JP3808468B2 - 熱電気測定方法とそれを利用した熱電気測定装置 - Google Patents

熱電気測定方法とそれを利用した熱電気測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱電気を計測することにより試料の物理特性を分析するための熱電気測定方法に関し、特に、かかる熱電気測定方法を利用して、例えば、電子写真用のトナーなど、粉体の物理特性を、所望の水蒸気雰囲気中で測定することを可能とするための熱電気測定方法に関し、更には、その熱刺激電流を計測することにより分析する熱電気測定装置とそれを利用した熱電気測定装置に関する。
熱電気を計測することにより試料の物理特性を分析するための熱電気測定方法として、例えば、熱刺激電流(TSC)を計測することにより、被測定物質の物理特性を分析する方法は、JIS、K7131等により既に知られる。この既に知られた分析方法である、プラスチックフィルムの熱刺激電流試験方法では、プラスチックのような誘電体や絶縁体の試験片に低温(例えば、−180℃)で凍結された誘電分極やトラップされた電荷が昇温によって開放されて熱平衡に移行するときに、試験片を挟む外部回路に流れるフェムトアンペア(fA=10−15A)又はピコアンペア(pA)オーダの電流(これを熱刺激電流と言う)を検出することによって物質の物理特性を分析するものである。
かかるTSC法による測定装置は、例えば、以下の特許文献1により知られるように、試料の表面に接続された電極層から引き出されたワイヤを含む試料組立体を一対の支持棒で支持し、その外周にヒータコイルを巻いた昇温用の電気炉の内部に上記試料組立体を収納可能に構成されており、かつ、これらの組立体や電気炉は、外部から断熱しかつ電磁シールドするための容器内に収納される。なお、この試料容器は、その内部を所望の温度に制御可能とするため、外部との断熱のための真空室の内部に、例えば、液体窒素等や恒温水などを循環させるための空間を設け、その内部に上記組立体や電気炉を収納する構造を有している。
また、TSC法による物理特性を分析する方法によって、特に、粉体の物質である電子写真用トナーの帯電特性を測定するための測定方法及びそのための装置が、以下の特許文献2により知られている。
すなわち、この特許文献2では、測定すべき電子写真用トナーの秤量した一定量を導電性支持体(電極)上に載せ、これを室温にてプランジャーで押圧して一定厚みの円盤状形成体に加圧形成し、さらにコロナ帯電器によって帯電してトナー試料とする。そして、この帯電したトナー試料を、測定装置内に導入し、熱電対によって一定の昇温速度で昇温させながら、対向電極からの電流を検出することにより、トナー用樹脂の組成や物性、トナーの調整法やその条件とトナーの帯電特性との究明に有用な定量的データを再現性よく得ることが可能であることが述べられている。
また、上記の特許文献2に関連して、以下の非特許文献が既に知られている。
特開2002−071599号:図4 特開平8−62885号:図5、図6 堀健志、他「トナー用バインダー樹脂粉体のTSC」:静電気学会論文集’94(1994.8)p247 高橋修、他「摩擦による荷電粒子放出と帯電現象」:静電気学会誌,20,4(1996)252−254 池崎和男、他「微粒子粉体状態での基礎電気物性」:静電気学会誌,22,4(1998)78−82 桑原論次、他「高分子粉体試料熱刺激電流スペクトルにおよぼす試料粉体層熱収縮の影響」:静電気学会論文集’00(2000.9)p229 橋本竜憲、他「低温粉砕ポリプロピレンの熱刺激電流スペクトル」:静電気学会講演論文集’01(2001.9),p111 菅波敬喜、他「トナー表面におけるCCAの存在状態と帯電制御特性」:粉体工学会誌,39,642−647(2002)
ところで、上述した従来技術になるTSC法による測定や装置では、通常、測定すべき試料をコロナ荷電装置などによって帯電させ、ヘリウムガスや空気(大気)中で測定を行なう。ヘリウムガスの場合は水蒸気を含まず、空気の場合には、その時の大気の状態(湿度)に依存していた。即ち、従来技術では、測定すべき試料を、調整された湿度雰囲気中で測定することは不可能であった。
しかしながら、特に、上記特許文献2により知られるような電子写真用トナー等、即ち、粉体の試料では、しばしば、所望の湿度(水蒸気)雰囲気中で測定することが必要となる。例えば、上記電子写真用トナーの性能は、その帯電量によって決定されることとなるが、しかしながら、この帯電量は、更に、温度と共に湿度によっても大きく影響され、また、電子写真用トナーの帯電量を実際の使用状況に近い条件で計測するためにも、湿度(水蒸気)雰囲気中でも測定が可能な熱電気測定方法、さらには、そのための熱電気測定装置が求められている。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点を解消し、すなわち、所望の湿度(水蒸気)雰囲気下においても熱電気を計測することにより試料の物理特性を分析することを可能にする熱電気測定方法を提供し、加えて、かかる熱電気測定方法を利用することにより、特に電子写真用トナー等の粉体の試料の帯電特性を含む物理特性を湿度(水蒸気)雰囲気下においても測定可能な熱電気測定方法、そして、そのための熱電気測定装置を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するため、本発明によれば、まず、熱電気を計測することにより試料の物理特性を分析する熱電気測定方法であって、試料を測定装置内部に取り付けてその電気特性を測定する工程を備え、前記熱電気特性の測定工程において、当該測定装置内部の計測室内を所望の水蒸気雰囲気に保持しながら前記試料の電気特性を測定する熱電気測定方法が提供される。なお、本発明では、前記測定装置の計測室内における水蒸気雰囲気を所望の値に保持するため、当該所望の値の水蒸気を含む気体を前記測定装置の外部から前記内部の計測室内へ供給すると共に、当該計測室側壁の温度を、前記気体の温度よりも僅かに高くなるように設定することが好ましい。
また、本発明によれば、前記に記載した熱電気測定方法により熱刺激電流を計測することにより粉体の物理特性を分析する熱電気測定方法であって、前記粉体を所定の形状に形成する工程と、前記所定の形状に形成された粉体を帯電する工程と、前記帯電した形成粉体を測定装置内部に取り付けてその熱刺激電流を測定する工程とを備えており、前記熱刺激電流の測定工程において、当該測定装置内部の計測室内を所望の水蒸気雰囲気に保持しながら前記帯電した形成粉体の熱刺激電流を測定熱電気測定方法が提供される。加えて、本発明によれば、前記に記載した熱電気測定方法のための熱電気測定装置であって、その内部に前記計測室を形成してなる恒温槽部と、前記恒温槽部内に収容された加熱昇温部と、前記恒温槽部内に収容され、かつ、前記被測定物を載せる支持電極と当該支持電極に対して前記被測定物を介して離隔して設けられた対向電極とを備えた電極部と、そして、前記電極部に接続され、前記被測定物からの熱刺激電流を検出する電流検出手段を備えており、更に、前記恒温槽部内の前記計測室に所望の値の水蒸気雰囲気を導入する手段を備えた熱電気測定装置が提供される。
なお、本発明では、前記の熱電気測定装置において、前記水蒸気導入手段は、前記計測室に導入する水蒸気の湿度と共に、その温度をも制御可能であることが、又は、前記恒温槽部に恒温水を供給するための恒温送水装置は、当該供給する恒温水の温度を、前記計測室に導入する水蒸気雰囲気の温度よりも僅かに高い温度に制御することが好ましい。
以上に述べたように、本発明によれば、試料の熱電気特性を所望の湿度(水蒸気)雰囲気下においても測定可能な熱電気方法が提供することが可能であり、更には、粉体の試料の帯電特性を含む物理特性を、所望の湿度(水蒸気)雰囲気下において測定可能となる熱電気方法及びそれを利用した熱電気測定装置が提供されることから、例えば、トナー用樹脂の組成や物性、トナーの調整法やその条件とトナーの帯電特性との究明に有用な定量的データを、より実際の使用状況に近い条件下で、再現性よく得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明を加える。
まず、添付の図2には、本発明の一実施の形態になる、例えば、熱電気測定の一つである、所謂、熱刺激電流(TSC)による測定装置の概略構造が示されている。この図において、後にも詳細に示すが、所定の形状に形成された、電子写真用トナー等の粉体の試料10には、その容器を形成する一対の対向する電極層(被測定物を載せる支持電極と、この支持電極に対して被測定物を介して離隔して設けられた対向電極とからなる電極部)を介して、試験片(試料10)を挟んで形成される外部回路に流れるピコアンペア又はフェムトアンペア(fA=10−15A)オーダの電流を検出することにより、物質の物理特性を分析するものである。なお、図では、符号21はスイッチを示しており、これにより、直流電圧の印加が必要な試料に対しては、直流電源22が選択的に接続することが可能となっている。
添付の図3には、上記の電極部のより具体的な構成の一例が示されている。すなわち、図3(a)にも示すように、対向する一対の導体からなる支持棒12、12の下端には、絶縁体からなる板状の支持体120が、例えばナット121、121などによって取り付けられている。さらに、この支持体120の略中央部には(図3(b)を参照)、その上に容器内に収納された試料10(試料組立体)が搭載される支持電極122が、やはり、ナット123によって固定されている。そして、特に図3(c)により明らかなように、一対の支持棒の一方(図では左側)の支持棒と上記電極122とは、支持体120の下面に取り付けられたショートバー124を介して電気的に接続されている。一方、上記一対の支持棒の一方(図では右側)の支持棒には、対向(非接触)電極125が先端に取り付けられ、当該支持棒に沿って上下に移動調整が可能な支持体126が取り付けられている。なお、この電極部に試料10が搭載された状態が、図3(a)に示されている。このように、試料10(試料組立体)は、これら一対の支持棒12、12を介して装置の微小電流計20へ電気的に接続されている。
なお、上記の図3には、対向(非接触)電極の例について説明したが、しかしながら、本発明は、これにのみ限られるものではなく、例えば、添付の図4に示すように、所謂、接触方式の電極を用いてもよい。なお、この例では、絶縁体からなる板状の支持体120の上には多層膜からなる中間電極層127が形成され、その中央部の中間電極層127には、接着層128が形成され、さらに、その上面には、例えば、Ti、Auの二層構造の膜129が形成されている。また、図中の符号130は、上記試料10の上面に形成された一対の電極層であり、符合131は、上記一対の電極層130と上記支持体120の両端部に形成された中間電極層127との間を電気的に接続するための、例えばAuなどから成るワイヤである。加えて、符号132は、Auワッシャであり、符号133は、上記支持棒12の下端部に形成されたネジと螺合するメネジである。
再び、上記図2に戻り、この試料10の周囲には、略円筒形状のカバーにヒータコイルが巻かれた電気炉30が配置されている。なお、この電気炉30は昇降可能であり、この電気炉30を下げることにより、装置内に配置した試料10(試料組立体)の周囲を覆うことが出来る。又は、上記試料10(試料組立体)を昇降可能とすることによって電気炉30の内部に試料10(試料組立体)を配置するようにしてもよい。なお、この電気炉10を構成するヒータコイルは、図示しない電流制御装置によって加熱電流が供給されており、これにより、試料10の温度を所望の昇温速度で昇温させるものである。
なお、上記試料10を含む試料組立体や支持棒12、12、電気炉30などの外観構造が、添付の図1に示されている。そして、これらの試料組立体などは、以下に詳述する容器である計測室50内に収容してその熱刺激電流を測定する。
すなわち、その内部に試料組立体を収容して試料10を所望の昇温速度で昇温させながら試料10を流れる微小電流を検出する計測室50は、上記図1からも明らかなように、例えばステンレスからなり、かつ、電磁シールドと恒温槽を構成するための、有底の円筒形状に形成されたものである。この図示の例では、例えば、外側ケース51、中側ケース52、内側ケース53の三層構造となっている。すなわち、これら外側ケース51と中側ケース52との間は真空となっており、もって、容器(恒温槽)の内部(計測室50)を外部から熱的に遮断している。さらに、中側ケース52と内側ケース53との間には、所謂、恒温層を形成している。より具体的には、この中側ケース52と内側ケース53との間の恒温層には、室温を含めた所望温度の恒温水を外部から供給し、ケース53の内側に結露が生じないよう、容器(恒温槽)の内壁を所望の温度に保持するために、図示しないが、例えば、ポンプ等から成る恒温送水装置80が接続されている。また、図示しないが、この恒温送水装置80は、温度制御装置を備えており、これにより、供給される恒温水の温度は、適宜、選択的に設定可能となっている。なお、上記の計測室50としては、試料の温度を低温(例えば、−180℃)まで降下させる場合などをも考慮し、その最外周に真空の外側ケース51を備えたものとして説明したが、しかしながら、その必要がない場合には、この外側ケース51を取り除いた構造(二層構造)のものであっても構わないことは言うまでもなかろう。また、測定室内に湿度計を設けて内部の湿度を検出し、もって、所謂、フィードバック制御を構成することも可能である。
そして、本発明によれば、更に、水蒸気発生装置100が設けられており、これにより、所望の温度でかつ所望の湿度の水蒸気雰囲気が、上記で述べた容器(電磁シールドを備えた恒温槽)の内部(計測室50)に供給されている。なお、この水蒸気発生装置100の一例として、本発明では、理学電機株式会社製の水蒸気発生装置(Humidity Controller)HUM−1を使用しており、これにより適宜選択的得られる、室温〜60℃の温度範囲で、20%RH〜90%RHの濃度範囲の水蒸気を、例えば、配管110を介して容器の内部(計測室50)に導く構造としたものである。また、この水蒸気発生装置100は、その発生した水蒸気の湿度及び/又は温度に関する情報を、例えば、電気信号S(ディジタル/アナログを含む)として、上記恒温送水装置80へ伝達するようにすることも可能である。
続いて、上記にその構造を説明した測定装置によって粉体の物理特性を分析する熱電気測定方法、特に、電子写真用トナーの帯電量を実際の使用状況に近い条件で計測する熱電気測定方法について、以下に詳細に説明する。
添付の図5に示すように、まず、試料(サンプル:電子写真用トナー)を容器に入れて秤量する(ステップS1)。続いて、サンプル(試料)を除電装置に入れてその帯電量をゼロ(0)にし、その後、その表面電位を測定して除電状態を確認する(ステップS2)。さらに、サンプル(試料)を荷電装置(例えば、コロナ荷電装置等)に入れて、所定量の電荷を荷電し、その後、その表面電位を測定して荷電状態を確認する(ステップS3)。そして、上記により得られたサンプル(試料)を、上記測定装置に取り付ける(ステップS4)。なお、このとき、サンプル(試料)は、前記した支持電極と対向電極とを備えた電極部との間に挟持され、微小な熱刺激電流を検出する微小電流計20に電気的に接続されることは言うまでもない。
その後、例えば、添付の図6(a)及び(b)に示すように、一定湿度に調整された測定装置の計測室50内にサンプル(試料)を取り付け、所定時間(例えば、25分程度)置いた後、温度を、例えば、20℃から160℃まで、所望の昇温速度で変化させながらその熱刺激電流の測定を開始する。なお、上記の例では、帯電後25分後に測定を開始したが、その間の23分間を、例えば、(A)温度10℃で湿度15%、(B)温度20℃で湿度65%、(C)温度30℃で湿度90%の湿度雰囲気に入れて測定を行なった。
また、この時、上述したように、本発明の実施の形態によれば、上記した水蒸気発生装置100によって発生される水蒸気雰囲気を計測室50内に供給してその内部の湿度を設定する場合、上述したように、発生した水蒸気の湿度及び/又は温度に関する情報を上記恒温送水装置80へ伝達する構成としている。すなわち、かかる構成によれば、この恒温送水装置80から、計測室50を構成する中側ケース52と内側ケース53との間の恒温層に供給される恒温水を、適宜、制御することが可能であり、もって、計測室50へ水蒸気雰囲気を供給するにも拘わらず、その内部で水蒸気雰囲気が結露して測定結果に悪影響を及ぼすことから確実に回避することが可能となる。すなわち、湿度雰囲気下でも安定した熱刺激電流の測定が可能となる。
例えば、水蒸気発生装置100から供給される水蒸気雰囲気の水蒸気濃度(%RH)によっても多少変化するが、恒温送水装置80から計測室50を構成する中側ケース52と内側ケース53との間の恒温層に供給される恒温水を、供給される水蒸気雰囲気の温度より僅かに(例えば、0℃〜5℃程度)高くなるように制御することによれば、計測室50への水蒸気雰囲気の供給するにも拘わらず、水蒸気雰囲気の結露を確実に防止することが可能となる。なお、この際、上述したように、水蒸気発生装置100からの水蒸気の湿度及び/又は温度に関する情報、即ち、電気信号Sを利用することにより、自動的に、恒温水の温度を制御することも可能である。
また、添付の図7には、上記の測定装置により、上記の測定方法に従って試料(サンプル:電子写真用トナー)の熱刺激電流を測定した結果の一例が、グラフにより示されている。
すなわち、この図7のグラフにおいて、太線の曲線Aは、上記の(C)温度30℃で湿度90%の場合に実際に得られた熱刺激電流を示しており、他方、グラフの細線Bで示された曲線は、ドライ(湿度調整なし)の場合に得られた熱刺激電流を示している。なお、これらの曲線の図の左側のピークは、トナーの樹脂部のガラス転移点近傍(即ち、ガラス状からゴム状への転移)に伴って放出される電荷によるピークを示し、他方、図の右側のピークは、トナーの樹脂部の結晶融解に伴って放出される電荷によるピークを示している。また、ここで、電流が負方向に流れているのは、上記トナーを負に帯電させたためであり、これとは逆に、トナーを正に帯電させた場合には、正方向に電流が流れることは、当業者であれば明らかであろう。
そして、上記グラフの、実際に得られた二つの特性曲線の比較からも明らかなように、電子写真用トナーでは、測定時の湿度の変化によっても、その示す熱刺激電流が異なっていることが明らかであり、すなわち、トナーの性能である帯電量は温度と共に湿度によっても大きく影響されることが分かる。そして、上記に述べた本発明により提案される、特に、粉体の物理特性を熱電気測定するための測定方法やそのための測定装置によれば、湿度によっても影響される、特に、電子写真用トナーのような粉体の物理特性について、測定の際の湿度環境を適宜設定することが可能となることから、実際の使用状況に近い条件下で測定することが可能となる。
ところで、上記の実施の形態においては、粉体を含む試料の物理特性を分析するための熱電気測定方法として、特に、熱刺激電流(TSC)による測定装置とその測定方法について詳細に述べたが、しかしながら、本発明は、これのみに限定されるものではない。すなわち、本発明が適用される熱電気測定方法としては、その他、例えば、DEA(Dielectric Analysis:熱緩和測定)、DTLS(Deep Level Transient Spectroscopy)、ICTS(Isothermal Capacitance Transient Spectroscopy)、TSIC(Thermally Stimulated Ionic Current)、IV(Current-Voltage characteristic:電流−電圧特性測定法)、CV(Capacitance-Voltage characteristic:容量−電圧特性測定法)などの測定手法を採用することもできる。
なお、上記のような各種の測定方法を採用する場合、その測定手法として、電極と試料とを接触状態で測定を行なうか、あるいは、非接触とするか(即ち、上記図3及び図4に示した電極構造のいずれを用いるか)について、以下の表に示す。
表1
Figure 0003808468
また、上記の各種の測定方法の応用例(被測定試料)としては、上述したトナーに限らず、例えば、フィルム、有機薄膜(例えば、感光体、有機EL、有機FET、センサー、low k 材料等)、無機薄膜(例えば、光触媒、low k high k 材料、強誘電体、蛍光体等)、高分子粉体(例えば、半導体封止材料であるモールド材等)、無機粉体(例えば、蛍光材料、触媒等)、さらには、製薬(粉体、錠剤、パッケージの気密性評価等)に適用し、もって、水分による変質を測定して水分による作用を観察することが可能になる。加えて、本発明を、生体材料(例えば、タンパク質膜、植物種子等、更には、ゲル状組織、液状組織など)、そして、食品(例えば、小麦粉、米粒、練り物)に適用することによれば、試料の状態・特性・特質をそのまま維持しながら、水分による変質を測定して水分による作用を観察することが可能になる。
本発明の一実施の形態になる熱刺激電流(TSC)による測定装置の概略構造を示す一部断面を含む図である。 上記測定装置の電気回路を含む概略構成を示すブロック図である。 上記測定装置における電極部の具体的な構成の一例を示す図である。 上記測定装置における電極部の他の例を示す図である。 上記測定装置によって電子写真用トナーの帯電量を実際の使用状況に近い条件で計測する熱電気測定方法について説明するフローチャート図である。 上記測定装置による電子写真用トナーの熱刺激電流(TSC)測定の具体的な一例を示す図である。 上記測定装置によって、異なる湿度条件下で実際に得られた熱刺激電流の計測結果を示す図である。
符号の説明
10 試料(サンプル)
12 支持棒
20 微小電流計
30 電気炉
50 計測室
51、52、53 恒温槽の外側ケース、中側ケース、内側ケース
80 恒温送水装置
100 水蒸気発生装置

Claims (5)

  1. 熱電気を計測することにより試料の物理特性を分析する熱電気測定方法であって、試料
    を測定装置内部に取り付けてその電気特性を測定する工程を備え、前記熱電気特性の測定工程において、当該測定装置内部の計測室内を所望の水蒸気雰囲気に保持しながら前記試料の電気特性を測定する熱電気測定方法において、前記測定装置の計測室内における水蒸気雰囲気を所望の値に保持するため、当該所望の値の水蒸気を含む気体を前記測定装置の外部から前記内部の計測室内へ供給すると共に、当該計測室側壁の温度を、前記気体の温度よりも僅かに高くなるように設定することを特徴とする熱電気測定方法。
  2. 前記請求項1に記載した熱電気測定方法により熱刺激電流を計測することにより粉体の物理特性を分析する熱電気測定方法であって、前記粉体を所定の形状に形成する工程と、前記所定の形状に形成された粉体を帯電する工程と、前記帯電した形成粉体を測定装置内部に取り付けてその熱刺激電流を測定する工程とを備えており、前記熱刺激電流の測定工程において、当該測定装置内部の計測室内を所望の水蒸気雰囲気に保持しながら前記帯電した形成粉体の熱刺激電流を測定することを特徴とする熱電気測定方法。
  3. 前記請求項1又は2の何れかに記載した熱電気測定方法のための熱電気測定装置であって、その内部に前記計測室を形成してなる恒温槽部と、前記恒温槽部内に収容された加熱昇温部と、前記恒温槽部内に収容され、かつ、前記被測定物を載せる支持電極と当該支持電極に対して前記被測定物を介して離隔して設けられた対向電極とを備えた電極部と、そして、前記電極部に接続され、前記被測定物からの熱刺激電流を検出する電流検出手段を備えており、更に、前記恒温槽部内の前記計測室に所望の値の水蒸気雰囲気を導入する手段を備えたことを特徴とする熱電気測定装置。
  4. 前記請求項に記載した熱電気測定装置において、前記水蒸気導入手段は、前記計測室に導入する水蒸気の湿度と共に、その温度をも制御可能であることを特徴とする熱電気測定装置。
  5. 前記請求項に記載した熱電気測定装置において、前記恒温槽部に恒温水を供給するための恒温送水装置は、当該供給する恒温水の温度を、前記計測室に導入する水蒸気雰囲気の温度よりも僅かに高い温度に制御することを特徴とする熱電気測定装置。
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