JP5357049B2 - 癌の治療のためのフォスフォルアミデートアルキル化剤プロドラッグ - Google Patents

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Description

関連する出願への相互参照
本願は、2006年12月26日に出願された米国特許出願第60/871,865号に対する優先権を主張する。米国特許出願第60/871,865号は、本明細書中に参考として援用される。
本発明は、低酸素状態活性化プロドラッグ単独で、および他の抗癌剤および治療法と組み合わせて、癌および他の超増殖性病態を治療するための組成物および方法を提供し、したがってさらに、医学、薬理学、化学、および生物学の諸分野にも関する。
癌の治療はチャレンジングである。なぜなら、正常の細胞をまったく冒さず、または冒す程度を低く抑えて癌細胞を殺すのは困難だからである。癌治療中、正常な細胞を殺すこと、または殺さないまでも有害作用を及ぼすことは、患者に副作用を引き起こす可能性がある。癌細胞は、その酸素吸収のレベルが、ある種の正常細胞と異なり、正常細胞よりもより低酸素過敏である場合がある。現在、いくつかの薬剤が、低酸素過敏癌細胞を標的することによって癌を治療するために臨床で使われている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4を参照されたい。なお、これらをそれぞれ、引用により本明細書に含める。癌を治療するための組成物および方法は依然として求められている。本発明は、下記に概略するように、フォスフォルアミデートアルキル化剤プロドラッグTH302、および、その他、このようなフォスフォルアミデートアルキル化剤プロドラッグに関連する、組成物および方法を提供することによって、これらの要求に応える。
国際公開第00/64864号パンフレット 国際公開第04/087075号パンフレット 国際公開第07/002931号パンフレット 米国特許出願公開第2007/0032455号明細書
一局面において、本発明は、TH302と呼ばれる化合物、または薬学的に受容可能なその塩;および、薬学的に受容可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む、薬学的に受容可能な処方に関する。一実施態様では、薬学的に受容可能な本処方は、TH302、および、賦形剤として、スクロースを含む。別の実施態様では、本発明は、TH302およびエタノールを含む、TH302の安定処方を提供する。各種実施態様において、本溶液は、TH302、エタノール、および、5%以下の他の任意の溶媒、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、もっとも好ましくは0.5%以下、または0.1%以下の、エタノール以外の溶媒を含む。本処方は、患者への投与前に(例えば、水性賦形剤で)希釈してもよい。いくつかの実施態様において、本発明は、フォスフォルアミデートアルキル化剤の、他の、低酸素状態活性化プロドラッグ、例えば、ただし限定されないが、TH281と呼ばれる化合物、および、国際公開第07/002931号に記載されるものなどを含む、薬学的に受容可能な処方を提供する。TH302およびTH281の構造を下記に示す:
Figure 0005357049
別の局面では、本発明は、TH302の薬学的に受容可能な処方の単位用量を提供する。一実施態様では、薬学的に受容可能な処方の単位用量は、約25mg〜約250mg、または約50mg〜約150mgのTH302を含む。一実施態様では、単位用量は、約100mgのTH302を含む。一実施態様では、本発明は、約100mgの凍結乾燥TH302を含む、単位用量処方を提供する。一実施態様では、本発明は、エタノールに溶解したTH302(例えば、約100mg)を含む、単位用量処方を提供する。
別の局面では、本発明は、癌の治療法であって、そのような治療を必要とする患者に対し、約4mg/m〜約1600mg/m、約8mg/m〜約800mg/m、約16mg/m〜約400mg/m、または約32mg/m〜約200mg/mの範囲内の治療的有効量のTH302を投与することによって癌を治療する方法を提供する。一実施態様では、TH302は、静脈内(i.v.)投与によって投与される。一実施態様では、TH302は経口投与によって投与される。一実施態様では、治療的有効量のTH302は、1日当たり少なくとも1回、1週当たり少なくとも1回、2週当たり少なくとも1回、または1月当たり少なくとも1回の頻度で投与される。TH302は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、または、最大少なくとも24週間の期間投与されてもよい。ある実施態様では、さらに長い投与期間が用いられる。
一実施態様では、治療される癌は、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、すい臓癌、および前立腺癌から選ばれる。別の実施態様では、治療される癌は、骨髄癌、肺癌、肝臓癌、リンパ節癌、および卵巣癌から成る群から選ばれる、転移癌である。
ある実施態様では、TH302は、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、およびイリノテカンから成る群から選ばれる、別の抗癌剤と組み合わせて投与されるか、または、放射線治療などの抗癌治療と組み合わせて投与される。
一実施態様では、本発明は、TH302以外の、低酸素状態活性化フォスフォルアミデートアルキル化剤プロドラッグで、例えば、ただしこれらに限定されないが、TH281、および国際公開第07/002931号に記載されるものを含む、本発明の薬学的に受容可能な処方を投与することによって癌を治療する方法を提供する。
上記およびその他の局面および実施態様は、本発明の添付の図面および詳細な説明に記載される。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
TH302、または薬学的に受容可能なその塩、および、スクロースを含む、薬学的に受容可能な処方。
(項目2)
TH302、または薬学的に受容可能なその塩、および、エタノールを含む、薬学的に受容可能な処方。
(項目3)
項目1に記載の処方の単位用量。
(項目4)
項目2に記載の処方の単位用量。
(項目5)
約25mgから約250mgのTH302を含む、項目3に記載の単位用量。
(項目6)
約25mgから約250mgのTH302を含む、項目4に記載の単位用量。
(項目7)
約50mgから約150mgのTH302を含む、項目3に記載の単位用量。
(項目8)
約100mgのTH302を含む単位用量であって、前記単位用量は凍結乾燥される、項目7に記載の単位用量。
(項目9)
癌の治療法であって、そのような治療を必要とする患者に対し、約4mg/m から約1600mg/m の範囲内の量としてTH302を投与することを含む方法。
(項目10)
前記投与されるTH302の量が、約8mg/m から約800mg/m の範囲内にある、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記投与されるTH302の量が、約16mg/m から約400mg/m の範囲内にある、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記投与されるTH302の量が、約32mg/m から約200mg/m の範囲内にある、項目10に記載の方法。
(項目13)
TH302が静脈内に投与される、項目9に記載の方法。
(項目14)
TH302が経口的に投与される、項目9に記載の方法。
(項目15)
TH302が、1日当たり少なくとも1回から、1月当たり少なくとも1回の範囲内にある頻度で投与される、項目14に記載の方法。
(項目16)
TH302が、1週当たり少なくとも1回の頻度で投与される、項目15に記載の方法。
(項目17)
TH302が、少なくとも1週間の期間投与される、項目9に記載の方法。
(項目18)
TH302が、少なくとも3週間の期間投与される、項目17に記載の方法。
(項目19)
TH302が、少なくとも24週間の期間投与される、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記治療される癌が、乳癌、結腸直腸癌、すい臓癌、および前立腺癌から成る群から選ばれる、項目9に記載の方法。
(項目21)
前記癌が、骨髄癌、肺癌、肝臓癌、リンパ節癌、および卵巣癌から成る群から選ばれる転移癌である、項目9に記載の方法。
(項目22)
前記TH302が、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、およびイリノテカンから成る群から選ばれる、別の抗癌剤と組み合わせて投与されるか、または、放射線治療と組み合わせて投与される、項目9に記載の方法。
(項目23)
前立腺癌を有する患者を治療する方法であって、該患者に対し、約4mg/m から約1600mg/m の範囲内の量としてTH302を投与することを含む方法。
(項目24)
前記患者がさらにドセタキセルによって治療される、項目23に記載の方法。
(項目25)
転移癌を有する患者を治療する方法であって、該患者に対し、約4mg/m から約1600mg/m の範囲内の量としてTH302を投与することを含む方法。
(項目26)
前記患者がさらにイリノテカンによって治療される、項目25に記載の方法。
異なるレベルの酸素濃度下における50mg/kg TH302による処理後の生存率(SF)を示す。下記の実施例6を参照されたい。異なる符合は、個々の動物を表す。 H460異種移植腫瘍担持マウスの癌治療において、TH302の静脈内投与の効力を示す。 H460異種移植腫瘍担持マウスの癌治療において、放射線、例えば、X−線と組み合わせて投与されるTH302は、X−線の抗癌作用を強化することを示す。グラフ基底部の矢印は、薬剤および放射線が投与された日にちを示す。下記の実施例9を参照されたい。
本発明の局面および実施態様の詳細な説明は、下記のセクションに組織的に配置される。セクションIは、本明細書で使用される用語の定義を提示する。セクションIIは、本発明の薬学的に受容可能な処方を記載する。セクションIIIは、本発明の治療法を提供する。セクションIVは、本発明の、例示の薬学的に受容可能な処方および治療法を提供する。この詳細な説明が、セクションに分けて組織的に配置されるのは、読者の都合のためだけであって、いずれのセクションに見られる開示であれ、それは、本明細書の別箇所の開示にも適用が可能である。
I.定義
下記の定義は、読者を助けるために提供される。別様に定義されない限り、本明細書で用いられる、全ての専門用語、表示、およびその他の、科学的または医学的名称または専門語は、化学的、医学的分野における当業者によって一般的に理解される意味を有することが意図される。ある場合、一般的に理解される意味を持つ用語とは、本明細書では、分かり易さ、および/または簡単な参照のために定義されるものであるが、本明細書にこのような定義を含めることを、当該技術分野で一般的に理解される、その用語の定義とは事実上異なるものを表すと思量してならない。
「約」とは、ある量の±20%を指し、例えば、ただしこれらに限定されないが、その量の±15%、±10%、および±5%を含む。
患者(および、この語句の語法的等価物)に対して薬剤を「投与する」または「投与」とは、患者に対する医療専門家による投与、または自己投与であってもよい直接的投与、および/または、薬剤を処方する行為であってもよい間接的投与を指す。例えば、患者に、薬を自己投与するよう指令する、および/または、患者に、薬の処方を提供する医師は、その患者に対しその薬を投与している。
「癌」とは、白血病、リンパ腫、および、浸潤によって局所的に、転移によって全身的に拡大する可能性を持つ、無制限な増殖の可能性を持つ、他の悪性腫瘍を指す。癌の例としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、副腎、骨、脳、乳房、気管支、結腸および/または直腸、胆嚢、頭部および頸部、腎臓、咽喉、肝臓、肺、神経組織、すい臓、前立腺、副甲状腺、皮膚、胃、および甲状腺の癌が挙げられる。他の、いくつかの癌の例としては、例えば、急性および慢性リンパ球および顆粒球腫瘍、腺癌、アデノーマ、基底細胞癌、子宮頸部異形成およびインシトゥ癌腫、ユーイング肉腫、類表皮癌、巨細胞腫、グリア芽細胞多形腫、毛細胞腫瘍、小腸神経節細胞腫、過形成角膜神経腫瘍、島細胞癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、白血病、リンパ腫、悪性カルチノイド、悪性メラノーマ、悪性高カルシウム血症、マルファン体型腫瘍、髄様癌腫、転移皮膚癌、粘膜神経腫、骨髄腫、菌状息肉腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、骨原性および他の肉腫、卵巣腫瘍、クロム親和細胞腫、真性赤血球増加症、一次脳腫瘍、小細胞肺腫瘍、潰瘍型および乳頭型両扁平上皮癌、過形成、セミノーマ、軟部組織肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、腎細胞腫瘍、局所皮膚病変、細網肉腫、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。
「超増殖疾患」とは、細胞の超増殖(例えば、異常な増加率または量の細胞増殖)によって特徴づけられる疾患を指す。癌以外の、超増殖疾患の例としては、例えば、ただしこれらに限定されないが、アレルギー性血管炎および肉芽腫症(Churg−Strauss病)、石綿症、喘息、萎縮性胃炎、良性前立腺過形成、水泡性類天疱瘡、腹部疾患、慢性気管支炎、および慢性閉塞性気道疾患、慢性副鼻腔炎、クローン病、脱髄性ニューロパシー、皮膚筋炎、アトピー性皮膚炎を含む湿疹、耳管の疾患、巨細胞性動脈炎、移植拒絶、過敏性肺炎、過敏性血管炎(ヘノッホ−シェーンライン紫斑病)、刺激性接触皮膚炎、炎症性溶血貧血症、炎症性好中球減少血症、炎症性腸疾患、川崎病、多発性硬化症、心筋炎、筋炎、鼻腔ポリープ、鼻涙管の疾患、新生物血管炎、膵炎、尋常天疱瘡、一次糸球体腎炎、乾癬、歯周病、多嚢胞性腎臓病、結節性多発動脈炎、多発性血管炎オーバーラップ症候群、一次硬化胆管炎、慢性関節リューマチ、血清病、手術癒着、狭窄症または再発狭窄症、強膜炎、強皮症、胆管狭窄、(十二指腸、小腸、および結腸の)狭窄、珪肺および他の形の塵肺、I型糖尿病、潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、結合組織障害を伴う脈管炎、補体系の先天的欠損に関連する脈管炎、中枢神経系の脈管炎、およびヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられる。
「患者」とは、癌の治療を必要とする哺乳動物を指す。一般に、患者はヒトである。患者は、非ヒト哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、ブタなどであってもよい。患者はまた、薬剤および治療法のスクリーニング、特徴解明、および評価に使用される、マウスまたはラットなどの非ヒト動物であってもよい。
「薬学的に受容可能な担体、賦形剤、または希釈剤」とは、一般に安全で、無毒であり、生物学的にも、他の点でも、不快なことのない製薬組成物を調製するのに有用な担体、賦形剤、または希釈剤を指し、例えば、ヒトの薬学的使用の外、獣医学的使用にも受容可能な担体、賦形剤、または希釈剤などが挙げられる。「薬学的に受容可能な担体、賦形剤、または希釈剤」は、一つと、一つを超えるの、両方の、そのような担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
「薬学的に受容可能な塩」とは、本発明に記載される化合物の上に認められる特定の置換基に依存して、比較的無毒な酸または塩基を伴って調製される、該活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が、比較的酸性度の高い官能基を含む場合、その化合物の中和形を、十分量の所望の塩基と、生のままで、または、適切な不活性溶媒に溶解して接触させることによって、塩基添加塩を獲得することが可能である。薬学的に受容可能な無機塩基から得られる塩の例としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、亜マンガン酸塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩が挙げられる。薬学的に受容可能な有機塩基から得られる塩としては、一次、二次、および三次アミンの塩、例えば、置換アミン、環状アミン、天然アミンなど、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルフォリン、ピペラジン、ピペラディン、ポリアミン樹脂類、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどがある。本発明の化合物が、比較的塩基度の高い官能基を含む場合、その化合物の中和形を、十分量の所望の酸と、生のままで、または、適切な不活性溶媒に溶解して接触させることによって、酸添加塩を獲得することが可能である。薬学的に受容可能な酸添加塩の例としては、無機酸、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素酸、リン酸、リン酸一水素酸、リン酸二水素酸、硫酸、硫酸一水素酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの外、比較的無害な有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマール酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トリルスルフォン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルフォン酸などから得られる塩が挙げられる。さらに含まれるものとしては、アミノ酸の塩、例えば、アルギン酸塩など、有機酸の塩、例えば、グルクロン酸、またはガラクツノル酸などの塩がある(例えば、Berge,S.M.,et al.,“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1−19を参照されたい)。本発明の、いくつかの特異的化合物は、塩基性および酸性両方の官能基を含み、そのため、該化合物は、塩基添加塩、または酸添加塩のいずれかに変換することが可能である。この化合物の中和形は、該塩を、塩基または酸と接触させ、従来の方法にしたがって親化合物を単離することによって再生することが可能である。化合物の親形は、ある種の物理的特性において、例えば、極性溶媒における可溶性において、各種塩形とは異なるが、他の点では、化合物の塩は、本発明の目的のためには、化合物の親形と等価である。
「プロドラッグ」とは、投与後、代謝またはその他のやり方を通じて、少なくとも一つの特性に関して、生物学的に活性な、またはより活性な化合物(または薬剤)に変換される化合物を指す。薬剤に対してプロドラッグは、該薬剤よりも活性を低くするか、または不活性化するようなやり方で化学的に修飾されるが、その化学的修飾は、対応薬剤が、プロドラッグの投与後、代謝、または別の生物学的プロセスによって生成されるように行われる。活性薬剤に比べ、プロドラッグは、代謝安定性または輸送特徴が変更されているか、副作用が少ないか、または毒性が低いか、または、匂いが改善されていてもよい(例えば、参考文献のNogrady,1985,Medicinal Chemistry A Biochemical Approach,Oxford University Press,New York,pages 388−392を参照されたい、なお、引用により本明細書に含める)。プロドラッグは、対応薬剤以外の反応分子を用いて合成してもよい。
一つの症状、または複数の症状(および、この語句の語法的等価物)の「軽減」とは、症状(単数または複数)の重度または頻度の低下、または、症状(単数または複数)の根絶を指す。
薬剤の「治療的有効量」とは、癌または別の超増殖性疾患に罹患する患者に投与された場合、所期の治療作用、例えば、該患者における癌または別の超増殖性疾患の、一つ以上の兆候の、緩和、寛解、軽減、または根絶をもたらす、薬剤の量を指す。治療作用は、必ずしも1用量の投与によって起こる必要はなく、一連の用量を投与した後始めて起こってもよい。したがって、治療的有効量は、1回以上の投与において投与されてもよい。
病態または患者を「治療する」または「治療」とは、臨床結果を含め、有益な、または所望の結果を獲得するために必要手順を取ることを指す。本発明のためには、有益または所望の臨床結果として、例えば、ただしこれらに限定されないが、癌または別の超増殖性疾患の一つ以上の症状の緩和または寛解;病気の程度の低下;病気の進行の遅延または緩徐化;病状の寛解、軽減、または安定化;または他の有益な結果が挙げられる。
II.薬学的に受容可能な処方
一局面において、本発明は、TH302と呼ばれる化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を、薬学的に受容可能な担体、賦形剤、または希釈剤と共に含む、薬学的に受容可能な処方に関する。TH302は、PCT特許出願公開第WO07/002931号に記載される。なお、この文書を引用により本明細書に含める。一実施態様では、この薬学的に受容可能な処方は、TH302、および、賦形剤として、スクロースを含む。TH302のこのような処方は、下記の実施例1に記載される。別の実施態様では、薬学的に受容可能な処方は、TH302、またはその薬学的に受容可能な塩の、エタノール溶液である。TH302の、このような安定なエタノール処方は、実施例2に記載される。
一実施態様では、薬学的に受容可能な本処方は、TH281、および、賦形剤として、スクロースを含む。別の実施態様では、薬学的に受容可能な処方は、TH281、またはその薬学的に受容可能な塩の、エタノール溶液である。TH302およびTH281の構造は下記に示される。
Figure 0005357049
他の実施態様では、本発明は、国際公開第07/002931号に記載される、フォスフォルアミデートアルキル化剤の、低酸素状態活性化プロドラッグを含む、薬学的に受容可能な処方を提供する。
別の局面では、本発明は、単位用量の、TH302の薬学的に受容可能な処方を提供する。一実施態様では、薬学的に受容可能な本処方の単位用量は、約25mgから約250mgのTH302、または約50mgから約150mgのTH302を含む。一実施態様では、単位用量は、約100mgのTH302を含む。一実施態様では、本発明は、約1mgの凍結乾燥TH302を含む。適切な単位用量の、薬学的に受容可能なTH302処方は、下記の実施例1に記載される。
III.治療法
別の局面では、本発明は、癌の治療法であって、そのような治療を必要とする患者に対し、約4mg/m〜約1600mg/m、約8mg/m〜約800mg/m、約16mg/m〜約400mg/m、または約32mg/m〜約200mg/mの範囲内の治療的有効量のTH302を投与することによって癌を治療する方法を提供する。別の実施態様では、TH302は、約4mg/m〜約400mg/m、約8mg/m〜約200mg/m、約16mg/m〜約120mg/m、または約32mg/m〜約80mg/mの範囲内の治療的有効量としてヒトの患者に投与してもよい。抗腫瘍作用を持つ、治療的有効なTH302の投与を示す動物実験が下記の実施例(例えば、実施例4−9)に記載される。ヒトの治験プロトコールは、下記の実施例13に記載される。
一実施態様では、TH302は、i.v.投与によって投与される。癌治療のためのTH302の有効i.v.投与は、図2にグラフ的に記述される。一実施態様では、TH302は、経口投与によって投与される。TH302経口投与の効率的バイオアベイラビリティは、実施例11に記載される。
一実施態様では、治療的有効量のTH302は、1日当たり少なくとも1回、1週当たり少なくとも1回、2週当たり少なくとも1回、1月当たり少なくとも1回まで、の頻度で投与される。TH302は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、または、最大すくなくとも24週間の期間投与される。ある実施態様では、さらに長い投与期間が用いられる。本発明による効果的癌治療のためのTH302投与の、種々の頻度および期間は、例えば、下記の実施例4〜11および13に記載される。
一実施態様では、治療される癌は、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、すい臓癌、および前立腺癌から選ばれる。別の実施態様では、治療される癌は、骨髄癌、肺癌、肝臓癌、リンパ節癌、および卵巣癌から成る群から選ばれる、転移癌である。
一実施態様では、TH302は、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、またはイリノテカンから成る群から選ばれる、別の抗癌剤と組み合わせて投与される。別の抗癌剤、または別の抗癌治療法と組み合わせたTH302の投与は、例えば、下記の実施例4〜9に記載される。
特定実施態様では、本発明は、前立腺癌の患者を治療する方法であって、該患者に対して治療的有効量のTH302(例えば、約4mg/m〜約1600mg/mの範囲内)を投与することによる方法を提供する。一実施態様では、患者はさらに、ドセタキセルによって治療される。
別の特定実施態様では、本発明は、転移癌の患者を治療する方法であって、該患者に対して治療的有効量のTH302(例えば、約4mg/m〜約1600mg/mの範囲内)を投与することによる方法を提供する。一実施態様では、患者はさらに、イリノテカンによって治療される。
一実施態様では、本発明は、本発明の薬学的に受容可能な処方を投与する癌の治療法であって、TH302以外の、低酸素状態活性化フォスフォルアミデートアルキル化剤プロドラッグ、例えば、ただしこれらに限定されないが、TH281、および国際公開第07/002931号に記載されるものなどを投与することを含む方法を提供する。
これまでに概要および詳細において記載された本発明は、下記の実施例によって具体的に説明されるが、それらによって限定はされない。実施例は、本発明のTH302の薬学的に受容可能な処方を提示し、本発明による癌の治療におけるTH302の効力を実証する。
IV.実施例
(実施例1)
TH302の凍結乾燥単位用量処方
TH302(100mg)およびスクロース(1g)の溶液を、凍結乾燥バイアルに加え、凍結乾燥して、TH302の凍結乾燥単位用量剤形を得た。ヒト投与のために、単位用量剤形を、DW5に溶解し、この溶液の適切量を患者に投与した。
(実施例2)
TH302のエタノール処方
TH302を純粋アルコールに溶解し、5%TH302の、薬学的に受容可能な液体処方を得た。本明細書で用いるTH302の5%溶液は、100mLの溶媒(例えば、エタノール)中に5gのTH302を含む。
TH302のエタノール処方の安定性は下記のように実証した。エタノールに溶解したTH302の液体処方は、1mLの該溶液中に1mgのTH302を含むものとして調製した。この処方から分液を採取し、エタノールで希釈し、TH302のエタノール液の40μg/mL処方を得、これを、20℃および30℃でインキュベートし、安定性を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析した。HPLCは、下記の成分および条件を用いた:カラム(Alltech,Alltima C18,50×4.6,3μm)、移動相(水およびアセトニトリル)、流速0.8mL/分、注入容量(10μL)、検出(325nmおよび254nmにおけるUV検出)、およびカラム温度(室温)。移動相の組成は下記に表として掲げた。
Figure 0005357049
安定性結果は、下記に表として掲げた。
Figure 0005357049
結果は、試験条件下において、TH302のエチルアルコール液は20℃で安定であることを示す。
(実施例3)
TH302の合成および/または精製法の実証
TH302は、国際公開第07/002931号(引用により本明細書に含める)の実施例6,8、および22〜26に記載の通りに、合成し、不要の反応物質から分離することが可能である。カラムクロマトグラフィーによるTH302の分離に有用な溶出液としては、上記の国際公開第07/002931号の実施例6に記載される、アセトン/トルエン系溶出液、および、5%ヘキサン/酢酸エチル−5%MeOH/酢酸エチルが挙げられる。これらの方法にしたがって、API等級TH302が、Syngene,Indiaによって製造された。これらの合成法は、下記のように改変することが可能である。リン酸化剤として、POClの代わりに、POBrを使用することが可能である。リン酸化剤としてPOClを使用する場合、中間産物ClP(=O)(NHCHCHBr)(1当量)の加水分解は、NaBr(10当量)水溶液を用いて実行することが可能である。
(実施例4)
癌治療における、イリノテカンと組み合わせたTH302効力の実証
TH302およびイリノテカン(CPT−11)は、下記のように処方した:TH302は生理的食塩水に溶解し(7.5mg/mL)、CPT−11は2%Tween80−生理的食塩水に溶解した(5mg/mL)。この処方を、0.2μmフィルターでろ過し、次いで、作製の1時間後に動物に送達した。HT29ヒト結腸直腸癌細胞を、50%マトリゲルおよび50%RPMI1640媒体に調製し、該細胞を(3×10細胞)90匹のマウスの右横腹の皮下の空間に接種した(0.2mL/1匹)。移植後12日目に、腫瘍体積は、約160mmに達した。同様の腫瘍サイズを持つ72匹の動物を選び、ランダム化後治療した。残りのマウスは、治療無しコントロールとして用いた。
マウスに、TH302を75mg/kgで、週1回2週間、静注(Q7D×2、i.v.)単独、および、CPT−11、50mg/kg(Q7D×3、腹腔内(i.p.))と組み合わせて、投与した。マウスの治療群のいずれも、予想外の体重減少を示さなかった。投与開始後、腫瘍体積を週に2度測定した。29日目、ベヒクル(5%DMSO、5%Tween80−D5W、2%Tween80−生理的食塩水)を投与されたコントロールに比べ、併用治療を受けたマウスでは、腫瘍について50%の腫瘍増殖抑制が見られた。CPT−11だけを投与されたマウスでは、すなわち、CPT−11単一治療を受けたマウスでは、マウスのコントロール群に比べ、41%の腫瘍増殖抑制が観察された。
ヒト投与のために有効な用量は、マウス用量から、該マウス用量を12.3で割ることによって推定することが可能である。したがって、本発明の一実施態様では、TH302を、癌治療のために、ヒトに対し、75/12.3mg/kg、すなわち、約6mg/kgの量として投与してもよい。mg/kgで表されるヒトの用量は、そのmg/kg用量に40を掛けることによってmg/mに変換することが可能である。したがって、本発明の一実施態様では、TH302を、癌治療のために、ヒトに対し、約240mg/mの量として投与してもよい。同じ変換係数を用い、ヒトにおける癌治療に有効なTH302の用量は、実施例2〜9に記載される、マウスについて得られた有効量から推定することが可能である。
(実施例5)
卵巣癌治療におけるTH302の効力の実証
40匹のヌードマウスの皮下に、IGROV1ヒト卵巣癌細胞を植えつけた(5×10細胞/マウス)。腫瘍体積を、7日目から始めて週に2度測定した。8日目、腫瘍体積は、約97.7±3.9mmに達した。マウスを、三つの治療群にランダムに割り当てた。治療群には下記を投与した:CDDP(4mg/kg、ip、Q7D×2)、CDDP(6mg/kg,i.p.、Q7D×2)、およびTH302(75mg/kg、i.v.、Q7D×2)。マウスのコントロール群には生理的食塩水を投与した。両用量におけるCDDPによる治療は、腫瘍体積において有意な低下を示さなかったけれども、TH302治療の方は、有意な増殖抑制を示した(P<0.05)。TH302の第1回投与の45日後、腫瘍増殖抑制は66%であった。腫瘍増殖遅延(300mmまで)は19日であった。マウスは、治療期間中体重増加を示し、TH302の投与は、投与量において安全であることを示した。本実施例は、卵巣癌の治療において、TH302単独の、すなわち、単一治療の効力を実証する。
(実施例6)
低酸素腫瘍細胞の殺作用におけるTH302の効力の実証
H460ヒト非小細胞癌(NSCLC)細胞を、PRIM媒体に溶解させた30%または50%マトリゲルにおいて調製した。次に、50%マトリゲルに縣濁させた2×10細胞を、35匹のマウスの右横腹皮下に植えつけ、30%マトリゲルに縣濁させた0.5×10細胞を同様に30匹のマウスに植えつけた。同じ大きさ、好ましくは〜300mmの腫瘍を担うマウスをTH302投与のために選んだ。TH302は、生理的食塩水液として処方し、単回用量を50mg/kgで静注投与した。
投与前、マウスを95%および10%Oチェンバーに30分置き、治療直後、該チェンバーに2時間戻した。治療の24時間後、腫瘍を取り出した。腫瘍組織を細かく切り刻み、その細切組織を、酵素カクテルで、攪拌しながら37℃で15分消化することによって単一細胞を得、40μmの滅菌マッシュでろ過した。細胞数をコールターカウンターでカウントした。連続希釈後、エルを、60または100mmのペトリ皿に移し、37℃で8から10日インキュベートしコロニーを形成させた。クリスタルバイオレット(95%エタノールに溶解した0.25%液)による染色後、このコロニーをカウントした。コロニー形成率(PE)は、形成されたコロニーの数を、撒いた細胞の数で割ることによって計算した。生存率(SF)は、処理細胞のPEを、生理的食塩水コントロール処理細胞のPEで割ることによって計算した。
結果を、下記の図1に記載する。95%Oを呼吸するマウスの腫瘍から得られた腫瘍細胞は、もっとも高いSFを示した。21%O、10%O、95%Oを呼吸するマウスの腫瘍から得られる腫瘍細胞では、その平均SFは、それぞれ、5.76%、2.58%、および50.38%であった。この結果は、インビボで、低酸素状態が増加するにつれて、TH302の抗腫瘍効力が増すことを示す。
(実施例7)
同所移植前立腺腫瘍の治療におけるTH302効力の実証
本実験は、マウスに対し同所的に植えつけられた、PC−3ヒト前立腺腫瘍の治療におけるTH302の効力を実証する。同所的に植えつけられる腫瘍は、侵襲的で、未治療腫瘍を担う動物を殺す。緑色蛍光タンパク(GFP)PC3前立腺同所移植モデルにおいて、実験は、国際公開第07/002931(引用により本明細書に含める)の実施例55に記載されるものと同じやり方で実行され、ただし、ゲムシタビンの代わりに、Taxotere(登録商標)(12mg/kg)が週に1回2週間投与された。TH302の投与は、ベヒクル群の最終測定値(31日目)と比較すると、16日の腫瘍増殖遅延(TGD)、および84%の腫瘍体積の低下をもたらした。Taxotere(登録商標)単独は、31日のTGD、および、21±15mmの腫瘍後退をもたらしたが、一方、Taxotere(登録商標)と組み合わせたTH302によって治療された腫瘍は、16±8mmに後退した。この併用治療を受けたマウスの腫瘍が500mmの体積に達することは決してなかった。31日目を過ぎると、Taxotere(登録商標)で治療した腫瘍は増殖を始め、62日目には760mmの体積に達した。併用治療を受けたマウスの腫瘍は、Taxotere(登録商標)単独治療に比べ、より優れた予後を示し、180mmの体積に達した(Taxotere(登録商標)単独に対しP<0.01)。TH302およびTaxotere(登録商標)の併用で治療された8匹のマウスの内4匹は、検出可能なGFP発現を示さず、治癒と見なされた。これらの結果は、化学療法と組み合わされたTH302は、癌の治療および治癒に有効であることを示した。
(実施例8)
TH302の抗転移癌効力の実証
本実施例は、TH302は、Taxotere(登録商標)(ドセタキセル、Sanofi Aventis)と組み合わせて投与されると、骨および軟部組織における微小転移の治療に効力を有することを示す。雄性ヌードマウスの左心室に、ルシフェラーゼ遺伝子をトランスフェクトさせたPC−3ヒト前立腺細胞(3×10)を注入した。心臓内トランスフェクションの成功は、注入後生物発光スキャンによって確認した。14日目、骨腫瘍負荷が確立されたマウスを、四つの治療群(N=10)にランダムに割り当てた:Taxotere(登録商標)単独群(20mg/kg、週に1回、3週間、i.v.)、TH302単独群(50mg/kg毎日、週に5日、3週間)、両薬剤による併用治療群、およびベヒクル群である。生物発光画像取得は、麻酔下、IVIS50光学画像システムを用いて行った。
骨および、軟部組織腫瘍負荷(主に、肺と肝臓)は、ベヒクル群では、時間と共に約1000倍に増加した。全てのベヒクル治療マウスは、病気の進行によって体重を失い、治療開始後29日までに死んだ。TH302単独によって治療されたマウスは、実験の終了までに(43日目)、骨転移(94%)および軟部組織腫瘍負荷(95%)の有意な低下を示した。体重減量は僅少であり、これは、病気進行の全体的低下を示唆する。Taxotere(登録商標)単独で治療されたマウスは、ベヒクルと比べ、骨転移および軟部組織腫瘍負荷において有意な低下を示した。Taxotere(登録商標)治療は、平均すると、実験の多くにおいて病気の進行を阻止し、ある程度の寛解をもたらしたが、減量および毒性関連死を招いた。
併用治療は、投与期間の後でも、骨転移および転移性軟部組織腫瘍負荷に対し、驚くほどの、持続的低下と関連していた。全ての生物発光は、29日目までに消え、実験の終了までゼロに留まっていた。併用群の毒性は、Taxotere(登録商標)群で観察されたものと同様であった。したがって、TH302は、Taxotere(登録商標)関連毒性の外にはまったく毒性を示さなかった。ベヒクル群から得たサンプルについてH&E染色したところ、骨全体から突出する、大きな転移性スポットが示されたが、一方、併用療法によって治療された動物は、あるとしても、ごく僅かな腫瘍細胞を呈する形態しか示さなかった。
これらの結果は、TH302単独が、前立腺転移性疾患という、この猛烈な、致死的モデルでも有効であることを示す。TH302と、Taxotere(登録商標)との併用は有効であり、測定の限り、骨および軟部組織において転移を根絶した。したがって、TH302とTaxotere(登録商標)の併用は、前立腺癌に関連する転移性疾患の治療には有用である可能性がある。
転移腫瘍はさらに、H460 NSCLC癌細胞を胸腔に注入することによって増殖させた。外にもいろいろと器官のある中で、肺と卵巣に転移が観察された。これらの転移腫瘍を抱えるマウスに対する、TH302単独による治療(Q3D×5、100mg/kg、i.v.)によって、目に見える、転移腫瘍質量の低下が示された。したがって、TH302は、単独で投与した場合でも、別の抗癌剤と組み合わせて投与した場合でも、転移腫瘍の治療に有効である。
(実施例9)
放射線照射と組み合わせたTH302の、癌治療における効力の実証
H460異種移植腫瘍担持マウスを、X線照射単独(1サイクルは1.2Gy/日、5日間)、および、TH302(ip投与、75mg/kg/日、5連続日、各放射線投与の30分後)との併用によって治療した。理論には拘束されないが、放射線治療では、殺作用の効力は、正常酸素腫瘍細胞に比べ、低酸素腫瘍細胞ではより低い。腫瘍細胞の殺作用に与り、酸素の放射線被爆下、例えば、正常酸素条件下で生成される酸素ラジカルは、低酸素条件下では効率的に形成されない。したがって、この実施例は、TH302は、腫瘍細胞を殺すために放射線治療と組み合わせて投与された場合、固体腫瘍の治療における放射線照射の抗腫瘍効力を強化することを示す。
(実施例10)
ラットおよびイヌに対するTH302の安全投与の実証
TH302の単回用量を、比較的高い薬剤レベルへの速やかな上昇を実現するために、ラットおよびイヌに30分に亘って投与した。ラットには、50、100、および200mg/kgのTH302を、イヌには、8、16、および32mg/kgのTH302を投与した。最高用量において種特異的毒性が、ラットの脂肪組織および脾臓に見られた。ラットでも、イヌでも、単回用量の最低毒性レベルでは、一次所見は、白血球数の低下であり、これは、雄性ラットにおいてのみ中等度の体重減少を伴っていた。最低毒性レベルにおけるこれらの変化は、2週間以内に完全に可逆的であった。ラットにおける200mg/kg、イヌにおける32mg/kgの最高用量では、致死性が観察され、各動物種において毒性に冒された器官は、骨髄、腎臓、胸腺、および小腸であった。
これらの結果に基づき、TH302の12.5、25、および50mg/kgの用量を、GLP複数用量毒性試験においてラットに投与した。各ラットに対し、週1回30分輸液を3週間投与した(Q7D×3)。一次毒性は、血清学的性質のもので、可逆的であった。これらの作用は、最高用量(50mg/kg)においてのみ顕著で、この用量で組織病理学検査を行ったところ、骨髄および舌に作用が、腎臓および子宮に軽微な作用が明らかにされた。
4、8、および16mg/kgのTH−302を服用したイヌにおける反復用量GLP試験では、白血球減少および好中球減少血症が、特に高用量レベルで明白であり、かつ、このレベルでは、骨髄において細胞密度の低下が報告されている。これらの変化は可逆的であった。
最小有毒用量は、ラットでは25mg/kg、イヌでは8mg/kgと決定された。ラットの用量は、該ラット用量を6.2で割ることによって、推定されるヒトの等価用量に変換することが可能である。イヌの用量は、該イヌ用量を1.8で割ることによって、推定されるヒトの等価用量に変換することが可能である。したがって、25mg/kgのラット用量は、約4mg/kgの、ヒトの等価用量に相当し、8mg/kgのイヌ用量は、4.5mg/kgの、ヒトの等価用量に相当する。
本実施例において実証されるように、本発明の、いくつかの他の実施態様では、ヒトにおける癌の治療のために、TH302は、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.2mg/kg〜約20mg/kg、約0.4mg/kg〜約10mg/kg、または約0.8mg/kg〜約5mg/kgの量の用量で、癌の治療のためにヒトの患者に対し、安全かつ、治療有効的に投与することが可能である。本発明の、いくつかの他の実施態様では、ヒトにおける癌の治療のために、TH302は、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.2mg/kg〜約5mg/kg、約0.4mg/kg〜約3mg/kg、または約0.8mg/kg〜約2mg/kgの量の用量で、癌の治療のためにヒトの患者に対し、安全かつ、治療有効的に投与することが可能である。
治療的有効量の抗癌剤は、mg/mの単位で表すことが可能である。1mg/kgは、患者1人当たり約70mgに等しい。平均的ヒト患者の推定体表面積は約1.7mである。したがって、1mg/kg、または70mg/患者・用量は、約70/1.7mg/m、すなわち、40mg/m用量に等しい。したがって、mg/kgで表したヒトの推定用量は、40を掛けて、mg/mで表されるヒトの用量に変換することが可能である。したがって、一実施態様では、TH302は、約4mg/m〜約1600mg/m、約8mg/m〜約800mg/m、約16mg/m〜約400mg/m、約32mg/m〜約200mg/mの治療的有効量として、ヒトの患者に投与することが可能である。別の実施態様では、TH302は、約4mg/m〜約400mg/m、約8mg/m〜約200mg/m、約16mg/m〜約120mg/m、約32mg/m〜約80mg/mの治療的有効量として、ヒトの患者に投与することが可能である。
ラットにおけるTH302の25mg/kg用量は、約2110時×ナノグラム(ng)/mLのAUCによって測定される薬剤暴露を示した。イヌにおけるTH302の8mg/kg用量は、約1910時×ng/mLを示した(下記の作表データを参照)。したがって、本発明のある実施態様では、TH302は、その暴露が約500〜約14,000時×ng/mLである場合、癌の治療のためにヒトの中に安全に投与することが可能である。活性毒素Br−IPMについて測定されたAUCは、ラットでは約97時×ng/mLであり、イヌでは約21.8時×ng/mLであった。したがって、一実施態様では、本発明は、癌の治療法であって、そのような治療を必要とする患者に対し、治療的有効量のプロドラッグBr−IPMを投与することにより、プロドラッグBr−IPMの前記治療的有効量は、血漿中のBr−IPMとして約10〜1000時×ng/mLのAUCを提示する方法を提供する。
表1は、実施例10にしたがってラットに対しTH302を反復投与した後(Q7D×3)15日目に定量したTH302の薬理動態パラメータを示す。
Figure 0005357049
表2は、実施例10にしたがってラットに対しTH302を反復投与した後(Q7D×3)に定量したブロモ−IPM(HO−P(=O)(NHCHCHBr))の薬理動態パラメータを示す。Br−IPMは、水、および、いくつかの、他の求核分子と反応することが可能なので、Br−IPMのHPLC分析では、得られた血漿を凍結し、NaFおよびシュウ酸カリウムで処理した。
Figure 0005357049
表3は、実施例10にしたがってイヌに対しTH302を反復投与した後(Q7D×3)に定量したTH302の薬理動態パラメータを示す。
Figure 0005357049
表4は、実施例10にしたがってイヌに対しTH302を反復投与した後(Q7D×3)に定量したブロモ−IPM(HO−P(=O)(NHCHCHBr))の薬理動態パラメータを示す。
Figure 0005357049
(実施例11)
TH302の薬理動態(PK)の実証
雄性CD−1(50mg/kg、i.p.、または経口(p.o.))、または雌性ヌードマウス(50mg/kg、i.v.またはi.p.)、雄性Sprague−Dawleyラット(1、5、20、および50mg/kg、i.v.、および、100mg/kg、p.o.)、ビーグル犬(20mg/kg、i.v.)、およびcynomologus monkey(20mg/kg、i.v.)において薬理動態試験を実施した。TH302血漿濃度を、LC/MS法を用いて分析し、薬理動態パラメータを、非コンパートメント法を用いて計算した。種間のスケール調整は、標準法を用いて実施した。CD−1マウスでは、TH302血漿濃度は、末端排泄相半減期(t1/2)7.9で減少し、50mg/kgi.p.およびp.o.では、t1/2は、それぞれ、25.7分と91分であり、ヌードマウスでは、50mg/kgi.v.およびp.o.では、t1/2は、それぞれ、8.2分と9.7分であった。ヌードマウスにおける全身クリアランス(Cl)および、見かけの定常分布容量(Vss)は、それぞれ、4.37L/時/kgおよび0.542L/kgであった。ラットでは、TH302は、試験した用量範囲に亘って直線的薬理動態を示した。血漿の末端排泄相平均半減期(t1/2)は、i.v.用量投与後では、1.32〜4.37時の範囲にあった。平均Clは高く(4.69〜6.14L/時/kg)、平均Vssは、大きかった(1.65〜5.09L/kg)。p.o.投与後では、TH302は、速やかに、確実に吸収され、平均ピーク血漿濃度には、15分の第1サンプル時点で達し、絶対経口バイオアベイラビリティは77.3%であった。TH−302の血漿末端排泄相t1/2は、1.59時であった。
イヌでは、i.v.投与後、平均ClおよびVssは、それぞれ、3.28L/時/kgおよび1.98L/kgであった。平均t1/2は49.2分であった。サルでは、TH302は、高いCl(7.66L/時/kg)および大きいVss(2.92L/kg)を有していた。血漿t1/2は24.9分であった。複雑なDedrick分析による種間スケール調整から、70−kgヒトでは、109L/時および493LのClおよびVssが予想される。TH302は、直線的薬理動態、および優れた経口バイオアベイラビリティを示した。投与した全ての動物種において、TH−302は、高いClおよび大きなVssを示した。観察された高いクリアランスは、肝臓以外のクリアランス経路が関わっている可能性を示す。下記のパートA、B、およびCは、ラット、イヌ、およびサルに投与した場合の、TH302の薬理動態結果を作表したものである。
A.ラットにおけるTH302PKの実証
TH302を、50%PEG400/生理的食塩水に溶解し、25mg/mL最終濃度の溶液を得、次いで、さらに希釈して、TH302(pH=6)の、25、10、2.5、および0.5mg/mL処方を得た。これらの処方は、投与の直前に調製した。本試験では、雄性Sprague Dawleyラット(体重:200gから230g)を用いた。薬理動態試験の前に、動物を、四つの治療群にランダムに割り当て、血液の連続サンプル採取のため総頚動脈にカニューレを挿入した。全てのラットに、尾静脈を通じて、単回静注ボーラス用量を1分間投与した。血漿におけるTH302の濃度は、高速液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS/MS)法によって定量した。1、5、20、および50mg/kgの用量における静注ボーラス投与後、TH302は、急速分布相に続くより緩徐な排泄相を有する、直線的薬理動態を示した。結果は、下記に表として掲げる。結果から、ヒトの毎日の等価用量である8mg/kgまで、TH302は直線的薬理動態を示し、そのAUCで測定したTH302の暴露は、約8500であることが示された。
Figure 0005357049
B.ビーグル犬におけるTH302薬理動態の実証
下表に見られるように、TH302の薬理動態をイヌにおいて実証した。
Figure 0005357049
C.カニクイ猿におけるTH302の薬理動態の実証
20mg/kg(N=3)用量の静注投与後における、TH302の薬理動態パラメータの個別の値および平均値を表7に示す。
Figure 0005357049
(実施例12)
TH302の生体分布の実証
本実施例は、ラットに対する[14C]TH302の、単回ボーラス静注投与後、全身オートラジオグラフィー(WBA)によって得た、インビボのTH302分布を示す。5匹のSprague Dawleyラットを一用量群に割り当てた。非放射線標識TH302(0.06g)を秤量して、適切な処方瓶に納めた。153μLの[14C]TH302溶液を測定し、該処方瓶に移し、次いで、50PEG400の生理的食塩水溶液6.85mLを加えた。得られた処方を、0.22μmメッシュサイズの市販フィルターによって冷却滅菌した。この投与処方を周囲温に維持し、暗黒中で用量投与待機させた。放射線標識TH302は、この処方を50mg/kg用量において動物に静脈内投与することによって投与した。その際、約100μCiの放射能を投与した。TH302の投与後、選ばれた時点で動物を屠殺し、死骸を瞬間凍結し、薄切切片作製のために処理した。各死骸から、一連の、矢状および旁矢状切片を得、これを、十分な放射能プリントが得られるまで、高感度フィルムに暴露した。得られた画像は、コンピュータ化デンシトメトリーを用いて半定量的に分析した。結果から、TH302の静脈内投与後、放射能は、消化(GI)管、その内容物、および腎臓と関連することが示された。
(実施例13)
ヒト患者におけるTH302のI相臨床治験
本実施例は、癌患者に対するTH302投与の、ラベル開放、複数センターによるI相治験を記載する。
TH302の処方および投与
注入用TH302(100mg)を、100mLガラスバイアルに調製した。この製剤は、凍結乾燥ケーキであり、バイアルはストッパーで栓をし、蓋を折り返し密封した。TH302は、2から8℃の調節条件下に保存した。各用量は、250mLのD5Wに溶解して調製し、輸液ポンプを用いて静脈内に30分に亘って投与した。
TH302投与量および頻度は下記の通り:
レベル1:7.5mg/m毎週×3;1週の休薬期間
レベル2:15.0mg/m毎週×3;1週の休薬期間
レベル3:30.0mg/m毎週×3;1週の休薬期間
加速定量設計変法を用いる(Simon et al.,JNCI,89:1138−47,引用により本明細書に含める)。投与はレベル1で始める。最初の投与レベルには2名までの患者しか登録させなかった。最初の投与制限毒性(DLT)、または、サイクル1において、病気の進行、併発症、同時投薬、または、他の非投薬介入とは明らかに関連しない、2等級毒性が発生するまでは、用量は、連続段階レベルを通過して100%増加させた。DLTの定義は下記の通り。
*3等級または4等級の、非血清学的毒性(発熱性好中球減少血症)
*3等級または4等級の、医学的に管理不能の、悪心、嘔吐、または下痢
*4等級の好中球減少血症の持続>5日
*4等級の血小板減少血症(または、血小板輸血を要する任意の事象)
*4等級貧血(基礎疾患では説明のつかないもの)
*以前には見られなかった、任意の2等級非血清学的毒性(2等級悪心、嘔吐、下痢、脱毛、および疲労を除く)であって、調査者、医学モニター、およびスポンサーの判断でDLTと見なされるもの。
*任意の2等級以上の非血清学的毒性であって、次のサイクルの開始までに0等級または1等級に解消せず、調査者、医学モニター、およびスポンサーの判断でDLTと見なされるもの。
*解消しない毒性のために、最終投与から2週間以内に第2治療サイクルを開始できない状況。
次の用量レベルに進む前に、医学モニターおよび主席調査者は、手元の安全性関連およびPKデータを検閲し、討論することになっている。
試験集団
本試験には、進行性固体腫瘍を持つ、最大48名の患者が登録される。最大6名の患者から成る部分集団が、加速定量変法にしたがって用量漸増相に参加する。一旦MTDが確立されたならば、さらに6名の患者が、そのMTD用量レベルで登録される。その参加基準は下記の通り:
1.少なくとも18歳である。
2.試験の目的およびリスクを理解することができ、調査者のIRB/倫理委員会によって承認されたインフォームドコンセント書面に署名した人。
3.組織学的、または細胞学的に確認された、進行または転移性固体悪性腫瘍。
4.以前に、一つ以上の化学療法処方によって治療されたか、または利用可能な効果的治療がまったく無い進行または転移性固体腫瘍。
5.以前の治療の毒性から回復した人。
6.RECEST基準による測定可能な疾患(少なくとも一つの標的病変)。
7.ECOGパフォーマンス状態が0または1。
8.少なくとも3ヶ月の余命。
9.受容可能な肝臓機能:
*ビリルビン≦正常の上限の1.5倍
*AST(SGOT)およびALT(SGPT)≦正常(ULN)の上限の2.5倍
肝臓転移が存在する場合は、≦5×ULNも許容される。
10.受容可能な腎機能:
*血清クレアチニン(SCR)が正常限界内、ORクレアチニンクリアランス計算値(CRCL≧60mL/分/1.73m、クレアチニンレベルが、施設正常値を超える患者の場合)
11.受容可能な血清学的状態(血清学的サポート無し)
*ANC≧1500細胞/μL
*血小板数≧100,000/μL
*ヘモグロビン≧9.0g/dL
12.尿分析:臨床的に重大な異常無し。
13.受容可能な凝固状態:
*PT≦1.3×ULN
*PTT≦1.3×ULN
14.受胎の可能性のある女子は全て、血清妊娠試験において陰性でなければならず、女性および男性被験者は、そのパートナーが試験に参加している場合、最後の投与から6ヶ月間、有効な避妊手段(外科的不妊、または、精子傷害ゲルまたはIUDと組み合わせたコンドームまたはペッサリー(diaphragm)による障壁避妊)の行使に同意しなければならない。
排除基準は下記の通り:
1.ニューヨーク心臓協会(NYHA)のクラスIIIまたはIVの心臓病、1日目の前6ヶ月以内の心筋梗塞、または不安定な不整脈。
2.抗痙攣治療を必要とする痙攣発作障害。
3.脳転移症状(以前に治療されたことがなく、≧3ヶ月の期間十分コントロールされていない)。
4.低酸素血症を伴う重度の慢性閉塞性肺疾患、または、調査者の判断で、低酸素血症を招くとされる任意の生理的状態。
5.1日目前4週間以内の、診断的手術以外の大手術で、完全に回復していないもの。
6.全身治療を必要とする、活発な、コントロールされていない細菌、ウィルス、または真菌感染。
7.試験登録前4週間(ニトロソウレアまたはマイトマシンCの場合は6週間)以内の、放射線療法、手術、化学療法、標的療法(エルロチニブ、ラパチニブなど)、またはホルモンによる治療。
8.試験登録前28日以内に、試験薬剤またはデバイスの治験に参加していた患者。
9.HIV、B型肝炎ウィルス、またはC型肝炎ウィルスによる感染が知られる。
10.同様構造の化合物、生物製剤、または処方(ソリュトールおよび/またはプロピレングリコールを含む)に対してアレルギー反応を示したことのある患者。
11.妊娠または哺乳中の女子。
12.試験の進行に干渉する可能性があるか、または、調査者の判断では、本試験の被験者に対し受容不可能なリスクをもたらす可能性のある、同時進行の病気または病態。
13.何らかの理由で、試験プロトコールを遵守する気が無いか、またはできないこと。
スクリーニング
候補者を、前述の参加および排除基準(セクション4、試験集団)にしたがって本試験への参加資格について評価した。調査者は、臨床検査値を含む、全ての試験結果を評価し、本試験に関する、各候補者の適性を判断する。調査者は、登録前に、基礎結果を知らなければならない。受胎の可能性のある女性に対する血清妊娠試験は、登録に進むべき被験者においては陰性でなければならない。全てのスクリーング手順は、1サイクル/1日目の前21日以内に完了していなければならない。
各候補の一般的健康状態、および、本試験への登録資格を定めるために、下記の手順を実行する。
一次腫瘍の経過(および、分化の程度)を含む既往歴、一次腫瘍部位、癌の診断日付け、進行/転移疾患の診断日付け、以前の抗腫瘍治療法の種類(手術、放射線治療、全身治療を含む)および日付け、および、もっとも最近の病気進行の日付けを記録する。以前に治療したことがある場合、最後の化学療法に対する最善の反応、および進行の日付けを記録する。化学療法前後の腫瘍測定値がある場合、これらの腫瘍評価のためにRECISTを用いる。ビタミン、薬草、血液製剤、およびその他の、一般大衆(OTC)薬を含む、最近の服薬履歴(1日目の前14日以内に同時服用した全ての薬剤)を、登録被験者について記録する。12−リードECGを得る。血圧(BP)、心拍数(HR)、呼吸数(RR)、および体温測定値を記録する。これらの測定は、標準的指令にしたがって行う。完全身体検査(眼球評価を含む)を行い、身長および体重を記録する。
試験開始後、および、もっとも最近の抗腫瘍治療の完了後、もっとも最近の進行後28日以内に、関連部位(単数または複数)(すなわち、下腹部、骨盤、および/または胸郭、プラス、全ての既知の疾病を評価するために、他の関連評価)のスパイラルCTスキャンによって腫瘍評価を実行する。既知の疾病は全て、RECISTを用いて、標的または非標的病変として記録しなければならない。試験中緩和的放射線治療を必要とすることが予想される病変は、標的病変として含めず、非標的病変としてリストしなければならない。以前6週間内に放射線治療を受けたことがない病変は、標的病変としてもよい。
Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)の治療成果状態を評価する。血液学および化学検査のために血液サンプルを採取する。要すれば、腫瘍マーカーを得る。クレアチニンクリアランスを、Cockroft−Gault式を用いて計算し、BSAに基づいて標準化する:男子:CrCL(mL/分/1.73m)=(140−年齢)×(BW[kg])×(BSA)/(1.73×72×(血清クレアチニン[mg/dL]))であり、上式において、年齢は、年であらわした数字であり、BSA=体表面積(m)であり、BW(kg)は体重である。
女子:CrCL(mL/分/1.73m)=0.85×(140−年齢)×(BW[kg])×(BSA)/(1.73×72×(血清クレアチニン[mg/dL]))。
血清HCG妊娠試験を、受胎の可能性のある女性被験者に対し(外科的に不妊とされるか、または閉経後少なくとも1年を経過していない限り、全ての女性被験者に対し)実行する。尿サンプルは、顕微鏡観察を含めて尿分析される。
治療期間:
1−6サイクル:TH302を、毎週3週間投与し、次いで、1週間休薬し、これを最大6サイクル行う。全て必要な試験評価は、別様に指示しない限り、指定の時点の±3日以内に取得しなければならない。被験者は、スクリーニング開始の21日以内に試験薬剤の最初の用量を服用しなければならない。
下記の手順は、TH302の投与前に、1サイクルの1日目に全ての被験者に行う。
1サイクル、1、2、および3週目:TH−302およびBr−IPMのPK分析用の、投与前血液および尿サンプルを採取する(1週目および3週目のみ)。
1〜6サイクル、1、2、および3週目:TH−302の投与前、血清ALT、AST、ビリルビン、クレアチニン、およびクレアチニンクリアランス計算値を評価しなければならない。TH302投与のためには、クレアチニンクリアランスは、≧60mL/分/1.73mでなければならない。1サイクルの第1日目投与の前に、ALT、AST、ビリルビン、およびクレアチニンは、TH302投与前3日以内の、プロトコール適用資格基準を満たさなければならない。
投与後血漿および尿PK手順(1サイクルのみ):輸液が30分以内に完了しなかった場合、その後のPK血液採取の時点はそれにしたがって調整される。血漿および尿サンプルは、TH−302およびBr−IPMのPK分析のために収集される。同時投薬薬剤を記録する。
用量上昇
最初のDLT、または、現在用量レベルにおいて、病気の進行、併発症、同時投薬、または、他の非投薬介入とは明らかに関連しない、2等級薬剤関連毒性出現の後、部分集団のサイズを、最低3名の被験者に増大させる。次に、3名の被験者から成る後続部分集団を、漸増用量によって、MTDが定められるまで治療する。各用量上昇は、先行用量よりも20%から40%大きく、そのパーセント増加は、現在の用量レベル、および累積安全性データに依存する。ある用量レベルの部分集団における被験者は全て、次に高い用量レベルにその被験者を登録する前に、4週間(またはDLTまで)の追跡を必要とする。個々の患者の用量上昇は許されない。
最初のDLT、または、病気の進行、併発症、同時投薬、または、他の非投薬介入とは明らかに関連しない、2等級薬剤関連毒性を観察した後、少なくとも3名の患者が、各用量レベルに登録される。最初の3名の患者の内1名が、ある用量レベルで、第1サイクルにおいてDLTを経験した場合、さらに最大3名の患者がその用量レベルで治療される。もしもある用量レベルで、2名以上の患者が、第1サイクルにおいてDLTを経験した場合、その時MTDは超えられたのであるから、合計で最大6名の患者が、次に低い用量で治療される。この次に低い用量で、6名の患者の内、2よりも少ない数の患者がDLTを経験した場合、この用量がMTDと定められる。
一旦MTDが定められたならば、さらに6名が、このMTD用量レベルに登録される。
用量変更
下表にまとめた用量変更は、個々の患者に許される。投与を遅らせることが必要な場合、投与は一つ飛ばされ、患者には、スケジュールの次の投与が与えられる。患者が、毒性のために、2回を超える投与削減を必要とする場合は、その患者への治療は中断しなければならない。
Figure 0005357049
評価のスケジュール
各被験者に対する試験の活動的部分の全持続時間は、約30週であり、これは下記のように分割される:
3週まで、投与前(スクリーニング期間);最大6回の4週サイクルの治療(24週治療期間);必要に応じて、治療期間の終了時までに進行しなかった被験者に対し、調査者および医学モニターによる検閲を経てケースバイケースで治療の続行を許可する;安全性追跡期間(試験終了訪問、試験投薬の最終投与後1−2週);1サイクル/1日目前21日以内に全ての被験者をスクリーニングする(スクリーニング訪問)。
安全性を評価するには、生命兆候、臨床検査結果、体重、およびAEを用いる。効力は、試験中時々行った腫瘍評価(客観的反応率および反応の持続)、および総合生存率に基づいて評価される。
試験終了/早期試験終了
試験終了時、CrCLが異常(女性では<75mL/分/1.73m、男性では<85mL/分/1.73m)で、1サイクル/1日目の数値よりも少なくとも5mL/分低い場合、3週に1回、血清クレアチニンを測定し、CrCLを計算し、それを、どちらが先でもよいから、その値が基礎値に戻るまで、または12週間続けなければならない。
薬理動態試験手順
TH−302および/またはBr−IPMの血漿濃度のPK定量のための血液サンプルは、試験に登録した全ての被験者について、1サイクルの1日目および15日目のみ、投与前の15および30(輸液の終了)35、45分、輸液の開始後1、1.5、2、2.5、3.5、4.5、6.5、8.5、および12.5時間に採取される。輸液が30分以内に完了しなかった場合、その後のPK血液採取の時点はそれにしたがって調整しなければならない。1サイクルの8日目、PK分析用血液サンプルは、投与前と、輸液の終了時に収集される。
尿は、下記の時間間隔:投与前、1サイクル(1および15日目のみ)の輸液開始後0〜4、4〜8、および8〜12時間における投与の、最初の12時間後に収集される。
血漿および尿サンプルの収集、処理、保存、および輸送に関する詳細は、別のマニュアルに提示される。
安全性手順
完全身体検査を、スクリーニング時、および、試験終了時、または早い試験終了時に行う。限定身体検査を、1−6サイクルの1週目治療の前5日以内に行う。眼球評価は、各完全および限定身体検査において行う。眼球評価の結果が臨床的に重大であるならば、患者には、さらに精しい評価のために眼科医の診察を照会する。各完全および限定身体検査では神経学的検査を行う。各投与前に体重を測定する。身体検査の結果は、安全性監視のためにのみ使用される。各試験訪問時には、医療実施基準にしたがって、継続投与が適切かどうかを判断するために、被験者の一般的健康(例えば、外見、病気または傷害の存在、体温、および、併発病を示す生命兆候)を評価する。
各被験者から収集すべき、サンプルの最大数、および大体の血液量を表9に示す。
Figure 0005357049
Figure 0005357049
各被験者から、試験中、合計約415mLの血液を採取する:スクリーニング時に25mL、1サイクル時に290mL、各2〜6サイクル時に35−40mL、および試験終了時に15mL。血液サンプルは、臨床検査測定値、ならびにTH−302およびBr−IPMのピーク濃度を評価するのに用いる。
本発明は、これまでその特異的実施態様を参照しながら説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更の実行、および等価物の置換が可能であることを理解しなければならない。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明によって提供される利点を実現するために、ある特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセス工程(単数または複数)に適応するように、多くの修飾を実行することが可能である。このような修飾は全て、本明細書に添付される特許請求の範囲に納まることが意図される。
本明細書において引用される刊行物および特許文書は全て、それらの刊行物または文書のそれぞれが、あたかも、特異的、個別的に引用によって本明細書に含められると表示されるのと同様に、引用によって本明細書に含められる。刊行物および特許文書の引用は、そのような文書のいずれかが、関連従来技術であることの表示を意図するものでもなく、また、関連従来技術の内容または日付けに関して何らかの認容を構成するものでもない。

Claims (13)

  1. 薬剤TH302おびエタノールを含む、薬学的に受容可能な組成物であって、該組成物が、静脈内に投与されることを特徴とする、組成物
  2. 前記組成物が、単位用量である、請求項に記載の組成物
  3. 癌の治療のための請求項1に記載の組成物であって、該組成物、そのような治療を必要とする患者に対し、8mg/mら800mg/mの範囲内の量の前記薬剤TH302が送達されるように静脈内に投与されることを特徴とする組成物。
  4. 前記組成物が、1週当たり少なくとも1回の頻度で投与されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、少なくとも3週間の期間投与されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  6. 前記治療される癌が、乳癌、結腸直腸癌、すい臓癌、前立腺癌、ならびに、骨の癌、軟部組織の癌、肺癌、肝臓癌、リンパ節癌、および卵巣癌から成る群から選ばれる転移癌から成る群から選ばれる、請求項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン、およびイリノテカンから成る群から選ばれる、別の抗癌剤と組み合わせて投与されるか、または、放射線治療と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  8. 前記組成物がドセタキセルと組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、5%以下の、エタノール以外の任意の溶媒を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  10. 16mg/m から400mg/m の範囲内の量の前記薬剤TH302が送達されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  11. 前記癌が、すい臓癌であることを特徴とする、請求項3または10に記載の組成物。
  12. 前記癌が、骨の癌または軟部組織の癌であり、ドセタキセルが、前記薬剤TH302と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項3または10に記載の組成物。
  13. 前記薬剤TH302が、放射線治療と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
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