JP6758822B2 - 包餡食品の皮用組成物、包餡食品の皮、及び包餡食品、並びに生包餡食品の皮の軟化を抑制する方法 - Google Patents
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(1)増粘多糖類をさらに含む。
(2)活性グルテンをさらに含む。
(1)及び/又は(2)により、生包餡食品の形態において、さらに高い強度の包餡食品の皮を有する包餡食品を製造することができる。
本発明の包餡食品の皮用組成物は、穀粉を含む原料粉を含有する。本発明において、原料粉に含まれる穀粉は、通常、小麦粉を含む。小麦粉としては、どのような種類の小麦粉を用いてもよく、例えば、強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、セモリナ粉等を適宜使用することができる。本発明において、穀粉は、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、米粉、そば粉、大豆粉等の小麦粉以外の穀粉を含んでいてもよい。本発明において、原料粉は、穀粉の他、後述するその他の組成物の材料の内、澱粉;たん白素材;粉末油脂等の粉体材料のことを意味し、食塩、かんすい、アルコール製剤等の水に可溶な材料、液状の材料は含まない。本発明の組成物は、柑橘類由来及び/又は大豆由来の食物繊維を、原料粉の質量を基準として、0.8〜4.5質量%含有することを特徴とする。この組成物を用いることで、皮の調製の際に加水量を少なくする、皮の厚さを厚くするといった調整をせずに、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で長時間保存しても、軟化し難く、且つ食感が良好な包餡食品の皮を有する包餡食品を製造することができる。この要因としては、明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、柑橘類由来の食物繊維は、スポンジ様の繊維構造を有するため、極めて高い水分保持力を有する。また、大豆由来の食物繊維も高い保水性を有する。包餡食品の皮が、上記食物繊維を適切な範囲で含むことで、上記食物繊維が、生包餡食品の形態で保存中に餡から皮へ移行する水分を吸収・保持し、包餡食品の皮を構成するグルテンやでん粉に水分が移行することを抑制し、且つ包餡食品の皮の物性に悪影響を与え難いためと考えられる。後述する実施例に示す通り、上記食物繊維以外の食物繊維では、上記の効果が得られず、また、上記食物繊維の配合量が、上記範囲より少ない場合は、皮の軟化を抑制する効果が低く、上記範囲より多い場合は、皮の軟化は抑制されるものの皮の食感が低下する。上記食物繊維の含有量は、原料粉の質量を基準として、好ましくは1.0〜4.0質量%、さらに好ましくは1.5〜3.5質量%、特に1.7〜3.0質量%である。
本発明の包餡食品の皮は、本発明の組成物、及び水を含む生地からなる包餡食品の皮である。上述の通り、本発明の組成物から調製した包餡食品の皮を用いることで、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で長時間保存しても、軟化し難く、且つ食感が良好な包餡食品の皮を有する包餡食品を製造することができる。本発明の包餡食品の皮の調製は、常法にしたがって行なうことができる。例えば、まず、本発明の組成物を混練機に入れ、撹拌しながら所定量の水を添加して、生地がそぼろ状になるまで混練する。なお、必要に応じて、組成物の一部の材料については、添加する水に溶解するか、又は分散させてから添加してもよい。その後、そぼろ状の生地を製麺機のロールに通して圧延する。ロールによる圧延は、複数回繰り返しても良く、最終的に所望の厚さの麺帯を得る。得られた麺帯を切断するか、型抜きをして包餡食品の皮を調製する。生地に添加する水の量(加水量ともいう)は、本発明の包餡食品の皮が調製できれば、特に制限はなく、生地の状態を見て、適宜調整することができる。上述の通り、従来技術では、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で保存、流通、及び/又は販売される包餡食品の場合は、餡の水分の皮への移行を考慮して、皮の調製の際に加水量を少なくする手段で、皮の軟化を防ぐことが行なわれることがあるが、この場合、十分なグルテン形性ができずに、加熱調理後の皮の食感が悪くなる場合がある。本発明の包餡食品の皮であれば、冷蔵温度帯で長時間保存しても、軟化し難いため、皮の調製の際に加水量を少なくする必要はなく、通常の加水量、又は通常より多い加水量で調製でき、良好な食感の包餡食品の皮とすることができる。
本発明の包餡食品は、本発明の包餡食品の皮、及び前記包餡食品の皮に包まれた餡を含む包餡食品である。本発明の包餡食品の製造は、常法にしたがって行なうことができる。例えば、本発明の包餡食品の皮に餡を包み、生包餡食品を調製する。その後、必要に応じて焼き調理、蒸し調理、茹で調理等の加熱調理を行う。包餡食品の商品形態としては、生包餡食品の調製後、加熱調理前の未加熱の状態で、冷蔵、又は冷凍した形態であってもよく、加熱調理後の出来立ての状態、又は冷蔵若しくは冷凍保存した形態であってもよい。本発明の包餡食品は、上述の通り、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で長時間保存しても、軟化し難く、且つ食感が良好な包餡食品の皮を有する包餡食品なので、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で保存、流通、及び/又は販売される包餡食品であることが好ましい。本発明において、餡は、包餡食品の種類によって異なるが、一般に、粗く若しくは細かく刻んだキャベツ、ネギ、にら、玉ねぎ、ニンニク、ニンジン等の野菜類、小豆、緑豆等の豆類、牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類、エビ、帆立貝等の魚介類、鶏卵等の卵類、チーズ等の乳製品、リンゴ等の果実類、醤油、食塩、砂糖等の調味料等を混練したものである。なお、本発明の包餡食品には、上記餡に加えて、又は餡に代えて、豚の角煮等の肉類やエビ等の魚介類等の大きめな具材を包餡食品の皮に包んだものも含む。本発明の包餡食品としては、特に制限はなく、例えば、餃子、ワンタン、シュウマイ、ラビオリ等が挙げられる。
本発明の方法は、加熱調理前の未加熱の状態の包餡食品(すなわち、生包餡食品)を、冷蔵温度帯で保存した際の包餡食品の皮の軟化を抑制する方法であって、前記包餡食品の皮が、柑橘類由来及び/又は大豆由来の食物繊維を含有することを特徴とする方法である。上述の通り、柑橘類由来及び/又は大豆由来の食物繊維を包餡食品の皮に含有させることで、生包餡食品の形態で、冷蔵温度帯で長時間保存した場合であっても、餡の水分の移行による皮の軟化を抑制することができる。柑橘類由来及び/又は大豆由来の食物繊維の好ましい含有量は、上述の通りである。
1.餃子の製造方法
(1)餃子の皮の調製方法
包餡食品として餃子を選択し、まず、表1〜4に示した各実施例、比較例及び参考例の配合で餃子の皮を調製した。具体的には、各材料の内、食塩、アルコール製剤、水以外の材料を合計1kgになるように混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、混合した後、所定の量の食塩、アルコール製剤、及び水を混合したものを混練機中へ投入し、さらに混練し、そぼろ状の生地を調製した。その後、そぼろ状の生地を製麺機の圧延ロールに掛け(8号ロール1回、6号ロール2回)麺帯を調製した。得られた麺帯を型でくり抜き、餃子の皮(直径90mm、厚さ0.8mm)を調製した。
(2)餃子の製造方法
豚挽き肉200質量部、ラード30質量部を混合し、ごま油25質量部、醤油25質量部、酒15質量部、おろしニンニク2質量部、おろしショウガ2質量部、及びコショウ少々を加えてさらに混合し、キャベツ(脱水処理(5〜7mmの角切りにし、1質量%の食塩を振って混ぜた後、1時間放置後、水分を搾った(歩留まり約80質量%))後)400質量部、及び刻んだニラ400質量部を加えて軽く混合して、餡を調製した。(1)で調製した皮を用いて、上記餡(15g)を包み、各例10個の生餃子を調製した。
(1)皮の伸び、破れの評価
仕切りつきトレーに打ち粉(粉雪AL(昭和産業株式会社製))約3gを振った後、得られた各生餃子を、1個ずつトレーに並べ、さらに打ち粉約3gを振った。これをラップで包みチルド温度帯(0〜5℃)で保存した。3日後(D+3)(及び5日後(D+5))に各生餃子の皮の伸び、破れを以下の評価方法で評価した。すなわち、まず、静置状態で生餃子のミミ(餃子の皮の結着部分)の長さを測定する。次いで、ミミを摘んで、生餃子をトレーから持ち上げ、トレーから持ち上がった時点でのミミの長さを測定し、静置状態との差を、皮の伸び(mm)とした。なお、ミミを摘んで生餃子を持ち上げたとき、トレーから離れずに、皮が破けた場合は、破れた個数としてカウントするとともに、その時点での長さを測定した。皮の伸びは、各例10個の平均値を算出した。
(2)食感
上記保存試験における3日後の生餃子については、焼き餃子を作製して、餃子の皮の食感を評価した。すなわち、200℃に加熱したフライパンに2gの油を引き、生餃子6個を置き、1分間加熱後、水140ml添加し、蓋をして約4分間加熱した。その後、蓋をはずして240℃まで加熱した後、餃子を取り出し、餃子の皮の食感を以下の評価基準で評価した。
◎:硬さ、粘り、弾力のバランスが非常によく非常に良好な食感である。
○:適度な硬さ、粘り、弾力があり良好な食感である。
△:やや硬さ、又はややざらつきが感じられるが、許容範囲である。
×:硬さ、又はざらつきが強く非常に食感が悪い。
他の包餡食品として、ワンタンを選択して評価した。実施例15として、実施例1の配合で、上記餃子の皮と同様な方法でそぼろ状の生地を調製し、製麺機のロールに通して圧延して得られた麺帯を切断してワンタンの皮(80mm角、厚さ0.6mm)を調製した。また、豚鶏合挽き肉60質量部、玉ねぎ30質量部、調味料類4質量部、澱粉4質量部、ラード2質量部を混合し、ペースト状にして餡を調製した。次いで、上記で調製した皮を用いて、上記餡(6g)を包み、約11gの生ワンタンを、10個調製した。また、参考例5として、実施例15と同様の方法により、参考例1の配合で調製したワンタンの皮を用いて、上記餡を包み、生ワンタンを10個調製した。これらの生ワンタンを用いて、実施例1と同様の方法でチルド温度帯保存3日後の皮の破れの評価を行ったところ、実施例15の生ワンタンは皮の破れは0個であったのに対し、参考例5の生ワンタンの皮の破れは5個であった。
Claims (6)
- 穀粉を含む原料粉を含有する包餡食品の皮用組成物であって、柑橘類由来の食物繊維を、前記原料粉の質量を基準として、0.8〜4.5質量%含有し、
前記包餡食品が、加熱調理前の未加熱の状態で、冷蔵又はチルド温度帯で保存、流通、及び/又は販売される包餡食品であることを特徴とする組成物。 - 増粘多糖類をさらに含む請求項1に記載の組成物。
- 活性グルテンをさらに含む請求項1又は2に記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物、及び水を含む生地からなる包餡食品の皮。
- 請求項4に記載の包餡食品の皮、及び前記包餡食品の皮に包まれた餡を含む包餡食品。
- 加熱調理前の未加熱の状態の包餡食品を、冷蔵又はチルド温度帯で保存した際の包餡食品の皮の軟化を抑制する方法であって、
前記包餡食品の皮が、
穀粉を含む原料粉を含有する包餡食品の皮用組成物であり、
柑橘類由来及び/又は大豆由来の食物繊維を、前記原料粉の質量を基準として、0.8〜4.5質量%含有し、
前記包餡食品が、加熱調理前の未加熱の状態で、冷蔵又はチルド温度帯で保存、流通、及び/又は販売される包餡食品である組成物、及び水を含む生地からなる包餡食品の皮であることを特徴とする方法。
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