JP5320744B2 - ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルター、光学用接着剤、光学フィルムなどに使用される光学用プラスチック原料として有用なポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートに関する。
プラスチック材料は軽量で靭性に富み、染色も容易であるため、近年、レンズ等の各種光学用途に使用されるようになっている。しかし、プラスチック材料を眼鏡レンズなどに使用する場合、屈折率の低い材料では、度数の増加に伴ってレンズに厚みを持たせる必要があるため、軽量であるというプラスチックの特長を活かすことが困難になるという問題がある。また、プラスチックは一般的に屈折率の高い素材ほどアッベ数が低く色収差が大きい傾向にあるので、この大きな色収差により注視物に色がついてにじんで見えるようになるという問題も生じてくる。これらのことから、光学用プラスチック材料として、高屈折率でかつ高アッベ数の材料が求められている。
このような光学用プラスチック材料として、特許文献1にポリチオールとポリイソシアネートを反応させて得られるポリチオウレタンが提案され、特許文献2にそのポリチオールとして硫黄原子の含有率を高めたものなどが更に提案されている。さらに高い屈折率を有する材料が求められている中で、特許文献3及び特許文献4などに記載されているポリエピスルフィドの開環重合体であるポリチオエーテルが提案された。これらポリチオウレタン及びポリチオエーテルは概して屈折率が1.6以上と高くアッベ数も30以上と高いため、最近の薄型軽量眼鏡レンズとして使用されるものが多くなっている。
さらに、特許文献5には、ポリチオカーボネートポリチオールと、ポリイソシアネート/ポリイソチオシアネートを反応させて得られるポリチオウレタンが提案されている。
しかしながら、ポリチオウレタン及びポリチオエーテルは、光学レンズを製造する工程において熱重合成形時間に長時間を要し、材料によっては1〜3日程度を要する場合もあり、生産性の面では改良の余地を残していた。
生産性面の問題を解決する目的で、ラジカル重合性を有する化合物を光重合によって短時間で重合、成型を行い光学用プラスチックレンズを得る方法が提案されている。特許文献6、特許文献7及び特許文献8には、臭素原子あるいは硫黄原子を含有するアクリル酸エステル類またはチオアクリル酸エステル類を用いて光学用プラスチックレンズを得る方法が提案され、特許文献9及び特許文献10には、含硫脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いて光学用プラスチックレンズを得る方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法によると短時間での重合は可能になり、得られる樹脂は良好な光学的性能(高屈折率でかつ高アッベ数)を有するものの、力学的性能(曲げ強度、曲げ破壊ひずみなど)が十分に満足されるものではなかった。
特公平4−58489号公報 特開平5−148340号公報 特開平9−71580号公報 特開平9−110979号公報 特開2005−336476号公報 特開昭63−248811号公報 特開平1−26613号公報 特開平3−217412号公報 特開平3−215801号公報 特開平4−161410号公報
本発明は、短時間での重合、成型が可能であり、光学レンズなどの光学用プラスチック材料に必要な優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加え、優れた力学的性能(高い曲げ強度、高い曲げ破壊ひずみ)を有するプラスチック材料を製造するための原料を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に説明する新規なポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを使用することにより前記性能を有する光学用プラスチック材料を製造することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の事項に関する。
1. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基で置換された構造を有するポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
Figure 0005320744
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
2. ポリチオカーボネートポリチオールが一般式(2)で表される繰り返し単位を有する上記1記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
Figure 0005320744
(式中、Rは、二価の炭化水素基を表し、反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又は環構造を含有していてもよい。)
3. ポリチオカーボネートポリチオールが、前記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも二種有する上記1記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
4. 一般式(3)で表され、数平均分子量が300〜3000である上記2又は3記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
Figure 0005320744
(式中、Rは前記と同義であり、nは1以上の数を表し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)
5. 室温下で液状である上記1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
6. 前記一般式(1)の(メタ)アクリロイル基によるメルカプト基の水素原子の置換度が80%以上である上記1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
7. APHAが150以下である上記1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
8. 35℃における粘度が1000mPa・sec以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
9. ポリチオカーボネートポリチオールを一般式(4)で表される3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドと反応させ、次いで脱ハロゲン化水素によるビニル結合生成反応をさせることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの製造法。
Figure 0005320744
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、A及びBはそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。)
10. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が一般式(5)で表される3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニル基で置換されたポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート。
Figure 0005320744
(式中、X及びAは前記と同義である。)
11. 一般式(6)で表され、数平均分子量が350〜3200である上記10記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート。
Figure 0005320744
(式中、A及びCはそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、R、X、Y及びnは前記と同義である。)
12. 上記1〜8のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを重量基準で3〜100%含む重合性組成物。
13. 上記12記載の重合性組成物をラジカル重合反応させることにより得られる重合硬化物。
14. 上記13記載の重合硬化物を用いた光学材料。
本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを含有する重合性組成物は、短時間での重合、成型が可能であり、その硬化物は、光学レンズなどの光学用プラスチック材料に必要とされる性能、即ち、優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加え、優れた力学的性能(高い曲げ強度、高い曲げ破壊ひずみ)を有するプラスチック材料を与える。従って、例えばプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基板、着色フィルター、赤外線吸収フィルター、光学用接着剤、光学フィルムなどの光学材料への利用が期待される。また、硬化物は、優れた光学的性能を有するだけでなく優れた力学的性能を有するので、各種光学材料の高強度化に寄与することも期待される。
さらに、本発明の異なる態様によれば、新規なポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートとその製造方法、およびその製造に適した中間体を提供することができる。
本出願において、用語「ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート」は、化合物そのものに加え、例えば本発明の製造方法により製造された重合度の異なる化合物を主成分とする混合物も意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基(チオール基)の水素原子が(メタ)アクリロイル基で置換された構造である。即ち、チオカーボネート構造を繰り返し単位とするポリチオカーボネートであって末端に(メタ)アクリロイルチオ基を有するものである。後述するように、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、ポリチオカーボネートポリチオールを3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドと反応させてポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートとし、次いで脱ハロゲン化水素によるビニル結合生成反応をさせることによって製造できる。
尚、本出願において、「(メタ)アクリレート」および「(メタ)アクリロイル」等の表記は、慣用されるように、それぞれ、「メタクリレート」と「アクリレート」の両方、および「メタクリロイル」と「アクリロイル」の両方を意味する。さらに、「3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニル」および「3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート」等の表記は、それぞれ、「3−ハロゲノ−2−メチルプロピオニル」と「3−ハロゲノプロピオニル」の両方、および「3−ハロゲノ−2−メチルプロピオネート」と「3−ハロゲノプロピオネート」の両方を意味する。
〔ポリチオカーボネートポリチオール〕
原料となる前記ポリチオカーボネートポリチオールは、カーボネート化合物(カーボネート成分)とポリチオール化合物(チオール成分)をエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて製造することが好ましい。このカーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;メチルフェニルカーボネート等のアルキルアリールカーボネートなどが挙げられる。これらカーボネート化合物の中では、ジアリールカーボネートが好ましく、中でもジフェニルカーボネートが特に好ましい。
また、ポリチオール化合物としては、ポリカーボネートポリオールの製造で使用されるポリオール化合物に対応するポリチオール化合物を単独又は複数で使用することができ、具体的には、多価(少なくとも二価)の炭化水素基(好ましくは炭素数2〜14)の遊離末端にメルカプト基が結合した化合物が挙げられる。この炭化水素基としては、脂肪族(脂環式を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数2〜14)、芳香族(芳香脂肪族を含む)炭化水素基(好ましくは炭素数6〜14)などが挙げられ、反応に関与しない置換基(アルキル基、アルコキシ基等)を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子)や環構造(脂環構造、芳香環構造、複素環構造等)などを同じく反応に関与しない原子又は原子団として含有していてもよい。この場合の「反応に関与しない」とは、ポリチオカーボネートポリチオール合成反応、ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート合成反応、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート合成反応及び、この(メタ)アクリレートを含む重合性組成物のラジカル重合反応に関与しないことを意味する。
チオール化合物を構成する前記多価の炭化水素基の中では、二価以上であって、八価以下、更には五価以下のものが好ましく、価数の異なる多価の炭化水素に基づくチオール化合物を併用して使用してもよい。特に二価のものを主体として(例えば80モル%以上)使用することが好ましく、特定の態様では全て、二価の炭化水素にメルカプト基が結合したチオール化合物が使用される。これらの中では脂肪族のものが好ましく、中でも二価の脂肪族炭化水素基が特に好ましい。また、前記ヘテロ原子では硫黄原子や酸素原子が好ましく、環構造では脂環構造や飽和の複素環構造が好ましい。多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であれば、チオール化合物は、R(SH)で表される。これを使用して製造されるポリチオカーボネートポリチオールは前記一般式(2)の繰り返し単位を有し、一般式(2)における「R」がこの炭化水素基に相当する。二価の炭化水素基を有するチオール化合物のみからは、例えば次の構造のポリチオカーボネートジチオールが製造される。
Figure 0005320744
ここで、nは1以上の数であり、単一の化合物を表すときは重合度を示す整数であるが、通常は重合度の異なる混合物で得られるので、所定の平均分子量を満足するように選ばれる平均の数を表す。
また、この場合、前記一般式(2)の繰り返し単位は、それを原料とするポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートにおいてもそのまま繰り返し単位となる。
さらに、二価の炭素水素基Rを有するチオール化合物に三価の炭素水素基Rを有するチオール化合物を併用したとき、ポリチオカーボネートポリチオールは、例えば次のように、Rで分岐した構造を有する。
Figure 0005320744
三価以上の炭化水素基の含有量が増えると、ポリマー中の分岐及び/又は架橋構造が増加するので、得られる光学材料の物性を考慮して適宜選択して使用することが好ましい。
前記炭化水素基が脂肪族炭化水素基であるポリチオール化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール等のアルカンジチオール;1,4−シクロヘキサンジチオール等のシクロアルカンジチオール;
ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール等の炭素鎖中にヘテロ原子を含有するアルカンジチオール;1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン等の炭素鎖中に脂環構造を含有するアルカンジチオール;2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジオキサン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等の炭素鎖中にヘテロ原子及び脂環構造を含有するアルカンジチオール;
1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール等のアルカントリチオール;テトラキス(メルカプトメチル)メタン、3,3’−チオビス(プロパン−1,2−ジチオール)、2,2’−チオビス(プロパン−1,3−ジチオール)等のアルカンテトラチオールなどが挙げられる。
また、前記炭化水素基が芳香族炭化水素基であるポリチオール化合物としては、例えば、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール等の芳香族ジチオール;1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジチオール;1,3,5−ベンゼントリチオール、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン等の芳香族トリチオールなどが挙げられる。
本発明では、ポリチオール化合物は単独で使用してもよいが、複数(少なくとも二種)で使用してもよい。ポリチオール化合物中の多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であれば、後者の場合、得られるポリチオカーボネートポリチオールは前記一般式(2)においてRが異なる複数(少なくとも二種)の繰り返し単位を有する共重合物となる。このとき、例えば、次のような組合せのポリチオール化合物を使用すれば、融点及び結晶化温度が低く室温下(40℃以下、好ましくは30℃以下、特定の実施形態によっては20℃以下、更に好ましくは10℃以下)で液状のポリチオカーボネートポリチオールを得ることができる。複数のポリチオール化合物の使用割合は室温下で液状のポリチオカーボネートポリチオールが得られる限り特に制限されない。液状のポリチオカーボネートポリチオールを原料とする場合、得られるポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは低融点のものとなって、室温下で注型重合が可能になるなど、実用的に非常に有用である。
(a)炭素鎖の鎖長が異なる直鎖アルカンジチオールの組合せ:1,5−ペンタンジチオールと1,6−ヘキサンジチオールとの組合せ、ビス(メルカプトアルキル)スルフィド(例えば、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド)と1,6−ヘキサンジチオールとの組合せなど。
(b)直鎖アルカンジチオールと分岐アルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと3−メチル−1,5−ペンタンジチオールとの組合せなど。
(c)直鎖アルカンジチオール又は分岐アルカンジチオールと脂環構造を含有するアルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサンとの組合せなど。
(d)直鎖アルカンジチオール又は分岐アルカンジチオールとヘテロ原子及び脂環構造を含有するアルカンジチオールとの組合せ:1,6−ヘキサンジチオールと2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンとの組合せなど。
ポリチオカーボネートポリチオールは、カーボネート化合物(特にジアリールカーボネート)とポリチオール化合物をエステル交換触媒の存在下で副生するアルコール(特にアリールアルコール)を連続的に反応系外に抜き出しながらエステル交換反応させて製造することが好ましい。このとき、ポリチオール化合物の使用量は、得られるポリチオカーボネートポリチオール分子鎖の末端の全部又はほぼ全部がメルカプト基となるように、カーボネート化合物に対して0.8〜3.0倍モル、更には0.85〜2.5倍モル、特に0.9〜2.5倍モルであることが好ましい。また、エステル交換触媒の使用量は、ポリチオール化合物に対してモル基準で1〜5000ppm、更には10〜1000ppmであることが好ましい。なお、副生アルコールを抜き出すためには、反応器に蒸留装置を設けることが好ましく、更に不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)流通下で反応させてもよい。
前記エステル交換反応においては、ジアリールカーボネートとしてジフェニルカーボネートを使用することが好ましく、その場合、ポリチオール化合物として多価の炭化水素基が二価の炭化水素基であるものを使用すれば、その炭化水素基Rの炭素数は4〜14であることが好ましい。このとき、二価の炭化水素基Rの炭素数が4〜14であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)の使用量は、ジフェニルカーボネートに対して1.05〜3.0倍モル、更には1.1〜2.5倍モルであることが好ましく、着色度が低く(即ち、APHAが60以下、更には40以下、特に20以下で)、分子鎖末端の全部又はほぼ全部がメルカプト基である(即ち、末端基におけるアリールオキシ基(特にフェノキシ基)の割合が5%以下、更には2%以下、特に1%以下である)ポリチオカーボネートポリチオールを得ることができる。このように末端基におけるアリールオキシ基の割合を制御することにより、末端(メタ)アクリロイル基含有率の高いポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを得ることができ、その結果、光学的性能に加えて力学的性能にも優れた光学材料を得ることができる。なお、APHAは加熱溶融時の色相を表し、アリールオキシ基の割合はモル基準である(以下同様)。
前記エステル交換反応の条件(温度、圧力、時間)は、目的物を効率よく生成させることができるなら特に制限されず、例えば、カーボネート化合物とポリチオール化合物を、エステル交換触媒の存在下、常圧又は減圧下に110〜200℃で1〜24時間程度、次いで減圧下に110〜240℃(特に140〜240℃)で0.1〜20時間程度反応させ、更に同温度で徐々に真空度を高めながら最終的に20mmHg(2.7kPa)以下となる減圧下で0.1〜20時間程度反応させればよい。
また、ポリチオール化合物を複数で使用する場合は、複数のものを同時に反応させてもよいが、カーボネート化合物と一方のポリチオール化合物を同様の条件でエステル交換反応させて対応するポリチオカーボネートポリチオールを一旦生成させ、これに別のポリチオール化合物を反応させてもよい。後者の場合、カーボネート化合物がジフェニルカーボネートであれば、ジフェニルカーボネートとRの炭素数が4〜14であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)をエステル交換反応させ、次いで生成するポリチオカーボネートポリチオールとRの炭素数が2〜4であるポリチオール化合物(特にジチオール化合物)を反応させて目的物を製造することが好ましい。
エステル交換触媒は前記エステル交換反応を触媒する化合物であれば特に制限されず、例えば、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、有機四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物や、四塩化チタン、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)などのチタン化合物や、金属スズ、水酸化スズ、塩化スズ、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンオキシド、ブチルチントリス(2−エチルヘキサノエート)などのスズ化合物が挙げられる。
エステル交換触媒の中では、炭酸カリウム、ナトリウムアルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、有機四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド)などの塩基性化合物や、テトラアルコキシチタン(テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン等)が好ましく、中でも塩基性化合物は、APHAが60以下で着色度の低いポリチオカーボネートポリチオールを与えることができるので特に好ましい。
ポリチオカーボネートポリチオールの数平均分子量(M)は200〜2500、更には400〜2000の範囲であることが好ましい。分子量が範囲外である場合、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの物性や該化合物を含む重合性組成物のラジカル重合により得られる重合硬化物(光学材料)の光学的或いは力学的性能が不満足なものになり易い。例えば、数平均分子量が200より小さい場合はポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを含む重合性組成物のラジカル重合硬化物の曲げ破壊ひずみが小さくなることが多く、2500より大きい場合はポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの融点及び結晶化温度が高くなって室温下(40℃以下)での注型重合が困難になりやすい。このため、目的の分子量となるようにカーボネート化合物とポリチオール化合物の使用量を調整するが、反応生成物の数平均分子量が目的値から外れる場合、例えば、分子量が小さい場合は減圧下で更にポリチオール化合物を留出させながらエステル交換反応させ、分子量が大きい場合はポリチオール化合物を添加して更にエステル交換反応させることによって分子量を調整することが好ましい。
分子量調整後、ポリチオカーボネートポリチオール中に残存するエステル交換触媒は、必要であれば不活性化しておくことが好ましい。エステル交換触媒の不活性化は、テトラアルコキシチタンを使用した場合は、リン系化合物(リン酸、リン酸ブチル、リン酸ジブチル等)を添加する公知の方法により行なうことができ、塩基性化合物を使用した場合は、無機又は有機の酸(硫酸、パラトルエンスルホン酸等)を40〜150℃で触媒と等モル量添加することにより行うことができる。なお、この酸添加で不溶性の塩が析出する場合は、これを水洗して除くことが好ましい。
得られたポリチオカーボネートポリチオールは水洗により着色度(APHA)を更に低くすることができる。例えば、触媒がテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである場合、得られるポリチオカーボネートポリチオールのAPHAは既に60以下であるが、40以下、更には20以下(10以下)まで水洗によって低下させることができる。触媒がチタン化合物である場合も、ポリチオカーボネートポリチオールのAPHA(100を超える)を同様にして低下させることができる。なお、水洗は、ポリチオカーボネートポリチオールを塩化メチレン等の良溶媒に溶解させ、適量の水を加えて均一に混合又は攪拌することにより行なうことができ、水洗操作は必要に応じて複数回行なってもよい。水洗操作を施したポリチオカーボネートポリチオールを使用して本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを製造すれば、APHAが150以下(更には100以下、特に60以下)の着色度の低い高品質のものを得ることができる。
〔ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート〕
ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートは、ポリチオカーボネートポリチオールを前記一般式(4)で表される3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドと反応させることにより製造される。ポリチオカーボネートジチオールを原料とした例は、次の反応式で表される。
Figure 0005320744
式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、A及びBはそれぞれ独立にハロゲン原子を表す。Rは二価の炭化水素基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子などが挙げられ、塩素原子および臭素原子が好ましく、中でも塩素原子が特に好ましい。nは1以上の数であり、単一の化合物を表すときは重合度を示す整数であるが、通常は重合度の異なる混合物であるので、所定の平均分子量を満足するように選ばれる平均の数を表す。
ここで、3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドは異種のものを混合して使用することができるので、製造されるポリチオカーボネートジチオールビス3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートは、一般式(6)で表される。
Figure 0005320744
式中、AおよびCは、上でAについて定義されたとおりのハロゲン原子を表し、その際AおよびCは同一でも異なっていてもよい。XおよびYは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。Rは二価の炭化水素基を表し、nは上で定義されたとおりである。
3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドとしては、具体的には、3−クロロプロピオニルクロリド、3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリド、3−ブロモプロピオニルクロリド、3−ブロモ−2−メチルプロピオニルクロリド、3−クロロプロピオニルブロミド、3−クロロ−2−メチルプロピオニルブロミド、3−ブロモプロピオニルブロミド、3−ブロモ−2−メチルプロピオニルブロミドなどが挙げられ、中でも3−クロロプロピオニルクロリド、3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリドが特に好ましい。
このとき、3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドは、ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基に対して0.8〜3.0倍モル、更には0.9〜2.5倍モル、特に1.0〜2.0倍モル使用することが好ましく、反応温度は、10〜80℃、更には20〜70℃、特に30〜60℃の範囲であることが好ましい。反応圧力は特に制限されず、通常は常圧でよく、反応雰囲気も特に制限されない。
前記反応は必要に応じて溶媒を存在させて行ってもよい。溶媒は、ポリチオカーボネートポリチオール及び3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドを溶解することができ反応を阻害するものでなければよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテルなどを使用できる。溶媒の使用量は反応の進行に影響がない限り特に制限されない。
反応終了後、ハロゲン化水素ガス(HB)を十分に反応系外に排出した後、そのまま次の脱ハロゲン化水素反応(ビニル結合生成反応)に進むことも可能であるが、無溶媒又は溶媒存在下で、アルカリ水溶液にて、残留するプロピオン酸誘導体やハロゲン化水素を分解、中和、除去した後、次の脱ハロゲン化水素反応に進むことが好ましい。この際、用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
このようにして得られるポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートの数平均分子量は、好ましくは350〜3200であり、特に550〜2700である。
〔ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート〕
ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートを塩基の存在下で脱ハロゲン化水素によるビニル結合生成反応をさせることにより製造される。
このとき、ポリチオカーボネートポリチオールのチオール成分となるポリチオール化合物がジチオール化合物であれば、メルカプト基の置換度100%の場合、次の反応式で示すように、一般式(3)で表されるポリチオカーボネートジチオールジ(メタ)アクリレートを得ることができる。
Figure 0005320744
ここで、nは、重合度を表し、単一の化合物を表すときは1以上(好ましくは1〜20)の整数であり、通常は重合度の異なる混合物で得られるので、所定の(数)平均分子量を満足するように選ばれる平均の数を表す。式中の他の記号は前記のとおりである。
反応に用いられる塩基としては、具体的には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の無機塩基及びその水溶液、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の3級アミンなどが挙げられ、中でも3級アミンが好ましい。
このとき、塩基は、ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネートの3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニル基に対して1.0〜10倍モル、更には1.0〜5.0倍モル、特に1.2〜4.0倍モル使用することが好ましく、反応温度は、−10〜60℃、更には0〜50℃、特に0〜40℃の範囲であることが好ましい。反応圧力は特に制限されず、通常は常圧でよく、反応雰囲気も特に制限されない。
前記反応は必要に応じて溶媒を存在させて行ってもよい。溶媒は、ポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート及び塩基を溶解することができ反応を阻害するものでなければよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒などを使用できる。溶媒の使用量は反応の進行に影響がない限り特に制限されない。
本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、上記方法での反応終了後、公知の操作、処理方法(例えば、中和、溶媒抽出、水洗、分液、溶媒留去等)により後処理されて単離される。
このようにしてポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が(メタ)アクリロイル基で置換されたポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを得ることができる。ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの数平均分子量は好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500の範囲である。
さらに、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、室温下(通常40℃以下、好ましくは30℃以下、特定の実施形態によっては20℃以下)で液状であることが好ましい。これは、出発原料のポリチオカーボネートポリチオールとして、室温下で液状のものを使用することで達成しうる。液状のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、室温下で注型重合が可能になり、実用的に非常に有用である。
なお、得られるポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートにおいて、メルカプト基の置換度は原料のモル比に調節されるが好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。メルカプト基の置換度が80%未満であると、保存中にメルカプト基と(メタ)アクリロイル基が反応して増粘し、保存安定性に欠ける場合がある。
また、上記方法で得られるポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、APHAが好ましくは150以下(更には100以下、特に60以下)であり、着色度が低く、高品質であり、また、粘度が35℃で1000mPa・sec以下、好ましくは500mPa・sec以下であるために光学材料に極めて適している。
尚、本発明者は、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを得ることを目的として、ポリチオカーボネートジチオールとメタクリル酸またはメタクリル酸クロライドとの直接反応、およびポリチオカーボネートジチオールとメタクリル酸メチルとのエステル交換反応を試みた。しかし、ビニル基とSH基との反応により重合が起こり(エン−チオール反応)、目的の化合物を単離できなかった。特に、メルカプト基の置換度を上げようとする程、反応生成物が高粘度(35℃における粘度が100000mPa・secを超える)であり、光学材料を成形するための注型重合に不適当であった。一方、本発明の製造方法によれば、実際に利用可能な、特に重合用、成型用に適したポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの製造が可能になるのである。
〔重合性組成物、重合硬化物(光学材料)〕
優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加えて優れた力学的性能(高い曲げ強度、高い曲げ破壊ひずみ)を有する、本発明の重合硬化物(光学材料)は、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを含む重合性組成物をラジカル重合反応させることにより得ることができる。
重合性組成物は、重合性成分として、ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートと、必要によりラジカル重合性の置換基を少なくとも1個有するその他の重合性化合物を含有する。ポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、重合性成分100重量%中に、3〜100重量%、好ましくは5〜100重量%、特に10〜100重量%含有されることが好ましい。併用成分であるその他の重合性化合物は、存在しなくてもよいが、併用するときは単独又は複数で使用することができる。
ラジカル重合性の置換基を少なくとも1個有するその他の重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、N−n−ブチル−O−(メタ)アクリロイルオキシエチルカーバメート、アクリロイルモルホリン、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート;
メチルチオ(メタ)アクリレート、エチルチオ(メタ)アクリレート、フェニルチオ(メタ)アクリレート、ベンジルチオ(メタ)アクリレート等の硫黄原子を含む脂肪族又は芳香族モノ(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート;
1,2−エタンジチオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジチオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジチオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジチオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジチオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1、5−ペンタンジチオールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルチオエチル)スルフィド、ビス(3−(メタ)アクリロイルチオプロピル)スルフィド、ビス(2−(メタ)アクリロイルチオプロピル)スルフィド、1,8−ビス(メタ)アクリロイルチオ−3,6−ジチアオクタン、1,11−ビス(メタ)アクリロイルチオ−3,6,9−トリチアウンデカン、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スルフィド、ビス(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)スルフィド、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)スルフィド、1,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシ−3,6−ジチアオクタン、1,11−ビス(メタ)アクリロイルオキシ−3,6,9−トリチアウンデカン等の硫黄原子を含む脂肪族ジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート;
1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオベンゼン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオベンゼン、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオベンゼン、1,2−ビス(メタ)アクリロイルチオメチルベンゼン、1,3−ビス(メタ)アクリロイルチオメチルベンゼン、1,4−ビス(メタ)アクリロイルチオメチルベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)メチルベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)メチルベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)メチルベンゼン等の硫黄原子を含む芳香族ジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の脂肪族又は芳香族多官能(3官能以上)(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクレリート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、レゾルシンジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルフィドジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート;
ビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル化合物、エチレングリコールジアリルカーボネート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル化合物;
ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーなどが挙げられ、その中でも、高い屈折率を維持するためには硫黄原子を含む脂肪族又は芳香族(メタ)アクリレートが好ましく、その中でも脂肪族のものが特に好ましい。
さらに、本発明の重合性組成物は、重合性成分以外に必須の成分としてラジカル重合開始剤を含有する。ラジカル重合開始剤の含有量は、重合性成分に対して0.001〜5重量%であり、好ましくは0.005〜3重量%、更に好ましくは0.01〜2重量%である。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、4−フェニルベンゾフェノン、4−メチルフェニルチオベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メチルベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−メチルベンゼンメタナミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペノキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のカルボニル化合物;
ベンジル−1,7,7−トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジオン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、α−オキソベンゼン酢酸メチルエステル等のジカルボニル化合物;
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,1−ジクロロアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノールプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、3,6−ビス(2−メチル−2−モルフォリノプロパノイル)−9−ブチルカルバゾール等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−(4−n−プロピルフェニル)ホスフィンオキシド等のアリルホスフィンオキシド系化合物;
4−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブトキシエチルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチルエステル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5’−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロペンタノン等のアミノカルボニル化合物;
2,2,2−トリシクロ−1−(4’−tert−ブチルフェニル)エタン−1−オン、2,2−ジクロロ−1−(4−フェノキシフェニル)エタン−1−オン、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニルトリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニルトリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフリール)エチル]トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(2−フリールエチル)トリアジン、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール等のハロゲン系化合物などの光重合開始剤が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で使用しても複数で使用してもよく、次に挙げる熱重合開始剤と併用で使用してもよい。熱重合開始剤の使用量は光重合開始剤に対して0〜20倍重量、更には0〜10倍重量、特に0〜5倍重量の範囲であることが好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド、メチルアセトアセテートパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド化合物;
1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール化合物;
P−メンタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ヘキシルハイドロパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド化合物;
α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン等のジアルキルパーオキシド化合物;
イソブチリルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、コハク酸パーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド化合物;
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート化合物;
α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tret−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tret−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(tert−ブチルパーオキシ)イソフタレート等のパーオキシエステル化合物;
tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、tert−ブチルトリメチルシリルパーオキシド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。これらの熱重合開始剤は単独で使用しても複数で使用してもよい。
また、本発明の重合性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲に応じて、酸化防止剤、光吸収材、光増感剤、充填剤(タルク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等)、顔料、染料、カップリング剤、離型剤などの公知の各種添加剤を添加することも可能である。
本発明の重合硬化物(光学材料)は、前記重合性組成物を必要に応じて減圧下で脱気した後、ガラス、プラスチックなどの型の中に注入し、ケミカルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの光源を50〜2000W、好ましくは100〜1500W、更に好ましくは200〜1000Wの強度で数秒〜10時間、好ましくは数秒〜5時間、更に好ましくは数秒〜2時間照射することにより、製造される。重合温度は特に限定されるものではないが、通常−10〜60℃、好ましくは0〜40℃の範囲である。また、熱重合開始剤を重合性組成物の中に含む場合の重合温度は、通常25〜200℃、好ましくは50〜170℃の範囲である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、ポリチオカーボネートジチオール、ポリチオカーボネートジチオールジ(メタ)アクリレート及び重合硬化物(光学材料)の物性は、下記の方法によりそれぞれ測定した。
〔ポリチオカーボネートジチオールの物性〕
1.メルカプト基価(SH価;mgKOH/g):100mL(ミリリットル)サンプル瓶に試料を秤量し(重量はグラム単位で小数点以下4桁まで正確に読み取る)、無水酢酸−テトラヒドロフラン溶液(溶液100mL中に無水酢酸4gを含む)5mLと4-ジメチルアミノピリジン-テトラヒドロフラン溶液(溶液100mL中に4-ジメチルアミノピリジン1gを含む)10mLを正確に加えて試料を完全に溶解させた後、室温で1時間放置し、次いで超純水1mLを正確に加えて時々攪拌しながら室温で30分放置して、0.25M水酸化カリウム-エタノール溶液で滴定した(指示薬:フェノールフタレイン)。SH価は次式により算出した。
SH価(mgKOH/g)=14.025×(B−A)×f/S
(但し、式中、Sは試料採取量(g)、Aは試料の滴定に要した0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、Bは空試験に要した0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液の量(mL)、fは0.25M水酸化カリウム−エタノール溶液のファクターを表す。)
2.数平均分子量(M):次式により算出した。
=112200/SH価
3.融点(℃)及び結晶化温度(℃):示差走査熱量計(島津製作所製;DSC−50)を使用して、窒素ガス雰囲気中、−100〜100℃の範囲にて、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で測定した。
4.粘度(mPa・sec):E型回転粘度計(ブルックフィールド製;プログラマブルデジタル粘度計DV−II+)を用いて35℃で測定した。
5.色相(APHA):JIS−K1557に準拠して測定した。
6.末端基におけるアリールオキシ基の割合(%):H−NMRの積分値から全末端基に対するアリールオキシ基の割合(モル基準)を求めた。
〔ポリチオカーボネートジチオールジ(メタ)アクリレートの物性〕
1.数平均分子量(M):次式により算出した。
=112200/(ポリチオカーボネートジチオールのSH価)+108.1+E
(但し、式中、Eには、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレートの場合は0、ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレートの場合は28.1を代入する。)
2.融点(℃)及び結晶化温度(℃):示差走査熱量計(島津製作所製;DSC−50)を使用して、窒素ガス雰囲気中、−100〜60℃の範囲にて、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で測定した。
3.粘度(mPa・sec):E型回転粘度計(ブルックフィールド製;プログラマブルデジタル粘度計DV−II+)を用いて35℃で測定した。
4.色相(APHA):JIS−K1557に準拠して測定した。
5.末端基における(メタ)アクリロイル基の割合(%):H−NMRの積分値から全末端基に対する(メタ)アクリロイル基の割合(モル基準)を求めた。
〔重合硬化物(光学材料)の物性〕
1.屈折率(n):屈折率計(アタゴ製アッベ屈折率計;MR−04)を使用して、e線(λ=546nm)を照射したときの屈折率を測定した。
2.アッベ数(ν):上記屈折率計を使用し、e線(λ=546nm)、F’線(λ=480nm)、C’線(λ=644nm)を照射したときの屈折率(n、nF’、nC’)をそれぞれ測定して、次式により算出した。
ν=(n−1)/(nF’−nC’
3.曲げ特性:JIS−K7171に準拠して、三点曲げ試験機(オリエンテック製;テンシロンUCT−5T)を用いて、23℃、50%RHにおいて測定し、曲げ弾性率、曲げ強度、及び曲げ破壊ひずみを求めた。試験片の大きさは幅25mm、長さ40mm、厚さ1mmとし、支持台間距離を32mm、圧子及び支持台の半径をそれぞれ5.0mm及び2.0mmとした。
〔参考例1〕
〔ポリチオカーボネートジチオールの製造〕
撹拌機、温度計、蒸留塔(分留管、還流ヘッド、コンデンサーを塔頂部に備える)を設置した内容積500mLのガラス製反応器に、1,6−ヘキサンジチオール90.1g(0.599モル)、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド77.2g(0.500モル)、ジフェニルカーボネート155g(0.725モル)、及び10重量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド−メタノール溶液(触媒)0.861g(0.332ミリモル)を仕込み、200mmHg(27kPa)、160℃で還流させながら1時間保持した。次いで、フェノールを留去しながら、8時間かけて50mmHgまで徐々に減圧した後、フェノールが留出しなくなったところで圧力を15mmHg(2.0kPa)まで3時間かけて徐々に減圧し、フェノールと1,6−ヘキサンジチオールの混合物を留出させながら反応させて、目的のポリチオカーボネートジチオールを得た。
得られたポリチオカーボネートジチオールのH−NMRの測定結果を次に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm):1.33(t、J=7.3Hz、SH)、1.39(m、CH)、1.62(m、CH)、1.74(m、SH)、2.52(m、CH SH)、2.74−2.84(m、CHSCH及びCH SH)、2.97(m、CHSCO)、3.19(m、CHSCO)
このポリチオカーボネートジチオールに前記触媒と等モルのp−トルエンスルホン酸1水和物を加え、130℃で2時間撹拌して触媒を不活性化させた。次いで、塩化メチレン430gを添加してポリチオカーボネートジチオールを溶解させ、その溶液を同量の水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、固形物を濾過して除き、塩化メチレンを留去した。最終的に得られたポリチオカーボネートジチオール(A)の物性を以下に示す。なお、SH価はH−NMRの測定結果と一致していた。
SH価:211.4mgKOH/g、数平均分子量:531、融点:9.7℃、結晶化温度:−19.8℃、粘度(35℃):248mPa・sec、色相(APHA):10、末端基におけるアリールオキシ基の割合:<1%
〔実施例1〕
〔ポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロプロピオネートの製造〕
撹拌機、温度計、滴下漏斗を設置した内容積200mLのガラス製反応器に、3−クロロプロピオニルクロリド23.3g(184ミリモル)を注入し、窒素気流下40℃で、滴下漏斗に注入したポリチオカーボネートジチオール(A)47.3g(89.1ミリモル)及び1,2−ジクロロエタン19mLの混合溶液を3時間で滴下した。反応混合液を同温度で12時間加熱攪拌した後、3−クロロプロピオニルクロリド11.7g(92.1ミリモル)を追加した。反応混合液を同温度で反応が完結するまで攪拌した後、室温に冷却し、内容積2Lの反応器に移して、1,2−ジクロロエタン470mL及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液520gを加え、室温で5時間攪拌した。反応混合液を静置後有機層と水層を分離し、有機層を水140mLで2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。固形物をろ過し、溶媒を減圧下で留去することで、無色液体のポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロプロピオネート(B)65.0gを得た。
H−NMRの測定結果を以下に記す。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm):1.38(m、CH)、1.62(m、CH)、2.74−2.84(m、CHSCH)、2.89−3.05(m、CHSCO 及び ClCH CH )、3.12−3.23(m、CHSCO)、3.75−3.80(m、CHCl)
〔実施例2〕
〔ポリチオカーボネートジチオールジアクリレートの製造〕
撹拌機、温度計、滴下漏斗を設置した内容積500mLのガラス製反応器に、ポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロプロピオネート(B)65.0g(89.2ミリモル)及びトルエン200mLを注入し、滴下漏斗に注入したトリエチルアミン36.1g(357ミリモル)を25℃で30分かけて滴下した。反応混合液を同温度で6時間攪拌した後、固形物をろ過し、トルエン400mLで洗浄した。濾液を1M塩酸268mLで洗浄後、水400mLで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、固形物をろ過した。濾液に4−メトキシフェノール28mgを溶解した後、減圧下で濃縮し、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)56.2gを得た。収率はポリチオカーボネートジチオール(A)を基準にして98.7%であった。ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)の物性を表1に記し、H−NMRの測定結果を下記に記す。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm):1.39(m、CH)、1.62(m、CH)、2.76−2.86(m、CHSCH)、2.92−3.01(m、CHSCO)、3.16−3.21(m、CHSCO)、5.65−5.74(m、CH CH)、6.26−6.42(m、CH CH及びCH)
〔参考例2〕
〔ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィドの製造〕
特開2004−128468号公報を参考にしてビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィドを製造した。
〔実施例3〕
〔光学材料(D)の製造〕
30mLガラス製容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)1.47g、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド5.85g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0363gを混合して重合性組成物を得た。厚さ1mmのシリコンゴムスペーサーを2枚のガラス板で挟んだ型の中に重合性組成物を流し込み、USHIO製SPOT CURE SP−IIIにより紫外線ランプ(プリセット型deep UVランプ;UXM−QQ255BYキセノン−水銀ランプ、259W)を室温(25℃)で1時間照射した。得られた重合硬化物(光学材料(D))を離型し、所定の大きさに切断して光学特性及び力学特性を測定した。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔実施例4〕
〔光学材料(E)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)2.19g、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド5.11g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0371gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(E)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔実施例5〕
〔光学材料(F)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)3.65g、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド3.69g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0361gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(F)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔実施例6〕
〔光学材料(G)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)5.12g、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド2.20g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0362gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(G)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔実施例7〕
〔光学材料(H)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジアクリレート(C)3.02g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0146gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(H)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔参考例3〕
〔3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリドの製造〕
Farmacia(Bucharest、Romania)、15(5)、263−268(1967)記載の方法により3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリドを製造した。
〔実施例8〕
〔ポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロ−2−メチルプロピオネートの製造〕
実施例1と同様の反応器に、3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリド27.4g(194ミリモル)を注入し、窒素気流下40℃で、滴下漏斗に注入したポリチオカーボネートジチオール(A)50.0g(94.2ミリモル)及び1,2−ジクロロエタン20mLの混合溶液を1時間で滴下した。反応混合液を同温度で12時間加熱攪拌した後、3−クロロ−2−メチルプロピオニルクロリド13.7g(97.1ミリモル)を追加した。反応混合液を同温度で反応が完結するまで攪拌した後、室温に冷却し、実施例1と同様の操作を施すことによって、無色液体のポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロ−2−メチルプロピオネート(I)77.5gを得た。
H−NMRの測定結果を以下に記す。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm):1.30(d、J=7.0Hz、CH)、1.31(d、J=7.0Hz、CH)、1.38(m、CH)、1.62(m、CH)、2.73−2.84(m、CHSCH)、2.87−3.05(m、CHSCO 及びCH)、3.11−3.23(m、CHSCO)、3.51−3.58(m、CHCl)、3.73−3.80(m、CHCl)
〔実施例9〕
〔ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレートの製造〕
実施例2と同様の反応器に、ポリチオカーボネートジチオールビス3−クロロ−2−メチルプロピオネート(I)77.5g(94.2ミリモル)及びトルエン200mLを注入し、滴下漏斗に注入したトリエチルアミン76.3g(754ミリモル)を25℃で30分かけて滴下した。反応混合液を同温度で165時間攪拌した後、固形物をろ過し、実施例2と同様の操作を施すことによって、ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレート(J)60.1gを得た。収率はポリチオカーボネートジチオール(A)を基準にして98.6%であった。ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレート(J)の物性を表1に記し、H−NMRの測定結果を下記に記す。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.40(m、CH)、1.62(m、CH)、1.97(d、J=1.5Hz、CH)、1.98(d、J=1.5Hz、CH)、2.74−2.86(m、CHSCH)、2.88−3.01(m、CHSCO)、3.11−3.25(m、CHSCO)、5.56(m、CHC)、5.61(m、CHC)、6.06(m、CHC)、6.09(m、CHC)
〔実施例10〕
〔光学材料(K)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレート(J)3.76g、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド3.75g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0362gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(K)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔実施例11〕
〔光学材料(L)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ポリチオカーボネートジチオールジメタアクリレート(J)7.33g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0377gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(L)を得た。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
〔比較例〕
〔光学材料(M)の製造〕
実施例3と同様の容器中で、ビス(2−アクリロイルチオエチル)スルフィド1.99g及び1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニルケトン0.0107gを混合して重合性組成物を得た。実施例3と同様にして光学材料(M)を得ようとしたが、硬化成型時に割れが発生し、十分な曲げ強度及び曲げ破壊ひずみが得られなかった。重合性組成物の組成を表2に、光学材料の物性を表3に記す。
Figure 0005320744
Figure 0005320744
Figure 0005320744
本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、短時間での重合、成型が可能であり、優れた光学的性能(高屈折率、高アッベ数)に加え、優れた力学的性能(高い曲げ強度、高い曲げ破壊ひずみ)を有するプラスチック材料、例えば、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録用基盤、着色フィルター、赤外線吸収フィルター、光学用接着剤、光学フィルムなどの光学材料への利用が期待される。更に、本発明のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートは、優れた光学的性能を有するだけでなく優れた力学的性能を有するので、各種光学材料の高強度化に寄与することも期待される。

Claims (14)

  1. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基で置換された構造を有するポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
    Figure 0005320744
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)
  2. ポリチオカーボネートポリチオールが一般式(2)で表される繰り返し単位を有する請求項1記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
    Figure 0005320744
    (式中、Rは、二価の炭化水素基を表し、反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又は環構造を含有していてもよい。)
  3. ポリチオカーボネートポリチオールが、前記一般式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも二種有する請求項1記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
  4. 一般式(3)で表され、数平均分子量が300〜3000である請求項2又は3記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
    Figure 0005320744
    (式中、Rは請求項2の定義と同じ意味を表し、nは1以上の数を表し、X及びYはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)
  5. 室温下で液状である請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
  6. 前記一般式(1)の(メタ)アクリロイル基によるメルカプト基の水素原子の置換度が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
  7. 着色度(APHA)が150以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
  8. 35℃における粘度が1000mPa・sec以下である請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレート。
  9. ポリチオカーボネートポリチオールを一般式(4)で表される3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニルハライドと反応させ、次いで脱ハロゲン化水素によるビニル結合生成反応をさせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートの製造法。
    Figure 0005320744
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表し、A及びBはそれぞれ独立してハロゲン原子を表す。)
  10. ポリチオカーボネートポリチオールのメルカプト基の水素原子が一般式(5)で表される3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオニル基で置換されたポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート。
    Figure 0005320744
    (式中、X及びAは請求項9の定義と同じ意味を表す。)
  11. 一般式(6)で表され、数平均分子量が350〜3200である請求項10記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ3−ハロゲノ(−2−メチル)プロピオネート。
    Figure 0005320744
    (式中、A及びCはそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、R、X、Y及びnは請求項4の定義と同じ意味を表す。)
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリチオカーボネートポリチオールポリ(メタ)アクリレートを重量基準で3〜100%含む重合性組成物。
  13. 請求項12記載の重合性組成物をラジカル重合反応させることにより得られる重合硬化物。
  14. 請求項13記載の重合硬化物を用いた光学材料。
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