JP2007246478A - アセトアルデヒド代謝促進剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リコピンをアセトアルデヒド代謝促進剤の有効成分として含有させる。また、リコピンを飲酒による二日酔い・悪酔いを予防・改善するための医薬、飲食品に含有させる。
【選択図】図4
Description
アルコールからアセトアルデヒドへの代謝にはアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)が、アセトアルデヒドから酢酸への代謝には、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)が作用している。両段階には、他にもシトクロームP450やカタラーゼなどが反応に関与しているが、反応の大部分はアルコールデヒドロゲナーゼとアルデヒドデヒドロゲナーゼが担っている。
よって、飲酒による二日酔い・悪酔い症状の抑制には、体内でのアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を向上させ、これらの症状の原因物質であるアセトアルデヒドの代謝を促進し、血中アセトアルデヒド濃度を低下させることが最も効果的である。
8, 113-134 (1958))において毒性が報告されておらず、さらには変異原性試験(Aizawa K., et al., Nippon Nogeikagaku Kaishi, 74, 679-681 (2000))においても変異原性が認められていないなど、安全性の高い成分である。
また、リコピンの抗酸化作用に基づく種々の疾病予防作用、特にがん予防作用について数多くの研究がなされ、その作用は一般的に知られている(例えば、非特許文献1)。また、細胞の活性抑制剤、高コレステロール血症治療剤、乳幼児栄養組成物、免疫賦活剤としての利用も示されているが(特許文献8など)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の上昇作用や血中アセトアルデヒドの低下作用は知られておらず、二日酔い・悪酔いなどの飲酒に伴う症状の予防・改善に用いることについても検討されていない。
本願明細書において、二日酔い・悪酔いの症状の予防・改善は、これらの症状を取り除くことのみならず、軽減することを含む概念である。
(1)リコピンを有効成分として含有するアセトアルデヒド代謝促進剤。
(2)(1)に記載のアセトアルデヒド代謝促進剤を含有するアセトアルデヒド代謝促進用の医薬組成物。
(3)リコピンが1日当たり10〜500mgの量で投与されることを特徴とする、(2)に記載の医薬組成物。
(4)(1)に記載のアセトアルデヒド代謝促進剤を含有するアセトアルデヒド代謝促進効果を有する機能性食品。
(5)リコピンを50〜200mg%の濃度で含むことを特徴とする、(4)に記載の機能性食品。
服用することにより、飲酒後の血中アセトアルデヒド濃度を速やかに低下させることができ、二日酔い・悪酔いなどを予防・改善することができる。また、本発明のアセトアルデヒド代謝促進剤は、安全かつ簡便に使用することができ、医薬組成物、飲食品に用いることができる。
抽出物に対して、ヘキサン、アセトン、エタノール、トルエンの混合溶媒(体積比10:7:6:7)を加えて溶解させる。次に40%水酸化カリウム/メタノール溶液を加えてけん化を行う。次に蒸留水を加えて分配後、上層の有機溶媒層を分取する。有機溶媒層を減圧濃縮し、ヘキサン、アセトン、エタノール、トルエンの混合溶媒(体積比10:7:6:7)を加えて溶解させる。HPLCで、C30カラム((株)ワイエムシィ製、YMCカロテノイドカラムS−5)を用い、移動相として、A液:メタノール、t−メチルブチルエーテル、水の混合溶媒(体積比75:15:10)、B液:メタノール、t−メチルブチルエーテル、水の混合溶媒(体積比8:90:2)を表1の条件で混合し、流速1ml/分で分取する。リコピンのリテンションタイムは、およそ30分である。分取後、有機溶媒を減圧濃縮し、リコピンを得る。
本発明の医薬組成物に用いることができる任意成分は、安全性が確認されているものである限り特に制限されない。
本発明の医薬組成物の剤形は、特に制限されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤形とすることが好ましい。このような製剤化は、医薬の製造に用いられる常法に従って行うことができる。
また、本発明の医薬組成物は、内服することにより投与することが好ましい。投与量は有効量のリコピンを投与できればよく、上記と同様に投与する対象に応じて適宜調節することができる。通常は、成人1人、1日当たり、リコピンを10〜500mg、好ましくは50〜200mg投与することが好ましい。また、投与方法は特に制限されるものではないが、飲酒前に継続して投与することが好ましく、例えば、飲酒前30日以内に、14日間程度継続して投与することが挙げられる。
また、本発明のアセトアルデヒド代謝促進剤を配合する飲食品も、安全性が確認されているものであれば、特に制限されない。例えば、トマトを主成分とするトマトジュース、トマト搾汁液を濃縮した濃縮トマトを利用したトマトピューレ、トマトペースト、トマトソース、トマトケチャップ、又はトマトスープなどが挙げられる。また、トマト搾汁液を乾燥し、粉末状や固形状にしたものや、濃縮トマトを乾燥し、粉末状や固形状にした乾燥トマトなども上げられる。また、このようなトマトを主成分とする飲食品を製造する場合には、必ずしもトマトを搾汁する工程を経る必要はなく、トマトに充てん液を加え又は加えないで加熱殺菌した固形トマトを利用してもよい。
また、アセトアルデヒド代謝促進剤を飲食品に配合する方法も特に制限されず、常法に従って行うことができる。
(1)試験方法
動物は、SDラット(6週齢、オス、日本チャールズリバーから入手)を用い、2週間の予備飼育後、8週間の本飼育を行った。SDラットは4群(n=8)に分け、コントロール群は予備飼育、本飼育中を通してAIN−93M組成飼料(オリエンタル酵母工業(株)製)を摂取させた。一方、リコピン摂取群(3群)は予備飼育中においてはAIN−93Mを摂取させ、本飼育中はリコピン(和光純薬社製)を2mg%、4mg%、6mg%含むAIN−93Mをそれぞれ各群に摂取させた。飼料の摂取は全て自由摂取とした。飲料は水を与えた。
本飼育後、ラットから肝臓を摘出し、PBS(pH7.4)を用いて10倍希釈の肝臓ホモジネートを作製し、肝ALDH活性を測定した。
肝ALDH活性はFrancesc Vidalらの方法により行った。すなわち、1.6mlの100mMPBS(pH9.5)に100μlの3.6mM NAD+、100μlの10mMピラゾール、100μlの肝臓ホモジネートを加え、5分間30℃の予備保温を行う。100μlの0.18μMアセトアルデヒドをこのサンプルに添加し、反応をスタートさせる。反応が起こってから10分間のNADH生成を、340nmにおける吸光度を測定し、分子吸光係数から物質量を算定することにより調べ、1分当たりのNADH生成量を求めた。
また、肝臓からヘキサン、ジクロロメタンを用いてリコピンを抽出し、HPLCにて定量分析を行った。
各群の肝臓中のリコピン濃度を図1に示す。リコピン摂取群の肝臓にはリコピンが蓄積しており、リコピン(2mg%)摂取群の肝臓中のリコピン濃度は、4.53μg/g、リコピン(6mg%)摂取群の肝臓中のリコピン濃度は、4.97μg/gであった。コントロール群の肝臓中では検出限界未満であった。
各群の肝臓ホモジネートを含む反応物の反応後10分間について1分当たりのNADH生成量を図2に示す。1分当たりのNADH生成量は、コントロール群に比べ、リコピン(4mg%)摂取群、リコピン(6mg%)摂取群は有意に高い値を示した。これより、リコピンの8週間の摂取により、肝ALDH活性が上昇したことが示唆された。
(1)試験方法
動物種、飼育法、飼育期間については、試験Iに順ずる。
本飼育後、一晩絶食し、20%エタノールで強制胃内投与(10μl/g体重)を行う。エタノールの投与から0時間、1時間、3時間後に頸部静脈より採血を行い、血中アセトアルデヒド濃度をF−Kit(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて測定した。エタノール投与から0時間後の値を0とし、1時間、3時間後の血中アセトアルデヒド濃度の変化量を算定した。
また、血清中リコピンをヘキサン、ジクロロメタンを用いて抽出し、HPLCにて定量分析を行った。
各群の血清中のリコピン濃度を図3に示す。リコピン摂取群の血清中にはリコピンが検出され、リコピン(2mg%)摂取群の血清中のリコピン濃度は、0.025μg/ml、リコピン(6mg%)摂取群の血清中のリコピン濃度は、0.029μg/mlであった。コントロール群の血清中では検出限界未満であった。
エタノール投与後の各群の血中アセトアルデヒド濃度は1時間後には上昇し、3時間後には下降した。リコピン摂取群においては、1時間後の血中アセトアルデヒド濃度が、コ
ントロール群と比較して有意に低かった。これより、エタノール投与後、アセトアルデヒド代謝が促進され、血中アセトアルデヒド濃度が低下したものと考えられる。
Claims (5)
- リコピンを有効成分として含有するアセトアルデヒド代謝促進剤。
- 請求項1に記載のアセトアルデヒド代謝促進剤を含有するアセトアルデヒド代謝促進用の医薬組成物。
- リコピンが1日当たり10〜500mgの量で投与されることを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
- 請求項1に記載のアセトアルデヒド代謝促進剤を含有するアセトアルデヒド代謝促進効果を有する機能性食品。
- リコピンを50〜200mg%の濃度で含むことを特徴とする、請求項4に記載の機能性食品。
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