JP2010024201A - 抗酸化用組成物およびそれを用いた抗酸化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ピロロキノリンキノン類またはその塩が有する抗酸化力をさらに強化した抗酸化用組成物およびそれを用いた抗酸化方法を提供する。
【解決手段】
ピロロキノリンキノン類またはその塩にカロテノイド類、例えば、β-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチンおよびアスタキサンチンから選ばれる一種以上のカロテノイド類を共存させることにより、活性酸素やフリーラジカルの消去作用が相乗的に高められた優れた抗酸化力を示す組成物およびその組成物を用いた抗酸化方法を提供することが可能となる。
【選択図】なし
ピロロキノリンキノン類またはその塩が有する抗酸化力をさらに強化した抗酸化用組成物およびそれを用いた抗酸化方法を提供する。
【解決手段】
ピロロキノリンキノン類またはその塩にカロテノイド類、例えば、β-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチンおよびアスタキサンチンから選ばれる一種以上のカロテノイド類を共存させることにより、活性酸素やフリーラジカルの消去作用が相乗的に高められた優れた抗酸化力を示す組成物およびその組成物を用いた抗酸化方法を提供することが可能となる。
【選択図】なし
Description
ヒトを含め、好気性生物は酸素を吸収し生体物質の種々の酸化反応やATPの合成に利用している。それらの過程で酸素の一部は活性酸素やラジカルに変化する。活性酸素やラジカルにはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素等がある。
これらの活性酸素およびラジカルは、生体中で蛋白質、DNA、脂質等を過酸化し生体に種々の障害を引き起こすことが知られており、ガン、糖尿病、動脈硬化、パーキンソン病、アルツハイマー病、加齢性黄斑変性症、虚血再潅流障害、有機溶媒による肝障害等、多岐にわたる疾患の発症進展に関わっていることが明らかにされつつある。
また、抗ガン剤であるアロキサン、ストレプトゾトシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、鎮痛剤であるパラセタモール、フェナセチン、抗炎症剤であるハイドロコーチゾン等の副作用に、これらの薬剤投与によって生じる活性酸素およびラジカルが関与していることも知られている。
これらの活性酸素およびラジカルは、生体中で蛋白質、DNA、脂質等を過酸化し生体に種々の障害を引き起こすことが知られており、ガン、糖尿病、動脈硬化、パーキンソン病、アルツハイマー病、加齢性黄斑変性症、虚血再潅流障害、有機溶媒による肝障害等、多岐にわたる疾患の発症進展に関わっていることが明らかにされつつある。
また、抗ガン剤であるアロキサン、ストレプトゾトシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、鎮痛剤であるパラセタモール、フェナセチン、抗炎症剤であるハイドロコーチゾン等の副作用に、これらの薬剤投与によって生じる活性酸素およびラジカルが関与していることも知られている。
ピロロキノリンキノン(以下、PQQという)は、1979年メタノール資化性菌のメタノール脱水素酵素の補酵素として見出された(例えば、非特許文献1,2参照)。細菌類以外にも、大豆、空豆、ピーマン、ジャガイモ、パセリ、ホウレンソウなどの食用植物や、酢、茶、ココア、納豆、豆腐等の加工食品からも検出されている(例えば、非特許文献3参照)。また、ヒトやラットの生体内にも存在することが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。2003年にはアミノ酸、リジンの酸化を触媒する酵素(2-アミノアジピン酸 6-セミアルデヒド
脱水素酵素)の酸化還元補酵素として機能することが明らかとなり、新しいビタミンと位置付けられている化合物である(例えば、非特許文献5参照)。
脱水素酵素)の酸化還元補酵素として機能することが明らかとなり、新しいビタミンと位置付けられている化合物である(例えば、非特許文献5参照)。
PQQおよびその誘導体、またはそれらの塩の作用としては、脳機能改善作用(例えば、非特許文献6参照)の他に、活性酸素やラジカルの除去作用(例えば、特許文献1参照)、細胞の増殖促進作用(例えば、特許文献2参照)、アルドース還元酵素阻害作用(例えば、特許文献3参照)、メラニンの産生抑制や美白作用(例えば、特許文献4参照)、紫外線吸収作用(例えば、特許文献5参照)、神経成長因子産生促進作用(例えば、特許文献6参照)等が知られている。
しかしながら、このようなPQQやその誘導体、またはそれらの塩のみでは上記効果を発揮するうえで抗酸化力、即ち、活性酸素やラジカルを消去する効果が不充分な場合があり、そのための活性増強手段が求められている。
本発明の目的は、PQQ類またはその塩が有する抗酸化力をさらに強化した組成物およびそれを用いた抗酸化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PQQ類またはその塩にカロテノイド類を共存させると、活性酸素やフリーラジカルの消去作用が相乗的に顕著に高まるという注目すべき新知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は下記の(1)〜(4)に示すPQQ類またはその塩と、カロテノイド類を共に含有する、抗酸化力が相乗的に高められた組成物およびその組成物を用いた抗酸化方法に関するものである。
(1)一般式(1)で示されるピロロキノリンキノン類またはその塩と、カロテノイド類を共に含むことを特徴とする、抗酸化用組成物。
(式中のR1、R2、R3は、同一または異なって、水素原子、フェニル基、または短鎖長のアルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基、アルケニル基若しくはアルキニル基を示す。)
(2)カロテノイド類がβ-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチンおよびアスタキサンチンから選ばれる一種以上である、(1)に記載の抗酸化用組成物。
(3)一般式(1)で示されるピロロキノリンキノン類またはその塩に対するカロテノイド類の組成比が0.5〜20倍モルである、(1)または(2)に記載の抗酸化用組成物。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載の抗酸化用組成物を用いる抗酸化方法。
即ち、本発明は下記の(1)〜(4)に示すPQQ類またはその塩と、カロテノイド類を共に含有する、抗酸化力が相乗的に高められた組成物およびその組成物を用いた抗酸化方法に関するものである。
(1)一般式(1)で示されるピロロキノリンキノン類またはその塩と、カロテノイド類を共に含むことを特徴とする、抗酸化用組成物。
(2)カロテノイド類がβ-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチンおよびアスタキサンチンから選ばれる一種以上である、(1)に記載の抗酸化用組成物。
(3)一般式(1)で示されるピロロキノリンキノン類またはその塩に対するカロテノイド類の組成比が0.5〜20倍モルである、(1)または(2)に記載の抗酸化用組成物。
(4)(1)〜(3)の何れか1項に記載の抗酸化用組成物を用いる抗酸化方法。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の組成物は、必須成分として一般式(1)で示されるPQQ類またはその塩と、カロテノイド類を共に含有する。上記成分を共に含有させることにより、活性酸素やフリーラジカルの消去作用が相乗的に高められた優れた抗酸化力を示す組成物を得ることができる。
一般式(1)で示されるPQQ類またはその塩において、式中のR1、R2、R3は、同一または異なって、水素原子、フェニル基、または短鎖長のアルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基、アルケニル基若しくはアルキニル基を示す。
短鎖長のアルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基のアルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキルが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられ、中でもメチルまたはエチルが好ましい。
短鎖長のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、より具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチル等が挙げられる。
短鎖長のアルキルアリール基のアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリールが挙げられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等が挙げられる。従って、アルキルアリール基としては、メチルフェニル、エチルフェニル等が挙げられる。
短鎖長のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、より具体的にはベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、ナフチルメチル等が挙げられる。
短鎖長のアルキルアリール基のアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリールが挙げられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等が挙げられる。従って、アルキルアリール基としては、メチルフェニル、エチルフェニル等が挙げられる。
短鎖長のアルケニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられ、より具体的にはビニル、アリル、1-プロペニルメタクリル、クロチル、1-ブテニル、3‐ブテニル、2‐ペンテニル、4‐ペンテニル、2‐ヘキセニル、5‐ヘキセニル等が挙げられる。
短鎖長のアルキニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルが挙げられ、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
短鎖長のアルキニル基としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルが挙げられ、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
上述の一般式(1)においてR1、R2、R3がいずれも水素原子である化合物は、有機化学的方法(J. Am. Chem. Soc., 103, 5599‐5600, 1981)、または発酵法、例えばメタノール資化性を有し、かつPQQを生産する能力を有する細菌を、炭素源としてメタノールを含有し鉄化合物の濃度を制御した培養液中で培養し生産する方法(特開平1‐218597号公報)などにより製造することが可能である。
一般式(1)で示されるPQQのエステル体の製造法は、PQQより常法のエステル化反応に従って合成することができる。PQQのトリエステル体は、例えば、PQQまたはその塩を酸性条件下でアルコール類と反応させる方法(特開平3‐123781号公報、特開平3‐145492号公報)や、PQQまたはその塩を塩基の存在下でハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、ハロゲン化アルキルアリール、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アルキニル等と反応させる方法などにより合成することができる。また、上記方法によって得られるPQQのトリエステル体を酸性または塩基性条件下で部分加水分解することで、モノエステル体、ジエステル体を得ることができる。
このようにして得られる一般式(1)で示されるPQQ類またはそれらの塩は、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、溶媒抽出法などの通常の方法により、反応液中から分離・精製することができ、それらの同定には、元素分析、NMRスペクトル、IRスペクトル、質量分析などの各種手段が用いられる。
一般式(1)で示される化合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等の有機アミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
カロテノイド類は植物の葉や果実、野菜等、あるいは藻類に広く存在する色素である。カロテノイドの種類としては、リコピン、α‐カロテン、β‐カロテン、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、カンタキサンチン、フコキサンチン等があり、そのうちでも特に、β-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチンがこれらの化合物が有する生理的作用や、抗酸化力に対する併用効果の点で好ましい。因みに、これらカロテノイド類の生理的作用としては、β‐カロテンの抗ガン作用(Pure Appl. Chem., 57, 717-722, 1984)、ルテインやゼアキサンチンの加齢性黄斑変性症予防作用(JAMA, 272, 1413-1420, 1994)、アスタキサンチンの抗白内障作用(特開平10‐276721号公報)等が知られているが、その効果の多くは、カロテノイド類が有する抗酸化力によると考えられている。なお、本発明に使用するこれらのカロテノイド類は化学合成されたものでも良いし、天然物から抽出し、さらに精製されたものでも良い。
本発明の抗酸化用組成物中における一般式(1)で示されるPQQ類またはその塩に対するカロテノイド類の組成比はモル比で0.5〜20倍モル、好ましくは1〜10倍モルである。組成比が0.5倍モルを下回る場合は、抗酸化力に対するカロテノイド類の併用効果が低下し、20倍モルを上回る場合は、カロテノイド類当たりの抗酸化力相乗効果が低くなってしまうので、本発明の目的からそれることになり好ましくない。
本発明の活性酸素やラジカルを消去する抗酸化用組成物としては、一般式(1)で表されるPQQ類またはその塩と、カロテノイド類を共に含むものであれば良いが、通常、製剤化したうえで提供することが好ましい。製剤化は、PQQ類またはその塩とカロテノイド類に、必要に応じて薬理学的に許容される一種以上の有効成分や添加剤を更に加えたうえ、製剤化することによって製造される。
例えば、経口剤として製剤化する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることができる。また、経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物である場合は、水、蔗糖、ソルビトール、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加して製剤化することができる。
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤等の場合には、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末等の賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤などを添加して製剤化することができる。
投与する剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤・煎剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等の経口剤として好適に用いられる。また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば食甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物等が添加されてもよい。また更に、経口投与に適当な製剤は、そのまま、または、例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態のものであってもよく、健康食品、機能性食品、栄養補助食品等の飲食品として用いてもよい。
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
実施例1
DPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去能による抗酸化力比較試験
同等容量の400μM DPPH水溶液、200mM MESバッファー(pH6.0)、および20%エタノール水溶液を混合し反応液を調製した。この反応液を0.9mlずつ試験管に分注した後、被験物質溶液を0.3ml加え充分に攪拌し、室温で20分間510nmの吸光度変化を測定した。なお、被験物質の抗酸化力は、本測定系で、充分量のTrolox(6-hydroxy-2,5,7,8-tetramethylchroman-2-carboxylic acid)でDPPHラジカルを消去したときの吸光度変化を抗酸化力100%とし、DPPHが全量残存しているときの吸光度を抗酸化力0%として算定した。試験区は以下のように設計した。
試験区1:PQQ二ナトリウム塩 10μM
試験区2:β-カロテン 10μM
試験区3:PQQ二ナトリウム塩 10μM+β-カロテン10μM
試験区4:ルテイン10μM
試験区5:PQQ二ナトリウム塩 10μM+ルテイン10μM
試験区6:アスタキサンチン 10μM
試験区7:PQQ二ナトリウム塩 10μM+アサタキサンチン 10μM
結果を表1に示す。PQQ二ナトリウム塩、カロテノイド類を各々単独に加えた場合よりも両者を併用した場合の抗酸化力が増大しており相乗効果が認められた。
実施例1
DPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去能による抗酸化力比較試験
同等容量の400μM DPPH水溶液、200mM MESバッファー(pH6.0)、および20%エタノール水溶液を混合し反応液を調製した。この反応液を0.9mlずつ試験管に分注した後、被験物質溶液を0.3ml加え充分に攪拌し、室温で20分間510nmの吸光度変化を測定した。なお、被験物質の抗酸化力は、本測定系で、充分量のTrolox(6-hydroxy-2,5,7,8-tetramethylchroman-2-carboxylic acid)でDPPHラジカルを消去したときの吸光度変化を抗酸化力100%とし、DPPHが全量残存しているときの吸光度を抗酸化力0%として算定した。試験区は以下のように設計した。
試験区1:PQQ二ナトリウム塩 10μM
試験区2:β-カロテン 10μM
試験区3:PQQ二ナトリウム塩 10μM+β-カロテン10μM
試験区4:ルテイン10μM
試験区5:PQQ二ナトリウム塩 10μM+ルテイン10μM
試験区6:アスタキサンチン 10μM
試験区7:PQQ二ナトリウム塩 10μM+アサタキサンチン 10μM
結果を表1に示す。PQQ二ナトリウム塩、カロテノイド類を各々単独に加えた場合よりも両者を併用した場合の抗酸化力が増大しており相乗効果が認められた。
実施例2
6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)による細胞酸化障害の軽減作用
約1.5×104のヒト神経芽細胞腫細胞(SH-SY5Y)を、10%牛胎児血清添加ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)を入れた98ウェルプレートに接種し、37℃で24時間培養した。培養後、下記の各試験区に示した量のPQQ二ナトリウム塩、カロテノイド類を含む同一培地で置換し、更に6-OHDA(最終濃度80μM) を加え24時間培養した。培地を除去した後MTT(3-(4,5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-
diphenyl-2H-tetrazolium bromide)(最終濃度0.5mg/ml)を含む培地を加え37℃で1.5時間インキュベートした。0.04NHClを含むイソプロパノールを加えた後、マイクロプレートリーダーを用いて吸光度(測定波長570nm)を測定した。被験物質、6-OHDAの何れも添加していない場合の吸光度を100%とし、各試験区の細胞生存率を求めた。
試験区1:対照区
試験区2:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM
試験区3:β-カロテン 3μM
試験区4:PQQ二ナトリウム塩0.3μM+β-カロテン 3μM
試験区5:β-クリプトキサンチン3μM
試験区6:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM+β-クリプトキサンチン3μM
試験区7:アスタキサンチン 3μM
試験区8:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM+アサタキサンチン 3μM
供試したカロテノイド類には6-OHDAによる細胞傷害を軽減する効果は認められなかったが、PQQ二ナトリウム塩と併用した場合、PQQ二ナトリウム塩単独使用例よりも効果が増大しており相乗効果が認められた。
6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)による細胞酸化障害の軽減作用
約1.5×104のヒト神経芽細胞腫細胞(SH-SY5Y)を、10%牛胎児血清添加ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)を入れた98ウェルプレートに接種し、37℃で24時間培養した。培養後、下記の各試験区に示した量のPQQ二ナトリウム塩、カロテノイド類を含む同一培地で置換し、更に6-OHDA(最終濃度80μM) を加え24時間培養した。培地を除去した後MTT(3-(4,5-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-
diphenyl-2H-tetrazolium bromide)(最終濃度0.5mg/ml)を含む培地を加え37℃で1.5時間インキュベートした。0.04NHClを含むイソプロパノールを加えた後、マイクロプレートリーダーを用いて吸光度(測定波長570nm)を測定した。被験物質、6-OHDAの何れも添加していない場合の吸光度を100%とし、各試験区の細胞生存率を求めた。
試験区1:対照区
試験区2:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM
試験区3:β-カロテン 3μM
試験区4:PQQ二ナトリウム塩0.3μM+β-カロテン 3μM
試験区5:β-クリプトキサンチン3μM
試験区6:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM+β-クリプトキサンチン3μM
試験区7:アスタキサンチン 3μM
試験区8:PQQ二ナトリウム塩 0.3μM+アサタキサンチン 3μM
供試したカロテノイド類には6-OHDAによる細胞傷害を軽減する効果は認められなかったが、PQQ二ナトリウム塩と併用した場合、PQQ二ナトリウム塩単独使用例よりも効果が増大しており相乗効果が認められた。
Claims (4)
- カロテノイド類がβ-カロテン、ルテイン、β-クリプトキサンチンおよびアスタキサンチンから選ばれる一種以上である、請求項1に記載の抗酸化用組成物。
- 一般式(1)で示されるピロロキノリンキノン類またはその塩に対するカロテノイド類の組成比が0.5〜20倍モルである、請求項1または2に記載の抗酸化用組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の抗酸化用組成物を用いる抗酸化方法。
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JP2008189831A JP2010024201A (ja) | 2008-07-23 | 2008-07-23 | 抗酸化用組成物およびそれを用いた抗酸化方法 |
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