JP2004000034A - 膨化食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有する乾燥こんにゃく加工品を、油ちょう、焼成、焙煎、ボイル、スチーム等の加熱処理を行うことにより膨化する。乾燥こんにゃく加工品につなぎ剤を添加し、結着させて、塊状、板状など任意の形状に集合せしめてから、加熱処理し膨化する。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリスピーな食感を有する膨化食品に関する。更には、例えば、該膨化食品が、塊状、板状など任意の形状に集合せしめられてなる膨化食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品に粒あられ様・かみなりおこしの粒のような膨化食品を得る手段としては、米、麦類、粟、ヒエ、トウモロコシなどの穀粒やその破砕物、あるいはそれらに加水して得られる例えば炊飯米や粒状に成型したもち生地に、急激な加熱を行って内部の水分を爆発的に蒸発せしめるときに発生する膨圧によってポーラスな膨化物にすることが古くから行われている。
【0003】
しかしながら、これらの手段では、原料穀物特有の風味があり、確かにこの風味が積極的に活用されてきたものではあるが、反面その風味との適合性において味付けのバリエーションが制約される問題点があり、現代の食品市場における多様な風味のニーズに充分に対応できないものであった。
【0004】
さらに、穀類には小麦などアレルゲンを含むものが多く、食の安全という観点から、万人がより安心して受け入れられる素材の使用が求められている。
【0005】
一方、本発明で採用される素材であるこんにゃくは、古来から、主に特有の食感を有するゲルに加工され食されてきたものであり、さらにこれを米粒状に加工してご飯に混合してカロリーの低減や食物繊維の補給をはかることや、ゲルを乾燥して流通上の便宜を高めるなどの利用技術が知られている。また、こんにゃくを混合するスナック食品として、粒度が100メッシュ以下のコンニャク微粒子をフライスナック当たり1〜50重量%配合したことを特徴とするポテトフライスナックが記載され、極低カロリーの健康食品的性格を有するスナック菓子食品として有用である(特開平10−295279号公報)とされているが、こんにゃくを特定粒度以下に微粒子化して用いることにより、一般にこんにゃくを配合したポテトフライスナックの食感が著しく硬く賞味不適である欠点を改善する技術であり、こんにゃく自体の有する食感を活かしているものではない。
【0006】
こんにゃく粉やその加工品自体が付与する食感を活かして食品に粒状の食感を付与する方法としては、粒状こんにゃくを製造する方法(特開平5−54号公報、特開平3−49653号公報)がある。これらも、生のこんにゃくであるため保存性が悪く取り扱いが不便である。そこで、こんにゃくを乾燥するという方法も種々検討されており、主原料がこんにゃく粉と澱粉及び不溶性カルシウムのこんにゃくゾルからなる加工食品が、乾燥米粒状こんにゃくとなることが記載されている(特開平7−265011号公報)。乾燥こんにゃく等のこんにゃく加工品そのものの膨化現象または膨化加工技術、およびそれを積極的に利用する技術は従来知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、穀類を用いずに、こんにゃく粉加工品を用いて、粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感を有する膨化食品を提供することを目的にする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、粉末状ないしは粒状の乾燥こんにゃく加工品を加熱処理して膨化することにより、粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感を有する膨化食品ができることを見つけた。
【0009】
更に、前記乾燥こんにゃく加工品につなぎ剤を添加し、結着させてから加熱処理し膨化することで、中華おこげのようなカリカリとした食感を有し、例えば、中華あん等の液状食品中にかけた後もカリカリとした食感を維持することができる膨化食品となることを見つけた。
【0010】
すなわち本発明は、以下の態様を有する;
項1.乾燥こんにゃく加工品を、加熱処理し膨化することを特徴とする膨化食品。
項2.乾燥こんにゃく加工品につなぎ剤を添加し、結着させてから加熱処理し膨化することを特徴とする膨化食品。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の膨化食品は、乾燥こんにゃく加工品を、加熱処理し膨化することを特徴とする。
【0012】
本発明で使用する乾燥こんにゃく加工品は、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工されたものであり、加熱処理により膨化するものであればどの様な製造方法で製造されたものでもよい。好ましい製造方法として、コンニャク芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
【0013】
前述の通り、本発明の乾燥こんにゃく加工品は、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するものであるが、加熱処理により好ましく膨化させるためには、0.21〜10mm、より好ましくは、0.21〜4mm、更に好ましくは、2〜4mmの粒径を有する粒状・粉末状のものや、糸こんにゃくを乾燥させたような、粒径0.5〜2mm程度の糸状の形状のものが好ましい。この粒径を有する粒状・粉末状或いは糸状の乾燥こんにゃく加工品を使用することで、所望の粒あられ様・かみなりおこしの粒のような、或いはひも状の新規な形状を有する、いずれも好ましいクリスピーな食感となり、また、乾燥こんにゃく加工品を使用する副次的な効果として、製造時の取り扱いも容易となったものである。
【0014】
このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート100,200,300,400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
【0015】
本発明の加熱処理方法としては、油ちょう、焼成、焙煎、ボイル、スチーム等の処理が挙げることができ、加熱により膨化出来る方法であれば特に制限されない。これら加熱処理工程のうち、1工程のみ行っても良いし、2工程以上を組み合わせて行っても良い。膨化の度合いとしては、粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感となれば良く、例えば、加熱処理前後の体積で比較すると、1.1〜5倍となるのが好ましいが、加熱処理の際、加圧して行うことにより、前述の倍率以上に劇的に膨化させる方法により製造しても構わない。
【0016】
中でも、特に、油ちょうによる加熱処理方法が好ましい。油ちょうすることにより、適度に膨化し、粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感を有する好ましい膨化食品となるからである。油ちょうの方法としては、コーンサラダ油、胡麻油、ラード等の油を170〜190℃として、1〜3分間程度油ちょうする方法を挙げることができる。更に、加熱処理工程を組み合わせて行う方法として、スチーム工程を経て、油ちょう工程を行う方法を挙げることができる。なお、前記加熱処理方法に代えて、加水(どぶづけ)により膨潤(膨化)する方法を行ってもよい。
【0017】
更には、本発明は、前記こんにゃく粉加工品に、つなぎ剤を添加して結着させてから加熱処理を行うことにより、おこげ様、かみなりおこし様の食品とすることが出来る。
【0018】
つなぎ剤としては、食品の結着に用いられているものを使用することが出来る。例えば、小麦粉、加工澱粉、未加工澱粉、卵白、卵黄、全卵等の卵由来の蛋白質、小麦やその他植物由来の蛋白質等から単独あるいは適宜組み合わせて用いることが出来るが、好ましくは、澱粉、小麦粉やこれらの組合せである。これらつなぎ剤は、市販されており、例えば、千葉製粉株式会社製のKGパウダーシリーズ、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のエスプローゲンM−285等を使用することが出来る。
【0019】
また、こんにゃく粉加工品につなぎ剤を添加する場合、他の食品、食品添加剤等を加えてから結着させても構わない。他の食品として、野菜、果物等のチップ、クルトン、クッキー等の生地、胡麻等を挙げることができる。また、食品添加剤としては、砂糖、トレハロース等の糖類、スクラロース等の高甘味度甘味料、糖アルコール等の低甘味度甘味料、食塩、増粘多糖類、色素、香料、調味料、乳化剤、日持ち向上剤、蛋白質製剤、機能性素材(鉄、カルシウム等のミネラル、米ぬか抽出物等)を挙げることができる。
【0020】
本発明の膨化食品は、そのまま、あられ、スナック等の菓子、中華おこげ様食品等として、そのまま食することも出来るし、あらゆる食品に添加して、粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感を付与することも出来る。また、スナックシーズニング等調味料やその他添加剤を加えて、調味しても構わない。適応食品としては、米粒のような粒状の食感にマッチした食品であれば良い。例えば、冷菓;チューイングガム、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、ゼリービーンズ等を含む菓子一般;ヨーグルト、ゼリー、プディング及びムース等のデザート類:クッキー、ケーキ、饅頭等の洋菓子・和菓子を含む焼菓子や蒸菓子等の製菓:果実フレーバーソースやチョコレートソースを含むソース類;バタークリームや生クリーム等のクリーム類;イチゴジャムやマーマレード等のジャム;菓子パン等を含むパン;柑橘果汁や野菜果汁等を含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジンジャエール又はサイダー等の炭酸飲料、スポーツドリンク等の清涼飲料水、コーヒー、紅茶や抹茶等の茶系飲料、ココアや乳酸菌飲料等の乳飲料などの飲料一般;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼き等に用いられるタレやトマトケチャップ等のソース類、麺つゆ、ノンオイルドレッシング等の調味液;分離型ドレッシング、乳化型ドレッシング等のドレッシング類;ラーメン、うどん、スパゲティ、そば等の麺類、即席麺類;蒲鉾等の練り製品、ハム、ソーセージ等の食肉製品;ふりかけ、漬け物、佃煮;その他、惣菜、レトルト食品等の常温流通可能品、冷蔵、冷凍食品等を含む農畜水産加工品を広く例示することができる。
【0021】
最終食品中に本発明の膨化食品を添加する場合の最終食品中に対する添加量は、適応食品に応じて適宜調整することができるが、最終食品100重量部に対して、1〜80重量部を例示することができる。
【0022】
本発明により、所望の粒あられ様・かみなりおこしの粒のような好ましいクリスピーな食感が付与された膨化食品が提供できるようになった。また、更に、つなぎ剤を添加して結着させることにより、前記食感を有する中華おこげ様の膨化食品となり、中華あん等の調味液をかけた後、しばらくおいても、クリスピーでカリカリとした食感を維持できるおこげあんかけ等の中華おこげ様食品が提供できるようになった。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を示す。
【0024】
実施例1:膨化食品の調製
平均粒径が3mmの粒状の乾燥こんにゃく加工品(商品名サンスマート200*)を190℃1分間油ちょうし、粒状あられ様の膨化食品1を得た。
【0025】
また、平均粒径1〜4mmの楕円粒状の乾燥こんにゃく加工品(商品名マンナンヒカリ、販売者:大塚食品株式会社)を同様条件で油ちょうし、米粒用の膨化食品2を得た。
【0026】
比較例として、生米、炊いた米をそれぞれ同様条件で油ちょうし、米加工品1、米加工品2を得た。
【0027】
それぞれ食したが、膨化食品1及び2は、クリスピーな食感が付与された膨化食品となった。中でも、膨化食品1は、カリカリとしてクリスピーな新規な食感の膨化食品となった。それに対して、米加工品1はほとんど膨化が見られず食してもボソボソとしており、米加工品2はベチャベチャしており、両者ともクリスピーな食感ではなかった。
【0028】
実施例2:おこげあんかけの調製
水とつなぎ剤を混合し、こんにゃく粉加工品、米ぬか抽出物を添加・混合して、3mmの厚さにのばしたものを、98℃3分間スチームし、室温にて冷却後、3cm角にカットし、180℃2分間油ちょうして、おこげ様食品を作成した。また、下記調味液処方に従い、常法通り調味液を作製し、あんかけ部配合にてアルミパウチ充填後、レトルト殺菌(121℃15分/100g)を行い、中華あんを調製した。
【0029】
おこげ様食品処方
処方 部
こんにゃく粉加工品(サンスマート200*) 100
つなぎ剤(KGパウダーR;千葉製粉製) 5
米ぬか抽出物(RICEO−EX;筑野食品工業製) 2
水 20
計 125
【0030】
中華あん
調味液処方
濃口醤油 1.5
魚醤(マリナーシ゛M−15;エムシ゛ーシー・マリナーシ゛製) 1.5
食塩 1.2
スクラロース(サンスイートSU−100*) 0.005
調味料(サンライク中華醤*) 1
調味料(サンライクアミノベーススーパー(N)*) 0.5
調味料(サンライクポークRX−22*) 0.5
調味料(ジャンウェイハオジャン*) 0.5
調味料(サンライクチキンエンハンサー1210P*) 0.4
ホワイトペパー 0.02
加工澱粉(ノヘ゛ーション2300;日本エヌエスシー製) 3
増粘剤(ビストップTAR*) 0.2
香料(ネギオイルSV−3259*) 0.15
水にて 100
【0031】
あんかけ部
上記調味液 70
豚モモスライス(カット、3分ボイル) 10
ニンジン(カット、3分ボイル) 10
タケノコ(水煮→カット) 5
シイタケ(水煮→カット) 5
合計 100
【0032】
このおこげ様食品に温めた中華あんをかけて、1時間おいたが、おこげ内部にカリカリとした食感を維持することが出来、良好なおこげあんかけとなった。
【0033】
比較例として、市販されているお米の中華おこげを用い、上記中華あんをかけたが、15分程度でおこげがふやけてしまい、カリカリとした食感を維持することが出来なかった。
【0034】
実施例3:クッキーの調製
下記処方のうち、マーガリン、香料を万能混合機でビーターを用いて126rpm、1分30秒間混合し、上白糖を加え、3分間混合する。さらに卵黄を少量ずつ添加し、充分に混合し、薄力粉、ココアパウダー、膨張剤、大豆食物繊維の粉体混合物を加え、更に、実施例1の粒状膨化食品を添加し、10℃の冷蔵庫で30分間寝かせた後、厚さ約5mmに圧延し、型抜きし、天板2枚、上下170℃のオーブンで16分間焼成し、クッキーを調製した。
【0035】
処方 部
薄力粉 80
上白糖 45
ココアパウダー 20
無着香マーガリン 60
卵黄 10
膨張剤(サンオーバーO−62*) 0.6
大豆食物繊維(SM−700*) 0.5
香料(サンアロマチョコレートNO.80704(N)*) 0.4
実施例1粒状あられ様の膨化食品1 40
計 265.5
【0036】
実施例4:鮭茶漬けの素の調製
下記の処方のものを混合して、1袋7.5gとなるように個包装して、袋入り鮭茶漬けの素を調製した。ごはん1杯(160g)に鮭茶漬けの素1袋及び98℃のお湯をかけて食したが、本発明の膨化食品はカリカリとしたあられ様の食感が維持されていた。
【0037】
処方 部
Yふりかけ塩茶顆粒(極東化成工業製) 47.5
実施例1粒状あられ様の膨化食品1 21
鮭フレークNO.323(焼津水産化学製) 17
きざみのり 8
調味料(サンライクホンブシ60*) 6.5
計 100
Claims (2)
- 乾燥こんにゃく加工品を加熱処理し膨化することを特徴とする膨化食品。
- 乾燥こんにゃく加工品につなぎ剤を添加し、結着させてから加熱処理し膨化することを特徴とする膨化食品。
Priority Applications (1)
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JP2004000034A true JP2004000034A (ja) | 2004-01-08 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007202484A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Sanei Gen Ffi Inc | ゲル組成物及びその製造方法 |
JP2008211987A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Kagome Co Ltd | 膨化食品の製造方法 |
CN101124989B (zh) * | 2007-09-28 | 2010-12-29 | 西安力邦临床营养有限公司 | 一种膨化高膳食纤维食品 |
CN113057338A (zh) * | 2021-04-27 | 2021-07-02 | 四川森态源生物科技有限公司 | 一种促进肠蠕动的蒟蒻方便面及其加工方法 |
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2002
- 2002-05-30 JP JP2002157927A patent/JP2004000034A/ja active Pending
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