JP2018004707A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】収縮力、特に長さ方向(延伸方向)の収縮力が低い光学フィルムを得ることのできる製造方法を提供する。【解決手段】ポリビニルアルコールフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す光学フィルムの製造方法であって、水分率が25〜80質量%であるポリビニルアルコールフィルムを前記乾燥工程に供し、該乾燥工程において、ポリビニルアルコールフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を80℃以上に維持する光学フィルムの製造方法とする。【選択図】なし

Description

本発明は、収縮力が低い光学フィルムが得られる光学フィルムの製造方法に関する。
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板に使用される偏光フィルムや複屈折を補正する機能を有する位相差フィルム等の光学フィルムは、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。多くの偏光板は偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムが貼り合わされた構造を有しており、偏光板を構成する偏光フィルムとしてはポリビニルアルコールフィルム(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と称することがある)を一軸延伸してなるマトリックス(一軸延伸して配向させた延伸フィルム)にヨウ素系色素(I やI 等)や二色性有機染料といった二色性色素が吸着しているものが主流となっている。
LCDは、電卓および腕時計などの小型機器、携帯電話、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、屋内外で用いられる計測機器などの広範な用途において用いられており、近年、特に大画面化や薄膜化が要求されている。これに伴い、偏光フィルムの収縮力を低くして、偏光板の反りを小さくすることが求められている。
偏光フィルムの収縮力を低くする方法として、特許文献1には、25℃以上65℃未満で重量水分率20%以下に乾燥させる第1乾燥工程と、65℃以上115℃以下で重量水分率14%以下に乾燥させる第2乾燥工程とを有する方法が記載されている。しかしながら、当該方法によって、フィルムの長さ方向に延伸して製造された偏光フィルムについて、延伸方向に対し垂直な幅方向の収縮が抑制されるため、偏光フィルムの外観が改善されるものの、偏光フィルムの長さ方向(延伸方向)の収縮力を大幅に低減させることは困難であった。
特開2012−47799号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、収縮力、特に長さ方向(延伸方向)の収縮力が低い光学フィルムを得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、光学フィルムを製造するに際して、水分率が25〜80質量%であるPVAフィルムを乾燥工程に供し、当該乾燥工程において、PVAフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を80℃以上に維持することによって、得られる光学フィルムの収縮力を大幅に低減させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]PVAフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す光学フィルムの製造方法であって、
水分率が25〜80質量%であるPVAフィルムを前記乾燥工程に供し、該乾燥工程において、PVAフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を80℃以上に維持することを特徴とする光学フィルムの製造方法;
[2]水分率が40〜80質量%であるPVAフィルムを前記乾燥工程に供し、前記乾燥工程において、前記フィルムの水分率が40質量%から25質量%になるまでの乾燥温度を80℃〜120℃に維持することを特徴とする上記[1]の製造方法;
[3]前記乾燥工程において、水分率が15質量%以下のポリビニルアルコールフィルムを95℃以上で乾燥することを特徴とする上記[1]または[2]の製造方法;
[4]PVAの重合度が3600を越えることを特徴とする上記[1]〜[3]の製造方法;
[5]PVAフィルムフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、染色工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施すことにより、光学フィルムからなる偏光フィルムを得る上記[1]〜[4]の製造方法;
に関する。
本発明の製造方法によれば、収縮力、特に長さ方向(延伸方向)の収縮力が極めて低い偏光フィルム等の光学フィルムが得られる。前記偏光フィルムを用いることにより、そりが極めて小さく、かつ優れた偏光性能を有する偏光フィルムが得られる。
原反のPVAフィルムの製造に用いられるPVAとしては、例えば、ビニルエステルを重合して得られるポリビニルエステルをけん化して得られるものが挙げられる。
上記のビニルエステルの種類に特に制限はなく、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。これらのビニルエステルは1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらのビニルエステルの中でも、PVAの製造の容易性、入手容易性、コスト等の点から、酢酸ビニルが好ましい。
ポリビニルエステルの製造にあたりビニルエステルは、そのまま重合反応に供してもよいし、溶媒やその他の成分などと混合した後に重合反応に供してもよい。
ビニルエステルの重合方式は、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合などのいずれの方式でもよく、重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法を適用することができる。無溶媒またはアルコールなどの溶媒中で重合を進行させる塊状重合法または溶液重合法が、通常採用される。高重合度のポリビニルエステルを得る場合には、乳化重合法も好ましい。溶液重合法の溶媒は特に限定されないが、例えばアルコールである。溶液重合法の溶媒に使用されるアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールである。重合系における溶媒の使用量は、目的とするPVAの重合度に応じて溶媒の連鎖移動を考慮して選択すればよく、例えば溶媒がメタノールの場合、溶媒と重合系に含まれる全ビニルエステルとの質量比{=(溶媒)/(全ビニルエステル)}として、好ましくは0.01〜10の範囲内、より好ましくは0.05〜3の範囲内から選択される。
ビニルエステルを重合反応に供する際に使用される重合開始剤は、公知の重合開始剤、例えばアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤から重合方法に応じて選択すればよい。アゾ系開始剤は、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)である。過酸化物系開始剤は、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート系化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル系化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート;過酸化アセチルである。過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを上記開始剤に組み合わせて重合開始剤としてもよい。レドックス系開始剤は、例えば上記の過酸化物系開始剤と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元剤とを組み合わせた重合開始剤である。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるために一概には決められないが、重合速度に応じて選択すればよい。例えば重合開始剤に2,2’−アゾビスイソブチロニトリルあるいは過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステルに対して0.01〜0.2モル%が好ましく、0.02〜0.15モル%がより好ましい。重合温度は特に限定されないが、室温〜150℃程度が適当であり、好ましくは40℃以上かつ使用する溶媒の沸点以下である。
上記の重合反応は、連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。連鎖移動剤は、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオールなどのメルカプタン類;ホスフィン酸ナトリウム一水和物などのホスフィン酸塩類などである。中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の使用量は、使用する連鎖移動剤の連鎖移動係数および目的とするPVAの重合度に応じて決定することができるが、一般にビニルエステル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
上記のようにして得られるポリビニルエステルをけん化することによりPVAを得ることができる。ポリビニルエステルをけん化することによって、ポリビニルエステル中のビニルエステル単位はビニルアルコール単位に変換される。
ポリビニルエステルのけん化は、例えばアルコールまたは含水アルコールに当該ポリビニルエステルが溶解した状態で行うことができる。けん化に使用するアルコールとしては、例えばメタノール、エタノールなどの低級アルコールが挙げられ、好ましくはメタノールである。けん化に使用するアルコールは、例えばその質量の40質量%以下の割合で、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼンなどの他の溶媒を含んでもよい。けん化に使用する触媒は、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒、鉱酸などの酸触媒である。けん化を行う温度は限定されないが、20〜60℃の範囲内が好適である。けん化の進行にしたがって通常、ゲル状の生成物が析出してくるので、この生成物を粉砕した後、洗浄、乾燥などを行い、チップの形態のPVAを得ることができる。けん化方法は、上記した方法に限らず公知の方法を適用することができ、PVAチップの調製方法も上記した方法に特に制限されない。
PVAはビニルアルコール単位のみから構成されていてもよいが、ビニルエステルと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位をさらに含んでいてもよい。当該他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィン;(メタ)アクリル酸またはその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;不飽和スルホン酸などを挙げることができる。上記のポリビニルエステルは、前記した他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。当該他の単量体は、ビニルエステルを重合反応に供する際にこれを重合系内に予め存在させておいたり、あるいは、重合反応の進行中に系内にこれを添加したりするなどして使用することができる。
上記のPVAは、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、1種または2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。当該グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体;不飽和スルホン酸またはその誘導体;炭素数2〜30のα−オレフィンなどが挙げられる。PVAにおけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、PVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
上記のPVAは、その水酸基の一部が架橋されていてもよいし架橋されていなくてもよい。また上記のPVAは、その水酸基の一部がアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド化合物などと反応してアセタール構造を形成していてもよいし、これらの化合物と反応せずアセタール構造を形成していなくてもよい。
PVAにおけるビニルアルコール単位の含有率は、本発明の効果がより顕著に奏されることから、PVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて80モル%を超えることが好ましく、85モル%を超えることがより好ましく、90モル%を超えることがさらに好ましい。特に得られるPVAフィルムを光学フィルム製造用の原反フィルムとして使用するときのように耐水性が要求される場合などにおいて、当該含有率は、95モル%以上であることが好ましく、97モル%以上であることがより好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。極めて高い耐水性が要求される場合などにおいては、当該含有率は、99モル%以上が好ましく、99.5モル%以上がより好ましく、さらには99.8モル%以上が特に好ましい。
PVAの重合度は、1,500〜6,000の範囲内であることが好ましく、1,800〜5,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜4,000の範囲内であることがさらに好ましい。当該重合度が1,500以上であることにより、得られるPVAフィルムを光学フィルム製造用の原反フィルムとして使用する際に当該光学フィルムの耐久性をより向上させることができる。一方、当該重合度が6,000以下であることにより、製造コストの上昇や、製膜時における工程通過性の不良などを抑制することができる。また、光学フィルムの収縮力がさらに低減する観点からは、重合度が3600以上であることが好ましい。なお、本明細書におけるPVAの重合度は、JIS K6726−1994の記載に準じて測定した平均重合度を意味する。
上述したPVAチップを用いて製膜原液を得ることができる。例えば、PVAチップおよび必要に応じてさらに後述する界面活性剤、可塑剤および添加剤などのうちの1種または2種以上と液体媒体とを混合することによって得ることができる。ここで、使用される液体媒体のうちの一部または全部は、予めPVAチップに含浸させておいてもよい。また製膜原液においてPVAは液体媒体中に溶解した状態であってもよいし、溶融状態であってもよい。上記混合は加熱下に行うのが好ましい。
製膜原液の調製に使用される上記液体媒体としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。そのうちでも、環境に与える負荷や回収性の点から水が好ましい。
製膜原液の揮発分率(製膜時に揮発や蒸発によって除去される液体媒体などの揮発性成分の製膜原液中における含有割合)は、製膜方法、製膜条件などによっても異なるが、一般的には、50〜95質量%の範囲内であることが好ましく、55〜90質量%の範囲内であることがより好ましく、60〜85質量%の範囲内であることがさらに好ましい。製膜原液の揮発分率が50質量%以上であることにより、製膜原液の粘度が高くなり過ぎず、製膜原液調製時の濾過や脱泡が円滑に行われ、異物や欠点の少ないPVAフィルムの製造が容易になる。一方、製膜原液の揮発分率が95質量%以下であることにより、製膜原液の濃度が低くなり過ぎず、工業的なPVAフィルムの製造が容易になる。
製膜原液は界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含むことにより、製膜性が向上してフィルムの厚み斑の発生が抑制されると共に、製膜に使用する金属ロールやベルトからのフィルムの剥離が容易になる。界面活性剤を含む製膜原液からPVAフィルムを製造した場合には、当該PVAフィルム中には界面活性剤が含有され得る。上記の界面活性剤の種類は特に限定されないが、金属ロールやベルトからの剥離性の観点などから、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、オクチルサルフェート等の硫酸エステル型;ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型などが好適である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型;ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型;ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型などが好適である。
これらの界面活性剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
製膜原液が界面活性剤を含む場合、その含有量は、製膜原液に含まれるPVA100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲内であることが好ましく、0.02〜0.3質量部の範囲内であることがより好ましく、0.05〜0.1質量部の範囲内であることが特に好ましい。当該含有量が0.01質量部以上であることにより製膜性および剥離性がより向上する。一方、当該含有量が0.5質量部以下であることにより、界面活性剤がPVAフィルムの表面にブリードアウトしてブロッキングが生じ取り扱い性が低下するのを抑制することができる。
前記製膜原液を用いてPVAフィルムを製膜する。製膜方法としては、例えば、キャスト製膜法、押出製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法などが挙げられる。これらの製膜方法は1種のみを採用しても2種以上を組み合わせて採用してもよい。これらの製膜方法の中でもキャスト製膜法、押出製膜法が、厚みおよび幅が均一で物性の良好なPVAフィルムが得られることから好ましい。製膜されたPVAフィルムには必要に応じて乾燥や熱処理を行うことができる。
PVAフィルムの具体的な製膜方法の例としては、例えば、T型スリットダイ、ホッパープレート、I−ダイ、リップコーターダイ等を用いて、上記の製膜原液を最上流側に位置する回転する加熱した第1ロール(あるいはベルト)の周面上に均一に吐出または流延し、この第1ロール(あるいはベルト)の周面上に吐出または流延された膜の一方の面から揮発性成分を蒸発させて乾燥し、続いてその下流側に配置した1個または複数個の回転する加熱したロールの周面上でさらに乾燥するか、または熱風乾燥装置の中を通過させてさらに乾燥した後、巻き取り装置により巻き取る方法を工業的に好ましく採用することができる。加熱したロールによる乾燥と熱風乾燥装置による乾燥とは、適宜組み合わせて実施してもよい。また別の例として、例えば、T型スリットダイ、ホッパープレート、I−ダイ、リップコーターダイ等を用いて、上記の製膜原液を熱可塑性樹脂フィルム上にコートした後、乾燥することにより、当該熱可塑性樹脂フィルム上に形成されたPVAフィルムを得る方法が挙げられる。
本発明で用いられる原反のPVAフィルムは可塑剤を含むことができる。好ましい可塑剤としては多価アルコールが挙げられ、具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。PVAフィルムはこれらの可塑剤の1種または2種以上を含むことができる。これらの中でも、延伸性の向上効果の点からグリセリンが好ましい。
PVAフィルムにおける可塑剤の含有量は、それに含まれるPVA100質量部に対して、1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、3〜17質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜15質量部の範囲内であることがさらに好ましい。当該含有量が1質量部以上であることによりPVAフィルムの延伸性がより向上する。一方、当該含有量が20質量部以下であることにより、PVAフィルムが柔軟になり過ぎて取り扱い性が低下するのを抑制することができる。
PVAフィルムは、さらに、充填剤、銅化合物などの加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、剥離剤、離型剤、補強剤、架橋剤、防かび剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤などの添加剤を、必要に応じて含むことができる。
PVAフィルムにおけるPVAおよび可塑剤の合計の占める割合は、PVAフィルムの質量に基づいて、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
PVAフィルムの厚みは特に制限されないが、通常1〜100μmであり、5〜75μmであることが好ましく、10〜60μmであることが特に好ましい。当該厚みが薄すぎると、光学フィルムを製造するための一軸延伸処理時に、延伸切れが発生しやすくなる傾向がある。また、当該厚みが厚すぎると、光学フィルムを製造するための一軸延伸処理時に延伸斑が発生しやすくなる傾向がある。またPVAフィルムは単層フィルムであることが好ましいが、PVA層と、熱可塑性樹脂フィルム等の他の層とを積層された積層体であってもよい。積層体の場合にはPVA層の厚みが上記範囲にあることが好ましい。
PVAフィルムの幅は特に制限されず、製造される光学フィルムの用途などに応じて決めることができる。近年、液晶テレビや液晶モニターの大画面化が進行している点からPVAフィルムの幅を3m以上にしておくと、これらの用途に好適である。PVAフィルムの幅は好ましくは4m以上である。一方、PVAフィルムの幅があまりに大きすぎると実用化されている装置で光学フィルムを製造する場合に一軸延伸自体を均一に行うことが困難になりやすいので、PVAフィルムの幅は7m以下であることが好ましく、6m以下であることがより好ましく、5m以下であることがさらに好ましい。
PVAフィルムの形状は特に制限されないが、より均一なPVAフィルムを連続して円滑に製造することができると共に、それを用いて光学フィルムを製造する場合などにおいても連続して使用することができることから長尺のフィルムであることが好ましい。長尺のフィルムの長さ(長さ方向の長さ)は特に制限されず、用途などに応じて適宜設定することができ、例えば、5〜30,000mの範囲内とすることができる。
こうして得られた原反のPVAフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施すことによって光学フィルムを製造する。通常、原反のPVAフィルムに対して、最初に膨潤工程を施した後、延伸工程を含む種々の工程を施してから、最後に乾燥工程を施して乾燥させることにより光学フィルムが得られる。
本発明の光学フィルムの好適な態様である、当該光学フィルムからなる偏光フィルムを製造する方法としては、原反のPVAフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、染色工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す方法や、染料を含有する原反のPVAフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す方法を採用することができ、前者が好ましく、少なくとも膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す方法がより好ましい。また、PVAフィルムに対して延伸工程を施した後、さらに固定処理工程を施してから、乾燥工程を施すことも好ましい。
本発明の製造方法において、乾燥工程の前に、適宜、PVAフィルムに対して洗浄工程を施してもよい。また、本発明の製造方法において、1種類の工程を複数回施しても構わない。
本発明の製造方法において、膨潤工程は、前記PVAフィルムを水に浸漬することにより行うことができる。このときの水の温度は、20〜40℃の範囲内であることが好ましく、22〜38℃の範囲内であることがより好ましく、25〜35℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、水に浸漬する時間としては、0.1〜5分間の範囲内であることが好ましく、0.5〜3分間の範囲内であることがより好ましい。なお、水に浸漬する際の水は純水に限定されず、各種成分が溶解した水溶液であってもよいし、水と水溶性有機溶媒との混合物であってもよい。
PVAフィルムの膨潤度は、160〜240質量%の範囲内であることが好ましく、170〜230質量%の範囲内であることがより好ましく、180〜220質量%の範囲内であることが特に好ましい。膨潤度が160%以上であることによりPVAの結晶化が極度に進行するのを抑制することができて、安定してより高倍率まで延伸することができる。一方、膨潤度が240質量%以下であることにより、延伸時のPVAの溶解が抑制され、より高温の条件下でも延伸することが可能となる。なお本発明において、PVAフィルムの膨潤度とは、PVAフィルムを30℃の蒸留水中に30分間浸漬した際の質量を、浸漬後105℃で16時間乾燥した後の質量で除して得られる値の百分率を意味する。
本発明の製造方法において、染色工程は、PVAフィルムに対して二色性色素を接触させることにより行うことができる。膨潤されたPVAフィルムに対して染色工程を施すことにより、本発明の光学フィルムの好適な態様である偏光フィルムが製造される。二色性色素としてはヨウ素系色素を用いるのが一般的である。染色工程は、後述する延伸工程の前に行ってもよいし、延伸工程の後に行ってもよいが、前者が好ましい。染色工程はPVAフィルムを染色浴としてヨウ素−ヨウ化カリウムを含有する溶液(特に水溶液)中に浸漬させることにより行うのが一般的であり、本発明においてもこのような染色方法が好適に採用される。染色浴におけるヨウ素の濃度は0.01〜0.5質量%の範囲内であることが好ましく、ヨウ化カリウムの濃度は0.01〜10質量%の範囲内であることが好ましい。また、染色浴の温度は20〜50℃、特に25〜40℃とすることが好ましい。PVAフィルムを染色浴に浸漬する時間としては、0.1〜10分間の範囲内であることが好ましく、0.2〜5分間の範囲内であることがより好ましい。
本発明の製造方法において、PVAフィルムに対して、架橋工程を施すことが好ましい。PVAフィルムに対して架橋処理する架橋工程を施すことで、高温で湿式延伸する際にPVAが水へ溶出するのをより効果的に防止することができる。この観点から架橋工程は延伸工程の前に行うことが好ましい。また、上記染色工程を行う場合には、染色工程の後に架橋工程を行うことが好ましい。架橋処理は、架橋剤を含む水溶液にPVAフィルムを浸漬することにより行うことができる。当該架橋剤としては、ホウ酸、ホウ砂等のホウ酸塩などのホウ素化合物の1種または2種以上を使用することができる。架橋剤を含む水溶液における架橋剤の濃度は1〜15質量%の範囲内であることが好ましく、2〜7質量%の範囲内であることがより好ましく、3〜6質量%の範囲内であることがさらに好ましい。架橋剤の濃度が1〜15質量%の範囲内にあることで十分な延伸性を維持することができる。架橋剤を含む水溶液はヨウ化カリウム等の助剤を含有してもよい。架橋剤を含む水溶液の温度は、20〜50℃の範囲内、特に25〜40℃の範囲内とすることが好ましい。当該温度を20〜50℃の範囲内にすることで効率良く架橋することができる。
後述する延伸工程とは別に、上述した各工程中や工程間において、PVAフィルムを延伸してもよい。このような延伸(前延伸)をすることにより、PVAフィルムにしわが入るのを防止することができる。前延伸の総延伸倍率(各工程における延伸倍率を掛け合わせた倍率)は、偏光フィルムを製造する場合の偏光性能などの観点から、延伸前の原反のPVAフィルムの元長に基づいて、4倍以下であることが好ましい。膨潤工程における延伸倍率としては、1.05〜3倍が好ましく、染色工程における延伸倍率としては、3倍以下が好ましく、架橋工程における延伸倍率としては、2倍以下が好ましい。
本発明の製造方法において、延伸工程は、湿式延伸法または乾式延伸法を用いて、PVAフィルムを一軸延伸することにより行うことができる。湿式延伸法の場合は、ホウ酸を含む水溶液中で行うこともできるし、上記した染色浴中や後述する固定処理浴中で行うこともできる。また乾式延伸法の場合は、室温のまま延伸を行ってもよいし、加熱しながら延伸してもよいし、吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で行うこともできる。これらの中でも、湿式延伸法が好ましく、ホウ酸を含む水溶液中で一軸延伸するのがより好ましい。ホウ酸水溶液中におけるホウ酸の濃度は0.5〜6.0質量%の範囲内であることが好ましく、1.0〜5.0質量%の範囲内であることがより好ましく、1.5〜4.5質量%の範囲内であることが特に好ましい。また、ホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有してもよく、その濃度は0.01〜10質量%の範囲内にすることが好ましい。
延伸工程における延伸温度は、50〜90℃の範囲内であることが好ましく、50〜80℃の範囲内であることがより好ましく、50〜70℃の範囲内であることが特に好ましい。得られる光学フィルムの延伸方向の収縮力が大幅に低下して、寸法安定性がさらに向上する観点から、湿式延伸法を用いて、このような延伸温度(液の温度)にて、PVAフィルムを一軸延伸することが特に好ましい。このような条件でフィルムに対して延伸工程を施すことによって、PVAフィルムに含まれる水分量が多くなる。そして、PVAフィルム中の多量の水による可塑効果によって、必要以上に延伸されたPVAフィルムの非晶部分が乾燥工程中に緩和して、PVA鎖が再配列しやすくなり、得られる光学フィルムの収縮力、特に、延伸方向の収縮力が大幅に低下するものと考えられる。このように光学フィルムの収縮力が低下することにより、寸法安定性がさらに向上するとともに、保護フィルムと貼り合わせた際の反りをさらに小さくできる。延伸温度が上記範囲を外れる場合や、乾式延伸法を採用した場合は乾燥工程に供するPVAフィルムの水分率を25質量%以上とすることが困難な場合がある。
偏光フィルムを製造した場合の偏光性能等の点から、延伸工程における延伸倍率は、1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることが更に好ましい。また、上記した前延伸の延伸倍率も含めた総延伸倍率(各工程における延伸倍率を掛け合わせた倍率)は、延伸前の原反のPVAフィルムの元長に基づいて、6.8倍以上であることが好ましく、6.9倍以上であることがより好ましく、7.0倍以上であることが特に好ましい。総延伸倍率の上限は特に制限されないが、延伸切れを防ぐためには延伸倍率は8倍以下であることが好ましい。
長尺のPVAフィルムを一軸延伸する場合における一軸延伸の方向に特に制限はなく、長尺方向への一軸延伸や幅方向への横一軸延伸を採用することができる。偏光フィルムを製造する場合に、偏光性能に優れたものが得られる点からは、長尺方向への一軸延伸が好ましい。長尺方向への一軸延伸は、互いに平行な複数のロールを備える延伸装置を使用して、各ロール間の周速を変えることにより行うことができる。一方、横一軸延伸はテンター型延伸機を用いて行うことができる。本発明において、光学フィルムの延伸方向における収縮力を評価する。したがって、PVAフィルムの長尺方向に一軸延伸して光学フィルムを製造した場合、長尺方向における収縮力を評価する。一方、PVAフィルムの幅方向へ横一軸延伸して光学フィルムを製造した場合、幅方向の収縮力を評価する。
偏光フィルムを製造する場合には、延伸工程の後に、PVAフィルム対して固定処理工程を施すことが好ましい。これにより、PVAフィルムに対する二色性色素(ヨウ素系色素等)の吸着が強固になる。固定処理に使用する固定処理浴としては、ホウ酸、硼砂等のホウ素化合物の1種または2種以上を含む水溶液を使用することができる。また、必要に応じて、固定処理浴中にヨウ素化合物や金属化合物を添加してもよい。固定処理浴におけるホウ素化合物の濃度は、一般に2〜15質量%、特に3〜10質量%程度であることが好ましい。当該濃度を2〜15質量%の範囲内にすることで二色性色素の吸着をより強固にすることができる。固定処理浴の温度は、15〜60℃、特に25〜40℃であることが好ましい。
本発明の製造方法において、原反のPVAフィルムに対して、少なくとも前記膨潤工程および前記延伸工程をこの順番に施すことによって得られたPVAフィルムを乾燥工程に供する。このとき、水分率が25〜80質量%であるPVAフィルムを乾燥工程に供する必要がある。乾燥工程前の水分率が25質量%未満の場合には、得られる光学フィルムの収縮力が高くなる。そのため、当該光学フィルムの寸法安定性が低下したり、保護フィルムと貼り合わせた際に、反りが発生したりする。水分率は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。一方、乾燥工程前の水分率が80質量%を超える場合、乾燥工程において、PVAフィルムが急激に収縮して破断したり、偏光フィルムを製造する場合に、偏光性能が大きく低下したりするおそれがある。PVAフィルムの水分率は70質量%以下が好ましい。
本発明の製造方法において、水分率が25〜80質量%であるPVAフィルムに対して、乾燥工程を施す。それに加えて、PVAフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を80℃以上に維持する必要がある。このような高温でPVAフィルムを乾燥させることによって、得られる光学フィルムの収縮力、特に、延伸方向の収縮力が顕著に低下する。これにより、当該光学フィルムの寸法安定性が向上する。さらに、当該光学フィルムを保護フィルムと貼り合わせた際に反りを小さくできる。PVAフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を85℃以上に維持することが好ましく、90℃以上に維持することがより好ましい。一方、当該乾燥温度の上限は特に限定されないが、140℃以下に維持することが好ましい。
本発明の製造方法において、水分率が40〜80質量%であるPVAフィルムを前記乾燥工程に供し、当該乾燥工程において、PVAフィルムの水分率が40質量%から25質量%になるまでの乾燥温度を80℃〜120℃に維持することが好ましい。このように、PVAフィルムの水分率がより高い時においても高温で乾燥することによって、得られる光学フィルムの収縮力がさらに低下する。PVAフィルムの水分率が40質量%から25質量%になるまでの乾燥温度を85℃以上に維持することがより好ましく、90℃以上に維持することがさらに好ましい。一方、当該乾燥温度が120℃を超える場合、偏光フィルムを製造した場合に、偏光性能が不十分になるおそれがある。この観点からは、当該乾燥温度を110℃以下に維持することがより好ましい。
前記乾燥工程において、水分率が15質量%以下のPVAフィルムを、95℃以上で乾燥することが好ましい。これにより、得られる光学フィルムの収縮力がさらに低下する。このとき、水分率が15質量%になったPVAフィルムをさらに乾燥させる場合に、乾燥途中で95℃を超えたらよく、95℃を超える温度を維持する必要はない。水分率が15質量%以下のPVAフィルムを、120℃を超える温度で乾燥することがより好ましく、135℃を超える温度で乾燥することがさらに好ましい。また、前記乾燥工程において、水分率が10質量%以下になるまでPVAフィルムを乾燥させることが好ましい。光学フィルムの水分率がこのような範囲であることによって、保護フィルム等と貼り合せる場合に、光学フィルム表面にしわが入りにくくなる。また、保護フィルム等と貼り合わせに紫外線硬化接着剤を用いる場合に、接着力が安定しやすい。前記乾燥工程において、水分率が5質量%以下になるまでPVAフィルムを乾燥させることがより好ましい。
上記のように、前記乾燥工程において、水分率が高いPVAフィルムを、高温度で乾燥させることが本発明の大きな特徴である。これにより、得られる光学フィルムの収縮力、特に、延伸方向の収縮力が顕著に低下する。光学フィルムの収縮力が低下することによって寸法安定性が向上するとともに、当該光学フィルムを保護フィルムと貼り合わせた際に積層体の反りを小さくできる。このような効果が奏される理由は明らかではないが、水分率が高いPVAフィルムを高温で乾燥することによって、必要以上に延伸された非晶部分が緩和して再配列することより、比較的大きく安定した構造を有するPVAの結晶が生成することが寄与していると推定される。
本発明の製造方法において、水分率が40〜80質量%であるPVAフィルムに対して前記乾燥工程を施す場合、当該PVAフィルムの水分率が50質量%から40質量%になるまでの乾燥温度を120℃以下に維持することが好ましい。120℃を超える場合、偏光フィルムを製造した場合に、偏光性能が不十分になるおそれがある。この観点からは、乾燥温度を110℃以下に維持することがより好ましい。
本発明の製造方法において、水分率が50〜80質量%であるPVAフィルムを前記乾燥工程に供する場合、当該PVAフィルムの水分率が50質量%になるまでの乾燥温度を80℃以下に維持することが好ましい。乾燥温度が80℃を超える場合、偏光フィルムを製造した場合に、偏光性能が不十分になるおそれがある。この観点からは、乾燥温度を60℃以下に維持することがより好ましく、40℃以下に維持することがさらに好ましい。
前記乾燥工程において、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いてPVAフィルムを乾燥させることができ、なかでも、熱風乾燥機を用いることが好ましい。熱風乾燥機を用いる場合、乾燥機内の温度が上述した乾燥温度であればよい。
本発明の製造方法によれば、収縮力、特に長さ方向(延伸方向)の収縮力が極めて低い偏光フィルム、位相差フィルム、保護フィルム等の光学フィルムが得られる。なかでも、当該光学フィルムからなる偏光フィルムは、その両面または片面に、光学的に透明で且つ機械的強度が高い保護フィルムを貼り合わせて偏光板にして使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。このとき使用される接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤などを挙げることができるが、中でもPVA系接着剤が好適である。
上記のようにして得られた偏光板は、アクリル系等の粘着剤をコートした後、ガラス基板に貼り合わせてLCDの部品として使用することができる。同時に位相差フィルムや視野角向上フィルム、輝度向上フィルム等と貼り合わせてもよい。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において行った各測定及び評価を以下に示す。
[フィルムの水分率]
実施例または比較例において、採取したPVAフィルムの質量A(g)を測定した後、105℃の乾燥機に当該PVAフィルムを入れた。105℃で16時間乾燥させた後、乾燥後のPVAフィルムの質量B(g)を測定した。フィルムの水分率(質量%)は下記式を用いて算出した。
PVAフィルムの水分率=(A−B)÷A×100
[フィルムの収縮力]
実施例または比較例で得られた偏光フィルムの収縮力を島津製作所製の恒温槽付きオートグラフ「AG−X」とビデオ式伸び計「TR ViewX120S」を用いて測定した。測定には20℃/20%RHで18時間調湿した偏光フィルムを使用した。オートグラフ「AG−X」の恒温槽を20℃にした後、偏光フィルム[長さ方向(延伸方向)15cm、幅方向1.5cm]をチャック(チャック間隔5cm)に取り付け、引張り開始と同時に、80℃へ恒温槽の昇温を開始した。偏光フィルムを1mm/minの速さで引張り、張力が2Nに到達した時点で引張りを停止し、その状態で4時間後までの張力を測定した。このとき、熱膨張によってチャック間の距離が変わるため、チャックに標線シールを貼り、ビデオ式伸び計「TR ViewX120S」を用いてチャックに貼り付けた標線シールが動いた分だけチャック間の距離を修正できるようにして測定を行った。なお、測定初期(測定開始10分以内)に張力の極小値が生じるため、4時間後の張力の測定値から張力の極小値を差し引き、その差を偏光フィルムの収縮力とした。
[フィルムの偏光性能]
(1)透過率Tsの測定
実施例または比較例で得られた偏光フィルムの中央部から、偏光フィルムの長さ方向(延伸方向)に2cmのサンプルを2枚採取し、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製「V7100」)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠し、C光源、2°視野の可視光領域の視感度補正を行い、1枚のサンプルについて、長さ方向に対して+45°傾けた場合の光の透過率と−45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts1(%)を求めた。もう1枚のサンプルについても同様にして、+45°傾けた場合の光の透過率と−45°傾けた場合の光の透過率を測定して、それらの平均値Ts2(%)を求めた。その後、下記式によりTs1とTs2を平均し、偏光フィルムの透過率Ts(%)とした。
Ts = (Ts1+Ts2)/2
(2)偏光度Vの測定
(1)の透過率Tsの測定で採取した2枚のサンプルを、その長さ方向が平行になるように重ねた場合の光の透過率T‖(%)、長さ方向が直交するように重ねた場合の光の透過率T⊥(%)を、上記「(1)透過率Tsの測定」の場合と同様にして測定し、下記式により偏光度V(%)を求めた。
V = {(T‖−T⊥)/(T‖+T⊥)}1/2×100
[実施例1]
PVA(けん化度99.9モル%、重合度4000)100質量部、可塑剤としてグリセリン10質量部、及び界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.1質量部を含み、PVAの含有率が7質量%である水溶液を製膜原液として用いた。これを80℃の金属ロール上で乾燥し、得られたフィルムを熱風乾燥機中で119℃の温度で10分間熱処理をし、厚みが30μmのPVAフィルムを製造した。PVAフィルムの膨潤度を測定したところ、215%であった。
得られたPVAフィルムの幅方向中央部から幅5cm、長さ9cmのサンプルをカットし、幅5cm、長さ5cmの範囲が製膜時の流れ方向に一軸延伸できるように、一軸延伸治具にサンプルを固定した。膨潤工程として、このサンプルを30℃の純水に浸漬し、その間に1.1倍に長さ方向に一軸延伸した。続いてヨウ素とヨウ化カリウムを1:100の質量比で含有する水溶液(染色浴、温度30℃)に60秒間浸漬することによりヨウ素を吸着させ、その間に2.2倍(全体で2.4倍)に長さ方向に一軸延伸した。このとき、染色浴のヨウ素の濃度は乾燥後の偏光フィルムの透過率が44%になるように調製した。次いで、ホウ酸を3質量%及びヨウ化カリウムを3質量%の割合で含有する水溶液(架橋浴、温度30℃)に浸漬し、その間に1.1倍(全体で2.7倍)に長さ方向に一軸延伸した。さらにホウ酸を4質量%及びヨウ化カリウムを6質量%の割合で含有する水溶液(延伸浴、温度62℃)に浸漬し、その間に2.1倍(全体で5.8倍)に長さ方向に一軸延伸した。その後、ヨウ化カリウムを2.2質量%の割合で含有する水溶液(洗浄浴、温度30℃)に5秒間浸漬した。
洗浄浴から取り出して、表面に付着した水溶液を拭き取ったPVAフィルム(水分率50質量%)を、定長下、20℃で1分間予備乾燥し、PVAフィルムの水分率を40質量%とした。そして、熱風乾燥機を用いて、定長下、PVAフィルムの水分率が15質量%になるまでは100℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに140℃で2分間乾燥(第2乾燥工程)を行い、偏光フィルムを得た。なお、上記温度は乾燥器内の温度である。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
[実施例2]
PVAフィルムの水分率が40質量%から15質量%になるまで86℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに125℃で2分間乾燥(第2乾燥工程)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
[実施例3]
PVAフィルムの水分率が40質量%から15質量%になるまで100℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに100℃で3分間乾燥(第2乾燥工程)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルム3を作製した。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
[比較例1]
PVAフィルムの水分率が40質量%から25質量%になるまで100℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに20℃で4分間乾燥(第2乾燥工程)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルム4を作製した。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
[比較例2]
PVAフィルムの水分率が40質量%から15質量%になるまで70℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに70℃で4分間乾燥(第2乾燥工程)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
[比較例3]
PVAフィルム(水分率50質量%)を、定長下、20℃で7分間予備乾燥し、フィルムの水分率を13質量%としたこと、フィルムの水分率が13質量%から8質量%になるまで100℃で乾燥(第1乾燥工程)した後、さらに100℃で3分間乾燥(第2乾燥工程)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。各フィルムの水分率、得られた偏光フィルムの偏光性能、透過率、収縮力を表1に示す。
Figure 2018004707
以上説明した通り、本発明によれば収縮力が低い偏光フィルムを製造できるため、偏光フィルムの表面に保護膜を貼り合わせて偏光板を製造した場合に偏光板の反りを小さくすることが可能となる。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコールフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施す光学フィルムの製造方法であって、
    水分率が25〜80質量%であるポリビニルアルコールフィルムを前記乾燥工程に供し、該乾燥工程において、ポリビニルアルコールフィルムの水分率が25質量%から15質量%になるまでの乾燥温度を80℃以上に維持することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 水分率が40〜80質量%であるポリビニルアルコールフィルムを前記乾燥工程に供し、前記乾燥工程において、前記フィルムの水分率が40質量%から25質量%になるまでの乾燥温度を80℃〜120℃に維持することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記乾燥工程において、水分率が15質量%以下のポリビニルアルコールフィルムを、95℃以上で乾燥することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. ポリビニルアルコールの重合度が3600を越えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  5. ポリビニルアルコールフィルムに対して、少なくとも膨潤工程、染色工程、延伸工程および乾燥工程をこの順番に施すことにより、光学フィルムからなる偏光フィルムを得る請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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