JP2012526089A - カバジタキセルおよびカペシタビンを含む抗腫瘍性組み合わせ - Google Patents
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Abstract
本発明はカバジタキセルおよびカペシタビンを含む抗腫瘍薬の組み合わせに関し、該抗腫瘍薬はどちらも塩基、医薬的に許容される酸性塩、または水和物もしくは溶媒和化合物であってよく、アントラサイクリンおよびタキサンによる前治療の後に進行する転移性乳癌の患者の治療を目的とする。
Description
本発明は、アントラサイクリンおよびタキサンによる前治療の後に進行する転移性乳癌の患者の治療における、カバジタキセルおよびカペシタビンを組み合わせた抗腫瘍性組み合わせに関する。
[先行技術および技術的問題]
世界の女性人口のうち、大きな割合が乳癌に冒されている。2002年には世界で1億1500万の症例がみられ、2010年には1億4000万人が乳癌を発症すると予測されている(CA cancer J.Clin.2005,55,74−108)。乳癌は女性にもっともよくみられる癌である。
世界の女性人口のうち、大きな割合が乳癌に冒されている。2002年には世界で1億1500万の症例がみられ、2010年には1億4000万人が乳癌を発症すると予測されている(CA cancer J.Clin.2005,55,74−108)。乳癌は女性にもっともよくみられる癌である。
転移性乳癌(MBC)は通常アントラサイクリン系およびタキサン系化学療法により治療される(「Concise Review for clinicians:advances in screening,diagnosis and treatment of breast cancer」Mayo clinic proceedings 2004,76,810−816)。
癌は使用される薬剤、特にタキサンに耐性となる可能性があり、とりうる治療の選択肢を制限している。タキサン耐性の幾つかの機構が明らかにされてきた(P糖タンパク質Pgpの発現、mdr−1遺伝子、改変されたタキサン代謝、チューブリン遺伝子変異等)(Drug Resistance Updates 2001,4(1),3−8;J.Clin.Onc.1999,17(3),1061−1070)。
アントラサイクリンおよび/またはタキサンに基づく前治療の後に癌が進行した患者のために(75%の患者がこの治療に対する耐性を得る。)、カペシタビンによる単剤治療、またはカペシタビンおよびドセタキセルを組み合わせた組み合わせが指示されている(J.Clin.Onc.2002,20(12),2812−2823)。
カバジタキセル(またはXRP6258)がタキサン耐性転移性乳癌の治療に有効である可能性があることも示されている(“A multicenter phase II study of XRP6258 administered as a 1−h i.v. infusion every 3 weeks in taxane−resistant metastatic breast cancer patients” Ann.Oncol.2008,19(9),1547−1552)。
さらには、標題「新規なタキソイド類XRP6258によるチミジンホスホリラーゼのインビトロ導入(In vitro induction of Thymidine Phosphorylase by XRP6258,a new taxoid)」フランス薬理学学会(クレルモン=フェラン,フランス、2008年4月9−11日)の要約の結論には、次のことが明記されている。即ち「XPR6258はTP発現を、特にMCF−7乳癌細胞で誘導する。」この誘導は、組み合わせによる癌細胞における細胞障害性の増大を予測させ、乳癌患者において評価された、XRP6258/カペシタビンの組み合わせの分野と臨床的に関連しているかもしれない。
アントラサイクリンおよびタキサンによる前治療の後に癌が進行した患者において、さらに新規の治療法の選択肢を見出し、最適化する必要がある。
CA cancer J.Clin.2005,55,74−108
「Concise Review for clinicians:advances in screening,diagnosis and treatment of breast cancer」Mayo clinic proceedings 2004,76,810−816
Drug Resistance Updates 2001,4(1),3−8;J.Clin.Onc.1999,17(3),1061−1070
J.Clin.Onc.2002,20(12),2812−2823
"A multicenter phase II study of XRP6258 administered as a 1−h i.v. infusion every 3 weeks in taxane−resistant metastatic breast cancer patients" Ann.Oncol.2008,19(9),1547−1552
標題「新規なタキソイド類XRP6258によるチミジンホスホリラーゼのインビトロ導入(In vitro induction of Thymidine Phosphorylase by XRP6258,a new taxoid)」フランス薬理学学会(クレルモン=フェラン,フランス),2008年4月9−11日
本発明は、カバジタキセルおよびカペシタビンを含む新規の抗腫瘍薬の組み合わせを提供することにより、この必要性にこたえる。このため、この組み合わせの抗腫瘍活性を評価するために、二つの抗腫瘍薬各々の毒性を増悪させず、アントラサイクリンおよびタキサンによる前治療後に進行している患者の治療を可能とする忍容性の良好な組み合わせ方法が得られるように、各々の薬剤の投与量および適切な投与計画を決定することが必要であった。
[発明の簡単な説明]
本発明は、式
本発明は、式
カバジタキセルは特にアセトン溶媒和物であってよい。さらに詳細には、カバジタキセルのアセトン溶媒和物は、5から8重量%、好ましくは5から7%のアセトンを含む。
この組み合わせは有効量のカバジタキセルおよび有効量のカペシタビンを含む。
カバジタキセルは15から25mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を投与することができる。
カペシタビンは675から1250mg/m2、特に825から1000mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を1日2回投与することができる。
カバジタキセルは15から25mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を点滴により投与することができ、カペシタビンは675から1250mg/m2、特に825から1000mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を14日間1日2回経口投与することができる。二つの抗腫瘍薬のこの投与サイクルを、カバジタキセルの2回の投与の間に3週間の間隔をあけて繰り返す。この間隔は先行のカバジタキセル投与に対する忍容性により1から2週間延長することができる。
本発明はまた、前記抗腫瘍薬の組み合わせを調製するための、式のカバジタキセルおよびカペシタビンの使用に関する。
[発明の記述]
定義
・医薬的に許容される酸:毒性の低い有機酸または無機酸(Pharmaceutical salts J.Pharm.Sci.1977,66,1−19参照);
・有効量:治療する癌に効果をもたらす医薬化合物の量
定義
・医薬的に許容される酸:毒性の低い有機酸または無機酸(Pharmaceutical salts J.Pharm.Sci.1977,66,1−19参照);
・有効量:治療する癌に効果をもたらす医薬化合物の量
カバジタキセルについて。カバジタキセルはタキソイド類に属し、下記式で表される。
アセトン約2リットル中、約92重量%の4−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−7β,10β−ジメトキシ−9−オキソタキサ−11−エン−13α−イル溶液207gに雰囲気温度20±5℃で精製水940mlを加える。次に水20ml、アセトン20mlの混合液中アセトン/水に分離された4−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−7β,10β−ジメトキシ−9−オキソタキサ−11−エン−13α−イル(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオナート2gの懸濁液で播種を行う。混合物を約10から22時間撹拌し、4から5時間かけて精製水1.5リットルを加える。混合物を60から90分撹拌し、次に減圧下で懸濁液をろ過する。アセトン450ml、精製水550mlから調整した溶液でケーキを濾材上で洗浄してから、減圧下(0.7kPa)で4時間、55℃で炉乾燥する。水0.1%、アセトン7.2%を含む4−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1−ヒドロキシ−7β,10β−ジメトキシ−9−オキソタキサ−11−エン−13α−イル(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオナートアセトン197gを得る。(理論上は化学量論的溶媒和化合物として6.5%)
カバジタキセルはボーラス投与または点滴による静脈投与等により、非経口的に投与される。点滴による投与に好適なカバジタキセルのガレヌス製剤形は、カバジタキセルが界面活性剤、共溶媒、グルコースまたは塩化ナトリウム等から選択される賦形剤の存在下で水溶液中にある剤形である。例えば、点滴バッグで再希釈するための溶液8mlを得るために、無菌バイアルに入ったカバジタキセルのプレミックス溶液(カバジタキセル80mg+溶媒2ml+ポリソルベート80)を水6ml、エタノール(95%エタノール13重量%)の溶液を含む無菌バイアルで希釈することにより、ガレヌス製剤形のカバジタキセルが調整できる。この再希釈用溶液のカバジタキセルの濃度は約10mg/mlである。次に、この再希釈用溶液の適正量を、水とグルコース(約5%)または塩化ナトリウム(約0.9%)を含む点滴バッグに注入することにより点滴薬を調整する。
カペシタビン(CAS RN 154361−50−9)について。カペシタビンはRoche社よりXeloda(商標)で販売されている。これは5−フルオロウラシルのプロドラッグであり、
経口投与に好適なカペシタビンのガレヌス製剤形は、例えば、Xeloda(商標)で販売されている製品であり、これはカペシタビン150または500mgおよび賦形剤として無水乳糖を含む錠剤である。
組み合わせについて。組み合わせとは、二つの異なる医薬品のカバジタキセルおよびカペシタビンを組み合わせたものである。この組み合わせは、転移性乳癌の治療、特にアントラサイクリンおよび/またはタキサンによる治療の後に、なお癌を患っている患者の治療に用いることができる。
この組み合わせは治療を受ける患者(体表面積、前サイクルに対する忍容性等)に応じたプロトコールに従って、繰り返し投与される。カバジタキセルは各投与間に3週間の間隔をあけた断続的な計画に従い、点滴によって患者に投与することができる。この間隔は先行の投与に対する忍容性により1から2週間延長することができる。一方、カペシタビンは毎日、例えば1日2回の摂取で14日間投与することができる。サイクル内において、カペシタビンの1回目の摂取はカバジタキセルの投与と同時でもよい。
プロトコールの例を下記に挙げる。1日目(サイクルの第1日目)に約1時間かけて点滴によりカバジタキセルを投与する。カペシタビンは、経口的に1日2回、朝と夕方に1日目から14日目まで(サイクルの第1日目から第14日目まで)投与される。カバジタキセル(1日目)およびカペシタビン(1日目から14日目まで)の両方の投与からなるこのサイクルを、3週間(1から2週間延長可能)の間隔をあけて繰り返す。
カバジタキセルおよびカペシタビンの患者への各回の投与量は様々な要因、つまり体表面積、前サイクルに対する忍容性等によって決められる。カバジタキセルは15から25mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を投与することができる。カペシタビンは675から1250mg/m2、特に825から1000mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)を1日2回投与することができる。
好ましくは、第1日目の治療におけるカバジタキセルの推奨投与量は20mg/m2であり、第1日目から第14日目までのカペシタビンの推奨投与量は2×1000mg/m2/日である。二つの抗腫瘍薬のこの投与サイクルを、カバジタキセルの2回の投与の間に3週間の間隔をあけて繰り返す。この間隔は先行のカバジタキセル投与に対する忍容性により1から2週間延長することができる。
第I相/第II相試験をヨーロッパの4つの研究機関において実施した。
試験1.カバジタキセルをカペシタビンと組み合わせた際の最大投与量(MAD)および推奨投与量(RD)を決定した。
試験2.推奨投与量での抗腫瘍活性および忍容特性の評価を決定した。
薬剤相互作用試験を含む薬物動態(PK)についても調査した。
患者
主な患者の選択基準
主な選択基準は、年齢が18歳以上、手術不可能であった組織学的に判明した転移性のまたは局所再発性の乳癌、Eastern Cooperative Oncology Group performance status(ECOG PS)が0から2、事前のタキサンとアントラサイクリンへの暴露および適切な血液機能、腎機能、肝機能を備えていることであった。試験2については、選択される患者はRECISTガイドライン(J Natl Cancer Inst 2000,92,205−216)に基づく、少なくとも1つの測定可能な病変がなければならなかった。
主な患者の選択基準
主な選択基準は、年齢が18歳以上、手術不可能であった組織学的に判明した転移性のまたは局所再発性の乳癌、Eastern Cooperative Oncology Group performance status(ECOG PS)が0から2、事前のタキサンとアントラサイクリンへの暴露および適切な血液機能、腎機能、肝機能を備えていることであった。試験2については、選択される患者はRECISTガイドライン(J Natl Cancer Inst 2000,92,205−216)に基づく、少なくとも1つの測定可能な病変がなければならなかった。
主な除外基準は、併発癌、転移性癌のための1つ以上の化学療法による治療、カペシタビンへの事前暴露、または制御不能の著しい合併症の状態であった。
転移性乳癌患者33名が本試験に参加し、すべての患者が事前にアントラサイクリンおよびタキサンによる治療を受けていた。試験1に15名、試験2に18名が参加した。
治療した患者の特性を表1に示す。
薬物動態
カバジタキセル、カペシタビンおよびこれらの代謝物の薬物動態パラメータを算出した(Cmax,Tmax,AUC0−last,AUC,t1/2λ)。
カバジタキセル、カペシタビンおよびこれらの代謝物の薬物動態パラメータを算出した(Cmax,Tmax,AUC0−last,AUC,t1/2λ)。
本試験1において様々な時期に血液検体を採取し、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法により分析した。
薬物動態分析の結果、カバジタキセルおよびカペシタビンの間の明確な相互作用は認められなかった。カバジタキセルおよびこの代謝物の薬物動態は、カペシタビンの同時投与により影響を受けないようであり、逆の場合も同様であった。
試験1.カバジタキセルをカペシタビンと組み合わせた際の最大投与量(MAD)および推奨投与量(RD)の決定
用量制限毒性(DLT)、即ちモニターすべきイベントのリストは、投与量の増大を導くことを可能にするが、DLTはまずNCI−CTCAE分類基準version 3に従い、プロトコールにおいて事前に定義した。
用量制限毒性(DLT)、即ちモニターすべきイベントのリストは、投与量の増大を導くことを可能にするが、DLTはまずNCI−CTCAE分類基準version 3に従い、プロトコールにおいて事前に定義した。
患者3名の群において、DLTが全く認められない範囲で投与量の増加について調査した。1名の患者でDLTが認められた場合、この群を6名に増やし、少なくとも2名の患者でDLTがみられた場合にMADに達したものとした。RDは33%よりも少ない患者がDLTを示した際の最大の投与量とした。
投与量レベル1
−患者3名−カバジタキセル20mg/m2(1日目)およびカペシタビン825mg/m21日2回(1日目から14日目)
−患者1名でグレード4のDLTである好中球減少が7日間を超えて認められた。
−群を6名に増加した。さらなるDLTはみられなかった。
−患者3名−カバジタキセル20mg/m2(1日目)およびカペシタビン825mg/m21日2回(1日目から14日目)
−患者1名でグレード4のDLTである好中球減少が7日間を超えて認められた。
−群を6名に増加した。さらなるDLTはみられなかった。
投与量レベル2
−患者3名−カバジタキセル20mg/m2(1日目)およびカペシタビン1000mg/m21日2回(1日目から14日目)
−DLTは認められなかった。
−患者3名−カバジタキセル20mg/m2(1日目)およびカペシタビン1000mg/m21日2回(1日目から14日目)
−DLTは認められなかった。
投与量レベル3
−患者3名−カバジタキセル25mg/m2(1日目)およびカペシタビン1000mg/m21日2回(1日目から14日目)
−患者1名でグレード4のDLTである好中球減少が7日間を超えて認められた。
−群を6名に増やした。−同じタイプの2度目のDLTが別の患者でみられた。
−患者3名−カバジタキセル25mg/m2(1日目)およびカペシタビン1000mg/m21日2回(1日目から14日目)
−患者1名でグレード4のDLTである好中球減少が7日間を超えて認められた。
−群を6名に増やした。−同じタイプの2度目のDLTが別の患者でみられた。
この結果から、MADはカバジタキセル25mg/m2、カペシタビン1000mg/m2とした。
この結果から、RDはカバジタキセル20mg/m2、カペシタビン1000mg/m2とした。
試験2.推奨投与量における抗腫瘍活性および忍容特性の評価の調査
本試験2に参加した患者はRDで治療を受けた。
本試験2に参加した患者はRDで治療を受けた。
有効性を評価する主な基準として奏効率(ORR)を使用した。
奏効率はRECISTガイドライン(J Natl Cancer Inst 2000,92,205−216)に基づき、分析母集団の患者総数で割った、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が確認された患者の割合とする。
有効性を評価する第二の基準として奏功期間(DR)および無増悪期間(TTP)を使用した。
無増悪期間(TTP)はRECISTガイドライン(J Natl Cancer Inst 2000,92,205−216)に基づき、組み合わせ投与の初日から病変の増悪が記録された最初の日までに経過した時間とする。
奏功期間(DR)はRECISTガイドライン(J Natl Cancer Inst 2000,92,205−216)に基づき、客観的な奏功(CRまたはPR)が記録された最初の日から病変の増悪または死亡が記録された最初の日までに経過した時間とした。
カペシタビンは、経口的に1日2回、朝と夕方に1日目から14日目まで(サイクルの第1日目から第14日目まで)投与される。1日目(サイクルの第1日目)の朝の投与の2時間後に、約1時間かけて静脈点滴によりカバジタキセルを投与する。カバジタキセル(1日目)およびカペシタビン(1日目から14日目まで)の両方の投与からなるこのサイクルを、3週間間隔で繰り返す。
表2にサイクルの具体例の詳細を示す。
重篤な有害事象(AE)が起こった場合は、投与量を減らし、治療サイクル期間を延ばしてもよいものとした。治療は病変の増悪、許容できないAEの存在または患者の同意の取り下げがあるまで続けられた。
身体検査、総白血球数および各種白血球数、血球数、ならびに血液化学分析は、患者の試験参加前および治療中に定期的に行った。放射線学的腫瘍評価は患者の試験参加時および6週間ごとに行った。奏功は少なくとも4週間あけて、2回の評価によって確定した。補足データを、試験を終了するまで6週間ごとに回収した。
表3に、試験した様々な投与量レベルにおける患者の治療概要を示す。
忍容性
もっとも多くみられた有害事象(AE)は胃腸障害、疲労、手足症候群および血液毒性であった。これらの有害事象はタキサン−カペシタビンの組み合わせの際に一般的に予想される特性と一致する。
もっとも多くみられた有害事象(AE)は胃腸障害、疲労、手足症候群および血液毒性であった。これらの有害事象はタキサン−カペシタビンの組み合わせの際に一般的に予想される特性と一致する。
表4に、試験した様々な投与量レベルにおける抗腫瘍活性の結果を示す。
推奨投与量を用いたカバジタキセルおよびカペシタビンを含む抗腫瘍薬の組み合わせの忍容性は良好で、二つの抗腫瘍薬各々の毒性を増悪させないことが示されたため、本試験2により、この組み合わせの実現可能性が実証された。さらに、この投与量で抗腫瘍活性シグナルが促進されることが示された。
そのうえ、抗腫瘍活性は試験したすべての投与量レベルにおいて認められた。
合計で、患者7名が客観的な奏功を示した。
事前のタキサン治療における最良効果が病変の進行であった患者4名のうち2名が、カバジタキセルおよびカペシタビンの組み合わせによって癌の安定を経験した一方で、事前のタキサン治療における最良効果で病変が安定であった患者4名がこの治療によって客観的な奏功を得たことは注目すべきである。
Claims (11)
- 有効量のカバジタキセルおよび有効量のカペシタビンを含む、請求項1に記載の組み合わせ。
- カバジタキセルがアセトン溶媒和物の形態である、請求項1または2に記載の組み合わせ。
- カバジタキセルのアセトン溶媒和物が5から8重量%、好ましくは5から7%のアセトンを含む、請求項3に記載の組み合わせ。
- カバジタキセルを15から25mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)で投与する、請求項1から4に記載の組み合わせ。
- カペシタビンを675から1250mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)で1日2回投与する、請求項1から5に記載の組み合わせ。
- カペシタビンを14日間投与する、請求項6に記載の組み合わせ。
- カバジタキセルを15から25mg/m2の投与量で点滴により投与し、カペシタビンを675から1250mg/m2、特に825から1000mg/m2の投与量(投与ごとに決められる。)で14日間1日2回経口投与し、二つの抗腫瘍薬のこの投与サイクルを、カバジタキセルの2回の投与の間に3週間の間隔をあけて繰り返し、この間隔は先行のカバジタキセル投与に対する忍容性により1から2週間延長することができる、請求項1から7に記載の組み合わせ。
- 第1日目の治療においてカバジタキセルを20mg/m2の投与量で投与し、ならびに第1日目から第14日目までの治療においてカペシタビンを2×1000mg/m2/日の投与量で投与する、請求項8に記載の組み合わせ。
- サイクル内において、カペシタビンの1回目の摂取はカバジタキセルの投与と同時に行われる、請求項8または9に記載の組み合わせ。
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