JPH0820512A - メラニン産生抑制剤及び美白用皮膚外用剤 - Google Patents

メラニン産生抑制剤及び美白用皮膚外用剤

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JPH0820512A
JPH0820512A JP15622494A JP15622494A JPH0820512A JP H0820512 A JPH0820512 A JP H0820512A JP 15622494 A JP15622494 A JP 15622494A JP 15622494 A JP15622494 A JP 15622494A JP H0820512 A JPH0820512 A JP H0820512A
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JP
Japan
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melanin production
production inhibitor
ester
melanin
group
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JP15622494A
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Inventor
Akinobu Tanaka
昭宣 田中
Sadaji Uragami
貞治 浦上
Takuji Nakajima
琢自 中島
Kazuo Matsuda
和夫 松田
Masao Shaku
政雄 釈
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Pola Chemical Industries Inc
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メラニン産生を抑制する作用及び産生したメ
ラニンの沈着を抑制する作用に優れ、更に、安定性、安
全性に優れたメラニン産生抑制剤、及びこれを含有する
色素沈着の防止、改善効果に優れた美白用皮膚外用剤を
提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるピロロキノリン
キノンエステル及び/又はその塩をメラニン産生抑制剤
とし、また、このメラニン産生抑制剤を、好ましくは外
用剤全量に対して0.01〜10重量%の割合で、美白
用皮膚外用剤に配合する。 【化1】 ただし、化1中R1、R2、R3は、それぞれ独立して、
短鎖長のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
ラアリール基又はフェニル基、水素原子を表し、且つ、
1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素原子ではな
いこととする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メラニン産生抑制剤及
びこれを含有する美白用皮膚外用剤に関し、詳しくは、
ピロロキノリンキノンエステル及び/又はその塩からな
るメラニン産生抑制剤及びこれを含有する美白用皮膚外
用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカスや日焼け後の色素沈着
は、皮膚内に存在する色素細胞の活性化によりメラニン
産生が著しく亢進した結果生ずるものであり、中高年齢
層の人々の肌の悩みの一つになっている。一般にメラニ
ンは、色素細胞の中で生合成される酵素チロシナーゼの
働きによって、チロシンからドーパ、ドーパからドーパ
キノンに変化し、ついで5,6−ジヒドロキシインドー
ル等の中間体を経て形成された後、色素細胞からまわり
の基底細胞(ケラチン細胞)に送り込まれて、そこに貯
蔵されるものとされている。
【0003】従って、皮膚への色素沈着を防止、改善す
るためには、メラニン産生過程を阻害すること、あるい
は既に産生したメラニンを淡色漂白することが考えられ
る。このような考えに基づき、従来から種々の美白成分
が提案されてきた。例えばチロシナーゼ活性を阻害して
メラニン産生を抑制するものとして、グルタチオンに代
表される硫黄化合物が挙げられる。また、産生したメラ
ニンを淡色漂白するものとしては、過酸化水素、ヒドロ
キノン、アルブチンやビタミンC等が用いられてきた。
また、ケラチン細胞内のメラニンを減少させるものとし
てビタミンA酸やビタミンA類の局所投与が行われてき
た。
【0004】しかしながら、上記メラニン産生阻害物質
やメラニン淡色漂白物質にはいずれも、安定性、安全
性、におい等の点で問題があったり、あるいは期待し得
る効果が得られなかったりして、皮膚への色素沈着を防
止、改善する物質として、満足のゆくものは未だ得られ
ていない。
【0005】一方、ピロロキノリンキノンエステル類
は、ピロロキノリンキノンを出発物質として得られる化
合物である。出発物質であるピロロキノリンキノンは、
メタノール資化性菌の代謝産物より単離され同定された
物質で、NADやNADP等の酸化還元酵素の補酵素で
あり、優れた抗酸化能や、発毛、育毛作用などを有する
ことが知られているが、安定性と毒性の点で問題があ
り、これまで皮膚外用剤に用いられることはなかった。
しかし、ピロロキノリンキノンのエステル類やその塩等
は、ピロロキノリンキノンの有する優れた抗酸化能や、
発毛、育毛作用を損なわずに、問題点である安定性と安
全性を向上させた化合物である。
【0006】しかしながら、上記ピロロキノリンキノン
のエステル類やその塩等が、メラニン産生を抑制する作
用や産生したメラニンの沈着を抑制する作用を有するこ
とは知られておらず、これを皮膚外用剤に含有させて美
白効果を持たせるという報告も未だなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、メラニン産生を抑制する作用及
び産生したメラニンの沈着を抑制する作用に優れ、更
に、安定性、安全性に優れたメラニン産生抑制剤、及び
これを含有する色素沈着の防止、改善効果に優れた美白
用皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)に
示されるピロロキノリンキノンエステル類が優れたメラ
ニン産生抑制作用及びメラニン沈着抑制作用を有し、更
に、安定性、安全性にも優れることを見出し、また、こ
れを配合した皮膚外用剤が優れた色素沈着の防止、改善
効果を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、下記一般式(I)で表
されるピロロキノリンキノンエステル及び/又はその塩
からなるメラニン産生抑制剤及びこれを含有する美白用
皮膚外用剤である。
【0010】
【化3】
【0011】ただし、化3中R1、R2、R3は、それぞ
れ独立して、短鎖長のアルキル基、アルケニル基、アラ
ルキル基、アラアリール基又はフェニル基、水素原子を
表し、且つ、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは水
素原子ではないこととする。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】<1>本発明のメラニン産生抑制剤 本発明のメラニン産生抑制剤は、前記一般式(I)で表
されるピロロキノリンキノンエステル及び/又はその塩
からなる。ここで一般式(I)中のR1、R2、R3は、
それぞれ独立して、短鎖長のアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、アラアリール基又はフェニル基、水
素原子を表すが、これらのアルキル基及びアラルキル
基、アラアリール基のアルキル部分の炭素数は1〜10
であることが好ましく、更に好ましくは1〜6であり、
更には1〜4がより好ましい。また、アルケニル基の炭
素数は、2〜10であることが好ましく、更に好ましく
は2〜6であり、更には2〜4がより好ましい。
【0014】上記短鎖長アルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が、短鎖
長アルケニル基としては、例えば、アリル基、2−ブテ
ニル基、1,3−ブタジエニル基等が、短鎖長アラルキ
ル基としては、ベンジル基、メチルベンジル基等が、及
びアラアリール基としては、メチルフェニル基、エチル
フェニル基等が挙げられる。
【0015】また、これらのピロロキノリンキノンエス
テルとしては、例えば、トリメチルエステル、ジメチル
エステル、モノメチルエステル、トリエチルエステル、
ジエチルエステル、モノエチルエステル等のアルキルエ
ステル類、トリアリルエステル、ジアリルエステル、モ
ノアリルエステル等のアルケニルエステル類、トリベン
ジルエステル、ジベンジルエステル、モノベンジルエス
テル等のアラルキルエステル類、トリメチルフェニルエ
ステル、ジメチルフェニルエステル、モノメチルフェニ
ルエステル等のアラアリールエステル類が挙げられる。
【0016】また、上記エステル類のうち、本発明にお
いて、好ましくは、R1、R2、R3がそれぞれ独立して
アリル基又は水素原子であり、且つ、R1、R2、R3
うち少なくとも1つがアリル基であるピロロキノリンキ
ノンアリルエステル類が用いられ、更には、R1がアリ
ル基であり、R2、R3が水素原子である化4に示される
ピロロキノリンモノアリルエステルが安定性の点で優れ
ており、本発明により好ましく用いられる。
【0017】
【化4】
【0018】本発明に用いる前記一般式(I)で示され
るピロロキノリンキノンエステルの製造方法であるが、
これらはピロロキノリンキノンより常法のエステル化反
応に従って合成することができる。
【0019】合成方法としては、例えば、ピロロキノリ
ンキノンまたはその塩化合物を酸性条件下でアルコール
類と反応させる方法やピロロキノリンキノンまたはその
塩化合物をハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルニケ
ル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アラアリール等
と塩基の存在下で反応させる方法等が挙げられ、これら
の方法により、ピロロキノリンキノンのカルボキシル基
が3つともエステル化されたピロロキノリンキノントリ
エステル類が得られる。
【0020】また、上記方法によって得られるピロロキ
ノリンキノンのトリエステル体を酸性あるいは塩基性条
件下で部分加水分解することで、ピロロキノリンキノン
のモノエステル体あるいはジエステル体を得ることがで
きる。
【0021】この様にして得られるピロロキノリンキノ
ンのモノ、ジ、トリの各種エステル類は、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーや再結晶法等の通常の精製手段
を用いて精製することができる。かくして得られるピロ
ロキノリンキノンエステルの性状は、エステルの種類に
よって異なるが、概ね黄褐色のアモルファスないし結晶
である。その溶解性については、水に溶けにくく、オイ
ルに溶け易い傾向にある。
【0022】本発明で用いられる前記一般式(I)で示
されるピロロキノリンキノンエステル類の塩とは、上記
ピロロキノリンキノンモノエステルの2つのカルボキシ
ルあるいは、ピロロキノリンキノンジエステルの1つの
カルボキシルが塩基と反応してカルボン酸塩となった化
合物である。この様なカルボン酸塩の対塩基としては、
生理的に許容されるもので有れば特に限定されないが、
例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カル
シウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニ
ウム、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の有
機アミン類、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸等
を挙げることができる。
【0023】本発明では、上記ピロロキノリンキノンの
モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体及び、
モノエステル体のカルボン酸塩、ジエステル体のカルボ
ン酸塩を、それぞれ配合される剤型によって必要とされ
る溶解性等の物性に合わせて使い分けることができる。
【0024】<2>本発明の美白用皮膚外用剤 本発明の美白用皮膚外用剤は、上記メラニン産生抑制剤
の1種あるいは2種以上を配合したものである。配合量
は、外用剤全量に対して0.01〜10重量%であるこ
とが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ま
しい。配合量が、0.01重量%より少ないとメラニン
産生を抑制する作用や角質のケラチノ細胞内にメラニン
が沈着するのを抑制する作用が十分に得られないことが
あり、また10重量%を越える量を用いても、効果が頭
打ちになるので、上記範囲で配合することが好ましい。
【0025】また、美白用皮膚外用剤のうちでも、特に
日焼けによるシミ、ソバカス、色黒の憎悪の予防改善を
目的としたものでは、上記メラニン産生抑制剤の配合量
は、外用剤全量に対して0.1重量%以上が有効量とし
て使用できるものである。
【0026】本発明の美白用皮膚外用剤には、上記メラ
ニン産生抑制剤の他に、皮膚外用剤に一般に用いられる
各種成分、すなわち水性成分、油性成分、粉末成分、界
面活性剤、保湿剤、増粘剤、色剤、香料、抗酸化剤、p
H調整剤、キレート剤、防腐剤、あるいは紫外線防御
剤、抗炎症剤、ホルモン類、核酸類、各種ビタミン類な
どを配合することができる。
【0027】また、本発明の美白用皮膚外用剤には、メ
ラニン産生抑制剤であるピロロキノリンキノンエステル
及び/又はその塩以外の美白成分を配合してもよく、こ
の様な美白成分としては、例えば、パンテテイン−S−
スルフォン酸、イソフェルラ酸、アスコルビン酸リン酸
マグネシウム塩、アルブチン、コウジ酸、リノール酸等
が挙げられる。
【0028】本発明の美白用皮膚外用剤の剤型は特に制
限がなく、通常医薬品、医薬部外品、化粧品などに用い
られるもの、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローショ
ン、パウダー、パック、入浴剤、シャンプー、リンス、
トリートメント、口紅、アイライナー等の剤型が挙げら
れ、本発明のメラニン産生抑制剤であるピロロキノリン
キノンエステル及び/又はその塩を配合する以外は、通
常の皮膚外用剤と同様の方法で製造することができる。
【0029】
【作用】本発明のメラニン産生抑制剤及びこれを含有す
る美白用皮膚外用剤は、その有効成分であるピロロキノ
リンキノンエステル及び/又はその塩の優れたメラニン
産生抑制作用及びメラニン沈着抑制作用により、メラニ
ン生成が原因で起こるシミ、ソバカス、日焼け等の局所
性色素沈着症、並びにアジソン氏病などの全身性色素沈
着症の予防、改善、治療に有効に利用できるものであ
る。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
本発明のメラニン産生抑制剤の実施例を説明する。
【0031】
【実施例1】ピロロキノリンキノン3.3gをDMF1
00mLに加えて溶解させ、これに30mLのトリエチ
ルアミンを加え、更に、アリルクロライド1.2gを加
えて反応させた。これを、0.1N希硫酸で中和し、溶
媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒、クロロホルム:メタノール=1:1)で精製し、
2.9gのピロロキノリンキノン−2−モノアリルエス
テルを得た。これをそのままメラニン産生抑制剤とし
た。
【0032】
【実施例2】上記ピロロキノリンキノン−2−モノアリ
ルエステル1gをエタノール50mLに溶解させ、これ
に0.2gの炭酸ナトリウムを30mLの精製水に溶か
した水溶液を加えて中和し、溶媒留去後、エタノールで
抽出し、エタノールから再結晶して0.8gのピロロキ
ノリンキノン−2−モノアリルエステル・2ナトリウム
塩を得た。これをそのままメラニン産生抑制剤とした。
【0033】<本発明のメラニン産生抑制剤の評価>上
記実施例1で得られたメラニン産生抑制剤について、メ
ラニン産生抑制作用、メラニン沈着抑制作用、安全性、
安定性についての試験を行い、前記各作用及び安全性、
安定性に関して評価した。尚、比較のためにピロロキノ
リンキノンについても同様の試験を行った。
【0034】(1)メラニン産生抑制作用 10mLの10%ウシ胎仔血清(FBS)添加MEM
(Minimum Essential Medium、以下、単に培地とい
う。)に、B16−F1細胞を添加し、その細胞数が3
×104個/mLの細胞浮遊液になるように調製した。
この細胞浮遊液を、37℃、5%CO2の条件下で24
時間前培養した後、0.05%トリプシン−0.53ミ
リモルEDTA溶液を5mL添加した。その後、培養液
から0.05%トリプシン−0.53ミリモルEDTA
溶液を除去し、次いで培地10mLを添加して細胞表面
を洗った後、更に、リン酸緩衝生理食塩水(以下、PB
Sという。)5mLを加えた。ピペッティングにより培
養容器から細胞を遊離させ、得られた細胞懸濁液から遠
心分離により細胞を回収した。
【0035】得られた細胞を培地で希釈して2000〜
3000個/mLになるように調製した細胞浮遊液を1
0mLづつ9本の培養ボトルに入れ、48時間前培養を
行った。この培養ボトルの8本のそれぞれに、上記実施
例1で得られたメラニン産生抑制剤及び比較のためのピ
ロロキノリンキノンを表1に示す各種濃度で含有するD
MSO溶液10μLを、また、残りの1本にはコントロ
ールのためにDMSO溶液のみ10μLを加え、48時
間の培養を行った後、それぞれの培養ボトルに15mL
の培地と25μLのDMSO溶液を加え、更に48時間
の培養を行った。
【0036】培養終了後、上記と同様の操作で細胞を回
収し、得られた細胞に溶解緩衝液(Lysis buffer)を作
用させ、次いで0.125Nの水酸化ナトリウムを作用
させてメラニンを抽出し、この溶液の400nmにおけ
る吸光度を測定して、抽出したメラニンを定量した。こ
の様にして得られた各試料及びコントロールのメラニン
量の値を用いて、下記式により各試料のメラニン産生抑
制率を求めた。また、細胞回収時に細胞数を測定し、下
記式により各試料における細胞の生存率も求めた。結果
を表1に示す。
【0037】
【数1】抑制率(%)=(コントロールのメラニン量−
試料のメラニン量)×100/コントロールのメラニン
量 生存率(%)=試料の細胞数×100/コントロールの
細胞数
【0038】
【表1】
【0039】この結果より、本発明のメラニン生成抑制
剤は、ピロロキノリンキノンと同等あるいは低濃度では
ピロロキノリンキノン以上に優れたメラニン生成抑制作
用を有することがわかる。更に、ピロロキノリンキノン
に比べ細胞の生存率が高くすなわち細胞毒性も低く安全
性に優れていることがわかる。
【0040】(2)メラニン沈着抑制作用 茶色モルモット(7匹)の背部皮膚を電気バリカンとシ
ェーバーで除毛、剃毛し、この部位を1.5×1.5c
mの照射窓を左右対照に計3個有する黒布で覆い、この
布の上からFL20S・E30ランプを光源として1m
W/cm2/secの紫外線を4分20秒間照射した。
この操作を1日1回の割合で3日間連続して行い、人工
的にメラニンを生成させた。
【0041】照射終了翌日から、上記紫外線照射された
各部位にプロピレングリコール/エタノール(3:1)
を溶媒として実施例1で得られたメラニン産生抑制剤を
0.01重量%濃度、1重量%濃度でそれぞれ含有する
溶液、及び全く含有しない溶液(コントロール)の0.
02mLを1日1回、計20日間連続塗布した。塗布開
始から21日目に処置部のメラニン沈着の程度を下記の
判定基準に従い、肉眼観察により判定した。結果を7匹
の平均値として表2に示す。
【0042】 0 : メラニン沈着なし 0.5 : 紫外線非照射部位との境界が不明瞭な程度の
微弱なメラニン沈着 1 : 紫外線非照射部位との境界が明瞭な微弱なメ
ラニン沈着 2 : 紫外線非照射部位との境界がかなり明瞭な中
度のメラニン沈着 3 : 紫外線非照射部位との境界が極めて明瞭な強
度のメラニン沈着
【0043】
【表2】
【0044】この結果から明らかなように、メラニン産
生抑制剤を含有しない溶液を塗布されたコントロール群
のモルモットが明瞭なメラニンの沈着を起こしていたの
に対し、本発明のメラニン産生抑制剤を1%濃度で含む
溶液を塗布されたモルモット群はメラニンの沈着がほと
んどなく、本発明のメラニン産生抑制剤が優れたメラニ
ン沈着抑制作用を有することがわかる。
【0045】(3)局所毒性試験(経皮刺激試験) 6匹づつ3群のハートレイ白色種モルモット(雌性、体
重450〜550g)の背部を剃毛し、上記実施例1で
得られた紫外線吸収剤を2.5%、1%、0.5%の各
濃度で練り込んだワセリンを、各群のモルモットの剃毛
部に0.1mLづつ投与し24時間クローズドパッチを
行った。判定は、投与から25時間後に、以下に示す本
邦パッチテスト基準(日本皮膚科学会)に基づいて行っ
た。
【0046】 − : 無反応 ± : 疑陽性反応 + : 明らかな紅班 ++ : 浮腫反応
【0047】結果は、何れのサンプルも−(無反応)で
あった。これにより本発明の紫外線吸収剤が安全性に優
れていることがわかる。
【0048】(4)安定性試験 pH5、pH7、pH9にそれぞれ調製された0.1M
リン酸緩衝液に、0.05%濃度となるように実施例1
で得られたメラニン産生抑制剤をそれぞれ溶解し、40
℃の暗室に1ヶ月間放置した後、HPLCを用いて各溶
液中に残存する実施例1で得られたメラニン産生抑制剤
の量を分析した。結果を残存率として表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】この結果から明らかなように、本発明のメ
ラニン産生抑制剤は、pH5(弱酸性)からpH9(弱
アルカリ性)の溶液中でほとんど分解せず、長期間安定
して使用できる。
【0051】(5)光安定性試験 pH5、pH7、pH9にそれぞれ調製された0.1M
リン酸緩衝液に、0.05%濃度となるように、実施例
1で得られたメラニン産生抑制剤及びピロロキノリンキ
ノンをそれぞれ溶解した後、各溶液を透明ビンに分注
し、これに太陽光を紫外線照射量が紫外線カウンターで
20000になるまで照射し続けた。照射終了後、HP
LCを用いて各溶液中に残存する実施例1で得られたメ
ラニン産生抑制剤及びピロロキノリンキノンをそれぞれ
定量し、残存率を求め光安定性を評価した。結果を表4
に示す。
【0052】
【表4】
【0053】この結果から明らかなように、ピロロキノ
リンキノンが上記各溶液中で紫外線照射により分解され
光安定性がほとんどないのに比べ、本発明のメラニン産
生抑制剤はpH5からpH7の間で約9割が溶液中に残
存しており光安定性に著しく優れていることがわかる。
【0054】次に、上記実施例で得られたメラニン産生
抑制剤を配合する本発明の美白用皮膚外用剤の実施例に
ついて説明する。尚、以下に用いる配合量は全て重量部
である。
【0055】
【実施例3】 水中油型クリーム 表5に示すA成分を合わせて80℃に加熱し、これに、
これとは別に80℃に加熱溶解したB成分を加え撹拌乳
化し、その後冷却して水中油型クリームを製造した。ま
た、同様にして本発明のメラニン産生抑制剤を含まない
比較例の水中油型クリームを作製した。
【0056】
【表5】
【0057】
【実施例4】 乳液 表6のA成分およびB成分を70℃で各々撹拌しながら
溶解した後、B成分にA成分を加え予備乳化を行いホモ
ミキサーで均一に乳化し、乳化後かき混ぜながら30℃
まで冷却して乳液を製造した。
【0058】
【表6】
【0059】
【実施例5、6】 化粧水 表7に示すA成分を合わせて室温下で溶解する。一方、
B成分も室温下で溶解し、これを前記A成分に加えて可
溶化して化粧水を製造した。
【0060】
【表7】
【0061】
【実施例7】 パック料 表8のA成分を室温にて分散溶解し、これにB成分を加
えて均一に溶解してパック料を製造した。
【0062】
【表8】
【0063】<本発明の美白用皮膚外用剤の評価>上記
実施例3及び比較例で得られたクリームの実使用テスト
を行い、紫外線照射時の色素沈着防止及び改善効果を評
価した。
【0064】20人のパネラーの右上腕内側部の2箇所
に実施例3で得られたクリームと比較例のクリームをそ
れぞれ塗布した後、M.E.D.(最小紅斑量)の80
%の光量を照射し、これを1日1回の割合で5日間繰り
返した。光照射終了後、更に、1ヶ月間、1日1回づつ
毎日、上記各部位に実施例3のクリーム及び比較例のク
リームを塗布し続けた。塗布終了後、上記右上腕内側部
の実施例3及び比較例のクリーム塗布部分について色素
沈着の度合いを左上腕内側部(光の照射もクリームの塗
布も行われなかった部分)と比較して各クリームの有効
性を下記基準に従って評価した。結果を表9に示す。
【0065】 有 効 : 非照射部とほとんど変わりない程度の色
素沈着 やや有効 : 非照射部に比べて皮膚色が僅かに黒い程
度の色素沈着 無 効 : 非照射部に比べて皮膚色がかなり黒い程
度の色素沈着
【0066】
【表9】
【0067】この結果から明らかなように、本発明のメ
ラニン産生抑制剤を含有しない比較例のクリームが、紫
外線による色素沈着を防止、改善する作用をあまり有し
ていないのに比べ、本発明の美白用皮膚外用剤は、紫外
線による色素沈着を防止、改善する作用に非常に優れて
いる。また、上記実使用テストにおいて、本発明の美白
用皮膚外用剤を塗布した部位に皮膚に好ましくない反応
は全く観察されず、本発明の美白用皮膚外用剤が安全性
の点でも優れていることがわかった。
【0068】
【発明の効果】本発明のメラニン産生抑制剤は、メラニ
ン産生を抑制する作用及び産生したメラニンの沈着を抑
制する作用に優れ、更に、安定性、安全性に優れてい
る。また、このメラニン産性抑制剤を含有する美白用皮
膚外用剤は、色素沈着の防止、改善効果に優れ、更に、
安定性、安全性にも優れるため長期連続使用が可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 ADA // C07D 471/04 102 (72)発明者 中島 琢自 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560ポーラ化 成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 松田 和夫 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1ポ ーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 釈 政雄 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1ポ ーラ化成工業株式会社横浜研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるピロロキノ
    リンキノンエステル及び/又はその塩からなるメラニン
    産生抑制剤。 【化1】 ただし、化1中R1、R2、R3は、それぞれ独立して、
    短鎖長のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
    ラアリール基又はフェニル基、水素原子を表し、且つ、
    1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素原子ではな
    いこととする。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)中、R1、R2、R
    3が、それぞれ独立してアリル基又は水素原子を表し、
    且つ、R1、R2、R3のうち少なくとも1つはアリル基
    であることを特徴とする請求項1記載のメラニン産生抑
    制剤。
  3. 【請求項3】 前記ピロロキノリンキノンエステルが化
    2に示されるピロロキノリンモノアリルエステルである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のメラニン産生抑
    制剤。 【化2】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のメラ
    ニン産生抑制剤を含有する美白用皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 前記メラニン産生抑制剤の含有量が、外
    用剤全量に対して0.01〜10重量%であることを特
    徴とする請求項4記載の美白用皮膚外用剤。
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