JP2003128666A - (ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法 - Google Patents

(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2003128666A
JP2003128666A JP2001326392A JP2001326392A JP2003128666A JP 2003128666 A JP2003128666 A JP 2003128666A JP 2001326392 A JP2001326392 A JP 2001326392A JP 2001326392 A JP2001326392 A JP 2001326392A JP 2003128666 A JP2003128666 A JP 2003128666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epithioethyl
poly
formula
group
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001326392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4205329B2 (ja
JP2003128666A5 (ja
Inventor
Shigenori Kuma
茂教 隈
Mamoru Tanaka
守 田中
Munehito Funatani
宗人 船谷
Seiichi Kobayashi
誠一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001326392A priority Critical patent/JP4205329B2/ja
Publication of JP2003128666A publication Critical patent/JP2003128666A/ja
Publication of JP2003128666A5 publication Critical patent/JP2003128666A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4205329B2 publication Critical patent/JP4205329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高屈折率及び高い透明性を要求される光学材
料等の樹脂分野に好適に使用される(ポリ)エピチオエ
チル化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、nは1以上の整数を示し、R1は保護基を示
す。R2はヒドロキシ基、ハロゲン、炭素数1から5ま
でのアルコキシ基を示す。Xは硫黄原子、酸素原子、セ
レン原子、テルル原子を示す。R3は、保護基、芳香
族、脂肪族、脂環族、複素環、もしくは、鎖中に芳香環
または硫黄原子を有する脂肪族、脂環族、複素環有機残
基を示す。)で表される化合物のR1を脱保護、閉環す
る事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率及び高い
透明性を要求される光学材料等の樹脂分野に好適に使用
される(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レン
ズ,カメラレンズ等の光学材料に急速に普及してきてい
る。これらプラスチックレンズに要求され続けている性
能は光学性能としては高屈折率、高アッベ数、物理的性
質としては高耐熱性、低比重、加工性である。
【0003】これらの性能の内、高耐熱性、低比重につ
いては現在の高屈折率プラスチックレンズでも高いレベ
ルで実現されてきている。現在、これらの目的に広く用
いられる樹脂としては、ジエチレングリコールビス(ア
リルカーボネート)(以下、D.A.Cと称す)をラジ
カル重合させたものがある。この樹脂は、耐衝撃性に優
れていること、軽量であること、染色性に優れているこ
と、切削性および研磨性等の加工性が良好であること
等、種々の特徴を有している。しかしながら、この樹脂
は、屈折率ndが1.50前後と低く、レンズの中心厚
やコバ厚が厚くなってしまう。
【0004】しかし、近年、ファッション性が重視され
る中で、眼鏡レンズにおいても、レンズの中心厚、コバ
厚等全体的に肉薄であることが要求されている。この点
から、光学材料としての樹脂材料には高い屈折率が求め
られてきた。
【0005】高屈折率を与えるレンズとして、既に含硫
ポリウレタンレンズが開示されている。例えば、特開昭
63−46213号においては、ポリイソシアナート化
合物とポリチオール化合物との重合物からなるポリチオ
ウレタンレンズか提案されており、眼鏡レンズなどの光
学用レンズとして広く普及している。また、更に屈折率
の高いポリウレタンレンズとしては、例えば、特開平2
−270859号公報では、トリチオール化合物[1,
2−ビス((2−メルカプトエチル)チオ)−3−メル
カプトプロパン]とポリイソシアナート化合物との重合
体からなるポリウレタン系レンズが提案されている。こ
の樹脂組成物も、その高い実用性特に高い屈折率が認め
られ多くのレンズメーカーにおいて商品化がなされてい
る。
【0006】しかしながら、屈折率とアッベ数に関して
は屈折率が上昇するほどアッベ数が低くなるといった相
反する物性であるため両方を同時に向上させることは非
常に困難である。そこでアッベ数の低下を抑えながら、
高屈折率化を行う検討が盛んに行われている。
【0007】これらの検討の中で最も代表的な提案は、
特開平9−110979号公報及び特開平9−7158
0号公報及び特開平9−255781号公報でエピチオ
化合物を使用する方法である。これらの方法によれば、
比較的高いアッベ数を有しながら高い屈折率が実現でき
る。しかし、これらの方法によって得られた樹脂の屈折
率は1.70程度であり、一般的に市場に出ている屈折
率1.67のレンズに比して、高いアッベ数を維持する
ことはできるが、眼鏡レンズコバ部分の厚みを大きく下
げられるほどの高屈折率化の要求に十分満足していな
い。
【0008】そこで、更に高屈折率を与えるエピチオ化
合物として、特開平11−322930号公報でジスル
フィド結合を有するエピチオ化合物を使用する提案がな
されている。この方法によって得られる樹脂の屈折率は
1.74であり、アッベ数33と高いアッベ数を有し且
つ、高屈折率であり、屈折率1.67に比して眼鏡レン
ズコバ部分の厚みを大きく下げることを実現できる。
【0009】さらに、特開平13−2784号公報記載
のビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドを用いた
樹脂は、屈折率1.75アッベ数32と高いアッベ数を
有しながらさらに高い屈折率が実現できる。
【0010】従来、(ポリ)エピチオエチル化合物を製
造する方法としては、(ポリ)ビニル化合物のビニル基
に、チオ酢酸と塩素、臭素等のハロゲン類を反応させて
得られたチオ酢酸ハロゲライドとを反応させた後、閉環
する方法、(ポリ)ビニル化合物のビニル基に、塩素、
臭素等のハロゲン類を反応させてポリハロゲノ体を合成
した後、チオ尿素、チオシアン酸アルカリ塩、チオ酢酸
等の硫黄導入剤を反応させて分解閉環する方法、(ポ
リ)ビニル化合物に塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン
化硫黄を反応させる方法等が挙げられる。
【0011】しかしながら、これらの従来の方法で(ポ
リ)エピチオエチル化合物の製造を行った場合、収率が
不十分な場合があったり、目的とする(ポリ)エピチオ
エチル化合物によっては、ほとんど目的物が得られなか
ったり、(ポリ)ビニル化合物が不安定なために、大量
のタール生成によって操作が困難になる等、さまざまな
問題が発生する場合があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そのため、このような
問題の発生を極力抑えて、目的とする(ポリ)エピチオ
エチル化合物を、従来より高収率で、効率的に製造でき
る製造方法の開発が強く望まれていた。
【0013】本発明の目的は、高屈折率及び高い透明性
を要求される光学材料等の樹脂分野に好適に使用される
(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法を提供するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題に鑑み、(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法に
ついて、鋭意検討した結果、式(I)
【0015】
【化2】
【0016】(式中、nは1以上の整数を示し、R1は
保護基を示す。R2はヒドロキシ基、ハロゲン、炭素数
1から5までのアルコキシ基を示す。Xは硫黄原子、酸
素原子、セレン原子、テルル原子を示す。R3は、保護
基、芳香族、脂肪族、脂環族、複素環、もしくは、鎖中
に芳香環または硫黄原子を有する脂肪族、脂環族、複素
環有機残基を示す。)で表される化合物のR1を脱保
護、閉環すると、上記の問題はほとんど解消され、目的
とする(ポリ)エピチオエチル化合物を高収率で、効率
的に製造できる事を見出し、本発明に到達した。
【0017】即ち、本発明は 1)(I)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、nは1以上の整数を示し、R1は
保護基を示す。R2はヒドロキシ基、ハロゲン、炭素数
1から5までのアルコキシ基を示す。Xは硫黄原子、酸
素原子、セレン原子、テルル原子を示す。R3は、保護
基、芳香族、脂肪族、脂環族、複素環、もしくは、鎖中
に芳香環または硫黄原子を有する脂肪族、脂環族、複素
環有機残基を示す。)で表される化合物のR1を脱保
護、閉環する事を特徴とする(ポリ)エピチオエチル化
合物の製造方法。 2) 式(I)中のR3が保護基であり、R1、R3を
脱保護し、閉環して1,2−エピチオエチルスルフィド
を製造することを特徴とする1)に記載の(ポリ)エピ
チオエチル化合物の製造方法。 3) 式(I)中のR3が直鎖状の脂肪族有機残基であ
る1)に記載の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方
法。 4) 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結合、ポリ
スルフィド結合もしくは芳香環を有する直鎖状の脂肪族
有機残基である3)に記載の(ポリ)エピチオエチル化
合物の製造方法。 5) 式(I)中のR3が分岐状の脂肪族有機残基であ
る1)に記載の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方
法。 6) 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結合、ポリ
スルフィド結合もしくは芳香環を有する分岐状の脂肪族
有機残基である5)に記載の(ポリ)エピチオエチル化
合物の製造方法。 7) 式(I)中のR3が脂環式の脂肪族有機残基であ
る1)に記載の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方
法。 8) 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結合、ポリ
スルフィド結合もしくは芳香環を有する脂環式の脂肪族
有機残基である7)に記載の(ポリ)エピチオエチル化
合物の製造方法。 9) 式(I)中のR3が芳香族残基である1)に記載
の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法。に関する
ものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】一般式(I)中、R1にあたる保護基と
は、反応性の特性基を一時的に保護する目的で使われる
原子団のことを指す。具体的には、アセチル基、プロピ
オノイル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、バレロ
イル基、イソバレロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノ
イル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基等のカルボ
ニル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル
基、ブチルカルバモイル基、ヘキシルカルバモイル基、
フェニルカルバモイル基、ベンジルカルバモイル基等の
カルバモイル基、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロ
キシエチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、フ
ェニルチオ基、ベンジルチオ基等のスルフィド基が挙げ
られるが、これら記述の保護基に限定されるものではな
い。
【0022】一般式(I)中、R3としては、硫黄原
子、酸素原子、セレン原子、テルル原子もしくは、直鎖
状または分岐状の脂肪族有機残基、芳香族有機残基、複
素環残基、もしくは、鎖中にスルフィド結合またはポリ
スルフィド結合などにより硫黄原子を有するか、芳香環
を有する脂肪族有機残基等が挙げられる。
【0023】ここで記述する一般的な(ポリ)エピチオ
エチル化合物とは、具体的には例えば、ビス(1,2−
エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2−エピチオ
エチル)ジスルフィド、ビス(1,2−エピチオエチル
チオ)メタン、ビス(1,2−エピチオエチルチオ)エ
タン、1,2−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)プ
ロパン、1,3−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)
プロパン、1,3−ビス(1,2−エピチオエチルチ
オ)−2−メチルプロパン、ビス(1,2−エピチオエ
チルチオ)ブタン、1,5−ビス(1,2−エピチオエ
チルチオ)−3−チアペンタン、1,4−ビス(1,2
−エピチオエチルチオ)−2−メチルブタン、1,3−
ビス(1,2−エピチオエチルチオ)ブタン、1,5−
ビス(1,2−エピチオエチルチオ)ペンタン、1,5
−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−3−チアペン
タン、1,8−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−
3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(1,2
−エピチオエチルチオ)プロパン、2,2−ビス(1,
2−エピチオエチルチオ)−1,3−ビス(1,2−エ
ピチオエチルチオメチル)プロパン、2,2−ビス
(1,2−エピチオエチルチオ)−1−(1,2−エピ
チオエチルチオ)ブタン、1,5−ビス(1,2−エピ
チオエチルチオ)−2−(1,2−エピチオエチルチオ
メチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(1,2−
エピチオエチルチオ)−2,4−ビス(1,2−エピチ
オエチルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(1,
2−エピチオエチルチオ)−2,2−ビス(1,2−エ
ピチオエチルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,
5,6−トリス(1,2−エピチオエチルチオ)−4−
(1,2−エピチオエチルチオメチル)−3−チアヘキ
サン、1,8−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−
4−(1,2−エピチオエチルチオメチル)−3,6−
ジチアオクタン、1,8−ビス(1,2−エピチオエチ
ルチオ)−4,4−ビス(1,2−エピチオエチルチオ
メチル)−3、6−ジチアオクタン、1,8−ビス
(1,2−エピチオエチルチオ)−2,5−ビス(1,
2−エピチオエチルチオメチル)−3、6−ジチアオク
タン、1,8−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−
2,4,5−トリス(1,2−エピチオエチルチオメチ
ル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス
[{1,2−エピチオエチルチオ)エチル}チオメチ
ル]−2−(1,2−エピチオエチルチオ)エタン、
1,1,2,2−テトラキス[{(2−(1,2−エピ
チオエチルチオ)エチル}チオメチル)エタン、1,1
1−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−4,8−ビ
ス(1,2−エピチオエチルチオメチル)−3,6,9
−トリチアウンデカン、1,11−ビス(1,2−エピ
チオエチルチオ)−4,8−ビス(1,2−エピチオエ
チルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、
1,11−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)−4,
7−ビス(1,2−エピチオエチルチオメチル)−3,
6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(1,2
−エピチオエチルチオ)−5,7−ビス(1,2−エピ
チオエチルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデ
カン等の鎖状脂肪族の1,2−エピチオエチル化合物、
【0024】1,3−ビス(1,2−エピチオエチルチ
オ)シクロヘキサン、1,4−ビス(1,2−エピチオ
エチルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(1,2−
エピチオエチルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−
ビス(1,2−エピチオエチルチオメチル)シクロヘキ
サン、2,5−ビス(1,2−エピチオエチルチオメチ
ル)シクロヘキサン−1,4−ジチアン、2,5−ビス
[{2−(1,2−エピチオエチルチオ)エチル}チオ
メチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(1,2−
エピチオエチルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,
4−ジチアン、4,5−ビス(1,2−エピチオエチル
チオメチル)−1,3−ジチオラン等の環状脂肪族の
1,2−エピチオエチル化合物、
【0025】1,2−ビス(1,2−エピチオエチルチ
オ)ベンゼン、1,3−ビス(1,2−エピチオエチル
チオ)ベンゼン、1,4−ビス(1,2−エピチオエチ
ルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(1,2−エピチオエ
チルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1,2−エ
ピチオエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス
(1,2−エピチオエチルチオメチル)ベンゼン、ビス
{4−(1,2−エピチオエチルチオ)フェニル}メタ
ン、2,2−ビス{4−(1,2−エピチオエチルチ
オ)フェニル}プロパン、ビス{4−(1,2−エピチ
オエチルチオ)フェニル}スルフィド、ビス{4−
(1,2−エピチオエチルチオ)フェニル}スルフォ
ン、4,4’−ビス(1,2−エピチオエチルチオ)ビ
フェニル等の芳香族の1,2−エピチオエチル化合物等
を挙げることができる。
【0026】これらの中では、芳香環を含まない脂肪族
系のポリエピチオエチル化合物が比較的好ましく、さら
にポリエピチオエチルチオ化合物が好ましく、中でも構
造が最も単純なビス(1,2−エピチオエチル)スルフ
ィドを用いた場合が、好ましい結果を与える場合があ
る。尚、本発明は以上の例示化合物の製造方法に限定さ
れるものではない。
【0027】本発明の(ポリ)エピチオエチル化合物の
製造法は、前記式(I)で表される1位の保護基が結合
したチオ基を、脱保護させると同時に生成するチオール
基が2位に結合したハロゲンもしくはアルコキシ基と脱
水、脱酸または、脱アルコールして閉環して(ポリ)エ
ピチオエチル化合物を得る。
【0028】本発明においては、溶媒中で反応させるの
が好ましく、使用する溶媒は反応を阻害しない溶媒であ
れば特に限定はしないが、水、またはメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノ−ル、メトキシエタ
ノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素系溶媒類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が好ましく用いられ
る。
【0029】脱保護反応の温度は、用いる化合物、保護
基の種類によって反応性が異なるために、限定されない
が、おおよそ−20℃から100℃の範囲で、好ましく
は0℃から70℃での範囲である。
【0030】こうして得られた本発明に関する(ポリ)
エピチオエチル化合物を含む反応液は、水洗等の操作が
必要に応じて行われ、脱溶媒後、濾過して製品が得られ
る。精製としては通常用いられる公知の、蒸留、カラム
クロマトグラフィー、または再結晶等の精製方法によっ
て精製される。
【0031】このようにして得られた目的の(ポリ)エ
ピチオエチル化合物は、ポリチオールの合成原料、プラ
スチックレンズ等の光学材料に使用される樹脂の原料と
なる。特に高屈折率を有する眼鏡レンズに好適に使用さ
れるが、その場合、分子内に2つ以上のエピチオエチル
基を有するポリエピチオエチル化合物であることが好ま
しい。
【0032】本発明で製造されたポリエピチオエチル化
合物は、通常、硬化触媒を加えて混合均一化され、減圧
攪拌等によって脱泡される。
【0033】その後、脱泡液は成型モールドに注入さ
れ、主に熱によって硬化させられて、硬化樹脂、光学材
料、またはプラスチックレンズが得られる。
【0034】加熱条件は、凡そ0℃から200℃の温度
範囲で低温から高温迄徐々に昇温し、凡そ1から100
時間で終了させる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0036】参考例11,1−ジメトキシ−2−アセチルメルカプトエタンの
合成 攪拌羽根、温度計、コンデンサーを取り付けた3l底抜
きコック付きフラスコに、ジメチルホルムアミド100
0ml、水酸化カリウム174.2g(3.11mo
l)を装入し、30℃でチオ酢酸236.5g(3.1
1mol)を滴下した。滴下終了後、40℃にて引き続
き、ブロモメチルジメチルアセタール500.0g
(3.0mol)を滴下装入した後、50℃で22時間
熟成した。熟成終了後、水1000ml、トルエン10
00mlで抽出水洗し、脱溶媒後、減圧蒸留して1,1
−ジメトキシ−2−アセチルメルカプトエタン382.
5g(2.33mol)を得た。(収率 78.8%)
【0037】参考例21,2−ジアセチルメルカプト−2−メトキシエタンの
合成 攪拌羽根、温度計、コンデンサーを取り付けた3l底抜
きコック付きフラスコに、参考例1で得られた1,1−
ジメトキシ−2−アセチルメルカプトエタン382.5
g(2.33mol)、無水酢酸239.9g(2.3
5mol)、チオ酢酸178.9g(2.35mol)
を装入した。30℃にて三フッ化ホウ素ジメチルエーテ
ル錯体17.1g(0.12mol)を滴下した。滴下
終了後、50℃で16時間熟成した。熟成終了後、水6
00ml、トルエン600mlで抽出水洗し、脱溶媒
後、減圧蒸留して1,2−ジアセチルメルカプト−2−
メトキシエタン293.7g(1.41mol)を得
た。(収率 60.0%)
【0038】実施例1ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドの合成 攪拌羽根、温度計、コンデンサーを取り付けた100m
l底抜きコック付きフラスコに、参考例2で得られた
1,2−アセチルメルカプト−2−メトキシエタン2
0.0g(84.6mmol)、メタノール30mlを
装入した。30℃にて、35%塩酸水溶液26.5g
(0.25mol)を滴下した。滴下終了後、50℃で
5時間熟成した。熟成終了後、クロロホルム50mlで
抽出しクロロホルム層を、水100mlで洗浄後、脱溶
媒した残査をアセトニトリル50mlで抽出し脱溶媒
後、ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィド5.7
gを得た。
【0039】実施例2 実施例1と同様にして得られたビス(1,2−エピチオ
エチル)スルフィド20.0g(0.133mol)
と、4−(メルカプトメチル)−3,6−ジチアオクタ
ン−1,8−ジチオール1.0g(0.004mol)
の混合液にジメチルシクロヘキシルアミン42mg(2
00ppm)を加えて、減圧下で攪拌しながら脱泡を行
った。脱泡終了後、あらかじめ用意しておいた成型モー
ルドに脱泡液を注入し、室温から120℃まで40時間
かけて加熱硬化させた。こうして得られた透明硬化樹脂
の屈折率は1.75、アッベ数32、耐熱性は100℃
以上であった。
【0040】比較例1 攪拌羽根、温度計、コンデンサーを取り付けた500ミ
リリットル底抜きコック付きフラスコに、11.3wt
%ジビニルスルフィド−ベンゼン溶液275g(0.3
6mol)を装入した。5℃にて、臭素115.8g
(0.72mol)を滴下した。滴下終了後、5℃で1
2時間熟成した。脱溶媒後、141.0gの1,2,
4,5−テトラブロモ−3−チアペンタン141.0g
(0.35mol)を得た。次に得られた2,4,5−
テトラブロモ−3−チアペンタン141.0g(0.3
5mol)に10wt%塩酸水100g、チオ尿素5
5.9g(0.74mol)を装入し、チウロニウム塩
化さらに加水分解し、ビス(1,2−エピチオエチル)
スルフィドの製造を試みたが、目的とするビス(1,2
−エピチオエチル)スルフィドは生成しなかった。
【0041】比較例2 実施例2にならって、ビス(2,3−エピチオプロピ
ル)スルフィドの重合を行った。結果を表1に掲載す
る。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明により、製造が困難であった(ポ
リ)エピチオエチル化合物を容易に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船谷 宗人 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 (72)発明者 小林 誠一 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4J030 BA31 BB01 BB45 BC06 BG34

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、nは1以上の整数を示し、R1は保護基を示
    す。R2はヒドロキシ基、ハロゲン、炭素数1から5ま
    でのアルコキシ基を示す。Xは硫黄原子、酸素原子、セ
    レン原子、テルル原子を示す。R3は、保護基、芳香
    族、脂肪族、脂環族、複素環、もしくは、鎖中に芳香環
    または硫黄原子を有する脂肪族、脂環族、複素環有機残
    基を示す。)で表される化合物のR1を脱保護、閉環す
    る事を特徴とする(ポリ)エピチオエチル化合物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 式(I)中のR3が保護基であり、R
    1、R3を脱保護し、閉環して1,2−エピチオエチル
    スルフィドを製造することを特徴とする請求項1に記載
    の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(I)中のR3が直鎖状の脂肪族有機
    残基である請求項1に記載の(ポリ)エピチオエチル化
    合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結
    合、ポリスルフィド結合もしくは芳香環を有する直鎖状
    の脂肪族有機残基である請求項3に記載の(ポリ)エピ
    チオエチル化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(I)中のR3が分岐状の脂肪族有機
    残基である請求項1に記載の(ポリ)エピチオエチル化
    合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結
    合、ポリスルフィド結合もしくは芳香環を有する分岐状
    の脂肪族有機残基である請求項5に記載の(ポリ)エピ
    チオエチル化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 式(I)中のR3が脂環式の脂肪族有機
    残基である請求項1に記載の(ポリ)エピチオエチル化
    合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 式(I)中のR3が鎖中にスルフィド結
    合、ポリスルフィド結合もしくは芳香環を有する脂環式
    の脂肪族有機残基である請求項7に記載の(ポリ)エピ
    チオエチル化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 式(I)中のR3が芳香族残基である請
    求項1に記載の(ポリ)エピチオエチル化合物の製造方
    法。
JP2001326392A 2001-10-24 2001-10-24 ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドの製造方法 Expired - Fee Related JP4205329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326392A JP4205329B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326392A JP4205329B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003128666A true JP2003128666A (ja) 2003-05-08
JP2003128666A5 JP2003128666A5 (ja) 2005-06-30
JP4205329B2 JP4205329B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=19142781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001326392A Expired - Fee Related JP4205329B2 (ja) 2001-10-24 2001-10-24 ビス(1,2−エピチオエチル)スルフィドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4205329B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345484A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂光学材料
JP2005345684A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂からなる光学材料
JP2006003624A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂からなる光学材料
JP2007091613A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Hoya Corp スルフィド化合物及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345484A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂光学材料
JP2005345684A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂からなる光学材料
JP2006003624A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Mitsui Chemicals Inc 硫黄原子含有樹脂からなる光学材料
JP2007091613A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Hoya Corp スルフィド化合物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4205329B2 (ja) 2009-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3315090B2 (ja) 重合性組成物
KR100680033B1 (ko) 신규 함황 환상화합물로 이루어지는 중합성 조성물 및 이중합성 조성물을 경화시켜 이루어지는 수지
JP2002194083A (ja) 重合性組成物
TWI570112B (zh) Preparation of bis (β-epoxypropyl) sulfide and bis (β-epoxypropyl) polysulfide
KR100543220B1 (ko) 티올 화합물, 그것의 제조방법 및 그것을 구비한 광학제품
JP3366605B2 (ja) 新規エピスルフィド化合物
US8349995B2 (en) Polythiocarbonatepoly(thio)epoxide
JP2000327677A (ja) エピスルフィド化合物の保存方法
JP2000336087A (ja) エピスルフィド化合物の精製方法
JP2003128666A (ja) (ポリ)エピチオエチル化合物の製造方法
US8362194B2 (en) Polymerizable composition and polythiocarbonate polythioether
US6559276B2 (en) Asymmetric disulfide compounds, method for producing the same, and optical products
JP7307440B2 (ja) 光学レンズ用ジイソシアネート組成物およびその調製方法
JP4279070B2 (ja) 光学製品
JP5732749B2 (ja) 光学材料用(ポリ)エピスルフィド化合物の製造方法
EP1333030B1 (en) Method of storing episulfide compound
JP3366606B2 (ja) チオエポキシ系化合物
JP3387873B2 (ja) (チオ)エポキシ化合物の精製方法
JP2007269648A (ja) 有機ゲルマニウム化合物およびその製造方法
JP3718189B2 (ja) 新規エピスルフィド化合物を含む重合性組成物、該重合性組成物よりなる樹脂及びレンズ
JP4279069B2 (ja) ジスルフィド化合物、その製造方法およびその前駆体
JP2002128756A (ja) 非対称ジサルファイド化合物及びその製造方法
JP2005035968A (ja) 脂環式ジチオール
WO2006033405A1 (ja) 環状スルフィド化合物及びそれを利用した光学製品
JP2003161921A (ja) エピスルフィド化合物を用いてなる光学製品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041015

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041015

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20041015

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050830

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20060203

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080709

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081008

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081016

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees