本発明の実施形態において、前記複数の第1配線には、一端側に信号の入力端を有する複数の第3配線と、他端側に信号の入力端を有する複数の第4配線とを含み、かつ、前記表示領域には、前記第3配線と前記第4配線とが、1本毎に交互に形成されており、前記複数の第3接続配線には、前記複数の第3配線のうちで互いに隣接しない第3配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第5接続配線と、前記複数の第4配線のうちで互いに隣接しない第4配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第6接続配線とを含み、前記複数の第4接続配線には、前記複数の第3配線のうち前記第5接続配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第3配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第7接続配線と、前記複数の第4配線のうち前記第6接続配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第4配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する複数の第8接続配線とを含み、前記第1スイッチング素子には、前記複数の第5接続配線のそれぞれに接続された複数の第3スイッチング素子と、前記複数の第6接続配線のそれぞれに接続された複数の第4スイッチング素子とを含み、前記第2スイッチング素子には、前記複数の第7接続配線のそれぞれに接続された複数の第5スイッチング素子と、前記複数の第8接続配線のそれぞれに接続された複数の第6スイッチング素子とを含み、前記第1共通配線には、前記複数の第3スイッチング素子のうちで互いに隣接しない第3スイッチング素子と接続されており、かつ、前記複数の第5スイッチング素子のうちで互いに隣接しない第5スイッチング素子と接続されている第3共通配線と、前記複数の第4スイッチング素子のうちで互いに隣接しない第4スイッチング素子と接続されており、かつ、前記複数の第6スイッチング素子のうちで互いに隣接しない第6スイッチング素子と接続されている第4共通配線とを含み、前記第2共通配線には、前記複数の第3スイッチング素子のうち前記第3共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第3スイッチング素子と接続されており、かつ、前記複数の第5スイッチング素子のうち前記第3共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第5スイッチング素子と接続されている第5共通配線と、前記複数の第4スイッチング素子のうち前記第4共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第4スイッチング素子と接続されており、かつ、前記複数の第6スイッチング素子のうち前記第4共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第6スイッチング素子と接続されている第6共通配線とを含む態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記複数の第3スイッチング素子および前記複数の第5スイッチング素子は、前記第3配線の入力端の近傍の額縁配線領域に形成されており、前記複数の第4スイッチング素子および前記複数の第6スイッチング素子は、前記第4配線の入力端の近傍の額縁配線領域に形成されている態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記第3共通配線は、前記複数の第5接続配線のそれぞれと交差するよう、かつ、前記複数の第7接続配線のそれぞれと交差するよう、額縁配線領域に形成されており、前記第5共通配線は、前記複数の第5接続配線のそれぞれと交差するよう、かつ、前記複数の第7接続配線のそれぞれと交差するよう、額縁配線領域に形成されており、前記第4共通配線は、前記複数の第6接続配線のそれぞれと交差するよう、かつ、前記複数の第8接続配線のそれぞれと交差するよう、額縁配線領域に形成されており、前記第6共通配線は、前記複数の第6接続配線のそれぞれと交差するよう、かつ、前記複数の第8接続配線のそれぞれと交差するよう、額縁配線領域に形成されている態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記第3共通配線と前記第5共通配線とは互いに隣接しており、前記第4共通配線と前記第6共通配線とは互いに隣接しており、前記複数の第3スイッチング素子のうち少なくとも1つが、前記第3共通配線と前記第5共通配線との間に形成されており、前記複数の第5スイッチング素子のうち少なくとも1つが、前記第3共通配線と前記第5共通配線との間に形成されており、前記複数の第4スイッチング素子のうち少なくとも1つが、前記第4共通配線と前記第6共通配線との間に形成されており、前記複数の第6スイッチング素子のうち少なくとも1つが、前記第4共通配線と前記第6共通配線との間に形成されている態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記複数の第3スイッチング素子の全てが、前記第3共通配線と前記第5共通配線との間に形成されており、前記複数の第5スイッチング素子の全てが、前記第3共通配線と前記第5共通配線との間に形成されており、前記複数の第4スイッチング素子の全てが、前記第4共通配線と前記第6共通配線との間に形成されており、前記複数の第6スイッチング素子の全てが、前記第4共通配線と前記第6共通配線との間に形成されている態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記第3共通配線と前記第5共通配線との間には、前記第3スイッチング素子および前記第5スイッチング素子のゲート電極に接続された第1ゲート共通配線が形成されており、前記第3スイッチング素子は、前記第1ゲート共通配線を挟んで両側に形成され、前記第5スイッチング素子は、前記第1ゲート共通配線を挟んで両側に形成され、前記第4共通配線と前記第6共通配線との間には、前記第4スイッチング素子および前記第6スイッチング素子のゲート電極に接続された第2ゲート共通配線が形成されており、前記第4スイッチング素子は、前記第2ゲート共通配線を挟んで両側に形成され、前記第6スイッチング素子は、前記第2ゲート共通配線を挟んで両側に形成されている態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記複数の第5接続配線がそれぞれ接続された複数の第1端子および前記複数の第7接続配線がそれぞれ接続された複数の第1端子から個々に延長する複数の第1延長配線と、前記複数の第1延長配線のそれぞれと接続された第7共通配線と、前記複数の第6接続配線がそれぞれ接続された複数の第1端子および前記複数の第8接続配線がそれぞれ接続された複数の第1端子から個々に延長する複数の第2延長配線と、前記複数の第2延長配線のそれぞれと接続された第8共通配線とをさらに備える態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記複数の第2配線は、一端側に信号の入力端を有し、前記第2配線の他端側に接続された複数の第7スイッチング素子と、前記複数の第7スイッチング素子のうちで互いに隣接しない第7スイッチング素子と接続されている第9共通配線と、前記複数の第7スイッチング素子のうち前記第9共通配線が接続されておらずかつ互いに隣接しない第7スイッチング素子と接続されている第10共通配線とをさらに備える態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記複数の第1配線には、互いに隣接し一端側に信号の入力端を有する第1群の第1配線と、互いに隣接し他端側に信号の入力端を有する第2群の第1配線とを含み、前記複数の第1接続配線は、前記第1群の第1配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続し、かつ、前記第2群の第1配線の入力端と前記複数の第1端子とをそれぞれ接続する態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、前記第1配線は、走査配線であり、前記第2配線は、データ配線である態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板、または、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、前記第3スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第5接続配線の検査を行う工程と、前記第5スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第7接続配線の検査を行う工程と、前記第4スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第6接続配線の検査を行う工程と、前記第6スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第8接続配線の検査を行う工程とを含む態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板、または、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、前記第7共通配線から検査信号を入力することにより、前記第3配線の検査を行う工程と、前記第8共通配線から検査信号を入力することにより、前記第4配線の検査を行う工程と、前記複数の第1延長配線および前記複数の第2延長配線を切断する工程と、前記第3スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第5接続配線の検査を行う工程と、前記第5スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第7接続配線の検査を行う工程と、前記第4スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第6接続配線の検査を行う工程と、前記第6スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第8接続配線の検査を行う工程とを含む態様とするのが好ましい。
本発明の実施形態において、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板、または、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の検査方法であって、前記第7共通配線から検査信号を入力することにより、前記第3配線の検査を行う工程と、前記第8共通配線から検査信号を入力することにより、前記第4配線の検査を行う工程と、前記第7スイッチング素子をオン状態としながら、前記第9共通配線および前記第10共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第2配線の検査を行う工程と、前記複数の第1延長配線および前記複数の第2延長配線を切断する工程と、前記第3スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第5接続配線の検査を行う工程と、前記第5スイッチング素子をオン状態としながら、前記第3共通配線および前記第5共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第7接続配線の検査を行う工程と、前記第4スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第6接続配線の検査を行う工程と、前記第6スイッチング素子をオン状態としながら、前記第4共通配線および前記第6共通配線に互いに独立した検査信号を入力することにより、前記第8接続配線の検査を行う工程とを含む態様とするのが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
ただし、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、本発明に係るアクティブマトリクス基板は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
また、上記第1共通配線〜第10共通配線は、本実施形態においては第1検査配線〜第10検査配線として説明する。さらに、上記第1ゲート共通配線および第2ゲート共通配線は、本実施形態においては、第1制御配線および第2制御配線として説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶パネル1の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、液晶パネル1は、アクティブマトリクス基板2と、アクティブマトリクス基板2に対向する対向基板3とを備えている。アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間には、図示しない液晶材料が狭持されている。なお、本実施形態に係る対向基板3には、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタと、これらのカラーフィルタ間の光漏れを防止するブラックマトリクスとを含むカラーフィルタ層が形成されている。また、カラーフィルタ層の上には、共通電極が形成されている。
ここで、本実施形態に係る液晶パネル1は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PHS(Personal Handy-phone System)、HHT(Hand Held Terminal)等の携帯端末用の電子機器に用いられる。また、本実施形態に係る液晶パネル1は、携帯端末用の電子機器以外に、ゲーム端末、カーナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の電子機器にも用いられる。ここで、液晶パネル1を備えた電子機器が、本発明に係る液晶表示装置の一実施形態となる。なお、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2を電界放出ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の、液晶パネル1以外のパネル(表示装置)に設けるようにしてもよい。
アクティブマトリクス基板2は、表示領域4と、端子配置領域5と、表示領域4の外側にあって、かつ表示領域4を囲む額縁配線領域6とを有している。なお、以下では、液晶パネル1の1辺を第1辺S1(図1では、下辺)とし、この第1辺S1を挟んで左右の辺を各々第2辺S2、第3辺S3とし、第1辺S1に対向する辺を第4辺S4とする。
ここで、図1に示すように、アクティブマトリクス基板2の第2辺S2(第3辺S3)の長さHは、対向基板3の第2辺S2(第3辺S3)の長さLよりも長い。このため、アクティブマトリクス基板2と対向基板3とが図示しない液晶材料を介して互いに貼り合わされた場合に、アクティブマトリクス基板2の端子配置領域5は、対向基板3よりも第1辺S1側に位置することとなる。
表示領域4には、第1走査配線(第1配線、第3配線)401〜407と、第2走査配線(第1配線、第4配線)411〜416と、データ配線(第2配線)421、422、423、・・・42iとが形成されている。ここで、第1走査配線401〜407には、一端側に走査信号の入力端431〜437をそれぞれ有している。また、第2走査配線411〜416には、他端側に走査信号の入力端441〜446をそれぞれ有している。さらに、データ配線421、422、423、・・・42iには、一端側にデータ信号の入力端451、452、453、・・・45iをそれぞれ有している。なお、図1では、データ配線421、422、423、・・・42iを単に42とし、かつデータ信号の入力端451、452、453、・・・45iを単に45として表している。
図1では、説明の簡略化のために、第1走査配線401〜407を7本、第2走査配線411〜416を6本図示したが、表示領域4に形成されるべき第1走査配線および第2走査配線の数は、実際にはこれよりも多い。但し、第1走査配線および第2走査配線の数については、任意であり、ここでは特に限定されない。
なお、以下では、個々の配線やスイッチング素子を区別する必要のある場合にのみ、例えば、データ配線421のように、それぞれを区別するための小数字を付して説明し、特に区別する必要がない場合、あるいは、総称する場合には、例えば、データ配線42のように、小数字を付さずに説明する。また、以下では、第1走査配線401〜407および第2走査配線411〜416を区別する必要がない場合、あるいは、総称する場合には、単に、走査配線40,41と称して説明する。
ここで、本実施形態においては、第1走査配線401〜407と、第2走査配線411〜416とは、1本毎に交互に、かつ互いに平行となるように表示領域4に形成されている。すなわち、表示領域4には、第4辺S4側から第1辺S1側に向かって、第1走査配線401、第2走査配線411、第1走査配線402、第2走査配線412、第1走査配線403、第2走査配線413・・・となるように、走査配線40,41が形成されている。また、データ配線421、422、423、・・・42iは、走査配線40,41と交差するよう、かつ互いに平行に表示領域4に形成されている。本実施形態においては、データ配線42は、RGB毎に表示領域4に形成されている。つまり、表示領域4には、R用のデータ配線42、G用のデータ配線42、B用のデータ配線42が形成されている。但し、モノクロ用の液晶パネル1の場合には、これに限定されない。さらに、表示領域4には、走査配線40,41およびデータ配線42以外に、図示しない蓄積容量配線が形成されている。蓄積容量配線は、走査配線40,41に平行となるように、表示領域4に形成されている。
なお、走査配線40,41とデータ配線42との交差部分には、図示しないTFT(Thin Film Transistor)やMIM(Metal Insulator Metal)等のスイッチング素子、および、このスイッチング素子に接続される図示しない絵素電極(R、G、またはB)等が形成されている。
端子配置領域5は、アクティブマトリクス基板2において、複数の走査端子(第1端子)51および複数のデータ端子(第2端子)52が配置された領域である。ドライバ、またはドライバが設けられたフレキシブル配線基板が、端子配置領域5において走査端子51およびデータ端子52と電気的に接続される。このため、走査端子51は、ドライバから走査信号が入力可能な端子となる。また、データ端子52は、ドライバからデータ信号が入力可能な端子となる。なお、ドライバは、COG(Chip On Glass)方式にて端子配置領域5に接続することが可能である。また、ドライバが設けられたフレキシブル配線基板は、TCP(Tape Carrier Package)方式にて端子配置領域5に接続することが可能である。なお、接続する方式については、ここでは特に限定されない。
なお、図1では、端子配置領域5に、1個のドライバを配置することが可能な例を示しているが、これに限定されない。例えば、アクティブマトリクス基板2上に端子配置領域5を複数設けることにより、複数の端子配置領域5のそれぞれに、複数のドライバをそれぞれ配置することが可能なようにしてもよい。
額縁配線領域6には、第1走査配線401〜407の一端側に有する走査信号の入力端431〜437と、走査端子51とをそれぞれ接続する右側走査接続配線(第1接続配線)611〜617が形成されている。すなわち、右側走査接続配線611〜617は、走査信号の入力端431〜437から第3辺S3側に引き出され、第3辺S3に沿って額縁配線領域6に形成され、そして走査端子51へ接続される。
ここで、右側走査接続配線611〜617には、第1右側走査接続配線(第3接続配線、第5接続配線)611、613、615、617と、第2右側走査接続配線(第4接続配線、第7接続配線)612、614、616とを含む。第1右側走査接続配線611、613、615、617は、第1走査配線401〜407が形成された層と同じ層に形成された配線である。なお、以下では、走査配線40,41が形成された層を「第1層」と称する。また、第2右側走査接続配線612、614、616は、当該第2右側走査接続配線612、614、616の少なくとも一部分において、第1走査配線401〜407が形成された層(第1層)と絶縁材料を挟んで異なる層に形成された配線である。なお、以下では、走査配線40,41が形成された層と異なる層を「第2層」と称する。つまり、第2層には、データ配線42が形成されている。
ここで、第2右側走査接続配線612、614、616には接続部分622、624、626をそれぞれ有している。本実施形態においては、第2右側走査接続配線612、614、616のうち、第1走査配線402、404、406の入力端432、434、436と接続部分622、624、626との間の配線は第1層に形成されており、接続部分622、624、626と走査端子51との間の配線は第2層に形成されている。すなわち、接続部分622、624、626において、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とが電気的に接続されることになる。なお、電気的に接続する方法として、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とを絶縁材料に形成されたコンタクトホールを介して直接接触させるようにしてもよいし、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とをさらに別の層に形成された電極を介して電気的に接続させるようにしてもよい。すなわち、電気的に接続する方法として、様々な任意の方法を用いることが可能であり、ここでは特に限定されない。また、接続部分622、624、626の位置についても図1に示す位置に限定されるものではなく、任意である。
図2は、図1中に示した切断線a−a´に沿って切断した断面図である。図2に示すように、アクティブマトリクス基板2上には、第1層として、第1右側走査接続配線611、613、615、617が形成されている。また、絶縁膜(絶縁材料)7が、第1右側走査接続配線611、613、615、617を覆うように、アクティブマトリクス基板2上に形成されている。また、絶縁膜7上には、第2層として、第2右側走査接続配線612、614、616が形成されている。さらに、保護膜8が、第2右側走査接続配線612、614、616を覆うように、絶縁膜7上に形成されている。すなわち、第1右側走査接続配線611、613、615、617と、第2右側走査接続配線612、614、616との間には、絶縁膜7が介在している。
このように、本実施形態においては、第1右側走査接続配線611、613、615、617は第1層に形成され、第2右側走査接続配線612、614、616の少なくとも一部分は第2層に形成されている。このため、1つの層に全ての右側走査接続配線611〜617が形成される態様と比較して、アクティブマトリクス基板の小型化、高精細化を実現できる。
なお、上記では、図1中に示した切断線a−a´の箇所において、第3辺S3側から第2辺S2側に向かって、右側走査接続配線611〜617の順に、第1層または第2層に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、図3に示すように、第1右側走査接続配線611および第2右側走査接続配線612、第1右側走査接続配線613および第2右側走査接続配線614、第1右側走査接続配線615および第2右側走査接続配線616が互いに重なるように、第1層または第2層に形成されるようにしてもよい。この場合、図2に示す態様と比較して、よりアクティブマトリクス基板2の小型化、高精細化を実現できる。
図1に戻り、右側走査接続配線611〜617が接続された複数の走査端子51には、当該複数の走査端子51のそれぞれから第1辺S1側へ延長する複数の第1延長配線53が接続されている。また、複数の第1延長配線53には、走査配線用第1検査配線(第7検査配線)63が接続されている。すなわち、走査配線用第1検査配線63は、複数の第1延長配線53のそれぞれと接続されている。また、走査配線用第1検査配線63には、走査配線用第1検査パッド64がさらに接続されている。走査配線用第1検査パッド64は、走査検査信号が入力可能なパッドである。なお、走査検査信号は、走査信号として機能する検査信号である。
本実施形態においては、走査配線用第1検査配線63は、複数の第1延長配線53のそれぞれと接続されているので、第1走査配線401〜407には、走査配線用第1検査パッド64から走査検査信号を一括して入力することが可能となる。また、走査配線用第1検査配線63は、複数の第1延長配線53のそれぞれと接続されているので、アクティブマトリクス基板2にて発生した静電気を、走査配線用第1検査配線63および走査配線用第1検査パッド64から除去または分散することが可能となる。アクティブマトリクス基板2にて発生した静電気を除去または分散することができるので、当該静電気による配線の短絡や断線、TFTやMIMの特性の変化等を抑制することができる。
また、額縁配線領域6には、第2走査配線411〜416の他端側に有する走査信号の入力端441〜446と、走査端子51とをそれぞれ接続する左側走査接続配線(第1接続配線)651〜656が形成されている。すなわち、左側走査接続配線651〜656は、走査信号の入力端441〜446から第2辺S2側に引き出され、第2辺S2に沿って額縁配線領域6に形成され、そして走査端子51へ接続される。
ここで、左側走査接続配線651〜656には、第1左側走査接続配線(第3接続配線、第6接続配線)651、653、655と、第2左側走査接続配線(第4接続配線、第8接続配線)652、654、656とを含む。第1左側走査接続配線651、653、655は、第1層に形成された配線である。第2左側走査接続配線652、654、656は、当該第2左側走査接続配線652、654、656の少なくとも一部分において、第2層に形成された配線である。
ここで、第2左側走査接続配線652、654、656には、第2右側走査接続配線612、614、616と同様、接続部分662、664、666をそれぞれ有している。本実施形態においては、第2左側走査接続配線652、654、656のうち、第2走査配線412、414、416の入力端442、444、446と接続部分662、664、666との間の配線は第1層に形成されており、接続部分662、664、666と走査端子51との間の配線は第2層に形成されている。すなわち、接続部分662、664、666において、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とが電気的に接続されることになる。なお、第2右側走査接続配線612、614、616の箇所にて説明したものと同様、電気的に接続する方法は任意であり、接続部分662、664、666の位置についても特に限定されない。
左側走査接続配線64が接続された複数の走査端子51には、当該複数の走査端子51のそれぞれから第1辺S1側へ延長する複数の第2延長配線54が接続されている。また、複数の第2延長配線54には、走査配線用第2検査配線(第8検査配線)67が接続されている。すなわち、走査配線用第2検査配線67は、複数の第2延長配線54のそれぞれと接続されている。また、走査配線用第2検査配線67には、走査配線用第2検査パッド68がさらに接続されている。走査配線用第2検査パッド68は、走査検査信号が入力可能なパッドである。
本実施形態においては、走査配線用第2検査配線67は、複数の第2延長配線54のそれぞれと接続されているので、第2走査配線411〜416には、走査配線用第2検査パッド68から走査検査信号を一括して入力することが可能となる。また、走査配線用第2検査配線67は、複数の第2延長配線54のそれぞれと接続されているので、アクティブマトリクス基板2にて発生した静電気を、走査配線用第2検査配線67および走査配線用第2検査パッド68から除去または分散することが可能となる。
また、額縁配線領域6には、右側走査接続配線611〜617のそれぞれに接続された右側走査スイッチング素子691〜697が形成されている。具体的には、右側走査スイッチング素子691〜697は、走査信号の入力端431〜437の近傍の額縁配線領域6に形成されている。ここで、右側走査スイッチング素子691〜697には、第1右側走査接続配線611、613、615、617のそれぞれに接続された第1右側走査スイッチング素子(第1スイッチング素子、第3スイッチング素子)691、693、695、697と、第2右側走査接続配線612、614、616のそれぞれに接続された第2右側走査スイッチング素子(第2スイッチング素子、第5スイッチング素子)692、694、696とを含む。
ここで、第1右側走査スイッチング素子691、第2右側走査スイッチング素子694、および第1右側走査スイッチング素子695には、右側走査接続配線用第1検査配線(第1検査配線、第3検査配線)70がさらに接続されている。すなわち、右側走査接続配線用第1検査配線70は、第1右側走査スイッチング素子691、693、695、697のうちで互いに隣接しない第1右側走査スイッチング素子691、695へ走査検査信号を入力可能であり、かつ、第2右側走査スイッチング素子692、694、696のうちで互いに隣接しない第2右側走査スイッチング素子694へ走査検査信号を入力可能な検査配線である。なお、右側走査接続配線用第1検査配線70は、右側走査接続配線611〜617のそれぞれと交差して額縁配線領域6に形成されている。
また、右側走査接続配線用第1検査配線70には、右側走査接続配線用第1検査パッド71がさらに接続されている。右側走査接続配線用第1検査パッド71は、走査検査信号が入力可能なパッドである。これにより、第1右側走査接続配線611、第2右側走査接続配線614、および第1右側走査接続配線615には、右側走査接続配線用第1検査パッド71から走査検査信号を入力することが可能となる。
また、第2右側走査スイッチング素子692、第1右側走査スイッチング素子693、第2右側走査スイッチング素子696、および第1右側走査スイッチング素子697には、右側走査接続配線用第2検査配線(第2検査配線、第5検査配線)72がさらに接続されている。すなわち、右側走査接続配線用第2検査配線72は、第1右側走査スイッチング素子691、693、695、697のうち右側走査接続配線用第1検査配線70が接続されておらずかつ互いに隣接しない第1右側走査スイッチング素子693、697へ走査検査信号を入力可能であり、かつ、第2右側走査スイッチング素子692、694、696のうち右側走査接続配線用第1検査配線70が接続されておらずかつ互いに隣接しない第2右側走査スイッチング素子692、696へ走査検査信号を入力可能な検査配線である。なお、右側走査接続配線用第2検査配線72は、右側走査接続配線611〜617のそれぞれと交差して額縁配線領域6に形成されている。
また、右側走査接続配線用第2検査配線72には、右側走査接続配線用第2検査パッド73がさらに接続されている。右側走査接続配線用第2検査パッド73は、走査検査信号が入力可能なパッドである。これにより、第2右側走査接続配線612、第1右側走査接続配線613、第2右側走査接続配線616、および第1右側走査接続配線617には、右側走査接続配線用第2検査パッド73から走査検査信号を入力することが可能となる。
すなわち、額縁配線領域6には、上記のように、右側走査接続配線用第1検査配線70、右側走査接続配線用第1検査パッド71、右側走査接続配線用第2検査配線72、および右側走査接続配線用第2検査パッド73が形成されているので、隣接する第1右側走査接続配線611、613、615、617の各々には異なる走査検査信号を入力することが可能となる。これにより、第1層に形成された隣接する第1右側走査接続配線611、613、615、617間の短絡を検出することができる。また、隣接する第2右側走査接続配線612、614、616の各々にも異なる走査検査信号を入力することが可能となる。これにより、第2層に形成された隣接する第2右側走査接続配線612、614、616間の短絡も検出することもできる。
また、額縁配線領域6には、左側走査接続配線651〜656のそれぞれに接続された左側走査スイッチング素子741〜746が形成されている。具体的には、左側走査スイッチング素子741〜746は、走査信号の入力端441〜446の近傍の額縁配線領域6に形成されている。ここで、左側走査スイッチング素子741〜746には、第1左側走査接続配線651、653、655のそれぞれに接続された第1左側走査スイッチング素子(第1スイッチング素子、第4スイッチング素子)741、743、745と、第2左側走査接続配線652、654、656のそれぞれに接続された第2左側走査スイッチング素子(第2スイッチング素子、第6スイッチング素子)742、744、746とを含む。
ここで、第1左側走査スイッチング素子741、第2左側走査スイッチング素子744、および第1左側走査スイッチング素子745には、左側走査接続配線用第1検査配線(第1検査配線、第4検査配線)75がさらに接続されている。すなわち、左側走査接続配線用第1検査配線75は、第1左側走査スイッチング素子741、743、745のうちで互いに隣接しない第1左側走査スイッチング素子741、745へ検査信号を入力可能であり、かつ、第2左側走査スイッチング素子742、744、746のうちで互いに隣接しない第2左側走査スイッチング素子744へ走査検査信号を入力可能な検査配線である。なお、左側走査接続配線用第1検査配線75は、左側走査接続配線651〜656のそれぞれと交差して額縁配線領域6に形成されている。
また、左側走査接続配線用第1検査配線75には、左側走査接続配線用第1検査パッド76がさらに接続されている。左側走査接続配線用第1検査パッド76は、走査検査信号が入力可能なパッドである。これにより、第1左側走査接続配線651、第2左側走査接続配線654、および第1左側走査接続配線655には、左側走査接続配線用第1検査パッド76から走査検査信号を入力することが可能となる。
また、第2左側走査スイッチング素子742、第1左側走査スイッチング素子743、および第2左側走査スイッチング素子746には、左側走査接続配線用第2検査配線(第2検査配線、第6検査配線)77がさらに接続されている。すなわち、左側走査接続配線用第2検査配線77は、第1左側走査スイッチング素子741、743、745のうち左側走査接続配線用第1検査配線75が接続されておらずかつ互いに隣接しない第1左側走査スイッチング素子743へ検査信号を入力可能であり、かつ、第2左側走査スイッチング素子742、744、746のうち左側走査接続配線用第1検査配線75が接続されておらずかつ互いに隣接しない第2左側走査スイッチング素子742、746へ検査信号を入力可能な検査配線である。なお、左側走査接続配線用第2検査配線77は、左側走査接続配線651〜656のそれぞれと交差して額縁配線領域6に形成されている。
また、左側走査接続配線用第2検査配線77には、左側走査接続配線用第2検査パッド78がさらに接続されている。左側走査接続配線用第2検査パッド78は、走査検査信号が入力可能なパッドである。これにより、第2左側走査接続配線652、第1左側走査接続配線653、および第2左側走査接続配線616には、左側走査接続配線用第2検査パッド78から走査検査信号を入力することが可能となる。
すなわち、額縁配線領域6には、上記のように、左側走査接続配線用第1検査配線75、左側走査接続配線用第1検査パッド76、左側走査接続配線用第2検査配線77、および左側走査接続配線用第2検査パッド78が形成されているので、隣接する第1左側走査接続配線651、653、655の各々には異なる走査検査信号を入力することが可能となる。これにより、第1層に形成された隣接する第1左側走査接続配線651、653、655間の短絡を検出することができる。また、隣接する第2左側走査接続配線652、654、656の各々にも異なる走査検査信号を入力することが可能となる。これにより、第2層に形成された隣接する第2左側走査接続配線652、654、656間の短絡も検出することもできる。
ここで、額縁配線領域6には、上記のように、右側走査接続配線用第1検査配線70および右側走査接続配線用第2検査配線72が、右側走査接続配線611〜617のそれぞれと交差して形成されている。また、額縁配線領域6には、上記のように、左側走査接続配線用第1検査配線75および左側走査接続配線用第2検査配線77が、左側走査接続配線651〜656のそれぞれと交差して形成されている。このように、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656ともに、同じ本数の検査配線が交差しているので、右側走査接続配線611〜617にかかる負荷と、左側走査接続配線651〜656にかかる負荷とは等しくなる。このため、右側走査接続配線611〜617に接続された第1走査配線401〜407の到達電位と、左側走査接続配線651〜656に接続された第2走査配線411〜416の到達電位とは同一となる。そのため、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2が表示装置に組み込まれた場合に、当該表示装置の表示画面には、輝度が均一な画像が表示されることになる。
また、額縁配線領域6には、各検査配線70,72,75,77よりも表示領域4側に、蓄積容量幹配線79が形成されている。蓄積容量幹配線79は、表示領域4を左右から挟むように、第2辺S2および第3辺S3に沿って額縁配線領域6に形成されている。蓄積容量幹配線79には、表示領域4に形成された図示しない蓄積容量配線が接続されている。また、蓄積容量幹配線79には、端子配置領域5を介して、蓄積容量配線用検査パッド80がさらに接続されている。蓄積容量配線用検査パッド80は、蓄積容量検査信号が入力可能なパッドである。これにより、蓄積容量配線には、蓄積容量配線用検査パッド80から蓄積容量検査信号を入力することが可能となる。なお、蓄積容量検査信号は、蓄積容量配線の断線や走査配線40,41とのリークを検出するための検査信号である。
ところで、本実施形態においては、上述したように、右側走査スイッチング素子691〜697は、走査信号の入力端431〜437の近傍の額縁配線領域6に形成されており、かつ、左側走査スイッチング素子741〜746は、走査信号の入力端441〜446の近傍の額縁配線領域6に形成されている。ここで、仮に、これとは逆に、右側走査スイッチング素子691〜697が、走査信号の末端側(すなわち、第1走査配線401〜407の他端側)の額縁配線領域6に形成されており、かつ、左側走査スイッチング素子741〜746が、走査信号の末端側(すなわち、第2走査配線411〜416の一端側)の額縁配線領域6に形成されている場合を考える。
図4は、右側走査スイッチング素子691〜697および左側走査スイッチング素子741〜746が走査信号の末端側の額縁配線領域6に形成された場合の液晶パネル1aの概略構成を示す平面図である。なお、図4では、説明の簡略化のために、主要な部材のみ図面番号を付している。図4に示すように、右側走査スイッチング素子691〜697が走査信号の末端側の額縁配線領域6に形成されているので、第1走査配線401〜407の他端側から第2辺S2側へ引き出される第1引出配線40aが額縁配線領域6に新たに形成されることになる。つまり、第1引出配線40aは、第1走査配線401〜407の他端側と右側走査スイッチング素子691〜697とを接続する。また、左側走査スイッチング素子741〜746が走査信号の末端側の額縁配線領域6に形成されているので、第2走査配線411〜416の他端側から第3辺S3側へ引き出される第2引出配線41aが額縁配線領域6に新たに形成されることになる。つまり、第2引出配線41aは、第2走査配線411〜416の他端側と左側走査スイッチング素子741〜746とを接続する。
すなわち、図4に示すD1の部分において、蓄積容量幹配線79と第1引出配線40aとが交差することになる。蓄積容量幹配線79と第1引出配線40aとが交差するので、第1走査配線401〜407には大きな負荷がかかる。また、図4に示すD2の部分において、蓄積容量幹配線79と第2引出配線41aとが交差することになる。蓄積容量幹配線79と第2引出配線41aとが交差するので、第2走査配線411〜416には大きな負荷がかかる。つまり、走査配線40,41に大きな負荷がかかるので、走査配線40,41に入力される走査信号が遅延する。走査信号が遅延するので、データ配線42からのデータ信号が蓄積容量に充電され難くなる。この結果、図4に示す液晶パネル1aが電子機器に組み込まれた場合に、当該電子機器の表示画面では、例えば、所望の輝度が得られない画像が表示されることになる。つまり、液晶パネル1aの表示品質が低下する。
これに対して、本実施形態に係る液晶パネル1では、図1に示すように、右側走査スイッチング素子691〜697および左側走査スイッチング素子741〜746が走査信号の入力端の近傍の額縁配線領域6に形成されているので、上記の第1引出配線40aおよび第2引出配線41aを額縁配線領域6に形成しなくともよい。このため、蓄積容量幹配線79と第1引出配線40a、および、蓄積容量幹配線79と第2引出配線41aとが交差することはない。この結果、本実施形態に係る液晶パネル1では、上述したような問題は生じない。
また、図4に示す液晶パネル1aでは、第1引出配線40aが額縁配線領域6に新たに形成されるので、第1引出配線40aと左側走査接続配線651〜656との間で短絡が生じ易くなる。また、第2引出配線41aが額縁配線領域6に新たに形成されるので、第2引出配線41aと右側走査接続配線611〜617との間で短絡が生じ易くなる。さらに、第1引出配線40aおよび第2引出配線41aが額縁配線領域6に新たに形成されるので、他の配線やスイッチング素子を額縁配線領域6に形成するためのスペースが狭くなる。そのため、配線やスイッチング素子の短絡不良が増加する。
これに対して、本実施形態に係る液晶パネル1では、図1に示すように、右側走査スイッチング素子691〜697および左側走査スイッチング素子741〜746が走査信号の入力端の近傍の額縁配線領域6に形成されているので、上記の第1引出配線40aおよび第2引出配線41aを額縁配線領域6に形成しなくともよい。この結果、本実施形態に係る液晶パネル1では、上述したような問題は生じない。
以上より、右側走査スイッチング素子691〜697および左側走査スイッチング素子741〜746を走査信号の末端側の額縁配線領域6に形成する態様(図4参照)よりも、右側走査スイッチング素子691〜697および左側走査スイッチング素子741〜746を走査信号の入力端の近傍の額縁配線領域6に形成する態様(図1参照)の方が好ましい。すなわち、図1に示す液晶パネル1は、図4に示す液晶パネル1aと比較して、表示品質が向上するとともに、歩留まりも向上する。
図1に戻り、額縁配線領域6には、データ配線421、422、423、・・・42iの一端側に有するデータ信号の入力端451、452、453、・・・45iと、データ端子52とをそれぞれ接続するデータ接続配線(第2接続配線)811、812、813、・・・81iが形成されている。すなわち、データ接続配線81は、データ信号の入力端44から第1辺S1側に引き出され、そしてデータ端子52へ接続される。なお、図1では、データ接続配線811、812、813、・・・81iを単に81として表している。
また、額縁配線領域6には、データ配線421、422、423、・・・42iの他端側に接続されたデータ配線用スイッチング素子(第7スイッチング素子)821、822、823、・・・82iが形成されている。なお、図1では、データ配線用スイッチング素子821、822、823、・・・82iを単に82として表している。
ここで、データ配線用スイッチング素子821、824、827、・・・82i-2には、データ配線用第1検査配線(第9検査配線)83がさらに接続されている。すなわち、データ配線用第1検査配線83は、データ配線用スイッチング素子82のうちで互いに隣接しないデータ配線用スイッチング素子821、824、827、・・・82i-2へデータ検査信号を入力可能な検査配線である。なお、データ配線用第1検査配線83は、第4辺S4側および第2辺側S2の額縁配線領域6に形成されている。また、データ配線用第1検査配線83には、データ配線用第1検査パッド84がさらに接続されている。データ配線用第1検査パッド84は、データ検査信号が入力可能なパッドである。なお、データ検査信号は、データ信号として機能する検査信号である。これにより、データ配線421、424、427、・・・42i-2には、データ配線用第1検査パッド84からデータ検査信号を入力することが可能となる。
また、データ配線用スイッチング素子822、825、828、・・・82i-1には、データ配線用第2検査配線(第10検査配線)85がさらに接続されている。すなわち、データ配線用第2検査配線85は、データ配線用スイッチング素子82のうちデータ配線用第1検査配線83が接続されておらずかつ互いに隣接しないデータ配線用スイッチング素子822、825、828、・・・82i-1へデータ検査信号を入力可能な検査配線である。なお、データ配線用第2検査配線85は、データ配線用第1検査配線83と同様に、第4辺S4側および第2辺S2側の額縁配線領域6に形成されている。また、データ配線用第2検査配線85には、データ配線用第2検査パッド86がさらに接続されている。データ配線用第2検査パッド86は、データ検査信号が入力可能なパッドである。これにより、データ配線422、425、428、・・・42i-1には、データ配線用第2検査パッド86からデータ検査信号を入力することが可能となる。
さらに、データ配線用スイッチング素子823、826、829、・・・82iには、データ配線用第3検査配線(第10検査配線)87がさらに接続されている。すなわち、データ配線用第3検査配線87は、データ配線用スイッチング素子82のうちデータ配線用第1検査配線83およびデータ配線用第2検査配線85が接続されておらずかつ互いに隣接しないデータ配線用スイッチング素子823、826、829、・・・82iへデータ検査信号を入力可能な検査配線である。なお、データ配線用第3検査配線87は、データ配線用第1検査配線83およびデータ配線用第2検査配線85と同様に、第4辺S4側および第2辺S2側の額縁配線領域6に形成されている。データ配線用第3検査配線87には、データ配線用第3検査パッド88がさらに接続されている。データ配線用第3検査パッド88は、データ検査信号が入力可能なパッドである。これにより、データ配線423、426、429、・・・42iには、データ配線用第3検査パッド88からデータ検査信号を入力することが可能となる。
すなわち、額縁配線領域6には、上記のように、データ配線用第1検査配線83、データ配線用第1検査パッド84、データ配線用第2検査配線85、データ配線用第2検査パッド86、データ配線用第3検査配線87、およびデータ配線用第3検査パッド88が形成されているので、隣接するデータ配線42および隣接するデータ接続配線81の各々には異なるデータ検査信号を入力することが可能となる。これにより、データ配線42およびデータ接続配線81の短絡を検出することができる。
さらに、額縁配線領域6には、右側走査スイッチング素子691〜697、左側走査スイッチング素子741〜746、およびデータ配線用スイッチング素子821、822、823、・・・82iに接続されたスイッチング素子制御配線(第1制御配線、第2制御配線)89が形成されている。スイッチング素子制御配線89は、右側走査接続配線用第1検査配線70、右側走査接続配線用第2検査配線72、左側走査接続配線用第1検査配線75、および左側走査接続配線用第2検査配線77よりも表示領域4側に形成されている。スイッチング素子制御配線89には、制御パッド90が接続されている。制御パッド90は、スイッチング素子をオン/オフするための制御信号が入力可能なパッドである。これにより、右側走査スイッチング素子691〜697、左側走査スイッチング素子741〜746、およびデータ配線用スイッチング素子821、822、823、・・・82iには、制御パッド90から制御信号を入力することが可能となる。
ところで、本実施形態においては、図1に示すように、右側走査接続配線用第1検査配線70と右側走査接続配線用第2検査配線72とは互いに隣接しており、右側走査スイッチング素子691〜697の全てが、右側走査接続配線用第1検査配線70と右側走査接続配線用第2検査配線72との間に形成されている。また、左側走査接続配線用第1検査配線75と左側走査接続配線用第2検査配線77とは互いに隣接しており、左側走査スイッチング素子741〜746の全てが、左側走査接続配線用第1検査配線75と左側走査接続配線用第2検査配線77との間に形成されている。このようにすると、詳細は後述するように、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とを電気的に接続するための接続部分の数を減らすことが可能となる。つまり、接続部分を形成すると、接続部分の不良等により第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とが電気的に導通しないことが起こり得る。また、接続部分により抵抗が大きくなることもある。このような場合には、走査配線40,41の検査を正しく行うことができない。さらに、接続部分を形成するためのスペースが必要となるため、隣接する配線と短絡し易くなるとともに、アクティブマトリクス基板2のサイズが大きくなる。このため、接続部分の数は、できるだけ少ないことが好ましい。
図5は、図1中に示したEの部分を拡大して示した説明図である。なお、図5では、説明の便宜上、絶縁膜7や保護膜8等は省略している。ここで、以下では、図5に示す箇所を中心に、左側走査接続配線用第1検査配線75、左側走査接続配線用第2検査配線77、スイッチング素子制御配線89、および左側走査スイッチング素子741〜746の配置関係について説明する。なお、右側走査接続配線用第1検査配線70、右側走査接続配線用第2検査配線72、スイッチング素子制御配線89、および右側走査スイッチング素子691〜697の配置関係についてもこれと同様であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、左側走査接続配線用第1検査配線75、左側走査接続配線用第2検査配線77、およびスイッチング素子制御配線89は、第2層に形成されている。また、第1左側走査接続配線651、653、655は、第1層に形成されている。また、第2走査配線412、414、416の入力端442、444、446と接続部分662、664、666との間の第2左側走査接続配線652、654、656は、第1層に形成されている。さらに、左側走査スイッチング素子741〜746のゲート電極Gは、第1層に形成されている。また、左側走査スイッチング素子741〜746のソース電極Sおよびドレイン電極Dは、第2層に形成されている。
このような場合において、図5に示すように、第1左側走査スイッチング素子741のゲート電極Gと、スイッチング素子制御配線89とを電気的に接続するための接続部分J1が必要となる。また、第1左側走査スイッチング素子741のソース電極Sと、左側走査接続配線651とを電気的に接続するための接続部分J2が必要となる。また、同様に、第2左側走査スイッチング素子742のゲート電極Gと、スイッチング素子制御配線89とを電気的に接続するための接続部分J3、および、第2左側走査スイッチング素子742のソース電極Sと、左側走査接続配線652とを電気的に接続するための接続部分J4が必要となる。すなわち、第1左側走査スイッチング素子741および第2左側走査スイッチング素子742を額縁配線領域6に形成する場合、第1層に形成された配線と第2層に形成された配線とを電気的に接続するための接続部分の数は、接続部分J1〜J4の4個となる。
ここで、仮に、左側走査スイッチング素子741〜746の全てが、左側走査接続配線用第2検査配線77とスイッチング素子制御配線89との間に形成されている場合を考える。この場合、図6に示すように、接続部分の数は、接続部分J1〜J6の6個となる。また、仮に、左側走査スイッチング素子741〜746の全てが、左側走査接続配線用第1検査配線75、左側走査接続配線用第2検査配線77、およびスイッチング素子制御配線89よりも表示領域4側に形成されている場合を考える。この場合、図7に示すように、接続部分の数は、接続部分J1〜J8の8個となる。
以上より、本実施形態のように、右側走査スイッチング素子691〜697の全てが、右側走査接続配線用第1検査配線70と右側走査接続配線用第2検査配線72との間に形成されており、かつ、左側走査スイッチング素子741〜746の全てが、左側走査接続配線用第1検査配線75と左側走査接続配線用第2検査配線77との間に形成されていれば、その他の態様(図6,図7)と比較して、接続部分の数を少なくすることが可能となる。この結果、本実施形態に係るアクティブマトリクス基板2は、液晶パネル1の歩留まりの向上に貢献できるとともに、サイズも小さくすることができる。
なお、左側走査接続配線用第1検査配線75に接続された左側走査スイッチング素子が、左側走査接続配線用第1検査配線75とスイッチング素子制御配線89との間に形成されており、かつ、左側走査接続配線用第2検査配線77に接続された左側走査スイッチング素子が、左側走査接続配線用第2検査配線77とスイッチング素子制御配線89との間に形成されている態様であっても、図5に示す場合と同様、接続部分の数を少なくすることが可能となる。すなわち、図8に示すように、スイッチング素子制御配線89の左側に第1左側走査スイッチング素子741が形成されており、スイッチング素子制御配線89の右側に第2左側走査スイッチング素子742が形成されている。この場合、接続部分の数は、図5に示す場合と同様、接続部分J1〜J4の4個となる。
また、左側走査接続配線用第1検査配線75に接続された左側走査スイッチング素子が、左側走査接続配線用第1検査配線75およびスイッチング素子制御配線89の左側に形成されており、かつ、左側走査接続配線用第2検査配線77に接続された左側走査スイッチング素子が、左側走査接続配線用第2検査配線77およびスイッチング素子制御配線89の右側に形成されている態様であっても、図5に示す場合と同様、接続部分の数を少なくすることが可能となる。すなわち、図9に示すように、左側走査接続配線用第1検査配線75およびスイッチング素子制御配線89の左側に第1左側走査スイッチング素子741が形成されており、左側走査接続配線用第2検査配線77およびスイッチング素子制御配線89の右側に第2左側走査スイッチング素子742が形成されている。この場合、接続部分の数は、図5に示す場合と同様、接続部分J1〜J4の4個となる。
図1に戻り、第2辺S2側の額縁配線領域6には、共通検査配線91が形成されている。共通検査配線91には、共通電極パッド92が接続されている。また、共通検査配線91には、トランスファーパッド93がさらに接続されている。トランスファーパッド93は、対向基板3に形成されている図示しない共通電極に接続されている。これにより、対向基板3に形成されている共通電極には、共通電極パッド92から共通電圧を印加することが可能となる。
次に、本実施形態に係る液晶パネル1の製造方法について説明する。なお、以下では、特に液晶パネル1の電気的な接続状態を検査する検査工程について、詳細に説明する。
すなわち、透明なガラス基板上に、導電膜、絶縁膜、保護膜、配向膜等の薄膜を積層し、アクティブマトリクス基板2として切り出されるべきアクティブマトリクス基板領域が複数形成されるアクティブマトリクス基板用のベース基板を製造する。また、透明なガラス基板上に、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、導電膜、配向膜等の薄膜を積層し、対向基板3として切り出されるべき対向基板領域が複数形成される対向基板用のベース基板を製造する。両ベース基板のうちの一方のベース基板にシール剤を塗布する。そして、シール剤を塗布した後、両ベース基板を貼り合わせる。貼り合わされた両ベース基板は、アクティブマトリクス基板2と対向基板3とを有する液晶パネル1が所定の枚数形成されるマザー基板として切断する。マザー基板として切断された液晶パネル1の個々に、アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間に形成される注入口を介して、例えば、真空注入方式を用いることにより液晶材料を注入する。なお、真空注入方式に代えて、滴下注入方式を用いることにより液晶材料を注入してもよい。この場合、前記注入口は不要であり、注入口部分を封止する工程も不要である。また、図1に示す液晶パネル1は、液晶材料を注入した後のマザー基板として切断した液晶パネルの1つを示している。したがって、図示は省略したが、図1の液晶パネル1の例えば上下左右には他の液晶パネルが存在している。
そして、端子配置領域5にドライバを取り付ける前に、液晶パネル1の電気的な接続状態を検査する検査工程が行われる。すなわち、検査工程は、液晶パネル1のアクティブマトリクス基板2における配線の断線・短絡や絵素の欠陥を検査する。また、検査工程として、詳細は後述するように、第1検査工程と、第2検査工程とに分けて行われる。
検査方法として、第1検査工程では、走査配線用第1検査パッド64、走査配線用第2検査パッド68、蓄積容量配線用検査パッド80、データ配線用第1検査パッド84、データ配線用第2検査パッド86、データ配線用第3検査パッド88、制御パッド90、および共通電極パッド92に、例えば、検査用プローブを接触させ、電圧を印加する。また、第2検査工程では、右側走査接続配線用第1検査パッド71、右側走査接続配線用第2検査パッド73、左側走査接続配線用第1検査パッド76、左側走査接続配線用第2検査パッド78、蓄積容量配線用検査パッド80、データ配線用第1検査パッド84、データ配線用第2検査パッド86、データ配線用第3検査パッド88、制御パッド90、および共通電極パッド92に、例えば、検査用プローブを接触させ、電圧を印加する。なお、検査用プローブを各パッドに接触させる順番については、ここでは特に限定されない。
これにより、走査配線40,41に、走査信号として機能する走査検査信号が入力される。ここで、走査検査信号は、例えば、各絵素が有するスイッチング素子を少なくとも一定期間、オンさせるような信号である。また、データ配線42に、データ信号として機能するデータ検査信号が入力される。ここで、データ検査信号は、例えば、各絵素領域の液晶を所望の方向に配向させるような信号である。このため、各絵素のスイッチング素子がオン状態になり、各絵素電極にデータ信号が印加されることで、液晶の分子配列方向が制御され、例えば、液晶パネル1の背面からバックライトのような照射手段にて照射すると、アクティブマトリクス基板2の表示領域4に対応する液晶パネル1の表示画面(以下、「液晶パネル1の表示画面」と称する)に画像が表示されるようになる。したがって、液晶パネル1の表示画面上で、例えば、検査員の目視検査により、液晶パネル1のアクティブマトリクス基板2における配線の断線・短絡を検査することが可能となる。なお、検査員の目視検査に代えてまたは加えて、画像認識処理装置を用いてもよいし、配線の断線・短絡を電気的に検出する検出装置等を用いて検査してもよい。
ここで、第1検査工程について、詳述する。
以下では、まず、走査配線40,41、右側走査接続配線611〜617、および左側走査接続配線651〜656の断線の検出方法について説明する。
すなわち、データ配線42にデータ検査信号が入力され、かつ、走査配線40,41、右側走査接続配線611〜617、および左側走査接続配線651〜656には、走査配線用第1検査パッド64および走査配線用第2検査パッド68から走査検査信号が入力される。このため、走査配線40,41が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面において、断線していた箇所以降の走査配線40,41に対応するラインの絵素が表示しなくなる。そのため、検査員は、走査配線40,41が断線していることを検出することができる。
また、右側走査接続配線611〜617が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面において、断線した右側走査接続配線611〜617に接続された第1走査配線401〜407に対応する1ライン全てが表示しなくなる。そのため、検査員は、右側走査接続配線611〜617が断線していることを検出することができる。さらに、左側走査接続配線651〜656が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面において、断線した左側走査接続配線651〜656に接続された第2走査配線411〜416に対応する1ライン全てが表示しなくなる。そのため、検査員は、左側走査接続配線651〜656が断線していることを検出することができる。
次に、走査配線40,41間の短絡の検出方法について説明する。
すなわち、第2走査配線411〜416には走査検査信号を入力せずに、走査配線用第1検査パッド64から第1走査配線401〜407へ走査検査信号を入力する。このとき、第1走査配線401〜407と第2走査配線411〜416とが短絡していた場合、液晶パネル1の表示画面において、第1走査配線401〜407に対応するラインだけでなく、短絡している第2走査配線に対応するラインも表示するようになる。そのため、検査員は、第1走査配線401〜407と第2走査配線411〜416との間が短絡していることを検出することができる。なお、第1走査配線401〜407には走査検査信号を入力せずに、走査配線用第2検査パッド68から第2走査配線411〜416へ走査検査信号を入力するようにしてもよい。
ところで、上記では、右側走査接続配線611〜617には、走査配線用第1検査パッド64から走査検査信号が一括して入力される。すなわち、第1層に形成された隣接する第1右側走査接続配線611、613、615、617の各々には、同一の走査検査信号が入力される。つまり、隣接する第1右側走査接続配線611、613、615、617の各々は同電位となっている。また、第2層に形成された隣接する第2右側走査接続配線612、614、616の各々には、同一の走査検査信号が入力される。つまり、隣接する第2右側走査接続配線612、614、616の各々は同電位となっている。このため、上記の第1検査工程では、第1層に形成された隣接する第1右側走査接続配線611、613、615、617間の短絡、および、第2層に形成された隣接する第2右側走査接続配線612、614、616間の短絡を検出することができない。そのため、後述する第2検査工程において、これらの短絡の有無を検査する。
また、これと同様に、上記の第1検査工程では、第1層に形成された隣接する第1左側走査接続配線651、653、655間の短絡、および、第2層に形成された隣接する第2左側走査接続配線652、654、656間の短絡を検出することができない。そのため、後述する第2検査工程において、これらの短絡の有無を検査する。
次に、データ配線42の断線の検出方法について説明する。
すなわち、走査配線40,41に走査検査信号が入力され、データ配線42には、データ配線用第1検査パッド84、データ配線用第2検査パッド86、データ配線用第3検査パッド88からデータ検査信号が入力される。このため、データ配線42が断線していた場合には、液晶パネル1の表示画面において、断線していた箇所以降のデータ配線42に対応するラインの絵素が正常なラインの絵素と異なる表示をする。そのため、検査員は、データ配線42が断線していることを検出することができる。
次に、データ配線42およびデータ接続配線81の短絡の検出方法について説明する。
すなわち、データ配線用スイッチング素子82には、制御パッド90から当該データ配線用スイッチング素子82をオンする制御信号が入力される。これにより、データ配線用スイッチング素子82はオンする。ここで、例えば、複数のデータ配線42のうちデータ配線421、424、427、・・・42i-2のみにデータ検査信号が入力されるようにし、当該データ配線421、424、427、・・・42i-2以外のデータ配線422、423、425、・・・42i-1、42iにはデータ検査信号が入力されないようにする。例えば、データ配線用第1検査パッド84のみに検査用プローブを接触させ、データ配線用第2検査パッド86およびデータ配線用第3検査パッド88には検査用プローブを接触させないようにする。
このようにすると、データ配線421、424、427、・・・42i-2が短絡していた場合には、当該データ配線421、424、427、・・・42i-2に対応しているラインだけでなく、短絡しているデータ配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、データ配線421、424、427、・・・42i-2が短絡していることを検出することができる。また、データ接続配線811、814、817、・・・81i-2が短絡していた場合には、当該データ接続配線811、814、817、・・・81i-2に接続されたデータ配線421、424、427、・・・42i-2に対応するラインだけでなく、短絡しているデータ接続配線に接続されたデータ配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、データ接続配線811、814、817、・・・81i-2が短絡していることを検出することができる。
これと同様に、データ配線用第2検査パッド86のみに検査用プローブを接触させ、データ配線用第1検査パッド84およびデータ配線用第3検査パッド88には検査用プローブを接触させないようにすると、検査員は、データ配線422、425、428、・・・42i-1およびデータ接続配線812、815、818、・・・81i-1の短絡を検出することができる。また、データ配線用第3検査パッド88のみに検査用プローブを接触させ、データ配線用第1検査パッド84およびデータ配線用第2検査パッド86には検査用プローブを接触させないようにすると、検査員は、データ配線423、426、429、・・・42iおよびデータ接続配線813、816、819、・・・81iの短絡を検出することができる。
以上のように、第1検査工程では、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656の短絡を検出することができない。このため、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656の短絡の有無を検査するために、引き続き第2検査工程が行われる。
ここで、第2検査工程の前に、第1延長配線53および第2延長配線54を切断する切断工程が行われる。具体的には、第1延長配線53および第2延長配線54を例えば図1に示すカットラインCに沿って切断する。切断方法として、例えば、レーザーを用いて切断する。これにより、右側走査接続配線611〜617が接続された走査端子51間が電気的に切断される。また、左側走査接続配線651〜656が接続された走査端子51間が電気的に切断される。なお、複数の走査端子51間が電気的に切断されれば、カットラインCに代えて、他のラインに沿って切断してもよい。
次に、第2検査工程について、詳述する。
以下では、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656の短絡の検出方法について説明する。なお、走査配線40,41の短絡の検出方法、データ配線42の断線の検出方法、データ配線42およびデータ接続配線81の短絡の検出方法については、第1検査工程にて説明したものと同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。また、走査配線40,41の断線の検出方法は、第1検査工程における走査配線用第1検査パッド64および走査配線用第2検査パッド68の代わりに、右側走査接続配線用第1検査パッド71、右側走査接続配線用第2検査パッド73、左側走査接続配線用第1検査パッド76、および左側走査接続配線用第2検査パッド78を用いることで、第1検査工程と同様に実施できる。
すなわち、右側走査スイッチング素子691〜697には、制御パッド90から当該右側走査スイッチング素子691〜697をオンする制御信号が入力される。これにより、右側走査スイッチング素子691〜697はオンする。ここで、例えば、第1右側走査接続配線611、613、615、617のうち、第1右側走査接続配線611、615のみに走査検査信号が入力されるようにし、当該第1右側走査接続配線611、615以外の第1右側走査接続配線613、617には走査検査信号が入力されないようにする。また、第2右側走査接続配線612、614、616のうち、第2右側走査接続配線614のみに走査検査信号が入力されるようにし、当該第2右側走査接続配線614以外の第2右側走査接続配線612、616には走査検査信号が入力されないようにする。例えば、右側走査接続配線用第1検査パッド71のみに検査用プローブを接触させ、右側走査接続配線用第2検査パッド73には検査用プローブを接触させないようにする。
このようにすると、第1層に形成された第1右側走査接続配線611、615が短絡していた場合には、当該第1右側走査接続配線611、615に接続された第1走査配線401、405に対応するラインだけでなく、短絡している第1右側走査接続配線に接続された第1走査配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、第1層に形成された第1右側走査接続配線611、615が短絡していることを検出することができる。また、第2層に形成された第2右側走査接続配線614が短絡していた場合には、当該第2右側走査接続配線614に接続された第1走査配線404に対応するラインだけでなく、短絡している第2右側走査接続配線に接続された第1走査配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、第2層に形成された第2右側走査接続配線614が短絡していることを検出することができる。
これと同様に、例えば、右側走査接続配線用第2検査パッド73のみに検査用プローブを接触させ、右側走査接続配線用第1検査パッド71には検査用プローブを接触させないようにすると、検査員は、第1層に形成された第1右側走査接続配線613、617の短絡、および、第2層に形成された第2右側走査接続配線612、616の短絡を検出することができる。
また、左側走査スイッチング素子741〜746には、制御パッド90から当該左側走査スイッチング素子741〜746をオンする制御信号が入力される。これにより、左側走査スイッチング素子741〜746はオンする。ここで、例えば、第1左側走査スイッチング素子741、743、745のうち、第1左側走査スイッチング素子741、745のみに走査検査信号が入力されるようにし、当該第1左側走査スイッチング素子741、745以外の第1左側走査スイッチング素子743には走査検査信号が入力されないようにする。また、第2左側走査スイッチング素子742、744、746のうち、第2左側走査スイッチング素子744のみに走査検査信号が入力されるようにし、当該第2左側走査スイッチング素子744以外の第2左側走査スイッチング素子742、746には走査検査信号が入力されないようにする。例えば、左側走査接続配線用第1検査パッド76のみに検査用プローブを接触させ、左側走査接続配線用第2検査パッド78には検査用プローブを接触させないようにする。
このようにすると、第1層に形成された第1左側走査接続配線651、655が短絡していた場合には、当該第1左側走査接続配線651、655に接続された第2走査配線411、415に対応するラインだけでなく、短絡している第1左側走査接続配線に接続された第2走査配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、第1層に形成された第1左側走査接続配線651、655が短絡していることを検出することができる。また、第2層に形成された第2左側走査接続配線654が短絡していた場合には、当該第2左側走査接続配線654に接続された第2走査配線414に対応するラインだけでなく、短絡している第2左側走査接続配線に接続された第2走査配線に対応するラインも表示することになる。そのため、検査員は、第2層に形成された第2左側走査接続配線654が短絡していることを検出することができる。
これと同様に、例えば、左側走査接続配線用第2検査パッド78のみに検査用プローブを接触させ、左側走査接続配線用第1検査パッド76には検査用プローブを接触させないようにすると、検査員は、第1層に形成された第1左側走査接続配線653の短絡、および、第2層に形成された第2左側走査接続配線652、656の短絡を検出することができる。
ところで、上記の切断工程にて、第1延長配線53および第2延長配線54を切断する際、当該延長配線53,54の一部が除去されずに残ってしまうことがある。また、切断くずが端子配置領域5上に飛び散ることで走査端子51と延長配線53,54とが短絡することもある。このため、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656が接続された走査端子51間が電気的に切断されているか否かの検査を行うことが好ましい。すなわち、右側走査接続配線611〜617および左側走査接続配線651〜656に、走査配線用第1検査パッド64および走査配線用第2検査パッド68から走査検査信号を入力させる。したがって、第1延長配線53および第2延長配線54の一部が除去されずに残っていたり、走査端子51と延長配線53,54とが短絡していたりすると、液晶パネル1の表示画面に画像が表示されることとなる。それゆえ、上記の切断工程で生じる不具合を検出できる。
そして、上記の第1検査工程または第2検査工程において、配線の断線や短絡を検出すると、配線の断線や短絡を検出した液晶パネル1を不良品として除去する。これにより、液晶パネル1の不良品にドライバを実装する必要がなくなるため、ドライバ実装工程における歩留まりを向上でき、コストダウンを図ることができる。なお、配線の断線や短絡を検出した液晶パネル1を除去する代わりに、配線の断線や短絡が生じている箇所にレーザー等を照射することで断線や短絡を修復してもよい。
次に、上記の検査工程(第1検査工程、第2検査工程)の後に、実装工程が行われる。実装工程は、例えばアクティブマトリクス基板2の端子配置領域5に、走査配線40,41およびデータ配線42を駆動制御するドライバを実装する工程である。そして、マザー基板から個々の液晶パネル1を切り出す。そして、切り出した液晶パネル1に偏光板などの光学フィルムを貼り付ける。これにより、液晶パネル1が製造される。なお、液晶パネル1を製造する方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、モノクロ用の液晶パネルでは、対向基板にはカラーフィルタを積層しなくともよい。また、個々の液晶パネルを切り出した後に検査工程、実装工程を行ってもよい。
以上に述べたように、本実施形態におけるアクティブマトリクス基板2によれば、複数の層のそれぞれについて、同じ層に形成された隣接する接続配線間(第1右側走査接続配線間、第2右側走査接続配線間、第1左側走査接続配線間、第2左側走査接続配線間)の短絡を簡易な構成で確実に検出することができるアクティブマトリクス基板を実現することができる。
なお、本実施形態においては、第1走査配線と第2走査配線とが、1本毎に交互に、かつ互いに平行となるように表示領域に形成されたアクティブマトリクス基板について説明したが、これに限定されない。例えば、表示領域に、互いに隣接し一端側に走査信号の入力端を有する第1群の走査配線と、互いに隣接し他端側に走査信号の入力端を有する第2群の走査配線とが形成されたアクティブマトリクス基板(例えば、背景技術において説明した国際公開第2008/015808号パンフレットに記載のアクティブマトリクス基板)においても本発明を適用できることは勿論である。このようなアクティブマトリクス基板においては、右側走査接続配線は、第1群の走査配線の入力端と走査端子とをそれぞれ接続し、左側走査接続配線は、第2群の走査配線の入力端と走査端子とをそれぞれ接続することになる。また、例えば、走査配線として、一端側に走査信号の入力端を有する走査配線のみが形成されたアクティブマトリクス基板、あるいは、走査配線として、他端側に走査信号の入力端を有する走査配線のみが形成されたアクティブマトリクス基板においても本発明を適用できることは勿論である。
また、本実施形態においては、対向基板に共通電極を形成し、対向基板の共通電極に共通電圧を印加する例について説明したが、これに限定されない。例えば、共通電極がアクティブマトリクス基板に形成されるIPS(In Plane Switching)モードの液晶パネルにも本発明を適用できることは勿論である。ここで、IPSモードの液晶パネルのアクティブマトリクス基板には、トランスファーパッドを形成しなくともよい。また、MVA(Multi-Domain Vertical Aligned)モードの液晶パネル、OCB(Optically Compensated Bend)モードの液晶パネル等にも本発明を適用できることは勿論である。
また、本実施形態においては、独立した蓄積容量配線を表示領域に形成し、当該蓄積容量配線を利用して蓄積容量を形成したCsonCommonタイプの液晶パネルの例について説明したが、これに限定されない。すなわち、隣接する走査配線を利用して蓄積容量を形成したCsonGateタイプの液晶パネルにも本発明を適用できることは勿論である。ここで、CsonGateタイプの液晶パネルでは、独立した蓄積容量配線を表示領域に形成する必要はない。このため、CsonGateタイプの液晶パネルは、高開口率を実現できる。
また、本実施形態においては、R用のデータ配線、G用のデータ配線、B用のデータ配線が表示領域に形成されている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、R用の走査配線、G用の走査配線、B用の走査配線が表示領域に形成されるようにしてもよい。この場合、データ配線は、RGB毎に設ける必要はない。
また、本実施形態においては、額縁配線領域には、右側走査スイッチング素子、左側走査スイッチング素子、およびデータ配線用スイッチング素子にそれぞれ共通のスイッチング素子制御配線が形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、額縁配線領域には、右側走査スイッチング素子、左側走査スイッチング素子、およびデータ配線用スイッチング素子にそれぞれ個別のスイッチング素子制御配線が形成されていてもよい。
また、本実施形態においては、アクティブマトリクス基板上に形成された各検査パッドは、他のアクティブマトリクス基板上に形成された各検査パッドと接続されていない例について説明したが、これに限定されない。すなわち、アクティブマトリクス基板上に形成された各検査パッドは、他のアクティブマトリクス基板上に形成された各検査パッドと接続されていてもよい。特に、走査配線用第1検査パッドおよび走査配線用第2検査パッドが、他のアクティブマトリクス基板上に形成された検査パッドと接続されていれば、アクティブマトリクス基板上にて発生した静電気の除去および分散効果はより大きくなる。
さらに、本実施形態においては、各検査パッドがアクティブマトリクス基板上に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、アクティブマトリクス基板とは異なる基板上に各検査パッドを形成し、当該アクティブマトリクス基板上には、各検査パッドから供給される検査信号が入力可能な検査配線のみが形成されていてもよい。
すなわち、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。