JP5353449B2 - 半導体装置の製造方法、半導体封止用接着剤及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体封止用接着剤及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、半導体封止用接着剤及び半導体装置に関する。
これまで、半導体チップと基板とを接続するには金ワイヤなどの金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する小型化、薄型化、高機能化の要求に対応するため、半導体チップにバンプと呼ばれる導電性突起を形成し、基板電極と半導体チップとをバンプを介して直接接続する方法等で知られる半導体チップと基板又は半導体チップ間を金属で電気的に接続するフリップチップ接続方式が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだやスズ、銅、金等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだやスズを用いて金属接合させる方法が一般的である。
中でも、近年、特に小型化、高機能化が進展している液晶表示モジュールにおいて、スズめっき配線を形成したポリイミド基板上に、金バンプを形成した液晶駆動用半導体チップを金−スズ共晶による金属接合によって搭載したCOF(Chip On Film)と呼ばれる半導体装置が用いられている。
COFでは、金−スズ共晶を形成するために、接続部を共晶温度である278℃以上にする必要がある。また、生産性向上の観点から、接続時間は5秒以下と短く、短時間で共晶温度以上に加熱するため、製造装置の設定温度は300〜450℃の高温になる。
また、COFでは、接続部を外部環境から保護し、外部応力が接続部に集中しないようにするため及び狭ピッチ配線間の絶縁信頼性を確保するために、半導体チップと基板との間の空隙を樹脂で封止充てんする必要がある。
現行の封止充てん方法としては、半導体チップと基板とを接続した後に、液状樹脂を毛細管現象によって空隙に注入して硬化させる方法が一般的であるが、狭ピッチ接続化に伴うチップ−基板間の空隙の減少によって注入に長時間を要し、生産性が低下することが懸念されている。
上記懸念を解決する方法として、例えば、特許文献1に示されるように、チップ又は基板に接着剤を供給した後、チップと基板とを接続する方法がある。
特開2006−188573号公報
しかしながら、COFでは300℃以上の高温でチップと基板とを接続するため、チップまたは基板に接着剤を供給した後、チップと基板とを接続する方法を用いると、接着剤中の揮発成分などによって接着剤が発泡し、ボイドと呼ばれる気泡が発生しやすいという問題がある。ボイドは、狭ピッチ配線間の絶縁信頼性を低下させる原因になることから、ボイドの抑制が課題となっている。
本発明は、上述した従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する場合のボイドの発生を十分に抑制できる半導体装置の製造方法、半導体封止用接着剤及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、バンプ又は金属配線を有する半導体チップとバンプ又は金属配線を有する基板とを半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で接続するとともに、上記半導体チップと上記基板との間の空隙を上記半導体封止用接着剤で封止充てんする工程を有しており、上記半導体封止用接着剤として、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する半導体封止用接着剤を用いる、半導体装置の製造方法を提供する。
かかる構成を有する半導体装置の製造方法によれば、生産性に優れ、且つ、300℃以上の高温で半導体チップと基板とを半導体封止用接着剤を介して接続する際のボイドの発生を十分に抑制することができる。また、ボイドの発生を十分に抑制できることから、狭ピッチ配線間の絶縁信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
本発明はまた、バンプ又は金属配線を有する半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で接続するとともに、上記半導体チップ間の空隙を上記半導体封止用接着剤で封止充てんする工程を有しており、上記半導体封止用接着剤として、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する半導体封止用接着剤を用いる、半導体装置の製造方法を提供する。
かかる構成を有する半導体装置の製造方法によれば、生産性に優れ、且つ、300℃以上の高温で半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する際のボイドの発生を十分に抑制することができる。また、ボイドの発生を十分に抑制できることから、狭ピッチ配線間の絶縁信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記(a)エポキシ樹脂の5%熱重量減少温度、及び、上記(b)硬化剤の5%熱重量減少温度は、いずれも200℃以上であることが好ましい。これにより、300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する際のボイドの発生をより十分に抑制することができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記(a)エポキシ樹脂及び上記(b)硬化剤は、いずれも25℃、1気圧で固形であることが好ましい。これにより、300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する際のボイドの発生をより十分に抑制することができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記半導体封止用接着剤は、更に(c)重量平均分子量が10000以上であり、且つ、熱重量減少量が350℃で50%以下である高分子成分を含有するものであることが好ましい。これにより、半導体封止用接着剤をフィルム状に形成する場合のフィルム形成性を良好なものとすることができるとともに、フィルムの脆さを解消でき、300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する際のボイドの発生を十分に抑制することができる。なお、(c)高分子成分を用いず、(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤のみで、特に固形分だけで薄膜を形成すると、薄膜が脆く、壊れやすい傾向がある。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記半導体封止用接着剤は、フィルム状に形成されたものであることが好ましい。フィルム状とした半導体封止用接着剤は取り扱い性に優れるため、ボイドの発生を十分に抑制しつつ、半導体装置の生産性をより向上させることができる。また、フィルム状にした場合、ウエハに貼り付けて、一括でダイシングして、個片に分割し、実装することができるため、基板に接着剤を供給する場合よりも生産性が向上する。また、ペーストをスピンコートのような形でウエハ上に広げる方法もあるが、フィルムをラミネートした方が、バンプ間の埋め込みが良好になる。なお、液状材料はウエハへの展開は困難である傾向がある。
本発明の半導体装置の製造方法において、上記半導体チップのバンプは金バンプであり、上記基板の金属配線は表面がスズめっきされた金属配線であり、上記基板はポリイミド基板であり、上記半導体チップと上記基板とを半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で金−スズ共晶を形成させて接続することが好ましい。かかる製造方法により、ボイドの発生を十分に抑制しつつ、金バンプを形成した半導体チップを金−スズ共晶による金属接合によってポリイミド基板に搭載したCOFを製造することができる。
本発明はまた、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する、半導体封止用接着剤を提供する。
かかる半導体封止用接着剤によれば、上記構成を有することにより、当該半導体封止用接着剤を介して300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を接続する場合のボイドの発生を十分に抑制することができる。また、ボイドの発生を十分に抑制できることから、狭ピッチ配線間の絶縁信頼性に優れた半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体封止用接着剤において、上記(a)エポキシ樹脂の5%熱重量減少温度、及び、上記(b)硬化剤の5%熱重量減少温度は、いずれも200℃以上であることが好ましい。これにより、半導体封止用接着剤を介して300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を接続する場合のボイドの発生をより十分に抑制することができる。
本発明の半導体封止用接着剤において、上記(a)エポキシ樹脂及び上記(b)硬化剤は、いずれも25℃、1気圧で固形であることが好ましい。これにより、半導体封止用接着剤を介して300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を接続する場合のボイドの発生をより十分に抑制することができる。
本発明の半導体封止用接着剤は、更に(c)重量平均分子量が10000以上であり、且つ、熱重量減少量が350℃で50%以下である高分子成分を含有することが好ましい。これにより、半導体封止用接着剤をフィルム状に形成する場合のフィルム形成性を良好なものとすることができるとともに、当該半導体封止用接着剤を介して300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を接続する場合のボイドの発生を十分に抑制することができる。
本発明の半導体封止用接着剤は、フィルム状に形成されたものであることが好ましい。フィルム状とした半導体封止用接着剤は取り扱い性に優れるため、当該半導体封止用接着剤を介して300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を接続する場合のボイドの発生を十分に抑制しつつ、半導体チップと基板又は半導体チップ間の接続の効率化を図ることができる。
本発明は更に、上記本発明の半導体装置の製造方法によって製造される、半導体装置を提供する。かかる半導体装置は、上記本発明の半導体装置の製造方法によって製造されているため、半導体チップと基板又は半導体チップ間のボイドの発生が十分に抑制されており、配線間の十分な絶縁信頼性が得られる。
本発明によれば、生産性に優れ、且つ、300℃以上の高温で半導体チップと基板又は半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して接続する場合のボイドの発生を十分に抑制できる半導体装置の製造方法、半導体封止用接着剤及び半導体装置を提供することができる。
実施例1の半導体封止用フィルム状接着剤を用いて作製した半導体装置の全体を示す写真である。 実施例1の半導体封止用フィルム状接着剤を用いて作製した半導体装置におけるチップ実装部分の断面を示す写真である。 実施例1、並びに、比較例1、11及び21の半導体封止用フィルム状接着剤を用いて作製した半導体装置における、樹脂発泡に起因するボイドの有無を示す顕微鏡写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
フリップチップ接続方式では、チップ又は基板に半導体封止用接着剤を供給した後に圧着するため、圧着時の温度が高温であると、圧着温度付近の温度が半導体封止用接着剤に直接かかり、半導体封止用接着剤の構成成分や揮発成分(溶媒など)が発泡して、ボイド(樹脂発泡)と呼ばれる気泡が発生し、耐HAST性劣化の原因となる。
また、COFなどではチップ上のバンプと基板上の配線とを共晶(金属結合)によって接合するため、300℃以上の温度が半導体封止用接着剤にかかり、半導体封止用接着剤の樹脂発泡が大きな問題となっている。
そこで、本発明者らは、上記半導体封止用接着剤を構成する必須成分を、熱重量減少量が350℃で50%以下の成分にすることにより、接続温度が300℃以上、特に300〜500℃の高温でも樹脂発泡起因のボイドが発生しないということを見出した。
すなわち、本発明の半導体封止用接着剤は、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有するものである。ここで、(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤は、熱重量減少量が350℃で50%以下であり、且つ、5%熱重量減少温度が200℃以上であることが好ましく、350℃の熱重量減少量が50%以下であり、5%熱重量減少温度が200℃以上であり、且つ、25℃、1気圧で固形であることがより好ましい。以下、半導体封止用接着剤を構成する各成分について説明する。
本発明において用いられる(a)エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の、各種多官能エポキシ樹脂などを使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。また、例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型のような単体の液状のエポキシ樹脂でも、高分子化し、350℃での熱重量減少量が50%以下となるようにすることで、高温で樹脂発泡に起因したボイドの発生を十分に抑制することができる。
接続温度300〜500℃で接続を行う場合において、樹脂発泡の発生を十分に抑制するためには、(a)エポキシ樹脂は、350℃での熱重量減少量が50%以下であることが必要であり、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上であることが好ましく、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上、且つ25℃、1気圧で固形であることがより好ましい。
ここで、(a)エポキシ樹脂の350℃での熱重量減少量は、50%以下であることが必要であるが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、(a)エポキシ樹脂の5%熱重量減少温度は、200℃以上であることが好ましいが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、280℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが更に好ましい。
本発明において用いられる(b)硬化剤は、特に制限はなく、例えば、(i)フェノール系硬化剤、(ii)アミン系硬化剤、及び、(iii)酸無水物系硬化剤等が挙げられる。(i)フェノール系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものが好ましく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂等の各種多官能フェノール樹脂などが挙げられる。(ii)アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミドなどが挙げられる。(iii)酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
接続温度300〜500℃で接続を行う場合において、樹脂発泡の発生を十分に抑制するためには、(b)硬化剤は、350℃での熱重量減少量が50%以下であることが必要であり、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上であることが好ましく、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上、且つ25℃、1気圧で固形であることがより好ましい。
ここで、(b)硬化剤の350℃での熱重量減少量は、50%以下であることが必要であるが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、45%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。また、(b)硬化剤の5%熱重量減少温度は、200℃以上であることが好ましいが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、230℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることが更に好ましい。
本発明に用いる(b)硬化剤について以下に示す。
(i)フェノール系硬化剤
フェノール系硬化剤は、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂、各種多官能フェノール樹脂などを使用することができる。これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。また、液状フェノールは高温加熱時に分解して揮発成分が発生する恐れがあることから、室温で固形のフェノール樹脂を用いることが望ましい。(a)エポキシ樹脂と(i)フェノール系硬化剤との当量比{(i)フェノール系硬化剤/(a)エポキシ樹脂}は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましいのは、0.4〜1.0で、さらに好ましいのは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する恐れがあり、1.5を超えると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存し、吸水率が高くなり、絶縁信頼性が低下する恐れがある。
(ii)アミン系硬化剤
(ii)アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド等を使用することができる。また、液状アミンは高温加熱時に分解して揮発成分が発生する恐れがあることから、室温で固形のアミンを用いることが望ましい。(a)エポキシ樹脂と(ii)アミン系硬化剤との当量比{(ii)アミン系硬化剤/(a)エポキシ樹脂}は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましいのは、0.4〜1.0で、さらに好ましいのは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する恐れがあり、1.5を超えると、未反応のアミンが過剰に残存し、絶縁信頼性が低下する恐れがある。
(iii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等を使用することができる。これらは1種を単独でまたは2種以上の混合体として使用することができる。また、液状酸無水物は高温加熱時に分解して揮発成分が発生する恐れがあることから、室温で固形の酸無水物を用いることが望ましい。(a)エポキシ樹脂と(iii)酸無水物系硬化剤との当量比{(iii)酸無水物系硬化剤/(a)エポキシ樹脂}は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましいのは、0.4〜1.0で、さらに好ましいのは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する恐れがあり、1.5を超えると、未反応の酸無水物が過剰に残存し、吸水率が高くなり、絶縁信頼性が低下する恐れがある。
本発明の半導体封止用接着剤は、更に(c)重量平均分子量が10000以上であり、且つ、熱重量減少量が350℃で50%以下である高分子成分を含有することが好ましい。このような(c)高分子成分を含有することにより、半導体封止用接着剤をフィルム状に形成する場合のフィルム形成性を良好なものとすることができる。また、(c)高分子成分の熱重量減少量が350℃で50%以下であることにより、接続時のボイドの発生を十分に抑制することができる。半導体封止用接着剤がフィルム状に形成されたものである場合、取り扱い性に優れるため好ましい。
本発明で用いられる(c)重量平均分子量10000以上の高分子成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れるエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、アクリルゴム等を用いることが望ましく、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴムを用いることがより好ましい。これらの(c)高分子成分は、1種を単独で又は2種以上の混合体や共重合体として使用することができる。
接続温度300〜500℃で接続を行う場合において、樹脂発泡の発生を十分に抑制するためには、(c)高分子成分は、350℃での熱重量減少量が50%以下であることが必要であり、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上であることが好ましく、350℃の熱重量減少量が50%以下、且つ5%熱重量減少温度が200℃以上、且つ25℃、1気圧で固形であることがより好ましい。
ここで、(c)高分子成分の350℃での熱重量減少量は、50%以下であることが必要であるが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、(c)高分子成分の5%熱重量減少温度は、200℃以上であることが好ましいが、ボイドの発生をより十分に抑制する観点から、300℃以上であることがより好ましく、330℃以上であることが更に好ましい。
また、(c)高分子成分の重量平均分子量は、10000以上であることが必要であるが、良好なフィルム形成性を示す観点から、30000以上であることが好ましく、30000〜100000であることがより好ましい。なお、上記の重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製、商品名:C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量のことである。
(c)高分子成分と(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤との質量比は、特に制限はないが、フィルム状を保持するためには、(c)高分子成分1質量部に対して、(a)エポキシ樹脂及び(b)硬化剤の混合物が0.01〜4質量部であることが好ましく、0.1〜4質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが更に好ましい。この質量比が0.01質量部未満であると、硬化性が低下し、接着力が低下する恐れがあり、4質量部を超えると、フィルム形成性が低下する恐れがある。
本発明の半導体封止用接着剤には、粘度や硬化物の物性を制御するために硬化促進剤を配合してもよい。使用する硬化促進剤は、半導体封止用接着剤の組成に応じて選定すればよい。なお、硬化促進剤を用いなくてもよいが、用いたほうがより好ましい。硬化促進剤としては、ホスフィン類やイミダゾール類等が挙げられる。
ホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。イミダゾール類としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体などが挙げられる。
これらの中でも、本発明では、硬化性や保存安定性の観点から、イミダゾール類と有機酸の付加体である、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体や、高融点イミダゾールである2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
さらに好ましくは、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールである。
これらの硬化促進剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの硬化促進剤をマイクロカプセル化して潜在性を高めたものを用いてもよい。
硬化促進剤を用いる場合、硬化促進剤の配合量としては、質量比で(a)エポキシ樹脂1質量部に対して、0.001〜0.1質量部の割合であることが好ましく、0.001〜0.05質量部の割合であることがより好ましく、0.001〜0.03質量部の割合であることが更に好ましい。この質量比が0.001質量部未満であると、硬化性が低下する恐れがあり、0.1質量部を超えると、バンプと配線の接続部(COFにおいては金−スズ共晶による接続部)が形成される前に硬化してしまい、接続不良が発生する恐れがある。
本発明の半導体封止用接着剤には、粘度や硬化物の物性を制御するためにフィラーを配合してもよい。フィラーとしては、絶縁性無機フィラーやウィスカー、樹脂フィラー等を用いることができる。絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられ、その中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素等が好ましく、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素がより好ましい。ウィスカーとしては、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。樹脂フィラーとしては、ポリウレタン、ポリイミドなどを用いることができる。これらのフィラー及びウィスカーは、1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することもできる。フィラーの形状、粒径、及び配合量については、特に制限されない。また、必要に応じて、フェニルシラン処理、エポキシシラン処理等の表面処理がなされたフィラーを用いてもよい。
さらに、本発明の半導体封止用接着剤には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、酸化防止剤、イオントラップ剤を配合してもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように調整すればよい。
次に、本発明の半導体装置の製造方法について説明する。本発明の半導体装置の製造方法は、バンプを有する半導体チップと金属配線を有する基板とを、半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で接続するとともに、上記半導体チップと上記基板との間の空隙を上記半導体封止用接着剤で封止充てんする工程を有しており、上記半導体封止用接着剤として、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する半導体封止用接着剤を用いる方法である。ここで、半導体封止用接着剤としては、上述した本発明の半導体封止用接着剤が用いられる。
半導体チップに形成されているバンプの材質は特に制限はないが、金、低融点はんだ、高融点はんだ、ニッケル、スズ等が挙げられる。中でも、COFの場合には金が好適である。
基板の材質としては、特に制限はないが、セラミックなどの無機基板やエポキシ、ビスマレイミドトリアジン、ポリイミド等の有機基板が挙げられる。中でも、COFの場合には、ポリイミドが好適である。
基板の配線を形成する材質としては、銅、アルミ、銀、金、ニッケル等が挙げられる。配線は、エッチング又はパターンめっきによって形成される。また、配線の表面は、金、ニッケル、スズ等でめっき処理されていてもよい。中でも、COFの場合には、表面がスズめっきされた銅配線が好適である。
本発明の半導体封止用接着剤は、ペースト状の場合、基板に塗布してもよく、半導体ウエハに塗布してスピンコートなどで均一に樹脂を広げた後、ダイシングして個片化することにより、ペースト状接着剤が付いた半導体チップを作製してもよい。ペースト状接着剤の面積や厚みは、半導体チップサイズやバンプ高さなどによって適宜設定される。
本発明の半導体封止用接着剤は、フィルム状の場合、所定の大きさに切り出した後、基板に貼り付けてもよく、半導体ウエハのバンプ形成面に貼り付けた後、ダイシングして個片化することにより、フィルム状接着剤が貼り付いた半導体チップを作製してもよい。フィルム状接着剤の面積や厚みは、半導体チップサイズやバンプ高さなどによって適宜設定される。
半導体封止用接着剤を基板又は半導体チップに貼り付けた(塗布した)後、基板の配線パターンと半導体チップのバンプを位置合わせし、300〜450℃の接続温度で0.5〜5秒加圧する。接続荷重は、バンプ数に依存するが、バンプの高さばらつき吸収や、バンプ変形量の制御を考慮して設定される。半導体チップと基板を接続した後、オーブン中などで加熱処理を行ってもよい。
上記方法で製造された半導体装置は、上述した半導体封止用接着剤を用いているため、チップと基板との間のボイドの発生が十分に抑制されたものとなる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例:ポリイミド樹脂の合成)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた300mlフラスコに、1,12−ジアミノドデカン2.10g(0.035モル)、ポリエーテルジアミン(BASF社製、商品名:D2000、分子量:1923)17.31g(0.03モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学社製、商品名:LP−7100)2.61g(0.035モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(関東化学社製)150gを仕込み、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、無水酢酸で再結晶精製した4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(ALDRICH社製、商品名:BPADA)15.62g(0.10モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させた後、キシレン100gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去して、ポリイミド樹脂の溶液を得た。得られたポリイミド樹脂は、Tgが22℃、重量平均分子量が47000、SP値が10.2であった。
実施例及び比較例で使用した各材料の詳細を以下に示す。
(a)エポキシ樹脂
クレゾールノボラック型固形エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:YDCN−702、以下「YDCN」と記載する)。
多官能特殊固形エポキシ樹脂(株式会社プリンテック製、商品名:VG3101L、以下「VG」と記載する)。
トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:EP1032H60、以下「EP1032」と記載する)。
ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:EP1002)。
ビスフェノールF型固形エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:EP4007)。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:YL980)。
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:YL983U)。
多官能液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:630LSD)。
(b)硬化剤
(i)フェノール系硬化剤
クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物(日本化薬株式会社製、商品名:カヤハードNHN、以下「NHN」と記載する)。
トリフェノールメタン骨格含有多官能フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名:MEH7500)。
多官能特殊フェノール樹脂(本州化学工業株式会社製、商品名:TrisP−PA)。
ビスフェノールAノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:PAPS−BPAN、以下「PAPS」と記載する)。
フェノールノボラック型液状フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名:MEH8000)。
(ii)アミン系硬化剤
固形アミン(日本カーバイド工業株式会社製、ジシアンジアミド、以下「DICY」と記載する)。
エチルアニリンホルムアルデヒド縮合物液状アミン(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:カヤハードAA、以下「AA」と記載する)。
(iii)酸無水物系硬化剤
液状酸無水物(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:YH306)。
(c)重量平均分子量10000以上の高分子成分
合成例にて合成したポリイミド樹脂(重量平均分子量約50000、以下「ポリイミド」と記載する)。
アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:HTR860P3、重量平均分子量約800000、以下「アクリルゴム」と記載する)。
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:FX−293、重量平均分子量約30000、以下「フェノキシ」と記載する)。なお、その他のフェノキシ樹脂で(東都化成株式会社製、商品名:ZX−1356−2、重量平均分子量約70000)を用いた時も、FX−293を用いた時と同様の効果が見られた。
(d)フィラー
窒化ホウ素(水島合金鉄製、商品名:HPP1−HJ、平均粒子径:1.0μm、最大粒子径:5.1μm)。
実施例及び比較例で使用した上記各材料の350℃熱重量減少量(%)、及び5%熱重量減少温度(℃)を表1に示す。なお、350℃熱重量減少量及び5%熱重量減少温度は、サンプル(上述したエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の各材料)をPtパンに入れ、昇温速度10℃/分で35℃〜400℃までの熱重量減少をTG/DTA測定装置(セイコーインスツル株式会社、商品名:EXSTAR6000)で測定することにより求めた。

[実施例1〜75及び比較例1〜30]
(半導体封止用接着剤の作製)
20mlのガラス製スクリュー管に、下記表2〜12に基づいて、高分子成分1.6g、エポキシ樹脂0.35g、硬化剤0.13g、及びフィラー0.53g(高分子成分、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対してフィラーが25質量部)を仕込み、N−メチル−2−ピロリドン(関東化学製)を固形分が40質量%になるように加え、撹拌・脱泡装置(株式会社シンキー製、商品名:AR−250)で撹拌、脱泡してペースト状の半導体封止用接着剤を得た。なお、表2〜12中、各材料の配合量の単位は質量部である。
(半導体封止用フィルム状接着剤の作製)
得られた半導体封止用接着剤を、離型処理を施したフィルム(商品名:ピューレックスA53、帝人デュポンフィルム(株)製)上に、塗工機(テスター産業株式会社製、商品名:PI−1210 FILMCOATER)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC製)にて80℃で30分間、次いで120℃で30分間乾燥し、半導体封止用フィルム状接着剤を得た。
(半導体封止用接着剤の実装性の評価)
ペースト状の半導体封止用接着剤1mgを、ポリイミド基板(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名:JKIT COF TEG_30−B)上に塗布し、金バンプ付きチップ(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名:JTEG PHASE6_30)をFCB3(パナソニック製)で実装した(実装条件:ヘッド温度350℃、ステージ温度100℃、50N)。樹脂発泡評価は、樹脂発泡に起因するボイドが発生したサンプルを「B」、発生しなかったサンプルを「A」とした。その結果を表2〜12に示す。
(半導体封止用フィルム状接着剤の実装性の評価)
半導体封止用フィルム状接着剤を2.5mm×2.5mm×0.03mm厚に切り抜き、切り抜いたフィルム状接着剤をポリイミド基板(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名:JKIT COF TEG_30−B)上に貼付し、金バンプ付きチップ(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名:JTEG PHASE6_30)をFCB3(パナソニック製)で実装した(実装条件:ヘッド温度350℃、ステージ温度100℃、50N)。樹脂発泡評価は、樹脂発泡に起因するボイドが発生したサンプルを「B」、発生しなかったサンプルを「A」とした。その結果を表2〜12に示す。
ここで、図1は、実施例1で得られた半導体封止用フィルム状接着剤を用いて上記の手順で作製した半導体装置の全体を示す写真であり、ポリイミド基板3上に半導体チップ5が実装されている状態を示している。また、図2は、実施例1で得られた半導体封止用フィルム状接着剤を用いて上記の手順で作製した半導体装置におけるチップ実装部分の断面を示す写真であり、ポリイミド基板3のスズめっきされた銅配線1と、半導体チップ5の金バンプ4とが金−スズ共晶により接続されており、半導体チップ5とポリイミド基板3との間の空隙が半導体封止用フィルム状接着剤の硬化物2により封止充てんされている状態を示している。











表2〜9に示されるように、実施例1〜75の半導体封止用接着剤及び半導体封止用フィルム状接着剤は、構成成分が全て350℃での熱重量減少量が50%以下の成分のみで構成されており、接続温度350℃での実装において樹脂発泡に起因するボイドは発生しないことが確認された。
これに対し、表10〜12に示されるように、比較例1〜30の半導体封止用接着剤及び半導体封止用フィルム状接着剤は、構成成分中に350℃での熱重量減少量が50%を超える成分が含まれており、接続温度350℃での実装において樹脂発泡に起因するボイドが発生していることが確認された。
また、図3(a)〜(d)は、実施例1、比較例1、比較例11及び比較例21の半導体封止用フィルム状接着剤を用いて作製した半導体装置における樹脂発泡に起因するボイドの有無を示す顕微鏡写真である。図3から明らかなように、比較例1、11及び21では樹脂発泡に起因するボイド(樹脂発泡ボイド6)が発生しているのに対し、実施例1では樹脂発泡に起因するボイドが発生していないことが確認された。
1…スズめっき銅配線、2…半導体封止用フィルム状接着剤の硬化物、3…ポリイミド基板、4…金バンプ、5…半導体チップ、6…樹脂発泡ボイド。

Claims (13)

  1. バンプ又は金属配線を有する半導体チップとバンプ又は金属配線を有する基板とを半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で接続するとともに、前記半導体チップと前記基板との間の空隙を前記半導体封止用接着剤で封止充てんする工程を有しており、
    前記半導体封止用接着剤として、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する半導体封止用接着剤を用いる、半導体装置の製造方法。
  2. バンプ又は金属配線を有する半導体チップ間を半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で接続するとともに、前記半導体チップ間の空隙を前記半導体封止用接着剤で封止充てんする工程を有しており、
    前記半導体封止用接着剤として、(a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する半導体封止用接着剤を用いる、半導体装置の製造方法。
  3. 前記(a)エポキシ樹脂の5%熱重量減少温度、及び、前記(b)硬化剤の5%熱重量減少温度が、いずれも200℃以上である、請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記(a)エポキシ樹脂及び前記(b)硬化剤が、いずれも25℃、1気圧で固形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記半導体封止用接着剤が、更に(c)重量平均分子量が10000以上であり、且つ、熱重量減少量が350℃で50%以下である高分子成分を含有するものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記半導体封止用接着剤が、フィルム状に形成されたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体チップのバンプは金バンプであり、前記基板の金属配線は表面がスズめっきされた金属配線であり、前記基板はポリイミド基板であり、前記半導体チップと前記基板とを前記半導体封止用接着剤を介して300℃以上の温度で金−スズ共晶を形成させて接続する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. (a)熱重量減少量が350℃で50%以下であるエポキシ樹脂と、(b)熱重量減少量が350℃で50%以下である硬化剤と、を含有する、半導体封止用接着剤。
  9. 前記(a)エポキシ樹脂の5%熱重量減少温度、及び、前記(b)硬化剤の5%熱重量減少温度が、いずれも200℃以上である、請求項8記載の半導体封止用接着剤。
  10. 前記(a)エポキシ樹脂及び前記(b)硬化剤が、いずれも25℃、1気圧で固形である、請求項8又は9記載の半導体封止用接着剤。
  11. 更に(c)重量平均分子量が10000以上であり、且つ、熱重量減少量が350℃で50%以下である高分子成分を含有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤。
  12. フィルム状に形成されたものである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤。
  13. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法によって製造される、半導体装置。
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