JP5344085B2 - 焼成用チーズ様食品 - Google Patents

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Description

本発明は、焼成用チーズ様食品およびその製造法に関する。
洋菓子、焼き菓子、パン、ピザなどに上乗せ(トッピング)したり、充填したり、挟んだりして、食品の風味及び外観を高める素材として、様々な種類のフィリングが広く用いられる。ナチュラルチーズ様の糸引き物性を示すフィリングに関する出願としては、たとえば本願出願人と同じ出願人による特許文献1がある。しかしこの出願では、当該糸引き物性へ更に耐熱性を付与することについては開示がない。また、糸引き物性自体にも、改善の余地があった。
フィリングに耐熱性を付与させる手段として、たとえば特許文献2には、起泡させた油脂組成物を含有させることが有効である旨の記載がある。しかし、特許文献2ではチーズ様食品のようなフィリングに対して耐熱性を付与するような技術は、教えていない。
また、特許文献3では、ベーカリー用上掛け生地であるが、糖類、油脂類、澱粉、熱凝固性蛋白質の組み合わせについて記載されている。しかし、特許文献3においても、チーズ様食品のような特定の物性に対しての耐熱性付与については、なんら教えていない。
特開2006−254742号公報 国際公開第2006−095505号パンフレット 特開2004−57018号公報
本発明は、実質的にナチュラルチーズを使用しない配合のチーズ様食品において、糸引き性を有するナチュラルチーズ同様の加熱溶解したときのような糸引き物性を有し、さらに焼成しても外観、形状の変化のない耐熱性を有する焼成用チーズ様食品、及びその製造法を提供するのを目的とする。
本発明者は上記の課題に対して鋭意研究を重ねた。その結果、熱凝固性蛋白質、乳蛋白質、およびエーテル化タピオカ澱粉の3者を特定量含有することで、ナチュラルチーズを実質的に含まない配合のチーズ様食品においても、糸引き性を有するナチュラルチーズを加熱溶解した際に見られるような糸引き物性を示すチーズ様食品を得ることができ、かつ当該糸引き物性は、糸引き性を有するナチュラルチーズでは硬くなってしまうような常温以下の温度においても、変わらず発現することを見出した。さらに、このチーズ様食品は焼成耐性を有し、焼成工程を経ても、当該チーズ様食品外観、形状に変化はほとんどなく、加熱前と同様の糸引き物性をもつことを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)熱凝固性蛋白質を0.2〜2重量%、乳蛋白質を3.6〜10重量%、及びエーテル化タピオカ澱粉を0.3〜5.5重量%含有する、焼成用チーズ様食品。
(2)さらにアセチル化タピオカ澱粉を3〜5重量%含有する、(1)記載の焼成用チーズ様食品。
(3)発酵液を46〜96重量%含む、(1)記載の焼成用チーズ様食品。
(4)熱凝固性蛋白質素材を発酵液の原料として、発酵前に添加する、(3)記載の焼成用チーズ様食品の製造法。
に関するものである。
本発明によれば、ナチュラルチーズを実質的に含まない配合のチーズ様食品の場合でも、糸引き性を有するナチュラルチーズが加熱溶解した際に見られるような糸引き物性を示すチーズ様食品を得ることができる。そして、このチーズ様食品は焼成しても外観、形状の変化のない耐熱性を持ち、焼成食品に好適に使用することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明で言う「焼成用」とは、パンや焼き菓子など、焼成して調製する食品においてフィリング等として好適に使用できることを意味し、具体的には、たとえばパンにおいてフィリングとして使用する場合でも、パンを焼成する前に充填して使用することもできることを意味する。すなわち、本発明品はパンなどの焼成食品において、その焼成前に充填し、加熱(焼成)工程を経ても、外観や形状を保ち、加熱後もナチュラルチーズ様の糸引き物性を示す。すなわち、「耐熱性」を有するものである。ここでいう耐熱性とは、パンや菓子など焼成食品の調製に使用されるオーブンを想定し、その加熱条件を経ても、焼成前と同様の形状と物性を維持していることを指す。より具体的には、実施例に記載している「耐熱性評価法」にて合格となるものを、耐熱性ありと評価する。
本発明で言うチーズ様食品とは、加熱溶解した糸引き性を有するナチュラルチーズが示すような糸引き物性を持つ食品の総称である。特に、通常の糸引き性を有するナチュラルチーズでは硬くなってしまうような、常温以下(3〜20℃)の温度においても、該ナチュラルチーズ様の糸引き物性を示す点は本願発明品の特徴であり、通常の該ナチュラルチーズにはない性質である。
本発明でいう熱凝固性蛋白質とは、加熱により凝固する性質を有する蛋白質である。具体的には、大豆由来蛋白質、卵由来蛋白質をあげることができる。より具体的には、大豆由来蛋白質素材としては分離大豆蛋白質、濃縮大豆蛋白質、脱脂豆乳粉末をあげることができ、中でも分離大豆蛋白質を用いることが風味や良好な物性を得る点で、より好ましい。
また、卵由来蛋白質としては、液状全卵、液状卵白、液状卵黄、粉末状卵白、粉末状卵黄を上げることができ、この中でより好ましいのは、卵白に由来する液状卵白、粉末状卵白であり、さらに好ましいものは粉末状卵白である。なお、本発明においては、いくつかの熱凝固性蛋白質素材を組み合わせて使用することもできる。最も好ましいのは、分離大豆蛋白質と粉末状卵白の組み合わせである。この際の望ましい組み合わせ比率は、分離大豆蛋白質:粉末状卵白=0.5〜2:0.3〜1であり、より望ましくは、0.9〜1.6:0.3〜0.7である。かかる組み合わせにより、もっとも糸引き性を有するナチュラルチーズに近い糸引き物性が得られかつ、良好な耐熱性が得られる。
本発明の焼成用チーズ様食品中における、熱凝固性蛋白質の量は0.2〜2重量%含有する必要があり、より望ましくは0.4〜1.7重量%である。熱凝固性蛋白質の量が多すぎても少なすぎても、糸引き性を有するナチュラルチーズが加熱溶解したような物性が得られにくくなる場合がある。特に、熱凝固性蛋白質の量が少なすぎる場合は、耐熱性も弱くなる場合がある。
また、熱凝固性蛋白質は、発酵液における原料として、その発酵前に添加することが望ましい。これは、熱凝固性蛋白質は一般に独特の風味をもつ場合があり、かつ、特に等電点付近では凝集を起こす場合がある一方、当該熱凝固性蛋白質を発酵液の原料として発酵前に添加した場合は、発酵により熱凝固性蛋白質の風味が改善されるだけでなく、凝集の発生も改善される傾向が見られるためである。
本発明でいう乳蛋白質とは、具体的な素材としては脱脂粉乳、全脂粉乳、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、乳清蛋白質、バターミルクパウダー、牛乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、ナチュラルチーズ等を例示することができ、中でも脱脂粉乳、トータルミルクプロテインを用いることが、良好な物性を得るうえで、より好ましい。また、ナチュラルチーズは、良好な風味を付与する上では有用な素材ではあるが、コストが比較的高いため、量に配合するとコスト上昇要因となる場合がある。また、糸引き性を有するナチュラルチーズそのものに依存するチーズ様物性は、温度の影響で変化が大きく、特に低温においては硬くなる場合がある。また、本発明品の物性を得るためには、ナチュラルチーズの配合は必須ではなく、適宜使用できるものである。
トータルミルクプロテインとは、牛乳中に含まれる蛋白質を限外濾過技術により濃縮・噴霧乾燥したものであり、カゼイン蛋白質、ホエイ蛋白質の両方を含有するもので、ミルクプロテインコンセントレート、総合乳蛋白質とも呼ばれる。
チーズ様食品中の乳蛋白質の量は3.6〜10重量%含有する必要があり、より望ましくは3.8〜9重量%である。乳蛋白質の量が多すぎても少なすぎても、糸引き性を有するナチュラルチーズ様の物性を示しにくくなる場合がある。
乳蛋白質は風味も良好であるものが多く、最終製品であるチーズ様食品においてダマになることなく均一に分散させることができれば、その添加時期は特には問わない。しかし、熱凝固性蛋白質とともに、発酵液調製時に、その原料として添加するのが、操作の上でも最も簡便であり好ましい。
なお、本発明で言う「蛋白質」の量は、使用するそれぞれの原材料に含まれる蛋白質の量に、本発明のチーズ様食品における配合割合を乗じて求めることができる。
本発明でいうエーテル化タピオカ澱粉とは、タピオカ澱粉にエーテル基を導入した加工タピオカ澱粉であり、食品工業分野において広く使用されている。また、アセチル化タピオカ澱粉とは、タピオカ澱粉にアセチル基を導入したもので、こちらも食品工業分野において広く使用されている。
チーズ様食品中の、エーテル化タピオカ澱粉の量は0.3〜5.5重量%含有する必要があり、より望ましくは0.3〜5重量%である。エーテル化タピオカ澱粉の量が多すぎても少なすぎても、糸引き性を有するナチュラルチーズ様の物性を示しにくくなる場合がある。
また、本発明においては、エーテル化タピオカ澱粉を使用することは必須であるが、さらにアセチル化タピオカ澱粉を併用することもできる。この場合の使用量は、3.3〜5重量%が望ましい。そして、エーテル化タピオカ澱粉とアセチル化タピオカ澱粉の合計量で3〜6重量%が望ましく、より望ましくは3.5〜5.5重量%である。
エーテル化タピオカ澱粉も、アセチル化タピオカ澱粉も比較的容易に水に溶解するので、その添加時期は適宜選択できる。
本発明でいう発酵液とは、蛋白質素材、糖質等からなる原料の混合物を乳酸菌を用い発酵させたものであり、ナチュラルチーズのような発酵物独特の良好な風味を発現させるためには有用な原料であり、本発明においても原料として使用することが望ましい。発酵液を使用する場合の量としては、チーズ様食品中46〜96重量%が望ましく、より望ましくは48〜90重量%である。発酵液が多すぎても少なすぎても、風味等に影響を及ぼす場合がある。一方、糸引き性を有するナチュラルチーズ様の物性のみ必要な食品に使用する場合などは、発酵液の使用は適宜選択可能である。
なお上記の通り、熱凝固性蛋白質素材、乳蛋白質素材は発酵液の原料として用いることが、風味や操作の簡便性の上からも好ましい。
発酵終了時のpHは4〜6が望ましく、より望ましくはpH4.5〜5である。使用する乳酸菌としては各種の乳酸菌を使用することができるが、ストレプトコッカス・クレモリス及びストレプトコッカス・ラクティスの組み合わせが、風味の点から、より好ましい。
以上、熱凝固性蛋白質、乳蛋白質、エーテル化タピオカ澱粉とも、それぞれ独特の物性を持つ原材料であるが、本発明者は、これらを適当量組み合わせることにより、糸引き性を有するナチュラルチーズが加熱溶解したときと同様の物性を発現させることができ、かつ、耐熱性を有することを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明によるナチュラルチーズ様食品は、ナチュラルチーズを主体とするものよりもコストを低く抑えることができる。また、糸引き性を有するナチュラルチーズに依存する物性は温度の影響により変化が大きく、特に低温においては硬くなってしまう場合があるところ、本発明の「チーズ様食品」においては、その原材料の量を特定量に調整することにより物性を制御でき、従来の糸引き性を有するナチュラルチーズを主体とした場合には困難であったような用途、たとえば、室温で流通、保管される調理パンのような焼成食品において、室温においても糸引き性を有するナチュラルチーズ様の糸引き性を発現することができるものである。さらに、上記のパンのような焼成食品に使用する場合でも、本発明品は耐熱性があることから、焼成前の生地に充填することができるなど、作業効率の向上に寄与するものである。
以下に、本発明の好ましい態様である、熱凝固性蛋白質素材等を発酵液の原料として用いる場合を例に、更に、より具体的に説明する。
1.発酵液の調製
発酵液に使用する原料の主なものは熱凝固性蛋白質、乳蛋白質、油脂などであり、まずこれらの原料にて懸濁液を調製する。なお、原料としては他にナチュラルチーズや溶融塩など、発酵液の調製に一般的に使用するものを、本発明に影響を与えない範囲で適宜使用することができる。
原料懸濁液は溶解および殺菌のために70〜80℃にて5〜30分間保持した後、高圧ホモゲナイザー処理を行った後、5〜20℃へ冷却する。この段階での原料懸濁液を一次調合液と称する。
次に、一次調合液に種菌を植菌する。種菌としては上記の通り、ストレプトコッカス・クレモリス及びストレプトコッカス・ラクティスの組み合わせが最も好ましい。植菌後15〜25℃で10〜20時間保持し、発酵によりpHが4〜6となるまで発酵する。pHが4〜6の範囲内に達した段階で、60〜90℃、15〜60分加熱することで殺菌する。
2.チーズ様食品の調製
1で得られた発酵液に、必要により溶融塩を添加した後、70〜80℃まで攪拌しながら昇温する。70〜80℃に達した段階で油脂、アセチル化タピオカ澱粉、その他の原料を添加して更に攪拌し、さらに、必要により牛乳等を加え、温度を維持したまま攪拌を10〜20分程度続ける。その後、高圧ホモゲナイザーにより均一化し、完成する。
なお、本発明においては発酵液の使用は必須ではないが、発酵を行う場合を主体に説明している。発酵を行わない場合は、一次調合液の段階で乳酸菌の植菌を行わない。
以下に実施例を記載する。
実施例1〜8、比較例1〜4
表1の配合に従い、発酵液(一次調合液)を調製した。配合中の数字は、特に断らない限り重量%である。
表1 発酵液(一次調合液)の配合
Figure 0005344085
トータルミルクプロテインはIngrelia社製製品を用いた。
分離大豆蛋白質は不二製油株式会社製製品を用いた。
植物性油脂は不二製油株式会社製菜種硬化油(融点31℃)及びパーム油の混合物を用いた。
ホエーパウダーは雪印株式会社製製品を用いた。
「発酵液(一次調合液)の調製法」
植物性油脂を60℃ に加温し油相を調製した。一方、水を30℃ に加温し、ポリリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、食塩を溶解した後、牛乳、ホエーパウダー、トータルミルクプロテイン、分離大豆蛋白質、粉末卵白、脱脂粉乳、ゴーダチーズ等(配合により異なる)を溶解させた。その後70〜80℃で10分予備乳化し、次いでホモゲナイザーで8000kPaの圧力下で均質化した後、20℃まで急冷し一次調合液とした。その後バルクスターター( ストレプトコッカス・クレモリス及びストレプトコッカス・ラクティスの混合菌) を植菌し20℃で15時間醗酵を行い、pH4.7 の醗酵液を得た。この醗酵液を80℃で30分間加熱殺菌し、「発酵液」とした。(各成分の添加有無は、配合表に従った。発酵を行わない場合(実施例6)は、一次調合液のまま次工程へ供した。)
上記発酵液(一次調合液)を用い、表2の配合に従い、チーズ様食品サンプルを調製した。
表2 チーズ様食品の配合
Figure 0005344085

植物性油脂は不二製油株式会社製菜種硬化油(融点31℃ ) 及びパーム油の混合物を用いた。
エーテル化タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチは全て日澱化学株式会社製製品を用いた。
「チーズ様食品サンプルの調製法」
表1に従い調製した各発酵液(一次調合液)に水を添加し、酢酸ナトリウムを加えた後、60℃で溶解させた植物性油脂を加え、その後各加工タピオカ澱粉等を加えた。
その状態で80℃ で10分間混練した後、さらに100kg /c mの圧力下に均質化後、プラスティックフィルムチューブに充填、密閉し5 ℃ に急冷してチーズ様食品サンプルを得た。
「評価方法」
硬さの測定法
硬さは、サンプルを直径8cmのプラスチック容器(亀甲容器)に入れ、冷蔵庫に3〜10時間保持した後(品温5℃)、不動工業(株)製レオメーターを使用し、直径3cmプランジャーを、テーブルスピード5cm/分にてサンプルへ押し当て測定した際の最大負荷値を測定し求めた。単位はg/7.065cmである。
耐熱性評価法
プラスティックフィルムチューブに充填したサンプルを、直径8cm、深さ2.5cmの缶中に、直径1cmの棒状に10g絞り出し、缶に蓋をし、200℃に設定したオーブン中に10分間放置し、その後のサンプルの形状にて評価した。評価基準は、絞り出した際の、ほぼそのままの形で焼き残った場合を◎、加熱により広がっているが、その広がりが、絞り出した際の接地面積の2倍以下のものを○、同様に、2倍より大きいが3倍以下のものを△、3倍よりも広く広がっているものを×とし、◎、○を耐熱性ありと判断し、合格とした。
糸引き性評価法
直径8cmの亀甲容器へ、5℃に調整したサンプルを200g入れ、最大横幅3cmのスプーンにて全体を3回混ぜ均一にした後、当該スプーンを持ち上げた際のサンプルの伸びを測定した。
同様の操作を3回行い、それぞれの伸びを測定し、その平均を求めた。伸びの平均が8cm以上を◎、5cm以上〜8cm未満を○、3cm以上5cm未満を△、1cm以上3cm未満を×、1cm未満を××と評価し、◎、○、△を糸引き性良好と判断し、合格とした。
風味評価法
パネラー5名にて官能評価を実施した。
5℃に温調したサンプルを食し、シュレッドチーズをコントロールとし、ほぼ同様の風味が感じられるものを5点、ほとんどチーズ風味が感じられないものを1点とし、その間の点数をチーズ風味の強弱により採点した。各パネラーから得られた点数を平均した。
食感評価法
パネラー5名にて官能評価を実施した。
5℃に温調したサンプルを食し、チーズらしい糸引き感の有無を基準に判断した。ナチュラルチーズと同様の糸引き感を有するものを5点、まったく糸引き感のないものを1点とし、その間の点数を糸引き感の有無により採点し平均した。平均点が3点以上を合格とした。
結果
評価結果を表3に示す。
表3 評価結果
Figure 0005344085
・食感評価においては、経時的にサンプル温度が室温(20℃)まで徐々に上昇したが、それに伴う極端な変化は確認されなかった。

考察
表3に示すように、熱凝固性蛋白質、乳蛋白質、及びエーテル化タピオカ澱粉を含有するチーズ様食品において、糸引き性を有するナチュラルチーズ様の良好な物性を示すことが明らかとなった。その配合量は、熱凝固性蛋白質が0.2〜2重量%、乳蛋白質が3.6〜10重量%、及びエーテル化タピオカ澱粉が0.3〜5.5重量%で好ましかった。
また、発酵液の原料として熱凝固性蛋白質、乳蛋白質を使用することにより、風味および操作性が優れていた。乳酸発酵は行ったほうが風味はより良好であった。
熱凝固性蛋白質を使用しない場合は、満足する耐熱性が得られなかった。
本発明は、糸引き性を有するナチュラルチーズを実質的に含まない場合でも、該ナチュラルチーズが加熱溶解したような物性を有するチーズ様食品、及びその製造法に関する。本発明品はパンなどの焼成食品に焼成前に充填して使用でき、冷めても糸引き性を有する新規な食感の焼成用チーズ様食品及びその製造法に関する。

Claims (5)

  1. 熱凝固性蛋白質を0.2〜2重量%、乳蛋白質を3.6〜10重量%、及びエーテル化タピオカ澱粉を0.3〜5.5重量%含有し、エーテル化タピオカ澱粉とアセチル化タピオカ澱粉を合計で3.5〜5.5重量%含有する、常温以下(3〜20℃)の温度において、加熱溶解したときに糸引き性を有するナチュラルチーズを加熱溶解した際に見られるような糸引き物性を示す焼成用チーズ様食品。
  2. エーテル化タピオカ澱粉とアセチル化タピオカ澱粉の合計が4.5重量%である、請求項1記載の焼成用チーズ様食品。
  3. 発酵液を46〜96重量%含む、請求項1〜2いずれか1項に記載の焼成用チーズ様食品。
  4. 熱凝固性蛋白質素材を発酵液の原料として、発酵前に添加する、請求項3記載の焼成用チーズ様食品の製造法。
  5. 熱凝固性蛋白質が大豆、卵に由来する、請求項1記載の焼成用チーズ様食品。
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