JP2008145733A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電安定性、低温定着性および光沢性の良好なトナーを提供することである。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーにおいて、(1)前記トナーの熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される電流値が、少なくとも65〜100℃の範囲にメインピークを有し、(2)前記測定後、2回目昇温時に測定される熱刺激電流の電流値が、少なくとも65〜110℃の範囲に2つのピークを有し、高温側のピークが85℃以上に存在することを特徴とするトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などを利用した画像形成方法に用いられるトナーに関するものである。
電子写真法においては、種々の手段で感光体上に電気的に潜像を形成し、次いで該潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する。その後、必要に応じて紙の如き転写材に該トナー画像を転写した後、加熱加圧定着の如き定着方法を用いて該トナー画像を転写材に定着させることにより、画像を得るといったものである。
熱ローラー定着法やフィルム定着法は、熱ローラー或いは定着フィルムを被定着シート上のトナー画像を接触させながら通過せしめることにより定着を行うものである。この定着方法は熱ローラーや定着フィルムの表面と被定着シート上のトナーとが接触するため、トナーを被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、電子写真装置として非常に良好である。しかしながら、上記定着方法では、熱ローラーや定着フィルム表面とトナーとが溶融状態で接触するために、トナーの一部が熱ローラーや定着フィルム表面に付着する。そのため、次の被定着シートに熱ローラーや定着フィルム表面に付着トナーが再転移するオフセット現象を生じ、被定着シートを汚すことがある。
最近の小型化、軽量化、省エネルギー、及び高信頼性といった要求を考慮すると、定着性、及び耐オフセット性といったトナーの性能のさらなる向上が必要であり、トナーのさらなる改良が必要である。
そこで、トナーの定着性と帯電安定性を両立することを目的として熱刺激電流測定装置で測定される電流が特定の値を有するトナーが開示されている(例えば、特許文献1〜4)。しかしながら、上記特許文献に記載されたトナーよりも更なる低温定着性及び光沢性を改良したトナーが要望されている。
特開平8−62885号公報 特開2004−279434号公報 特開2004−301990号公報 特開2005−43851号公報
本発明の目的は、従来の上記技術における問題点を解決したトナーを提供することにある。すなわち、帯電安定性、低温定着性および光沢性の良好なトナーを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、トナーの熱刺激電流測定装置で測定される電流値が特定の温度範囲にピークを示す場合に上記課題を解決するトナーが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子と、無機微粉体を有するトナーにおいて、(1)前記トナーの熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される熱刺激電流の電流値が、少なくとも65〜100℃の範囲に、メインピークを有し、(2)前記測定後、2回目昇温時に測定される熱刺激電流の電流値が、少なくとも65〜110℃の範囲に、2つのピークを有し、高温側のピークが85℃以上
に存在することを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、高速プリント時にも帯電安定性、低温定着性の良好なトナーが得られ、光沢性の高い高品質な画像を形成することができる。
本発明のトナーは、熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される電流が、少なくとも65〜100℃の範囲にメインピーク(P1)を有し、かつ2回目昇温時に測定される電流値が、少なくとも65〜110℃の範囲に2つのピーク(P2、P3)を有し、高温側のピーク(P3)が85℃以上に存在するものである。
本発明者らの検討によれば、P1はトナー粒子表面近傍に存在するワックス成分の溶融に伴う帯電緩和現象によると推定している。P1を示す温度が65℃より低いと耐高温オフセット性が低下する場合があり、100℃より高いと低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。また、P1を示す電流の絶対値はトナー粒子表面近傍に存在するワックス量に比例するものと推定される。P1を示す電流の絶対値は、3.0×10−14〜90.0×10−14Aとなる場合が好ましい。もし、3.0×10−14A未満となる場合には、トナー粒子表面近傍に存在するワックスの存在量が過少であり、トナーの低温定着性が低下する。90.0×10−14A超となる場合には、トナー粒子表面近傍に存在するワックスの存在量が過剰であり、耐久による画像濃度低下、摩擦帯電不良が発生する場合がある。
P2を示す温度とP1を示す温度は略一致することから、P2は100℃に加熱されることによってトナー粒子から放出されたワックス成分の溶融に伴う帯電緩和現象であり、P2を示す電流の絶対値はトナーに含有されるワックス量に比例するものと推定される。P2を示す電流の絶対値は、1.0×10−14〜50.0×10−14Aとなる場合が好ましい。もし、1.0×10−14A未満となる場合にはトナー粒子中に存在するワックスの存在量が過少であり、離型性が低下するため、定着器への紙の巻きつきが発生しやすい。50.0×10−14A超となる場合には、トナー粒子中に存在するワックスの存在量が過剰であり、現像スジや摩擦帯電の安定性が低下する。
P3は100℃に加熱されることによってトナー粒子から放出された低分子量樹脂成分の軟化に伴う帯電緩和現象によると推定している。P3を示す温度が85℃より低いと耐高温オフセット性が低下する場合があり、110℃より高いと光沢性が低下する場合があり好ましくない。また、P3を示す電流の絶対値はトナー粒子に含有される低分子量成分の樹脂量に比例するものと推定される。P3を示す電流の絶対値は、1.0×10−14〜50.0×10−14Aとなる場合が好ましい。もし、1.0×10−14A未満となる場合にはトナー粒子中に存在する低分子量成分の樹脂存在量が過少であり、光沢性が低下する。50.0×10−14A超となる場合には、トナー粒子中に存在する低分子量成分の樹脂存在量が過剰であり、現像スジや摩擦帯電の安定性が低下する。
本発明のトナーは、フローテスターにおける100℃での粘度が1.00×10〜4.50×10Pa・sであることが好ましい。1.00×10Pa・s未満となる場合には、耐高温オフセット性が低下する場合があり、4.50×10Pa・s超となる場合には、低温定着性及び光沢性が低下する。トナーの100℃での粘度は2.00×10〜4.20×10Pa・sであることがより好ましく、2.50×10〜4.00×10Pa・sであることがさらに好ましい。
本発明のトナーは、高画質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像するためには
、トナーの重量平均粒径(D4)は3.0〜9.0μmであることが好ましく、4.0〜7.8μmであることがより好ましく、5.0〜6.5μmであることがさらに好ましい。
以下に、本発明におけるトナーの物性の具体的な測定方法について説明する。
<熱刺激電流測定>
本発明における熱刺激電流(TSC)は、試料に電界を加えることにより試料内部に分極や電荷トラップを発生させ、主に昇温過程での脱分極減少で生じる電流を検出する測定手法により測定される。このような装置として、エレクトロントラップ測定システム(TS−FETT:株式会社リガク製)を用いることができる。この具体的測定方法は、リガク社発行のTS−FETT操作マニュアル(2005年5月版)に記載されているが、例えば以下の通りである。
(1)1回目の熱刺激電流測定
熱刺激電流(TSC)は、TS−FETT(株式会社リガク製)を用いて、非接触法(2mm)で測定する。
熱刺激電流を測定するトナー試料は、トナー1gを常温常湿環境(温度23℃、湿度60%)に48時間放置して調湿したものを使用し、トナー試料6mg秤量してアルミ製試料パン(直径6mm、深さ0.5mm)を入れ、サンプル表面は平滑になるようにガラスプレートでならし、サンプルホルダーに収めて測定用試料にする。
図1に示す荷電装置を用いて測定試料にグリッド電圧1KV、コロナ電圧20KVを30秒間帯電させるが、負帯電性トナーは負帯電させ、正帯電性トナーでは正帯電させる。
TSC測定装置は図2に示す構成であり、サンプルホルダーをTS−FETTにセットして、25℃から1.5℃/分の昇温速度で100℃まで加熱して昇温時の電流を測定する。
(2)2回目の熱刺激電流測定
1回目の熱刺激電流測定に用いたトナー試料を冷却速度:2℃/分で25℃まで冷却する。
図1に示す荷電装置を用いて測定試料にグリッド電圧1KV、コロナ電圧20KVを30秒間帯電させるが、負帯電性トナーは負帯電させ、正帯電性トナーでは正帯電させ、サンプルホルダーをTS−FETTにセットして、25℃から1.5℃/分の昇温速度で120℃まで加熱して電流を測定する。
<粘度測定>
本発明におけるトナーの粘度は定荷重押出し形細管式レオメーターで測定され、以下の手段により測定することができる。装置としては、例えばフローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:1.0gのトナーを秤量し、これを加圧成型器で成型してサンプルとする。・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×10(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
上記の方法により、50℃〜200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、100℃の粘度(Pa・s)を次式により求める。
η’=TW’/DW’=πPR/8LQ(Pa・s)
但し、
TW’=PR/2L(N/m
DW’=4Q/πR(sec−1
η’:粘度(Pa・s)
TW’:管壁の見掛けのずり応力(N/m
DW’:管壁の見掛けのずり速度(sec−1
Q:流出速度(m/sec)
P:押出圧力(N/m
R:ノズルの半径(m)
L:ノズルの長さ(m)
<粒度分布測定>
トナーの平均粒径及び粒度分布はマルチサイザーII型(ベックマンコールター社製)を用いて行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、更に測定試料を5mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を求めた。
<分子量分布測定>
20mLのテトラヒドロフラン(THF)中にトナーまたは低分子量樹脂(試料)を5mg入れ、振とうし、12時間以上静置する。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ 0.45〜0.5μm,たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製など)を通過させたものを、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)のTHF試料溶液とする。
[GPC測定装置]
GPC測定装置において、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いは昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
GPCの分子量分離用カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,808Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(Hx1),G2000H(Hx1),G3000H(Hx1),G4000H(Hx1),G5000H(Hx1),G6000H(Hx1),G7000H(Hx1),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
本発明のトナーについて、更に具体的に説明する。
本発明によって得られるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスを含むトナー粒子と無機微粉体とを有する。
トナー粒子は、粉砕法によって製造することでも本発明の効果を得られるが、乳化重合、分散重合、懸濁重合、シード重合の如き重合法により製造されることが、本発明の効果をより発揮するには好ましい。中でも、懸濁重合法によりトナー粒子を製造することがさらに好ましい。
結着樹脂としては、トナーに使用される公知の結着樹脂を用いることができる。結着樹
脂を生成するための重合性単量体としては、スチレン系単量体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類が挙げられる。これらの重合性単量体は単独、または併用できる。上述の重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはほかの重合性単量体と併用して結着樹脂を生成することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
熱刺激電流測定装置で測定される電流値が特定の温度範囲にピークを示すようにするためには、トナー中に低分子量成分の樹脂が存在することが好ましい。その手段としては、重合法によりトナー粒子を製造する場合には、連鎖移動剤や架橋剤を添加して結着樹脂の分子量をコントロールすることで達成できる。また、あらかじめ低分子量樹脂を製造し、この低分子量樹脂を重合性単量体組成物に添加し、トナー粒子を形成することでも達成できる。低分子量樹脂を添加する場合には、低分子量樹脂の重量平均分子量(Mw)が2000〜7000であることが好ましく、添加量は重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して1〜50質量部が好ましい。
着色剤としては、黒色顔料、フタロシアニン系顔料、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、キナクリドン系顔料を用いることができる。具体例としては、以下のものが挙げられる。カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートの如き顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系の如き染料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスとして用いることができるものとして、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体等が挙げられる。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスが挙げられる。ワックスの添加量は、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して5〜30質量部が好ましい。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的とする樹脂を重合性単量体組成物中に含有させても良い。用いられる樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは混合して使用できる。中でも、重合性単量体組成物に添加して用いる樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。
トナーの帯電性、耐久性および定着性の如き物性をコントロールする上で、飽和ポリエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のいずれか一方又は両方を適宜選択して使用することが可能である。ポリエステル樹脂の添加量は、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましい。
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的で、トナー粒子中に荷電制御剤を添加しても良い。重合法によりトナー粒子を製造する場合、荷電制御剤としては、重合阻害性、水相移行性のほとんどないものが好ましい。正荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミン系化合物、ニグロシン系染料等が挙げられる。負荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。含金属サリチル酸共重合体、含金属モノアゾ系染料化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。これらの荷電制御剤の添加量としては、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
トナー粒子を重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明において、重合法トナーを製造する際には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機あるいは無機分散剤が使用できる。無機分散剤は一般的にサイズが大きいため、立体障害性により分散安定性が得られるので、反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、更に洗浄も容易である。そのため、無機分散剤がより好ましく使用できる。こうした無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムの如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナの如き無機酸化物等が挙げられる。
これらの無機分散剤は、単独で使用しても良く、粒度分布を調整する目的で界面活性剤を併用しても良い。界面活性剤としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。
また、乳化重合法を用いる場合には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が使用される。
本発明に用いられるトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上の目的で、無機微粉体を外添剤としてトナー粒子に外添する。前記無機微粉体である外添剤の具体的な例としては、シリカ微粉末、疎水化シリカ微粉末などが挙げられる。また、無機微粉体以外の外添剤として、各種樹脂粒子、脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらを単独で、あるいは複数を併用して用いることが好ましい。
外添剤の微粉末は、必要に応じ、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、表面処理剤で処理することが好ましい。表面処理剤の具体例としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で、あるいは混合して使用しても良い。
本発明に好適に用いられる外添剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(特に好ましくは30〜400m/g)の範囲内のものである。使用量としては、トナー粒子100質量部に対して外添剤が0.01〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部であることがより好ましい。
更に公知の滑剤粉末をトナーに添加しても良い。滑剤粉末としては例えばテフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデンが挙げられる。
更に次に示す無機粉体を添加することも好ましい。無機粉体としては、以下のものが挙
げられる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末等が挙げられる。
本発明のトナーを用いる画像形成方法は、電子写真方式の画像形成装置であれば限定されるものではない。より好ましくは、静電潜像担持体を一次帯電し、露光により潜像形成し、形成した潜像を現像部で現像化し、得られたトナー像を転写材上に転写し、熱及び圧力により定着画像を形成する電子写真方式のトナーとして使用するものである。
また、本発明のトナーは、一成分系現像剤、及び、二成分系現像剤のいずれでの使用も可能である。
本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
(低分子量樹脂1の調製)
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけたガラス製4リットルの4つ口フラスコを油浴槽内に設置した。これに下記組成物を充填した。
・キシレン 500部
・スチレン 60部
・ブチルアクリレート 40部
・1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル) 10部
このフラスコを攪拌装置により150rpmにて攪拌しながら、油浴槽の温度を75℃に調整し10時間反応させ重合を行った。
反応後、得られた内容物をエバポレータによりキシレンを除去し、次いで重合物をメタノールへ添加し、メタノール中に沈殿させ低分子量樹脂を精製した。得られた低分子量樹脂1の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)で3100であった。
(低分子量樹脂2の調製)
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を12部、反応温度を77℃にする以外は低分子量樹脂1の調製例と同様にして低分子量樹脂2を得た。得られた低分子量樹脂2の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)で2200であった。
(低分子量樹脂3の調製)
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を8部、反応温度を74℃にする以外は低分子量樹脂1の調製例と同様にして低分子量樹脂3を得た。得られた低分子量樹脂3の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)で4000であった。
(低分子量樹脂4の調製)
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を6部、反応温度を72℃にする以外は低分子量樹脂1の調整例と同様にして低分子量樹脂4を得た。得られた低分子量樹脂4の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)で5500であった。
(結着樹脂の微粒子の分散液の調製)
・スチレン 80 部
・n−ブチルアクリレート 20 部
・ドデシルメルカプタン 0.5部
上記材料を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC)2.2部をイオン交換水120部に溶解したものに、フラスコ中で分散、乳化した。そして、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム2部を溶解したイオン交換水10部を投入し、窒素置換を行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、4時間そのまま乳化重合を継続し、個数平均粒径が0.31μmである結着樹脂の微粒子を分散している分散液を調製した。
(低分子量樹脂の微粒子の分散液の調製)
・低分子量樹脂1 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC) 6部
・イオン交換水 200部
上記材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、個数平均粒径が0.5μmである低分子量樹脂の微粒子を分散させてなる低分子量樹脂の微粒子の分散液を調製した。
(着色剤の微粒子の分散液の調製)
・カーボンブラック(デグサ社製:Nipex35) 20部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC) 2部
・イオン交換水 78部
上記材料を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤の微粒子の分散液に含まれる着色剤の微粒子の個数平均粒径は0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(離型剤(ワックス)の微粒子の分散液の調製)
・パラフィンワックス(日本精鑞製:HNP−9) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC) 6部
・イオン交換水 200部
上記材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、個数平均粒径が0.5μmである離型剤微粒子を分散させてなる離型剤の微粒子の分散液を調製した。
(ポリエステル樹脂の微粒子の分散液の調製)
・ポリエステル樹脂 50部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物(モル比 1:1)、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC) 6部
・イオン交換水 200部
上記材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、個数平均粒径が0.5μmであるポリエステル樹脂を分散させてなるポリエステル樹脂の微粒子の分散液を調製した。
(荷電制御剤の微粒子の分散液の調製)
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 20部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC) 2部
・イオン交換水 78部
上記材料を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この荷電制御剤の微粒子の分散液に含まれる荷電制御剤の微粒子の個数平均粒径は、0.22μmであり、また
1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
<実施例1>
60℃に加温したイオン交換水900gに、リン酸カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作成した。
また、下記材料をTK式ホモミキサーに投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて攪拌し、溶解、分散した。
・スチレン 80部
・n−ブチルアクリレート 20部
・低分子量樹脂1 25部
・パラフィンワックス(日本精鑞製:HNP−9) 10部
・カーボンブラック(デグサ社製:Nipex35) 6部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 1部
・ポリエステル樹脂 6部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物(モル比 1:1)、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
さらに、上記材料に重合開始剤として、t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂製「パーヘキシルPV」)7部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して攪拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/Hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行った。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調製してブラックトナー粒子を得た。
前記ブラックトナー粒子100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合してブラックトナー(Bk1)を得た。前記ブラックトナー(Bk1)及び後述のイエロートナー(Y1)、マゼンタトナー(M1)、シアントナー(C1)、ブラックトナー(Bk2〜13、比較Bk1〜4)の物性については表1に示す。
<実施例2>
カーボンブラックの替わりにC.I.ピグメントイエロー17を使用する以外は実施例1と同様にしてイエロートナー(Y1)を得た。
<実施例3>
カーボンブラックの替わりにC.I.ピグメントレッド122を使用する以外は実施例1と同様にしてマゼンタトナー(M1)を得た。
<実施例4>
カーボンブラックの替わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用する以外は実施例1と同様にしてシアントナー(C1)を得た。
<実施例5>
低分子量樹脂1の替わりに低分子量樹脂3を使用する以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk2)を得た。
<実施例6>
t−ヘキシルパーオキシピバレートの使用量を10部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk3)を得た。
<実施例7>
パラフィンワックスの替わりにペンタエリスリトールパルミチン酸エステル(融点69℃)を9部使用する以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk4)を得た。
<実施例8>
重合温度を80℃から85℃に変更する以外は実施例6と同様にしてブラックトナー(Bk5)を得た。
<実施例9>
t−ヘキシルパーオキシピバレートの使用量を4部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk6)を得た。
<実施例10>
パラフィンワックスの使用量を8部、ポリエステル樹脂の使用量を12部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk7)を得た。
<実施例11>
ペンタエリスリトールパルミチン酸エステルの使用量を12部、ポリエステル樹脂の使用量を3部とする以外は実施例7と同様にしてブラックトナー(Bk8)を得た。
<実施例12>
パラフィンワックスの使用量を5部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk9)を得た。
<実施例13>
パラフィンワックスの使用量を16部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk10)を得た。
<実施例14>
低分子量樹脂1の使用量を10部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk11)を得た。
<実施例15>
低分子量樹脂1の使用量を40部とする以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(Bk12)を得た。
<実施例16>
・結着樹脂の微粒子の分散液 90部(固形分)
・低分子量樹脂の微粒子の分散液 25部(固形分)
・離型剤の微粒子の分散液 10部(固形分)
・着色剤の微粒子の分散液 6部(固形分)
上記材料を撹拌装置、冷却管、温度計を装着した2リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N水酸化カリウム水溶液でpH=5.2に調製した。
上記混合液に凝集剤として、20%塩化ナトリウム水溶液50部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら50℃まで加熱し、50℃で1時間保持し、コア凝集粒子を作製した。
さらに、結着樹脂の微粒子の分散液を10部(固形分)、ポリエステル樹脂の微粒子の
分散液を6部(固形分)及び荷電制御剤の微粒子の分散液を1部(固形分)緩やかに追加、50℃で30分間保持し、コア/シェル凝集粒子分散液を作製した。
上記コア/シェル凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンSC)3部を追加した後、フラスコを密閉、95℃まで加熱し、4時間保持した。そして冷却後、生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄し、乾燥の後、分級によって粒度分布を調製してブラックトナー粒子10を得た。
前記ブラックトナー粒子100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合してブラックトナー(Bk13)を得た。
<比較例1>
低分子量樹脂1の替わりに低分子量樹脂2を使用する以外は実施例7と同様にしてブラックトナー(比較Bk1)を得た。
<比較例2>
低分子量樹脂1の替わりに低分子量樹脂4を使用する以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(比較Bk2)を得た。
<比較例3>
低分子量樹脂1を使用しないこと以外は実施例7と同様にしてブラックトナー(比較Bk3)を得た。
<比較例4>
パラフィンワックスの替わりにステアリン酸ステアリル(融点61℃)を使用する以外は実施例1と同様にしてブラックトナー(比較Bk4)を得た。
〔実験例1〜13、比較実験例1〜4〕
カラーレーザービームプリンタLBP5500(キヤノン社製)改造機に、表2に示すように各々の実験例及び比較実験例において、ブラック現像剤としてBk1〜13または比較Bk1〜4を使用し、イエロー現像剤としてY1、マゼンタ現像剤としてM1、シアン現像剤としてC1を用いた。そして、高温高湿環境下(30℃,80%RH)にて面積比率5%の印字比率の画像を連続モードで8000枚までプリントアウトした。記録材にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、秤量80g/m)を用いた。その後、下記の項目について評価を行った。評価結果については表2に示す。
(1)高温オフセット性
記録材先端中央部にブラックトナーを載り量0.60mg/cmで、5cm×5cm面積のベタ画像を作像し、定着スピードを150mm/secとし、定着器通過時の記録材の通紙方向後端部に、ホットオフセット現象(定着画像の一部が定着器の部材表面に付着し、更に、次周回で記録材上に定着する現象)が生じた時点の定着加熱部表面の温度を測定し、ホットオフセット現象発生温度とし、以下の評価基準に基づいて評価した。
A: 190℃以上(良好)
B: 185℃以上、190℃未満(実用上問題なし)
C: 180℃以上、185℃未満(実用限度)
D: 180℃未満(実用上問題あり)
(2)低温定着性
ブラックトナーの載り量を0.60mg/cmとしたベタ画像を作像し、定着スピードを180mm/secとし、120℃から5℃おきに定着温度を変調して定着を行い、得られた定着画像をシンボル紙で、5往復、約100g荷重で察し、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で相加平均して10%以下となった温度を定着開始温度とした。
A: 140℃未満(良好)
B: 140℃以上、145℃未満(実用上問題なし)
C: 145℃以上、150℃未満(実用限度)
D: 150℃以上(実用上問題あり)
(3)現像スジ
ブラックトナーの載り量を0.30mg/cmとしたハーフトーン画像を出力し、画像上及び現像ローラを目視で観察し、評価した。
A: 現像ローラ上にも、ハーフトーン画像上にも、現像スジと見られる縦スジは見られない。実用上全く問題ないレベル。
B: 現像ローラに周方向の細かいスジが1〜3本あるものの、ハーフトーン画像上には、縦スジは見られない。実用上問題ないレベル。
C: 現像ローラに周方向の細かいスジが数本あり、ハーフトーン画像上にも細かいスジが数本見られる。しかし、画像処理で消せるレベルで、実用上ほぼ問題ないレベル。
D: 現像ローラ上及びハーフトーン画像上に多数本のスジが見られ、画像処理でも消せない。実用上問題のあるレベル。
(4)カブリ
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはグリーンフィルターを用いた。
A: 1.0%未満(良好)
B: 1.0%以上2.0%未満(実用上問題なし)
C: 2.0%以上3.0%未満(実用限度)
D: 3.0%以上(実用上問題あり)
(5)巻き付き
ブラックトナーの載り量を0.60mg/cmとしたベタ画像を作像し、定着スピードを150mm/sec、定着温度を200℃として定着器を通過させた時の定着ローラへの紙の巻き付き具合を目視観察し、評価した。
A: 定着ローラに全く巻き付かない。(良好)
B: 若干巻き付き気味ではあるが、通常の排紙はできる。(実用上問題なし)
C: 巻き付き気味であるが、分離用のつめによって分離できる。(実用限度)
D: 定着ローラに巻き付き、排紙ができない。(実用上問題あり)
(6)光沢性
ブラックトナーの載り量を0.60mg/cmとしたベタ画像を作像し、定着スピードを46mm/sec、定着温度を180℃で定着を行い、定着画像の光沢度(グロス)ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定し、トナーの光沢製のレベルを以下の基準で判定した。
A: 80以上(良好)
B: 60以上80未満(実用上問題なし)
C: 40以上60未満(実用限度)
D: 40未満(光沢画像としては不足)
Figure 2008145733
Figure 2008145733
本発明で使用した荷電装置の概略図である。 本発明で使用した熱刺激電流(TSC)測定装置の概略図である。 本発明のブラックトナー(Bk1)の熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される電流を示す図面である。 本発明のブラックトナー(Bk1)の熱刺激電流測定装置で2回目昇温時に測定される電流を示す図面である。 ブラックトナー(比較Bk3)の熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される電流を示す図面である。 ブラックトナー(比較Bk3)の熱刺激電流測定装置で2回目昇温時に測定される電流を示す図面である。

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子と、無機微粉体とを有するトナーにおいて、
    (1)前記トナーの熱刺激電流測定装置で1回目昇温時に測定される熱刺激電流の電流値が、少なくとも65〜100℃の範囲に、メインピーク(P1)を有し、
    (2)前記測定後、2回目昇温時に測定される熱刺激電流の電流値が、少なくとも65〜110℃の範囲に、2つのピーク(P2、P3)を有し、高温側のピーク(P3)が85℃以上に存在する
    ことを特徴とするトナー。
  2. 前記P3を示す電流値の絶対値が、1.0×10−14〜50.0×10−14Aであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記P2を示す電流値の絶対値が、1.0×10−14〜50.0×10−14Aであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記P1を示す電流値の絶対値が、3.0×10−14〜90.0×10−14Aであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記トナーのフローテスターにおける100℃での粘度が1.00×10〜4.50×10Pa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナー粒子が懸濁重合法により製造されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
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