JP5563418B2 - ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]PVA系重合体を含む製膜原液を用いてキャスト製膜する工程を有するPVA系重合体フィルムの製造方法であって、当該製膜原液における可塑剤の含有量がPVA系重合体100質量部に対して6質量部以下であり、当該製膜原液がアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムをさらに含む製造方法、
[2]前記可塑剤が多価アルコール系可塑剤である、上記[1]の製造方法、
[3]前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムが有するベンゼン環上のアルキル基が炭素数6〜30のアルキル基である、上記[1]または[2]の製造方法、
[4]前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムにおけるアンモニウムが、ジエチレントリアミンに1個または2個以上のプロトンが付加したアンモニウムである、上記[1]〜[3]のいずれか1つの製造方法、
[5]前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムにおけるアンモニウムが、エタノールアミン系化合物にプロトンが付加したアンモニウムである、上記[1]〜[3]のいずれか1つの製造方法、
[6]前記エタノールアミン系化合物がトリエタノールアミンである、上記[5]の製造方法、
[7]前記PVA系重合体の重合度が2000〜4500である、上記[1]〜[6]のいずれか1つの製造方法、
[8]前記PVA系重合体のけん化度が99モル%以上である、上記[1]〜[7]のいずれか1つの製造方法、
[9]可塑剤の含有量がPVA系重合体100質量部に対して6質量部以下のPVA系重合体フィルムであって、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムを含む、PVA系重合体フィルム、
[10]前記可塑剤が多価アルコール系可塑剤である、上記[9]のPVA系重合体フィルム、
に関する。
本発明において使用されるPVA系重合体としては、例えば、ビニルエステルを重合して得られたポリビニルエステルをけん化して得られるPVA(未変性PVA);PVAの主鎖にコモノマーをグラフト共重合させた変性PVA;ビニルエステルとコモノマーとを共重合させた変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造された変性PVA;未変性PVAまたは変性PVAの水酸基の一部をホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類で架橋した、いわゆるポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。
変性PVAにおいてコモノマーによる変性量は変性PVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて15モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
(1)PVA(けん化度99.9モル%、重合度2400)100質量部、p−ドデシルベンゼンスルホン酸のジエチレントリアミン塩(p−ドデシルベンゼンスルホン酸部分とジエチレントリアミン部分のモル比は1:1)0.2質量部および水900質量部を100℃で撹拌し、これらの成分のみからなる製膜原液を得た。その製膜原液を80℃に冷却後、乾燥ロール(ロール表面はクロムメッキ鏡面仕上げ、温度60℃)上に幅15cmになるように流延し、乾燥ロール上で水分率が10質量%になるまで乾燥して厚み40μmのPVAフィルムとした。
(2)そして、PVAフィルムの端部をクリップで掴み、バネばかりに接続した。次いで乾燥ロールを回転させながら、バネばかりを乾燥ロール表面に対して垂直になるように引っ張り、幅15cm当たりのフィルムの乾燥ロールからの剥離強度を測定したところ、2.8g/15cm幅であり、非常に剥離しやすかった。
(3)得られたPVAフィルムの膜面を微分干渉顕微鏡で観察したところ、液滴は認められなかった。
(5)上記(4)で得られた偏光フィルムのヘイズを株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計「U−4100」を用いて測定したところ、ヘイズは0.05%であった。
(1)PVA(けん化度99.9モル%、重合度2400)100質量部、p−ドデシルベンゼンスルホン酸のトリエタノールアミン塩0.2質量部および水900質量部を100℃で撹拌し、これらの成分のみからなる製膜原液を得た。その製膜原液を80℃に冷却後、乾燥ロール(ロール表面はクロムメッキ鏡面仕上げ、温度60℃)上に幅15cmになるように流延し、乾燥ロール上で水分率が10質量%になるまで乾燥して厚み40μmのPVAフィルムとした。
(2)そして、PVAフィルムの端部をクリップで掴み、バネばかりに接続した。次いで乾燥ロールを回転させながら、バネばかりを乾燥ロール表面に対して垂直になるように引っ張り、幅15cm当たりのフィルムの乾燥ロールからの剥離強度を測定したところ、2.3g/15cm幅であり、非常に剥離しやすかった。
(3)得られたPVAフィルムの膜面を微分干渉顕微鏡で観察したところ、液滴は認められなかった。
(5)上記(4)で得られた偏光フィルムのヘイズを株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計「U−4100」を用いて測定したところ、ヘイズは0.07%であった。
(1)PVA(けん化度99.9モル%、重合度2400)100質量部、p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部および水900質量部を100℃で撹拌し、これらの成分のみからなる製膜原液を得た。その製膜原液を80℃に冷却後、乾燥ロール(ロール表面はクロムメッキ鏡面仕上げ、温度60℃)上に幅15cmになるように流延し、乾燥ロール上で水分率が10質量%になるまで乾燥して厚み40μmのPVAフィルムとした。
(2)そして、PVAフィルムの端部をクリップで掴み、バネばかりに接続した。次いで乾燥ロールを回転させながら、バネばかりを乾燥ロール表面に対して垂直になるように引っ張り、幅15cm当たりのフィルムの乾燥ロールからの剥離強度を測定したところ、16.2g/15cm幅であり、PVAフィルムが乾燥ロールに密着して非常に剥離しにくかった。
(3)得られたPVAフィルムの膜面を微分干渉顕微鏡で観察したところ、大量の液滴が観察された。
(5)上記(4)で得られた偏光フィルムのヘイズを株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計「U−4100」を用いて測定したところ、ヘイズは0.21%であった。
(1)PVA(けん化度99.9モル%、重合度2400)100質量部および水900質量部を100℃で撹拌し、これらの成分のみからなる製膜原液を得た。その製膜原液を80℃に冷却後、乾燥ロール(ロール表面はクロムメッキ鏡面仕上げ、温度60℃)上に幅15cmになるように流延し、乾燥ロール上でPVAフィルムの水分率が10質量%になるまで乾燥した。
(2)そして、PVAフィルムの端部をクリップで掴み、バネばかりに接続した。次いで乾燥ロールを回転させながら、バネばかりを乾燥ロール表面に対して垂直になるように引っ張り、幅15cm当たりのフィルムの乾燥ロールからの剥離強度を測定したところ、PVAフィルムが乾燥ロールに密着しており剥離せず、剥離強度の測定ができなかった。
Claims (10)
- ポリビニルアルコール系重合体を含む製膜原液を用いてキャスト製膜する工程を有するポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法であって、当該製膜原液における可塑剤の含有量がポリビニルアルコール系重合体100質量部に対して6質量部以下であり、当該製膜原液がアルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムをさらに含む製造方法。
- 前記可塑剤が多価アルコール系可塑剤である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムが有するベンゼン環上のアルキル基が炭素数6〜30のアルキル基である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムにおけるアンモニウムが、ジエチレントリアミンに1個または2個以上のプロトンが付加したアンモニウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムにおけるアンモニウムが、エタノールアミン系化合物にプロトンが付加したアンモニウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記エタノールアミン系化合物がトリエタノールアミンである、請求項5に記載の製造方法。
- 前記ポリビニルアルコール系重合体の重合度が2000〜4500である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ポリビニルアルコール系重合体のけん化度が99モル%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 可塑剤の含有量がポリビニルアルコール系重合体100質量部に対して6質量部以下のポリビニルアルコール系重合体フィルムであって、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウムを含む、ポリビニルアルコール系重合体フィルム。
- 前記可塑剤が多価アルコール系可塑剤である、請求項9に記載のポリビニルアルコール系重合体フィルム。
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