誘発された第2群では、第1群と比較して有意に皮表水分含量(コンダクタンス)が減少した。一方、PQQ二ナトリウム塩を添加した第3群では、PQQ二ナトリウム塩を添加していない第2群に比べて皮表水分含量(コンダクタンス)が増加した。
以上の結果より、乾燥肌モデルマウスを使った試験で、PQQ二ナトリウム塩は、経表皮水分損失量(TEWL値)を低下させ、皮表水分含量(コンダクタンス)を増加させるため、皮膚の乾燥を防止し、乾癬の予防または改善効果を示すことが明らかとなった。
Figure 0005392089
中性緩衝10vol%ホルマリンで固定したマウス背部皮膚のパラフィン切片を作製し、表皮厚を測定した。試験開始6週間後の表皮厚の測定結果を表3に示す。
表3から明らかなように、乾燥肌が誘発された第2群では、第1群と比較して有意に表皮が肥厚した。一方、PQQ二ナトリウム塩を添加した第3群では、表皮の肥厚が抑制された。
Figure 0005392089
真皮中の肥満細胞の計数をメイグリュンワルドギムザ染色標本で行った。計数範囲は、皮筋上部の真皮とした。基線1mmあたりの真皮に存在する細胞数は、皮筋の両端を結ぶ直線(基線)の長さで除した。有意差検定はBartlett法により等分散性の検定を行い、等分散(p>0.05)の場合は一元配置分散分析およびTukeyの検定を実施した。不等分散(p≦0.05)の場合はKruskal−Wallis検定およびSteel−Dwassの検定を実施した。試験開始6週間後の基線1mmあたりの真皮中の肥満細胞数の測定結果を表4に示す。
表4から明らかなように、乾燥肌を誘発した第2群では、第1群と比較して有意に真皮中の肥満細胞数が増加した。一方、PQQ二ナトリウム塩を添加した第3群では、真皮中の肥満細胞数の増加が抑制された。
Figure 0005392089
また、表皮中のCD3陽性Tリンパ球の計数を抗CD3免疫染色標本で行なった。計測範囲は、皮筋上部の表皮とした。基線1mmあたりの表皮に存在する細胞数は、皮筋の両端を結ぶ直線(基線)の長さで除した。有意差検定はBartlett法により等分散性の検定を行い、等分散(p>0.05)の場合は一元配置分散分析およびTukeyの検定を実施した。不等分散(p≦0.05)の場合はKruskal−Wallis検定およびSteel−Dwassの検定を実施した。測定試験開始6週間後の基線1mmあたりの表皮中のCD3陽性細胞数の測定結果を表5に示す。
表5から明らかなように、乾燥肌を誘発する第2群では、第1群と比較して有意に表皮中のCD3陽性細胞数が増加した。一方、PQQ二ナトリウム塩を添加した第3群では、表皮中のCD3陽性細胞数の増加が抑制された。
以上の結果から、PQQ二ナトリウム塩は、乾癬に特徴的な表皮肥厚や、肥満細胞およびCD3陽性細胞の浸潤を抑制する効果を示すことが明らかとなった。
Figure 0005392089
次に、本発明に係る皮膚の乾癬予防または改善剤の配合例を示す実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
表6記載の配合の組成物に水を加えて1000mLとし、皮膚の乾癬予防または改善用ドリンク剤(10本分)を製造する。
Figure 0005392089
(実施例2)
表7記載の処方で常法により皮膚の乾癬予防または改善用錠剤(1錠あたり155mg)を製造する。
Figure 0005392089
(実施例3)
表8記載の処方で常法により皮膚の乾癬予防または改善剤(1包あたり505mg)を製造する。
Figure 0005392089
(実施例4)
表9記載の処方で皮膚の乾癬予防または改善用ハードカプセル剤(1カプセルあたり115mg)を製造する。
Figure 0005392089
5mgのPQQモノアリルエステルに乳糖60mgおよびコーンスターチ30mgを添加して混合し、これにヒドロキシプロピルセルロース20mgの水溶液を添加して練合する。次いで、押し出し造粒機を用いて、常法により顆粒を製造する。この顆粒をゼラチンハードカプセルに充填することにより、ハードカプセル剤を製造する。
(実施例5)
表10記載の処方で皮膚の乾癬予防または改善用ソフトカプセル剤(1カプセルあたり125mg)を製造する。
Figure 0005392089
大豆油120mgにPQQ二ナトリウム塩5mgを添加して混合する。次いで、ロータリー・ダイズ式自動成型機を用いて、常法に従い、ソフトカプセルに充填することにより、ソフトカプセル剤を製造する。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (4)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005392089
    (式中、R、RおよびR素原子を表す。)で表される化合物、またはその塩を有効成分として含有する皮膚の乾癬予防または改善剤。
  2. 一般式(I)
    Figure 0005392089
    (式中、R、RおよびR素原子を表す。)で表される化合物、またはその塩の治療学的に有効な量をヒト以外の動物に投与することを含む、皮膚の乾癬を予防または改善する方法。
  3. 皮膚の乾癬予防または改善剤を製造するための、一般式(I)
    Figure 0005392089
    (式中、R、RおよびR素原子を表す。)で表される化合物、またはその塩の使用。
  4. 一般式(I)で表される化合物またはその塩が、唯一の有効成分である、請求項1に記載の皮膚の乾癬予防または改善剤。
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