JP2011032172A - 酸化ストレス低減剤。 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ピロロキノリンキノンもしくはそのエステル、またはその塩を有効成分として含有する酸化ストレス低減剤に関する。
活性酸素は、酸素が化学的に活性化された化学種で、一般に非常に不安定で強い酸化力を示す。呼吸によって体内に取り込まれた酸素は様々な代謝経路を経て、エネルギー獲得に大きな役割を果たすが、この過程でより酸化力の強い活性酸素が生成される。活性酸素には細菌を分解するなどの有益な働きを示すことがあるものの、余剰となった活性酸素は、脂質、タンパク質、酵素あるいはDNAといった体の重要な構成成分を酸化損傷することが知られている。生体で発生した活性酸素の大部分は抗酸化防御システムにより消去されるが、ガン、糖尿病をはじめとする各種の生活習慣病を引き起こすとともに、老化を推進する大きな要因の一つになるとされている。従って、生活習慣病の予防、老化の抑制を目的として、原因となる酸化ストレスを抑えるために、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンA、グルタチオン、還元型コエンザイムQなどが抗酸化物質の摂取が有効な手段の一つであると考えられている。
DNAは、アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類の塩基から構成されている。DNAは活性酸素によって酸化損傷を受けることが知られており、グアニン塩基は酸化によって8−ヒドロキシ−デオキシグアノシン(8−OHdG)に変化する。この8−OHdGは遺伝子DNAの修復過程で遺伝子本体から切り出され、血液を経て尿中に排泄される。さらに8−OHdGは比較的安定な物質で、生体内で代謝や分解されることなく尿中に速やかに排泄されることから、活性酸素による生体損傷を鋭敏に反映する優れたバイオマーカーであるとされている。酸化ストレスが高いとされているがん患者では健常人に比べ、尿中8−OHdG値が高い。また、発がん因子として知られる喫煙、飲酒が8−OHdG値を増加させ、ガン予防効果のある運動や果物、野菜の摂取は8−OHdG値を低下させることも知られている。さらには、抗酸化物質であるビタミンE、ビタミンC、ベータ・カロチン、ルテイン、ベータ・クリプトキサンチン、クルクミン、緑茶、トマトソースなどの摂取により8−OHdG値が低下することも報告されている。
また、脂質の過酸化により酸化ストレスを評価する方法も見出されている。ヘキサノイルリジン(HEL)は、脂質の過酸化反応の初期段階で生じるリノール酸ヒドロペルオキシドとリジン残基との反応によって生じる脂質-リジン付加体であり、脂質過酸化の初期段階を捉える酸化ストレスバイオマーカーとして利用されている。
ピロロキノリンキノン(以下、PQQという)は、1979年メタノール資化性菌のメタノール脱水素酵素の補酵素として見出された(例えば、非特許文献1および2参照)。細菌類以外にも、大豆、空豆、ピーマン、ジャガイモ、パセリ、ホウレンソウなどの食用植物や、酢、茶、ココア、納豆、豆腐等の加工食品からも検出されている(例えば、非特許文献3参照)。また、ヒトやラットの生体内にも存在すること(例えば、非特許文献4参照)が報告されている。2003年にはアミノ酸、リジンの酸化を触媒する酵素(2-アミノアジピン酸 6-セミアルデヒド脱水素酵素)の酸化還元補酵素として機能することが明らかとなり、新しいビタミンと位置付けられている化合物である(例えば、非特許文献5参照)。
ほ乳類におけるPQQの栄養学的な研究は1980年代から進められてきており、PQQ欠乏餌を与えられたマウスは、発育不良、繁殖能力低下、皮膚障害などの欠乏症の症状を示すが、PQQを補給すると異常が改善されることから、PQQは重要な栄養素の一つであると考えられている(例えば、非特許文献6)。
栄養学的な側面だけでなく、PQQの薬理学的作用についても多くの報告がある。in vitroおよびin vivoで、PQQには強い活性酸素除去作用が認められることが報告されている(例えば、特許文献6参照)。また、細胞の増殖促進作用(例えば、特許文献7参照)、アルドース還元酵素阻害作用(例えば、特許文献8参照)、メラニン産生抑制および美白作用(例えば、特許文献9参照)、紫外線吸収作用(例えば、特許文献10参照)などが知られている。また、PQQの神経系に対する作用としては、神経成長因子産生促進作用(例えば、特許文献11参照)があるが、これはPQQが神経成長因子を増強することにより、神経の再生を促進するというものであった。また、ラットを用いた検討から、経口摂取したPQQが、学習能力などの認知機能の低下を防ぐ作用を発揮し、さらには、コエンザイムQ10との併用効果が認められることが報告されている(非特許文献7参照)。
PQQの抗酸化作用については、試験管内や動物でのデータは知られているが、ヒトでもその作用が認められるかについてはまったくデータがなかった(非特許文献8、9、10参照)。
PQQの抗酸化作用については、試験管内や動物でのデータは知られているが、ヒトでもその作用が認められるかについてはまったくデータがなかった(非特許文献8、9、10参照)。
「ネイチャー(Nature)」、1979年、第230巻、p.843−844
「フェブス レター(FEBS Letter)」、1979年、第108巻、p.443−446
「バイオケミカル ジャーナル(Biochem Journal)」、1995年、第307巻、p.331−333
「バイオケミカ エト バイオフィジカ アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)」、1992年、第1156巻、p.62−66
「ネイチャー(Nature)」、2003年、第422巻、p.832
「サイエンス(Science)」、1989年、245巻、p.850−852
「ジャーナル オブ クリニカル バイオケミカル ニュートリッション(J Clin Biochem Nutr)」、2008年、第42巻、p.29−34
「バイオケミカル ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology)」、2003年、第65巻、p.67−74
「ジャーナル オブ アグリカルチュラル アンド フード ケミストリー(J Agric Food Chem)」、2009年、第57巻、p.450−456
「ブレイン リサーチ(Brain Research)」、2006年、第1094巻、p.200−206
本発明の目的は、酸化ストレスを低減する剤を提供することにある。
本発明により、酸化ストレス低減剤を提供することが可能となる。
化合物(I)の定義において、式中、R1、R2およびR3は同一または異なって、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、アラルキル基、アラアリール(アルキルアリール)基、フェニル基または水素原子を表すが、これらの低級アルキル基、アラルキル基およびアラアリール基のアルキル基部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、中でもメチル基またはエチル基が好ましい。
低級アルケニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基があげられ、より具体的にはビニル基、アリール基、1−プロペニルメタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3―ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2―ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
低級アルキニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基が挙げられ、より具体的にはエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、より具体的にはベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アラアリール基のアリール基部分としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、より具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。従って、アラアリール基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
低級アルケニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基があげられ、より具体的にはビニル基、アリール基、1−プロペニルメタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3―ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2―ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
低級アルキニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニル基が挙げられ、より具体的にはエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、より具体的にはベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アラアリール基のアリール基部分としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、より具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。従って、アラアリール基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
上述の一般式(I)においてR1、R2およびR3がいずれも水素原子である化合物は、有機化学的方法(例えば、J.Am.Chem.Soc.、103、5599−5600(1981))および発酵法、例えばメタノール資化性を有し、かつピロロキノリンキノンを生産する能力を有する細菌を、炭素源としてメタノールを含有し鉄化合物の濃度を制御した培養液中で培養することによりピロロキノリンキノンを生産する方法(特開平1−218597号公報)などにより製造することが可能である。
化合物(I)で示されるPQQのエステル体の製造法は、PQQより常法のエステル化反応に従って合成することができる。
PQQのトリエステル体は、例えば、PQQまたはその塩を酸性条件下でアルコール類と反応させる方法(例えば、特開平3−123781号公報、特開平3−145492号公報)や、PQQまたはその塩を塩基の存在したでハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アラアリール等と反応させる方法などにより容易に合成することができる。また、上記方法によって得られるPQQのトリエステル体を酸性あるいは塩基性条件下で部分加水分解することで、モノエステル体、ジエステル体を得ることができる。
PQQのトリエステル体は、例えば、PQQまたはその塩を酸性条件下でアルコール類と反応させる方法(例えば、特開平3−123781号公報、特開平3−145492号公報)や、PQQまたはその塩を塩基の存在したでハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アラアリール等と反応させる方法などにより容易に合成することができる。また、上記方法によって得られるPQQのトリエステル体を酸性あるいは塩基性条件下で部分加水分解することで、モノエステル体、ジエステル体を得ることができる。
このようにして得られる化合物(I)は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、および溶媒抽出法などの通常の方法により、反応液中から分離・精製することができる。また、化合物(I)の同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析などの各種手段が用いられる。
化合物(I)の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエタノールアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩;リジン、アルギニン等の塩基性塩等が挙げられる。
本発明の酸化ストレス低減剤としては、化合物(I)またはその塩をそのまま投与することも可能であるが、通常各種の製剤として提供することが望ましい。
製剤は、有効成分として化合物(I)またはその塩を含有するが、さらに任意の他の治療のための有効成分を含有していてもよい。また、それら製剤は、有効成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用することが望ましく、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与等の非経口投与を挙げることができる。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。
経口剤として製剤化する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤、注射剤、点滴剤、クリーム剤、坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。
経口剤として製剤化する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物である場合は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等の場合には、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば食甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等の場合には、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば食甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。
経口投与に適当な製剤は、そのまま、または例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態のものであってもよい。また、神経再生作用を有する健康食品、機能性食品、栄養補助食品等の飲食品として用いてもよい。
非経口投与に適当な、例えば注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張である化合物(I)またはその塩を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩溶液とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、潤沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種またはそれ以上の補助成分を添加することができる。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、潤沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種またはそれ以上の補助成分を添加することができる。
本発明の酸化ストレス低減剤における化合物(I)またはその塩の濃度は、製剤の種類、該製剤の投与により期待する効果等に応じて適宜選択されるが、例えば経口剤の場合、化合物(I)またはその塩として、通常は0.1〜100質量%、好ましくは0.5〜70質量%、特に好ましくは1〜50質量%である。
本発明の酸化ストレス低減剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、通常、成人一日当たり、化合物(I)またはその塩として、通常は、0.5mg〜10000mg、好ましくは0.5mg〜5000mg、より好ましくは5mg〜1000mgとなるように、一日一回ないし数回投与する。
投与期間は、特に限定されないが、通常は1週間〜1年間、好ましくは、2週間から3ヶ月間である。
本発明の酸化ストレス低減剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、通常、成人一日当たり、化合物(I)またはその塩として、通常は、0.5mg〜10000mg、好ましくは0.5mg〜5000mg、より好ましくは5mg〜1000mgとなるように、一日一回ないし数回投与する。
投与期間は、特に限定されないが、通常は1週間〜1年間、好ましくは、2週間から3ヶ月間である。
なお、本発明の製剤は、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物(以下、非ヒト動物と略す)に対しても使用することができる。非ヒト動物としては、ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等、好ましくはほ乳類に属する非ヒト動物を挙げることができる。
本発明の酸化ストレス低減剤を非ヒト動物に投与する場合の投与量および投与回数は、投与形態、動物の年齢、種類等により異なるが、体重1kg1日当たり、化合物(I)またはその塩として、通常は0.01mg〜200mg、好ましくは0.1mg〜100mg、より好ましくは0.1mg〜20mgとなるように一日一回ないし数回投与する。投与期間は、特に限定されないが、通常は1週間〜1年、好ましくは2週間から3ヶ月間である。
本発明の酸化ストレス低減剤を非ヒト動物に投与する場合の投与量および投与回数は、投与形態、動物の年齢、種類等により異なるが、体重1kg1日当たり、化合物(I)またはその塩として、通常は0.01mg〜200mg、好ましくは0.1mg〜100mg、より好ましくは0.1mg〜20mgとなるように一日一回ないし数回投与する。投与期間は、特に限定されないが、通常は1週間〜1年、好ましくは2週間から3ヶ月間である。
以下に、実施例にて本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。化合物(I)による酸化ストレス低減作用とその結果としての検査値の変化を調べたヒトでの試験例を示す。以下に実施例をあげて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
健常男女成人(年齢45〜65歳)を対象とした、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行った。試験群はPQQ食品群(PQQ群)、プラセボ食品群の2群で構成した。PQQ群は 22例(年齢52.9±7.01歳、男女比9/13、身長161.1±8.16cm、摂取開始前の体重57.3±10.54kg)、プラセボ群は23例(年齢51.7±7.34歳、男女比8/15、身長162.2±7.59cm、摂取前の体重58.2±11.58kg)であった。PQQ群ではPQQ二ナトリウム塩(三菱ガス化学製)20mgを含有するハードカプセル1錠を毎朝食後にコップ1杯の水または白湯とともに、3ヶ月間摂取した。摂取前、4、8及び12週後の検査日の早朝尿を採取し、これを検体として、8−OHdGを測定した。8−OHdGは、8−OHdGに特異的なモノクローナル抗体を用いたELISAキット(日研ザイル株式会社 日本老化制御研究所)で測定した。8−OHdG濃度、体重、尿量及び蓄尿時間から8−OHdGの生成速度(ng/kg/hr)を算出した。
表−1に各群での8−OHdG生成速度検査値の平均値±標準偏差を示す。変化量は摂取前からの変化量の平均値±標準誤差を示す。プラセボでは検査値はほぼ横ばいで変わらなかったが、PQQ群では低下傾向であった。
健常男女成人(年齢45〜65歳)を対象とした、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行った。試験群はPQQ食品群(PQQ群)、プラセボ食品群の2群で構成した。PQQ群は 22例(年齢52.9±7.01歳、男女比9/13、身長161.1±8.16cm、摂取開始前の体重57.3±10.54kg)、プラセボ群は23例(年齢51.7±7.34歳、男女比8/15、身長162.2±7.59cm、摂取前の体重58.2±11.58kg)であった。PQQ群ではPQQ二ナトリウム塩(三菱ガス化学製)20mgを含有するハードカプセル1錠を毎朝食後にコップ1杯の水または白湯とともに、3ヶ月間摂取した。摂取前、4、8及び12週後の検査日の早朝尿を採取し、これを検体として、8−OHdGを測定した。8−OHdGは、8−OHdGに特異的なモノクローナル抗体を用いたELISAキット(日研ザイル株式会社 日本老化制御研究所)で測定した。8−OHdG濃度、体重、尿量及び蓄尿時間から8−OHdGの生成速度(ng/kg/hr)を算出した。
表−1に各群での8−OHdG生成速度検査値の平均値±標準偏差を示す。変化量は摂取前からの変化量の平均値±標準誤差を示す。プラセボでは検査値はほぼ横ばいで変わらなかったが、PQQ群では低下傾向であった。
同時に行った理学的検査、血液学的検査、血液生化学的検査では両群ともに異常は見出されず、医師の所見でも異常は認められなかったことから、摂取による安全上の問題はないものと考えられた。
(実施例2)
実施例1と同じ2群からの尿を検体として、ヘキサノイルリジン(HEL)を測定した。HELは、HELに特異的なモノクローナル抗体を用いたELISAキット(日研ザイル株式会社 日本老化制御研究所)で測定した。HEL濃度、体重、尿量及び蓄尿時間からHELの生成速度(pmol/kg/hr)を算出した。
表−2に各群でのHEL生成速度検査値の平均値±標準偏差を示す。変化量は摂取前からの変化量の平均値±標準誤差を示す。プラセボでは検査値はほぼ横ばいで変わらなかったが、PQQ群では低下傾向であった。
実施例1と同じ2群からの尿を検体として、ヘキサノイルリジン(HEL)を測定した。HELは、HELに特異的なモノクローナル抗体を用いたELISAキット(日研ザイル株式会社 日本老化制御研究所)で測定した。HEL濃度、体重、尿量及び蓄尿時間からHELの生成速度(pmol/kg/hr)を算出した。
表−2に各群でのHEL生成速度検査値の平均値±標準偏差を示す。変化量は摂取前からの変化量の平均値±標準誤差を示す。プラセボでは検査値はほぼ横ばいで変わらなかったが、PQQ群では低下傾向であった。
以上の実施例1及び2から、PQQ群では、酸化ストレスにより生成される核酸分解物8−OHdG及び脂質過酸化物HELの生成速度が低下傾向となることから、PQQには酸化ストレス低減作用があると考えられた。
(実施例3)
次に、本発明に係る組成物の配合例を示す実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
表−3記載の処方で常法により酸化ストレス低減剤(1カプセルあたり250mg)を製造した。
次に、本発明に係る組成物の配合例を示す実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
表−3記載の処方で常法により酸化ストレス低減剤(1カプセルあたり250mg)を製造した。
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