JP5362948B2 - 有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ、サイン光源、照明用光源、液晶表示機用バックライト等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置に関するものである。
一般に有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、ガラスやプラスチックなどの透光性基材、透明電極膜からなる陽極の透明導電層、有機薄膜からなる有機発光層、金属電極からなる陰極層を積層した構造からなるものであり、数V程度の低電圧で高輝度の面発光を示すこと、発光物質の選択により任意の色調での発光が可能であること、等々の理由により、近年精力的に研究が行なわれ、実用化を目指した開発が行なわれている。
有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、サイン光源、照明用途、液晶表示機用バックライト、フラットパネルディスプレイ等々に用いることができるが、フラットパネルディスプレイの薄型化、液晶表示機を備える電子機器の小型化や薄型化のため、あるいは形状の自由化等のため、さらに軽量であり、高効率であるものの登場が望まれている。
しかし、有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、一定期間駆動すると、ダークスポットと呼ばれる非発光部の発生と成長が起こり、発光特性が劣化していくという問題がある。このようなダークスポットが発生する原因としては、水蒸気などの水分及び酸素の影響が最も大きいとされており、特に水分は極めて微量でも大きな影響を及ぼすものとされている。そのため、何らかの方法で有機発光層を封止して水分や酸素の作用を遮蔽する必要がある。
この問題を解決するために、特許文献1などにおいて、透光性基材の上に積層した有機発光層などを、金属製やガラス製の封止缶により乾燥窒素雰囲気下で被覆封止する方法が提案されている。しかしこの方法では、ガラスや金属製の封止缶を用いるために、有機エレクトロルミネッセンス発光装置を薄型・軽量化することの支障となるという問題があり、また製造工程において、気密ケースに光硬化性樹脂を塗布する工程、透光性基材と気密ケースを貼り合せる工程、貼り合せた状態で光硬化性樹脂を硬化させる工程など、複雑な工程が必要になり、製造コストが増大すると共に、大型パネルを生産する際に、貼り合せ隙間を最小化することが困難であるという問題もあった。
一方、ガラスや金属製の封止缶を用いず、圧延金属箔などの金属箔で封止する方法が特許文献2で提案されている。この方法は、陽極となる透明導電層を形成した透光性基材の上に有機発光層や陰極層を真空下で連続成膜し、さらにこの上に接着層を介して金属箔を積層するようにしたものである。このものでは、薄い金属箔を用いて被覆封止を行なうために、金属製やガラス製の封止缶を用いる場合のように薄型・軽量化の支障となるという問題がなく、製造の工程も複雑にならないという利点がある。
特開平5−182759号公報 特開2004−171806号公報
しかし特許文献2のように金属箔として圧延金属箔を用いる場合、圧延金属箔は表面粗さが1μm以下と細かい(特許文献2では接着剤層側の表面粗さRaが10nm〜1000nmの金属箔を使用している)。このように表面粗さが細かい金属箔は、接着剤層との接着強度が低く、特に金属箔と電極との間の電気絶縁性を確保するために接着剤層にガラスフィラーなどのフィラーを含有させると接着強度は著しく低下する。
そしてこのように接着剤層と金属箔との接着強度が低い結果、接着剤層から金属箔が剥がれるおそれがあり、この部分において金属箔による水分や酸素の遮断性能が低下して、長期的には接着剤層を通して有機発光層に水分や酸素が作用して劣化し、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の性能が低下するおそれがあるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減することができ、また長期に亘って外部からの水分や酸素を遮断して有機発光層の劣化を抑制することができる有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、透光性基材、透明導電層、有機発光層、陰極層を順次積層し、接着層で接着される金属箔で有機発光層を覆うようにした有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、金属箔の接着層側の表面粗さRaが1.5μm〜20μmの範囲であり、金属箔は、有機発光層と陰極層を積層した積層物の端面を覆うように端部を屈曲して、透光性基材と接着され、接着層には、吸湿剤が含有されており、有機発光層と陰極層を積層した積層物を透光性基材との間で覆うように光硬化性樹脂層を形成し、有機発光層と陰極層の積層物の端面を囲む位置において光硬化性樹脂層の外周部のみに吸湿剤含有層を光硬化性樹脂層に接して形成し、光硬化性樹脂層及び吸湿剤含有層の外側にこの光硬化性樹脂層と吸湿剤含有層との外面を覆うように接着剤を塗布して接着層を形成し、この接着層の外面に金属箔の全面を重ねることにより接着層を介して金属箔を積層して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、接着層で金属箔を貼り付けることによって有機発光層を被覆して封止することができ、薄型・軽量化に形成することができると共に製造コストを低減することができるものであり、しかも金属箔の接着層側の表面粗さRaが1.5μm〜20μmであって、金属箔と接着剤層との接着強度を高く得ることができ、長期に亘って外部からの水分や酸素を遮断して有機発光層の劣化を抑制することができるものである。
また、有機発光層を光硬化性樹脂層によっても被覆することができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものである。また、吸湿剤含有層による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものであり、有機発光層と陰極層の積層物の端面を囲む吸湿剤含有層で水分を吸湿することによって、外部からの水分をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものである。また、接着剤中の吸湿剤による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものである。また、金属箔と透光性基材とによって有機発光層の全体を被覆することができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものである。
また更なる発明は、上記有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、金属箔が電解箔であることを特徴とするものである。
電解箔は長尺に製造されるので、大面積のものを容易に入手することができ、有機エレクトロルミネッセンス照明器具のような大面積の素子を被覆して封止することが容易になるものである。
また更なる発明は、上記有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、金属箔が電解銅箔であることを特徴とするものである。
電解銅箔は柔軟で加工性が良好であり、また一般に透光性基材と熱膨張係数が近く、熱変動に対して透光性基材との接着強度を高く保持することができるものである。
また更なる発明は、上記有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、光硬化性樹脂層と接着層の間に吸湿シートを積層して成ることを特徴とするものである。
この発明によれば、吸湿シートによる吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して有機発光層の劣化をより高く抑制することができるものである。
また更なる発明は、上記有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、接着層には、絶縁性フィラーが15質量%以上含有されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、絶縁性フィラーによって、陰極層や透明導電層と金属箔との間の電気絶縁性を高く得ることができるものである。
本発明係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、上記有機エレクトロルミネッセンス発光装置と、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置の発熱を吸熱する吸熱体と、この吸熱体で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体を具備して成ることを特徴とするものである。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の発熱を放熱しつつ発光させることができるものであり、大面積・高照度で発光させても熱で劣化することを抑制することができ、長寿命に形成することができるものである。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、接着層で金属箔を貼り付けることによって有機発光層を被覆して封止することができるものであり、薄型・軽量化に形成することができると共に製造コストを低減することができ、しかも金属箔の接着層側の表面粗さRaが1.5μm〜20μmであって、金属箔と接着剤層との接着強度を高く得ることができるものであり、長期に亘って外部からの水分や酸素を遮断して有機発光層の劣化を抑制することができるものである。
また有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、発熱を放熱しつつ発光させることができるものであり、大面積・高照度で発光させても熱で劣化することを抑制することができ、長寿命に形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の一例を示すものであり、透光性基材1の表面に陽極となる透明導電層2を積層し、透明導電層2の上に有機発光層3を積層すると共に有機発光層3の上に陰極層4が積層してある。図1の実施の形態では、透明導電層2によって陽極層20と、陽極層20と分離された陰極取り出し電極21とが形成されるようにしてあり、陰極層4は陰極取り出し電極21に接続してある。また必要に応じて、有機発光層3と透明導電層2との間にはホール輸送層やホール注入層を、有機発光層3と陰極層4との間には電子輸送層や電子注入層を積層して設けることができる。これらの各部材を形成する材料としては、有機エレクトロルミネッセンス発光装置に従来から使用されている材料を用いることができるものである。
そして図1の実施の形態では、有機発光層3と陰極層4からなる積層物12の全外面を被覆するように接着剤を塗布して接着層5を形成し、この接着層5の外面に金属箔6を貼り付けて積層してある。これにより、接着層5を介して透光性基材1と接着される金属箔6で、有機発光層3が被覆されている。尚、積層物12は、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層が設けられている場合には、これらの各層も含むものである。またここで、透明導電層2は透光性基材1の表面の一部に帯状に形成されているものであり、接着層5は透明導電層2の上面、及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の上面にも積層されており、金属箔6が透明導電層2に接触しないようにしてある。また透明導電層2で形成される陽極層20や陰極取り出し電極21の一部は接着層5で被覆されないようにし、陽極層20や陰極取り出し電極21の露出する端部に電源を接続することができるようにしてある。
上記の接着層5の材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の酸変性物からなる熱可塑性接着性樹脂などを用いることができる。特に、耐湿性や耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ系熱硬化型接着性樹脂を用いることが好ましい。
また、金属箔6と、陰極層4や透明導電層2との間の絶縁するために、接着層5には絶縁性フィラーを混入して含有させることが望ましい。絶縁性フィラーの含有量は、絶縁性フィラーの種類によって異なるが、接着剤と絶縁性フィラーの合計100質量部に対して絶縁性フィラーが15質量部以上、つまり15質量%以上の含有量に設定するのが好ましい。有機エレクトロルミネッセンス装置が2cm□程度の小型素子の場合には、15質量%の絶縁性フィラーで絶縁性を確保することが可能であるが、10cm□を超えるような大型の発光装置では50質量%以上含有させることによって良好な絶縁性を確保できる。このように絶縁性フィラーの含有量が15質量%未満であると十分な絶縁性の確保が困難であり、絶縁性フィラーの含有量の上限は特に設定されないが、95質量%以下であることが好ましい。接着剤に絶縁性フィラーが95質量%を超えて含有されると、塗布の作業性が悪くなるので好ましくないものである。
絶縁性フィラーとしては、接着層5を形成する樹脂成分の抵抗値よりも大きな抵抗値を持ち、金属箔6と透明導電層2や陰極層4との間の絶縁性が向上できるものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、Al、SiO、SiC、AlN、BN、MgO又はSiなどの無機フィラーを、一種単独であるいは複数種を併用して使用することができる。特に、AlやSiOからなる無機フィラーは接着剤樹脂と混合させ易いので、これらを用いた場合は、高い配合比率で接着剤樹脂に絶縁性フィラーを混合することができ、高い絶縁性を得ることができるものである。また、Al、SiC又はAlNからなる無機フィラーを使用すると、熱伝導率が他の無機フィラーと比較して高いので、高熱伝導性の接着層5を形成することができ、放熱性を向上することができるものである。
接着層5の形成は、接着剤材料の種類などに応じて、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法などのコーティング法や印刷法を適宜採用して行うことできるものである。また、接着層5の内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入することが望ましい。
一方、金属箔6には主として電解箔と圧延箔とがあるが、電解箔を用いるのが好ましい。また金属箔6の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることができるが、箔加工性のある金属または合金を用いることが好ましい。なかでも、柔軟で箔加工性やコストの面で優れ、アルミニウム箔と比較して、透光性基材の材料であるガラスなどと熱膨張係数が近い電解銅箔が最も好ましい。
また電解銅箔は柔軟性があるため、ロール圧着に適している。例えば、透光性基材1として可撓性のあるプラスチックフィルム等を用い、金属箔6として電解銅箔を使用すれば、全ての製造工程をロール巻き取りで行うことが可能になり、大量生産に非常に有利になるものである。また透光性基材1として、一般に多用されているガラスなどある程度の硬度を有するものを用いた場合、金属箔6として電解銅箔を用いると、接着層5に貼り付ける際に金属箔6にしわやよれなどが生じることを防げるだけではなく、後述の図6や図7のように絞り加工しながら貼り付ける際に端部の開口部を小さくする加工もアルミニウム箔と比較してやり易いものである。
さらに電解銅箔は圧延銅箔に対して、幅広や薄箔のものを容易に入手できるうえでも好ましい。すなわち、圧延銅箔は通常、電気銅をインゴットに鋳造し、圧延・焼鈍を繰り返して箔状にすることによって製造されているために、長さに制約がある。特に幅は電気銅インゴットの幅に規定され、また何台もの圧延焼鈍設備も合わせて広幅化が必要となってコストアップになるため、圧延銅箔は一般的には600mm巾が最大である。これに対し、電解銅箔は、電解液(通常は硫酸銅水溶液)中にドラムと呼ばれる直径2〜3m、幅1m強の大きな筒状の陰極を半分沈め、このドラムを囲むように陽極を配置して通電することによって、ドラムを回転させながらドラムの表面に銅を電析させ、ドラムの回転によって電解液から出る部分において、ドラムの表面から析出した銅を引き剥がして巻き取ることによって、製造されている。このため、電解銅箔は長さに制約がない。幅についても、電解銅箔はドラムの幅だけに製品幅が規定されるため、1m幅以上も可能である。また薄さに関しては、圧延銅箔は電気銅インゴットを徐々に薄く伸ばして製造するため、薄ければ薄いほど製造コストが高くなるのに対し、電解銅箔では薄いほど電析に必要な時間が短くなり、またドラムの回転速度を早くできるため、コスト的に有利になるものである。このように、電解銅箔は幅広や薄箔のものを容易に入手できるので、照明用途の有機エレクトロルミネッセンス発光装置のように、大面積の素子を金属箔6で封止することが容易になるものである。
そして、電解銅箔の表面状態は、ドラム面に電析した側(外面側)と、ドラムから引き剥がされた側(内面側)では、表面状態が異なり、ドラムから引き剥がされた面はシャイニー面と呼ばれ光沢のある、ドラムの表面が転写された平坦な面となっているが、電析した側はマット面と呼ばれ、光沢がなく、電子顕微鏡で見ると凹凸のある面となっている。本発明では、金属箔6のこのマット面の側で接着層5に貼り付けるようにするものであり、マット面の凹凸が投錨効果となって接着層5との接着強度を高めることができるものである。従って、接着層5と金属箔6の界面から水分や酸素が侵入することを防いで、長期に亘って外部からの水分や酸素を遮断することができ、有機発光層3の劣化を抑制することができるものである。
本発明において、金属箔6の接着層5の側の面であるマット面の表面粗さRaは1.5μm〜20μmの範囲に設定されるものである。表面粗さRaが1.5μm未満では、投錨効果による接着層5との接着強度が不十分であり、金属箔6が剥離するおそれがあって長期に亘って有機発光層3の劣化を抑制することは難しい。表面粗さRaは大きいほうが接着層5との接触面積が広がってより大きな接着力を得ることができるので好ましく、最も好ましいのは6μm程度である。しかしあまり凹凸が大きいと、接着剤が凹凸を埋められなくなって隙間が生じたり、ピンホールが発生したりするので、表面粗さRaは20μm以下に設定されるものである。
金属箔6の厚みは、銅箔の場合、取り扱いの面で9μm以上あればよいが、ピンホールを予防するためには18μm以上であることが望ましい。表面粗さRaが最大値の20μmの場合には、銅箔の厚みは70μm以上であることが望ましい。
図2は本発明の他の実施の形態を示すものであり、有機発光層3と陰極層4からなる積層物12を被覆するように光硬化性樹脂を塗布して光硬化させることによって、光硬化性樹脂層7を形成するようにしてある。光硬化性樹脂層7は透光性基材1の表面にまで達するように形成してあり、光硬化性樹脂層7で有機発光層3と陰極層4からなる積層物12の全外面を覆うようにしてある。そしてさらにこの光硬化性樹脂層7の全外面を被覆するように接着剤を塗布して接着層5を形成し、この接着層5の外面に金属箔6を貼り付けて積層してある。その他の構成は図1のものと同じである。
光硬化性樹脂層7としては、有機発光層3などの有機膜にダメージを与えること無く硬化できるものであれば何でもよく、特に限定はされるものではないが、例えば、光カチオン重合性化合物が好適である。この光カチオン重合性化合物としては、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性の官能基を有する化合物であればよく、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタン基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性の官能基を有する化合物などが好適である。
このように有機発光層3を光硬化性樹脂層7で被覆することによって、光硬化性樹脂層7によっても外部からの水分や酸素を遮断することができるものであり、水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。
図3は本発明の他の実施の形態を示すものであり、光硬化性樹脂層7の外面に吸湿剤含有層9を塗布して形成した後に、この上に接着層5を塗布して形成することによって、光硬化性樹脂層7と接着層5との間に吸湿剤含有層9を積層するようにしてある。図3の実施の形態では有機発光層3と陰極層4からなる積層物12の全外面を囲むように吸湿剤含有層9が形成してある。その他の構成は図2のものと同じである。
このように吸湿剤含有層9を設けることによって、素子内部に侵入する水分を吸湿剤で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。
吸湿剤含有層9は、バインダーに吸湿剤を含有させ、この吸湿剤含有のバインダーを光硬化性樹脂層7の外面に塗布することによって形成することができる。吸湿剤としては、少なくとも水分を吸着する機能を有するものであれば良いが、特に化学的に水分を吸着するとともに、吸湿しても固体状態を維持する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば金属酸化物、金属の無機酸塩・有機酸塩等を挙げることができるが、特にアルカリ土類金属酸化物及び硫酸塩が好ましい。アルカリ土類金属酸化物としては、例えば酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム等を挙げることができる。硫酸塩としては、例えば硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸ガリウム、硫酸チタン、硫酸ニッケル等を挙げることができる。その他、吸湿性を有する有機化合物も用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また吸湿剤を含有させるバインダーとしては、有機エレクトロルミネッセンス素子に悪影響を与えないものであれば、その材質は特に限定されないが、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリスチレン、含ハロゲン系樹脂、ケイ素樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、酢酸ビニル樹脂などや、これらの共重合体からなる熱可塑性樹脂、あるいはキシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂などの単体もしくは共重合体からなる熱硬化性樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂を用いることができ、さらにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂に代表される光硬化性樹脂を用いることができる。また、必ずしも硬化性を必要とはせず、例えばシリコーンゲルに代表されるゲル状の樹脂を用いることもできるが、これらに限定されるものではない。
吸湿剤含有層9中の吸湿剤の含有量は、特に限定されるものではないが、吸湿剤と樹脂バインダー成分の合計量100質量部に対して、吸湿剤5〜95質量部の範囲が好ましく、より好ましくは吸湿剤30〜95質量部の範囲、最も好ましくは吸湿剤50〜95質量部の範囲である。
図4の実施の形態では、有機発光層3と陰極層4の積層物12の端面を囲む位置において、光硬化性樹脂層7の外周部に吸湿剤含有層9を形成するようにしてある。その他の構成は図3のものと同じである。
上記の吸湿剤は接着層5中にも含有させることができる。このように接着層5に吸湿剤を含有させることによって、上記と同様に、素子内部に侵入する水分を吸湿剤で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。
接着層5に吸湿剤を含有させるにあたって、吸湿剤の含有量は、特に限定されるものではないが、吸湿剤と接着剤樹脂成分の合計量100質量部対して、吸湿剤5〜80質量部の範囲が好ましく、より好ましくは吸湿剤5〜60質量部の範囲、最も好ましくは吸湿剤5〜50質量部の範囲である。
図5は本発明の他の実施の形態を示すものであり、光硬化性樹脂層7の外面に吸湿シート8を貼った後に接着層5を形成することによって、光硬化性樹脂層7と接着層5との間に吸湿シート8を積層するようにしてある。このように吸湿シート8を設けることによって、素子内部に侵入する水分を吸湿シート8で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。
吸湿シート8としては、特に限定されるものではないが、上記の吸湿剤を樹脂バインダー成分に混合し、シート状に成形したものを用いることができる。樹脂バインダーとしては、吸湿剤を粉末の形態で含有させることができ、吸湿剤の水分除去作用を妨げず、且つ気体透過性を有する高分子材料からなるものが好適である。このような高分子としては、例えばフッ素系、ポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリカーボネート系等の高分子を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
図6は本発明の他の実施の形態を示すものであり、図5の実施の形態のように光硬化性樹脂層7の外面に吸湿シート8を貼った後に、この上に金属箔6を重ねると共に、光硬化性樹脂層7を囲み且つ有機発光層3と陰極層4からなる積層物12の外周端面を囲む位置において、透明導電層2の表面及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の表面に接着層5を塗布形成し、そして金属箔6の周端部を絞って透光性基材1の側に屈曲させ、金属箔6のこの屈曲した周端部を接着層5に接着するようにしてある。このように、有機発光層3と陰極層4を積層した積層物12の端面を覆うように金属箔6の端部を屈曲し、金属箔6の屈曲端部を透光性基材1に接着することによって、有機発光層3を金属箔6と透光性基材1との間に完全に覆い囲むことができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層3の劣化をより高く抑制することができるものである。
図7の実施の形態では、図4の実施の形態のように光硬化性樹脂層7の外面に吸湿剤含有層9を形成し、さらに光硬化性樹脂層7や吸湿剤含有層9の外面、透明導電層2の表面及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の表面に接着層5を塗布した後、接着層5の上に金属箔6を重ね、そして金属箔6の周端部を絞って透光性基材1の側に屈曲させた状態で、金属箔6の全面を接着層5に積層して接着するようにしてある。このように金属箔6の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で接着層5に接着することによって、有機発光層3を金属箔6と透光性基材1との間に完全に覆い囲むことができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層3の劣化をより高く抑制することができるものである。
尚、図7の実施の形態は、図4の実施の形態において金属箔6の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で接着層5に積層して接着するようにしたものを示すが、図1、図2、図3及び図5の各実施の形態においても、同様に、金属箔6の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で接着層5に積層して接着するようにしてもよいのはいうまでもない。
図8は本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bの実施の形態の一例を示すものであり、上記の各実施の形態のようにして形成される有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用い、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aの金属箔6の外面に発熱を吸熱する吸熱体10を設け、吸熱体10の外面に、吸熱体10で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体11を設けるようにしてある。吸熱体10としては、熱伝導率が高く、金属箔6と密着性の高いものが好ましく、特に限定されるものではないが、シリコンシート、シリコングリース、カーボングラファイトシートなどを用いることができる。また放熱体11としては、アルミニウムや銅の合金を用いたフィン23付の放熱板24や、表面を熱放射率の高い塗料で塗装した金属板などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
このように、吸熱体10と放熱体11を備えて有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成することによって、有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aで発熱した熱を吸熱体10で吸熱して放熱体11で放熱することができるものであり、大面積・高照度で有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを発光させても熱で劣化することを抑制することができ、有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを長寿命に形成することができるものである。
尚、図8の実施の形態は、図4の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用いて有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成するようにしたが、他の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用いて、同様に有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成することができるのはいうまでもない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(金属箔の接着強度の評価)
金属箔として、表面粗さRaが異なる電解銅箔、圧延銅箔、圧延アルミニウム箔(試料1〜8)を用い、金属箔の接着強度を次のようにして測定した。
試料1〜8の金属箔を幅1cm、長さ3cmの矩形に切断して試験片を作製し、またガラス基板として表面にSiO膜を設けた厚み0.7mmの青板ガラスを用いた。そして、ガラス基板のSiO膜面にUV硬化型接着剤(ナガセケムテックス製「UV RESIN XNR 5516−B1」)をディスペンサーを用いて塗布した後、金属箔の試験片を1cmの長さ分でUV硬化型接着剤に付着させて固定し、この状態で、ガラス基板面から、UV光を100秒間照射してUV硬化型接着剤を硬化させ、ガラス基板に金属箔の試験片を接着した。
次に、ガラス基板を金属箔の試験片を接着した側を上に向けて水平に固定し、試験片の接着されていない端部をデジタルフォースゲージの治具でチャックして、デジタルフォースゲージをガラス基板と垂直上方へ移動させながら、ガラス基板から試験片が剥がれ始める力を測定した。金属箔の試験片は各々2個作製し、その平均値を測定結果とした。結果を表1に示す。
Figure 0005362948
表1にみられるように、表面粗さRaが1.5〜20μmの範囲にある試料1〜6の各電解銅箔は1.0N以上の接着強度を有するのに対して、表面粗さRaが0.01μmである圧延銅箔の試料7は0.3N、表面粗さRaが0.5μmである圧延銅箔の試料8は0.5Nと接着強度が低いものであり、顧客が直接触れる可能性がある照明器具では金属箔が容易に剥がれる可能性がある。また試料1〜6のなかでは、試料4が最も接着強度が高く、表面粗さRaは6μm程度が最も望ましいものであった。
(実施例1)
50mm×50mm×厚み0.7mmのガラス基板からなる透光性基材1の上に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタ法で150nmの膜厚に形成した後、フォトリソグラフィー法及びウエットエッチング法でITO膜をパターニングして透明導電層2を形成した。このとき図9(a)に示すにように、透明導電層2で4対の陽極層20と陰極取り出し電極21とが形成されるようにパターニングを行なった。この透明導電層2を形成した透光性基材1を純水、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄し、乾燥させた後、さらにUVオゾン洗浄した。
次に、この透明導電層2を形成した透光性基材1を真空蒸着装置にセットし、1×10−5Pa)の減圧下で、図9(b)に示すように各陽極層20の上に、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)を1〜2Å/sの蒸着速度で400Å厚に蒸着して、ホール輸送層を、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を1〜2Å/sの蒸着速度で400Å厚に蒸着して、有機発光層3と電子輸送層を兼用する層を、この順に形成した。このホール輸送層及び有機発光層3と電子輸送層を兼用する層からなる素子26は2mm×2mmの大きさに形成した。この後、LiFを0.5〜1.0Åの蒸着速度で5Å厚に蒸着し、さらにAlを5Å/sの蒸着速度で1000Åの厚みに蒸着することによって、図9(c)に示すように素子26の上から陰極取り出し電極21の上にかけて陰極層4を形成した。
次に、素子26等の成膜が完了した透光性基材1を露点−70℃の窒素循環型グローブボックスに移し、UV硬化型接着剤(上記で使用したものと同じ)を素子26の外側において、陰極取り出し電極21の上から透光性基材1の上にかけて、4mm幅の枠状に塗布して接着層5を形成し(図9(c)参照)、金属箔6の端部を接着層5に貼り付けた。
ここで、金属箔6としては、試料3と同じ、マット面の表面粗さRaが1.5μmの日鉱マテリアリズ社製の電解銅箔を36mm×46mmサイズにカットして用い、マット面を下にして透光性基材1の素子面を上側から覆うように配置した。またこのとき、金属箔5が素子26や陰極層4と接触して短絡しないように、透光性基材1の中央部の素子26や透明導電層2を形成していない表面に絶縁性スペーサー27を設けた。
そして金属箔の四辺を約4mmの幅で治具で透光性基材1に固定した状態で、グローブボックスから取り出し、高圧水銀灯でUV照射することによって接着層5を硬化させ、図9(d)に示すような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
(実施例2)
金属箔6として、試料4と同じ、マット面の表面粗さRaが6μmの日鉱マテリアリズ社製の電解銅箔を用いるようにした他は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
(比較例1)
金属箔6として、試料7と同じ、マット面の表面粗さRaが0.01μmの日鉱マテリアリズ社製の圧延銅箔を用いるようにした他は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
(比較例2)
金属箔6として、試料8と同じ、マット面の表面粗さRaが0.5μmの日鉱マテリアリズ社製の圧延アルミニウム箔を用いるようにした他は、実施例1と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
(比較例3)
36mm×46mm×厚み1.1mmの青板ガラス(表面にSiO膜を設けたガラス板)を用い、周囲を3mm幅で残してその下面をブラスト加工することによって、掘り込み凹部29を下面に設けた掘り込みガラス板30を作製した。
そして実施例1と同様にして図9(c)のように表面に素子26等を成膜した透光性基材1と、掘り込んでいない周囲3mm幅の部分にUV硬化型接着剤(上記で使用したものと同じ)を塗布した掘り込みガラス板30を、実施例1と同様に窒素循環型グローブボックスに入れ、図10のように透光性基材1の上に掘り込みガラス板30を接着層5で貼り付けた。
次に、透光性基材1と掘り込みガラス板30をこの状態に治具で固定した後に、グローブボックスから取り出し、高圧水銀灯でUV照射することによって接着層5を硬化させ、図10に示すような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
上記のようにして作製した実施例1〜2と比較例1〜3の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に300時間放置した。そして所定時間経過毎の、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の素子26の端部の非発光部の増分を顕微鏡で寸法測定した。増分の推移を図11に示す。また300時間経過時の非発光部の増分を表2に示す。
Figure 0005362948
表2にみられるように、各実施例のものは、非発光部の増分が小さく、耐湿度性能が高いことが確認される。比較例1のものは、非発光部の増加が特に大きいが、圧延銅箔はRaが小さいため密着性が悪く、水分が浸入したものと考えられる。また比較例2のものは、圧延アルミウム箔の透光性基材1への貼り合せ部分を拡大観察したところ、圧延アルミニウム箔が波打ったようになっている部分が見つかり、この波打ち部から水分が浸入したことも一因と考えられる。
(実施例3)
実施例1と同様にして図9(c)のように表面に素子26等を成膜した透光性基材1を露点−70℃の窒素循環型グローブボックスに入れ、透光性基材1の中央部の素子26や透明導電層2を形成していない表面にダイニック社製の10mm×10mmの大きさの吸湿シート8を貼り付けた。その他は、実施例1と同様にして、金属箔6(マット面の表面粗さRaが1.5μmの日鉱マテリアリズ社製電解銅箔)を接着することによって、図12に示すような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
(比較例4)
透光性基材1の中央部の素子26や透明導電層2を形成していない表面にダイニック社製の10mm×10mmの大きさの吸湿シート8を貼り付け、この吸湿シート8が掘り込み凹部29内に位置するように掘り込みガラス板30を透光性基材1に接着するようにした他は、比較例3と同様にして、図13に示すような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を作製した。
上記のようにして作製した実施例3と比較例4の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に2000時間超放置した。そして所定時間経過毎の、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の素子26の端部の非発光部の増分を顕微鏡で寸法測定した。増分の推移を図14に示す。また2000時間経過時の非発光部の増分を表3に示す。
Figure 0005362948
表3にみられるように、実施例3のものは、非発光部の増分が小さく、耐湿度性能が高いことが確認される。また実施例3と実施例1との比較から、吸湿シートを用いることの効果が確認される。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 実施例1における有機エレクトロルミネッセンス発光装置の製造の工程を示すものであり、(a)(b)(c)はそれぞれ平面図、(d)は断面図である。 比較例3で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 実施例1〜2及び比較例1〜3で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の耐湿度性試験での、非発光部の増分の推移を示すグラフである。 実施例3で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 比較例4で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 実施例3及び比較例4で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の耐湿度性試験での、非発光部の増分の推移を示すグラフである。
符号の説明
1 透光性基材
2 透明導電層
3 有機発光層
4 陰極層
5 接着層
6 金属箔
7 光硬化性樹脂層
8 吸湿シート
9 吸湿剤含有層
10 吸熱体
11 放熱体
12 積層物

Claims (6)

  1. 透光性基材、透明導電層、有機発光層、陰極層を順次積層し、接着層で接着される金属箔で有機発光層を覆うようにした有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、金属箔の接着層側の表面粗さRaが1.5μm〜20μmの範囲であり、
    金属箔は、有機発光層と陰極層を積層した積層物の端面を覆うように端部を屈曲して、透光性基材と接着され、
    接着層には、吸湿剤が含有されており、
    有機発光層と陰極層を積層した積層物を透光性基材との間で覆うように光硬化性樹脂層を形成し、有機発光層と陰極層の積層物の端面を囲む位置において光硬化性樹脂層の外周部のみに吸湿剤含有層を光硬化性樹脂層に接して形成し、光硬化性樹脂層及び吸湿剤含有層の外側にこの光硬化性樹脂層と吸湿剤含有層との外面を覆うように接着剤を塗布して接着層を形成し、この接着層の外面に金属箔の全面を重ねることにより接着層を介して金属箔を積層して成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  2. 金属箔が電解箔であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  3. 金属箔が電解銅箔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  4. 光硬化性樹脂層と接着層の間に吸湿シートを積層して成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  5. 接着層には、絶縁性フィラーが15質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンス発光装置と、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置の発熱を吸熱する吸熱体と、この吸熱体で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体を具備して成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
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