JP2001200057A - レンズ用樹脂及びレンズの製造方法 - Google Patents

レンズ用樹脂及びレンズの製造方法

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JP2001200057A
JP2001200057A JP2000010709A JP2000010709A JP2001200057A JP 2001200057 A JP2001200057 A JP 2001200057A JP 2000010709 A JP2000010709 A JP 2000010709A JP 2000010709 A JP2000010709 A JP 2000010709A JP 2001200057 A JP2001200057 A JP 2001200057A
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resin
episulfide
bis
carbon atoms
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JP2000010709A
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Akinori Ryu
昭憲 龍
Hiroyuki Morijiri
博之 森尻
Chitoshi Shimakawa
千年 島川
Nobuo Kawato
伸雄 河戸
Seiichi Kobayashi
誠一 小林
Yoshinobu Kanemura
芳信 金村
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、エピスルフィド化合物を原料とす
るエピスルフィド系レンズの製造において、耐熱性が高
く、また、レンズ離型時の破損または変形を防止でき、
レンズの生産性が向上するレンズ用樹脂を提供する。 【解決手段】 分子内に2つ以上のエピスルフィド基を
持つ化合物を含有する重合性組成物を、注型重合させて
得られるエピスルフィド系レンズの製造において、得ら
れるレンズ中に存在するエピスルフィド基が、0.3質
量%以下となるように重合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルタ
ー、発光ダイオード等の光学材料に使用される樹脂に関
するものであり、特に眼鏡用プラスチックレンズの樹脂
として好適に使用されるレンズ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ軽量で割れ難く、染色が可能なため、近年、眼鏡レン
ズ、カメラレンズ等の光学材料に急速に普及してきてい
る。
【0003】これらプラスチックレンズに要求され続け
ている光学性能としては、高屈折率、高アッベ数、物理
的性質としては高耐熱性、低比重、加工性である。
【0004】これらの性能のうち、高耐熱性、低比重に
ついては現在の高屈折率プラスチックレンズでも高いレ
ベルで実現されてきている。現在、これらの目的に広く
用いられる樹脂としては、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)(以下、D.A.Cと称す)を
ラジカル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性
に優れていること、軽量であること、染色性に優れてい
ること、切削性および研磨性等の加工性が良好であるこ
となど、種々の特徴を有している。しかしながら、この
樹脂は、屈折率ndが1.50と低く、レンズの中心厚
やコバ厚が厚くなってしまい、より屈折率の高いレンズ
用樹脂が望まれていた。
【0005】D.A.C樹脂よりも屈折率を高くしたも
のとして、樹脂中に硫黄原子を導入した、ポリウレタン
樹脂(特公平4−58489等)や含硫O−(メタ)ア
クリレート樹脂(特開平4−161410等)やチオ
(メタ)アクリレート樹脂(特公平3−59060等)
が知られている。ポリウレタン樹脂は、高屈折率で耐衝
撃性が良好であるなど、バランスの優れた樹脂である。
【0006】しかしながら、屈折率とアッベ数に関して
は屈折率が上昇するほどアッベ数が低下するといった相
反する物性であるため、両方を同時に向上させること
は、非常に困難である。そこで、アッベ数の低下を抑え
ながら、高屈折率化を行う検討が盛んに行われている。
【0007】これらの検討に中で最も代表的な提案は、
特開平9−110979号公報および特開平9−715
80号公報、特開平9−255781号公報、特開平1
0−2982878号公報、特開平11−166037
号公報でエピスルフィド化合物を使用する方法である。
また本出願人らもWO89/10575、特開平11−
140070号公報、特開平11−183702号公
報、特開平11−189592号公報、特願平11−6
8448号等のエピスルフィド化合物を使用した高屈折
率レンズ用樹脂を提案している。
【0008】これらの方法によれば、比較的高いアッベ
数を有しながら、高い屈折率が実現できる。しかしなが
ら、これらの特許には樹脂中に残存するエピスルフィド
基に関する記載は無く、樹脂中に存在しているエピスル
フィド基が諸物性に与える影響が明らかでなかった。し
たがって、樹脂中に存在するエピスルフィド基の量を規
定することが重要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エピ
スルフィド化合物を原料とするエピスルフィド系レンズ
用樹脂において、物性、品質の安定したレンズ用樹脂を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み本
発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した
結果、樹脂中に存在しているエピスルフィド基の影響に
より、樹脂の耐熱性が低下したり、離型時のガラスモー
ルドとの離型性が悪くなったりし、得られるレンズ用樹
脂の品質がぶれ、生産性が低下する場合があることを見
出し、本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、(A):1分子内に下
記式(1)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R1は炭素数1〜10の2価の炭
化水素基、R2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜10の
炭化水素基または水素原子を示す。)で示される示され
る構造を1個以上持つエピスルフィド化合物を含有する
重合性組成物を、注型重合させて得られるエピスルフィ
ド系レンズの製造において、得られる樹脂中に存在する
エピスルフィド基が、0.3質量%以下となるように重
合を行うことを特徴とするレンズの製造方法及び該方法
により得られるレンズ用樹脂に関する。
【0014】(B):エピスルフィド化合物が下記式
(2)で表される(A)のレンズの製造方法及びレンズ
用樹脂。
【0015】
【化8】
【0016】(式中、R5〜R10はそれぞれ炭素数1〜
10の炭化水素基または水素原子を示す。Yは、置換基
または未置換の直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10
の炭化水素基、置換または未置換の1,4−ジチアン
基、アリーレン基を表す。mは、0〜2の整数を表し、
nは、0〜4の整数を表す。)
【0017】(C):エピスルフィド化合物が下記式
(3)で表される(A)のレンズの製造方法及びレンズ
用樹脂に関するものである。
【0018】
【化9】
【0019】(式中、R11〜R16はそれぞれ炭素数1〜
10の炭化水素基または水素原子を表す。)
【0020】本発明において、樹脂中に存在するエピス
ルフィド基が0.3質量%以下とは、後述する分析法に
より樹脂中のエピスルフィド基のモル数を定量し、それ
にエピスルフィド基部分の分子量(59/1モル)を乗
じて樹脂中のエピスルフィド基部分の質量を算出し、樹
脂の質量で割った値である。
【0021】
【発明の実施と形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0022】本発明のレンズ用樹脂は、樹脂中に存在す
るエピスルフィド基が0.3質量%以下となることによ
り、耐熱性が優れ、離型性の良好なレンズが得られる。
逆に樹脂中に存在するエピスルフィド基が0.3質量%
を越えて含有した場合、樹脂の耐熱性が低くなったり、
離型時の離型性が悪くなったり、離型時のレンズの破損
または変形することがある。
【0023】本発明において原料として用いられるエピ
スルフィド樹脂の具体例としては、ビス(β−エピチオ
プロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)
ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタ
ン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタ
ン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパ
ン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパ
ン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−
メチルプロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)ブタン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチ
オ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(β
−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6
−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6
−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキ
サン、3,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−
3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(β−エ
ピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(β−エピ
チオプロピルチオメチル)−1−(βーエピチオプロピ
ルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3
−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピル
チオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピル
チオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−4−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エ
ピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(β−エピチオプ
ロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8
−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス
(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチア
オクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)
−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプ
ロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,
1,1−トリス[{2−(β−エピチオプロピルチオ)
エチル}チオメチル]−2−(β−エピチオプロピルチ
オ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[{2−(β
−エピチオプロピルチオ)エチル}チオメチル]エタ
ン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−
4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β
−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチ
オプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデ
カン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−
5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−
3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族のβ−
エピチオプロピルチオ化合物、及び、1,3−ビス(β
−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,
3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘ
キサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチ
ル)シクロヘキサン、2,5−ビス(β−エピチオプロ
ピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス
[{2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル}チオメ
チル]−1,4−ジチアン等の環状脂肪族のβ−エピチ
オプロピルチオ化合物、及び、1,3−ビス(β−エピ
チオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピ
チオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(β−エピ
チオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(β
−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス{4−
(β−エピチオプロピルチオ)フェニル}メタン、2,
2−ビス{4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニ
ル}プロパン、ビス{4−(β−エピチオプロピルチ
オ)フェニル}スルフィド、ビス{4−(β−エピチオ
プロピルチオ)フェニル}スルフォン、4,4’−ビス
(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族β
−エピチオプロピルチオ化合物等、更に3−メルカプト
プロピレンスルフィド、4−メルカプトブテンスルフィ
ド等、メルカプト基含有エピチオ化合物等を挙げること
ができるが、これらの例示化合物のみに限定されるもの
ではない。また、これらの化合物は単独でも2種類以上
を混合して使用しても良い。
【0024】本発明の重合性組成物には、これらエピス
ルフィド樹脂の混合物ばかりでなく、その他、これら樹
脂の2量体、3量体、4量体等のポリスルフィドオリゴ
マー類、エピスルフィド樹脂合成の際にエピハロヒドリ
ンが不足した場合に生成するメルカプト基を有するエピ
スルフィド樹脂類、更に、エピスルフィド合成時に用い
た、無機酸類や有機酸類、溶媒、未反応原料及びその他
副生物並びに不純物等の有機化合物、無機化合物も問題
にならない範囲で含まれてよい。
【0025】本発明の方法においてレンズを得る場合、
硬化触媒の存在下あるいは不存在下に、加熱あるいは常
温放置により重合がなされ、レンズを製造することがで
きるが、硬化触媒がない場合は重合が良好に進行せず重
合不良となる、または重合しない場合がある。本発明の
レンズを製造する際に用いる硬化触媒としてはアミン
類、ホスフィン類、ルイス酸類、ラジカル重合触媒類、
カチオン重合触媒類等が通常用いられる。
【0026】具体的にアミン類としては、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ジ
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミ
ン、トリn−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピル
エチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルア
ミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジ
n−ブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチル
シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシ
ルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メ
チルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、β−ピコリン、ピペリ
ジン、2,2’−ビピリジル、ジシアンジアミド、ヘキ
サメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)−7−ウンデセン等が挙げられる。ホスフィン
類としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピル
ホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニル
ホスフィン、トリベンジルホスフィン、1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメ
チルホスフィノ)エタン等が挙げられる。ルイス酸類と
しては、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロラ
イド、ジブチル錫ジラウレート、テトラクロロ錫、ジブ
チル錫オキサイド、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、
塩化アルミ、フッ化アルミ、トリフェニルアルミ、テト
ラクロロチタン、酢酸カルシウム等が挙げられる。ラジ
カル重合触媒としては、2,2’−アゾビス(2−シク
ロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等
が挙げられ、カチオン重合触媒としては、ジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサ
フルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテト
ラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフ
ルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオ
ロ砒酸等が挙げられるがこれら例示化合物のみに限定さ
れるものではない。これらは単独でも2種以上を混合し
て用いても良い。
【0027】これらの例示化合物のうち、好ましい化合
物としては、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N
−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミ
ンであり、これらの3級アミン類は触媒活性の異なるも
のを2種類以上混合し用いることで良好な結果が得られ
る。
【0028】触媒活性の異なる3級アミン類の組み合わ
せの好ましい例としては、使用するエピスルフィド化合
物の種類や樹脂改質剤等の種類によって一概に限定はで
きないが、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンとN
−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミンとN,N−ジイソプロピルエチルア
ミン、N,N−ジエチルエタノールアミンとN−メチル
ジシクロヘキシルアミン等の組み合わせが挙げられる。
【0029】硬化触媒の添加量は、エピスルフィド樹脂
から成る組成物の総重量に対して0.001〜10質量
%の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜5質量%の
範囲で使用される。硬化触媒の添加量が0.001質量
%未満であると重合不良の原因となる場合がある。一
方、10質量%を越えてもできるが、ポットライフが短
くなり、透明性、光学物性、又は耐候性が低下するなど
の不都合が生じてくる場合がある。
【0030】本発明におけるレンズ用モノマーには、主
に得られるレンズの屈折率等の光学物性の調整や比重等
の諸物性の調整、モノマーの粘度、その他の取り扱いを
調整するため等、樹脂の改良をする目的で樹脂改質剤を
加えることができる。
【0031】樹脂改質剤としては、本発明に係わる重合
性組成物に含まれる以外のエピスルフィド化合物類、エ
ポキシ化合物類、(メタ)アクリレート類を含むオレフ
ィン類、アミン化合物類、チオール化合物類、ポリフェ
ノール類、アミノ酸及びメルカプトアミン類、有機酸類
及び無水物、メルカプト有機酸類、が挙げられる。
【0032】樹脂改質剤としてのエポキシ化合物類の好
ましいものの具体例としては、ビスフェノールAグリシ
ジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒド
リン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エ
ポキシ化合物、水添ビスフェノールAグリシジルエーテ
ル等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物
との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや1,2−ヘ
キサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の多価有機
酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得ら
れるグリシジルエステル系エポキシ化合物、一級及び二
級ジアミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合に
より得られるアミン系エポキシ化合物等その他、ビニル
シクロヘキセンジエポキシド等脂肪族多価エポキシ化合
物等を挙げることができるが、これらの例示化合物のみ
に限定されるものではない。また、これらは単独でも、
2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0033】また、樹脂改質剤としてのオレフィン類の
好ましいものの具体例としては、ベンジルアクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレ
ート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメ
タクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノ
キシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレ
ート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレー
ト、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノール
Aジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクロキシエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタク
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノール
Fジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクロキシエ
トキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロ
キシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ア
クロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−メタクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメ
チロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、
グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、
メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、
フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレー
ト、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレン
ジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフ
ィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメ
タクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリル
グリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテ
レフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカー
ボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチ
ルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビ
ニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキ
サン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等
が挙げられるが、これらの例示化合物のみに限定される
ものではない。また、これらは単独でも、2種類以上を
混合して使用してもかまわない。
【0034】以上の樹脂改質剤はいずれも単独種で使用
することも、2種類以上を混合して使用することもでき
る。
【0035】樹脂改質剤としてのアミン化合物類の好ま
しいものの具体例としては、エチルアミン、n−プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、s
ec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチ
ルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチル
アミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルア
ミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、アリルアミン、
アミノメチルビシクロヘプタン、シクロペンチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘ
キシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アニリ
ン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、2,3−、あ
るいは4−メチルベンジルアミン、o−、m−、あるい
はp−メチルアニリン、o−、m−、あるいはp−エチ
ルアニリン、アミノモルホリン、ナフチルアミン、フル
フリルアミン、α−アミノジフェニルメタン、トルイジ
ン、アミノピリジン、アミノフェノール、アミノエタノ
ール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノー
ル、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘ
キサノール、メトキシエチルアミン、2−(2−アミノ
エトキシ)エタノール、3−エトキシプロピルアミン、
3−プロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピル
アミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−イソ
ブトキシプロピルアミン、2,2−ジエトキシエチルア
ミン等の単官能1級アミン化合物、エチレンジアミン、
1,2−、あるいは1,3−ジアミノプロパン、1,2
−、1,3−、あるいは1,4−ジアミノブタン、1,
5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、
1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタ
ン、1,10−ジアミノデカン、1,2−、1,3−、
あるいは1,4−ジアミノシクロヘキサン、o−、m−
あるいはp−ジアミノベンゼン、3,4−あるいは4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−あるいは4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルフィド、3,3’−、あるいは4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフォン、2,7−ジアミノフルオレン、
1,5−、1,8−、あるいは2,3−ジアミノナフタ
レン、2,3−、2,6−、あるいは3,4−ジアミノ
ピリジン、2,4−、あるいは2,6−ジアミノトルエ
ン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、ジアミノメチルビシクロヘプタン、1,3
−、あるいは1,4−ジアミノメチルシクロヘキサン、
2−、あるいは4−アミノピペリジン、2−、あるいは
4−アミノメチルピペリジン、2−、あるいは4−アミ
ノエチルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N
−アミノプロピルモルホリン等の1級ポリアミン化合
物、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチ
ルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルア
ミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エ
チルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリ
ルアミン、N−メチルアリルアミン、ピペリジン、ピロ
リジン、ジフェニルアミン、N−メチルアミン、N−エ
チルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルベンジルア
ミン、N−エチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジナ
フチルアミン、1−メチルピペラジン、モルホリン等の
単官能2級アミン化合物、N,N’−ジメチルエチレン
ジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロ
パン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、
N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,
N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−
ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメ
チル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル
−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチ
レンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノ
プロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロ
パン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、
N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,
N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−
ジエチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジエ
チル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジエチル
−1,7−ジアミノヘプタン、ピペラジン、2−メチル
ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジ
メチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4
−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジ
ル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパ
ン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメ
チルグアニジン等の2級ポリアミン化合物等を挙げるこ
とができるが、これらの例示化合物のみに限定されるも
のではない。また、これらは単独でも、2種類以上を混
合して使用してもかまわない。これら例示化合物のなか
で、より好ましいものは、ベンジルアミン、ピペラジン
類である。
【0036】また、チオール化合物類の好ましいものの
具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプ
タン、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジ
チオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロ
パンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,2,
3−トリメルカプトプロパン、テトラキス(メルカプト
メチル)メタン、1,2−ジメルカプトシクロヘキサ
ン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、2,3
−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレングリコー
ルビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレン
グリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジ
エチレングリコールビス(2−メルカプトグリコレー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプ
トチオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキ
ス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロール
プロパントリス(2−メルカプトチオグリコレート)、
トリメチロールプロパントリス3−メルカプトプロピオ
ネート)、1,1,1−トリメチルメルカプトエタン、
1,1,1−トリメチルメルカプトプロパン、2,5−
ジメルカプトメチルチオファン、4−メルカプトメチル
−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、
2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,
5−ビス{(2−メルカプトエチル)チオメチル}−
1,4−ジチアン、1,3−シクロヘキサンジチオー
ル、1,4−シクロヘキサンジチオール、4,8−ジメ
ルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9
−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−
1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデ
カン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメル
カプト−3,6,9−トリチアウンデカン等の脂肪族チ
オール、及びベンジルメルカプタン、チオフェノール、
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプト
ベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビ
ス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メル
カプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメ
チル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、
4,4’−ジメルカプトビフェニル、ビス(4−メルカ
プトフェニル)メタン、ビス(4−メルカプトフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)スル
フォン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロ
パン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,
4−トリメルカプトベンゼン、1,2,5−トリメルカ
プトベンゼン等の芳香族チオールが挙げられるが、これ
らの例示化合物のみに限定されるものではない。また、
これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもか
まわない。
【0037】ポリフェノール類の好ましいものの具体例
としては、芳香環にフェノール性のヒドロキシル基を1
つ以上有するものであり、モノフェノールとしてはフェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、3−メトキシフェノール、4−エトキシフェノー
ル、4−n−プロポキシフェノール、3−ブトキシフェ
ノール、ノニルフェノール、2−n−プロピルフェノー
ル、2,3,4,6−テトラクロロフェノール、2,
3,5,6−テトラフルオロフェノール、2,4,6−
トリブロモフェノール、2,6−ジクロロ−4−フルオ
ロフェノール、2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノー
ル、2,3,4−トリクロロフェノール、4−ブロモ−
2−クロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、
2−クロロ−4−ニトロフェノール、2,3−ジクロロ
フェノール、2−フルオロ−4−ニトロフェノール、
3,5−キシレノール、2,3−ジフルオロフェノー
ル、2,4−ジニトロフェノール、2−ブロモフェノー
ル、2−アミノ−4−クロロ−5ニトロフェノール、2
−クロロフェノール、4−アミノ−2,6−ジクロロフ
ェノール、2−ニトロフェノール、2−アミノ−4−ニ
トロフェノール、チモール、カルバクロール、α−ナフ
トール、2−アミノフェノール等が挙げられ、ポリフェ
ノールとしては、カテコール、3−クロロカテコール、
レゾルシン、ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、
ピロガロール、フルオログルシン等が挙げられるが、こ
れらの例示化合物のみに限定されるものではない。これ
らのポリフェノール類化合物は単独でも2種類以上を混
合して使用しても良い。
【0038】メルカプト有機酸類の好ましいものの具体
例としては、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピ
オン酸、チオ酢酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオサリ
チル酸等が挙げられるが、これら例示化合物のみに限定
されるものではない。また、これらは単独でも、2種類
以上を混合して使用してもかまわない。
【0039】有機酸及びその無水物の好ましいものの具
体例としては、チオジグリコール酸、チオジプロピオン
酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルネン酸
無水物、メチルナルボルナン酸無水物、無水マレイン
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げ
られるが、これらの例示化合物のみに限定されるもので
はない。また、これらは単独でも、2種類以上を混合し
て使用してもかまわない。
【0040】これら樹脂改質剤の他に、目的に応じ問題
のない範囲で、内部離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、染料、充填剤等の公知の各種添加剤などを
加えてもよい。
【0041】本発明のレンズは、通常注型重合により得
られる。具体的にはエピスルフィド化合物と重合触媒等
の添加剤を添加し、この混合液を必要に応じて脱気を行
った後、モールド型に注入して加熱重合させる。
【0042】本発明のレンズ用樹脂は、樹脂中に存在す
るエピスルフィド基が0.3質量%以下であることが重
要であり、樹脂中に存在するエピスルフィド基を0.3
質量%以下とするためには、例えば、次のような方策を
採り、重合性、重合条件を管理することで達成できる。 使用するエピスルフィド化合物の種類、添加剤、樹脂
改質剤等の種類によって、硬化触媒の種類及び使用量、
重合条件等を最適化する。使用する硬化触媒は活性の異
なる2種以上の触媒を組み合わせる場合もあり、重合時
において、重合反応が暴走して急激に起きたり、逆に加
熱して重合が進まなくなることを避けるように硬化触媒
の種類及び使用量を決定する。 重合条件として、硬化温度は、30℃〜100℃の範
囲で徐々に昇温し、最終的に80℃以上の温度で硬化さ
せ、昇温条件としては短時間での急激な昇温は避け、6
時間〜21時間の範囲で昇温する。 使用するエピスルフィド化合物中に含まれる重合性に
影響を及ぼす不純物や高分子量化物等を低減、除去す
る。これらの方策で得られた樹脂は、樹脂中に存在する
エピスルフィド基が0.3質量%以下となり、良好な結
果が得られる。
【0043】さらに、本発明の硬化樹脂を用いたレンズ
では、必要に応じ、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向
上、耐薬品性向上、防曇性付与、あるいは、ファッショ
ン性付与等の改良を行うため、表面研磨、帯電防止処
理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理等
の物理的あるいは化学的処理を施すことができる。又、
得られた樹脂成型体については、必要に応じアニールな
どの処理を行っても良い。
【0044】このようにして得られる本発明のエピスル
フィド型レンズは無色透明で、光学物性、機械物性に優
れ、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子材料として
好適である。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。尚、得られた樹脂の残存官能基数および離型性評
価、耐熱性は以下の試験法により評価した。 ・樹脂中のエピスルフィド基量:レンズを厚さ1mm程
度に切断し、紙ヤスリにより厚さ0.2mm以下まで表
面研磨する。作製した試料を赤外分光光度計を用い、吸
光度よりエピスルフィド基を定量し、算出した。
【0046】・離型性評価方法:重合終了後室温まで冷
却し、自然に離型したものについては○、冷水を用いて
離型したものについては△で評価した。
【0047】・耐熱性:TMAペネトレーション法(荷
重50g、針先0.5mmφ、昇温速度10℃/分)で
Tg温度を測定した。
【0048】実施例1 エピスルフィド系化合物としてビス(2,3−エピチオ
プロピル)ジスルフィドを100gに、硬化触媒とし
て、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン20mg
と、更には樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチ
ル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウ
ンデカン10gを混合溶解させた。このモノマー混合物
を真空度667Paで0.5時間脱気した後、ガラスモ
ールドとガスケットからなる成型モールドに注入した。
このモノマー混合物の入ったモールドを30℃で10時
間静置保温した後、30℃から80℃まで徐々に昇温
し、21時間で重合を行った。重合終了後、モールドを
室温まで徐々に冷却したところ、自然に離型し、レンズ
が得られた。同時に得られた樹脂について、樹脂中に存
在するエピスルフィド基を調べた結果、0.22質量%
であり、耐熱性は、78.0℃であった。得られた樹脂
の評価を表1に示した。
【0049】実施例2 エピスルフィド系化合物としてビス(2,3−エピチオ
プロピル)ジスルフィドを100gに、硬化触媒とし
て、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン20mg
と、更には樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチ
ル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウ
ンデカン10gを混合溶解させた。このモノマー混合物
を真空度667Paで0.5時間脱気した後、ガラスモ
ールドとガスケットからなる成型モールドに注入した。
このモノマー混合物の入ったモールドを30℃で10時
間静置保温した後、30℃から80℃まで徐々に昇温
し、21時間で重合を行った。重合終了後、モールドを
室温まで徐々に冷却したところ、自然に離型し、レンズ
が得られた。同時に得られた樹脂を120℃で3時間の
加熱処理を施した。結果、樹脂中に存在するエピスルフ
ィド基が検出限界以下(0.2質量%以下)で、耐熱性
の高いレンズが得られた。得られた樹脂の評価を表1に
示した。
【0050】実施例3 樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチル−1,1
1−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン1
0gの代わりにベンジルアミン5gを用いた以外は、す
べて実施例1と同じ操作を行った。離型性及び樹脂中に
存在するエピスルフィド基量、耐熱性を表1に示した。
【0051】実施例4 硬化触媒として、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミ
ン20mgとN−メチルジシクロヘキシルアミンを10
0mg用いた以外は、すべて実施例1と同じ操作を行っ
た。離型性及び樹脂中に存在するエピスルフィド基量、
耐熱性を表1に示した。
【0052】比較例1 エピスルフィド系化合物としてビス(2,3−エピチオ
プロピル)ジスルフィドを100gに、硬化触媒とし
て、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン20mg
と、更には樹脂改質剤として4,8−ジメルカプトメチ
ル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウ
ンデカン10gを混合溶解させた。このモノマー混合物
を真空度667Paで0.5時間脱気した後、ガラスモ
ールドとガスケットからなる成型モールドに注入した。
このモノマー混合物の入ったモールドを25℃で、48
時間で重合を行った。重合終了後、室温まで徐々に冷却
したが、自然には離型せず冷水により冷却することで離
型した。同時に得られた樹脂について、樹脂中に存在す
るエピスルフィド基量を調べた結果、4.0質量%であ
り、耐熱性は、47.0℃であった。得られた樹脂の評
価を表1に示した。
【0053】比較例2 重合条件を30℃で10時間保持した後、30℃〜60
℃まで徐々に昇温し、12時間で重合を行った以外はす
べて比較例1と同じ操作を行った。重合終了後、室温ま
で徐々に冷却したが離型しなかった為、冷水を用い離型
を行させた。同時に得られた樹脂について、樹脂中に存
在するエピスルフィド基量及び耐熱性を調べ、結果を表
1に示した。
【0054】比較例3 重合条件を30℃〜100℃まで徐々に昇温し、5時間
で重合を行った以外はすべて比較例1と同じ操作を行っ
た。。重合終了後、室温まで徐々に冷却したが離型しな
かった為、冷水を用い離型を行させた。同時に得られた
樹脂について、樹脂中に存在するエピスルフィド基量及
び耐熱性を調べ、結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明により、樹脂中に存在するエピス
ルフィド基を0.3質量%以下にすることで、離型性に
優れ、且つ耐熱性の高いレンズを得ることが出来る。
【0057】その結果、レンズ製造時における離型時の
レンズの破損または変形を防止することができ、レンズ
の生産性の向上につながる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00 B29L 11:00 (72)発明者 島川 千年 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 河戸 伸雄 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 小林 誠一 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 金村 芳信 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA62 AF31 AH19 BA02 BB01 BC01 BC07 4F204 AA34A AH74 AM32 EA03 EB01 EE02 EE21 4J030 BA05 BB02 BC02 BC08 BC12 BC21 BC37 BE04 BG25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子内に下記式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
    2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基
    または水素原子を示す。)で示される示される構造を1
    個以上持つエピスルフィド化合物を含有する重合性組成
    物を、注型重合させて得られるエピスルフィド系レンズ
    用樹脂において、得られる樹脂中に存在するエピスルフ
    ィド基が、0.3質量%以下であることを特徴とするレ
    ンズ用樹脂。
  2. 【請求項2】 エピスルフィド化合物が下記式(2)で
    表される請求項1記載のレンズ用樹脂。 【化2】 (式中、R5〜R10はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素
    基または水素原子を示す。Yは、置換基または未置換の
    直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10の炭化水素基、
    置換または未置換の1,4−ジチアン基、アリーレン基
    を表す。mは、0〜2の整数を表し、nは、0〜4の整
    数を表す。)
  3. 【請求項3】 エピスルフィド化合物が下記式(3)で表
    される請求項1記載のレンズ用樹脂。 【化3】 (式中、R11〜R16はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水
    素基または水素原子を表す。)
  4. 【請求項4】 1分子内に下記式(1) 【化4】 (式中、R1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、
    2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基
    または水素原子を示す。)で示される示される構造を1
    個以上持つエピスルフィド化合物を含有する重合性組成
    物を、注型重合させて得られるエピスルフィド系レンズ
    の製造において、得られる樹脂中に存在するエピスルフ
    ィド基が、0.3質量%以下となる条件で重合すること
    特徴とするレンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 エピスルフィド化合物が下記式(2)で
    表される請求項4記載のレンズの製造方法。 【化5】 (式中、R5〜R10はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素
    基または水素原子を示す。Yは、置換基または未置換の
    直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10の炭化水素基、
    置換または未置換の1,4−ジチアン基、アリーレン基
    を表す。mは、0〜2の整数を表し、nは、0〜4の整
    数を表す。)
  6. 【請求項6】 エピスルフィド化合物が下記式(3)で表
    される請求項4記載のレンズの製造方法。 【化6】 (式中、R11〜R16はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水
    素基または水素原子を表す。)
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