JP2004022517A - 有機el表示装置および有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

有機el表示装置および有機el表示装置の製造方法 Download PDF

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    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/38Devices specially adapted for multicolour light emission comprising colour filters or colour changing media [CCM]

Abstract

【課題】長期に渡る安定した発光特性を維持し、かつ、良好な視野角依存性を有する、色変換方式の有機EL表示装置および有機EL表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1の基体である支持基体114の上に陰極112と有機発光層110と透明電極107とを積層させて有機発光素子部を形成し、第2の基体である支持基板101の上に有機発光層110からのエレクトロルミネッセンスを受けて蛍光を発する色変換フィルタ102、103、104を形成し、これらの第1の基体と第2の基体との間にギャップ材115を挿んで表示エリアを除く領域内に乾燥剤113を配置させる空間を確保する構成としているため、有機発光素子部と色変換フィルタの各々がお互いの製造工程により影響を受けることなく有機EL発光素子の製造が可能となり、有機発光素子部の発光特性や色変換フィルタの蛍光変換特性の良好な有機EL素子が得られる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL表示装置および有機EL表示装置の製造方法に関し、より詳細には、長期に渡る安定した発光特性を維持し、かつ、良好な視野角依存性を有する、色変換方式の有機EL表示装置および有機EL表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示デバイスに要求される特性は、高輝度・高コントラスト、低電圧駆動、高発光効率、高解像度、高視野性、高応答速度、画像の微細化およびカラー化、軽さおよび薄さ、などがあり、いわゆる「美・軽・薄・優」なフラットパネルディスプレイが期待されている。
【0003】
近年の情報の多様化の進行に伴って、固体撮像素子をはじめとする情報分野における表示デバイスには「美・軽・薄・優」といった特徴が強く求められるようになってきており、低消費電力・高速応答へ向けての活発な開発が進められており、特に、高精細なフルカラー表示デバイスの考案が広くなされている。
【0004】
有機分子の薄膜積層構造を備える有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」という)液晶表示素子等については、1980年の後半に、Tangらによって印加電圧10Vにおいて1000cd/m以上の高輝度が得られる積層型EL素子が報告(Appl.Phys.Lett.,51,p.913(1987))されて以降、良好な視野角依存性や高速応答性などの特長を有する有機EL素子の実用化に向けての研究が活発に行われるようになり、また、有機高分子材料を用いた同様の素子の開発も活発に進められている。
【0005】
有機EL素子は、低電圧で高い電流密度が実現できるために、無機EL素子や発光ダイオード(LED)に比べて高輝度および高効率の発光が期待できる。
【0006】
1997年の11月には、パイオニア社によって車搭載用の緑色モノクロ有機ELディスプレイが製品化され、今後は、多様化する社会のニーズに答えるべく、長期安定性、高速応答性、多色表示、高精細なフルカラー表示が可能な有機ELディスプレイの実用化が急がれている。
【0007】
有機ELディスプレイのマルチカラーまたはフルカラー化の方法としては、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の発光体をマトリクス状に分離配置し、それぞれの発光体を発光させる方法(特開昭57−157487号公報、特開昭58−147989号公報、特開平3−214593号公報など)がある。有機発光素子を用いてカラー化する場合、RGB用の3種の発光材料をマトリクス状に高精細で配置しなくてはならないため、技術的に困難で、安価に製造することができない。また、3種の発光材料の寿命が異なるために、時間とともに色度がずれてしまうなどの欠点を有している。
【0008】
また、白色で発光するバックライトにカラーフィルタを用い、3原色を透過させる方法(特開平1−315988号公報、特開平2−273496号公報、特開平3−194895号公報等)が知られているが、高輝度のRGBを得るために必要な長寿命、高輝度の白色の有機発光素子が未だ得られていない。
【0009】
発光体の発光を平面的に分離配置した蛍光体に吸収させ、それぞれの蛍光体から多色の蛍光を発光させる方法(特開平3−152897号公報等)も知られている。ここで、蛍光体を用いて、ある発光体から多色の蛍光を発光させる方法については、CRT、プラズマディスプレイらにも応用されている。
【0010】
また、近年では有機発光素子の発光域の光を吸収し、可視光域の蛍光を発光する蛍光材料をフィルタに用いる色変換方式が開示されている(特開平3−152897号公報、特開平5−258860号公報等)。有機発光素子の発光色は白色に限定されないため、より輝度の高い有機発光素子を光源に適用でき、青色発光の有機発光素子を用いた色変換方式(特開平3−152897号公報、特開平8−286033号公報、特開平9−208944号公報)は青色光を緑色光や赤色光に波長変換している。このような蛍光色素を含む蛍光変換膜を高精細にパターニングすれば、発光体の近紫外光ないし可視光のような弱いエネルギー線を用いてもフルカラーの発光型ディスプレイが構築できる。
【0011】
色変換フィルタのパターニングの方法としては、無機蛍光体の場合と同様に、蛍光色素を液状のレジスト(光反応性ポリマー)中に分散させてこれをスピンコート法などで成膜した後にフォトリソグラフ法でパターニングする方法(特開平5−198921号公報、特開平5−258860号公報)や、塩基性のバインダに蛍光色素または蛍光顔料を分散させてこれを酸性水溶液でエッチングする方法(特開平9−208944号公報)などがある。
【0012】
色変換方式の問題点は、目的の波長の蛍光に変換するための蛍光フィルタが、特定波長の光、水分、熱、有機溶剤に非常に弱く、これらにより容易に分解し機能を消失してしまうため、多色有機EL素子の製造法に制約が課せられることである。
【0013】
色変換方式の多色型有機EL素子の従来の作製プロセスは、例えば有機発光素子部の陽極である透明電極ITOの形成工程(成膜、フォト工程)において、発生熱が色変換フィルタの変換特性(変換効率、色純度)を劣化させる。このために保護層の上に直接的に有機発光素子部を形成することが困難となる。
【0014】
この問題点を解決するために、いわゆる反転方式が提案されている。すなわち透明基板上に陰極を成膜し、次いで有機層、陽極、保護層および色変換フィルタを順次に形成する方式である。
【0015】
しかしながら、この方式では、色変換フィルタの作製時の湿式工程により有機発光層が劣化するという問題が起こる。有機発光層は周囲の環境、特に水分などによって影響を受け易く、水分により有機層の結晶化が促進されたり、水分が電極と有機発光層間に侵入して有機発光層と電極間に剥離を生じ、電圧を印加しても発光しないダークスポットと呼ばれる黒点が発生する。また反転方式の場合、素子のガラス基板上に陰極を作製するが、陰極と陽極は直交する必要があるため陰極のパターニング工程(フォト工程)が必要となる。Al−Liなどの低仕事関数金属を陰極に用いる場合、陰極材料が酸化し、電子注入性能が悪くなり、素子の発光効率が悪化する。
【0016】
この問題点を解決するために、第1の基体の上に陰極と有機発光層と透明電極を積層して有機発光素子部を形成する工程と、透明な第2の基体の上に有機発光層からのエレクトロルミネッセンスを受けて蛍光を発する色変換フィルタを形成する工程と、第1と第2の基体を有機発光素子部と色変換フィルタの両者が挟まれるように対向配置する工程が提案されている。(特開2001−93664号公報)
【0017】
一方、カラーディスプレイとして実用化する上で重要であるものは、精細なカラー表示機能であるとともに、長期安定なことである。(機能材料、Vol.18、No.2、p.96に記載)。しかし、有機EL素子は、一定期間駆動すると、電流−輝度特性等の発光特性が著しく低下するという欠点を有する。
【0018】
この発光特性の低下原因の代表的なものはダークスポットの成長である。このダークスポットとは発光欠陥点のことである。駆動時および保存中に酸化が進むとダークスポットの成長が進み発光面全体に広がる。
【0019】
このダークスポットは、素子中の酸素や水分による素子積層構成材料の酸化や凝集によるものと考えられており、その成長は、通電中はもちろん、保存中にも進行し、特に、素子の周囲に存在する酸素や水分により加速され、有機積層膜中に吸着物として存在する酸素や水分に影響され、素子作製時の部品に吸着している水分や製造時等における水分の浸入にも影響されると考えられている。従って、長期安定な発光特性を得るためには、ダークスポットの成長を充分に抑えることが必要である。
【0020】
上述したように、色変換フィルタは、樹脂中に色変換用の色素を混合したものであり、また、混合する色素の熱安定性の問題から、200℃を超える温度での乾燥が行えないことから、塗液中に含有している水分や、パターン形成工程中に混入した水分が保持された状態で色変換フィルタが形成される可能性が高い。色変換フィルタ内に保持された水分、あるいは、保存もしくは駆動中に保護層を通じて封止領域内に達し、ダークスポットの成長を促進する要因となる。
【0021】
本発明者らの研究によれば、ダークスポットの成長原因の主たるものの一つは、発光素子の陽極と陰極とに挾持される有機薄膜層中への水分、溶剤などの拡散に伴う、陽極あるいは陰極と有機薄膜層を構成する分子との、動作温度下での凝集や結晶化に因り誘起されるの密着性低下、もしくは陽極−陰極間距離の増大である。
【0022】
そこで、ダークスポットの成長を抑えるために、乾燥手段として気密容器内に乾燥剤として五酸化リンを配設して中空封止する方法(特開平3−261091号公報)、更にこの五酸化リンを含有する保護層及び封止層を積層した構造(特開平7−169567号公報)等が提案されているが、水分によって燐酸となり、有機積層体に悪影響を及ぼすことがある。更に、乾燥剤を含有した不活性液体を積層体上と気密容器内に充填させる方法(特開平5−041281号公報,特開平9−035868号公報)、感圧接着剤を用いた方法(米国特許第5,304,419号明細書)等が提案されている。
【0023】
図4は、従来の色変換フィルタを用いた有機発光素子の全体構造を説明するための図で、この図では、マルチカラーまたはフルカラーディスプレイとして使用するための複数の画素を有する有機発光素子のうちの1つの画素に相当する部分のみが図示されている。
【0024】
有機発光素子は、透明な支持基板401上に、赤、緑、青の染料または顔料からなる色変換フィルタ402、403、404と、平坦化層405と、保護層406とが順次積層され、更に、保護層406上にパターン形成されたITOなどの透明電極からなる陽極407と、正孔注入層408と、正孔輸送層409と、有機発光層410と、電子注入層411と、金属電極などからなる陰極412とが順次積層されて構成されている。こうして得られた有機発光素子は、乾燥窒素雰囲気で置換されたグローブボックス内(酸素および水分濃度10ppm以下)において、乾燥剤413を有機発光素子側に備える封止ガラス414をUV硬化接着剤で接着することで封止されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機発光層を備える基体と色変換層を備える基体とを張り合わせて有機EL発光素子を作製する場合には、その構造的もしくは空間的な制約から、従来のような乾燥剤を具備することができず、そのため、有機発光素子の長期信頼性にかけることとなるという問題がある。
【0026】
本発明は、この問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、長期にわたって安定した発光特性を維持し、かつ、良好な視野角特性を有する、色変換方式カラー有機EL表示装置および有機EL表示装置の製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、有機EL発光素子部を備える第1の基体と、該有機EL発光素子部からのEL発光を受光して蛍光を発する色変換フィルタを備える透明な第2の基体とを備え、前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向して配置されて構成された有機EL表示装置であって、前記第1または第2の基体の表示エリアを除く領域内に、無機系乾燥剤を備えていることを特徴とする。
【0028】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の有機EL表示装置において、前記無機系乾燥剤が、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物若しくはこれら酸化物の複合物であることを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の発明は、有機EL発光素子部を備える第1の基体と、該有機EL発光素子部からのEL発光を受光して蛍光を発する色変換フィルタを備える透明な第2の基体とを備え、前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向して配置されて構成された有機EL表示装置の製造方法であって、前記第1の基体の上に陰極と有機発光層と透明電極とを順次積層して有機発光素子部を形成する工程と、前記透明な第2の基体の上に色変換フィルタを形成する工程と、前記第1または第2の基体の表示エリアを除く領域内に無機系乾燥剤を形成する工程と、前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向するように前記第1と第2の基体とを配置し、該第1と第2の基体をギャップ材を介して封止する工程とを備えることを特徴とする。
【0030】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記無機系乾燥剤が、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物若しくはこれら酸化物の複合物であることを特徴とする。
【0031】
更に、請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の有機EL表示装置の製造方法において、前記無機系乾燥剤の形成が、塗布法、スクリーン印刷法、転写法のいずれかの方法で実行されることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子の構成例を説明するための図で、有機発光素子は、透明な支持基板101上に、赤、緑、青の染料または顔料からなる色変換フィルタ102、103、104と、平坦化層105と、保護層106とが順次積層されており、色変換フィルタ102、103、104を備える支持基板101の表示エリアを除く領域内に乾燥剤113が設けられている。ここで、乾燥剤113は、好ましくは、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物若しくはこれら酸化物の複合物である。
【0034】
一方、支持基体114である封止ガラスの上には、金属電極などからなる陰極112と、バッファ層116と、電子注入層111と、有機発光層110と、正孔輸送層109と、正孔注入層108と、パターン形成されたITOなどの透明電極からなる陽極107とが順次積層されて有機発光素子が備えられている。
【0035】
これらの支持基板101と支持基体114は、乾燥窒素雰囲気で置換されたグローブボックス内(酸素および水分濃度10ppm以下)で、有機発光素子部と色変換フィルタ102、103、104の両者が対向するように配置させた状態でギャップ材115を挿み、UV硬化接着剤で接着されて封止されている。
【0036】
この図に示すように、本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子においては、第1の基体である支持基体114の上に陰極と有機発光層と透明電極とを積層させて有機発光素子部を形成し、一方、第2の基体である支持基板101の上に有機発光層からのエレクトロルミネッセンスを受けて蛍光を発する色変換フィルタを形成し、これらの第1の基体と第2の基体との間にギャップ材115を挿んで乾燥剤113を配置させる空間を確保する構成としているため、有機発光素子部と色変換フィルタの各々がお互いの製造工程により影響を受けることなく有機EL発光素子の製造が可能となり、有機発光素子部の発光特性や色変換フィルタの蛍光変換特性の良好な有機EL素子が得られる。
【0037】
なお、図1に示した構成例では、乾燥剤113を透明な支持基板101上の表示エリアを除く領域内に備える構成としたが、支持基体114上の表示エリアを除く領域内に備える構成としてもよい。
【0038】
(実施例)
以下に、図1に示した構成の有機EL発光素子の作製手順を、図2および図3を用いて説明する。
【0039】
なお、図2は、有機EL発光素子の作製手順を説明するためのフローチャートである。また、図3は、有機EL発光素子の作製手順を説明するための概念図である。
【0040】
[青色フィルタの作製(図2:S201)]
透明な支持基板301であるコーニングガラス(50×50×1.1mm)の上に、青色フィルタ材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施し、青色フィルタの線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚6μmのラインパターンを得た。
【0041】
[緑色変換フィルタの作製(図2:S202)]
蛍光色素としてクマリン6(0.7重量部)を溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させ、更に、光重合性樹脂の「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させて塗布液を得た。この塗布溶液を、支持基板301の上にスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフ法により、パターニングを実施して、緑色変換フィルタの線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
【0042】
[赤色変換フィルタ層の作製(図2:S203)]
蛍光色素としてクマリン6(0.6重量部)、ローダミン6G(0.3重量部)、ベーシックバイオレット11(0.3重量部)を、溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120重量部へ溶解させ、更に、光重合性樹脂の「V259PA/P5」(商品名、新日鐵化成工業株式会社)100重量部を加えて溶解させて塗布液を得た。
【0043】
この塗布溶液を、支持基板301上にスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施して、赤色変換フィルタの線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパターンを得た。
【0044】
[平坦化層および保護層の作製(図2:S204、S205)]
このようにして作製された色変換フィルタの上に、UV硬化型樹脂(エポキシ変性アクリレート)をスピンコート法にて塗布後、高圧水銀灯にて光照射して膜厚5μmの平坦化層を形成した。
【0045】
この平坦化層上に、スパッタ法にてSiO膜を300nm堆積させて保護層を形成した。
【0046】
[乾燥剤層の形成(図2:S206)]
色変換保護層形成後、乾燥剤であるCaO粉末をスクリーン印刷用のペーストに混合して、支持基板301上の表示エリアを除く領域に対応する位置にスクリーン印刷法で乾燥剤層313を形成した。
【0047】
具体的には、乾燥剤を20部として、印刷用の塗布溶液としてエチルセルロース5重量部をα−テルピネオールに溶解させ、印刷用スクリーンとしてステンレス製(80〜100メッシュ)を使用し、150℃、真空中で加熱した。加熱後の乾燥剤の膜厚は20μmである。
【0048】
なお、乾燥剤層313の形成は、スクリーン印刷法に限定されるものではなく、塗布法や転写法などの直接形成方法であればよい。
【0049】
[有機EL素子基体の作製(図2:S207)]
封止ガラス314を抵抗加熱蒸着装置内に設置し、1×10−4Paの減圧下で膜厚約100nmのAl電極を陰極として成膜した。この陰極をフォトリソグラフ法によって2mmライン、0.5mmピッチのパターニングを行った後、再度抵抗加熱蒸着装置内に設置し、LiFからなるバッファ層を10nmの厚さに形成し、次いで、有機層を形成した。
【0050】
この有機層は、電子注入層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層の4層構造とし、これらを順次成膜した。正孔注入層は銅フタロシアニン(CuPc)を100nm、正孔輸送層は4,4″−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル((α−NPD)を20nm積層した。また、発光層は4,4″−ビス(2,2ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を積層した。更に、電子注入層はアルミキレート(Alq)を20nm積層した。
【0051】
これらの成膜終了後、Alラインと垂直に、2mmライン、0.5mmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて、電子線蒸着法によって透明電極の成膜を実施して、封止ガラス314上に有機発光素子317を形成した。
【0052】
[基体同士の貼り合わせ(図2:S208)]
こうして得られた支持基板301と封止ガラス314を、乾燥窒素雰囲気に置換したグローブボックス内(酸素および水分濃度10ppm以下)で、ギャップ材315を挿みながら、UV硬化接着剤を用いて貼り合わせ接着する。なお、張り合わせ時における位置あわせは、CCDカメラを用いて行った。
【0053】
このようにして作製した有機EL素子の特性評価を行ない、色変換フィルタの変換効率、有機発光層のエレクトロルミネッセンス、および、長期安定性のいずれもが良好であることを確認した。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1の基体である支持基体の上に陰極と有機発光層と透明電極とを積層させて有機発光素子部を形成し、一方、第2の基体である支持基板の上に有機発光層からのエレクトロルミネッセンスを受けて蛍光を発する色変換フィルタを形成し、これらの第1の基体と第2の基体との間にギャップ材を挿んで表示エリアを除く領域内に乾燥剤を配置させる空間を確保する構成としたので、長期に渡る安定した発光特性を維持し、かつ、良好な視野角依存性を有する、色変換方式の有機EL表示装置および有機EL表示装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子の構成例を説明するための図である。
【図2】本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子の作製手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の有機EL表示装置を構成する有機EL発光素子の作製手順を説明するための図である。
【図4】従来の色変換フィルタを用いた有機発光素子の全体構造を説明するための図である。
【符号の説明】
101、301、401 支持基板
102、103、104、402、403、404 色変換フィルタ
105、405 平坦化層
106、406 保護層
107、407 陽極
108、408 正孔注入層
109、409 正孔輸送層
110、410 有機発光層
111、411 電子注入層
112、412 陰極
113、413 乾燥剤
114 支持基体
115、315 ギャップ材
116 バッファ層
313 乾燥剤層
314、414 封止ガラス
317 有機発光素子

Claims (5)

  1. 有機EL発光素子部を備える第1の基体と、該有機EL発光素子部からのEL発光を受光して蛍光を発する色変換フィルタを備える透明な第2の基体とを備え、前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向して配置されて構成された有機EL表示装置であって、
    前記第1または第2の基体の表示エリアを除く領域内に、無機系乾燥剤を備えていることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記無機系乾燥剤が、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物若しくはこれら酸化物の複合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 有機EL発光素子部を備える第1の基体と、該有機EL発光素子部からのEL発光を受光して蛍光を発する色変換フィルタを備える透明な第2の基体とを備え、前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向して配置されて構成された有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記第1の基体の上に陰極と有機発光層と透明電極とを順次積層して有機発光素子部を形成する工程と、
    前記透明な第2の基体の上に色変換フィルタを形成する工程と、
    前記第1または第2の基体の表示エリアを除く領域内に無機系乾燥剤を形成する工程と、
    前記有機EL発光素子部と前記色変換フィルタとが対向するように前記第1と第2の基体とを配置し、該第1と第2の基体をギャップ材を介して封止する工程とを備えることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  4. 前記無機系乾燥剤が、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物若しくはこれら酸化物の複合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  5. 前記無機系乾燥剤の形成が、塗布法、スクリーン印刷法、転写法のいずれかの方法で実行されることを特徴とする請求項3または4に記載の有機EL表示装置の製造方法。
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