JP2000106821A - チーズ及びその製造方法 - Google Patents

チーズ及びその製造方法

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JP2000106821A JP10281051A JP28105198A JP2000106821A JP 2000106821 A JP2000106821 A JP 2000106821A JP 10281051 A JP10281051 A JP 10281051A JP 28105198 A JP28105198 A JP 28105198A JP 2000106821 A JP2000106821 A JP 2000106821A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 低温においても良好な展延性及び可塑性
を有し、且つ、耐熱保形性を有するので、餃子、焼売、
春巻きの皮の様に他の食材を包み込んで加熱調理可能
で、さらにフードミキサー等を用いて畜産又は水産練り
製品の原料、パン生地、麺類の生地に容易に練り込み可
能なチ−ズの提供。 【解決手段】 脂肪/タンパク質の割合が1.5〜2.
5である原料チーズ又は脂肪/タンパク質の割合を1.
5〜2.5に調整した原料チーズに対して、澱粉を4〜
40重量%及び溶融塩を0.1〜5重量%添加して、加
熱乳化することによってチーズを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪/タンパク質
の割合が1.5〜2.5であり、澱粉及び溶融塩を含有
しているチーズ及びその製造方法に関する。本発明のチ
ーズは、低温においても良好な展延性及び可塑性を有す
るため、薄く延ばして餃子、焼売、春巻きの皮の様に他
の食材を包み込むことができ、またフードミキサー等を
用いて他の食品に練り込むことができるという特徴を有
する。
【0002】
【従来の技術】チーズは、タンパク質、脂質、カルシウ
ム、ビタミン、ミネラル等の各種栄養素をバランス良く
含んでおり、近年、良質のカルシウム源として特に注目
され、その需要は年々増加している。また、味や風味も
非常に優れており、そのまま食したり、他の食品素材と
組み合わせて調理して利用されることも多い。また、チ
ーズの物性は、原料チーズの種類、溶融塩の種類とその
添加率、水分、又は乳化方法により、様々に変化させる
ことができるため加工処理によりチーズの物性を改良す
る試みが種々検討されている。例えば、チーズに酸性
下でキトサンを添加し加熱乳化することにより可塑性及
び展延性を有し、かつ具材を包み込んで揚げたときに、
型崩れや具材のはみだしのない揚げ物用包材を製造する
方法(特開平3−80057号公報)、ナチュラルチ
ーズにバター、ガム類及び溶融塩を添加し加熱乳化する
ことにより、ロールインに適したチーズを製造する方法
(特開平4−53446号公報)等がある。しかしなが
ら、では、キトサンを添加するために、チーズ本来の
風味が損なわれる、では、クロワッサン等を製造する
際に、生地に折り込んだときに良好な展延性を示すチー
ズを製造する方法であって、展延性は良好なものの可塑
性を示すことはなく、またバターを多く含有するため溶
融しやすく扱いずらいといった問題があった。
【0003】一方で、従来から澱粉は、焼菓子類、パン
類、洋生菓子類、麺類、水産練り製品、冷凍食品等へ幅
広く利用されており、チーズへの利用もみられる。例え
ば、ナチュラルチーズに化工澱粉のうち、酸化澱粉、エ
ステル化澱粉及びエーテル化澱粉から選ばれた一種以上
の化工澱粉を添加混合し、加熱乳化することにより得ら
れる耐冷凍性及び耐油ちょう性を有するチーズ(特開平
6−153791号公報)や、チーズともち米もしくは
アミロペクチンを基質とする配合物を加熱乳化すること
により得られる可塑性を有するチーズ餅(特開昭59−
31660号公報)が開示されている。しかしながら低
温において、チーズに上記のような機能性を付与するこ
とはできない。さらに得られるチーズは澱粉を含有して
いるため、時間の経過とともに澱粉特有の現象である老
化が生じ、保存中にチーズの物性が著しく変化し、もろ
くなる又は固くなるといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、チーズ本来の風味を有し、かつ低温においても良好
な展延性及び可塑性を有するチーズが求められている
が、そのようなチーズは未だ提供されていない。従っ
て、本発明はチーズ本来の風味を有し、かつ低温におい
ても良好な展延性及び可塑性を有し、例えば餃子、焼
売、春巻きの皮の様に薄く延ばして他の食材を包み込む
ことができ、またフードミキサー等を用いて他の食品に
練り込むことのできるチーズを提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意研究を重ねた結果、原料チーズの脂肪/タンパ
ク質の割合を1.5〜2.5に調整し、この原料チーズ
に澱粉及び溶融塩を添加して加熱乳化することにより、
従来のチーズにないような良好な展延性及び可塑性を有
するチーズが得られることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。従って本発明は、脂肪/タンパク質の割合
が1.5〜2.5であり、澱粉及び溶融塩を含有してい
ることを特徴とする展延性及び可塑性を有するチーズに
関する。本発明はまた、脂肪/タンパク質の割合が1.
5〜2.5である原料チーズ又は脂肪/タンパク質の割
合を1.5〜2.5に調整した原料チーズに、澱粉を4
〜40重量%及び溶融塩を0.1〜5重量%になるよう
に添加して、加熱乳化することを特徴とする展延性及び
可塑性を有するチーズの製造方法に関する。本発明はま
た、上記チーズを展延し、中種を包餡してなる包餡食品
に関する。なお、本発明では展延性とは薄く延ばせる性
質のことをいい、可塑性とは力を加えることにより容易
に変形し、元に戻らない粘土のような物性のことをい
う。
【0006】一般に、ナチュラルチーズを加工してチー
ズを製造する場合、澱粉は添加されない。また、加工し
て得られるチーズ中の脂肪/タンパク質の割合は1.5
未満である。このような従来品のチーズの物性は常温で
非常に硬く、折り曲げると容易に割れてしまい、到底、
本発明のチーズが有するような展延性及び可塑性を示さ
ない。また、原料チーズの脂肪/タンパク質の割合を
1.5以上としても、澱粉を添加しないでチーズを調製
すると、可塑性は示すものの薄く延ばし折り曲げると、
組織が崩れ、オイルオフが生じて展延性を示さない。ま
た、脂肪/タンパク質の割合が2.5を越えて、澱粉を
添加しないでチーズを調製すると、乳化時にスプレッド
状となりチーズの保形性が低下し、展延性及び可塑性は
全く示さない。そこで、本発明者らは展延性と可塑性と
いった従来のチーズが示さない機能性を付与するため
に、原料チーズの脂肪/タンパク質の割合と、澱粉の添
加について検討したところ、原料チーズの脂肪/タンパ
ク質の割合を1.5〜2.5とし、原料チーズに対して
澱粉を4〜40重量%及び溶融塩を0.1〜5重量%と
なるように添加して加熱乳化することにより、チーズに
良好な展延性及び可塑性といった機能性を付与すること
ができることを見出した。さらに、本発明のチーズは展
延性、可塑性に加えて、耐熱保形性も良好である。
【0007】本発明においては、上述するように、展延
性とは薄く延ばせる性質のことをいい、可塑性とは力を
加えることにより容易に変形し、元に戻らない粘土のよ
うな物性のことをいい、さらに耐熱保形性とは、加熱調
理した際にもチーズが溶融したり、変形することのない
性質をいうものであり、その評価方法は後記実施例で説
明する。本発明では、チーズは展延性を有するために、
例えば餃子、焼売、春巻きの皮のようにプロセスチーズ
を薄く延ばすことができ、可塑性を有するために薄く延
ばしてたチーズを折り曲げても割れたり、折れたりせ
ず、また他の食材に容易に練り込むことができる。従っ
て、展延性と耐熱保形性を利用して餃子、焼売又は春巻
きの皮と同じように、中種を包み、加熱調理することが
でき、可塑性を利用して、フードプロセッサー等を用い
て畜産又は水産練り製品の原料、パン生地、麺類の生地
等に容易に練り込むこともできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、好適例を示して本発明を詳
しく説明する。本発明では、原料チーズとしてナチュラ
ルチーズであれば、いずれのものも用いることができ
る。例えば、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、クリーム
チーズ、モツァレラチーズ等を例示することができる。
これらのナチュラルチーズを1種又は2種以上混合し、
脂肪/タンパク質の割合を1.5〜2.5に調整する。
脂肪分としては、主にクリームチーズを用いることが好
ましいが、バター、高濃度クリーム(殺菌、滅菌された
クリームをUF膜や分離機を用いて脂肪分50〜80%
まで濃縮したもの)等乳脂肪を含有するものも用いるこ
とができる。このように脂肪/タンパク質の割合を1.
5〜2.5に調整し、澱粉及び溶融塩を添加して加熱乳
化することで、展延性及び可塑性といった機能性をチー
ズに付与することができる。また、脂肪/タンパク質の
割合が1.5未満では、澱粉を添加してもチーズの物性
が硬くなり、可塑性を発現しないので好ましくなく、脂
肪/タンパク質の割合が2.5を超えると、澱粉を添加
してもチーズを成形することが困難になるため好ましく
ない。
【0009】澱粉としては、天然澱粉又は化工澱粉のい
ずれも用いることができ、天然澱粉としては、コーン、
ポテト、ワキシーコーン、タピオカ、米等由来の澱粉を
例示することができ、化工澱粉としては、コーン、ポテ
ト、ワキシーコーン、タピオカ等を原料とし、酸処理し
た酸処理澱粉、エーテル化処理したエーテル化処理澱粉
又はエステル化処理したエステル化澱粉等を例示するこ
とができる。原料チーズに対する澱粉の添加率は、4〜
40重量%が好ましく、特に10〜20重量%が好まし
い。添加率が、4重量%未満では、目的とする可塑性及
び展延性等の機能性を付与することができず、40重量
%を超えると、チーズを乳化する際に十分に乳化が行わ
れないので好ましくない。なお、本発明では、求める最
終製品の物性に合わせて添加する澱粉の種類及び添加量
を適宜調製すればよい。
【0010】溶融塩としては、通常チーズの製造に用い
られている溶融塩であれば、いずれのものも用いること
ができ、クエン酸塩、モノリン酸塩、ジリン酸塩又はポ
リリン酸塩等を例示することができる。原料チーズに対
する溶融塩の添加率は、乳化を良好にし、さらに可塑性
や展延性といった機能性を付与するためには、0.1〜
5重量%が好ましい。添加率が0.1%未満では、乳化
が良好に行われず、組織も不均一で脆くなるので好まし
くない。添加率が5重量%を超えると、得られるチーズ
の組織が脆くなり、風味も劣化するので好ましくない。
その他、チーズの硬さを調整する目的で寒天、ゼラチン
や増粘多糖類等の安定剤を、耐熱性を強化する目的で卵
白、卵黄、ホエータンパク質、粉チーズ、再製チーズ又
はカゼイン等のタンパク質を、風味や味を調製する目的
で調味料を、チーズの色を調整する目的で着色剤等を適
量添加してもよい。
【0011】本発明では、上述の材料をサーモシリンダ
ー型、クッカー型、ケトル型、ステファン型等の乳化機
に投入し、直接蒸気又は間接加熱により70〜100℃
で加熱しながら、混練して30回転/分以上、好ましく
は100回転/分以上で加熱乳化することで目的とする
チーズを得ることができる。このようにして得られる本
発明のチーズは、低温においても展延性及び可塑性が良
好であり、耐熱保形性も有するため、餃子、焼売、春巻
き等の皮として、あるいは畜産又は水産練り製品の原
料、パン生地、麺類の生地等に練り込むことができ、各
種食品に良好なチーズ風味を付与することができる。
【0012】
【実施例】実施例1 ゴーダチーズ(タンパク質含量27%、脂肪含量28
%;6カ月間熟成)とクリームチーズ(タンパク質含量
9%、脂肪含量35%)をチーズ中の脂肪/タンパク質
の割合が、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0と
なるように混合し、原料チーズ1000gを得た。原料
チーズ1000gに対して、溶融塩としてリン酸ナトリ
ウム10g、澱粉としてコーンスターチのエステル化処
理澱粉100g、重曹10gを添加し、直接蒸気吹き込
み式チーズ乳化機に投入し、100回転/分で攪拌しな
がら、10分間で85℃に到達するように、加熱乳化を
行い、均質で流動性のある5種のチーズを得た。これら
のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内にて冷却した。
得られたチーズについて展延性、可塑性及び耐熱保形性
を評価し、付着性及び硬さを測定し、さらに風味及び組
織について官能評価を行った。なお、評価の方法を以下
に示す。 展延性の評価;チーズを20×20×20mmの立方
体に切り出し、レオメーター(NRM−2010J−C
W、山電製)を用い、20℃において90%圧縮で2m
mの厚さまで圧縮しスライス状とした。この試験を10
回繰り返し、チーズが容易に圧縮され、ひび割れのない
ものを良品とし、7回以上良品が得られたものを展延性
及び可塑性が良好とした。 可塑性の評価;チーズを20×20×20mmの立方
体に切り出し、レオメーター(NRM−2010J−C
W、山電製)を用い、20℃において90%圧縮で2m
mの厚さまで圧縮しスライス状とした。この試験を10
回繰り返し、チーズが容易に圧縮され、元の形状に戻ら
ないものを良品とし、7回以上良品が得られたものを可
塑性が良好とした。 耐熱保形性の評価;20×20×20mmの立方体に
切り出したチーズを600ワットのオーブントースター
内で5分間加熱し、加熱後のチーズの高さを測定して耐
熱保形性の指標とした。このとき、高さが15mm以上
のものを耐熱保形性が良好とした。 付着性及び硬さの測定;チーズを10×10×10m
mの立方体に切り出し、レオナー (NRM−2010J
−CW、山電製) を用い、20℃において80%圧縮で
2度の圧縮試験を行った。この測定により得られた応力
・歪み曲線から、稲垣敏夫らの方法(日獣畜大研報,3
5,219(1986))に従って、チーズの付着性及
び硬さを算出し、付着性をgf・cm、硬さをgfで表
した。なお、付着性は値が大きいほど付着性が高く、本
発明においては付着性が30〜60gf・cmのときに
良好な展延性及び可塑性を示し、硬さは値が大きいほど
硬い性質を示し、本発明においては500〜1500g
が硬さとして好ましい。 官能評価;熟練した5人のパネラーにチーズをそれぞ
れ5gずつ食してもらい、風味及び組織について、5
点;非常に良好、4点;良好、3点;どちらでもない、
2点;悪い、1点;非常に悪いの5段階で評価し、その
平均点で示した。なお、小数点第2位を四捨五入した。 展延性、可塑性、耐熱保形性、付着性及び硬
さ、官能評価の結果を表1に示す。
【0013】
【表1】 ───────────────────────────────── 脂肪/タンパク質の割合 ─────────────────────── チーズ品質 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 ───────────────────────────────── 展延性 不良 良好 良好 良好 良好 可塑性 不良 良好 良好 良好 不良 耐熱保形性(mm) 20 20 20 15 10 付着性(gf・cm)10 30 50 50 60 硬さ(gf) 3000 1500 1100 600 200 風 味 2.5 4.8 4.9 4.8 4.6 組 織 2.9 4.8 4.9 4.8 2.8 ─────────────────────────────────
【0014】脂肪/タンパク質の割合が、1.5〜2.
5のとき、良好な展延性及び可塑性を示した。付着性及
び硬さも好ましい値を示し、耐熱保形性も良好であっ
た。また、スライス状に薄く延ばし、折り曲げたとこ
ろ、脂肪/タンパク質の割合が1.5〜2.5のもので
は割れたり折れたりせず折り曲げることができた。
【0015】実施例2 実施例1で得られた5種のチーズを薄く延ばし、10×
10cmの大きさにして肉、野菜等をみじん切りにして
調味した中種10gを包み、180℃の油で油ちょうを
試みた。すると、脂肪/タンパク質の割合が1.5〜
2.5のものではチーズが溶融せずに、揚げ餃子が得ら
れた。一方で、脂肪/タンパク質の割合が1.5未満又
は2.5を超えると、包む際にチーズにひび割れが生
じ、油ちょうした際も溶融し、好ましくなかった。
【0016】実施例3 チェダーチーズ(タンパク質含量25%、脂肪含量35
%;10カ月熟成)500g及びクリームチーズ(タン
パク質含量9%、脂肪含量35%)500gを混合し、
脂肪/タンパク質の割合が2.1である原料チーズ10
00gを得た。原料チーズ1000gに対して、溶融塩
としてリン酸ナトリム30g、重曹10g、澱粉として
エステル化処理及びアセチル化処理したポテト化工澱粉
を0、10、40、100、400、500g添加し、
実施例1と同様の方法で加熱乳化を行い、均質で流動性
のある6種のチーズを得た。これらのチーズをカートン
に充填し冷蔵庫内にて冷却した。得られたチーズについ
て展延性、可塑性及び耐熱保形性を評価し、付着性及び
硬さを測定し、さらに風味及び組織について官能評価を
実施例1と同様の方法で行った。評価の結果を表2に示
す。
【0017】
【表2】 ─────────────────────────────────── 澱粉の添加率(重量%) ────────────────────────── チーズ品質 0 1 4 10 40 50 ─────────────────────────────────── 展延性 不良 不良 良好 良好 良好 不良 可塑性 不良 不良 良好 良好 良好 不良 耐熱保形性(mm) 5 7 20 20 20 20 付着性(gf・cm) 5 5 40 40 40 30 硬さ(gf) 500 700 1000 1000 1300 1800 風味 4.5 4.6 4.7 4.8 4.8 4.6 組織 2.5 2.3 4.6 4.9 4.7 2.3 ────────────────────────────────────
【0018】澱粉の添加率が4〜40重量%のとき、良
好な展延性及び可塑性を示した。付着性及び硬さも好ま
しい値を示し、耐熱保形性も良好であった。また、スラ
イス状に薄く延ばし、折り曲げたところ、澱粉の添加率
が4〜40重量%のものでは割れたり折れたりせず折り
曲げることができた。
【0019】実施例4 実施例3で得られた6種のチーズを薄く延ばし、10×
10cmの大きさにして肉、野菜等をみじん切りにして
調味した中種10gを包み、180℃の油で油ちょうを
試みた。すると、澱粉の添加率が4〜40重量%のもの
ではチーズが溶融せずに、揚げ餃子が得られた。一方
で、澱粉の添加率が4重量%未満では、チーズが割れた
り、折れたりして中種を包むことができず、また40重
量%を超えると、乳化時に澱粉が完全に溶解せずに不均
一で脆い組織のチーズとなり、中種を包餡することがで
きなかった。
【0020】実施例5 モッツァレラチーズ(タンパク質含量25%、脂肪含量
21%)500gとクリームチーズ(タンパク質含量9
%、脂肪含量35%)500gを混合し、脂肪/タンパ
ク質の割合が1.6である原料チーズ1000gを得
た。原料チーズ1000gに対して、澱粉としてアセチ
ル化処理したタピオカ澱粉100g、重曹10g、溶融
塩としてリン酸ナトリウムを0、1、10、50、60
g添加し、実施例1と同様の方法で加熱乳化を行い、均
質で流動性のある5種のチーズを得た。これらのチーズ
をカートンに充填し冷蔵庫内にて冷却した。得られたチ
ーズについて展延性、可塑性及び耐熱保形性を評価し、
付着性及び硬さを測定し、さらに風味及び組織について
官能評価を実施例1と同様の方法で行った。評価の結果
を表3に示す。
【0021】
【表3】 ────────────────────────────────── 溶融塩の添加率(重量%) ───────────────────── チーズ品質 0 0.1 1.0 5.0 6.0 ────────────────────────────────── 展延性 不良 良好 良好 良好 不良 可塑性 不良 良好 良好 良好 良好 耐熱保形性(mm) 5 15 20 20 20 付着性(gf・cm) 5 40 55 40 30 硬さ(gf) 800 700 900 900 800 風味 (官能) 1.9 4.8 4.7 4.5 2.2 組織 (官能) 2.1 4.7 4.9 4.7 3.8 ─────────────────────────────────
【0022】溶融塩の添加量が0.1〜5重量%のと
き、良好な展延性及び可塑性を示した。付着性及び硬さ
も好ましい値を示し、耐熱保形性も良好であった。ま
た、スライス状に薄く延ばし、折り曲げたところ溶融塩
の添加量が0.1〜5重量%のものでは、割れたり折れ
たりせず折り曲げることができた。
【0023】実施例6 実施例5で得られたチーズ5種のチーズを薄く延ばし、
10×10cmの大きさにして肉、野菜等をみじん切り
にして調味した中種10gを包み、180℃の油で油ち
ょうを試みた。すると、溶融塩の添加率が0.1〜5重
量%のものでは、チーズが溶融せずに、揚げ餃子が得ら
れた。一方で、溶融塩無添加の場合は、乳化時にオイル
オフを生じ乳化を良好に行うことができず、チーズの組
織も不均一で脆くなった。また、溶融塩の添加率が5.
0重量%を超えると、チーズ組織は良好なものの、添加
した溶融塩の風味が強く、風味の点で好ましくなかっ
た。
【0024】実施例7 実施例3で調製した澱粉の添加量が10重量%のチーズ
を麺棒で展延し、厚さ2mmのスライスチーズとし、こ
のスライスチーズに挽き肉とみじん切りにした野菜の混
合物10gを餃子のように包み、180℃に熱したホッ
トプレートで15分間焼成した。これを食したところ、
チーズの風味と中の具剤の風味が調和して非常に良好な
ものであった。
【0025】実施例8 実施例1で調製した脂肪/タンパク質の割合が2.0の
チーズに強力粉300g、水200gを、イースト6g
を練り込み、チーズ風味のパン生地を得、これを常法に
て第一次発酵の後、ガス抜きを行い、適当な大きさに成
型して第二次発酵をした後200℃のオーブンで20分
間焼成した。これを食したところ、チーズの風味が良好
で、食感も好ましいチーズブレッドが得られた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、低温においても従来の
チーズにないような良好な展延性及び可塑性を有するチ
ーズを提供することができる。また、本発明のチーズは
良好な展延性及び可塑性を有するとともに、耐熱保形性
を有するため、餃子、焼売、春巻きの皮の様に他の食材
を包み込んで、加熱調理することができ、また、フード
プロッセッサー等を用いて畜産又は水産練り製品の原
料、パン生地、麺類の生地等に容易に練り込むこともで
き、各種食品に良好なチーズ風味を付与することができ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 重勝 埼玉県比企郡鳩山町松ケ丘2−4−13 Fターム(参考) 4B001 AC03 AC40 DC01 EC04 4B036 LE04 LF11 LF13 LH12 LH39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪/タンパク質の割合が1.5〜2.
    5であり、澱粉及び溶融塩を含有していることを特徴と
    する展延性及び可塑性を有するチーズ。
  2. 【請求項2】 澱粉の含有率がチーズに対して4〜40
    重量%であり、溶融塩の含有率が0.1〜5重量%であ
    る請求項1記載のチーズ。
  3. 【請求項3】 脂肪/タンパク質の割合が1.5〜2.
    5である原料チーズ又は脂肪/タンパク質の割合を1.
    5〜2.5に調整した原料チーズに対して、澱粉を4〜
    40重量%及び溶融塩を0.1〜5重量%となるように
    添加して、加熱乳化することを特徴とする展延性及び可
    塑性を有するチーズの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のチーズを展延
    し、中種を包餡してなる包餡食品。
JP28105198A 1998-10-02 1998-10-02 チーズ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3308914B2 (ja)

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