JP5366454B2 - 光学機器 - Google Patents

光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5366454B2
JP5366454B2 JP2008171424A JP2008171424A JP5366454B2 JP 5366454 B2 JP5366454 B2 JP 5366454B2 JP 2008171424 A JP2008171424 A JP 2008171424A JP 2008171424 A JP2008171424 A JP 2008171424A JP 5366454 B2 JP5366454 B2 JP 5366454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
origin
origin position
lock
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008171424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010008951A5 (ja
JP2010008951A (ja
Inventor
卓朗 朝野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008171424A priority Critical patent/JP5366454B2/ja
Priority to EP09163652A priority patent/EP2141914B1/en
Priority to US12/493,803 priority patent/US7869703B2/en
Priority to CN2009101513136A priority patent/CN101620358B/zh
Publication of JP2010008951A publication Critical patent/JP2010008951A/ja
Publication of JP2010008951A5 publication Critical patent/JP2010008951A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5366454B2 publication Critical patent/JP5366454B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/04Prisms
    • G02B5/06Fluid-filled or evacuated prisms
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/60Control of cameras or camera modules
    • H04N23/68Control of cameras or camera modules for stable pick-up of the scene, e.g. compensating for camera body vibrations
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/64Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image
    • G02B27/646Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image compensating for small deviations, e.g. due to vibration or shake

Description

本発明は、交換レンズや撮像装置(カメラ)等の光学機器に関し、特に光学像振れ補正機能を有する光学機器に関する。
交換レンズや撮像装置には、シフトレンズや可変頂角プリズム等の像振れ補正光学素子を駆動して、手振れ等に起因する像振れを低減する光学像振れ補正機能が搭載されている場合が多い。光学像振れ補正機能において高い像振れ補正効果を得るためには、像振れ補正光学素子の位置を高い精度で検出する位置検出器が求められる。
そして、このような位置検出器としては、位置検出精度が高いパルスエンコーダ等の相対位置検出器が広く用いられている。ただし、相対位置検出器による位置検出を行う場合には、位置検出の基準となる原点位置を精度良く決める必要がある。光学像振れ補正においては、原点位置として、撮像光学系の光軸上を進む光線を屈折させずに直進させる光学原点位置に一致する位置が選択される。
原点位置を決定する方法としては、相対位置検出器とは別に絶対位置検出器を設けることが考えられるが、光学機器の小型化や低コスト化のためには好ましくない。このため、以下のように、相対位置検出器のみで原点位置を決定する方法が提案されている。
特許文献1には、像振れ補正光学素子を可動範囲の機械的な端(可動端)に当接させ、予め測定しておいた該可動端から原点位置までの距離を用いて原点位置を検出する方法が開示されている。また、特許文献2には、像振れ補正光学素子の両側の可動端を検出し、それらの中心を原点位置として設定する方法が開示されている。
特開平6−43518号公報 特開2007−101671号公報
光学像振れ補正機能を有する光学機器には、光学像振れ補正機能を使用しない状態において像振れ補正光学素子の移動を原点位置付近のロック範囲に制限するため、該像振れ補正光学素子の動きを機械的にロックするロック機構が搭載される。
しかしながら、ロック機構においてロック範囲の端を構成する端面は、ロック状態とロック解除状態(アンロック状態)とが多数回切り替えられることで摩耗するおそれがある。このような摩耗が生じた場合、特許文献1,2に開示された方法を利用して、単にロック機構内での機械的な可動端を検出するだけでは原点位置を正確に求めることができない。このため、ロック状態において像振れ補正光学素子を原点位置に制御することができず、ロック機構と光学像振れ補正素子との間のガタ分だけ像振れ補正光学素子が原点位置からずれる可能性がある。この原点位置からのずれは、映像上で色ずれを生じさせる等の光学性能の低下につながる。
同様の問題は、ロック機構ではなく、光学像振れ補正機能を使用する際の可動範囲の端を構成する端面が摩耗等による経時変化により初期位置からずれた場合にも生ずる。
本発明は、摩耗等による経時変化が生じても、光学像振れ補正制御における原点位置を精度良く決定することができるようにした光学機器を提供する。
本発明の一側面としての光学機器は、光学原点位置を含む可動範囲内で駆動される光学像振れ補正手段と、該光学像振れ補正手段の位置を検出する相対位置検出手段と、光学像振れ補正手段の移動を、光学原点位置を含み、かつ可動範囲よりも狭いロック範囲内に機械的に制限するロック手段と、可動範囲における第1の基準位置と光学原点位置との間の距離である第1の距離、及びロック範囲における第2の基準位置と光学原点位置との間の距離である第2の距離を記憶する記憶手段とを有する。該光学機器は、さらに、第1の基準位置と第1の距離とから得られる第1の原点位置、又は第2の基準位置と第2の距離とから得られる第2の原点位置を制御原点位置とし、該制御原点位置に基づいて光学像振れ補正手段の位置を制御する制御手段を有する。そして、制御手段は、光学像振れ補正手段を第1の原点位置から第2の基準位置に移動させたときの相対位置検出手段による検出結果と第2の距離とのずれ量、及び光学像振れ補正手段を第2の原点位置から第1の基準位置に移動させたときの相対位置検出手段による検出結果と第1の距離とのずれ量のうち少なくとも一方に基づいて、第2の距離の補正を行い、前記第1の基準位置は、前記相対位置検出手段による前記光学像振れ補正手段の位置の検出が可能な端位置であり、前記第2の基準位置は、前記光学像振れ補正手段が前記ロック範囲における機械的な可動端である

なお、上記光学機器と、該光学機器が着脱可能な撮像装置とを有することを撮像システムも本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、光学像振れ補正手段の可動範囲又はロック範囲の端位置を決める端面が摩耗等によって経時変化しても、制御原点位置を精度良く決定(検出)することができ、光学像振れ補正機能を有する光学機器の光学性能を向上させることができる。
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である光学機器としてのズームレンズ装置を備えた撮像システムの構成を示している。ズームレンズ装置50は、カメラ(撮像装置)60に対して着脱可能な交換レンズ装置である。
ズームレンズ装置50には、撮像光学系(ズーム光学系)が収容されている。1はピント合わせを行うためのフォーカスレンズである。2は光学像振れ補正手段(光学防振手段)としての可変頂角プリズム(以下、VAPという)であり、手振れ等に起因する像振れを低減する。3は撮像光学系の焦点距離を変化させるための変倍レンズであり、4はリレーレンズである。
ズームレンズ装置50に入射した光は、フォーカスレンズ1、VAP2、変倍レンズ3、リレーレンズ4及び不図示のアイリス(絞り)により構成される撮像光学系によって結像され、カメラ60に搭載された撮像素子41により電気信号に変換される。撮像素子41としては、CCDセンサやCMOSセンサが用いられる。
VAP2において、5,6はそれらの間に透明な液体を封じ込めるための2枚の透明板(以下、VAP板という)である。図2に示すように、VAP板5を軸7を中心として回転(移動)させて、VAP板5,6がなす角度(頂角)を変化させることで、撮像光学系の光軸(入力光束)AXLを垂直方向(チルト方向)に変位させることができる。また、VAP板6を軸8を中心として回転(移動)させることで、撮像光学系の光軸AXLを水平方向(パン方向)に変位させることができる。ズームレンズ装置50(及びカメラ60)に加わった振れに応じてVAP板5,6の回転位置を制御して、撮像素子41に入射光束を導くことで、像振れが低減される。
VAP板5,6はそれぞれ、所定の可動範囲で回転することができる。可動範囲には、光軸AXL上を進む光線を屈折させずに直進させる位置、すなわち光学的な原点位置(光学原点位置)が含まれる。
9,10はそれぞれ、VAP板5,6に設けられたストッパピンである。ストッパピン9,10がロック部材(ロック機構)11によってある程度の移動許容量を持って保持されることで、VAP板5,6の軸7,8まわりでの回転が、上記可動範囲よりも狭いロック範囲に機械的に制限される。ロック部材11がストッパピン9,10に対してある程度の移動許容量を有するのは、これらの製造誤差により、VAP板5を正確に光学原点位置に保持することは困難であり、位置制御によって光学原点位置に保持する必要があるからである。
このように、ストッパピン9,10がロック部材11によって保持され、ロック範囲の端を構成する端面に当接することで、VAP板5,6の回転がロック範囲内に機械的に制限された状態をロック状態という。また、ロック部材11によるストッパピン9,10の保持(VAP板5,6の回転制限)が解除され、VAP板5,6が可動範囲で回転可能となった状態をアンロック状態という。なお、本実施例では、ストッパピン9,10は、アンロック状態においても、ロック部材11において可動範囲の端を構成する端面に当接することで、VAP板5,6の回転を可動範囲内に制限している。
12はロック部材11をロック状態とアンロック状態とに切り替えるためのレバーであり、操作者によって操作される。
13は、図3(1)に示すように、ロック部材11が完全に「アンロック状態」になったことを検出するアンロック検出器である。14は、図3(3)に示すように、ロック部材11が完全に「ロック状態」になったことを検出するロック検出器である。アンロック検出器13及びロック検出器14はいずれも、ロック部材11に当接することでスイッチ片が押されることでオンになる。図3(2)に示すように、完全な「アンロック状態」でも完全な「ロック状態」でもない状態を「遷移状態」という。
図1において、15,16はそれぞれ、コイル、マグネット及びヨークによって構成されたボイスコイルモータ(アクチュエータ)である。ボイスコイルモータ15に通電することでVAP板5を回転させることができ、通電方向を変更することでVAP板5の回転方向を切り替えることができる。ボイスコイルモータ16に通電することでVAP板6を回転させることができ、通電方向を変更することでVAP板6の回転方向を切り替えることができる。
17,18はそれぞれ、VAP板5,6がどの位置に回転しているか、すなわちVAP板5,6の位置を検出する相対位置検出器としてのパルスエンコーダである。パルスエンコーダ17,18はそれぞれ、スケール19,20に対して光を照射する。各スケールには、照射された光を互いに位相が90°ずれて強度が変化する2つの反射光に変換するためのパターンが形成されている。該2つの反射光を各パルスエンコーダで受光して電気信号に変換することで、互いに位相が90°ずれた2つの電気信号(以下、A相信号及びB相信号という)が生成される。
22は位相カウンタであり、各パルスエンコーダから出力されるA相信号及びB相信号から各VAP板の位置変化値(+1,−1)を生成し、さらにこれをカウントして位置カウント値Xとして出力する。位相カウンタ22は、パルスエンコーダ17,18からの位置変化値を別々に処理し、2つの位置カウント値Xを出力する。また、位置カウント値Xは、ズームレンズ装置50の電源投入時(ズームレンズ装置50がカメラ60から電源供給されている場合はその電源供給の開始時)に0にリセットされる。
図4〜図6を用いて、各パルスエンコーダからA相信号及びB相信号が出力される様子と、A相信号及びB相信号を受けた位相カウンタ22での位置カウント値Xの生成について説明する。なお、図5及び図6には、パルスエンコーダ17,18及びスケール19,20のうちパルスエンコーダ17及びスケール19を示しているが、以下の説明はパルスエンコーダ18及びスケール20についても同様である。
位相カウンタ22は、図4に示すように、A相信号及びB相信号のレベル(High,Low)とレベル変化(HighからLow又はその逆)との関係からカウント値Xをインクリメント(+1)又はデクリメント(−1)する。
図5及び図6にはそれぞれ、パルスエンコーダ17がスケール19に対して正方向及び負方向に移動しているときのA相信号、B相信号及び位置カウント値Xを示している。これらの図から分かるように、正方向に移動するときは位置カウント値Xがインクリメントされ、負方向に移動時するときはデクリメントされる。
また、スケール19には、高反射率領域(図中の白い領域)と低反射率領域(図中の黒い領域)とが交互に形成された有効パターン部19aが形成されている。この有効パターン部19aに対向してパルスエンコーダ17がVAP板5とともに移動するときには、A相信号及びB相信号のレベルがHighとLowとの間で変化し、位置カウント値Xがインクリメント又はデクリメントされる。
一方、前述したように、スケール19における正方向の端部付近には無効パターン部(低反射率領域)19bが形成されている。該無効パターン部19bに対向してパルスエンコーダ17がVAP板5とともに移動しても、A相信号及びB相信号のレベルはLowのまま変化しない。したがって、位置カウント値Xも変化しない。
図1に戻り、21は制御手段としてのCPUである。
23はCPU21によって生成された制御信号に応じて、ボイスコイルモータ15,16のコイルへの通電を制御する(すなわち、ボイスコイルモータ15,16を駆動する)モータドライバである。
24,25はズームレンズ装置50の振れを検出する振れセンサとしての角速度センサである。角速度センサ24,25から出力されるアナログ信号は、AD変換器26によってデジタル信号に変換されてCPU21に入力される。角速度センサ24は、チルト方向での角速度を検出し、角速度センサ25はパン方向での角速度を検出する。
27はCPU21とパーソナルコンピュータ(PC)70との通信を可能とするPC通信部である。28はズームレンズ装置50の動作を制御するための各種データを記憶する記憶手段としてのEEPROMである。PC70は、ズームレンズ装置50の調整時にPC通信部27に接続されて使用される。
次に、CPU21により行われる像振れ補正処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。該像振れ補正処理は、CPU21内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。また、ここでは、チルト方向での像振れ補正処理について説明するが、パン方向での像振れ補正処理についても同様である。
S(ステップ)201では、CPU21は、現在のモードを判断する。ここにいうモードには、像振れ補正動作を行う「通常モード」と、後述する制御原点位置を検出するために用いられる補正値を取得する原点補正値取得処理を行う「調整モード」とがある。該モードは、PC通信部27に接続されたPC70からの指令によって切り替えられる。なお、電源投入時には「通常モード」がデフォルトで設定される。
S201において「調整モード」と判断した場合は、S202に進み、CPU21は、原点補正値取得処理を行い、その後S204に進む。原点補正値取得処理での具体的な処理について、後述する。
S201において「通常モード」と判断した場合は、S203に進み、CPU21は、原点位置検出処理を行い、その後S204に進む。原点位置検出処理での具体的な処理についても後述する。
S204では、CPU21は、アンロック検出器13とロック検出器14から取得した信号に基づいて、ロック部材11が「アンロック状態」か「ロック状態」又は「遷移状態」かを判断する。
「アンロック状態」である場合は、S205に進み、CPU21は、角速度センサ24からAD変換器26を通して角速度データを取得する。そして、S206では、CPU21は、取得した角速度データから低周波成分を除去するためのHPF処理を行い、さらにS207では、HPF処理を行ったデータを積分して角度変位データを算出する。
続いて、S208では、CPU21は、算出された角度変位データを、該角度変位に相当する像振れをキャンセルするためのVAP板5の目標位置データに変換するための振幅調整処理を行い、該処理後のデータをVAP目標位置に設定する。
さらにS210では、CPU21は、位相カウンタ22から位置カウント値Xを取得する。そして、S211では、CPU21は、S208で設定されたVAP目標位置とS210で取得した位置カウント値Xとの差分からVAP速度指令データを算出する。CPU21は、該VAP速度指令データをデューティー比に変換し、モータドライバ23にPWM波形(制御信号)として出力する。
一方、S204でロック部材11の状態が「ロック状態」又は「遷移状態」と判断した場合は、S209に進み、CPU21は、VAP目標位置を制御原点位置に設定する。続いて、S210に進み、CPU21は、このVAP目標位置とS210で取得した位置カウント値Xとの差分からVAP速度指令データを算出し、S211でモータドライバ23にPWM波形(制御信号)を出力する。
ここで、制御原点位置とは、CPU21が行う像振れ補正処理上、つまりは制御上でのVAP板5の原点位置を意味する。制御原点位置を前述した光学原点位置に一致させ、該制御原点位置に基づいてVAP板5の回転位置を制御することで、良好な像振れ補正効果を得ることができる。
次に、図7のS202で行われる原点補正値取得処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。原点補正値取得処理は、S203で行われる原点位置検出処理において基準位置から制御原点位置を検出(決定)するための補正値を取得して、EEPROM28に記憶する処理であり、主としてズームレンズ装置50の製造完了後の初期設定時に行われる。言い換えれば、ロック部材11に摩耗等の経時変化が全く生じていない状態で行われる。このとき、まずVAP板5の位置が、PC70を介して、光学原点位置に合わせられる。
S301では、CPU21は、PC70からPC通信部27を通じてコマンドを受信した否かをチェックする。コマンドが受信されるまでチェックし続け、コマンドが受信されるとS302に進む。
S302では、CPU21は、受信したコマンドが、「原点位置設定完了」コマンドか、「正駆動」コマンドか、「負駆動」コマンドか、その他のコマンドであるかを判断する。その他のコマンドと判断した場合は、S301に戻り、再びコマンドが受信されるのを待つ。また、「正駆動」コマンドを受信したと判断した場合は、S303に進み、CPU21は。VAP板5が現在の位置よりも正方向に微小回転するようにモータドライバ23を介してボイスコイルモータ15を制御してS301に戻る。また、「負駆動」コマンドを受信したと判断した場合は、S304に進み、CPU21は、VAP板5が現在の位置よりも負方向に微小回転するようにボイスコイルモータ15を制御してS301に戻る。これら「正駆動」コマンドと「負駆動」コマンドに対応する処理は、PC70を通じてVAP板5を光学原点位置に移動させるための処理である。
一方、S302にて「原点位置設定完了」コマンドを受信したと判断した場合は、CPU21は、S305に進む。S305では、CPU21は、位置カウント値Xを0にリセットする。そして、ステップS306で、CPU21は、ロック部材11の状態をチェックする。ロック部材11の状態が「遷移状態」である場合は、「アンロック状態」か「ロック状態」になるまで待ち、「アンロック状態」である場合はS307に進む。
S307では、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5をストッパピン9が、ロック部材11に形成された、可動範囲の正方向での端面に当接する位置(以下、可動端という)まで駆動する。そして、S308では、CPU21は、現在の位置カウント値Xを、アンロック原点補正値XとしてEEPROM28に記憶させる。前述したように、可動範囲の正方向の可動端付近の領域(以下、非カウント領域という)では、スケール19の無効パターン部19bによって位置カウント値が変化しない。このため、アンロック原点補正値Xは、該非カウント領域における可動範囲の中心側の端位置(第1の基準位置)から光学原点位置までの距離(第1の距離)を示す。
続いて、S309では、CPU21は、ロック部材11の状態が「ロック状態」になるのを待ち、「ロック状態」になるとS310に進む。S310では、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5を、ロック部材11に形成された、ロック範囲の正方向での端面に当接する位置(第2の基準位置:以下、ロック端という)に駆動する。
そして、S311では、CPU21は、現在の位置カウント値Xを、ロック原点補正値XとしてEEPROM28に記憶させる。ロック原点補正値Xは、正方向のロック端から光学原点位置までの距離(第2の距離)を示す。
一方、S306にて「ロック状態」と判断した場合は、CPU21は、S312〜S316の処理を行う。S312〜S316の処理は、ロック原点補正値Xを先に取得し、その後アンロック原点補正値Xを取得する処理であり、処理の内容としてはS307〜S311と同様である。
S311及びS316での処理が終了すると、S317に進み、CPU21は、原点補正値取得処理を終了する。
次に、原点位置検出処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。原点位置検出処理は、前述した原点補正値取得処理によって記憶したアンロック原点補正値X及びロック原点補正値Xを用いて、制御原点位置を自動的に検出(決定)する処理である。
以下の説明では、ロック部材11の「ロック状態」と「アンロック状態」との間での多数回の切り替えによって、ロック部材11においてロック範囲の端を構成する端面が摩耗し、初期の位置からずれている状態を想定している。
ロック範囲の端を構成する端面が摩耗すると、VAP板5をロック端からロック原点補正値Xに相当する距離だけ負方向に移動させた位置をVAP板5の制御原点位置としても、この制御原点位置は光学原点位置からずれた位置となる。このため、本処理では、「アンロック状態」で取得した制御原点位置(第1の原点位置)と「ロック状態」で取得した制御原点位置(第2の原点位置)の差分に相当する値を求める。そして、この値を用いてロック原点補正値Xを摩耗したロック部材11に対して正しい値に補正する処理も行う。ロック原点補正値Xを補正することは、結果的に、制御原点位置を補正することに相当する。
S401では、CPU21は、ズームレンズ装置50が電源投入直後か否かを判断し、電源投入直後の場合にのみS402に進む。S402では、CPU21は、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1及びロック原点位置検出完了フラグFlag2をOFFに初期化する。
次に、S403では、CPU21は、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1とロック原点位置検出完了フラグFlag2がともにOFFであるか否かをチェックし、共にOFFの場合はS404に進む。S404では、CPU21は、ロック部材11の状態をチェックし、ロック部材11の状態が「遷移状態」である場合はそのまま本処理を終了する。
S404にて、ロック部材11の状態が「アンロック状態」である場合は、S405に進み、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5を可動範囲における正方向の可動端まで駆動する。そして、S406にて、CPU21は、位置カウント値Xに、EEPROM28から取得したアンロック原点補正値Xをセットする。この処理を行うことで、位置カウント値Xの絶対値が決定され、制御原点位置(第1の原点位置)も決定される。
S407では、CPU21は、アンロック状態での原点位置検出が完了したので、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1をONに設定し、本処理を終了する。
また、S404にて、メカロック状態が「ロック状態」である場合は、S408に進み、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5をロック範囲における正方向のロック端まで駆動する。そして、S409にて、CPU21は、位置カウントXに、EEPROM28から取得したロック原点補正値Xをセットする。この処理を行うことで、位置カウント値Xの絶対値が決定され、制御原点位置(第2の原点位置)も決定される。
S410では、ロック状態での原点位置検出が完了したので、CPU21は、ロック原点位置検出完了フラグFlag2をONに設定し、本処理を終了する。
S403でアンロック原点位置検出完了フラグFlag1とロック原点位置検出完了フラグFlag2のうち少なくとも一方がONである場合、すなわちアンロック及びロック状態のうち少なくとも一方で制御原点位置が決定されている場合には、S411に進む。
S411及びS412では、CPU21は、ロック部材11の状態、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1及びロック原点位置検出完了フラグFlag2をチェックする。ロック部材11の状態が「ロック状態」であり、かつロック原点位置検出完了フラグFlag2がOFFである場合にはS413に進む。ロック部材11の状態が「アンロック状態」で、かつアンロック原点位置検出完了フラグFlag1がOFFである場合にはS418に進む。
S413では、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5を「アンロック状態」で求めた制御原点位置(第1の原点位置)から正方向のロック端(第2の基準位置)まで駆動する。
そして、S414では、CPU21は、現在の位置カウント値Xを取得し、この位置カウント値(すなわち、距離に相当する位置検出結果)Xから、EEPROM28から取得したロック原点補正値X(第2の距離)を減算する。この減算結果を差分値(ずれ量)ΔXとする。
ここでの位置カウント値Xは、「アンロック状態」で求めた制御原点位置を基準としている。このため、S414で求めた差分値ΔXは、「ロック状態」で求めた制御原点位置(第2の原点位置)と「アンロック状態」で求めた制御原点位置(第1の原点位置)とのずれ量に相当する。
S415では、CPU21は、差分値ΔXの絶対値が、所定の差分閾値Xよりも大きいか否かをチェックする。差分閾値Xより大きい場合にはS416に進み、差分閾値X以下の場合にはS417にジャンプする。
S416では、CPU21は、ロック原点補正値Xに差分値ΔXを加えた値(ロック原点補正値Xを補正した値)を、新たなロック原点補正値XとしてEEPROM28に記憶させる。すなわち、ロック原点補正値Xを更新する。
S417では、CPU21は、ロック原点位置検出完了フラグFlag2をONとして、本処理を終了する。
S413〜S416での処理は、「アンロック状態」で求めた信頼性の高い制御原点位置に基づいて、ロック原点補正値Xを更新する処理である。なお、本実施例では、S415で差分値ΔXが差分閾値Xより大きい場合にのみロック原点補正値Xを更新する場合について説明した。これは、ロック原点補正値Xのずれ量が光学的に許容できる場合にはロック原点補正値Xの更新が不要であることに基づく。ただし、S415での処理を行わずに、常にロック原点補正値Xを更新するようにしてもよい。このことは、後述するS420についても同様である。
このようにしてEEPROM28に記憶されたロック原点補正値Xを更新することで、「ロック状態」で求められる制御原点位置が光学原点位置に一致することになり、「ロック状態」にてVAP板5の位置を光学原点位置に制御することができる。
一方、S412からS418に進むと、CPU21は、ボイスコイルモータ15を制御して、VAP板5を「ロック状態」で求めた制御原点位置(第2の原点位置)から「アンロック状態」における可動範囲の正方向の可動端まで駆動する。これにより、VAP板5は、前述した非カウント領域における可動範囲の中心側の端位置(第1の基準位置)を超えて移動する。
次に、S419では、CPU21は、現在の位置カウント値Xを取得し、EEPROM28から取得したアンロック原点補正値X (第1の距離)から、この位置カウント値(距離に相当する位置検出結果)Xを減算する。この減算結果を差分値(ずれ量)ΔXとする。
ここでの位置カウント値Xは、「ロック状態」で求めた制御原点位置を基準としている。このため、S419で求めた差分値ΔXも、S414で求めた差分値ΔXと同様に、「ロック状態」で求めた制御原点位置(第2の原点位置)と「アンロック状態」で求めた制御原点位置(第1の原点位置)とのずれ量に相当する。
S420では、CPU21は、S415での処理と同様に、差分値ΔXの絶対値が、差分閾値Xよりも大きいか否かをチェックする。差分閾値Xより大きい場合にはS421に進み、差分閾値X以下の場合にはS422にジャンプする。
S421では、CPU21は、S416での処理と同様に、ロック原点補正値Xに差分値ΔXを加えた値(ロック原点補正値Xを補正した値)を、新たなロック原点補正値XとしてEEPROM28に記憶させる。すなわち、ロック原点補正値Xを更新する。
S422では、「アンロック状態」で求めた信頼性の高い制御原点位置を位置カウント値Xの基準とするため、CPU21は、VAP板5が可動端に位置する状態で現在の位置カウント値Xをアンロック原点補正値Xにセットする。そして、CPU21は、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1をONとして、本処理を終了する。
このようにしてEEPROM28に記憶されたロック原点補正値Xを更新することで、「ロック状態」で求められる制御原点位置が光学原点位置に一致することになり、「ロック状態」にてVAP板5の位置を光学原点位置に制御することができる。
図10及び図11には、上述した原点位置検出処理における実際のVAP板5の動作とX,X,ΔXの関係を示す。図10は、「アンロック状態」から「ロック状態」に変化した場合を、図11は「ロック状態」から「アンロック状態」に変化した場合を示している。
電源投入時にロック部材11の状態が「アンロック状態」である場合は、図10(a)に示すように、ボイスコイルモータ15によりVAP板5が正方向の可動端(非カウント領域における可動範囲の中心側の端を超える位置)まで駆動される。この時点で、EEPROM28から取得したアンロック原点補正値Xを用いて、非カウント領域における可動範囲の中心側の端位置に対する制御原点位置(第1の原点位置)を決定することができる。この制御原点位置は、光学原点位置に一致する。
その後、図10(b)に示すように、ロック部材11の状態が「ロック状態」に変化したとき、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5が、「アンロック状態」で決定された制御原点位置から正方向のロック端に駆動される。このとき、図10(b)中に網掛け領域として示すようにロック端を決めるロック部材11の端面が摩耗していた場合には、位置カウント値Xはロック原点補正値Xより大きな値となる。これにより、ロック原点補正値Xの補正が必要であることが認識できる。
このため、位置カウント値Xとロック原点補正値Xとのずれ量(ΔX=X−X)をロック原点補正値Xに加算して、EEPROM28内のロック原点補正値Xを「アンロック状態」での制御原点位置を基準とした正確な値に更新する。
これにより、ロック部材11が摩耗して、「ロック状態」での制御原点位置を求める基準となるロック端の位置がずれた場合でも、VAP板5を精度良く「ロック状態」にて光学原点位置に制御することができる。
また、電源投入時にロック部材11の状態が「ロック状態」である場合は、図11(a)に示すように、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5が、正方向のロック端に駆動される。この時点で、EEPROM28から取得したロック原点補正値Xを用いて制御原点位置(第2の原点位置)を決定することができる。
このとき、ロック部材11が摩耗していた場合には制御原点位置もずれることになるが、原点位置検出処理によってロック原点補正値Xの更新を随時行っていれば、ずれ量は小さい。
その後、図11(b)に示すように、ロック部材11の状態が「アンロック状態」に変化した場合には、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5を、「ロック状態」で決定された制御原点位置から、可動範囲における正方向の可動端まで駆動する。このとき、「ロック状態」で求めた制御原点位置がずれていれば、位置カウント値Xが、EEPROM28から取得したアンロック原点補正値Xよりも小さな値となる。つまり、位置カウント値Xとアンロック原点補正値Xの差分値(ΔX=X−X)が、「ロック状態」で求めた制御原点位置のずれ量になる。したがって、この差分値をロック原点補正値Xに加算して、EEPROM28内のロック原点補正値Xを「アンロック状態」での制御原点位置を基準とした正確な値に更新する。
これにより、ロック部材11が摩耗して、「ロック状態」での制御原点位置を求める基準となるロック端の位置がずれた場合でも、VAP板5を精度良く「ロック状態」にて光学原点位置に制御することができる。
なお、本実施例では、「アンロック状態」での制御原点位置を求めるときに、位置検出器による位置の検出が可能な端位置であるスケール19の有効パターン部19aの端位置(非カウント領域における可動範囲の中心側の端位置)を基準位置として使用した。しかし、機械的な端面に当接する位置を基準位置としてもよい。
また、本実施例では、原点補正値X,X及び制御原点位置を求めるためのVAP板5の駆動方向(基準位置の設定方向)を正方向としたが、これを負方向としてもよい。
図12には、本発明の実施例2である本発明の実施例1である光学機器としてのズームレンズ装置を備えた撮像システムの構成を示している。本実施例では、実施例1で説明したロック原点補正値Xの更新処理を特定の状況下に限って行うことで、操作者に不快感(違和感)を与えないようにする。
図12において、図1に示した構成要素1〜28と同じ構成要素には、図1と同じ符号を付して説明に代える。
29は変倍レンズ3の位置を検出するズーム位置検出器である。30はカメラ60との通信を行うためのカメラ通信部であり、カメラ60内に設けられたレンズ通信部42を通じて、CPU21とカメラCPU43との通信を可能とする。
31はカメラ60により撮像(録画)を行うか否かを切り替えるためのVTRスイッチである。VTRスイッチ31からの信号は、ズームレンズ装置50内のCPU21に入力され、通信によってカメラCPU43に伝達される。カメラCPU43は、VTRスイッチ31からの信号に基づいて、記録媒体に映像を記録する映像記録部44を起動したり停止させたりする。なお、VTRスイッチ31の操作により、撮像により生成した映像を外部に出力することもできる。
本実施例では、CPU21は実施例1にて図7を用いて説明した像振れ補正処理を行う。また、CPU21は、実施例1にて図8に示した原点補正値取得処理も行う。
次に、本実施例において、CPU21が行う原点位置検出処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
S501では、CPU21は、ズームレンズ装置50が電源投入直後か否かを判断し、電源投入直後の場合にのみS502に進む。S502では、CPU21は、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1及びロック原点位置検出完了フラグFlag2をOFFに初期化する。
次に、S503では、CPU21は、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1とロック原点位置検出完了フラグFlag2がともにOFFであるか否かをチェックし、共にOFFの場合はS504に進む。
S504〜S510の処理は、実施例1の図9に示したフローチャートにおけるS404〜S410と同様の処理である。すなわち、ロック部材11の状態を判断し、各状態に応じて制御原点位置を決定する。
S503でアンロック原点位置検出完了フラグFlag1とロック原点位置検出完了フラグFlag2のうち少なくとも一方がONである場合、すなわちアンロック及びロック状態のうち少なくとも一方で制御原点位置が決定されている場合には、S511に進む。
S511及びS512では、CPU21は、ロック部材11の状態、アンロック原点位置検出完了フラグFlag1及びロック原点位置検出完了フラグFlag2をチェックする。ロック部材11の状態が「ロック状態」であり、かつロック原点位置検出完了フラグFlag2がOFFである場合にはS513に進む。S513〜S517での処理は、図9のフローチャートにおけるS413〜S417と同様の処理であり、ロック原点補正値Xの更新処理を行う。
一方、ロック部材11の状態が「アンロック状態」で、かつアンロック原点位置検出完了フラグFlag1がOFFである場合には、CPU21は、S518に進む。
S518では、CPU21は、カメラ60の状態を取得する。ここにいうカメラ60の状態は、撮像中(録画中又は映像出力中)か否かである。カメラ60の状態はカメラCPU43が管理しているため、CPU21は、カメラ通信部30及びレンズ通信部42を介してカメラCPU43からカメラ60の状態を示す情報を取得する。撮像中であると判断した場合は、CPU21はロック原点補正値Xの更新処理は行わずに本処理を終了する。また、撮像中ではないと判断した場合は、CPU21はS519に進む。
S519では、CPU21は、ズーム位置検出器29から取得したズーム位置が所定のズーム閾値ZよりもTELE側である(所定範囲内)か否かを判断する。ズーム閾値ZよりもTELE側である場合には、CPU21はロック原点補正値Xの更新処理は行わずに本処理を終了する。また、ズーム位置がズーム閾値ZよりもTELE側ではない場合には、S520〜S525の処理を行う。S520〜S525の処理は、図9のフローチャートにおけるS418〜S423と同様であり、ロック原点補正値Xの更新処理を行う。
「アンロック状態」でのロック原点補正値Xの更新処理ではVAP板5を可動端まで駆動するため、更新処理において撮像素子41上に形成される被写体像が大きく動いてしまい、操作者に不快感等を与えるおそれがある。このことから、本実施例では、カメラ60が撮像中である場合や、ロック原点補正値Xの更新処理による被写体像の動きが目立ち易いズーム位置がTELE側にある場合(図14の右図参照)には、該更新処理を制限している。つまり、撮像中でない場合や、ズーム位置がWIDE側にあってロック原点補正値Xの更新処理による被写体像の動きが目立ちにくい場合(図14の左図参照)にのみ、該更新処理を行うようにしている。
ただし、撮像光学系の構成によっては、WIDE側でも、VAP板5を可動端まで駆動することで映像がケラれてしまう場合がある。このような場合には、所定のズーム閾値よりもWIDE側にズーム位置がある場合にロック原点補正値Xの更新処理を制限するようにしてもよい。
なお、本実施例では、カメラ60が撮像中か否か及びズーム位置の2つの条件によってロック原点補正値Xの更新処理を行うか否かを決定した。しかし、撮像中か否かのみ又はズーム位置のみによってロック原点補正値Xの更新処理を行うか否かを決定してもよい。
また、複数台のカメラを使用し、その中から1台のカメラで録画や外部出力のための撮像を行う場合においては、撮像が行われていないカメラに装着されたズームレンズ装置においてのみ更新処理を行うようにしてもよい。
図15及び図16には、本発明の実施例3での原点位置検出処理における実際のVAP板5の動作とX,X,ΔXの関係を示す。本実施例では、「アンロック状態」における可動範囲の端を構成するロック部材11の端面(第1の基準位置)を基準としたアンロック原点位置補正値Xを用いる。また、実施例1と同様に、「ロック状態」におけるロック範囲の端を構成するロック部材11の端面(第2の基準位置)を基準としたロック原点位置補正値Xを用いる。
そして、本実施例では、「ロック状態」でのロック端については、ロック部材11の端面の摩耗によるずれがほとんど発生せず、逆に「アンロック状態」での可動端がロック部材11の端面の摩耗によるずれが発生する可能性が高い場合を想定している。この場合、アンロック原点位置補正値Xを更新する必要がある。
図15は、「アンロック状態」から「ロック状態」に変化した場合を、図16は「ロック状態」から「アンロック状態」に変化した場合を示している。
電源投入時にロック部材11の状態が「アンロック状態」である場合は、図15(a)に示すように、ボイスコイルモータ15によりVAP板5が正方向の可動端まで駆動される。この時点で、EEPROM28から取得したアンロック原点補正値Xを用いて「アンロック状態」での制御原点位置(第1の原点位置)を決定することができる。このとき、ロック部材11における可動端を決める端面が摩耗していた場合には制御原点位置もずれることになるが、原点位置検出処理によってアンロック原点補正値Xの更新を随時行っていれば、ずれ量は小さい。
その後、図15(b)に示すように、ロック部材11の状態が「ロック状態」に変化したときは、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5を、「アンロック状態」で決定された制御原点位置から正方向のロック端(第2の基準位置)に駆動する。このとき、図15(a)中に斜線領域として示すように、ロック部材11の「アンロック状態」での可動端を決める端面が摩耗していた場合には、位置カウント値Xはロック原点補正値Xより小さな値となる。これにより、アンロック原点補正値Xの補正が必要であることが認識できる。
このため、位置カウント値Xとロック原点補正値Xとのずれ量(ΔX=X−X)をアンロック原点補正値Xに加算して、EEPROM28内のアンロック原点補正値Xを「ロック状態」での制御原点位置を基準とした正確な値に更新する。
これにより、ロック部材11が摩耗して、「アンロック状態」での制御原点位置を求める基準となる可動端の位置がずれた場合でも、「アンロック状態」にて光学原点位置に一致する制御原点位置に基づいて、VAP板5の位置制御を精度良く行うことができる。例えば、VAP板5を光学原点位置に制御したり、検出した振れに応じて光学原点位置から回転させるように制御したりすることができる。
また、電源投入時にロック部材11の状態が「ロック状態」である場合は、図16(a)に示すように、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5が、正方向のロック端に駆動される。この時点で、EEPROM28から取得したロック原点補正値Xを用いて制御原点位置(第2の原点位置)を決定することができる。この制御原点位置は、光学原点位置に一致する。
その後、図16(b)に示すように、ロック部材11の状態が「アンロック状態」に変化した場合には、ボイスコイルモータ15によって、VAP板5を、「ロック状態」で決定された制御原点位置から、「アンロック状態」での正方向の可動端まで駆動する。このとき、図16(b)中に斜線領域として示すように、ロック部材11において可動端を決める端面が摩耗していた場合には、位置カウント値Xはアンロック原点補正値Xより大きな値となり、アンロック原点補正値Xの補正が必要であることを認識できる。
このため、位置カウント値Xとアンロック原点補正値Xとの差分値(ΔX=X−X)をアンロック原点補正値Xに加算して、EEPROM28内のアンロック原点補正値Xを「ロック状態」での制御原点位置を基準とした正確な値に更新する。
これにより、ロック部材11が摩耗して、「アンロック状態」での制御原点位置を求める基準となる可動端の位置がずれた場合でも、「アンロック状態」において、光学原点位置に一致する制御原点位置に基づくVAP板5の位置制御を精度良く行うことができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1であるズームレンズ装置を含む撮像システムの構成を示すブロック図。 実施例1におけるVAPの動作を示す図。 実施例1におけるVAPのロック状態、遷移状態及びアンロック状態を示す図。 実施例1における位相カウンタによるカウント方法を示した表図。 実施例1において、VAPを正方向に駆動したときの位置検出器からの出力信号と位相カウンタによるカウント値を示す図。 実施例1において、VAPを正方向に駆動したときの位置検出器からの出力信号と位相カウンタによるカウント値を示す図。 実施例1における像振れ補正処理を示すフローチャート。 実施例1における原点補正値取得処理を示すフローチャート。 実施例1における原点位置検出処理を示すフローチャート。 実施例1においてアンロック状態からロック状態に変化したときの補正値の更新処理を示す図。 実施例1においてロック状態からアンロック状態に変化したときの補正値の更新処理を示す図。 本発明の実施例2であるズームレンズ装置を含む撮像システムの構成を示すブロック図。 実施例2における原点位置検出処理を示すフローチャート。 実施例2において、補正値の更新処理に伴う被写体像の動きがワイド側とテレ側とで異なることを示す図。 本発明の実施例3においてアンロック状態からロック状態に変化したときの補正値の更新処理を示す図。 実施例3においてロック状態からアンロック状態に変化したときの補正値の更新処理を示す図。
符号の説明
1 フォーカスレンズ
2 VAP
3 変倍レンズ
4 リレーレンズ
5,6 VAP板
9,10 ストッパピン
11 ロック部材
13 アンロック検出器
14 ロック検出器
15,16 ボイスコイルモータ
17,18 パルスエンコーダ
19,20 スケール
21 CPU
22 位相カウンタ
24,25 角速度センサ
28 EEPROM
29 ズーム位置検出器
31 VTRスイッチ
43 カメラCPU
50 ズームレンズ装置
60 カメラ
70 PC

Claims (4)

  1. 光学原点位置を含む可動範囲内で駆動される光学像振れ補正手段と、
    該光学像振れ補正手段の位置を検出する相対位置検出手段と、
    前記光学像振れ補正手段の移動を、前記光学原点位置を含み、かつ前記可動範囲よりも狭いロック範囲内に機械的に制限するロック手段と、
    前記可動範囲における第1の基準位置と前記光学原点位置との間の距離である第1の距離、及び前記ロック範囲における第2の基準位置と前記光学原点位置との間の距離である第2の距離を記憶する記憶手段と、
    前記第1の基準位置と前記第1の距離とから得られる第1の原点位置又は前記第2の基準位置と前記第2の距離とから得られる第2の原点位置を制御原点位置とし、該制御原点位置に基づいて前記光学像振れ補正手段の位置を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記光学像振れ補正手段を前記第1の原点位置から前記第2の基準位置に移動させたときの前記相対位置検出手段による検出結果と前記第2の距離とのずれ量、及び前記光学像振れ補正手段を前記第2の原点位置から前記第1の基準位置に移動させたときの前記相対位置検出手段による検出結果と前記第1の距離とのずれ量のうち少なくとも一方に基づいて、前記第2の距離の補正を行い、
    前記第1の基準位置は、前記相対位置検出手段による前記光学像振れ補正手段の位置の検出が可能な端位置であり、
    前記第2の基準位置は、前記光学像振れ補正手段が前記ロック範囲における機械的な可動端であることを特徴とする光学機器。
  2. 前記光学像振れ補正手段を含み、焦点距離が可変であるズーム光学系と、
    前記ズーム光学系のズーム位置を検出するズーム位置検出手段とを有し、
    前記制御手段は、前記ズーム位置が所定範囲内にある場合には前記補正を制限することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 撮像装置に着脱可能な光学機器であって、
    前記制御手段は、前記撮像装置が撮像を行っていることを示す情報を前記撮像装置から取得した場合に、前記補正を制限することを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 請求項1からのいずれか1つに記載の光学機器と、
    該光学機器が着脱可能な撮像装置とを有することを特徴とする撮像システム。
JP2008171424A 2008-06-30 2008-06-30 光学機器 Expired - Fee Related JP5366454B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008171424A JP5366454B2 (ja) 2008-06-30 2008-06-30 光学機器
EP09163652A EP2141914B1 (en) 2008-06-30 2009-06-24 Optical apparatus
US12/493,803 US7869703B2 (en) 2008-06-30 2009-06-29 Optical apparatus
CN2009101513136A CN101620358B (zh) 2008-06-30 2009-06-30 光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008171424A JP5366454B2 (ja) 2008-06-30 2008-06-30 光学機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010008951A JP2010008951A (ja) 2010-01-14
JP2010008951A5 JP2010008951A5 (ja) 2011-08-04
JP5366454B2 true JP5366454B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=41129167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008171424A Expired - Fee Related JP5366454B2 (ja) 2008-06-30 2008-06-30 光学機器

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7869703B2 (ja)
EP (1) EP2141914B1 (ja)
JP (1) JP5366454B2 (ja)
CN (1) CN101620358B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102404497B (zh) * 2010-09-16 2015-11-25 北京中星微电子有限公司 一种摄像设备的数字变焦方法和装置
JP6152627B2 (ja) * 2012-05-11 2017-06-28 株式会社ニコン 振れ補正装置,光学器械
US10171742B2 (en) * 2013-09-06 2019-01-01 Sony Corporation Image capturing apparatus, method, and program with operation state determination based upon angular velocity detection
CN104469167B (zh) * 2014-12-26 2017-10-13 小米科技有限责任公司 自动对焦方法及装置
JP6415408B2 (ja) * 2015-08-28 2018-10-31 キヤノン株式会社 出力装置、レンズ装置及びシステム
JP6809479B2 (ja) * 2015-11-27 2021-01-06 ソニー株式会社 像ぶれ補正装置及び撮像装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0643518A (ja) 1992-07-22 1994-02-18 Nikon Corp 振れ防止装置
US5831671A (en) 1992-09-10 1998-11-03 Canon Kabushiki Kaisha Image blur prevention apparatus utilizing a stepping motor
EP0611125B1 (en) * 1993-02-12 2000-11-22 Sony Corporation Electronic zoom control and image stabilization
JP3397417B2 (ja) * 1993-12-30 2003-04-14 キヤノン株式会社 カメラ用防振制御装置
JP3414522B2 (ja) * 1994-09-29 2003-06-09 オリンパス光学工業株式会社 カメラのぶれ補正装置
JPH08179395A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Canon Inc 像ぶれ補正手段のための作動制御装置
JPH0961871A (ja) * 1995-08-21 1997-03-07 Canon Inc 防振装置
JPH0961881A (ja) * 1995-08-21 1997-03-07 Canon Inc レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
JPH09138706A (ja) * 1995-11-15 1997-05-27 Denso Corp 可動体の自動原点校正装置
JP3940807B2 (ja) * 2002-02-19 2007-07-04 株式会社ニコン 振れ補正光学系のロック装置
JP2004241922A (ja) * 2003-02-04 2004-08-26 Minolta Co Ltd 撮像装置
JP2005114858A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Jai Corporation 測距カメラ装置
JP2007101671A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Fujinon Corp 像ぶれ補正装置
JP4765639B2 (ja) * 2006-01-26 2011-09-07 株式会社ニコン レンズ鏡筒、カメラシステム、及び、レンズ鏡筒調整装置
JP4989977B2 (ja) * 2007-01-05 2012-08-01 株式会社エルモ社 焦点調整装置、撮影装置および焦点調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101620358B (zh) 2011-03-23
US20090324208A1 (en) 2009-12-31
US7869703B2 (en) 2011-01-11
EP2141914A2 (en) 2010-01-06
EP2141914A3 (en) 2011-09-14
JP2010008951A (ja) 2010-01-14
CN101620358A (zh) 2010-01-06
EP2141914B1 (en) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5366454B2 (ja) 光学機器
US8355071B2 (en) Optical system
JP6374645B2 (ja) 光学機器および光学機器の制御方法
US20100254688A1 (en) Image shake correction apparatus and image pickup apparatus
JP2011137982A (ja) 撮像装置
US9398220B2 (en) Shake correction apparatus and image pickup apparatus thereof, and optical device mountable on image pickup apparatus
EP1939681B1 (en) Optical apparatus and image-pickup system
JP5178186B2 (ja) レンズ位置制御装置、およびその制御方法
EP2372430B1 (en) Image pickup lens, image pickup apparatus, and lens controlling method
JP2009180990A (ja) カメラおよび交換レンズ
JP7130412B2 (ja) 制御装置、光学機器、撮像装置および制御方法
JP2008197209A (ja) カメラ
JP2019184711A5 (ja) 制御装置、光学機器、撮像装置および制御方法
JP5864842B2 (ja) 撮像装置、撮像装置の制御方法およびコンピュータプログラム
JP4487487B2 (ja) ブレ補正装置を備えた撮影装置
JP2021067710A (ja) レンズ制御装置、光学機器およびレンズ制御方法
JP2010085473A (ja) 撮像装置
JP4532929B2 (ja) 撮像装置、その制御方法、制御プログラム及び記憶媒体
JP2009175241A (ja) 光学装置およびその調整方法
US9874861B2 (en) Position control apparatus and method for reducing calculation time and detecting an encode error of an incremental signal
JP5369787B2 (ja) 撮像装置、レンズ駆動制御方法、及びプログラム
JP2023174259A (ja) 制御装置、レンズ装置、撮像装置、制御方法、およびプログラム
JP2022072542A (ja) フォーカス制御装置、レンズ装置、撮像装置およびフォーカス制御方法
JP2009098252A (ja) 撮像装置
JP2006162682A (ja) カメラおよびカメラシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130910

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5366454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees