明 細 書
環状スルフイド化合物及びそれを利用した光学製品
技術分野
[0001] 本発明は、新規な環状スルフイドィ匕合物及びそれを利用した光学製品に関する。さ らに詳しくは、本発明は、屈折率及びアッベ数の高い光学製品の原料として有用な 新規な環状スルフイド化合物及びそれを利用した光学製品に関するものである。 背景技術
[0002] プラスチックは、ガラスに比較して軽量で割れにくく染色が容易であるため、近年、 レンズ等の各種光学用途に使用されている。光学用プラスチック材料としては、ポリ( ジエチレングリコールビスァリルカーボネート)(CR—39)やポリ(メチルメタタリレート) 力 一般的に用いられている。しかしながら、これらのプラスチックは 1. 50以下の屈 折率を有するため、それらを例えばレンズ材料に用いた場合、度数が強くなるほどレ ンズが厚くなり、軽量を長所とするプラスチックの優位性が損なわれてしまう。特に強 度の凹レンズは、レンズ周辺が肉厚となり、複屈折や色収差が生じることから好ましく ない。さらに眼鏡用途において肉厚のレンズは、審美性を悪くする傾向にある。肉薄 のレンズを得るためには、材料の屈折率を高めることが効果的である。一般的にガラ スゃプラスチックは、屈折率の増加に伴いアッベ数が減少し、その結果、それらの色 収差は増加する。従って、高い屈折率とアッベ数を兼ね備えたプラスチック材料ゃプ ラスチックレンズ等の光学製品が望まれて 、る。
[0003] このような性能を有するプラスチック材料として、 1, 6 ビス(2, 3 ェピチォプロピ ル)ー1, 2, 5, 6—テトラチアへキサン、 1, 5 ビス(2, 3 ェピチォプロピル) 1, 2, 4, 5—テトラチアペンタン、 1, 7 ジビュル一 4— (1, 2 ジチア一 3 ブテュル) —1, 2, 6, 7—テトラチアヘプタンなどの非対称スルフイドィ匕合物を用いた光学製品 が提案されて ヽる (特許文献 1参照)。
そして、同文献参考例 1の 1, 6 ビス(2, 3 ェピチォプロピル) 1, 2, 5, 6—テ トラチアへキサンの屈折率 (n )は 1.666、同文献参考例 2の 1, 5 ビス(2, 3 ェピ
D
チォプロピル) 1, 2, 4, 5—テトラチアペンタンの屈折率 (n )は 1.681、同文献参考
例 3の 1, 7—ジビニルー 4ー(1, 2—ジチアー3—ブテュル)ー1, 2, 6, 7—テトラチ ァヘプタンの屈折率 (n )は 1.646であり、これらの化合物を使用して光学製品を作製
D
すれば、高屈折率の光学製品を得ることが期待できる。しかし、その一方、更なる高 屈折率であり高アッベ数を兼ね備えた光学製品の提供が望まれている。
特許文献 1:特開 2002-131502号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、屈折率及びアッベ数 が高ぐかつ耐熱性、透明性にも優れる光学製品、及びそれを提供できる新規な環 状スルフイドィ匕合物を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ェピチォ基を 含む特定構造の環状スルフイドィ匕合物を必須モノマー成分として用いて得られた重 合体が屈折率及びアッベ数が高ぐかつ耐熱性、透明性にも優れる光学製品を提供 できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される環状スルフイドィ匕合物、下記一般 式(1)で表される環状スルフイドィ匕合物を必須モノマー成分として得られる重合体か らなる光学製品を提供するものである。
[0006] [化 1]
[0007] (式中、 Rは、炭素数 1〜3のアルカン残基、炭素数 4〜7のシクロアルカン残基、へ
1
テロ原子が酸素、窒素もしくは硫黄原子である炭素数 3〜7のへテロ環式ィヒ合物残基 又は炭素数 6〜10の芳香族化合物残基を示し、各残基は置換基を有していてもよい o )
発明の効果
[0008] 本発明の環状スルフイドィ匕合物は、ィォゥ含有量が高ぐ一般式(1)で表されるよう
-な特定構造を有するため、この環状スルフイドィ匕合物を用いて得られる光学製品は
、屈折率及びアッベ数が高ぐかつ耐熱性、透明性にも優れた光学製品の原料とし て好適に用いられる。
発明を実施するための最良の形態
[0009] 本発明の環状スルフイドィ匕合物は、下記一般式(1)で表される環化合物であり、二 つのィォゥ原子を含む環状構造の隣り合う炭素原子に二つのェピチォプロピルチア 基が結合したものである。
[化 2]
[0010] 一般式(1)において、 Rは、炭素数 1〜3のアルカン残基、炭素数 4〜7のシクロア
1
ルカン残基、ヘテロ原子が酸素、窒素もしくは硫黄原子である炭素数 3〜7のへテロ 環式化合物残基又は炭素数 6〜10の芳香族化合物残基を示し、各残基は置換基を 有していてもよい。
前記 Rのアルカン残基としては、例えば、メタン残基、ェタン残基、 n—プロパン残
1
基、 i プロパン残基等が挙げられ、メタン残基、ェタン残基等が好ましい。
前記 Rのシクロアルカン残基としては、例えば、シクロブタン残基、シクロペンタン残
1
基、シクロへキサン残基等が挙げられ、シクロペンタン残基、シクロへキサン残基等が 好ましい。
前記 Rのへテロ環式ィヒ合物残基としては、特にへテロ原子が硫黄原子であるもの
1
が好ましぐ例えば、 1, 3 ジチオラン残基、 1, 3 ジチアン残基、 1, 4ージチアン 残基等が挙げられ、 1, 3 ジチオラン残基、 1, 4ージチアン残基等が好ましい。 前記 Rの芳香族化合物残基としては、例えば、ベンゼン環残基、ナフタレン環残基
等が挙げられ、ベンゼン環残基等が好ましい。
また、これらの各残基の置換基としては、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン原子、メ チル基、ェチル基、 n—プロピル基、 i—プロピル基等のアルキル基、フエ-ル基、ナ フチル基等の芳香族基等が挙げられる。
[0011] 本発明の一般式(1)で表される環状スルフイド化合物のうち、特に好適なものとして は、下式における左側のチオールィ匕合物力 合成される右側の化合物、すなわち、
4, 5 ビスェピチォプロピノレチア一 1, 3 ジチオラン、 2, 3 ビスェピチォプロピノレ チア 1, 4ージチアン、 3, 4 ビスェピチォプロピノレチアービシクロ [4. 3. 0] - 2,
5, 7, 9ーテトラチアノナン、 2, 3 ビスェピチォプロピノレチア 1, 4一べンゾジチア ンが挙げられる。
4 , 5—ビスェピチォプロピルチア 3ージチオラン
2 , 3—ビスェピチォプロピルチア— 1, 4ージチアン
3 4一ピスェピチォプロピルチア ビシクロ [ 4. 3 . 0 ] 一
2 , 3 _ビスェピチォプロピルチア一 1 4一ベンゾジチアン
[0013] 上記の他、本発明の一般式(1)で表される環状スルフイドィ匕合物としては下式で表
される化合物が挙げら; ί τる。
[化 4]
[0014] 本発明の一般式(1)で表される環状スルフイド化合物は原子屈折の高いィォゥ原 子を高 、割合で含有しておりこの環状スルフイドィ匕合物を用いて得られた重合体の 屈折率を大きく高める。また、下記一般式 (2)の官能基である末端チオール基は重 合体主鎖への硫黄原子の導入に寄与するため、この環状スルフイド化合物を用いて 得られた重合体の屈折率をさらに高める。通常、アモルファス材料のアッベ数はその 屈折率の増加とともに減少する傾向にある。ィォゥを高い割合で含有するポリマーの 場合、ィォゥの電子共鳴が顕著となりアッベ数の大きな低下がよく観測されるが、この スルフイドィ匕合物ではそのようなことがない。屈折率増加の別の要因として分子容の 減少が挙げられ、ポリマーの場合、高い架橋密度や強い分子間力によりそれが発現 される。本発明の一般式(1)の環状スルフイドィ匕合物は複数の重合官能基を有して おり、その重合体は特に前者の効果により屈折率が高められる。
[0015] 前記一般式(1)で表される環状スルフイドィ匕合物の製造方法は、その化合物が得ら れれば特に限定されな 、が、下記一般式 (2)で表されるチオールィ匕合物を出発原料 として前記一般式(1)で表されるスルフイドィ匕合物を製造する方法であり、ェピクロ口 ヒドリンに代表されるェピハロヒドリンとを反応させ、その後、エポキシ基をェピスルフィ ド化すると好ましい。
(式中、 Rは前記と同じである。 )
1
より具体的には、以下の手順で製造されるのが好ましい。
(1)チオール化合物の合成
前記一般式(2)で表されるチオールィヒ合物の合成法としては、特願 2003-192604 号記載の方法と同様に以下の方法が好ましく用いられる。
[化 6]
※式中、 Acは CH CO—、 Pyはピリジン、 Etはェチル基である。
3
[0018] 前記一般式(2)で表されるチオールィ匕合物としては、 4, 5 ジメルカプト 1, 3— ジチオラン、 2, 3 ジメルカプト一 1, 4 ジチアン、 3, 4 ジメルカプト一ビシクロ [4 . 3. 0] - 2, 5, 7, 9—テ卜ラチアノナン、 3, 4 ジメルカプ卜—ビシクロ [4. 4. 0]— 2 , 5, 7, 10—テトラチアデカン、 2, 3 ジメルカプト一 1, 4 ベンゾジチアン等が挙 げられ、これらの化合物は、メルカプト基についてシス一,トランス 異性体を有する 場合がある。
[0019] 前記チオール化合物の代表的な製造法として、 4, 5 ジメルカプト 1, 3 ジチ オランの合成を例として以下スキームに記す。
AcSH/BF
3 EtOH/CHCl
3/H
2S0
4
[0020] このスキームの製造工程においては、まずダリオキサール水溶液にメタンジチォ一 ルを水浴で冷しながら 0.5〜5時間攪拌して反応させる。反応が終わった後、水を除 去して 4, 5—ジヒドロキシ—1, 3—ジチオランの白色結晶を得る。得られた 4, 5—ジ ヒドロキシー 1, 3—ジチオランを氷浴で冷しながら、ピリジン中で無水酢酸と反応させ ることにより、 4, 5—ジァセトキシ一 1, 3—ジチオランの白色粉末を得る。 4, 5—ジァ セトキシ— 1, 3—ジチオランの粉末をチォ酢酸中に溶かし、 (C H ) O 'BF
2 5 2 3、 p—トル エンスルフォン酸等を触媒とし、氷浴で冷しながら反応させることにより、 4, 5—ジチ オアセトキシ一 1, 3—ジチオランの淡黄色のオイルを得る。次にエタノールとクロロホ ルムの混合溶媒中で濃硫酸を用い、室温〜 70°Cで 2〜20時間反応させることにより 、 目的物の 4, 5—ジメルカプト一 1, 3—ジチオランを得ることができる。
[0021] 上記スキームに示すジメルカプトメタンの代わりに、下式における左側の化合物を 用いて同様の操作を行えば、その右側のチォ—ルイ匕合物を得ることができる。
2,3-ジメルカプ卜 1 ,4-ジチアン
3,4-ジメルカプト-ビシクロ
[4,3,0]-2,5,7,9-テトラチアノナン
2,3-ジメルカプト- 1,4-ベンゾジチアン
[0022] (2)チォ一ルイ匕合物からスルフイド化合物の合成
前記一般式(1)で表される環状スルフイド化合物は、前記一般式 (2)で表されるチ ォ—ルイ匕合物を用いて、例えば以下の方法により製造されると好ましい。
すなわち、一般式(2)に示したチオールィ匕合物をアルカリ存在下において、ェピノ、 ロヒドリンと反応させた後、チォ尿素により、エポキシをェピスルフイド化させることによ り、一般式(1)の環状スルフイドィ匕合物を製造することができる。
※ はハロゲン原子 (例えば、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素原子等)、 Acは CH CO—
3
、 Etはェチル基、 Meはメチル基である。
[0024] 上記製造方法は、一般式(2)で表されるチオールィ匕合物とェピノ、ロヒドリン (例えば ェピクロロヒドリン)を 1〜50%アルカリ(例えば水酸ィ匕ナトリウム)溶液 (溶媒は例えば エタノール)中にて 10〜30°Cで 5〜24時間反応させて脱ハロゲン水素化した後、 チォ尿素 (もしくはチォシアン酸ナトリウム、チォシアン酸カリウム、チォ硫酸ナトリウム 等)と溶媒 (例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール)中にて一 10〜30°Cで 5 〜24時間反応させた後、加水分解塩基 (例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモ-ゥム、炭酸水素アンモ-ゥム)を加え ることにより、ェピスルフイドィ匕反応させることにより一般式(1)で表されるスルフイドィ匕 合物が製造される。
[0025] 本発明の一般式(1)で表される環状スルフイド化合物は、光学製品の原料として有 用であり、一種又は二種以上を組み合わせて用いて重合体とし、光学製品とすること ができる。この光学製品は、一般式(1)で表される環状スルフイドィ匕合物を 10〜: L00 重量%含有すると好ましぐ 50〜: L00重量%含有するとさらに好ましい。さらに、この 環状スルフイドィ匕合物を必須モノマー成分として得られる重合体の物性などを適宜改 良するための任意成分として、(0ェピスルフイド化合物, (ii)エポキシィ匕合物,チォゥ レタン原料である (iii)ポリイソ (チォ)シァネートと (iv)ポリチオールの混合物,ポリチォ ール及び (V)単独重合可能なビュルモノマー力 選ばれる一種又は二種以上などを 適宜配合して重合することにより、屈折率、アッベ数、耐熱性、耐候性、透明性等を 更に改善することができる。なお、ポリイソ(チォ)シァネートは、ポリイソシァネートとポ リイソチオシァネートの両者を意味する。
[0026] (0ェピスルフイド化合物
ェピスルフイド化合物の例としては、ビス( ーェピチォプロピルチオ)メタン、 1, 2 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ)ェタン、 1, 3 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ) プロパン、 1, 2—ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ)プロパン、 1一(j8—ェピチォプロ ピルチオ)—2—( βーェピチォプロピルチオメチル)プロパン、 1, 4 ビス( j8—ェピ チォプロピルチオ)ブタン、 1, 3 ビス(j8—ェピチォプロピルチオ)ブタン、 1一(j8 ーェピチォプロピノレチォ) 3—( j8—ェピチォプロピノレチオメチノレ)ブタン、 1, 5 - ビス(βーェピチォプロピルチオ)ペンタン、 1一( j8—ェピチォプロピノレチォ)一 4一( βーェピチォプロピルチオメチル)ペンタン、 1, 6 ビス(j8—ェピチォプロピルチオ )へキサン、 1一( j8—ェピチォプロピノレチォ) - 5 - ( βーェピチォプロピノレチオメチ ノレ)へキサン、 1 - ( βーェピチォプロピノレチォ) - 2 - [ (2- βーェピチォプロピル チォェチノレ)チォ〕ェタン、 1 ( ーェピチォプロピルチオ) 2— [〔2—(2 j8— ェピチォプロピルチオェチル)チォェチル〕チォ]ェタン等の鎖状有機化合物、テトラ キス —ェピチォプロピルチオメチル)メタン、 1, 1, 1 トリス( ーェピチォプロピ
ルチオメチル)プロパン、 1, 5 ビス( j8—ェピチォプロピルチオ)—2—( β ェピチ ォプロピルチオメチル) 3 チアペンタン、 1, 5 ビス(j8—ェピチォプロピルチオ) - 2, 4 ビス( j8—ェピチォプロピノレチオメチノレ) 3 チアペンタン、 1 ( j8—ェピ チォプロピルチオ) 2, 2 ビス( j8—ェピチォプロピノレチオメチノレ) 4 チアへキ サン、 1, 5, 6 トリス( j8—ェピチォプロピノレチォ) 4一 ( βーェピチォプロピルチ オメチノレ) 3 チアへキサン、 1, 8 ビス( j8—ェピチォプロピノレチォ) -4- ( β - ェピチォプロピノレチオメチノレ) 3, 6 ジチアオクタン、 1, 8 ビス(j8—ェピチォプ ロピルチオ) 4, 5—ビス(j8—ェピチォプロピルチオメチル)ー 3, 6—ジチアォクタ ン、 1, 8 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ) 4, 4 ビス(j8—ェピチォプロピノレチ オメチノレ) 3, 6—ジチアオクタン、 1, 8—ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ) 2, 4 , 5 トリス(j8—ェピチォプロピルチオメチル) 3, 6 ジチアオクタン、 1, 8 ビス( ーェピチォプロピノレチォ) - 2, 5 ビス( j8—ェピチォプロピノレチオメチノレ) - 3, 6 ージチアオクタン、 1, 9 ビス( j8—ェピチォプロピノレチォ) - 5- ( ーェピチォプ 口ピノレチオメチノレ) - 5- [ (2- βーェピチォプロピノレチォェチノレ)チオメチノレ〕 - 3, 7 ジチアノナン、 1, 10 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ) 5, 6 ビス〔(2— β ーェピチォプロピルチオェチル)チォ〕 3, 6, 9 トリチアデカン、 1, 11 ビス(j8 ーェピチォプロピルチオ) 4, 8—ビス(j8—ェピチォプロピルチオメチル) 3, 6, 9 トリチアウンデカン、 1, 11 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ)ー 5, 7—ビス(β ーェピチォプロピノレチオメチノレ)—3, 6, 9 トリチアウンデカン、 1, 11 ビス(β— ェピチォプロピノレチォ) - 5, 7- [ (2- βーェピチォプロピノレチォェチノレ)チオメチ ノレ〕 3, 6, 9 トリチアゥンデカン、 1, 11 ビス(j8—ェピチォプロピノレチォ)ー 4, 7—ビス(j8—ェピチォプロピルチオメチル)ー 3, 6, 9 トリチアウンデカン等の分岐 状有機化合物及びこれらの化合物のェピスルフイド基の水素の少なくとも 1個がメチ ル基で置換された化合物;
1, 3 及び 1, 4 ビス(j8—ェピチォプロピルチオ)シクロへキサン、 1, 3 及び 1 , 4 ビス(/3ーェピチォプロピルチオメチル)シクロへキサン、ビス〔4一 ( β ェピチ ォプロピルチオ)シクロへキシル〕メタン、 2, 2 ビス〔4一(j8—ェピチォプロピルチオ )シクロへキシル〕プロパン、ビス〔4 ( ーェピチォプロピルチオ)シクロへキシル〕ス
ルフイド、 2, 5 ビス(j8—ェピチォプロピルチオメチル)—1, 4 ジチアン、 2, 5- ビス —ェピチォプロピルチオェチルチオメチル) 1, 4ージチアン等の環状脂肪 族有機化合物及びこれらの化合物のェピスルフイド基の水素の少なくとも 1個がメチ ル基で置換された化合物;
1, 3 及び 1, 4 ビス(j8—ェピチォプロピルチオ)ベンゼン、 1, 3及び 1, 4ービ ス( j8—ェピチォプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4一 ( βーェピチォプロピルチ ォ)フエ-ル〕メタン、 2, 2 ビス〔4一(j8—ェピチォプロピルチオ)フエ-ル〕プロパン 、ビス〔4一 ( βーェピチォプロピルチオ)フエ-ル〕スルフイド、ビス〔4一 ( β ェピチ ォプロピルチオ)フエ-ル〕スルフォン、 4, 4,—ビス(j8—ェピチォプロピルチオ)ビフ ニル等の芳香族有機化合物及びこれらの化合物のェピスルフイド基の水素の少な くとも 1個がメチル基で置換された化合物などが挙げられる。これらは単独で又は二 種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜50モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
(ii)エポキシ化合物
エポキシ化合物の例としては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフエノール A、ビスフエノーノレ F、ビスフエノーノレスノレフォン、ビスフエノールエーテル、ビスフエノ 一ルスルフイド、ビスフエノールスルフイド、ハロゲン化ビスフエノール A、ノボラック榭 脂等の多価フエノールイ匕合物とェピノ、ロヒドリンの縮合により製造されるフエノール系 エポキシ化合物;
エチレングリコーノレ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング リコーノレ、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、 1 , 3 プロパンジオール、 1, 4 ブタンジオール、 1, 6 へキサンジオール、ネオペ ンチルダリコール、グリセリン、トリメチロールプロパントリメタタリレート、ペンタエリスリト ール、 1, 3 及び 1, 4ーシクロへキサンジオール、 1, 3 及び 1, 4ーシクロへキサ ンジメタノール、水添ビスフエノール A、ビスフエノール A ·エチレンオキサイド付カロ物、 ビスフエノール Α·プロピレンオキサイド付カ卩物等の多価アルコール化合物とェピハ口 ヒドリンの縮合により製造されるアルコール系エポキシィ匕合物;
アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル 酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、へキサヒドロフタ ル酸、へキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロテレフタル酸、へット酸、ナジック酸、マ レイン酸、コハク酸、フマール酸、トリメリット酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゾフエ ノンテトラカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフエ-ルジカルボン酸等の多価力 ルボン酸ィ匕合物とェピノ、ロヒドリンの縮合により製造されるグリシジルエステル系ェポ キシ化合物;
エチレンジァミン、 1, 2 ジァミノプロパン、 1, 3 ジァミノプロパン、 1, 2 ジァミノ ブタン、 1, 3 ジアミノブタン、 1, 4ージアミノブタン、 1, 5 ジァミノペンタン、 1, 6— ジァミノへキサン、 1, 7 ジァミノヘプタン、 1, 8 ジァミノオクタン、ビス一(3 ァミノ プロピル)エーテル、 1, 2 ビス一(3 ァミノプロボキシ)ェタン、 1, 3 ビス一(3— ァミノプロポキシ)一2, 2'—ジメチルプロパン、 1, 2—、 1, 3 又は 1, 4 ビスアミノ シクロへキサン、 1, 3 又は 1, 4 ビスアミノメチルシクロへキサン、 1, 3 又は 1, 4 ビスアミノエチルシクロへキサン、 1, 3 又は 1, 4 ビスアミノプロビルシクロへキ サン、水添 4, 4'ージアミノジフエ-ノレメタン、イソホロンジァミン、 1, 4 ビスアミノプロ ピルピぺラジン、 m—又は p—フエ二レンジァミン、 2, 4 又は 2, 6 トリレンジァミン 、 m—又は p キシリレンジァミン、 1, 5 又は 2, 6 ナフタレンジァミン、 4, 4'ージ アミノジフエニルメタン、 4, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 2, 2—(4, 4'ージァミノ ジフエ-ル)プロパン等の一級ジァミン、 N, Ν'—ジメチルエチレンジァミン、 Ν, Ν'— ジメチル一 1, 2 ジァミノプロパン、 Ν, Ν'—ジメチル一 1, 3 ジァミノプロパン、 Ν, Ν'—ジメチルー 1, 2 ジアミノブタン、 Ν, Ν'—ジメチルー 1, 3 ジアミノブタン、 Ν, Ν'—ジメチル一 1, 4 ジァミノブタン、 Ν, Ν'—ジメチル一 1, 5 ジァミノペンタン、 Ν, Ν'—ジメチルー 1, 6 ジァミノへキサン、 Ν, Ν'—ジメチルー 1, 7 ジァミノヘプ タン、 Ν, N' ジェチルエチレンジァミン、 Ν, Ν'—ジェチルー 1, 2—ジァミノプロパ ン、 Ν, N' ジェチノレー 1, 3 ジァミノプロパン、 Ν, N' ジェチノレー 1, 2 ジァミノ ブタン、 Ν, N' ジェチノレー 1, 3 ジアミノブタン、 Ν, N' ジェチノレー 1, 4ージアミ ノブタン、 Ν, Ν'—ジェチル一 1, 6 ジァミノへキサン、ピぺラジン、 2—メチルビペラ ジン、 2, 5 又は 2, 6 ジメチルビペラジン、ホモピぺラジン、 1, 1ージ一(4ーピぺ
リジル)—メタン、 1, 2 ジ—(4 ピペリジル)—エタン、 1, 3 ジ—(4 ピペリジル) プロパン、 1, 4ージ一(4ーピペリジル) ブタン等の第二級ジァミンとェピハロヒド リンの縮合により製造されるァミン系エポキシィ匕合物;
[0028] 3, 4 エポキシシクロへキシルー 3, 4 エポキシシクロへキサンカルボキシレート、 ビュルシクロへキサンジオキサイド、 2- (3, 4 エポキシシクロへキシル)ー 5, 5—ス ピロ 3, 4—エポキシシクロへキサン メタ ジォキサン、ビス(3, 4—エポキシシク 口へキシル)アジペート等の脂環式エポキシ化合物;
シクロペンタジェンエポキシド、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕ポリブタジエン、ビニ ルシクロへキセンエポキシド等の不飽和化合物のエポキシィ匕により製造されるェポキ シ化合物;
上述の多価アルコール、フエノール化合物とジイソシァネート及びグリシドール等か ら製造されるウレタン系エポキシィ匕合物等が挙げられる。これらは単独で又は二種以 上を組み合わせて用いてもょ 、。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜50モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
[0029] (m)ポリイソ(チォ)シァネート
ポリイソ(チォ)シァネートの例としては、キシリレンジイソ(チォ)シァネート、 3, 3'— ジクロロジフエ-ルー 4, 4'ージイソ(チォ)シァネート、 4, 4'ージフエ-ルメタンジイソ (チォ)シァネート、へキサメチレンジイソ(チォ)シァネート、 2, 2', 5, 5'—テトラクロ ロジフエ-ルー 4, 4' ージイソ(チォ)シァネート、トリレンジイソ(チォ)シァネート、ビ ス (イソ(チォ)シァネートメチル)シクロへキサン、ビス(4—イソ(チォ)シァネートシクロ へキシル)メタン、ビス(4 イソ(チォ)シァネートメチルシクロへキシル)メタン、シクロ へキサンジイソ(チォ)シァネート、イソフォロンジイソ(チォ)シァネート、 2, 5 ビス( イソ(チォ)シァネートメチル)ビシクロ [2. 2. 2]オクタン、 2, 5 ビス(イソ(チォ)シァ ネートメチル)ビシクロ [2. 2. 1]ヘプタン、 2 イソ(チォ)シァネートメチルー 3—(3 イソ(チォ)シァネートプロピル) 5 イソ(チォ)シァネートメチルービシクロ [2. 2 . 1] ヘプタン、 2 イソ(チォ)シァネートメチルー 3—(3 イソ(チォ)シァネートプ 口ピル)ー6 イソ(チォ)シァネートメチルービシクロ [2. 2. 1]ヘプタン、 2 イソ(チ
ォ)シァネートメチルー 2— [3 イソ(チォ)シァネートプロピル ] 5 イソ(チォ)シァ ネートメチルービシクロ [2. 2. 1] ヘプタン、 2—イソ(チォ)シァネートメチルー 2—( 3 イソ(チォ)シァネートプロピル) 6 イソ(チォ)シァネートメチルービシクロ [2. 2. 1] ヘプタン、 2 イソ(チォ)シァネートメチルー 3—(3 イソ(チォ)シァネート プロピル) -6- (2—イソ(チォ)シァネートェチル)一ビシクロ [2. 2. 1]—ヘプタン、
2 イソ(チォ)シァネートメチルー 3—(3 イソ(チォ)シァネートプロピル) -6- (2 イソ(チォ)シァネートェチル)ービシクロ [2, 2, 1] ヘプタン、 2—イソ(チォ)シァ ネートメチルー 2—(3 イソ(チォ)シァネートプロピル) 5—(2 イソ(チォ)シァネ ートェチル)ービシクロ [2. 2. 1] ヘプタン、 2—イソ(チォ)シァネートメチルー 2—(
3—イソ(チォ)シァネートプロピル) -6- (2—イソ(チォ)シァネートェチル) ビシク 口 [2. 2. 1] ヘプタン等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせ て用いてもよい。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜50モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
[0030] また、前記ポリイソ (チォ)シァネートの成分中には、重合体の物性等を適宜改良す るためにビニル基を有する化合物成分を共重合させることも出来る。具体的には、ジ ビュルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アタリレート、トリメチロールプロパントリ( メタ)アタリレート、一分子内に少なくとも二つ以上の (メタ)アタリ口キシ基を含むウレタ ン変性 (メタ)アタリレート、エポキシ変性 (メタ)アタリレート、ポリエステル変性 (メタ)ァ タリレート等が挙げられこれらは単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。 なお、上記 (メタ)アタリレートはアタリレートとメタタリレートの両者を意味し、(メタ)ァク リロキシ基は、アタリロキシ基とメタクリロキシ基の両者を意味する。
[0031] (iv)ポリチオール
ポリチオールの例としては、 1, 2 エタンジチオール、 1, 3 プロパンジチオール、 テトラキスメルカプトメチルメタン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロビオネ ート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、 2, 3 ジメルカプトプロパノ ール、ジメルカプトメタン、トリメルカプトメタン、 1, 2 ベンゼンジチオール、 1, 3 べ ンゼンジチオール、 2, 5 ビス(メルカプトメチル) 1, 4ージチアン、 1, 4一べンゼ
ンジチオール、 1, 3, 5 ベンゼントリチオール、 1, 2 ジメルカプトメチルベンゼン、 1, 3 ジメルカプトメチルベンゼン、 1, 4ージメルカプトメチルベンゼン、 1, 3, 5 ト リメルカプトメチルベンゼン、トルエン 3, 4 ジチオール、 1, 2, 3 トリメルカプトプ 口パン、 1, 2, 3, 4ーテトラメルカプトブタン等が挙げられる。これらは単独で又は二 種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜50モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
(V)単独重合可能なビュルモノマー
単独重合可能なビュルモノマーの例としては、メチルアタリレート、メチルメタクリレ ート、ェチノレアタリレート、ェチノレメタタリレート、エチレングリコールジアタリレート、ェ チレングリコールジメタタリレート、ジエチレングリコールジアタリレート、ジエチレングリ コールジメタタリレート、トリエチレングリコールジアタリレート、トリエチレングリコールジ メタタリレート、ポリエチレングリコールジアタリレート、ポリエチレングリコールジメタタリ レート、 1, 3 ブチレングリコールジアタリレート、 1, 3 ブチレングリコールジメタタリ レート、 1, 6 へキサンジオールジアタリレート、 1, 6 へキサンジオールジメタクリレ ート、ネオペンチルグリコールジアタリレート、ネオペンチルグリコールジメタタリレート 、ポリプロピレングリコールジアタリレート、ポリプロピレングリコールジメタタリレート、 2 , 2 ビス〔4—(アタリロキシエトキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔4— (メタクリロ キシエトキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔4—(アタリロキシ 'ジエトキシ)フエ-ル 〕プロパン、 2, 2 ビス〔4— (メタクリロキシ 'ジエトキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビ ス〔4—(アタリロキシ 'ポリエトキシ)フエ-ル〕プロパン、 2, 2 ビス〔4— (メタクリロキ シ.ポリエトキシ)フエ-ル〕プロパン、トリメチロールプロパントリアタリレート、トリメチロ ールプロパントリメタタリレート、ペンタエリスリトールテトラアタリレート、ペンタエリスリト ールテトラメタタリレート、ビス(2, 2, 2—トリメチロールェチル)エーテルのへキサァク リレート、ビス(2, 2, 2—トリメチロールェチル)エーテルのへキサメタタリレート等の 1 価以上のアルコールとアクリル酸、メタクリル酸のエステル構造を有する化合物; ァリルスルフイド、ジァリルフタレート、ジエチレングリコールビスァリルカーボネート 等のァリル化合物;ァクロレイン、アクリロニトリル、ビニルスルフイド等のビュル化合物
スチレン、 α—メチノレスチレン、メチノレビ二ノレベンゼン、ェチノレビ二ノレベンゼン、 α クロロスチレン、クロロビニノレベンゼン、ビニノレべンジノレクロライド、パラジビニノレべ ンゼン、メタジビュルベンゼン等の芳香族ビュル化合物等が挙げられる。これらは単 独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよ!、。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜20モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
[0033] 本発明の環状スルフイドィ匕合物を必須成分として得られる光学製品の屈折率を向 上するため、硫黄原子を含む無機化合物を適宜加えてもよい。
硫黄原子を含む無機化合物としては、硫黄、硫化水素、二硫化炭素、セレノ硫ィ匕 炭素、硫ィ匕アンモ-ゥム、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫化酸化物、チォ炭酸塩、 硫酸及びその塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、過硫酸塩、チォシアン酸塩、チォ硫酸塩 、二塩化硫黄、塩ィ匕チォ -ル、チォホスゲン等のハロゲン化物、硫化硼素、硫ィ匕窒 素、硫化珪素、硫化リン、硫化セレン、金属硫化物、金属水硫化物等が挙げられる。 これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
これらの使用量は、必須成分である本発明の環状スルフイドィ匕合物の総量に対して 0. 01〜50モノレ0 /0力好まし!/ヽ。
[0034] 本発明の環状スルフイドィ匕合物を含む光学製品には、本発明の目的が損なわれな い範囲で、所望により、耐候性改良のため、紫外線吸収剤,酸化防止剤,着色防止 剤,蛍光染料などの添加剤を適宜加えてもよい。
また、重合反応性向上のための触媒を適宜使用してもよぐ使用しうる触媒としては 、例えば、ェピスルフイドやエポキシの重合ではァミン類,フォスフィン類,第 4級アン モ -ゥム塩類,第 4級ホスホ-ゥム塩類,第 3級スルホ -ゥム塩類,第 2級ョードニゥム 塩類,鉱酸類,ルイス酸類,有機酸類,ケィ酸類,四フッ化ホウ酸等、ビュル基の重 合ではァゾビスブチ口-トリル,ァゾビスジメチルバレ口-トリル、過酸化ベンゾィル等 のラジカル発生剤、そしてイソ(チォ)シァネートとチオールの重合ではジメチルスズ ジクロライド、ジラウリルスズジクロライド、アミン類などが効果的である。
[0035] 本発明の環状スルフイドィ匕合物を用いて得られる光学製品は、例えば以下に示す
方法に従って製造することができる。
まず、上記重合性化合物及び必要に応じて用いられる各種添加剤を含む均一な 組成物を調製し、この組成物を公知の注型重合法を用いて、ガラス製又は金属製の モールドと榭脂製のガスケットを組み合わせた型の中に注入し、加熱して硬化させる 。この際、成形後の樹脂の取り出しを容易にするためにあら力じめモールドに離型処 理をしたり、この組成物に離型剤を混合してもよい。重合温度は、使用する化合物に より異なるが、一般には— 20°C〜 + 150°Cで、重合時間は 0. 5〜72時間程度であ る。重合後離型された注型成形体は、通常の分散染料を用いて、水もしくは有機溶 媒中で容易に染色できる。この際さらに染色を容易にするために、染料分散液にキヤ リア一をカ卩えてもよぐまた加熱しても良い。
このようにして得られた光学製品の用途は限定されない。ここで、光学製品としては 、例えば、プラスチックレンズ、光ファイバ一、情報記録用基板、赤外線吸収フィルタ 一、着色フィルターなどが挙げられ、プラスチックレンズとして特に好ましく用いられる このようなプラスチックレンズは、染料を用いて染色処理を行うことができ、また、耐 擦傷性向上のため、有機ケィ素化合物又はアクリルィ匕合物に酸化スズ、酸化ケィ素 、酸ィ匕ジルコニウム、酸ィ匕チタン等の微粒子状無機物等を有するコーティング液を用 いて硬化被膜をプラスチックレンズ上に形成してもよい。また、耐衝撃性を向上させる ためにポリウレタンを主成分とするプライマー層をプラスチックレンズ上に形成しても よい。
さらに、反射防止の性能を付与するために、前記硬化被膜上に、酸化ケィ素、二酸 化チタン、酸ィ匕ジルコニウム、酸化タンタル等の無機物質からなる反射防止膜を形成 してもよい。また、撥水性向上のため、前記反射防止膜上にフッ素原子を含有する有 機ケィ素化合物からなる撥水膜を反射防止膜上に形成してもよい。
また、このプラスチックレンズを眼鏡用として使用する場合には、紫外線から榭脂又 は目を保護する目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を保護する目的で赤外線吸収 剤を添加してもよい。
さらに、榭脂の美観を維持又は向上させる目的で、酸化防止剤の添加や少量の色
素を用いてブルーイングをすることもできる。
実施例
[0037] 次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例 によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で得られた化合物の物性及び 応用例、応用比較例で得られた重合体力 なる光学製品の物性は、以下に示す方 法にしたがって測定した。
<環状スルフイドィ匕合物の物性 >
屈折率 (n )、アッベ数 ):カル-ユー社製精密屈折率計 KPR— 200を用いて
D D
25°Cにて測定した。
<重合体の物性 >
(a)屈折率 (n )、アッベ数 ):上記と同様にして測定した。
D D
(b)外 観: 肉眼により得られた重合体の透明性を観察した。
(c)耐熱性:リガク社製 TMA装置により直径 0. 5mmのピンを用いて、 98mN (10gf )の荷重で TMA測定を行ない、 10°CZ分の昇温で得られたチャートのピーク温度に より評価した。
[0038] 実施例 1
4. 5 ビスェピチォプロピルチア 1. 3 ジチオランの合成
(1) 4, 5 ジヒドロキシ 1, 3 ジチオランの合成
グリオキサールの 40重量%水溶液(18.1g、 0.124mol)にメタンジチオール(9.98g、 0. 124mol)を水浴で冷しながら 1時間攪拌反応させた。反応が終わった後、水を除去す ると 4, 5 ジヒドロキシ 1, 3 ジチオランが白い結晶で得られた(17.5g)。得られた 4, 5 ジヒドロキシ一 1, 3 ジチオランを精製せずに後の工程に用いた。
この化合物の構造特定のための1 H-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
3
δ : 5.62[2H, d, J=8.4Hz,— CH(OH)S—]、 4.02 (2H,s, -SCH S— )、 2.36 (2H,d,J=8.
2
4Hz, -OH)
(2) 4, 5 ジァセトキシー 1, 3 ジチオランの合成
前記(1)の工程で得られた 4, 5 ジヒドロキシ一 1, 3 ジチオラン(17.5g)とピリジ
ン(20ml)中に氷浴で冷しながら無水酢酸 (27.9g、 10%過剰)を 1時間かけて滴下した 。攪拌しながらさらに 1時間反応させた。室温で減圧蒸留により大部分のピリジンと酢 酸を除去したのち、氷とジクロロメタン (40ml)をカ卩え、相分離させた。 5重量%の硫酸水 溶液で洗いピリジンを完全に除去した。その後、純水でジクロロメタン溶液を数回洗 い、硫酸マグネシウムをカ卩ぇ乾燥させた。ジクロロメタンを蒸留で除去することにより、 4, 5 ジァセトキシー 1, 3 ジチオランの白色粉末 (28g)を得た。得られた 4, 5 ジ ァセトキシ—1, 3—ジチオランの白色粉末を精製せずに後工程に用いた。
この化合物の構造特定のための1 H-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
3
δ : 6.48[2H,s,— CH(OAc)S—]、 4.11 (2H,s, -SCH S—)、 2.12 (6H,s,CH COO)
2 3
(3) 4, 5 ジチオアセトキシー 1, 3 ジチオランの合成
前記(2)の工程で得られた 4, 5 ジァセトキシー 1, 3 ジチオランの白色粉末(12. 79g、 57.5mmol)をチォ酢酸(11.8g、 0.155mol、 35%過剰)中に溶かし、氷浴で冷しな がら BFエーテル溶液 (0.45ml)をゆっくり加えた。氷温で 3時間反応した後室温でさら
3
に 8時間攪拌した。反応液に 40mlのジクロロメタンを加え、 20重量%の炭酸カリウム溶 液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を除去することにより、 4, 5 ジチオアセトキシー 1 , 3 ジチオランの淡黄色のオイルを(13.2g、収率 90.4%)得た。得られた 4, 5 ジチ オアセトキシ 1, 3 ジチオランを精製せずに次の工程に用いた。
この化合物の構造特定のための1 H-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
3
δ : 5.41[2H,s,— CH(Sac)S—]、 4.09 (2H,s,一 SCH S— )、 2.35 (6H,s,CH COS)
2 3
(4) 4, 5 ジメルカプト 1, 3 ジチオランの合成
前記(3)の工程で得られた 4, 5 ジチオアセトキシー 1, 3 ジチオラン(13.2g、 51. 9mmol)をエタノール(30ml)とクロ口ホルム (30ml)の混合溶媒中 98重量%の濃硫酸(1. 44g)を用い、 60°Cで 25時間反応させた。得られた反応液を純水で洗い中性にした後 、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、蒸留することにより、 目的物の 4, 5— ジメルカプト 1, 3 ジチオランのシス一とトランス一の異性体の混合物を (4.27g、 収率 48.3%)得た。沸点は、 78〜80°C/0.67Paであった。
この化合物の構造特定のための1!" I-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
3
δ :4.59— 4.64[2H,m,— CH(SH)S—]、 4.09 (2H,s, -SCH S—)、 2.60— 2.65 (6H,m,
2
SH)
(5) 4, 5-ビスェピチォプロピルチア 1 , 3 ジチオランの合成
(i) 4, 5 ビスグリシジルチア 1, 3 ジチオランの合成
前記(4)工程で得られた 4, 5 ジメルカプト 1, 3 ジチオラン(64.31g、 0.3776m ol)と、ェピクロロヒドリン(69.88g、 0.7552mol)をエタノール(120ml)に加え、 2°Cに冷 却した。この混合物に 33重量 %水酸ィ匕ナトリウム(1.62g)水溶液を 3時間かけて滴下し 、この反応混合物を 1時間撹拌した。この後、室温に放置し、 3時間更に攪拌し、 0度 に冷却した。 12.5重量 %水酸化ナトリウム水溶液 (250g、 0.7812mol)を反応混合物に 1 時間かけて滴下し、 4時間攪拌した。この後、室温に放置し、 10時間更に攪拌し、蒸 留水 100mlを加え、ジクロロメタン 80mlで抽出した。この抽出操作を 3回繰り返した後、 反応混合物を中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を溜 去すると、 4, 5 ビスグリシジルチア 1, 3 ジチオラン(105g、収率 98.5%)を得た。 この化合物の構造特定のための1 H-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
3
δ :4.90-5.05 (2Η, m,—CHS— )、 4.05 (2H, s,—SCH S— )、 3.10— 3.30 (2H, m,
2
— CHO— )、 2.60— 2.80 (8H, m,— CH O— ,—SCH -)
2 2
(ii) 4, 5 ビスェピチォプロピルチア 1, 3 ジチオランの合成
4, 5 ビスグリシジルチア 1, 3 ジチオラン(105g、 0.372mol)と、チォ尿素(56.6 g、 0.746mol)をテトラヒドロフラン(130ml)、メタノール (450ml)混合溶媒に加え、無水 酢酸 (20g)を加え、 24時間攪拌した。この後、 10重量 %炭酸ナトリウム水溶液 (200ml) を加え、よく攪拌した後、ジクロロメタン 250mlで抽出した。この抽出操作を 3回繰り返 した後、反応混合物を中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶 媒を溜去し、カラム精製することにより、 目的物 (59.7g、 51%)を得た。
この化合物の構造特定のための1 H-NMR (溶媒: CDC1 )の分析結果を以下に示す
δ :4.88-4.93 (2H, m,—CHS— )、 4.08 (2H, s,—SCH S— )、 3.10— 3.25 (4H, m,
2
— CHO— )、 2.80— 3.00 (2H, m, thiirane— CH)、 2.58— 2.63 (2H, m, thiirane— CH )
2
、 2.31 (2H, d, J=5.4Hz, thiirane -CH)
この化合物の屈折率 (n )は 1.698、アッベ数( v )は 32.6であった。
D D
[0041] 応用例 1
^本からなる 。 の 1¾告
実施例 1で得られた 4, 5 ビスェピチォプロピルチア 1, 3 ジチオラン 0.05モル と重合触媒であるジシクロへキシルメチルァミン 5 X 10— 5モルの混合物を均一に攪拌 し、二枚のレンズ成型用ガラス型に注入し、 50°Cで 10時間、その後 60°Cで 5時間、さ らに 120°Cで 3時間加熱重合させてレンズ形状の重合体を得た。得られた重合体の 諸物性を第 1表に示す。第 1表力も分力るように、得られた重合体は、透明で、屈折率 (n )は 1.75と非常に高ぐアッベ数(V )も 33と、前記屈折率 (n )の値 1.75を考慮す
D D D
ると、低分散であり、耐熱性 (91°C)に優れたものであった。従って、得られた重合体は 光学製品として好適であった。
[0042] 応用比較例 1
:からなる π の觀告
第 1表に示すようにペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート (RM1) 0 .1モル、 m—キシリレンジイソシァネート (RM2) 0.2モル及びジブチルスズジクロライド 1.0 X 10— 4モルの混合物を均一に撹拌し、二枚のレンズ成形用ガラス型に注入し、 50 °Cで 10時間、その後 60°Cで 5時間、さらに 120°Cで 3時間加熱重合させてレンズ形状 の重合体を得た。得られた重合体の諸物性を第 1表に示す。第 1表力 分力るように 、得られた重合体は無色透明で光学歪みも観察されな力つた力 n
D Z V
D力
6と屈折率が低ぐ耐熱性も 86°Cと劣っていた。
[0043] 応用比較例 2及び応用比較例 3
^本からなる 。 の 1¾告
第 1表に示した原料組成物を使用した以外は、応用比較例 1と同様の操作を行な い、レンズ形状の重合体を得た。これらの重合体の諸物性を第 1表に示す。第 1表か ら分かるように、本応用比較例 2の重合体は η / V 力 .67Z28といずれも低ぐ耐熱
性(94°C)は比較的良好であるが、着色が見られ、光学歪が観察された。また、本応 用比較例 3の重合体は、 V が 36と比較的高ぐ無色透明で光学歪は観察されなかつ
D
たが、 nが 1.70とそれほど高くなぐまた、重合体は脆弱であった。
D
[表 1]
応用例 モノマー原料 重合触媒 nD/vD 外観 耐熱性
No. (モル) (モル) (°C)
1 M1 CT1 1.75/33 無色透明 91
(0.05) (2.0 X 10 5) 硬質 応用
原料組成 重合触媒 nD/vD 外観 耐熱性 比較例
No. (モル) (モル) (。c)
RM1 /R 2 CT2 1 .59/36 無色透明 86 (0.1 /0.2) (2.0 X 1 0"4) 硬質
RM3/RM2 CT2 1 .67/28 淡黄硬脆色色透明 94
透質弱
(0.2/0.3) (2.0 X 10— 4) 明
RM4 CT3 1 .70/36 無
(0.1 ) (1.0 X 10— 4)
[0045] 第 1表に示す略号は、下記のものを表す。
Ml :4, 5 ビスェピチォプロピノレチア 1, 3 ジチオラン
RM1:ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート
RM2: m キシリレンジイソシァネート
RM3 : 1, 3, 5 トリメルカプトベンゼン
RM4 : 2, 3-ェピチォプロピルスルフイド
CT1:ジシクロへキシノレメチノレアミン
CT2:ジブチルスズジクロライド
CT3:テトラ(n—ブチル)フォスフォ -ゥムブロマイド
産業上の利用可能性
[0046] 本発明の環状スルフイドィ匕合物は、ィォゥ含有量が高ぐ一般式(1)で表されるよう
な特定構造を有するため、屈折率及びアッベ数が高ぐかつ耐熱性、透明性に優れ た光学製品の原料として好適である。例えば、眼鏡レンズ,カメラレンズ等のレンズ、 プリズム、光ファイバ一、光ディスク、磁気ディスク等に用いられる情報記録媒体基板 、着色フィルター、赤外線吸収フィルタ一等の光学製品の原料として好適である。