JP5377661B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法に用いられるトナーに関するものである。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ、プロッター等に利用し得る画像記録装置に用いられる静電荷像現像用トナー(以後トナーと略す)に関するものである。
複写機、プリンター、ファクシミリの受信装置などに用いられる電子写真技術は装置の発展とともに利用者からの要求も年々厳しくなっている。近年の動向では、高速かつ多数枚印刷が可能であること、また市場の拡大により使用される環境が多様化してきたため、環境に依存せず高画質が維持できることが必須課題となっている。
上記要求を満足させるためには、高耐久且つ高安定なトナーが従来以上に必要とされ、種々の検討が行われている。例えば、トナーの帯電性を評価する手法として熱刺激電流を測定することが開示されている(例えば特許文献1参照)。さらに、この熱刺激電流が特定の値を示すことより、良好な帯電特性を有するトナーを提供し得ることが開示されている(例えば特許文献2乃至5参照)。
特許文献2、3では、特定の温度範囲における1回目と2回目の熱刺激電流の値を規定することでワックスのトナー表面における存在状態を推定した。それによって優れた帯電特性を持つトナーを得ることが可能となり、環境依存性なく高い画質を実現している。
特許文献4では、トナーの熱刺激電流が特定の範囲に2つ以上のピークを持ち、ピーク値の関係から帯電の立ち上がりと帯電の保持性が良好なトナーを得る手法が開示されている。これにより、長時間放置された状態からでも、すぐさま充分な帯電量を得ることができスタートアップ時間の短縮が可能となった。
特許文献5では、トナーの熱刺激電流が発生する温度と、トナーの硬さから高耐久で高帯電安定性を持ったトナーが提供できることを開示している。
これらの特許文献ではいずれも、トナーの熱刺激電流の測定における、ある温度でのピーク電流値から帯電特性が規定されている。しかし、このような規定では、高温高湿下や低温低湿下など多様な環境下でのトナーの帯電特性については規定されておらず、上記特許文献に記載のトナーでは、高温高湿下での帯電の維持や、低温低湿下での過帯電の抑制といった点で改善の余地がある。
特開平8−62885号公報 特開2008−164947号公報 特開2008−145733号公報 特開2006−317744号公報 特開2004−301990号公報
本発明の目的は、上記技術における問題点を解決したトナーを提供することにある。すなわち、環境依存することなく帯電特性に優れ、長期に渡って高画質を達成するトナーを提供すること。
本発明は、結着樹脂着色剤及びワックスを有するトナー粒子を有するトナーであって、温度23℃、湿度60%の環境下に48時間放置したトナーを試料とし、昇温時の熱刺激電流の電流値を熱刺激電流測定装置を用いて測定することによって得られた、縦軸を電流値、横軸を温度とする熱刺激電流スペクトルにおいて、電流値が−1.0×10−13A以上1.0×10−14A以下である極小値の中で最も高温側に現れる極小値をMP、そのときの温度をT0(℃)とし、電流値がMPの4分の1となる温度のうち、T0より低温側で、最もT0に近い温度をT1(℃)、及び、電流値がMPの4分の1となる温度のうち、T0より高温側で最もT0に近い温度をT2(℃)としたとき、T0が64℃以上114℃以下であり、T0−T1が7.5℃以上30.0℃以下であり、T2−T0が0℃より大きく15.0℃以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明が規定する熱刺激電流スペクトルの形状を有するトナーであれば、環境に左右されにくい安定して優れた帯電特性を示し、長期にわたり高画質を達成できる。
本発明のトナーの熱刺激電流スペクトルの一例を示す図である。 熱刺激電流測定に用いられる荷電装置の概略図である。 熱刺激電流測定装置の概略図である。 横線で1%の印字率の画像を示す模式図である。
優れた帯電特性を持ったトナーを提供することは、環境に依存せず長期に高画質を達成し市場のニーズを満足させる為にも必須課題となっている。
発明者らは、トナーの帯電特性が熱刺激電流スペクトルと強い関係性があり、熱刺激電流スペクトルを規定することで、前記課題を満足するトナーが得られることを見出した。ここで、熱刺激電流とは、コロナ帯電により帯電させたトナーを温度変化させた際に流れる電流のことであり、熱刺激電流測定装置により測定される。そして、温度上昇による熱刺激電流値の変化を熱刺激電流スペクトルという。熱刺激電流は、トナーの帯電性を評価する手法として、慣用されている。例えば、電子写真現像剤の最新技術−トナー開発の最前線−(シーエムシー出版 2005年8月31日第1刷発行)には、トナーの熱刺激電流についての項目があり、熱刺激電流によって電荷トラップの深さが求められると記載されている(同書329頁等参照)。
本発明のトナーの熱刺激電流スペクトルの例を図1に示す。縦軸は電流値であり、その温度における電荷の移動量を表している。このような熱刺激電流スペクトルがトナーの帯電特性に影響することについて、発明者らは以下の様に考えている。
熱刺激電流スペクトルにおいて、その電流値はトナーが帯電した際に持つ電荷の状態を表している。すなわち、トナーの帯電、またはトナーからの電荷の放出は、外部からエネルギーが加えられることで起こりえるものである。従って、そのエネルギーに見合うだけの温度が加えられることで電荷の移動が起こり、その際に熱刺激電流が発生している。
また、トナー1粒子において、電荷を弱く保持する部分と、強く保持する部分とが混在しており、このことが熱刺激電流スペクトルに反映される。すなわち、熱刺激電流スペクトルにおいて、低温側に発生する熱刺激電流は、低エネルギーでも比較的移動がしやすい、電荷を弱く保持する部分の電荷によるものである。このような電荷を弱く保持する部分は、トナーの帯電の立ち上がり特性に大きく影響を与えている一方で、リークを起こしやすく、トナーの帯電安定性を損なう。これに対し、高温側で発生する熱刺激電流は、電荷を移動させるために高いエネルギーが必要である、電荷を強く保持する部分の電荷によるものである。このような電荷を強く保持する部分は、トナーの安定した帯電に寄与する一方で、電荷が放出されにくいために過帯電が生じやすく、画像欠陥の原因になる可能性がある。
本発明のトナーは、図1に示すように熱刺激電流が低温側にブロードに発生している。このような、ピークを有するトナーは、過帯電を生じず帯電状態が安定しており、環境に左右されにくい、優れた帯電性を示す。これは以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、上記のようなトナーは、電荷を中程度に保持する部分が適度に存在しており、電荷が遷移することが可能となっている。これによって、電荷を弱く保持する部分が素早く帯電し、電荷を中程度に保持する部分を介して電荷を強く保持する部分へと電荷が遷移する。その結果、トナーは帯電の立ち上がりが早く、かつ安定した帯電状態をとることができる。また、電荷を強く保持する部分の電荷が多くなってくると、過剰な電荷が電荷を中程度に保持する部分を介して電荷を弱く保持する部分へ遷移することで、トナーが過帯電にならないように電荷をリークする。
以上のような理由から、発明者らは本発明のトナーを以下の様に規定した。すなわち、熱刺激電流測定装置で測定される熱刺激電流スペクトルにおいて、電流値が−1.0×10−13A以上−1.0×10−14A以下である極小値の中で最も高温側に現れる極小値をMP、そのときの温度をT0(℃)とし、電流値がMPの4分の1となる低温側で最もT0に近い温度をT1(℃)、電流値がMPの4分の1となる高温側で最もT0(℃)に近い温度をT2(℃)としたとき、T0−T1が7.5℃以上30.0℃以下であり、T2−T0℃が0℃より大きく15.0℃以下であることが前記課題を解決するのに必須であることを見出し、本発明を完成させた。
なお、極小値MPから、低温側で最もT0に近くMPの4分の1となるときの温度をT1、極小値MPから、高温側で最もT0に近くMPの4分の1となるときの温度をT2とした理由は以下のようである。熱刺激電流スペクトルにおいて、電流値が極小値の4分の1未満であるような部分は、トナーの帯電特性にほとんど寄与していない。そこで、トナーの帯電性に影響する、電流値がMPの4分の1以上の部分を規定するため、上記のようにT1、T2を定義した。
T0−T1が7.5℃以上30.0℃以下であれば、熱刺激電流スペクトルが低温側に充分にブロード化しており、電荷の移動がスムーズに行われるので素早い帯電が可能となる。また、電荷を中程度に保持する部分が多くなるので、安定した帯電性が得られる。
T0−T1は13.0℃以上25.0℃以下であることが好ましく、より好ましくは13.0℃以上20.0℃以下である。T0−T1がこの範囲であれば、さらに良好なトナーの帯電特性が長期に渡って安定して得られる。
T0−T1が7.5℃未満となる場合には、熱刺激電流スペクトルが充分に低温側へブロード化していない為に、特に高温高湿下においては帯電の立ち上がりに劣り、高温高湿下で初期画像においてカブリが生じてしまう。また、低温低湿下で長期に印字を重ねると過帯電による、部材汚染を引き起こし現像スジが発生する。
T0−T1が30.0℃よりも大きくなると、熱刺激電流スペクトルが低温側へブロード化しすぎている為、電荷の移動が早く、また安定な状態へ遷移するまでの時間が長くなる。そのため、電荷のリークによって帯電の立ち上がり遅くなり、全体としての総帯電量が不足してしまい現像性の低下が起こってしまう。その結果、トナーの帯電量が不十分である為に転写性低下による画像濃度の低下などの現像安定性の低下や、高温高湿環境でのカブリの低下を引き起こしてしまう。
さらに、T2−T0は0℃より大きく15.0℃以下であることが必要となる。極小値よりも高温側の熱刺激電量スペクトルは、帯電したトナーの持つ安定した電荷を表すものである。しかし、極小値よりも高温側にブロード化することで、トナーの持つ電荷の状態は遷移しにくくなり過帯電が起こりやすくなってしまう。そのため、T2−T0が15.0℃より大きい場合は、上記T0−T1の範囲においても過帯電した電荷が増えてしまい、トナー担持体等への部材汚染が発生しやすくなる。その結果、フィルミングが発生しやすくなる。
また、T2−T0は5.0℃以下であるのが好ましく、この範囲であれば長期に連続で印字した場合でも安定した高画質が得られる。
また、本発明では、極小値MPは−1.0×10−13A以上−1.0×10−14A以下である必要がある。MPの大きさはそのトナーの持つ帯電量を大まかに表したものである。そのため、−1.0×10−14Aを超える場合には、トナーの帯電量は不足してしまい現像性が著しく低下してしまう。そのため、転写性が悪化したり画像濃度安定性が低下したりする。さらにはカブリの悪化が見られる。反対に、−1.0×10−13A未満であると、トナーが全体的に過帯電しやすい傾向となるために、低温低湿下において著しく部材汚染を発生させ、フィルミングや現像スジの極端な悪化が見られる。極小値MPは好ましくは−1.0×10−13A以上−3.0×10−14A以下である。この範囲であれば、充分な帯電量が維持できるので現像性やカブリといった点において長期に印字した場合でも、性能を維持することができる。
また、T0は65℃以上110℃以下となることが好ましい。T0がこの範囲内であれば、電荷の状態が安定であり、現像性の低下やカブリ等を効果的に防止できる。また、図1において、40℃から120℃の範囲における熱刺激電流スペクトルの面積をS0、前記T1から前記T0の範囲の面積をS1としたとき、S1とS0の比S1/S0が0.35以上0.85以下であることが好ましい。S1/S0は熱刺激電流スペクトルの低温側へのブロード化が、熱刺激電流全体に対してどの程度寄与しているかを示したものである。S1/S0が上記の範囲内であれば、トナーの過帯電による部材汚染や、帯電量の低下によるカブリを効果的に抑制することができる。
また、S1/S0は0.60以上0.75以下であることがさらに好ましい。さらにT0−T1はT2−T0よりも大きいことが好ましい。T0−T1とT2−T0がこのような関係であれば、トナーの過帯電を効果的に抑制することができる。
以下、上記熱刺激電流スペクトルの測定方法を説明する。
<熱刺激電流スペクトルの測定方法>
本発明における熱刺激電流(TSC)は、試料に電界を加えることにより試料内部に分極や電荷トラップを発生させ、主に昇温過程での脱分極減少で生じる電流を検出する測定手法により測定される。このような装置として、エレクトロントラップ測定システム(TS−FETT:株式会社リガク製)を用いることができる。この具体的測定方法は、リガク社発行のTS−FETT操作マニュアル(2005年5月版)に記載されているが、例えば以下の通りである。
熱刺激電流(TSC)は、TS−FETT(株式会社リガク製)を用いて、非接触法(2mm)で測定する。熱刺激電流を測定するトナー試料は、トナー1gを常温常湿環境(温度23℃、湿度60%)に48時間放置して調湿したものを使用する。トナー試料6mgを秤量してアルミ製試料パン(直径6mm、深さ0.5mm)を入れ、サンプル表面が平滑になるようにガラスプレートでならし、サンプルホルダーに収める。この測定試料に対し、図2に示す荷電装置を用いて、グリッド電圧1kV、コロナ電圧20kVの条件で30秒間電圧をかけて帯電させる。
TSC測定装置は図3に示す構成であり、サンプルホルダーをTS−FETTにセットして、25℃から1.5℃/min.の昇温速度で120℃まで加熱して電流を測定する。測定した電流値を縦軸に、温度を横軸にとり熱刺激電流スペクトルを得る。得られた熱刺激電流スペクトル中、電流値が−1.0×10−13A以上−1.0×10−14Aである極小値の中で最も高温側に現れる極小値をMP、そのときの温度をT0(℃)とする。MPから、低温側で最もT0に近く電流値がMPの4分の1となるときの温度をT1(℃)、MPから、高温側で最もT0に近く電流値がMPの4分の1となるときの温度をT2(℃)とする。また、40℃から120℃の範囲における熱刺激電流スペクトルの面積をS0とし、T1からT0の範囲における熱刺激電流スペクトルの面積をS1とする。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを有する。トナー粒子は、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合の如き重合法により製造されることが、本発明の効果をより発揮するには好ましい。中でも、懸濁重合法によりトナー粒子を製造することがさらに好ましい。
結着樹脂としては、トナーに使用される公知の結着樹脂を用いることができる。結着樹脂を生成するための重合性単量体としては、スチレン系単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が挙げられる。これらの重合性単量体は単独、または併用できる。上述の重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはほかの重合性単量体と併用して結着樹脂を生成することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
また、トナーの定着性を向上させる観点から、トナー中に低分子量の樹脂成分が存在することが好ましい。その手段としては、重合法によりトナー粒子を製造する場合には、連鎖移動剤や架橋剤を添加して結着樹脂の分子量をコントロールすることで達成できる。また、あらかじめ低分子量樹脂を製造し、この低分子量樹脂を重合性単量体組成物に添加し、トナー粒子を形成することでも達成できる。低分子量樹脂を添加する場合には、低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)が1500以上8000以下であることが好ましく、より好ましくは2500以上5000以下である。また、添加量は重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上50.0質量部が好ましく、より好ましくは5.0質量部以上20.0質量部以下である。
着色剤としては、黒色顔料、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、キナクリドン系顔料を用いることができる。具体例としては、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートの如き顔料。その他、染料も併用することができる。具体例としては、以下のものが挙げられる。アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系の如き染料。これらの着色剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスとして用いることができるものとして、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体等。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスが挙げられる。ワックスの添加量は、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して5.0質量部以上30.0質量部が好ましく、5.0質量部以上15.0質量部以下がより好ましい。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的とする樹脂をトナー粒子中に含有させても良い。用いられる樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは混合して使用できる。中でも、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
トナーの帯電性、耐久性および定着性の如き物性をコントロールする上で、飽和ポリエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のいずれか一方又は両方を適宜選択して使用することが可能である。ポリエステル樹脂の添加量は、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下が好ましい。
トナーの帯電性を制御する目的で、トナー粒子中に荷電制御剤を添加しても良い。重合法によりトナー粒子を製造する場合、荷電制御剤としては、重合阻害性、水相移行性のほとんどないものが好ましい。正荷電制御剤としては、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミン系化合物、ニグロシン系染料等が挙げられる。負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸共重合体、含金属モノアゾ系染料化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。これらの荷電制御剤の添加量としては、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
トナー粒子を重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
重合法トナーを製造する際には、水系媒体中に存在させる分散安定剤として公知の界面活性剤や有機あるいは無機分散剤が使用できる。無機分散剤は一般的にサイズが大きいため、立体障害性により分散安定性が得られるので、反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、更に洗浄も容易である。そのため、無機分散剤がより好ましく使用できる。こうした無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムの如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナの如き無機酸化物等。これらの無機分散剤は、単独で使用しても良く、粒度分布を調整する目的で界面活性剤を併用しても良い。界面活性剤としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。また、乳化重合法を用いる場合には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が使用される。
熱刺激電流スペクトルを特定の範囲で十分にブロード化する為に、トナー粒子の表面改質をすることが有効である。表面改質の種類として、酸処理、アルカリ処理、界面活性剤処理およびオイル処理などが挙げられる。これらの表面処理は、2種以上の処理を行っても良い。特に界面活性剤での処理を行うことが、熱刺激電流スペクトルを本発明の規定する範囲にコントロールするための手段として好ましい。
表面処理に使用される界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が使用できる。ノニオン系界面活性剤は極性の大きな親水部位と、極性を持たない疎水部位を有する分子であり、電解することなく界面活性能を発揮する。親水部位と疎水部位の構造の選択が自由に出来ることから、比較的容易に分子構造を決定できる為、界面活性能の制御がしやすい。そのため、環境安定性の高いものが選択可能であるので、ノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン鎖を持つものが好ましく、このような界面活性剤を用いることで、本発明の規定する熱刺激電流スペクトルを有するトナーを得ることができる。その理由を発明者らは以下の様に考えている。
熱刺激電流スペクトルはトナー粒子の表面の状態が大きく関与しており、表面改質は熱刺激電流スペクトルに大きな影響を与える。これは、帯電したトナーが電荷をトナー粒子表層で保持しているためである。界面活性剤でトナーを表面処理すると、トナー表面は低抵抗になる場合が多い。その中でもポリオキシアルキレン鎖を持つノニオン系界面活性剤は、極性の強さによって界面活性剤の配向状態が変化する。すなわち、トナー粒子表層付近の極性部位の極性の大きさによって様々な形態で配向するため、トナー表面の抵抗に幅ができる。その結果、トナーの熱刺激電流スペクトルが低温側にブロードになる。
ポリオキシアルキレン鎖を有するノニオン系界面活性剤の構造は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンアルキルエステルであることが好ましく、具体的には下記式(1)または式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005377661
Figure 0005377661

R:水素又は炭素数が8〜30であるアルキル基
AO:オキシアルキレン
n:平均付加モル数
ノニオン系界面活性剤は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数によりトナー表層の極性部位との相互作用の強さや大きさを制御することができる。ポリオキシアルキレン鎖の平均付加モル数nは、3以上20以下であることが好ましく、より好ましくは5以上15以下である。また、さらに好ましくは8以上12以下である。
また、ノニオン系界面活性剤は下記式(3)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルであることがさらに好ましい。
Figure 0005377661

R:水素又は炭素数が8〜30であるアルキル基
上記式(3)において、rはオキシエチレン基の総付加モル数を表し、sはオキシプロピレン基の総付加モル数を表す。本発明に用いられるノニオン系界面活性剤はポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックが交互に存在する構造であっても良く、その場合、rおよびsは、各ブロックの付加モル数の和を表す。例えば、下記式(4)に示される化合物を上記式(3)で表した場合、r=10、s=7となる。
また、平均付加モル数nは、n=r+sで求められ、上記の範囲内であることが好ましい。また、rまたはsのいずれか一方の値が0であっても良い。
Figure 0005377661
トナー粒子の界面活性剤処理による表面改質の方法としては、トナー粒子分散液に界面活性剤を混合して行う方法や、メタノールなどの揮発性の高い溶剤に界面活性剤を分散させた後スプレーで噴霧し混合する方法など種々の方法が用いられる。特に、本発明で規定する熱刺激電流の特性を満たすためには、水やメタノール水溶液などに非イオン性界面活性剤を溶解した溶解液に、トナー粒子を分散させて処理を行うことが好ましい。この場合、トナー粒子100質量部に対して非イオン性界面活性剤を0.01〜5.0質量部の範囲で用いることが好ましい。この方法を用いた場合、トナー粒子表面が界面活性剤によって均一且つ十分に処理される。一方、混練粉砕法やスプレードライ法などの方法で得られたトナー粒子であると、界面活性剤溶液への分散工程や、過剰な界面活性剤を除去する洗浄工程、および濾過・乾燥工程などが煩雑となる。
水系媒体中で造粒する製造方法によってトナー粒子を得た場合、トナー粒子の固液分離方法は、濾過、遠心分離、デカントなど既知のいずれの方法を使用しても構わない。また、トナー粒子の洗浄方法においても、どのような方法を用いても構わないが、ベルト式フィルタープレスなどを用いて洗浄する方法が好ましい。
トナーは、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上の目的で、外添剤を有していることが好ましい。外添剤のうち無機微粉体の例としては、シリカ微粉末、アルミナ微紛末、酸化チタン微紛末などが挙げられる。また、無機微粉体以外の外添剤として、各種樹脂粒子、脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらを単独で、あるいは複数を併用して用いてもよい。
外添剤の微粉末は、必要に応じ、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、表面処理剤で処理することが好ましい。表面処理剤の具体例としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で、あるいは混合して使用しても良い。
本発明に好適に用いられる外添剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(特に好ましくは30m/g以上400m/g以下)のものである。使用量としては、トナー粒子100質量部に対して0.01質量部以上10.00質量部以下が好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下であることがより好ましい。
更に公知の滑剤粉末をトナーに添加しても良い。滑剤粉末としては例えば、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデンが挙げられる。
更に次に示す無機粉体を添加することも好ましい。無機粉体としては、以下のものが挙げられる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末。
また、本発明のトナーは、一成分系現像剤、及び、二成分系現像剤のいずれでの使用も可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<荷電制御樹脂の製造例>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部及び2−プロパノール100質量部、モノマーとしてスチレン80質量部、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10質量部を添加し、撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を、30分かけて滴下した。その後、5時間撹拌を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下し、更に5時間撹拌して重合を終了した。さらに、温度を維持したまま脱イオン水を500質量部添加し、有機層と水層の界面が乱れないように毎分80乃至100回転で2時間撹拌した後に、1時間静置して分層した後に、水層を廃棄し有機層に無水硫酸ナトリウムを添加し、脱水した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた硫黄原子を有する荷電制御樹脂は、Tg=60℃、Mp=12000、Mw=30000であった。
<トナーの製造例>
<実施例1>
スチレン単量体100質量部に対して、C.I.Pigment Blue15:3を25質量部、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕を2.0質量部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140質量部)を用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液を調製した。
一方、イオン交換水450質量部に0.1mol/l−NaPO水溶液285質量部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/l−CaCl水溶液15質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・マスターバッチ分散液 25質量部
・スチレン単量体 40質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 28質量部
・低分子量ポリスチレン 15質量部
(Mw=3000、Mn=1050、Tg=55℃)
・炭化水素系ワックス 7質量部
(フィッシャートロプシュワックスHNP−51(日本精蝋株式会社)、最大吸熱ピークのピーク温度=78℃)
・ポリエステル樹脂 7.5質量部
(テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=30:30:30:10の重縮合物、酸価11、Tg=74℃、Mw=11000、Mn=4000)
・前記荷電制御樹脂 1.5質量部
上記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液8質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に前記重合性単量体組成物を投入し、温度65℃、N雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12000rpmで10分間撹拌して重合性単量体組成物を造粒する。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90%に達したところで、0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9に調整した。更に昇温速度40℃/hで80℃に昇温し5時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で得られた粒子の残存モノマーを留去した。水系媒体を冷却し、重合体粒子の分散液を得た。
その後、重合体粒子の分散液に塩酸を加えてpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。
そこへ、イオン交換水10質量部に表面処理液としてポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル(和光純薬製)を0.20質量部溶解させたものを、重合体粒子の分散液中に加えて1時間撹拌をすることで重合体粒子の表面処理を行った。
上記分散液を加圧濾過器にて、0.4Mpaの圧力下で固液分離を行い、トナーケーキを得た。その後、イオン交換水を加圧濾過器に満水になるまで加え、0.4Mpaの圧力で洗浄した。この洗浄操作を、もう一度繰り返したのち乾燥し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体を1.5質量部(数平均一次粒子径:10nm)を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で300秒間混合工程を行いトナー1を得た。表1に、低分子量ポリスチレン、ポリエステル、ワックス、荷電制御樹脂及び表面処理液の添加量等を示す。
トナー1について、熱刺激電流スペクトルの測定を行い、T0−T1、T2−T0、MP、T0及びS1/S0を求めた。測定結果を表2に示す。また、トナー1を用いて以下の様にして画像評価を行った。評価結果を表3に示す。
<画像評価>
画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ HP Color LaserJet 2025dn(HP社製)を一部改造して評価を行った。改造としては、プロセススピードを150mm/secに変更し、さらに、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するようにした。
市販のブラックカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、上記試験トナー(100g)とトナー担持体をカートリッジに装着した。このカートリッジを用い、低温低湿環境下(15℃、10%RH)および高温高湿環境下(30℃、80%RH)で現像性と耐久性の評価を行った。なお、画像評価項目は下記の通りであり、画像評価は図4に示すような横線で1%の印字率の画像を5000枚印字した後に行った。この際、転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4200用紙(XEROX社製、75g/m)を用いた。
〔現像スジ〕
5000枚印字試験終了後、転写紙にハーフトーン(トナーの載り量:0.3mg/cm)の画像をプリントアウトし、現像スジの数で評価した。転写材としては、A4サイズのCLC用紙(キヤノン社製、80g/m)を用いた。
A:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれにおいても、未発生であった
B:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、1個所以上、3個所以下の現像スジが発生した
C:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、4個所以上、6個所以下の現像スジが発生した
D:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、7個所以上の現像スジが発生した
〔カブリ〕
5000枚印字試験終了後、印字した画像の非画像部の反射率(%)を「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)で測定した。得られた反射率を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。転写材としては、A4サイズのCLC用紙(キヤノン社製、80g/m)を用いた。
A:0.5未満
B:0.5以上、1.5未満
C:1.5以上、3.0未満
D:3.0以上
〔フィルミング〕
5000枚印字試験終了後、転写材にハーフトーン(トナーの載り量:0.3mg/cm)の画像をプリントアウトした。そして、ハーフトーン画像において、1%印字画像部と非印字画像部の間で濃淡ムラが発生していないか目視で評価した。その後、トナー担持体表面にエアーを吹きつけ、トナー担持体表面の観察を行った。転写材としては、A4サイズのCLC用紙(キヤノン社製、80g/m)を用いた。
A:画像上に濃淡ムラの発生がなく、トナー担持体表面も良好
B:画像上に濃淡ムラの発生はないが、トナー担持体表面にフィルミングが確認される
C:画像上に軽度な濃淡ムラ発生
D:画像上に濃淡ムラが顕著に発生
〔画像濃度安定性〕
5000枚印字試験終了後、連続で3枚ベタ画像を印刷し、1枚目と3枚目の画像濃度差を評価した。尚、画像濃度の測定は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。転写材としては、A4サイズのCLC用紙(キヤノン社製、80g/m)を用いた。
A:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれにおいても、0.05未満
B:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、相対濃度の大きい方が0.05以上、0.10未満
C:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、相対濃度の大きい方が0.10以上、0.15未満
D:低温低湿環境下および高温高湿環境下のいずれかにおいて、相対濃度の大きい方が0.15以上
<実施例2乃至24>
トナー1の製造方法で、低分子量ポリスチレン添加部数、ポリエステル添加部数、ワックスの種類と添加部数、荷電制御樹脂の添加部数及び表面処理液の添加部数を表1の通りにした以外はトナー1と同様にして、トナー2乃至24を得た。
トナー2乃至24の熱刺激電流スペクトルの解析結果を表2に示す。また、トナー2乃至24を用いてトナー1と同様の画像評価を行った。評価結果を表3に示す。
<比較例1乃至5>
トナー1の製造方法で、低分子量ポリスチレン添加部数、ポリエステル添加部数、ワックスの種類と添加部数及び荷電制御樹脂の添加部数を表1の通りにした以外はトナー1と同様にして、トナー25乃至29を得た。
トナー25乃至29の熱刺激電流スペクトルの解析結果を表2に示す。また、トナー25乃至29を用いてトナー1と同様の画像評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005377661
Figure 0005377661
Figure 0005377661

Claims (4)

  1. 結着樹脂着色剤及びワックスを有するトナー粒子を有するトナーであって、
    温度23℃、湿度60%の環境下に48時間放置したトナーを試料とし、昇温時の熱刺激電流の電流値を熱刺激電流測定装置を用いて測定することによって得られた、縦軸を電流値、横軸を温度とする熱刺激電流スペクトルにおいて、
    電流値が−1.0×10−13A以上1.0×10−14A以下である極小値の中で最も高温側に現れる極小値をMP、そのときの温度をT0(℃)とし、
    電流値がMPの4分の1となる温度のうち、T0より低温側で最もT0に近い温度をT1(℃)、及び、
    電流値がMPの4分の1となる温度のうち、T0より高温側で最もT0に近い温度をT2(℃)としたとき、
    T0が64℃以上114℃以下であり、
    T0−T1が7.5℃以上30.0℃以下であり、
    T2−T0が0℃より大きく15.0℃以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記T0(℃)が65℃以上110℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記T0−T1が13.0℃以上20.0℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナー。
  4. 前記熱刺激電流スペクトルの面積をS0、前記T1から前記T0の範囲の面積をS1としたとき、S1/S0が0.35以上0.85以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
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