JP2021067710A - レンズ制御装置、光学機器およびレンズ制御方法 - Google Patents

レンズ制御装置、光学機器およびレンズ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】収差の発生を抑えつつピントずれを低減する。【解決手段】レンズ制御装置は、焦点調節において第1の光学素子104と第2の光学素子105のそれぞれの移動を制御する。該装置は、第1の光学素子を被写体距離に応じた第1の目標位置に移動させるように該第1の光学素子の駆動を制御する第1の制御手段106bと、第2の光学素子を被写体距離に応じた第2の目標位置に移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御する第2の制御手段106dと、第1の光学素子の実位置と第1の目標位置との位置差と、第1および第2の光学素子のそれぞれのフォーカス敏感度とを用いて、第2の目標位置を補正するための補正値を算出する補正値算出手段106cとを有する。該補正値算出手段は、第2の光学素子の第2の目標位置からの最大移動可能量より小さい補正制限値を上限として補正値を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、焦点調節において光学素子の移動を制御するレンズ制御装置に関する。
撮像装置や交換レンズ等の光学機器には、焦点調節において複数のフォーカスレンズを移動させるものがある。特許文献1には、分解能が低い第1フォーカスレンズの位置偏差により生じるピントずれ(像面誤差)をより分解能が高い第2フォーカスレンズを移動させて低減する光学機器が開示されている。
特開2012−073584号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された光学機器において第2フォーカスレンズの移動量が大きいと、球面収差や歪曲収差等の収差が大きく発生し、合焦精度や撮像画質が劣化するおそれがある。
本発明は、収差の発生を抑えつつピントずれを低減できるようにしたレンズ制御装置およびこれを有する光学機器を提供する。
本発明の一側面としてのレンズ制御装置は、焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御する。該レンズ制御装置は、第1の光学素子を被写体距離に応じた第1の目標位置に移動させるように該第1の光学素子の駆動を制御する第1の制御手段と、第2の光学素子を被写体距離に応じた第2の目標位置に移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御する第2の制御手段と、第1の光学素子の実位置と第1の目標位置との位置差と、第1および第2の光学素子のそれぞれのフォーカス敏感度とを用いて、第2の目標位置を補正するための補正値を算出する補正値算出手段とを有する。該補正値算出手段は、第2の光学素子の第2の目標位置からの最大移動可能量より小さい補正制限値を上限として補正値を算出することを特徴とする。なお、上記レンズ制御装置を備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
また本発明の他の一側面としてのレンズ制御方法は、焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御する方法である。該レンズ制御方法は、第1の光学素子を被写体距離に応じた第1の目標位置に移動させるように該第1の光学素子の駆動を制御するステップと、第2の光学素子を被写体距離に応じた第2の目標位置に移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御するステップと、第1の光学素子の実位置と第1の目標位置との位置差と、第1および第2の光学素子のそれぞれのフォーカス敏感度とを用いて、第2の目標位置を補正するための補正値を算出するステップとを有する。補正値を算出するステップにおいて、第2の光学素子の第2の目標位置からの最大移動可能量より小さい補正制限値を上限として補正値を算出することを特徴とする。なお、焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御するコンピュータに、上記レンズ制御方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
第1の光学素子の位置偏差によるピントずれを補正するための第2のフォーカスレンズの移動量(つまりは補正値)を制限することで、収差の発生を抑えつつピントずれを低減させることができる。
本発明の実施例1であるレンズ交換式カメラシステムの構成を示す図。 実施例1におけるレンズ制御部の構成を示す図。 実施例1における被写体距離ごとのフォーカス目標位置を示す図。 実施例1における被写体距離ごとのフォーカス敏感度を示す図。 実施例1における被写体距離ごとの補正制限値を示す図。 実施例1における補正制限値に応じた第2フォーカス補正値の算出方法を示す図。 実施例1における所定の制御周期で第2フォーカスレンズの補正駆動を行う方法を示す図。 実施例1における第2フォーカスレンズの補正駆動の具体例を示す図。 実施例1において第2フォーカスレンズの補正駆動を制御する処理を示すフローチャート。 本発明の実施例2におけるレンズ制御装置の構成を示す図。 実施例2における補正制限値応じた第2および第3フォーカス補正値の算出方法を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1であるレンズ交換式カメラシステムの構成を示している。このカメラシステムは、撮像装置 (以下、カメラ本体という)200と、該カメラ本体200に着脱可能な光学機器としてのレンズ装置(以下、交換レンズという)100とにより構成されている。カメラ本体200と交換レンズ100は、不図示のマウントを介して機械的および電気的に接続されている。カメラ本体200は、マウントに設けられた電源端子部を介して交換レンズ100に電源を供給し、またマウントに設けられた通信端子部を介して交換レンズ100と通信を行う。
交換レンズ100は、撮像光学系101を有する。撮像光学系101は、不図示の被写体からの光を結像させて、カメラ本体200内の撮像素子201上に光学像(被写体像)を形成する。交換レンズ100は、後述するレンズ制御装置を含む。
本実施例の撮像光学系101は、単焦点レンズである。撮像光学系101は、被写体側から順に、フィールドレンズ102、絞りユニット103、第1フォーカスレンズ(第1の光学素子)104および第2フォーカスレンズ(第2の光学素子)105を有する。
第1フォーカスレンズ104は主として被写体に対する焦点調節を行うために撮像光学系101の光軸方向に移動可能であり、第1フォーカス駆動部(第1の駆動手段)108のアクチュエータによって駆動される。第2フォーカスレンズ105は、第1フォーカスレンズ104の移動によって生じるピントずれを低減させるピント補正と、同じく第1フォーカスレンズ104の移動によって生じる収差を低減するための収差補正とを行うために光軸方向に移動可能であり、第2フォーカス駆動部(第2の駆動手段)110のアクチュエータによって駆動される。第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105のそれぞれの位置は、第1フォーカス位置検出部109と第2フォーカス位置検出部111によって検出される。なお、本実施例では第2フォーカスレンズ105が収差補正を行うが、第1フォーカスレンズ104が収差補正を行ってもよい。
なお本実施例では、第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105がともに単焦点レンズである場合について説明するが、焦点距離を変更できる変倍レンズや収差状態を変更できる収差可変レンズであてもよい。
フィールドレンズ102は、周辺光の進行方向を調整する。絞りユニット103は、絞り駆動部107のアクチュエータにより不図示の絞り羽根を開閉駆動して開口径を変化させることで光量調節を行う。
レンズ制御部(制御手段)106は、CPUや内部メモリ等を有するコンピュータである。レンズ制御部106は、絞り駆動部107、第1フォーカス駆動部108および第2フォーカス駆動部110を制御する。メモリ(記憶手段)112は、ROMやRAM等によって構成され各種データを記憶する。
メモリ112に記憶されるデータには、被写体距離と合焦状態が得られる第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105のそれぞれの位置(後述する第1フォーカス目標位置と第2フォーカス目標位置)との関係を示すデータや、被写体距離と第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105のそれぞれの単位移動量に対する像面の移動量の比率を示すフォーカス敏感度(後述する第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度)との関係を示すデータや、被写体距離と第2フォーカスレンズ105の補正制限値(これについては後述する)との関係を示すデータが含まれている。
レンズ制御部106、第1フォーカス位置検出部109、第2フォーカス位置検出部111、第1フォーカス駆動部108、第2フォーカス駆動部110およびメモリ112により、レンズ制御装置が構成される。
カメラ本体200は、撮像素子201、信号処理部202、記録処理部203、デフォーカス検出部204、カメラ制御部205、メモリ206、操作部207および表示部208を有する。撮像素子201は、撮像光学系101により形成された被写体像を光電変換(撮像)して電気信号(アナログ撮像信号)を生成し、信号処理部202に出力する。撮像素子201は、画像データを生成するための撮像用画素に加えて、撮像光学系101の焦点状態を検出するための焦点検出用画素を有する。
信号処理部202は、撮像素子201からのアナログ撮像信号をデジタル撮像信号に変換し、該デジタル撮像信号に対してノイズ除去や色補正等の各種画像処理を行って画像データを生成する。信号処理部202は、画像データを記録処理部203に出力して記録媒体に記録させたり、表示部208に出力して表示させたりする。
デフォーカス検出部204は、焦点検出用画素からの信号を用いて撮像光学系101の焦点状態(デフォーカス量)を検出する。具体的には、デフォーカス検出部204は、焦点検出用画素からデフォーカス量に応じた位相差を有する対の像信号を取得し、これら対の像信号に対して相関演算を行うことで位相差を算出し、該位相差からデフォーカス量を算出する。デフォーカス検出部204は、検出したデフォーカス量をカメラ制御部205に出力する。
カメラ制御部205は、CPUや内部メモリ等を有するコンピュータであり、記録処理部203、デフォーカス検出部204およびメモリ206と電気的に接続されている。カメラ制御部205は、メモリ206に記録されたコンピュータプログラムを読み出して実行したり、オートフォーカス(AF)制御に必要な情報をレンズ制御部106との間で通信したりする。
またカメラ制御部205は、不図示の撮像スイッチや各種設定スイッチを含むカメラ操作部207からの入力に応じてカメラ本体200および交換レンズ100を制御する。例えば、カメラ制御部205は、撮像スイッチの半押し操作に応じてデフォーカス検出部204にデフォーカス量を検出させ、該デフォーカス量に応じて、第1および第2フォーカスレンズ104,105をレンズ制御部106から取得したそれらの現在位置から合焦状態が得られる位置(合焦位置)まで移動させるためのフォーカス駆動量を算出する。そして該フォーカス駆動量を含むフォーカス駆動指令をレンズ制御部106に送信する。
図2は、レンズ制御部106のうち第1および第2フォーカスレンズ104,105の駆動制御に関わる構成を示している。レンズ制御部106は、目標位置生成部106a、第1フォーカス制御部(第1の制御手段)106b、補正値算出部106cおよび第2フォーカス制御部(第2の制御手段)106dを有する。
目標位置生成部106aは、カメラ制御部205からレンズ制御部106に出力されたフォーカス駆動指令に含まれるフォーカス駆動量に応じて、第1フォーカス目標位置(第1の目標位置)と第2フォーカス目標位置(第2の目標位置)を生成する。第1フォーカス目標位置と第2フォーカス目標位置はそれぞれ、同一被写体距離に対する第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105の合焦位置である。
第1フォーカス制御部106bは、目標位置生成部106aから取得した第1フォーカス目標位置と第1フォーカス位置検出部109から取得した第1フォーカスレンズ104の実際の位置(以下、第1フォーカス実位置という)との差分(位置差)である第1フォーカス位置偏差を算出し、該第1フォーカス位置偏差を補正値算出部106cに出力する。また第1フォーカス制御部106bは、算出した第1フォーカス位置偏差に対してPIDゲインを乗じることで第1フォーカス駆動量を算出してこれを第1フォーカス駆動部108に出力する。
補正値算出部(補正値算出手段)106cは、第1フォーカス制御部106bで算出された第1フォーカス位置偏差と、メモリ112に記憶されている第1フォーカスレンズ104のフォーカス敏感度(以下、第1フォーカス敏感度という)と第2フォーカスレンズ105のフォーカス敏感度(以下、第2フォーカス敏感度という)とを用いて、第2フォーカスレンズ105の補正値(以下、第2フォーカス補正値という)を算出する。さらに補正値算出部106cは、メモリ112に記憶された補正制限値に応じて、算出した第2フォーカス補正値に対して制限をかけ、制限がかけられた第2フォーカス補正値を第2フォーカス制御部106dに出力する。補正制限値によって制限される第2フォーカス補正値の算出方法については後述する。
第2フォーカス制御部106dは、目標位置生成部106aで取得した第2フォーカス目標位置と第2フォーカス位置検出部111で検出された第2フォーカスレンズ105の実際の位置(以下、第2フォーカス実位置という)との差分(位置差)である第2フォーカス位置偏差と、補正値算出部106cから取得した第2フォーカス補正値とを加算して第2フォーカス補正目標位置を算出する。また第2フォーカス制御部106dは、第2フォーカス実位置から第2フォーカス補正目標位置までの移動量にPIDゲインを乗じて第2フォーカス駆動量を算出してこれを第2フォーカス駆動部110に出力する。
レンズ制御部106は、第1フォーカス駆動部108による第1フォーカス駆動量の算出、補正値算出部106cによる第2フォーカス補正値の算出および第2フォーカス駆動部110による第2フォーカス駆動量の算出を所定の制御周期で繰り返し行わせる。さらにレンズ制御部106は、上記制御周期で第1フォーカス駆動部108に第1フォーカスレンズ104を第1フォーカス駆動量で駆動させるとともに第2フォーカス駆動部110に第2フォーカスレンズ105を第2フォーカス駆動量で駆動させることにより、第1フォーカスレンズ104による焦点調節と第2フォーカスレンズ105によるピントずれの補正を行う。第2フォーカスレンズ105の駆動の詳細については後述する。
前述したように、レンズ制御部106は、カメラ制御部205から送信されたフォーカス駆動量に応じて第1フォーカス目標位置を生成するとともに、該第1フォーカス目標位置と同一被写体距離に対して合焦状態が得られる第2フォーカス目標位置を生成する。以下、図3(a),(b)を用いて、第2フォーカス目標位置を生成する方法を説明する。
図3(a)は被写体距離と第1フォーカス目標位置との関係を示し、図3(b)は被写体距離と第2フォーカス目標位置との関係を示している。横軸は被写体距離を、縦軸は第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105の位置を示している。曲線は、各被写体距離に対する第1フォーカス目標位置と第2フォーカス目標位置を示している。第1フォーカスレンズ104が位置aにあり、第2フォーカスレンズ105が位置bにあると被写体距離xに対して合焦状態が得られる。
図3(a)において被写体距離がxからxに変化して第1フォーカスレンズ104の位置がaからaに移動した場合に、第2フォーカスレンズ105の位置もこれに連動して被写体距離xに対して合焦状態が得られる位置に移動しないとピントずれや収差が生ずる。このため本実施例では、第1フォーカス目標位置aから被写体距離xを算出し、図3(b)に示すように第2フォーカスレンズ105を位置bから被写体距離xに対して合焦状態が得られる第2フォーカス目標位置bに移動させる。これにより、被写体距離が変化してもピントずれが生じず、収差状態を維持することができる。
交換レンズ100内のメモリ112は、複数の代表被写体距離に対する第1フォーカス目標位置と第2フォーカス目標位置のデータを記憶している。レンズ制御部106は、代表被写体距離以外の被写体距離に対する各フォーカス目標位置については、その被写体距離の近傍のいくつかの代表被写体距離に対応するフォーカス目標位置を用いた線形補間算によって算出する。
なお、本実施例では、メモリ112に被写体距離と各フォーカス目標位置との関係を示すデータを記憶している場合について説明しているが、焦点距離や収差状態と各フォーカス目標位置との関係を示すデータを記憶してもよい。
前述したようにレンズ制御部106(補正値算出部106c、)は、メモリ112に記憶された第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度に応じて第2フォーカス補正値を算出する。以下、図4(a),(b)を用いて、第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度について説明する。
図4(a)は被写体距離と第1フォーカス敏感度との関係を示しており、図4(b)は、被写体距離と第2フォーカス敏感度との関係を示している。横軸は被写体距離を、縦軸は第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度を示している。曲線は、各被写体距離における第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度を示している。
本実施例では、第1フォーカスレンズ104を移動させて被写体に対する焦点状態の粗調節を行い、第2フォーカスレンズ105を移動させて焦点状態の微調節としての補正と収差の補正を行う。このため、各被写体距離において、図4(a)に示す第1フォーカス敏感度が図4(b)に示す第2フォーカス敏感度より大きい値となっている。すなわち、第1フォーカスレンズ104を単位移動量だけ移動させた場合の像面の移動量が第2フォーカスレンズ105を単位移動量だけ移動させた場合の像面の移動量よりも大きい。
交換レンズ100内のメモリ112は、複数の代表的な被写体距離に対する第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度を記憶している。レンズ制御部106は、代表被写体距離以外の被写体距離に対する各フォーカス敏感度については、その被写体距離の近傍のいくつかの代表被写体距離に対応するフォーカス敏感度を用いた線形補間算によって算出する。
なお、本実施例では、メモリ112に被写体距離と敏感度との関係を示すデータを記憶しているが、焦点距離や収差状態とフォーカス敏感度との関係を示すデータを記憶してもよい。
前述したようにレンズ制御部106(補正値算出部106c)は、メモリ112に記憶された補正制限値に応じて第2フォーカス補正値に対して制限をかける。以下、図5を用いて補正制限値について説明する。
図5は、被写体距離と補正制限値との関係を示している。横軸は被写体距離を、縦軸は補正制限値を示している。曲線は、各被写体距離における補正制限値を示している。補正制限値は、第2フォーカスレンズ105の第2フォーカス目標位置からの機械的または制御上の最大移動可能量(一点鎖線で示す)より小さい値として設定されている。より具体的には、補正制限値は、第2フォーカスレンズ105の移動を、その移動によって撮像光学系101における球面収差や歪曲収差等の収差を増加(発生)させない範囲、言い換えれば収差の大きさが所定値を超えないように制限するように設定されている。図5に例示する補正制限値は、被写体距離に応じて変化するように設定されており、具体的には至近側において無限遠側よりも値が小さく設定されている。
メモリ112は、複数の代表的な被写体距離に対する補正制限値を記憶している。レンズ制御部106は、代表被写体距離以外の被写体距離に対する補正制限値については、その被写体距離の近傍のいくつかの代表被写体距離に対応する補正制限値を用いた線形補間算によって算出する。
なお、収差補正を行うフォーカスレンズが複数存在する場合は、該フォーカスレンズごとに被写体距離と補正制限値との関係を示すデータをメモリ112に記憶してもよい。
また本実施例では、メモリ112に被写体距離と補正制限値との関係を示すデータを記憶しているが、焦点距離や収差状態と補正制限値との関係を示すデータを記憶してもよい。
前述したようにレンズ制御部106(補正値算出部106c)は、補正制限値に応じて第2フォーカス補正値を算出する。以下、図6(a),(b)を用いて、補正制限値に応じた第2フォーカス補正値の算出方法を説明する。
図6(a),(b)は、光軸13上の位置である第1フォーカス目標位置10aと第1フォーカス実位置10bを示すとともに、これらの差分である第1フォーカス位置偏差10cを示している。また同図は、光軸13上の位置である第2フォーカス目標位置11aと第2フォーカス実位置11bを示すとともに、これらの差分である第2フォーカス位置偏差11cを示している。第2フォーカス目標位置11aは、前述したように第1フォーカス目標位置10aに対応する被写体距離に対して合焦状態が得られる位置である。
さらに図6(a),(b)は、第2フォーカス目標位置11aに対して被写体側および撮像素子側のそれぞれに第2フォーカス補正制限値11fだけずれた第2フォーカス補正制限位置11d,11eを示している。第1および第2フォーカスレンズ104,105が撮像素子側に移動すると至近側の被写体に対して合焦状態が得られ、被写体側に移動すると無限遠側の被写体に対して合焦状態が得られる。以下の説明では、被写体側への移動方向を正方向とし、撮像素子側への移動方向を負方向とする。
図6(a)では、第1フォーカスレンズ104は第1フォーカス目標位置10aに対して無限側に第1フォーカス位置偏差10cだけずれており、同様に第2フォーカスレンズ105も第2フォーカス目標位置11aに対して無限側に第2フォーカス位置偏差11cだけずれている。
このとき、撮像素子201に対して、無限側にずれた位置に被写体像が結像されるため、ピントずれが生じる。このため、レンズ制御部106(補正値算出部106c)は、メモリ112から第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度を取得して、以下の式(1)により第2フォーカス補正値ΔDを算出する。
ΔD=Δxa×(α/β) (1)
式(1)において、Δxaは第1フォーカス位置偏差10cを示し、αは第1フォーカス敏感度を示し、βは第2フォーカス敏感度を示している。なお、α>βである。このようにレンズ制御部106は、第1フォーカスレンズ104の移動によって生じたデフォーカス量(Δxa×α)を第2フォーカス敏感度βで除算して、該デフォーカス量を第2フォーカスレンズ105の移動で打ち消すための移動量としての第2フォーカス補正値ΔDを算出する。そして、レンズ制御部106は、第2フォーカスレンズ105を第2フォーカス実位置11bから第2フォーカス位置偏差11cと第2フォーカス補正値ΔDとの和の移動量だけ、すなわち第2フォーカス補正目標位置11gに移動させる。
これにより、第1フォーカスレンズ104の移動によって撮像素子201に対して無限側にずれた像面を、そのずれ量分だけ第2フォーカスレンズ105の移動によって至近側に戻すことができるので、ピントずれが補正される。
さらに第1フォーカス位置偏差10cが微小値であり、第1フォーカス敏感度を有する第1フォーカスレンズ104の移動だけでは補正不可能である場合に、第1フォーカス敏感度より小さい第2フォーカス敏感度を有する第2フォーカスレンズ105の移動により補正することができる。
図6(b)は、第2フォーカス補正値ΔDの絶対値が補正制限値11fより大きい場合を示す。この図に示すように第2フォーカス補正値ΔDが撮像素子側への補正を示し、その絶対値が補正制限値11fよりも大きい場合は、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値ΔDを負の符号の第2フォーカス補正制限値11fに変更する。逆に第2フォーカス補正値ΔDが被写体側への補正を示し、その絶対値が補正制限値11fよりも大きい場合は、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値ΔDを正の符号の補正制限値11fに変更する。このように、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値ΔDを補正制限値11fを上限値として制限する。
図6(b)には、第2フォーカス補正値ΔDに制限をかけた結果、第2フォーカスレンズ105の本来の目標位置(制限されていない第2フォーカス補正値ΔDに対応する位置)11gと第2フォーカス補正制限位置11eとの間に残差(以下、第2フォーカス補正残差という)11hが生じている。これにより、第2フォーカス補正残差11h分のピントずれは残存するが、第2フォーカスレンズ105を球面収差や歪曲収差等の収差を発生させない範囲内で移動させつつピントずれを低減することができる。
さらにレンズ制御部106は、第1フォーカスレンズ104の駆動、補正制限値により制限をかけた第2フォーカス補正値の算出および第2フォーカスレンズ105の駆動(以下、補正駆動という)を所定の制御周期ごとに行う。図7(a),(b)は、所定の制御周期での第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行う方法を示す。図7(a)は、所定の制御周期で第2フォーカス補正値を算出する例を示し、時刻t,t,tでの第1フォーカス目標位置(白丸)と第1フォーカス実位置(黒丸)を示している。縦軸は第1フォーカスレンズ104の位置を、横軸は時間を示している。
レンズ制御部106は、各時刻において第1フォーカス目標位置と第1フォーカス実位置から第1フォーカス位置偏差を計算する。レンズ制御部106は、この第1フォーカス位置偏差に応じて第1フォーカス駆動部108に第1フォーカスレンズ104を第1フォーカス目標位置に近づけるように駆動させる。
またレンズ制御部106は、各時刻における第1フォーカス位置偏差とメモリ112から取得した第1フォーカス敏感度および第2フォーカス敏感度とから第2フォーカス補正値を算出する。具体的には、例えば以下の式(2)により時刻tにおける第2フォーカス補正値ΔDを算出する。
ΔD=Δx×α/β (2)
式(2)において、Δxは時刻tでの第1フォーカス位置偏差を示し、αは時刻tにおいてメモリ112から取得した第1フォーカス敏感度を示し、β1は時刻tにおいてメモリ112から取得した第2フォーカス敏感度を示している。
第2フォーカス補正値ΔDの絶対値がメモリ112から取得した補正制限値より大きく、第2フォーカス補正値ΔDが被写体側への補正値である場合には、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値ΔDを正の符号の補正制限値としての第2フォーカス補正値ΔD′に変更する。
図7(b)は、所定の制御周期で第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行う例を示す。図7(b)は、時刻t,t,tでの第2フォーカス目標位置(白丸)、第2フォーカス実位置(黒丸)、第2フォーカス補正目標位置(白四角)および第2フォーカス補正制限位置(黒太線)を示している。縦軸は第2フォーカスレンズ105の位置を示し、横軸は時間を示している。第2フォーカス補正目標位置は、第2フォーカス目標位置に第2フォーカス補正値を加えて算出される。
レンズ制御部106は、例えば以下の式(3)によって、時刻tでの第2フォーカス補正目標位置に対する第2フォーカス実位置の差分である第2フォーカス位置偏差Δx′を算出する。
Δx′=Δx+ΔD′ (3)
式(3)において、Δxは時刻tでの第2フォーカス目標位置に対する第2フォーカス位置偏差を示し、ΔD′は時刻tでの第2フォーカス補正値を示している。
レンズ制御部106は、この第2フォーカス位置偏差Δx′に応じて、第2フォーカス駆動部110に第2フォーカスレンズ105を第2フォーカス補正目標位置に近づけるように駆動させる。これにより、第2フォーカスレンズ105の移動範囲を収差を発生させない範囲に限定しつつ、所定の制御周期で第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行うことができるため、合焦精度や撮像画質の低下を抑制することができる。
図8(a)〜(c)を用いて、第2フォーカスレンズ105の補正駆動の具体例について説明する。図8(a)は、第1フォーカス目標位置、第1フォーカス実位置およびそれらの差分である第1フォーカス位置偏差の時間変化を示している。レンズ制御部106(第1フォーカス制御部106b)は、所定の制御周期で第1フォーカス実位置と第1フォーカス目標位置とから第1フォーカス位置偏差を算出し、第1フォーカスレンズ104が該制御周期で第1フォーカス目標位置に追従するようにその駆動を制御する。
図8(b)は、第2フォーカス補正値と補正制限値の時間変化を示している。レンズ制御部106(補正値算出部106c)は、第1フォーカス制御部106bから制御周期ごとに出力される第1フォーカス位置偏差とメモリ112から取得した第1フォーカス敏感度および第2フォーカス敏感度とに応じて、第2フォーカス補正値を補正制限値内に収まるように算出する。
図8(c)は、第2フォーカス目標位置、第2フォーカス補正目標位置、第2フォーカス実位置およびこれら第2フォーカス補正目標位置と第2フォーカス実位置の差分である第2フォーカス位置偏差の時間変化を示している。レンズ制御部106(第2フォーカス制御部106d)は、上記制御周期で第2フォーカス実位置と第2フォーカス目標位置との差分である第2フォーカス位置偏差と補正値算出部106cから出力される第2フォーカス補正値とから第2フォーカス補正目標位置を算出し、第2フォーカスレンズ104が該制御周期で第2フォーカス補正目標位置に追従するようにその駆動を制御する。
図9のフローチャートは、レンズ制御部106がコンピュータプログラムに従って実行する第2フォーカスレンズ105の補正駆動の制御処理(制御方法)示している。ステップS301では、レンズ制御部106は、目標位置生成部106bにて算出された第1フォーカス目標位置と第1フォーカス位置検出部109にて検出された第1フォーカス実位置との差分である第1フォーカス位置偏差を算出する。
次にステップS302では、レンズ制御部106は、メモリ112から被写体距離に応じた第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度を取得する。
次にステップS303では、レンズ制御部106は、第1フォーカス位置偏差と、第1フォーカス敏感度と第2フォーカス敏感度の比とを用いて第2フォーカス補正値を算出する。
ステップS304では、レンズ制御部106は、ステップS303で算出した第2フォーカス補正値がメモリ112から取得した補正制限値よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS305に進み、大きくない場合はステップS306に進む。
ステップS305では、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値を補正制限値に変更する。この際、レンズ制御部106は、第2フォーカス補正値が撮像素子側への補正値である場合は第2フォーカス補正値を負の符号の補正制限値に変更し、第2フォーカス補正値が被写体側への補正値である場合は正の符号の補正制限値に変更する。そしてステップS306に進む。
ステップS306では、レンズ制御部106は、目標位置生成部106bにて算出された第2フォーカス目標位置と第2フォーカス位置検出部111にて検出された第2フォーカス実位置との差分である第2フォーカス位置偏差を算出する。
次にステップS307では、レンズ制御部106は、ステップS306で算出した第2フォーカス位置偏差に、ステップS303またはステップS305で算出した第2フォーカス補正値を加算して第2フォーカス補正目標位置を算出する。
次にステップS308では、レンズ制御部106は。ステップ307で算出した第2フォーカス補正目標位置にPIDゲインを乗じて第2フォーカス駆動量に変換し、該第2フォーカス駆動量を第2フォーカス駆動部110に出力して第2フォーカスレンズ105を駆動させる。
本実施例によれば、第2フォーカス補正値に制限を設けることで、第2フォーカスレンズ105の移動による球面収差や歪曲収差等の収差の発生を抑制しつつ、第1フォーカスレンズ104の移動により生じたピントずれを低減するための第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行うことができる。
上記実施例において、第1フォーカス位置偏差や第1および第2フォーカス敏感度の比がかなり大きい場合に第2フォーカス補正値を制限すると、第2フォーカスレンズ105の補正駆動の効果が低くなる可能性がある。このため、第1フォーカス位置偏差や第1および第2フォーカス敏感度の比に対して閾値を設定し、該閾値より低い(又は該閾値以下)の場合に第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行うようにしてもよい。
また、交換レンズ100とカメラ本体200との間にエクステンダ等のレンズアクセサリが装着されている場合には第2フォーカスレンズ105の補正駆動を行わないようにしてもよい。またカメラ本体200におけるレリーズ優先モードやピント優先モード等の撮像モードに応じて補正駆動を行うか否かを切り替えてもよい。
さらに第1フォーカスレンズ104が第1フォーカス目標位置に対して所定範囲内に近づいたときにのみ第2のフォーカスレンズ105の補正駆動を行うようにしてもよい。
またJPEGやRAW等の画像保存形式に応じて補正制限値を変更してもよい。さらに第1フォーカスレンズ104の駆動状態に応じて補正制限値を変更してもよい。例えは、第1フォーカスレンズ104の駆動中は焦点検出精度を低下させない範囲で大きめの補正制限値を設定し、第1フォーカスレンズ104の駆動停止前後では撮像画質を劣化させないようにより小さい補正制限値を設定してもよい。
また、本実施例では第2フォーカスレンズ105を補正駆動する場合について説明したが、第2の光学素子として撮像素子を用い、該撮像素子を補正駆動してもよい。
さらに本実施例では、交換レンズ100内にレンズ制御装置が設けられた場合について説明したが、レンズ制御装置をカメラ本体200内に設け、カメラ本体200側から交換レンズ100内の第1および第2フォーカスレンズ104,105の駆動を制御するようにしてもよい。さらに撮像光学系を内蔵するレンズ一体型の撮像装置(光学機器)にレンズ制御装置を設けてもよい。
図10は、本発明の実施例2である交換レンズ100′の撮像光学系101′の構成を示す。本実施例において、実施例1と共通する構成要素には実施例1と同符号を付して説明に代える。
撮像光学系101′は、被写体側から順に、フィールドレンズ102、絞りユニット103、第1フォーカスレンズ104、第2フォーカスレンズ105および第3フォーカスレンズ301を含む。第3フォーカスレンズ301は、第2フォーカスレンズ105と同様に、光軸方向に移動してピント補正と収差補正を行う。第2フォーカスレンズ105および第3フォーカスレンズ301は第2の光学素子に相当する。
また交換レンズ100′には、実施例1(図1)に示したレンズ制御部106、絞り駆動部107、第1フォーカス駆動部108、第1フォーカス位置検出部109、第2フォーカス駆動部110、第2フォーカス位置検出部111およびメモリ112に加えて、第3フォーカスレンズ301を駆動する不図示の第3フォーカス駆動部と第3フォーカスレンズ301の位置を検出する不図示の第3フォーカス位置検出部が設けられている。
図11(a),(b)は、本実施例において、第2フォーカスレンズ105に対する補正制限値(以下、第2フォーカス補正制限値という)11fに応じて第2フォーカス補正値ΔDAを算出し、第3フォーカスレンズ301に対する補正制限値(以下、第3フォーカス補正制限値という)12fに応じて第3フォーカスレンズ301の補正値(以下、第3フォーカス補正値という)ΔDBを算出する方法を示している。
図11(a),(b)において、第1フォーカスレンズ104と第2フォーカスレンズ105に関する符号(10a,10b,11a〜11h)は、図6(a),(b)中の同符号と同じ位置や値を示す。また図11(a),(b)は、メモリ112に記憶された第3フォーカスレンズ301の目標位置である第3フォーカス目標位置12aと、第3フォーカス位置検出部により検出された第3フォーカス実位置12bと、第3フォーカス目標位置12aに対する第3フォーカス実位置12bの差分である第3フォーカス位置偏差12cとを示している。さらに図11(a),(b)は、第3フォーカス目標位置12aに対して被写体側および撮像素子側のそれぞれに第3フォーカス補正制限値12fだけずれた第3フォーカス補正制限位置12d,12eを示している。第3フォーカスレンズ301が撮像素子側(負方向)に移動すると至近側の被写体に対して合焦状態が得られ、被写体側(正方向)に移動すると無限遠側の被写体に対して合焦状態が得られる。
図11(a)は、第1フォーカスレンズ104の移動により生じたピントずれを、まず第2フォーカスレンズ105の移動により補正し、次に第2フォーカスレンズ105の移動によって補正しきれなかったピントずれとしての第2フォーカス補正残差を第3フォーカスレンズ301の移動によって補正する場合を示している。
本実施例では、第1フォーカス敏感度より第2フォーカス敏感度が小さく、第2フォーカス敏感度より第3フォーカスレンズ301の敏感度(以下、第3フォーカス敏感度という)が小さい。被写体距離と第3フォーカス敏感度との関係を示すデータも、メモリ112に記憶されている。
図11(a)では、図6(a)と同様に、第1フォーカスレンズ104は第1フォーカス目標位置10aに対して無限側に第1フォーカス位置偏差10cだけずれており、同様に第2フォーカスレンズ105も第2フォーカス目標位置11aに対して無限側に第2フォーカス位置偏差11cだけずれている。レンズ制御部106は、式(1)と同様の以下の式(4)によって第2フォーカス補正値ΔDAを算出する。
ΔDA=Δxa×(α/β) (4)
図11(a)では、第1フォーカスレンズ104の移動によって撮像素子201に対して無限側にずれた像面を、第2フォーカスレンズ105の補正駆動よって至近側に戻すことでピントずれが低減される。ただし、第2フォーカス補正目標位置11gと第2フォーカス補正制限位置11eで制限された第2フォーカス実位置11bとの間に第2フォーカス補正残差11hが生じており、ピントずれが十分に低減されていない。
このため、レンズ制御部106は、メモリ112から第2フォーカス敏感度と第3フォーカス敏感度を取得して、以下の式(5)により第3フォーカス補正値ΔDBを算出する。
ΔDB=Δxb×(β/γ) (5)
式(5)において、Δxbは第2フォーカス補正残差11hを、βは第2フォーカス敏感度を、γは第3フォーカス敏感度を示している。
レンズ制御部106は、第3フォーカス目標位置12aに対して第3フォーカス補正値ΔDBを加算した第3フォーカス補正目標位置12gを算出する。そして、第3フォーカスレンズ301が第3フォーカス補正目標位置12gに移動するように、第3フォーカスレンズ位置偏差12cと第3フォーカス補正値ΔDBの和の移動量だけ移動させる。
これにより、第2フォーカス補正残差11hを第3フォーカスレンズ301の移動によって補正することができる。すなわち、第1フォーカスレンズ104の移動によって撮像素子201に対して無限側にずれた像面を、そのずれ量分だけ第2フォーカスレンズ105と第3フォーカスレンズ301の補正駆動よって至近側に戻すことができ、ピントずれをさらに低減させる(良好に補正する)ことができる。
図11(b)は、第2フォーカスレンズ105と第3フォーカスレンズ301とを同時に移動させる場合を示している。レンズ制御部106は、以下の式(6)と(7)を用いて第2フォーカス補正値ΔDAと第3フォーカス補正値ΔDBとを算出する。
ΔDA=[Δxa×α×{β/(β+γ)}]/β (6)
ΔDB=[Δxb×α×{γ/(β+γ)}]/γ (7)
レンズ制御部106は、式(6)により、第1フォーカスフォーカスレンズ104の移動により生じたデフォーカス量(Δxa×α)と、第2フォーカス敏感度βと第3フォーカス敏感度γとの比を用いて、第2フォーカス補正値ΔDAを算出する。さらに第1フォーカス104で生じたデフォーカス量(Δxa×α)と、第2フォーカス敏感度βと第3フォーカス敏感度γとの比を用いて、第3フォーカス補正値ΔDBを算出する。そして、レンズ制御部106は、第2フォーカスレンズ105を第2フォーカス実位置11bから第2フォーカス位置偏差11cと第2フォーカス補正値ΔDとの和の移動量だけ移動させ、第3フォーカスレンズ301を第3フォーカス実位置12bから第3フォーカス位置偏差12cと第3フォーカス補正値ΔDBとの和の移動量だけ移動させる。
このように本実施例では、第1フォーカスレンズ105の移動により生じたピントずれを打ち消すための移動量を第2フォーカスレンズ105と第3フォーカスレンズ301に振り分けることで、ピントずれを良好に補正する。
なお、第3フォーカスレンズ105の補正駆動によってもフォーカス補正残差が存在する場合に、該フォーカス補正残差を低減するために第2フォーカスレンズ104の補正駆動をさらに行ってもよい。
また本実施例における第3フォーカスレンズ301に代えて第2の光学素子の1つとして撮像素子を用い、該撮像素子を補正駆動してもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
100 交換レンズ
104 第1フォーカスレンズ
105 第2フォーカスレンズ
106 レンズ制御部
109 第1フォーカス位置検出部
111 第2フォーカス位置検出部
112 メモリ

Claims (13)

  1. 焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御するレンズ制御装置であって、
    前記第1の光学素子を被写体距離に応じた第1の目標位置に移動させるように該第1の光学素子の駆動を制御する第1の制御手段と、
    前記第2の光学素子を前記被写体距離に応じた第2の目標位置に移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御する第2の制御手段と、
    前記第1の光学素子の実位置と前記第1の目標位置との位置差と、前記第1および第2の光学素子のそれぞれのフォーカス敏感度とを用いて、前記第2の目標位置を補正するための補正値を算出する補正値算出手段とを有し、
    前記補正値算出手段は、前記第2の光学素子の前記第2の目標位置からの最大移動可能量より小さい補正制限値を上限として前記補正値を算出することを特徴とするレンズ制御装置。
  2. 前記第2の制御手段は、前記第2の光学素子の実位置と前記第2の目標位置との位置差と前記補正値とを加算して得られる位置に前記第2の光学素子を移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載のレンズ制御装置。
  3. 前記補正制限値は、前記被写体距離に応じて変化することを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ制御装置。
  4. 前記補正制限値は、前記第2の光学素子の移動により前記第1および第2の光学素子を含む光学系の収差が増加しないように又は収差の大きさが所定値を超えないように前記補正値を制限することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  5. 前記第1の光学素子の前記フォーカス敏感度が、前記第2の光学素子のフォーカス敏感度より高いことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  6. 前記第2の光学素子が複数あり、
    前記補正値算出手段は、該複数の第2の光学素子に対して前記フォーカス敏感度が高い順に前記補正値を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  7. 前記第2の制御手段は、前記第1の光学素子の前記位置差または前記第1および第2フォーカス敏感度の比が閾値より小さい場合に、前記補正値により補正された前記第2の目標位置に前記第2の光学素子を移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  8. 前記補正値算出手段は、前記第1の光学素子が前記第1の目標位置に対して所定範囲内に近づいたときに、前記補正値により補正された前記第2の目標位置に前記第2の光学素子を移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  9. 前記補正値算出手段は、前記第1の光学素子の駆動状態に応じて前記補正制限値を変更することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  10. 前記補正値算出手段は、前記第1および第2の光学素子を含む光学系を通して撮像を行う撮像装置における撮像モードに応じて前記補正制限値を変更することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズ制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のレンズ制御装置を有することを特徴とする光学機器。
  12. 焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御する方法であって、
    前記第1の光学素子を被写体距離に応じた第1の目標位置に移動させるように該第1の光学素子の駆動を制御するステップと、
    前記第2の光学素子を前記被写体距離に応じた第2の目標位置に移動させるように該第2の光学素子の駆動を制御するステップと、
    前記第1の光学素子の実位置と前記第1の目標位置との位置差と、前記第1および第2の光学素子のそれぞれのフォーカス敏感度とを用いて、前記第2の目標位置を補正するための補正値を算出するステップとを有し、
    前記補正値を算出するステップにおいて、前記第2の光学素子の前記第2の目標位置からの最大移動可能量より小さい補正制限値を上限として前記補正値を算出することを特徴とするレンズ制御方法。
  13. 焦点調節において第1の光学素子と第2の光学素子のそれぞれの移動を制御するコンピュータに、請求項12に記載のレンズ制御方法に従う処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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