JP5353007B2 - ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド - Google Patents

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Description

本発明は、メルカプト基の水素原子が(チオ)エポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドに関する。このようなポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドは光学用樹脂の原料として有用であり、得られる樹脂は優れた光学的性能及び力学的性能を有し、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどに使用できる。なお、本発明では、ポリチオカーボネートはチオカーボネート構造を繰り返し単位とするポリ(チオカーボネート)を意味し、(チオ)エポキシはエポキシ又はチオエポキシ、(チオ)エーテルはエーテル又はチオエーテルをそれぞれ意味する(以下同様)。
近年、光学用途の材料として、ガラスに比べて軽量で割れにくくかつ染色も容易であることから、プラスチックが主流になりつつある。例えば、ポリエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリメチルメタクリレート、脂環式ポリオレフィン、ポリカーボネートなどが光学用樹脂として汎用的に使用されてきた。しかし、これらは屈折率が1.6以下であるため、高屈折率材料のコーティングや接着に使用する場合は被着体の本来の特性を充分に生かすことができず、レンズ等に使用する場合は肉厚が大きくなるという問題があった。また、プラスチックは、一般的に屈折率の高いものほどアッベ数が低く色収差が大きい傾向にあるため、注視物に色がついてにじんで見えるという問題もあった。これらのことから、光学用樹脂として高屈折率で高アッベ数のものが求められていた。レンズ等に使用する場合は、更に使用温度範囲で変形しないことが必要であるため,光学用途材料としてのプラスチックには、高いガラス転移温度を有することも求められていた。
このような光学用樹脂として、例えば、特許文献1及び2などに、ポリエピスルフィド化合物の開環重合体であるポリチオエーテルが提案されている。しかし、この重合体は、ガラス転移温度が高いほど、曲げに対する歪量が小さく割れ易いという傾向にあるため、屈折率及びアッベ数が高くかつガラス転移温度も高い樹脂に曲げに対して撓み易い性質が付与されたものが求められていた。
また、特許文献3には、トリチオカーボネート骨格を有するポリ(チオ)エポキシ化合物の開環重合体であるポリチオエーテルや含硫ポリエーテルも提案されている。しかし、この重合体は曲げに対して撓みやすい性質が充分ではなく、透明性の点も当該ポリ(チオ)エポキシ化合物の色相が充分ではない(APHAが200を大きく超える)ことから満足できるものではなかった。
一方、特許文献4〜6及び非特許文献1,2には、脂肪族(脂環式を含む)ジチオールとホスゲンを反応させて得られるポリチオカーボネートが光学用樹脂として提案されている。しかし、この重合体は、分子末端に塩素原子を有する上に融点が高く、溶融成形や注型重合などにより光学用樹脂原料として更に利用しようとする場合には難点があった。また、製造面では、毒性の高いホスゲンを使用するという問題があった。
特開平9−71580号公報 特開平9−110979号公報 特開2000−53761号公報 特開2002−201277号公報 特開2005−29608号公報 特開2005−31175号公報 POLYMER,35,7,1564(1994) POLYMER COMMUNICATIONS,1990,31,431
本発明は、前記のポリチオエーテルや含硫ポリエーテルが有する問題を解決して、光学用樹脂に必要とされる性能を満足する、ポリチオエーテル又は含硫ポリエーテルを与えることができる光学用樹脂原料を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加えて優れた力学的性能(曲げに対する高歪量)及び高いガラス転移温度を有するポリチオエーテル又は含硫ポリエーテルを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを新たに見出し、これを原料として得られる開環重合体(ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル)が前記の諸性質を具備していることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の事項に関する。
1. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が(チオ)エポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
2. 前記(チオ)エポキシ基含有基がβ−(チオ)エポキシプロピル基である、上記1記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
3. 一般式(1)で表される繰り返し単位を有する、上記1又は2記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
Figure 0005353007
(式中、Rは二価の炭化水素基を表し、反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中に反応に関与しない原子又は原子団を含有していてもよい。)
4. 一般式(2)で表される、上記3記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
Figure 0005353007
(式中、EPはβ−(チオ)エポキシプロピル基を表し、nは1以上の整数を表す。)
5. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも二種有する、上記3又は4記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
6. 数平均分子量が400〜3000である、上記1〜5のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
7. APHAが150以下である、上記1〜6のいずれか記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
8. ポリチオカーボネートポリチオールをエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物と反応させることを特徴とする、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリエポキシドの製造法。
9. 前記エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物がβ−エポキシプロピルハライド化合物である、上記8記載のポリチオカーボネートポリエポキシドの製造法。
10. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリエポキシドを、硫化剤と反応させることを特徴とする、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がチオエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリチオエポキシドの製造法。
11. 上記1〜7のいずれか記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを含む重合性組成物。
12. (チオ)エポキシ基と開環反応する官能基を有する化合物を含有する上記11記載の重合性組成物。
13. (チオ)エポキシ基と開環反応する官能基を有する前記化合物が、メルカプト基を有する化合物である上記12記載の重合性組成物。
14. 前記ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外のポリ(チオ)エポキシド化合物をさらに含む上記11〜13のいずれかに記載の重合性組成物。
15. 上記11〜14記載の重合性組成物を重合反応させて得られる重合物。
16. 上記15記載の重合物を含んでなる光学材料。
本発明の化合物を光学用樹脂原料として使用することにより、光学用樹脂に必要とされる性能を満足する、即ち、優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加えて優れた力学的性能(曲げに対する高歪量)及び高いガラス転移温度を有するポリチオエーテル又は含硫ポリエーテル(即ち、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル)を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドは、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が(チオ)エポキシ基含有基で置換されたもの、即ち、チオカーボネート構造を繰り返し単位とするポリ(チオカーボネート)であってメルカプト基末端に(チオ)エポキシ基含有基を有するものである。後述するように、このうち、メルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたもの(ポリチオカーボネートポリエポキシド)は、ポリチオカーボネートポリチオールをエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物と反応させることによって製造することができ、メルカプト基の水素原子がチオエポキシ基含有基で置換されたもの(ポリチオカーボネートポリチオエポキシド)は、このポリチオカーボネートポリエポキシドを硫化剤と反応させることによって製造できる。
〔ポリチオカーボネートポリチオール〕
原料となる前記ポリチオカーボネートポリチオールは、カーボネート化合物(カーボネート成分)とポリチオール化合物(チオール成分)をエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて製造することが好ましい。代表的な合成反応スキームは次のように示される。
Figure 0005353007

ここでは、ポリチオール化合物として、Rが2価の炭化水素基である場合を示した。
上記のカーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートや、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートや、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネートや、メチルフェニルカーボネート等のアルキルアリールカーボネートなどが挙げられる。これらカーボネート化合物の中では、ジアリールカーボネートが好ましく、中でもジフェニルカーボネートが特に好ましい。
また、ポリチオール化合物としては、ポリカーボネートポリオールの製造で使用されるポリオール化合物に対応するポリチオール化合物を単独又は複数で使用することができ、具体的には、多価(少なくとも二価)の炭化水素基(好ましくは炭素数2〜14)の遊離末端にメルカプト基が結合した化合物が挙げられる。この炭化水素基には、脂肪族(脂環式を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数2〜14)、芳香族(芳香脂肪族を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数6〜14)などが挙げられ、反応に関与しない置換基(アルキル基、アルコキシ基等)を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子)や環構造(脂環構造、芳香環構造、複素環構造等)などを同反応に関与しない原子又は原子団として含有していてもよい。この場合の「反応に関与しない」とは、ポリチオカーボネートポリチオール合成反応、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド合成反応、及び、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル合成反応に関与しないことを意味する。
多価の炭化水素基の中では、二価以上であって、八価以下、更には五価以下のものが好ましいが、特に二価のものが好ましい。これらの中では脂肪族のものが好ましく、中でも二価の脂肪族炭化水素基が特に好ましい。また、前記ヘテロ原子では硫黄原子や酸素原子が好ましく、環構造では脂環構造や飽和の複素環構造が好ましい。多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であれば、ポリチオカーボネートポリチオールは前記一般式(1)の繰り返し単位を有するポリチオカーボネートジチオールであり、一般式(1)における「R」がこの炭化水素基に相当する。また、この場合、前記一般式(1)の繰り返し単位は、本発明のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドにおいてもそのまま繰り返し単位となる。なお、炭化水素基が三価以上のものはポリマー中の分岐及び/又は架橋構造を増加させるので、得られるポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの物性を考慮して適宜選択・使用することが好ましい。三価以上の炭化水素基が含有される場合、その割合は、全多価炭化水素基に対してモル基準で30%以内が好ましく、20%以内がより好ましい。
例えば、二価の炭化水素基Rと三価の炭化水素基Rが同一の分子内に含まれるとき、ポリチオカーボネートポリチオールは、例えば次のように炭化水素基Rで分岐した構造(4)を有する。
Figure 0005353007
前記炭化水素基が脂肪族炭化水素基であるポリチオール化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール等のアルカンジチオールや、1,4−シクロヘキサンジチオール等のシクロアルカンジチオールや、
ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール等の炭素鎖中にヘテロ原子を含有するアルカンジチオールや、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン等の炭素鎖中に脂環構造を含有するアルカンジチオールや、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジオキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等の炭素鎖中にヘテロ原子及び脂環構造を含有するアルカンジチオールや、
1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,8−メルカプト−4−メルカプトメチル−3,6−チアオクタン等のアルカントリチオールや、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、3,3’−チオビス(プロパン−1,2−ジチオール)、2,2’−チオビス(プロパン−1,3−ジチオール)等のアルカンテトラチオールなどが挙げられる。
また、前記炭化水素基が芳香族炭化水素基であるポリチオール化合物としては、例えば、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール等の芳香族ジチオールや、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジチオールや、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香族トリチオールなどが挙げられる。
本発明では、ポリチオール化合物は単独で使用してもよいが、複数(少なくとも二種)で使用してもよい。ポリチオール化合物中の多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であれば、ポリチオール化合物を複数種類使用した場合、得られるポリチオカーボネートポリチオールは前記一般式(1)においてRが異なる複数(少なくとも二種)の繰り返し単位を有する共重合物となる。このとき、例えば、次のような組合せのポリチオール化合物を使用すれば、融点及び結晶化温度が低く室温下(40℃以下、好ましくは30℃以下、特定の実施形態によっては20℃以下、更に好ましくは10℃以下)で液状のポリチオカーボネートポリチオールを得ることができる。複数のポリチオール化合物の使用割合は室温下で液状のポリチオカーボネートポリチオールが得られる限り特に制限されない。液状のポリチオカーボネートポリチオールを原料とする場合、得られるポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドは低融点のものとなって、室温下で注型重合が可能になるなど、実用的に非常に有用である。
(a)炭素鎖の鎖長が異なる直鎖アルカンジチオールの組合せ:1,5−ペンタンジチオールと1,6−ヘキサンジチオールとの組合せ、ビス(メルカプトアルキル)スルフィド(例えば、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド)と1,6−ヘキサンジチオールとの組合せなど。(b)直鎖アルカンジチオールと分岐アルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと3−メチル−1,5−ペンタンジチオールとの組合せなど。(c)直鎖アルカンジチオール又は分岐アルカンジチオールと脂環構造を含有するアルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサンとの組合せなど。(d)直鎖アルカンジチオール又は分岐アルカンジチオールとヘテロ原子及び脂環構造を含有するアルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンとの組合せなど。
また、複数種類のポリチオール化合物を使用するときに、価数の異なるポリチオール化合物を使用してもよく、例えばジチオールに加えてトリチオール、テトラチオール、およびペンタチオール等の三価以上のポリチオール化合物(即ち、ポリチオール化合物中の多価炭化水素基の価数が三価以上)を併用してもよい。3価以上のポリチオールを使用すると、ポリマー中に分岐および/または架橋構造が増えるので、得られるポリチオカーボネートポリチオールの物性を考慮して適宜選択することが好ましい。三価以上のポリチオールの使用量は、全ポリチオール化合物の使用量に対して、モル基準で30%以内が好ましく、20%以内が特に好ましい。
ポリチオカーボネートポリチオールは、カーボネート化合物(特にジアリールカーボネート)とポリチオール化合物をエステル交換触媒の存在下で副生するアルコール(特にアリールアルコール)を連続的に反応系外に抜き出しながらエステル交換反応させて製造することが好ましい。このとき、ポリチオール化合物の使用量は、得られるポリチオカーボネートポリチオール分子鎖の末端の全部又はほぼ全部がメルカプト基となるように、カーボネート化合物に対して0.8〜3.0倍モル、更には0.85〜2.5倍モル、特に0.9〜2.5倍モルであることが好ましい。また、エステル交換触媒の使用量は、ポリチオール化合物に対してモル基準で1〜5000ppm、更には10〜1000ppmであることが好ましい。なお、副生アルコールを抜き出すためには、反応器に蒸留装置を設けることが好ましく、更に不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)流通下で反応させてもよい。
前記エステル交換反応においては、ジアリールカーボネートとしてジフェニルカーボネートを使用することが好ましく、その場合、ポリチオール化合物として多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であるものを使用するときには、その炭化水素基Rの炭素数は4〜14であることが好ましい。このとき、二価の炭化水素基Rの炭素数が4〜14であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)の使用量は、ジフェニルカーボネートに対して1.05〜3.0倍モル、更には1.1〜2.5倍モルであることが好ましく、着色度が低く(即ち、APHAが60以下、更には40以下、特に20以下で)、分子鎖末端の全部又はほぼ全部がメルカプト基である(即ち、末端基におけるアリールオキシ基(特にフェノキシ基)の割合が5%以下、更には2%以下、特に1%以下である)ポリチオカーボネートポリチオールを得ることができる。このように末端基におけるアリールオキシ基の割合を制御することにより、末端(チオ)エポキシ基含有率の高いポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを得ることができ、その結果、光学的性能に加えて力学的性能にも優れたポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルを得ることができる。なお、APHAは加熱溶融時の色相を表し、アリールオキシ基の割合はモル基準である(以下同様)。
前記エステル交換反応の条件(温度、圧力、時間)は、目的物を効率よく生成させることができるなら特に制限されず、例えば、カーボネート化合物とポリチオール化合物を、エステル交換触媒の存在下、常圧又は減圧下に110〜200℃で1〜24時間程度、次いで減圧下に110〜240℃(特に140〜240℃)で0.1〜20時間程度反応させ、更に同温度で徐々に真空度を高めながら最終的に20mmHg(2.7kPa)以下となる減圧下で0.1〜20時間程度反応させればよい。
また、ポリチオール化合物を複数で使用する場合は、複数のもの同時に反応させてもよいが、カーボネート化合物と一方のポリチオール化合物を同様の条件でエステル交換反応させて対応するポリチオカーボネートポリチオールを一旦生成させ、これに別のポリチオール化合物を反応させてもよい。後者の場合、カーボネート化合物がジフェニルカーボネートであれば、ジフェニルカーボネートとRの炭素数が4〜14であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)をエステル交換反応させ、次いで生成するポリチオカーボネートポリチオールとRの炭素数が2〜4であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)を反応させて目的物を製造することが好ましい。
エステル交換触媒は前記エステル交換反応を触媒する化合物であれば特に制限されず、例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、有機四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物や、四塩化チタン、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)などのチタン化合物や、金属スズ、水酸化スズ、塩化スズ、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(2−エチルヘキサノエート)などのスズ化合物が挙げられる。
エステル交換触媒の中では、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、有機四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物や、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)が好ましい。エステル交換触媒は、下記の脱COS反応と着色度及び残存触媒量をポリ(チオ)カーボネートポリ(チオ)エーテルの光学的及び力学的性能を高水準に維持できる範囲に制御できるものであればよいが、その中でも、塩基性化合物は、反応速度を速くすることができる上に、APHAが60以下で着色度が低くしかもチオカーボネート構造(−S−CO−S−)部分での脱COS反応により生成するチオエーテル構造(二価の炭化水素基Rを有するポリチオール化合物を使用した場合であれば、−R−S−R−)の割合がモル基準(以下同様)で残存チオカーボネート構造と当該チオエーテル構造の合計の3%以下である高品質のポリチオカーボネートポリチオールを与えることができるので特に好ましい。
前記塩基性化合物の中では、有機四級アンモニウム塩(特にテトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)が、APHA60以下で当該チオエーテル構造の割合も1%以下である、金属成分が含有されることのないポリチオカーボネートポリチオールを得ることができるので更に好ましい。このように脱COS反応を制御することにより、ポリチオカーボネートポリチオールの硫黄含量及びチオカーボネート構造を高水準に維持できるようになる。なお、残存チオカーボネート構造は脱COS反応を受けていないチオカーボネート構造をいう。
ポリチオカーボネートポリチオールの数平均分子量(M)は250〜2500、更には400〜2000の範囲であることが好ましい。分子量が範囲外である場合、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドの物性やポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの光学的或いは力学的性能が不満足なものとなる。例えば、数平均分子量が250より小さい場合はポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの曲げ破壊ひずみが小さくなり、2500より大きい場合はポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドの融点及び結晶化温度が高くなって室温下(40℃以下)での注型重合が困難になる。このため、目的の分子量となるようにカーボネート化合物とポリチオール化合物の使用量を調整するが、反応生成物の数平均分子量が目的値から外れる場合、例えば、分子量が小さい場合は減圧下で更にポリチオール化合物を留出させながらエステル交換反応させ、分子量が大きい場合はポリチオール化合物を添加して更にエステル交換反応させることによって分子量を調整することが好ましい。
分子量調整後、ポリチオカーボネートポリチオール中に残存するエステル交換触媒は、必要であれば不活性化しておくことが好ましい。エステル交換触媒の不活性化は、テトラアルコキシチタンを使用した場合は、リン系化合物(リン酸、リン酸ブチル、リン酸ジブチル等)を添加する公知の方法により行なうことができ、塩基性化合物を使用した場合は、無機又は有機の酸(硫酸、パラトルエンスルホン酸等)を40〜150℃で触媒と等モル量添加することにより行うことができる。なお、この酸添加で不溶性の塩が析出する場合は、これを水洗して除くことが好ましい。
得られたポリチオカーボネートポリチオールは水洗により着色度(APHA)を更に低くすることができる。例えば、触媒がテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである場合、得られるポリチオカーボネートポリチオールのAPHAは既に60以下であるが、40以下、更には20以下(10以下)まで水洗によって低下させることができる。触媒がチタン化合物である場合も、ポリチオカーボネートポリチオールのAPHA(100を超える)を同様にして低下させることができる。なお、水洗は、ポリチオカーボネートポリチオールを塩化メチレン等の良溶媒に溶解させ、適量の水を加えて均一に混合又は攪拌することにより行なうことができ、水洗操作は必要に応じて複数回行なってもよい。水洗操作を施したポリチオカーボネートポリチオールを使用して本発明のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを製造すれば、APHAが150以下(更には100以下、特に80以下)の着色度の低い高品質のものを得ることができる。また、エステル交換触媒として塩基性化合物又はチタン化合物を使用すれば、ポリチオカーボネートポリチオール中の残存触媒量も水洗により重量基準(以下同様)で10ppm以下(更には2ppm以下)に低減させることができる。このように残存触媒量を制御することによっても、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの光学的及び力学的性能を高水準に維持できる。
〔エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物〕
他の原料であるエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物としては、β−エポキシプロピルハライド化合物が好ましく挙げられ、ハライドにはクロライドやブロマイドが挙げられる。この化合物はそのエポキシ環及びα−炭素に反応に関与しない置換基を少なくとも1個有していてもよい。置換基としては、脂肪族(脂環式を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数1〜10)、芳香族(芳香脂肪族を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられ、その炭素鎖中にはヘテロ原子(硫黄原子等)又は環構造(脂環構造、飽和複素環構造等)などが含有されていてもよい。これらエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物の中では、脂肪族炭化水素基を置換基に有するものも好ましく挙げられるが、無置換のもの(β−エポキシプロピルハライド)が特に好ましい。なお、この場合の「反応に関与しない」とは、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド合成反応及びポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル合成反応に関与しないことを意味する。
エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、2−メルカプトメチル−3−クロロプロピレンオキシド、2−メルカプトメチル−3−ブロモプロピレンオキシドなどが挙げられる。
〔ポリチオカーボネートポリエポキシド〕
ポリチオカーボネートポリエポキシドは、前記のように、ポリチオカーボネートポリチオールをエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物と反応させることにより製造される。即ち、ポリチオカーボネートポリチオールが、Rがすべて二価の炭化水素基であるポリチオカーボネートジチオール、およびエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物がβ−エポキシプロピルハライドである場合、反応式は次のように示される。
Figure 0005353007

このとき、エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物は、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基に対して1〜30倍モル、更には1〜15倍モル、特に1〜10倍モル使用することが好ましく、反応温度は、−10℃〜100℃、更には−10℃〜60℃、特に0〜40℃の範囲であることが好ましい。反応圧力は特に制限されず、通常は常圧でよく、反応雰囲気も特に制限されない。
前記反応は塩基を存在させて行なうことが好ましく、その量はポリチオカーボネートポリチオールが有するメルカプト基に対して少なくとも等モル、好ましくは等モルから5倍モル程度であればよい。塩基としては、3級アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等)、4級アンモニウムヒドロキシド(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等)が好ましく挙げられる。
また、前記反応は必要に応じて溶媒を存在させて行ってもよい。溶媒は、原料(ポリチオカーボネートポリチオール、エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物)及び塩基を溶解することができ反応を阻害するものでなければよく、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等)などを使用できる。溶媒の使用量は反応の進行に特に影響がない限り制限されない。
このようにしてポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリエポキシドを得ることができる。ポリチオカーボネートポリエポキシドの数平均分子量は好ましくは400〜3000、更に好ましくは500〜2500の範囲である。このとき、ポリチオカーボネートポリチオールのチオール成分となるポリチオール化合物がジチオール化合物であってエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物がβ−エポキシプロピルハライドであれば、メルカプト基の置換度100%の場合、EPがβ−エポキシプロピル基である前記一般式(2)で表されるポリチオカーボネートポリエポキシドを得ることができる。ここで、「n」は、ポリチオカーボネートポリチオールの重合度を表す1以上(好ましくは1〜20)の整数であり、その数平均分子量に関連づけられる。なお、得られるポリチオカーボネートポリエポキシドにおいて、メルカプト基の置換度は原料のモル比により調節されるが、好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上である。
〔ポリチオカーボネートポリチオエポキシド〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシドは、前記のように、ポリチオカーボネートポリエポキシドを硫化剤と反応させることにより製造される。上記の式(2a)のポリチオカーボネートポリエポキシドを硫化剤と反応させた場合、次の式で表される。
Figure 0005353007

このとき、硫化剤は、ポリチオカーボネートポリエポキシドのエポキシ基に対して0.1〜30倍モル、更には0.5〜10倍モル、特に1〜5倍モル使用することが好ましく、反応温度は、0〜100℃、更には20〜70℃の範囲であることが好ましい。反応圧力は特に制限されず、通常は常圧でよく、反応雰囲気も特に制限されない。
硫化剤としては、アルカリ金属のチオシアン酸塩(チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム等)、チオ尿素、トリフェニルホスフィンスルファイド、3−メチルベンゾチアゾール−2−チオンなどが挙げられ、その中ではチオ尿素が好ましい。
前記反応は重合抑制剤を存在させて行なうことが好ましく、その量は、ポリチオカーボネートポリエポキシドのエポキシ基に対して0.001〜0.5倍モル、更には0.005〜0.2倍モル程度であればよい。重合抑制剤としては、無機酸(硝酸、塩酸、硫酸、ホウ酸、リン酸等)、有機酸(酢酸、チオ酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、安息香酸等)、有機過酸(過酢酸等)、無機酸無水物(酸化ホウ素、五酸化リン、無水クロム酸等)、有機酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸等)、シリカゲル、シリカアルミナ、塩化アルミニウム等が好ましく挙げられ、2種以上混合して使用してもよい。
また、前記反応は必要に応じて溶媒を存在させて行ってもよい。溶媒は、原料(ポリチオカーボネートポリエポキシド、硫化剤)を溶解することができて反応を阻害するものでなければよく、例えば、ポリチオカーボネートポリエポキシド合成におけると同様のものを使用することができる。溶媒の使用量は反応の進行に影響がない限り制限されない。
このようにして、ポリチオカーボネートポリエポキシドに対応してポリチオカーボネートポリチオエポキシドを製造することができる。ポリチオカーボネートポリチオエポキシドの数平均分子量は好ましくは400〜3000、更に好ましくは500〜2500の範囲である。このとき、ポリチオカーボネートポリチオールのチオール成分となるポリチオール化合物がジチオール化合物であれば、EPがβ−チオエポキシプロピル基である前記一般式(2)で表されるポリチオカーボネートポリチオエポキシドを得ることができる。ここで、「n」は、ポリチオカーボネートポリチオールの重合度を表す1以上(好ましくは1〜20)の整数であり、その数平均分子量に関連づけられる。なお、得られるポリチオカーボネートポリチオエポキシドにおいて、エポキシ基とチオエポキシ基の比率は特に制限されず、硫化剤の使用モル比により調節される。
〔ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル〕
優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加えて優れた力学的性能(曲げに対する高歪量)と高いガラス転移温度を有する、本発明のポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルは、前記のように、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを開環重合反応させる、即ち、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを含有する重合性組成物を重合反応に付すことにより得ることができる。
前記重合性組成物は、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外に、(チオ)エポキシ基と開環反応することができる官能基を少なくとも1個有する化合物を含むことが好ましい。この化合物は単独又は複数で使用することができ、(チオ)エポキシ基と反応する官能基のモル数が(チオ)エポキシ基のモル数に対して0.3以下、更には0.2以下、特に0.1以下であって、0.001以上、更には0.003以上、特に0.005以上であるように使用することが好ましい。
(チオ)エポキシ基と開環反応することができる官能基を少なくとも1個有する化合物としては、例えば、メルカプト基含有化合物(メルカプト基含有有機酸、メルカプト基含有アミン化合物を除く)、アミン化合物、ビニル基含有化合物、有機酸又はその無水物、メルカプト基含有有機酸、メルカプト基含有アミン化合物、フェノール化合物などが挙げられる。これら化合物の中では、メルカプト基含有化合物、アミン化合物、メルカプト基含有アミン化合物、フェノール化合物が好ましいが、その中でも脂肪族のものが更に好ましい。
メルカプト基含有化合物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるメルカプト基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、
ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジオキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、3,3’−チオビス(プロパン−1,2−ジチオール)、2,2’−チオビス(プロパン−1,3−ジチオール)等の脂肪族メルカプト基含有化合物(脂環式を含み、置換基を有していてもよく、炭素鎖中にヘテロ原子や環構造を含んでいてもよい)や、
チオフェノール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール、トルエン−3,4−ジチオール、メルカプトメチルベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香族メルカプト基含有化合物(置換基を有していてもよい)などが挙げられる。更に、数平均分子量200〜2500の前記ポリチオカーボネートポリチオールも挙げられる。これらメルカプト基含有化合物の中では、メルカプト基が8個以下、更には6個以下のものが好ましく、その中でも脂肪族のものが更に好ましい。
アミン化合物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるアミノ基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン(以上は異性体を含む)、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノメチルビシクロヘプタン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,7−ジアミノフルオレン等の脂肪族1級アミン(脂環式を含み、置換基を有していてもよく、炭素鎖中に環構造を含んでいてもよい)や、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン(以上は異性体を含む)、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、1,1−ジ(4−ピペリジル)メタン、1,2−(4−ピペリジル)エタン、1,3−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ(4−ピペリジル)ブタン等の脂肪族2級アミン(脂環式を含み、置換基を有していてもよく、炭素鎖中に環構造を含んでいてもよい)や、
アニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、m−(又はp−)キシリレンジアミン、1,5−(又は1,8−、2,3−)ジアミノナフタレン、2,3−(又は2,6−、3,4−)ジアミノピリジン等の芳香族1級アミン(置換基を有していてもよい)や、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン等の2級芳香族アミン(置換基を有していてもよい)が挙げられる。
ビニル基含有化合物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるビニル基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカーボネート、アリルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアリルアミン等のアリル化合物や、ジビニルベンゼン等のビニル化合物や、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリルレート化合物が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
有機酸又はその無水物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるカルボキシル基又は酸無水物基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、チオジグリコール酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸無水物、メチルノルボルナン酸無水物、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
メルカプト基含有有機酸は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるメルカプト基及びカルボキシル基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、チオ酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸等が挙げられる。
メルカプト基含有アミン化合物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるメルカプト基及びアミノ基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、アミノエチルメルカプタン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。
フェノール化合物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができるフェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物であれば特に制限されない。例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3−メトキシフェノール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。
また、前記重合性組成物は、(チオ)エポキシ基と開環反応することができる官能基を少なくとも1個有する化合物の他に、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外のポリ(チオ)エポキシドを含むことが更に好ましい。このポリ(チオ)エポキシドは、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドと共に開環重合反応によりポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルを与えるものであれば特に制限されず、単独又は複数で使用することができる。その使用量は、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドに対して0.5〜50重量倍、更には1〜30重量倍、特に1.5〜15重量倍であることが好ましい。
このようなポリ(チオ)エポキシドとしては、例えば(但しEPはβ−(チオ)エポキシプロピル基を表す)、ビス(EP)エーテル、ビス(EP−オキシ)メタン、1,2−ビス(EP−オキシ)エタン、1,2−ビス(EP−オキシ)プロパン、1,3−ビス(EP−オキシ)プロパン、1,2−ビス(EP−オキシメチル)プロパン、1−(EP−オキシ)−2−(EP−オキシメチル)プロパン、1,3−ビス(EP−オキシ)ブタン、1,4−ビス(EP−オキシ)ブタン、1−(EP−オキシ)−3−(EP−オキシメチル)ブタン、1,5−ビス(EP−オキシ)ペンタン、1−(EP−オキシ)−4−(EP−オキシメチル)ペンタン、1,6−ビス(EP−オキシ)ヘキサン、1−(EP−オキシ)−2−(EP−オキシメチル)ヘキサン等の酸素原子を含む鎖状脂肪族ジエピチオ化合物や、
ビス(EP)スルフィド、ビス(EP)ジスルフィド、ビス(EP−チオ)メタン、1,2−ビス(EP−チオ)エタン、1,2−ビス(EP−チオ)プロパン、1,3−ビス(EP−チオ)プロパン、1,3−ビス(EP−チオ)−2−メチルプロパン、1,3−ビス(EP−チオ)ブタン、1,4−ビス(EP−チオ)ブタン、1,4−ビス(EP−チオ)−2−メチルブタン、1,5−ビス(EP−チオ)ペンタン、1,5−ビス(EP−チオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(EP−チオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(EP−チオ)ヘキサン、1,6−ビス(EP−チオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(EP−チオ)−3,6−ジチアオクタン等の硫黄原子を含む鎖状脂肪族ジエピチオ化合物や、
1,1,1−トリス(EP−オキシメチル)プロパン、1,2,3−トリス(EP−チオ)プロパン、2,2−ビス(EP−チオメチル)−1−(EP−チオ)ブタン、1,5−ビス(EP−オキシ)−2−(EP−オキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(EP−チオ)−2−(EP−チオメチル)−3−チアペンタン、1−(EP−オキシ)−2,2−ビス(EP−オキシメチル)−4−チアヘキサン、1−(EP−チオ)−2,2−ビス(EP−チオメチル)−4−チアヘキサン、1,8−ビス(EP−オキシ)−4−(EP−オキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−チオ)−4−(EP−チオメチル)−3,6−ジチアオクタン等の酸素原子又は硫黄原子を含む鎖状脂肪族トリエピチオ化合物や、
テトラキス(EP−オキシメチル)メタン、1,1,2,2−テトラキス[2−(EP−チオ)エチルチオメチル]エタン、1,1,1−トリス[2−(EP−チオ)エチルチオメチル]−2−(EP−チオ)エタン、2,2−ビス(EP−チオ)−1,3−ビス(EP−チオメチル)プロパン、1,5−ビス(EP−オキシ)−2,4−ビス(EP−オキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(EP−チオ)−2,4−ビス(EP−チオメチル)−3−チアペンタン、1,5,6−トリス(EP−オキシ)−4−(EP−オキシメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(EP−オキシ)−4,5−ビス(EP−オキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−チオ)−4,5−ビス(EP−チオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−オキシ)−4,4−ビス(EP−オキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−チオ)−4,4−ビス(EP−チオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−オキシ)−2,5−ビス(EP−オキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−チオ)−2,5−ビス(EP−チオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(EP−オキシ)−5−(EP−オキシメチル)−5−[2−(EP−オキシ)エトキシメチル]−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(EP−オキシ)−5,6−ビス[2−(EP−オキシ)エトキシ]−3,6,9−ジチアデカン、1,11−ビス(EP−オキシ)−4,8−ビス(EP−オキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(EP−チオ)−4,8−ビス(EP−チオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(EP−オキシ)−4,7−ビス(EP−オキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(EP−チオ)−4,7−ビス(EP−チオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(EP−オキシ)−5,7−ビス(EP−オキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(EP−チオ)−5,7−ビス(EP−チオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の酸素原子又は硫黄原子を含む鎖状脂肪族テトラエピチオ化合物や、
1,8−ビス(EP−オキシ)−2,4,5−トリス(EP−オキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(EP−チオ)−2,4,5−トリス(EP−チオメチル)−3,6−ジチアオクタン等の酸素原子又は硫黄原子を含む鎖状脂肪族ペンタエピチオ化合物や、
1,3−ビス(EP−オキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(EP−チオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(EP−オキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(EP−チオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(EP−オキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(EP−チオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(EP−オキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(EP−チオメチル)シクロヘキサン、ビス[4−(EP−オキシ)シクロヘキシル]メタン、2,2−ビス[4−(EP−オキシ)シクロヘキシル]プロパン、ビス[4−(EP−オキシ)シクロヘキシル]スルフィド等の酸素原子又は硫黄原子を含む環状脂肪族ポリエピチオ化合物や、
2,5−ビス(EP−オキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(EP−チオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(EP−オキシエチルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[2−(EP−チオ)エチルチオメチル]−1,4−ジチアン等のヘテロ環を含む環状脂肪族ポリエピチオ化合物や、
1,3−ビス(EP−オキシ)ベンゼン、1,4−ビス(EP−オキシ)ベンゼン、1,3−ビス(EP−オキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(EP−オキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(EP−チオ)ベンゼン、1,4−ビス(EP−チオ)ベンゼン、1,3−ビス(EP−チオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(EP−チオメチル)ベンゼン、ビス[4−(EP−チオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(EP−チオ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(EP−チオ)ビフェニル、ビス[4−(EP−チオ)フェニル]スルフォン等の芳香族ポリエピチオ化合物などが挙げられる。
更に、3−メルカプトプロピレンスルフィド、4−メルカプトブテンスルフィド等のメルカプト基含有エピチオ化合物も前記ポリエピチオ化合物として挙げられる。これらポリエピチオ化合物の中では、前述のような鎖状又は環状の各種脂肪族ポリエピチオ化合物が好ましい。
本発明の重合性組成物は、以上のように、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを含んでなり、(チオ)エポキシ基と開環反応することができる官能基を少なくとも1個有する化合物を含むことが好ましく、その他にポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外のポリ(チオ)エポキシドを含むことが更に好ましい。また、目的に応じて、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、塗料、充填剤等の公知の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいても差し支えない。
ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドの開環重合反応は、例えば、前記重合性組成物を、触媒の存在下又は非存在下、−100℃〜120℃、好ましくは−10℃〜80℃、更に好ましくは0〜50℃で0.1〜72時間程度混合して予備重合反応させた後、ガラス又は金属製の型に注入し、10〜200℃、好ましくは10〜160℃、更に好ましくは10〜130℃に6〜72時間かけて徐々に昇温しながら加熱することによって行うことができる。反応圧力は特に制限されず通常は常圧でよく、反応雰囲気も特に制限されない。触媒は開環重合反応を制御できる範囲で必要に応じて使用すればよく、使用量は重合性組成物に対して例えば5重量%以下(更には1重量%以下)であればよい。
このとき、重合性組成物中のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外の成分は予め混合しておいてもよく、反応の途中で段階的に混合してもよい。例えば、最初にポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドとメルカプト基含有化合物を予備重合反応させた後、その他の成分を添加・混合することもできる。
なお、前記触媒としては、アミン類、ホスフィン類、有機四級アンモニウム塩類、有機四級ホスホニウム塩類、三級スルホニウム塩類、二級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類等が挙げられる。その中でも、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン等の三級アミン、トリメチルフォスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の三級ホスフィン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の有機四級アンモニウムハライド、テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の有機四級ホスホニウムハライドが重合反応を制御しやすく好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、ポリチオカーボネートポリチオール、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド、ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの物性は下記の方法によりそれぞれ測定した。
〔ポリチオカーボネートポリチオールの物性〕
(1)メルカプト基価(SH価;mgKOH/g):100mLサンプル瓶に試料を秤量し(重量はグラム単位で小数点以下4桁まで正確に読み取る)、無水酢酸−テトラヒドロフラン溶液(溶液100mL中に無水酢酸4gを含む)5mLと4−ジメチルアミノピリジン−テトラヒドロフラン溶液(溶液100mL中に4−ジメチルアミノピリジン1gを含む)10mLを正確に加えて試料を完全に溶解させた後、室温で1時間放置し、次いで、超純水1mLを正確に加えて時々攪拌しながら室温で30分放置して0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した(指示薬:フェノールフタレイン)。SH価は次式により算出した。
SH価(mgKOH/g)=14.025×(B−A)×f/S
(但し、式中、Sは試料採取量(g)、Aは試料の滴定に要した0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、Bは空試験で要した0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、fは0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液のファクターを表す。)
(2)数平均分子量(M):次式により算出した。
=112200/SH価
(3)酸価(mgKOH/g):試料をトルエン−エタノール溶液(等容混合溶液)200mLに溶解して0.1M水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定した(指示薬:フェノールフタレイン)。酸価は次式により算出した。
酸価(mgKOH/g)=5.61(C−D)f’/S’
(但し、式中、S’は試料採取量(g)、Cは試料の滴定に要した0.1M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、Dは空試験に要した0.1M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、f’は0.1M水酸化カリウム−エタノール溶液のファクターを表す。)
(4)融点及び結晶化温度:示差走査熱量計(島津製作所製;DSC−50)を使用して、窒素ガス雰囲気中、−100℃〜100℃の範囲において、昇温及び降温速度10℃/分で測定した。
(5)粘度(mPa・sec):E型回転粘度計(ブルックフィールド製;プログラマブルデジタル粘度計DV−II+)を使用して35℃で測定した。
(6)色相(APHA):JIS−K1557に準拠して測定した。
(7)末端基におけるアリールオキシ基の割合(%):H−NMRの積分値から全末端基に対するフェノキシ基の割合(モル基準)を求めた。
(8)脱COS反応により生成するチオエーテル構造の割合(%):H−NMRの積分値から残存チオカーボネート構造と脱COS反応で生成したチオエーテル構造の合計量(モル)を求め、この合計量に対する当該チオエーテル構造の割合(モル基準)を求めた。
(9)残存触媒量(ppm;重量基準):ポリチオカーボネートポリチオールの30重量%クロロホルム溶液を調製し、同容量の水で該溶液中のテトラブチルアンモニウムヒドロキシドを抽出して高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
〔ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドの物性〕
(1)数平均分子量(M):次式により算出した。
=112200/ポリチオカーボネートポリチオールのSH価+(E−2)F(1−H)+(G−2)FH
(但し、Eはポリチオカーボネートポリエポキシド中のエポキシ基含有基の分子量、Fはポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の転化率、Gはポリチオカーボネートポリチオエポキシド中のチオエポキシ基含有基の分子量、Hはポリチオカーボネートポリエポキシドのエポキシ基の転化率をそれぞれ表す。)
(2)融点及び結晶化温度:示差走査熱量計(島津製作所製;DSC−50)を使用して、窒素ガス雰囲気中、−100℃〜100℃の範囲において、昇温及び降温速度10℃/分で測定した。
(3)粘度(mPa・sec):E型回転粘度計(ブルックフィールド製;プログラマブルデジタル粘度計DV−II+)を使用して60℃で測定した。
(4)色相(APHA):JIS−K1557に準拠して測定した。
〔ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテルの物性〕
(1)屈折率:屈折率計(アタゴ製アッベ屈折率計;MR−04)を使用して、e線(λ=546nm)を照射したときの屈折率を測定した。
(2)アッベ数(ν):上記屈折率計を使用し、e線(λ=546nm)、F’線(λ=480nm)、C’線(λ=644nm)を照射したときの屈折率(n、nF’、nC’)をそれぞれ測定して次式により算出した。
ν=(n−1)/(nF’−nC’
(3)ガラス転移温度(T):示差走査熱量計(パーキンエルマー製;PYRIS Diamond DSC)を使用して、窒素ガス雰囲気中、−100℃〜250℃の範囲において、昇温及び降温速度10℃/分で測定した。
(4)曲げ特性:三点曲げ試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を使用し、JIS−K7171に準拠して23℃及び50%RHで測定して、曲げ弾性率、曲げ強度、曲げ破壊ひずみを求めた。試験片の大きさは、幅25mm、長さ40mm、厚さ1mmとし、支持台間距離を32mm、圧子及び支持台の半径はそれぞれ5.0mm及び2.0mmとした。
〔参考例1〕
〔ポリチオカーボネートポリチオールの製造〕
撹拌機、温度計、蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に備える)を設置した内容積500mL(ミリリットル)のガラス製反応器に、1,6−ヘキサンジチオール90.1g(0.599モル)、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド77.2g(0.500モル)、ジフェニルカーボネート155g(0.725モル)、及び10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド−メタノール溶液0.861g(0.332ミリモル)を仕込み、200mmHg(27kPa)、160℃で還流させながら1時間保持した。次いで、フェノールを留去しながら8時間かけて50mmHg(6.7kPa)まで徐々に減圧した後、フェノールが留出しなくなったところで圧力を30mmHg(4.0kPa)から15mmHg(2.0kPa)まで3時間かけて徐々に減圧し、フェノールを留出させながら反応させて、目的のポリチオカーボネートポリチオールを生成させた。
このポリチオカーボネートポリチオールに前記触媒と等モルのp−トルエンスルホン酸一水和物を加え、130℃で2時間撹拌して触媒を不活性化させた。次いで、塩化メチレン430gを添加してポリチオカーボネートポリチオールを溶解させ、その溶液を同量の水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、固形物を濾過して除き、塩化メチレンを留去した。得られたポリチオカーボネートポリチオール(a)は低温下でも液状で融点は9.7℃であった。その物性とH−NMRの測定結果を次に示す。
SH価:211.4(mgKOH/g)、数平均分子量:531、酸価:0.04(mgKOH/g)、粘度:248(mPa・sec)、融点:9.7℃、結晶化温度:−19.8℃、APHA:10、末端アリールオキシ基:1%未満、チオエーテル構造:1%未満、残存触媒:2ppm未満
δ(ppm):1.33(t,J=7.3Hz,SH)、1.39(m,CH)、1.62(m,CH)、1.74(m,SH)、2.52(m,CH SH)、2.78(m,CHSCH及びCH SCH)、2.97(m,CHSCO)、3.19(m,CHSCO)
〔実施例1〕
〔ポリチオカーボネートポリエポキシドの製造〕
撹拌機、温度計、還流冷却管を設置した内容積500mLのガラス製反応器に、ポリチオカーボネートポリチオール(a)50.0g(94.2ミリモル)を塩化メチレン230mLとtert−ブタノール60mLの混合溶液に溶解させて入れ、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液3.82g(9.14ミリモル)を室温下で添加した。次いで、エピクロロヒドリン21.8g(236ミリモル)を30℃以下で1時間かけて滴下した後、40質量%水酸化ナトリウム水溶液23.4g(234ミリモル)を15〜25℃で1時間かけて滴下して室温で5時間撹拌した。得られた反応液に水200mLを加えて有機層を分取し、水層は塩化メチレン200mLで抽出処理した。二つの有機層を混合して、水洗(400mL×3回)、乾燥(無水硫酸マグネシウム)、固形物除去(濾過)、溶媒除去(減圧蒸留)により、無色のワックス状固体59.3gを得た。得られたポリチオカーボネートポリエポキシド(A)の物性を表1に示し、H−NMRの測定結果を次に示す。
δ(ppm):1.39(m、CH)、1.62(m、CH)、2.60(m、CHO)、2.70(d、7.2Hz、SCH CH)、2.74(d、7.2Hz、SCH CH)、2.78(m、CHSCH、CH)、2.97(m、CHSCO)、3.17(m、CHSCO)
〔実施例2〕
〔ポリチオカーボネートポリエーテルの製造〕
撹拌子を装着した内容積30mLのガラス製反応器中で、ポリチオカーボネートポリエポキシド(A)0.674g(1.05ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.233g(0.439ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル8.11g(50.0ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加して2時間反応させた。
反応終了後、反応液を厚さ1mmのシリコンゴムスペーサーを2枚のガラス板で挟んだ型の中に流し込み、25℃で12時間放置した後、30℃から100℃まで27時間かけて昇温した。得られた重合物(ポリエーテル(I)と称する)を型から離型し、所定の大きさに切断して光学物性及び力学物性を測定した。重合性組成物の組成及びポリエーテル(I)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。なお、ビス(β−チオエポキシプロピル)エーテルは、European Jornal of Organic Chemistry,2001,875記載の方法に従って3−エポキシプロピルオキシプロペンを原料として製造したビス(β−エポキシプロピル)エーテルから、特開2000−336087号公報記載の方法に従って製造した。
〔実施例3〕
〔ポリチオカーボネートポリエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリエポキシド(A)1.08g(1.68ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.234g(0.441ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル7.69g(47.4ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.033gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリエーテル(II)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリエーテル(II)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。
〔実施例4〕
〔ポリチオカーボネートポリエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリエポキシド(A)2.64g(4.09ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.234g(0.441ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル6.14g(37.8ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.033gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリエーテル(III)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリエーテル(III)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。
〔実施例5〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエポキシドの製造〕
撹拌機、温度計、還流冷却管を設置した内容積1Lのガラス製反応器に、ポリチオカーボネートポリエポキシド(A)59.0g(91.9ミリモル)をテトラヒドロフラン250mLとtert−ブチルアルコール60mLの混合溶液に溶解させて入れ、チオ尿素21.0g(276ミリモル)と無水酢酸0.920g(9.02ミリモル)を添加して50℃で24時間撹拌した(以上の操作は窒素気流下で行なった)。得られた反応液に水300mLとクロロホルム400mLを加えて有機層を分取し、酸洗浄(1質量%硫酸水溶液100mL)、水洗(370mL×3回)、乾燥(無水硫酸ナトリウム)、固形物除去(濾過)、溶媒除去(減圧蒸留)により、無色のワックス状固体57.4gを得た。得られたポリチオカーボネートポリチオエポキシド(B)の物性を表1に示し、H−NMRの測定結果を次に示す。
δ(ppm):1.39(m,CH)、1.62(m,CH)、2.25(dd,2.0Hz及び7.2Hz,CHCH S)、2.60−3.40(m,CHSCH,CHSCO,CHCH S及びCH)
〔実施例6〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシド(B)0.645g(0.952ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.250g(0.471ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル8.12g(50.1ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(IV)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(IV)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。
〔実施例7〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシド(B)1.06g(1.57ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.234g(0.441ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル7.70g(47.4ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(V)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(V)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。
〔実施例8〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシド(B)2.62g(3.87ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(a)0.248g(0.467ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル6.20g(38.2ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(VI)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(VI)の物性を表2及び3に示す。
〔比較例1〕
〔ポリチオエーテルの製造〕
ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド0.286g(1.85ミリモル)をビス(β−エピチオプロピル)エーテル8.77g(54.1ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.0087gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(VIIと称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(VII)の物性を表2及び3に示す。
〔比較例2〕
〔ポリチオエーテルの製造〕
ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド0.934g(6.05ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル8.30g(51.2ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.0346gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(VIII)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(VIII)の物性を表2及び3に示す。
〔比較例3〕
〔ポリチオエーテルの製造〕
ビス(チオエポキシプロピル)トリチオカーボネート1.09g(4.27ミリモル)、ビス(2−メルカプトメチル)スルフィド0.305g(1.97ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル7.62g(47.0ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.033gを添加した以外は、実施例2と同様にして重合物(ポリチオエーテル(IX)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(IX)の物性を表2及び3に示す。なお、ビス(チオエポキシプロピル)トリチオカーボネートは特許文献3記載の方法により合成し、数平均分子量は255で、APHAは500を超えていた。
〔実施例9〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシド(B)1.20g(1.78ミリモル)、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド0.100g(0.648ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル8.70g(53.6ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加した以外は、実施例1と同様にして重合物(ポリチオエーテル(X)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(X)の物性を表2及び表3にそれぞれ示す。
〔参考例2〕
〔ポリチオカーボネートポリチオールの製造〕
参考例1と同様の反応器に、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド81.9g(0.530モル)、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール84.7g(0.563モル)、ジフェニルカーボネート153g(0.715モル)、及び10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド−メタノール溶液0.859g(0.331ミリモル)を仕込み、得られた混合液に参考例1と同様の操作を施すことによって、フェノールとビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、3−メチル−1,5−ペンタンジチオールの混合物を留出させながら反応させ、目的のポリチオカーボネートポリチオールを生成させた。
次いで、参考例1と同様に、触媒の不活性化、塩化メチレン添加、水洗、乾燥、濾過、塩化メチレン留去を行った。最終的に得られたポリチオカーボネートポリチオール(b)の物性とH−NMRの測定結果を次に示す。
SH価:155.4(mgKOH/g)、数平均分子量:722、酸価:0.05(mgKOH/g)、粘度:346(mPa・sec)、融点:なし、結晶化温度:なし、APHA:10、末端アリールオキシ基:1%未満、チオエーテル構造:1%未満、残存触媒:2ppm未満
δ(ppm):0.92(d,J=6.3Hz,CH)、0.95(d,J=6.3Hz,CH)、1.33(t,7.5Hz,SH)、1.48(m,CH)、1.63(m,CH)、1.75(t,7.5Hz,SH)、2.53(m,CH SH)、2.78(m,CHSCH及びCH SH)、2.98(m,CHSCO)、3.18(m,CHSCO)
〔実施例10〕
〔ポリチオカーボネートポリエポキシドの製造〕
実施例1と同様の反応器に、ポリチオカーボネートポリチオール(b)50.0g(69.3ミリモル)を塩化メチレン230mLとtert−ブタノール60mLの混合溶液に溶解させて入れ、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2.81g(6.72ミリモル)を室温下で添加した。次いで、エピクロロヒドリン16.0g(174ミリモル)を30℃以下で1時間かけて滴下した後、40質量%水酸化ナトリウム水溶液17.2g(172ミリモル)を15〜25℃で1時間かけて滴下して、実施例1と同様の操作を施した。得られたポリチオカーボネートポリエポキシド(C)の物性を表1に示し、H−NMRの測定結果を次に示す。
δ(ppm):0.95(d,J=6.0Hz,CH)、1.48(m,CH)、1.63(m,CH)、2.60(m,CHO)、2.70(d,7.2Hz,SCH CH)、2.74(d,7.2Hz,SCH CH)2.78(m,CHSCH)、2.98(m,CHSCO)、3.18(m,CHSCO)
〔実施例11〕
〔ポリチオカーボネートポリエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリエポキシド(C)1.08g(1.29ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(b)0.234g(0.324ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル7.69g(47.4ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.034gを添加した以外は、実施例1と同様にして重合物(ポリエーテル(XI))と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリエーテル(XI)の物性を表2及び3にそれぞれ示す。
〔実施例12〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエポキシドの製造〕
実施例5と同様の反応器に、ポリチオカーボネートポリエポキシド(C)50.0g(60.0ミリモル)をテトラヒドロフラン250mLとtert−ブチルアルコール60mLの混合溶液に溶解させて入れ、チオ尿素13.7g(180ミリモル)と無水酢酸0.601g(5.89ミリモル)を添加した以外は、実施例5と同様にしてポリチオカーボネートポリチオエポキシド(D)を得た。得られたポリチオカーボネートポリチオエポキシド(D)の物性を表1に示し、H−NMRの測定結果を次に示す。
δ(ppm):0.95(d,J=6.0Hz,CH)、1.48(m,CH)、1.63(m,CH)、2.25(dd,2.0Hz、7.2Hz、CHCH S)、2.60−3.40(m,CHSCH,CHSCO,CHCH S及びCH)
〔実施例13〕
〔ポリチオカーボネートポリチオエーテルの製造〕
ポリチオカーボネートポリチオエポキシド(D)1.08g(1.25ミリモル)、ポリチオカーボネートポリチオール(b)0.234g(0.324ミリモル)をビス(β−チオエポキシプロピル)エーテル7.70g(47.4ミリモル)に25℃で完全に溶解させ、この温度でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.033gを添加した以外は、実施例1と同様にして重合物(ポリチオエーテル(XII)と称する)を得た。重合性組成物の組成及びポリチオエーテル(XII)の物性を表2及び表3にそれぞれ示す。
Figure 0005353007
Figure 0005353007
Figure 0005353007
本発明のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドは光学用樹脂原料として非常に有用であり、これから得られる樹脂(ポリチオカーボネートポリ(チオ)エーテル)は、優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加えて優れた力学的性能(曲げに対する高歪量)を有し、ガラス転移温度も高く、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルターなどに好適に使用できる。

Claims (16)

  1. カーボネート化合物とポリチオール化合物からエステル交換反応で得られたポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が(チオ)エポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
  2. 前記(チオ)エポキシ基含有基がβ−(チオ)エポキシプロピル基である、請求項1記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
  3. 一般式(1)で表される繰り返し単位を有する、請求項1又は2記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
    Figure 0005353007
    (式中、Rは二価の炭化水素基を表し、反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中に反応に関与しない原子又は原子団を含有していてもよい。)
  4. 一般式(2)で表される、請求項3記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
    Figure 0005353007
    (式中、EPはβ−(チオ)エポキシプロピル基を表し、Rは一般式(1)における定義と同じ基を表し、nは1以上の整数を表す。)
  5. 前記一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも二種有する、請求項3又は4記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
  6. 数平均分子量が400〜3000である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
  7. 着色度(APHAが150以下である、請求項1〜6のいずれか記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド。
  8. カーボネート化合物とポリチオール化合物からエステル交換反応で得られたポリチオカーボネートポリチオールをエポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物と反応させることを特徴とする、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリエポキシドの製造法。
  9. 前記エポキシ基含有ハロゲン化炭化水素化合物がβ−エポキシプロピルハライド化合物である、請求項8記載のポリチオカーボネートポリエポキシドの製造法。
  10. カーボネート化合物とポリチオール化合物からエステル交換反応で得られたポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリエポキシドを、硫化剤と反応させることを特徴とする、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子がチオエポキシ基含有基で置換されたポリチオカーボネートポリチオエポキシドの製造法。
  11. 請求項1〜7のいずれか記載のポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシドを含む重合性組成物。
  12. (チオ)エポキシ基と開環反応する官能基を有する化合物を含有する請求項11記載の重合性組成物。
  13. (チオ)エポキシ基と開環反応する官能基を有する前記化合物が、メルカプト基を有する化合物である請求項12記載の重合性組成物。
  14. 前記ポリチオカーボネートポリ(チオ)エポキシド以外のポリ(チオ)エポキシド化合物をさらに含む請求項11〜13のいずれかに記載の重合性組成物。
  15. 請求項11〜14記載の重合性組成物を重合反応させて得られる重合物。
  16. 請求項15記載の重合物を含んでなる光学材料。
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