JP5351760B2 - ポリビニルアルコール系フィルム - Google Patents

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Description

関連出願
本願は、日本国で2007年8月20日に出願された、特願2007−213444の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本出願の一部をなすものとして引用する。
本発明は、大面積において均一な品質を有するポリビニルアルコール系フィルムに関する。
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時計などの小型機器から、近年では、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、パーソナルホンおよび屋内外で用いられる計測機器などの広範囲に広がっている。特にモニター、テレビなどの分野では液晶ディスプレイの大画面化が急速に進んでおり、従来にも増して大面積において光学性能の均一性に優れた偏光板が求められるようになっている。
偏光板は、一般に、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後で、ヨウ素や二色性染料を用いて染色するか、または染色後に一軸延伸して、染色された一軸延伸フィルムをつくり、それをホウ素化合物で固定処理する方法や、前記した一軸延伸・染色処理の際に染色と同時にホウ素化合物で固定処理を行う方法などによって偏光フィルムを製造し、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルム、脂環式ポリオレフィン(COP)フィルムなどの保護膜を貼り合わせることにより製造される。均一な偏光性能を有する偏光板を得るには、その製造に用いられるポリビニルアルコール系フィルムの厚みが均一であること、ポリビニルアルコール系フィルムを均一に染色すること、偏光フィルムの表面に斑を生じることなく保護膜を貼り合わせること等が重要であるが、ポリビニルアルコール系フィルムが均一な品質を有していることが特に重要である。
モニター、テレビなどの分野における液晶ディスプレイの大画面化に対応するためには、広幅のポリビニルアルコール系フィルムを用いて偏光フィルムを製造する必要がある。しかし、ポリビニルアルコール系フィルムを単に広幅にするだけの対応では、狭幅のポリビニルアルコール系フィルムを用いた場合と比較して、得られる偏光フィルムに光学斑が目立つという結果が生じるだけのこととなり、使用できる偏光フィルムの面積が著しく減少して、偏光フィルムの製品としての収率が極端に低下するという問題がある。
なお、ここでいう光学斑とは、偏光フィルム上で観察される光学的に不均一な斑の総称を言い、特に1cm程度の大きさで存在する微細なマダラ状の斑をいい、このような光学斑がモニターやテレビの表示品位を低下させる場合がある。これは、ポリビニルアルコール系フィルムの染色および延伸が不均一であることに起因して生じることが多い。すなわち、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液や二色性染料溶液を用いて染色する際に染色状態が不均一になることに起因して染色斑が生じ、これが原因となって偏光フィルムが不均一な透過度を有することとなり、ディスプレイ用途に使用することができなくなる。また、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸する際に、該フィルムのTD方向に厚みや弾性率の異なる部位が存在していると、延伸を均一に行うことができないために、偏光フィルムの透過度および偏光度に変動を引き起こし、ディスプレイ用途に使用可能な偏光フィルムの収率を極端に低下させる原因となる。
偏光フィルムの製造に用いられるポリビニルアルコール系フィルムの欠点を解消するために、フィルムのTD方向の厚み斑を12%以下にする(特許文献1)、フィルムのTD方向の厚み変動を0.5μm/mm以下にする(特許文献2)、フィルムのTD方向に1cm離れた二点間のレタデーション差を5nm以下にする(特許文献3)、フィルムのTD方向の熱水切断温度斑を1.5℃以下にする(特許文献4)、フィルムのMD方向の引張伸度(S)とTD方向の引張伸度(S)の比(S/S)を0.7〜1.3にする(特許文献5)などして、ポリビニルアルコール系フィルムの構造斑や異方性を低減させる方法が知られている。
しかしながら、これらの方法によっても、偏光フィルムには解消することのできない光学斑が依然として存在しており、液晶ディスプレイの大画面化に対応した偏光フィルムを提供するという要求には十分応えることができないのが現状である。
また、フィルムの幅方向における可塑剤の濃度の最大値と最小値の差が1%以下であることを特徴とする光学用ポリビニルアルコールフィルム(特許文献6)を使用しても、大きな斑の変動を抑制することは可能であるが、前述の1cm程度の微細なマダラ状の斑の発生を抑制することはできない。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2001−323077号公報(特許請求の範囲) 特開2002−31720号公報(特許請求の範囲) 特開2002−28938号公報(特許請求の範囲) 特開2002−30163号公報(特許請求の範囲) 特開2002−30164号公報(特許請求の範囲) 特開2004−20630号公報(特許請求の範囲)
本発明は、大面積においても、微細な光学斑が少なく、均一な品質を有するポリビニルアルコール系フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系重合体および可塑剤を含む製膜原液から製膜されたポリビニルアルコール系フィルムであって、このポリビニルアルコール系フィルムのTD方向(フィルムの流れ方向(MD)に対する直交方向)において、フィルムに含まれる可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)が2%以下であり、かつ可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)が5cm以上であるポリビニルアルコール系フィルムを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のポリビニルアルコール系フィルム(以下、「PVA系フィルム」と略記する)は、フィルムの端部における最大含有量差(Rye)とフィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)が0.8以上1.3以下であることが好ましい。
さらに、本発明のPVA系フィルムは、フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)とフィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)が0.7以上1.4以下であることが好ましい。
なお、ここで、フィルムの中央部とは、フィルムのTD方向の全幅に対する中心点から左右に等しく25%ずつ広がった合計50%までの範囲を指し、フィルムの端部とは、フィルムの全幅におけるその残りの範囲を指す。
本発明のPVA系フィルムの幅は2m以上であることが好ましい。
また、本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法も包含する。前記製造方法は、ポリビニルアルコール系重合体、可塑剤および溶剤から製膜原液を調製する原液調製工程と、前記製膜原液を混合手段を用いて混合し、ポリビニルアルコール系重合体および可塑剤を均一に混合する混合工程と、均一に混合されたこの製膜原液をダイからロールに吐出する吐出工程と、吐出された原液を乾燥させる乾燥工程とを備える。この製造方法において、前記原液調製工程において、ポリビニルアルコール系重合体、可塑剤および溶剤を押出機に供給し、これらを混練して製膜原液を調製してもよい。また、前記混合手段は、ミキサー、連続振動攪拌機、および局部ホモジナイザーからなる群から選択された少なくとも一種であってもよい。
本発明のPVA系フィルムは、可塑剤がTD方向において均一に存在するという優れた特長を有しており、このようなPVA系フィルムを用いて偏光フィルムを作製することにより、大面積であっても、染色斑や延伸斑に起因して生じる光学斑の少ない高性能の偏光フィルムを得ることができる。
このようにして得られた偏光フィルムは、上記した優れた特性を活かして、電卓、腕時計、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの高い表示品質を求められる液晶表示装置の構成部品である偏光板の作製に有効に用いることができる。
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきでない。
PVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の変動曲線を示す図である。なお、この図において、Rp、Rv、RyおよびSmiは、それぞれ、以下に規定される。すなわち、Rpは、変動曲線において、可塑剤の含有量の平均値と可塑剤の含有量が極大になる山頂線との差に相当する含有量であり、Rvは、変動曲線において、可塑剤の含有量の平均値と可塑剤の含有量が極少になる谷底線との差に相当する含有量であり、Ryは、RpとRvとの和であり、Smiは、可塑剤含有量の平均値を超える山部およびこの山に隣接して平均値を下回る谷部それぞれ1個づつからなる変動量凹凸形がTD方向に占める間隔である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のPVA系フィルムを製膜するのに用いられる製膜原液は、ポリビニルアルコール系重合体および可塑剤を含む。ポリビニルアルコール系重合体(以下、「PVA系重合体」と略記する)は、例えば、ビニルエステルを重合して得られるポリビニルエステルをけん化することにより製造することができる。この他にPVA系重合体としては、PVAの主鎖に不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどをグラフト共重合させた変性PVA系重合体、ビニルエステルと不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを共重合させた変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造される変性PVA系重合体、未変性または変性PVA系重合体の水酸基の一部をホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類で架橋したいわゆるポリビニルアセタール樹脂などを挙げることができる。
PVA系重合体の製造に用いられる前記のビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどを挙げることができるが、これらの中でも酢酸ビニルが生産性の観点から好ましい。
変性PVA系重合体の製造に使用される上記のコモノマーは、主としてPVAの変性を目的にして共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用される。このようなコモノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類(例えば、α−C2−4オレフィン);アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸−C1−6アルキルエステル);メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸−C1−6アルキルエステル);アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、およびその塩またはそのエステルなどの誘導体;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。これらの中でもα−オレフィンが好ましく、特にエチレンが好ましい。変性PVA系重合体における変性量は15モル%未満であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
PVA系重合体のけん化度は、PVA系フィルムを一軸延伸して偏光フィルムにした際の偏光性能および耐久性、ならびに該偏光フィルムから作製される偏光板の偏光性能および耐久性の点から、95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがさらに好ましく、99.3モル%以上であることが最も好ましい。
本明細書におけるけん化度とは、JIS K 6726に記載の方法により測定したけん化度を意味し、けん化によりビニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。
PVA系重合体の重合度は、PVA系フィルムを一軸延伸して偏光フィルムにした際の偏光性能および耐久性、ならびに該偏光フィルムから作製される偏光板の偏光性能および耐久性の点から、1000以上であることが好ましく、1500以上であることがさらに好ましく、2000以上であることが特に好ましい。均質なPVA系フィルムの製造の容易性、延伸性などの点から、PVA系重合体の重合度は8000以下、特に6000以下であることが好ましい。
本明細書におけるPVA系重合体の重合度は、JIS K 6726に準じて測定される重合度をいい、PVA系重合体を再けん化し、精製した後に30℃の水中で測定した極限粘度から求められる。
前記のPVA系重合体を使用してPVA系フィルムを製造する方法としては、例えば、含水状態のPVA系重合体を溶融して押出を行う溶融押出製膜法、PVA系重合体を溶剤に溶解したPVA系重合体溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、ゲル製膜法(PVA系重合体水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVA系フィルムを得る方法)、およびこれらの組み合わせによる方法などを採用することができる。これらの中でも、流延製膜法および溶融押出製膜法が、良好な偏光フィルムを得る観点から好ましい。
PVA系フィルムを製造する際に使用されるPVA系重合体を溶解する溶剤としては、水、水溶性有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;N−メチルピロリドンなどのエーテル類;エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン類)などを挙げることができ、これらの溶剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ジメチルスルホキシド、水、またはジメチルスルホキシドと水との混合溶媒が好適に使用される。
PVA系フィルムの製造に使用されるPVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体におけるPVA系重合体の濃度は、PVA系重合体の重合度によっても変化するが、20〜70質量%であることが好適であり、25〜60質量%であることがより好適であり、30〜50質量%であることが最も好適である。PVA系重合体の濃度が70質量%よりも高いと、PVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体の粘度が高くなり過ぎて、PVA系フィルムの製膜原液を製膜する際に行われる濾過や脱泡が困難となり、異物や欠点のないPVA系フィルムを得るのが困難となる傾向がある。また、PVA系重合体の濃度が20質量%よりも低いと、PVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体の粘度が低くなり過ぎて、目的とする厚みを有するPVA系フィルムを製造するのが困難になる傾向がある。
本発明のPVA系フィルムは、可塑剤を添加したPVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体を製膜原液として用いることで製造することができる。この目的に使用することができる可塑剤としては、多価アルコールが好ましく用いられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、延伸性の向上効果の点から、ジグリセリン、エチレングリコール、グリセリンが好適に使用されるが、グリセリンの使用が最も好ましい。
可塑剤は、PVA系重合体100質量部に対して1〜30質量部の量で用いるのが好ましく、3〜25質量部の量で用いるのがより好ましく、5〜20質量部の量で用いるのがさらに好ましく、10〜20質量部の量で用いるのが特に好ましい。可塑剤の量が1質量部よりも少ないと、PVA系フィルムの染色性や延伸性が低下する場合があり、30質量部よりも多いと、PVA系フィルムが柔軟になり過ぎて、取り扱い性が低下する場合がある。
PVA系フィルムを製造するための製膜原液には界面活性剤を添加しておくことが好ましく、界面活性剤の添加により、製膜性が向上してPVA系フィルムの厚さ斑の発生が抑制されると共に、製膜に使用する金属ロールやベルトからのPVA系フィルムの剥離が容易になる。界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトなどからの剥離性の観点からアニオン性またはノニオン性の界面活性剤が好ましく、特にノニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノニオン性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
製膜原液に界面活性剤を添加する場合は、その添加量はPVA系重合体100質量部に対して0.01〜0.5質量部、さらには0.02〜0.3質量部、特に0.05〜0.1質量部が好ましい。界面活性剤の添加量が0.01質量部よりも少ないと、界面活性剤を添加したことによる製膜性および剥離性の向上効果が現れにくくなる場合があり、一方、0.5質量部を超えると、界面活性剤がPVA系フィルムの表面にブリードアウトしてブロッキングの原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
製膜原液は、本発明のPVA系フィルムの特性を阻害しない範囲で、各種添加剤、例えば、安定化剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、相溶化剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、流動化剤、抗菌剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のPVA系フィルムは、該フィルムのTD方向において、フィルムに含まれる可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)のパーセント表示値が2%以下であり、かつ該フィルムのTD方向における可塑剤含有量の変動曲線において、変動曲線の山部およびこの山に隣接する谷部それぞれ1個づつからなるTD方向の間隔(Smi)を平均した平均間隔(Sm)が5cm以上である。この条件を満足するPVA系フィルムでは可塑剤の含有量がTD方向において極めて均一となるためか、このようなPVA系フィルムを用いて偏光フィルムを作製すると、染色斑や延伸斑に起因して生じる光学斑の少ない高性能の偏光フィルムを得ることができ、特に、従来の大面積のPVAフィルムでは抑制できなかった1cm程度の微細なマダラ状の斑の発生を抑制することができる。
TD方向において、可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)が2%を超えると、偏光フィルムの作製時にPVA系フィルムを膨潤する際に、PVA系フィルムが膨潤する程度の差が大きくなるため、偏光フィルムに染色斑や延伸斑が発生する。可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は、1.85%以下であるのが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)が5cm未満であると、偏光フィルムに延伸斑が急峻な変動として現れるため、光学斑の発生が著しくなる。可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は、6cm以上であることが好ましく、7cm以上であることがより好ましく、9cm以上であることがさらに好ましい。
ここで、可塑剤の含有量のTD方向における最大含有量差(Ry)および可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は、以下の方法にしたがって求めることができる。すなわち、PVA系フィルムの端部または中央部からTD方向に連続して長方形(TD方向1cm×MD方向(フィルムの長手方向)2cm)のサンプルを任意の幅Lcm(20cm以上)で採取する。
なお、端部または中央部のいずれか一方で得られた値を、フィルムの代表値(Ry)および(Sm)として利用することができるが、中央部で得られた値をフィルムの代表値として利用するのが好ましい。すなわち、言い換えれば、可塑剤の含有量のTD方向における最大含有量差(Ry)および可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は、中央部または端部のいずれか一方で、本発明において規定する値を充足していればよいが、特に、中央部において本発明で規定する値を充足しているのが好ましい。また、前記の幅Lは、PVA系フィルムの幅に応じて任意の幅を選択することができるが、そのフィルム幅の1/10を代表値として取り扱うことができる。
上記で得られた各サンプルを濃度が約5質量%となるようにDMSO−dに投入し、90℃以上に昇温後2時間かけて溶解し、500MHz、H−NMRを用いてPD(パルスディレイタイム)20秒、測定温度30℃、積算回数256回の条件にて測定し、得られたNMRスペクトルから各サンプルの可塑剤の含有量を測定する。例えば、可塑剤にグリセリンを使用した場合、上記測定により得られたNMRスペクトルは、グリセリンのメチレン水素2個分のピークが3.3ppm付近に(ピークの積分強度をSgとする)、PVAのメチレン水素2個分のピークが1.5ppm付近に(ピークの積分強度をSpとする)それぞれ検出され、その積分強度を用いてPVA系フィルム中のグリセリン量R(質量%)を下記の式(1)で計算することができる。

R = (92/44)×(Sg/Sp)×100 (1)
得られた測定値を用いて、TD方向の任意の幅(Lcm)における1cm毎の可塑剤の含有量の変動曲線(図1)を作成し、下記の式(2)から可塑剤の含有量のTD方向における最大含有量差(Ry)を求める。

Ry=Rp+Rv (2)

式(2)において、Rpは、可塑剤の含有量の平均値と可塑剤の含有量が極大になる山頂線との差に相当する含有量を表し、Rvは、可塑剤の含有量の平均値と可塑剤の含有量が極少になる谷底線との差に相当する含有量を表す。
可塑剤の含有量のTD方向における変動量の平均間隔(Sm)は、変動曲線(図1)における可塑剤含有量の平均値を超える山部、およびこの山に隣接して平均値を下回る谷部それぞれ1個づつからなる変動量凹凸形がTD方向に占める間隔(Smi)を求め、下記式(3)に示すように算術平均することにより求めることができる。なお、この抜き取り部分の両端において、凹凸形が途切れた場合、途切れた凹凸形については、間隔(Smi)に算入しないものとする。
Figure 0005351760
本発明のPVA系フィルムは、該フィルムの端部における可塑剤の含有量の最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における可塑剤の含有量の最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)が0.8以上1.3以下であることが、光学斑の少ない偏光フィルムを得る観点から好ましい。
RyeとRycの比(Rye/Ryc)が0.8未満であるか、または1.3を超える場合には、PVA系フィルムの端部と中央部で可塑剤の含有量について均一性が損なわれ、偏光フィルムを製造した際に光学斑がより強調されて見えるようになる傾向がある。RyeとRycの比(Rye/Ryc)は、0.9以上1.2以下であることが好ましく、0.95以上1.1以下であることがより好ましい。
本発明のPVA系フィルムはさらに、該フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)が0.7以上1.4以下であることが、光学斑の少ない偏光フィルムを得る観点から好ましい。
SmeとSmcの比(Sme/Smc)が0.7未満であるか、または1.4を超えると、PVA系フィルムを染色した場合に、該フィルムの端部と中央部で染色性の異なる部分の大きさの違いが極端になりすぎるため、偏光フィルムを製造した際に光学斑が目立ちやすくなる傾向がある。SmeとSmcの比(Sme/Smc)は、0.85以上1.3以下であることが好ましく、0.9以上1.2以下であることがより好ましい。
PVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体を含む製膜原液をT型スリットダイからドラム型ロール上に吐出(流延)し、形成されたPVA系重合体膜を乾燥することによりPVA系フィルムが得られる。ドラム型ロールの材質としては、特に限定されないが、通常ステンレスが好適に用いられ、ロールの表面は傷つき防止のため金属メッキが施されていることが好ましい。用いられる金属メッキの種類としては、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキ等が好適であり、これらを用いて単層または2層以上のメッキ層をロール表面に形成させることができる。PVA系フィルムの表面を平滑にし、あるいは耐久性に優れたPVA系フィルムを得る観点から、ドラム型ロールの最表面はクロムメッキが施されていることが好ましい。ドラム型ロールの表面は平滑性が保持されていることが望ましく、表面粗さ(ロール表面の凸凹の差)が、JIS B 0604の粗さ曲線の局部山頂の平均間隔Sで現して3S以下であることが好ましく、より好ましくは1.5S以下、特に好ましくは0.5S以下である。
PVA系重合体溶液または含水状態のPVA系重合体を吐出するドラム型ロールの表面温度は50〜120℃であることが好ましい。ドラム型ロール上で形成されたPVA系重合体膜は、その含水率が5〜30質量%に達した時点でドラム型ロールから剥離され、続いて、好ましくは多段ロールを用い、膜の表裏面が交互に乾燥される。乾燥処理を行ったPVA系重合体膜は、必要に応じて、熱処理、調湿処理などを行い、得られるPVA系フィルムは、最後に芯管に所定の長さでロール状に巻き取られる。
PVA系フィルムは、ブロッキングの防止を目的として、フィルムの表面に、酸化硅素、二酸化チタン、クレー、ベントナイト、ステアリン酸またはその塩などのブロッキング防止剤を塗布してもよい。
PVA系フィルムの製膜に用いるダイとしては、例えば、チョークバー方式およびフレキシブルリップ方式などのダイを用いることができるが、特に、一体成形されて滞留部がないフレキシブルリップ方式のダイを用いると、TD方向において局所的な厚みの変動が小さいPVA系フィルムが得られるので好ましい。
PVA系フィルムを適切な状態に調整するためには、熱処理装置や調湿装置、さらにはそれぞれのロール駆動用のモータや変速機などの速度調整機構が付設されることが望ましい。
PVA系フィルムの製造工程での乾燥処理は、一般に、乾燥温度は50〜150℃、特に60℃〜120℃の温度で行うことが、偏光フィルムを製造する際の延伸性、染色性に優れ、しかも得られる偏光フィルムの偏光性能や耐久性が良好になる点から好ましい。
従来、製膜原液中での可塑剤の挙動は注目されず、一連の加工工程の中でPVA系重合体と均一化されたものと考えられてきた。このため、従来はPVA系重合体を溶解する際の攪拌や、溶融押出し時のスクリュー混練のみで、PVAと可塑剤の混合は充分なされているという認識の下にPVA系フィルムが製造されてきた。しかしながら、今回、新たな知見として、可塑剤は通常の処理工程ではPVA系重合体と均一に混ざらず、濃度斑が生じていることがわかった。そして、可塑剤の濃度斑が生じた製膜原液からなるPVA系フィルムでは、該フィルムのTD方向において、可塑剤含有量の分布が不均一となってしまう。
製膜原液中で可塑剤の濃度斑が起こらないようにするには、製膜原液の混練が十分行われるように、ミキサーや混練機を用いて混練を行ったり、あるいは混練時間を増加させるなどすればよい。これにより、PVA系フィルムに含まれる可塑剤の含有量のTD方向における変動を調整することができる。
特に、PVA系重合体と可塑剤とを均一に混ぜるためには、ダイ吐出口に至るまでの流路において、溶融状態のPVA系重合体に対して可塑剤を混合させるための混合手段、例えばスタティックミキサーに代表されるようなインライン型ミキサーや、冷化工業株式会社製のバイブロミキサーに代表されるようなインライン型の連続振動攪拌機、櫻プラント株式会社製の瞬間混合装置に代表されるようなインライン型の局部ホモジナイザーなどの利用が好ましい。これらの混合手段は、通常の混練工程に加えて用いればよいが、複数の混合手段を組み合わせて行った方がより好ましい。この観点から、インライン型ミキサーとインライン型の連続振動攪拌機、もしくはインライン型ミキサーとインライン型の局部ホモジナイザーの組み合わせを使用することが好ましい。
スタティックミキサーは、扱う製膜原液の粘度の観点から、スパイラルタイプを選定するのが望ましく、またそのエレメント数は12以上が好ましく、24以上がより好ましい。エレメント数が12未満では製膜原液中のPVAと可塑剤の混合が不完全となる場合があり、期待する効果が得られにくい。また、エレメント数に上限はないが、費用対効果の観点から48以下が好ましく、42以下がより好ましい。48を超えるエレメントを設置しても、それ以上の製膜原液の混合性向上の効果が得られにくい。なお、ここで言うエレメント数とは、スタティックミキサー1ユニットあたりのエレメント数×使用ユニット本数で計算された数である。
本発明では、液晶ディスプレイの大画面化に対応して、PVA系フィルムの幅を2m以上にして大面積化したPVA系フィルムを得ることが重要である。また、大画面化の観点から、フィルム幅は2.3m以上であることが好ましく、2.6m以上であることがより好ましい。
一方、PVA系フィルムの幅が6mを超えると、実用化されている装置を用いて偏光フィルムを製造する際に一軸延伸を均一に行うことが困難になる場合があるので、PVA系フィルムの幅は6m以下であることが好ましく、5m以下であることがより好ましい。
特筆すべき点は、PVA系フィルムの幅が狭い場合、このようなPVA系フィルムを用いて作製される偏光フィルムには、そもそも、染色斑や延伸斑に起因する光学斑が目立つほど存在しない。しかし、PVA系フィルムの幅が2m以上になると、従来行われていた製造方法をそのまま採用しても、偏光フィルムを製造する際に均一な延伸性を確保できなくなり(PVA系フィルムの幅方向、すなわちTD方向における可塑剤の濃度斑が原因と推定される)、このような偏光フィルムでは、染色斑や延伸斑に起因する光学斑が非常に顕著に現れ、偏光フィルムの透過度および偏光度に変動を引き起こす。したがって、このような可塑剤の濃度斑の発生を抑制するため、特にPVA系フィルムのTD方向における可塑剤分布の均一性を考慮した製造方法を採用することが重要となる。
PVA系フィルムの平均厚みは特に制限されないが、一般的には20〜120μmであり、40〜120μmであることが好ましく、50〜100μmであることがさらに好ましい。PVA系フィルムの平均厚みが20μm未満になると、偏光フィルムを製造するための一軸延伸に際して延伸破れが発生する虞がある。また、PVA系フィルムの平均厚みが120μmを超えると、偏光フィルムを製造するための一軸延伸に際して延伸斑が発生する虞がある。
PVA系フィルムから偏光フィルムを製造する際の偏光フィルム製造方法は特に制限されず、PVA系フィルムを原反フィルムとして用いて偏光フィルムを製造する際に従来から採用されているいずれの方法を採用してもよい。
PVA系フィルムから偏光フィルムを製造するには、例えば、PVA系フィルムの水分調整、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を行えばよく、染色、一軸延伸、固定処理等の操作の順序は特に制限されない。また一軸延伸を二段以上の多段で行ってもよいし、染色や固定処理などと同時に行っても構わない。
染色は、ヨウ素を用いて行うのがよく、染色の時期としては、一軸延伸前、一軸延伸時、一軸延伸後のいずれの段階であってもよい。通常、染色は、PVAフィルムをヨウ素−ヨウ化カリウムを含有する溶液(特に水溶液)中に浸漬させることにより行うことが一般的であり、本発明においてもヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液を用いる染色方法が好適に採用される。染色用水溶液におけるヨウ素の濃度を0.01〜0.5質量%、ヨウ化カリウムの濃度を0.01〜10質量%にすることが好ましい。また、染色浴の温度は20〜50℃、特に25〜40℃とすることが好ましい。
一軸延伸は、水などの溶媒中において実施する湿式延伸法または空気中などにおいて実施する乾熱延伸法のいずれで行ってもよい。湿式延伸法による場合は、水中での一軸延伸、ホウ酸を含有しない染色溶液中での一軸延伸、ホウ酸を含有する染色溶液中での一軸延伸、ホウ酸水溶液中での一軸延伸、前記の工程に跨がった多段延伸などにより行うことができる。
延伸温度は、特に限定されないが、PVA系フィルムを湿式延伸する場合は30〜90℃が好ましく、乾熱延伸する場合は50〜180℃が好ましい。
また、一軸延伸の延伸倍率(多段で一軸延伸する場合には合計の延伸倍率)は、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から4倍以上、特に5倍以上であることが好ましい。延伸倍率の上限は特に制限されないが、均一延伸の点から8倍以下であることが好ましい。
偏光フィルムの製造に当たっては、PVA系フィルムへのヨウ素の吸着を強固にするために、固定処理を行うことが多く、本発明でも偏光フィルムの製造に当たって固定処理を行うことが好ましい。固定処理に使用する処理浴としては、通常、ホウ酸、硼砂などのホウ素化合物の1種または2種以上を添加した水溶液を使用する。また、必要に応じて、固定処理用の処理浴中にヨウ素化合物や金属化合物を添加してもよい。固定処理用の処理浴におけるホウ素化合物の濃度は、一般に2〜15質量%、特に3〜10質量%程度であることが好ましい。固定処理を行う際の処理浴の温度は、15〜60℃、特に25〜40℃であることが好ましい。
上記した一軸延伸、染色処理、固定処理などを施し、その後得られた偏光フィルムを乾燥する。得られた偏光フィルムの乾燥処理は、30〜150℃、特に50〜150℃で行うことが好ましい。乾燥処理を行って偏光フィルムの水分率が10%以下程度になった時点で偏光フィルムに張力をかけて80〜120℃程度で1〜5分間程度熱処理を行うと寸法安定性、耐久性などに一層優れる偏光フィルムを得ることができる。
以上のようにして得られた偏光フィルムは、通常、その両面または片面に、光学的に透明で且つ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせて偏光板にして使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、脂環式ポリオレフィン(COP)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤などを挙げることができるが、なかでもPVA系接着剤が好適である。
上記のようにして得られた偏光板は、アクリル系などの粘着剤をコートした後、ガラス基板に貼り合わせて液晶表示装置の部品として使用される。同時に位相差フィルムや視野角向上フィルム、輝度向上フィルムなどと貼り合わせてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。
なお、以下の実施例および比較例において、PVA系フィルムに含まれる可塑剤の含有量の測定、最大含有量差(Ry)および変動量凹凸型の平均間隔(Sm)の決定、偏光フィルムの光学性能の測定および光学斑の評価は、以下に示す方法にしたがって行った。
PVA系フィルムに含まれる可塑剤の含有量:
実施例または比較例で得られたPVA系フィルムのTD方向の全幅に対する中心点から、左右に等しくフィルム全幅の1/10(実施例1および2においては35cm、実施例3〜5、比較例1および2においては30cm)をサンプリングして、すでに述べた方法にしたがってPVA系フィルム中の1cm毎の可塑剤含有量を測定した。
最大含有量差(Ry)および変動量凹凸型の平均間隔(Sm):
上記の測定値から、PVA系フィルムのTD方向の可塑剤の含有量の変動曲線を作成し、すでに述べた方法にしたがって最大含有量差(Ry)および変動量凹凸型の平均間隔(Sm)を決定した。なお、ここで得られたRy、Smは、中央部のRyc、Smcとして取り扱うこととする。また、フィルムのMD方向に関し、前記中央部と同じ位置に存在する端部における最大含有量差(Rye)および変動量凹凸型の平均間隔(Sme)は、得られたPVA系フィルムロールを下出しにして左手側の端部からTD方向に20cm分中心点方向へ入った部分からフィルム全幅の1/10をサンプリングし、中央部と同様に1cm毎の可塑剤含有量を測定、その変動曲線を作成して決定した。
偏光フィルムの光学性能:
(i)透過率
実施例または比較例で得られた偏光フィルムの幅方向の中央部から、偏光フィルムの配向方向に平行に4cm×4cmの正方形のサンプルを2枚採取し、それぞれについて日立ハイテクノロジーズ株式会社製の分光光度計U−4100(積分球付属)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2度視野の可視光領域の視感度補正を行い、1枚の偏光フィルムサンプルについて、延伸軸方向に対して45度傾けた場合の光の透過率と−45度傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値(Y1)を求めた。
もう一枚の偏光フィルムサンプルについても、前記と同様にして45度傾けた場合の光の透過率と−45度傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値(Y2)を求めた。
前記で求めたY1とY2を平均して偏光フィルムの透過率(Y)(%)とした。
(ii)偏光度:
上記(i)で採取した2枚の偏光フィルムを、その延伸方向が平行になるように重ねた場合の光の透過率(Y‖)、および延伸方向が直交するように重ねた場合の光の透過率(Y⊥)を、上記透過率の測定方法と同様の方法にて測定し、下記の式から偏光度を求めた。
偏光度(V/%)={(Y‖―Y⊥)/(Y‖+Y⊥)}1/2×100
偏光フィルムの光学斑:
パラレルニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率42.3%、偏光度99.99%)の間に、作製した偏光フィルムを前述の2枚の偏光板に対して延伸方向が90度になるように挟んだ後、暗室にて輝度10000cd/mのライトボックスを用いて、透過モードで光学斑(それぞれがTD方向に1cm程度で、MD方向に数cm〜数十cm程度の大きさで散在するマダラ状斑)を観察し、以下の基準にしたがって評価した。
○:マダラ状の光学斑が全く確認できないもの
△:マダラ状の光学斑がわずかに認められるもの
×:マダラ状の光学斑が明らかに認められるもの
実施例1
けん化度99.95モル%、粘度平均重合度2400のPVA系重合体100質量部、グリセリン12質量部および水191質量部を一軸押出機に供給し、融解して製膜原液[揮発分率(水分率)63質量%]とした。製膜原液の配管中にスパイラルタイプ、エレメント数6のスタティックミキサーを3本直列で設置(総エレメント数18)し、その製膜原液をT型ダイからドラム型ロール(ロール表面温度93℃)上に吐出した後、PVA膜の水分率が24質量%となった時点で剥離し、さらに金属ロール上で乾燥して、幅3.5m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は1.8%、TD方向における可塑剤含有量の変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は6cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は1.2、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は1.3であった。
このPVA系フィルムを用いて、予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理をこの順番で連続的に施して偏光フィルムを作製した。すなわち、前記PVA系フィルムを30℃の水中に30秒間浸して予備膨潤し、ヨウ素/ヨウ化カリウムの濃度比が1/100の35℃の水溶液中に3分間浸漬した。次いで、ホウ酸濃度40g/リットルの50℃の水溶液中で、6倍に一軸延伸し、続いて、ヨウ化カリウム濃度70g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。その後、PVA系フィルムを取り出し、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で熱処理を施し、偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムは透過率が43.5%、偏光度が99.92%であった。この偏光フィルムには染色斑は認められず、また光学斑の程度を評価したところ、判定は○であり良好であった。
実施例2
実施例1において、製膜原液の配管中にスパイラルタイプ、エレメント数6のスタティックミキサーを2本設置(総エレメント数12)した以外は実施例1と同様にして、幅3.5m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は2.0%、可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は5cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は0.7、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は1.5であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.4%であり、偏光度が99.91%であった。この偏光フィルムには染色斑が認められず、また光学斑の程度を評価したところ、判定は△であり、小型の液晶ディスプレイ用としては使用可能なレベルであった。
実施例3
実施例2における原液配管中のスタティックミキサー(総エレメント数12)に加えて、融解した製膜原液をさらに均一混合させるために瞬間混合装置S−1ミキサー(櫻プラント株式会社製)を使用する以外は実施例1と同様にして、幅3m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は1.7%、可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は7cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は0.9、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は1.3であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.5%であり、偏光度が99.93%であった。この偏光フィルムには染色斑は認められず、また光学斑の程度を評価したところ、判定は○であり良好であった。
実施例4
実施例1において原液配管中のスタティックミキサーの使用に替えて、融解した製膜原液をさらに均一混合させるために連続振動攪拌機バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)を使用する以外は実施例1と同様にして、幅3m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は0.9%、可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は8cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は0.9、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は1.1であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.3%であり、偏光度が99.96%であった。この偏光フィルムには染色斑は認められず、また光学斑の程度を評価したところ、判定は○であり良好であった。
実施例5
実施例1における原液配管中のスタティックミキサーの使用(総エレメント数18)に加え、融解した製膜原液をさらに均一混合させるために連続振動攪拌機バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)を使用し、実施例1と同様にして、幅3m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は0.8%、可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は10cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は1.0、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は0.9であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.5%であり、偏光度が99.93%であった。この偏光フィルムには染色斑は認められず、また光学斑の程度を評価したところ、判定は○であり良好であった。
比較例1
実施例1において、配管中に設置したスタティックミキサーを用いない以外は実施例1と同様にして、幅3m、厚さ75μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は3.0%、可塑剤の含有量のTD方向における変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は2cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は1.8、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は1.6であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.5%であり、偏光度が99.92%であった。この偏光フィルムには染色斑が認められ、また光学斑の程度を評価したところ、判定は×と非常に悪く、テレビ用途などの液晶ディスプレイ用としては不十分なレベルであった。
比較例2
けん化度99.95モル%、重合度2400のPVA100質量部、グリセリン10質量部および水170質量部を一軸押出機に供給し、融解して製膜原液[揮発分率(水分率)60.7質量%]とした。その後、比較例1と同様にして製膜を行い、さらに温度65℃、湿度90%RHの温風と接触させる工程、引き続いて温度50℃、湿度45%RHの温風と接触させる工程を両工程を通した合計の所要時間で6秒間かけて通過させ、幅3m、厚さ40μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムのTD方向における可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)は2.4%、TD方向における可塑剤含有量の変動量凹凸形の平均間隔(Sm)は3.3cmであった。また、PVA系フィルムの端部における最大含有量差(Rye)と該フィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)は1.1、PVA系フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)と該フィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)は0.8であった。
このPVA系フィルムを用いて、実施例1と同様にして偏光フィルムを製造した。
得られた偏光フィルムは透過率が43.9%であり、偏光度が99.50%であった。この偏光フィルムには染色斑は認められなかったものの、光学斑の程度を評価したところ、判定は×と非常に悪く、テレビ用途などの液晶ディスプレイ用としては不十分なレベルであった。
本発明のPVA系フィルムは、可塑剤がTD方向において均一に存在するという優れた特長を有しており、このようなPVA系フィルムを用いて偏光フィルムを作製することにより、染色斑や延伸斑に起因して生じる光学斑の少ない高性能の偏光フィルムを円滑に得ることができる。
このようにして得られた偏光フィルムは、高い表示品質が要求される液晶表示装置の構成部品である偏光板の作製に有効に用いることができる。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。

Claims (9)

  1. ポリビニルアルコール系重合体および可塑剤を含む製膜原液から製膜されたポリビニルアルコール系フィルムであって、(a)該フィルムのTD方向において、フィルムに含まれる可塑剤含有量の平均値に対する最大含有量差(Ry)が2%以下であり、かつ(b)該フィルムのTD方向における可塑剤含有量の変動曲線において、可塑剤含有量の平均値を超える山部およびこの山に隣接する谷部それぞれ1個づつからなる変動量凹凸形がTD方向に占める間隔(Smi)を平均した平均間隔(Sm)が5cm以上であるポリビニルアルコール系フィルム。
  2. フィルムの端部における最大含有量差(Rye)とフィルムの中央部における最大含有量差(Ryc)の比(Rye/Ryc)が0.8以上1.3以下である請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  3. フィルムの端部における変動量凹凸形の平均間隔(Sme)とフィルムの中央部における変動量凹凸形の平均間隔(Smc)の比(Sme/Smc)が0.7以上1.4以下である請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  4. ポリビニルアルコール系重合体100質量部に対する可塑剤の割合が1〜30質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  5. フィルムの幅が2m以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィルムを用いて作製した偏光フィルム。
  7. ポリビニルアルコール系重合体、可塑剤および溶剤から製膜原液を調製する原液調製工程と、
    前記製膜原液を混合手段を用いて混合し、ポリビニルアルコール系重合体および可塑剤を均一に混合する混合工程と、
    均一に混合されたこの製膜原液をダイからロールに吐出する吐出工程と、
    吐出された原液を乾燥させる乾燥工程と
    を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  8. 前記原液調製工程において、ポリビニルアルコール系重合体、可塑剤および溶剤を押出機に供給し、これらを混練して製膜原液を調製する、請求項7に記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  9. 前記混合手段が、ミキサー、連続振動攪拌機、および局部ホモジナイザーからなる群から選択された少なくとも一種である請求項7または8に記載の製造方法。
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