JP3097079U - 包子類 - Google Patents
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Abstract
【課題】小籠包(シャオロンパオ)、しゅうまい等の包子(パオズ)類は、蒸気による長時間の加温により、中の具の水分が生地に移行して、生地が柔らかくなったり、破れたりし、具のジューシー感を保つことができない。
【解決手段】小麦粉を主成分とする生地4を2枚用意する。この生地4の片面にアルカリ性カードラン水溶液を塗布後、PH1〜4の酸性水溶液をスプレー処理してカードランの処理面5を作る。この処理面5を内側にして2枚の生地4を重ね合わせて重ね生地2にする。こうした重ね生地2で具3を包んで包子類1にする。重ね合わせる生地4の一方は、カードラン膜を形成しないものでもよい。また、上記カードラン膜に替えて生地4の片面にアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布後、カルシウム水溶液をスプレーして、水不溶性のアルギン酸カルシウムの処理面を形成することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】小麦粉を主成分とする生地4を2枚用意する。この生地4の片面にアルカリ性カードラン水溶液を塗布後、PH1〜4の酸性水溶液をスプレー処理してカードランの処理面5を作る。この処理面5を内側にして2枚の生地4を重ね合わせて重ね生地2にする。こうした重ね生地2で具3を包んで包子類1にする。重ね合わせる生地4の一方は、カードラン膜を形成しないものでもよい。また、上記カードラン膜に替えて生地4の片面にアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布後、カルシウム水溶液をスプレーして、水不溶性のアルギン酸カルシウムの処理面を形成することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、食品の包子(パオズ)類に関し、特には、蒸気による長時間の加温に耐え得る包子類に関する。
本考案における包子類とは、小籠包(シャオロンパオ)、肉まんじゅう、餡まんじゅう、蒸しぎょうざ、しゅうまいその他の小麦粉を主成分とする生地によって、肉類、魚介類、野菜類、餡類などを材料とする具を包み、蒸気により加熱する食品を指す。
【0002】
【従来の技術】
包子類は、従来から中華料理店で提供される点心と呼ばれる食品に含まれるが、中華料理店においては蒸し後、30分〜1時間以内の比較的短時間の内に喫食されるので、美味しく食べることができる。
しかし、家庭用には蒸した状態で提供されることが多いが、蒸した状態で提供される肉まんじゅうや餡まんじゅうは、蒸気による加温時間が長くなると生地の中に肉汁や餡の汁が浸み込み、食味を損なう場合が見られる。
【0003】
更に近年、コンビニエンスストアーで提供される食品が多様化し、包子類も増加しつつあるが、これらの包子類、特に生地の薄い蒸しぎょうざや具に水分の多い小籠包は、蒸し器中に4〜5時間も保持されていると、具の水分が生地に移行して生地が破れたり、具のジューシー感が低下するなど品質の著しい低下が見られる。
こうしたことから、生地を厚くすることによって、生地の破れは防ぐことが出来るけれども、具の水分が生地に移行することは防げないので、具のジューシー感の低下は抑えることができない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、これら包子類を蒸し器中に4〜5時間加温しつつ保持していても、具の水分が生地に移行して生地が破れたり、具のジューシー感が失われることの少ない包子類を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、小麦粉を主成分とする生地4を2枚用意し、そのいずれか一方または両方の生地4の片面に下記するような処理を施し、その処理面5を内側にして重ね合わせた重ね生地2とし、この重ね生地に肉類、魚介類、野菜類、餡類の1種以上を用いた具3を包むことにより、具の水分が生地に移行するのを減らすことができ、美味しい包子類1を提供することができる。
【0006】
上記生地4に施す処理は、上記生地の片面に、先ず、約0.05〜5.0重量%のアルカリ性カードラン水溶液を塗布し、次いで、pH1〜4の酸性水溶液をスプレーしてから、処理面5を内側にして2枚の生地を重ね合わせる。
この処理により2枚の生地の間にカードランの膜が形成され、この膜は加熱により水分を通し難くなって、蒸気で長時間蒸したときにも具から生地への水分の移行を減らすことが出来る。
【0007】
また、他の処理として上記生地4の片面に、先ず、約0.05〜5.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布し、次いで、1〜10重量%のカルシウム水溶液をスプレーしてから、処理面5を内側にして2枚の生地を重ね合わせる。この処理により、2枚の生地の間に水に不溶性のアルギン酸カルシウム膜が形成され、蒸気で長時間蒸したときにも具から生地への水分の移行を減らすことが出来る。
【0008】
上記小麦粉を主成分とする生地は、小麦粉100重量部当り25〜60重量部の水道水を加え、均一に混和することにより得られる。小麦粉は、通常、たんぱく質含量の多い、いわゆる強力粉が好ましいが、ソフトな食感を得たい場合は、たんぱく質含量の少ない、いわゆる薄力粉を用いるとよい。
また、必要に応じて水道水中に食塩、アルカリ成分であるかん水を加えることも出来る。
【0009】
さらに、上記生地中に加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白、乳化剤、増粘多糖類から選ばれた1種以上を含ませると、蒸気による加熱によって生地中に具の水分が移行することを更に抑えることができる。
【0010】
上記加工でんぷんとしては、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、タピオカでんぷんなどをアセチル化、リン酸化、エーテル化したでんぷんを用いることができ、特にエーテル化タピオカでんぷんが好ましい。
加工でんぷんの添加量は、小麦粉に対し約1〜50重量%にするとよい。
【0011】
上記小麦たんぱく質としては、活性グルテン、グルテンから抽出したグリアジン、グルテニンなどを用いることができる。
小麦たんぱく質の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し約0.1〜10重量%が好ましい。
【0012】
上記卵白は、生、冷凍、粉末のいずれでもよく、全卵、冷凍全卵でも用いることができる。卵白の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し卵白粉換算で約0.1〜10重量%程度にすることが好ましい。
【0013】
上記した乳化剤には、ステアリン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルなどを用いるとよい。
これらの乳化剤の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し約0.01〜5.0重量%が好ましい。
【0014】
また、上記増粘多糖類としては、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ジェランガムなどが好ましい。
これらの増粘多糖類の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対して、約0.01〜5.0重量%がよい。
【0015】
上記した生地4の製法は、小麦粉と、必要に応じて上記加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白粉、乳化剤、増粘多糖類などを加えた粉末を篩で3回程度篩って混合し、これに水または食塩水、油などの液体を加えて、良く練りポリエチレン製等の袋に入れて、室温〜30℃程度の温度で約1〜5時間熟成させる。次いで、麺棒ないし製麺機のロールにより圧延し、帯状にする。
こうしたものを必要な大きさ、形状に型抜きをする。この際、重ね合わせる生地の大きさは同じ大きさでもよいけれども、具に接する内側の生地は外側の生地より小さくすると、具を包んだときに合わせ目が厚くなりすぎるのを防ぐことができて好ましいことが多い。
【0016】
重ね合わせる生地の一方には発酵生地を用いることができ、この場合は他方の生地に上記した加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白粉、乳化剤、増粘多糖類などを加えたものを使用すると好ましいことが多い。
【0017】
重ね生地2の中に包む具3は、豚肉、牛肉、鶏肉などの挽肉ないし小塊、えび、たこなどの魚介類、にら、きゃべつ、白菜などの野菜類、餡類などを使用し、更に糖類、食塩、調味料、香辛料、ラー油、ごま油、ラードなどの油脂類、ゼラチン、寒天などのゲル化剤を適宜配合して使用するとよい。
【0018】
【実施例】
小麦粉(強力粉、カメリア、日清製粉(株)製品)80gに、加工でんぷん(エーテル化したタピオカでんぷん、G−400、日澱化学(株)製品)20g、小麦たんぱく質(活性グルテン)4g、卵白粉3g、乳化剤(コハク酸モノグリセライド、ステップSS、花王(株)製品)1g、増粘多糖類(キサンタンガム、エコーガム、大日本製薬(株)製品)0.5gを混合し、この粉体に食塩3gを溶解した水道水50gを加えて良く練り合わせ、ポリエチレン製袋に入れて、30℃で1時間熟成させた。
【0019】
次いで、これを製麺機のローラーにより次第に薄く延ばし、厚さ1〜2mmにする。この帯状体から小さな直径8cmおよび大きな直径10cmの円形の型で同枚数づつ型抜きする。このとき1枚の重量が8〜9gになるように上記厚さを調節しておく。
【0020】
次に、上記大小両生地4、4の片面に1.5%アルカリ性カードラン水溶液(カードラン製剤、CD−15P、オルガノ(株)製品)を塗布し、10分後、2%乳酸水溶液(PH=2.2)をスプレーする。外側を直径10cm、内側を直径8cmの生地として、上記カードラン溶液処理面5同士を重ねて重ね生地2とする。
【0021】
具3の調製は、豚ひき肉100gに食塩1g、砂糖2g、片栗粉2g、うまみ調味料0.1g、胡椒0.1g、ごま油0.3g、ラード1gを加えて良く練り合わせる。これとは別にゼラチン(ゼラチン21、新田ゼラチン(株)製品)2gを45〜50℃の温水98gに加えて溶解させた後、氷水中で冷却して固まらせる。次いで、上記味付けした豚ひき肉と固まったゼラチンゲルを混ぜ合わせて冷蔵庫中に1時間保つ。
【0022】
上記重ね生地2に上記具3の25gを包んだ小籠包1を蒸し器に入れ、強火で5分間蒸す。これを室温まで冷却してアルミバットに乗せ、厚手のポリエチレン袋で包んで冷凍保存した。
【0023】
(比較試験)
本案品と対照品の比較試験を次の要領で行った。
本案品:上記実施例の冷凍保存後20時間経過したものを、蒸し器に入れ弱火で4時間加温した。
対照品:市販のぎょうざの皮を2枚重ねて、本実施例と同じ具を25g包み、同様に強火で5分間蒸して、冷凍保存した。冷凍保存後20時間経過したものを、同様に蒸し器に入れ弱火で4時間加温した。
【0024】
(結果)
本案品と対照品について官能評価を行ったところ、本案品では生地に具の水分が移行するのが少なく、具にジューシー感が保たれていた。一方、対照品では生地が柔らかくなりすぎ、具のジューシー感も感じられなかった。
【0025】
【考案の効果】
上記したように、本考案の小麦粉を主成分とした生地の片面に、カードランまたはアルギン酸カルシウムの膜を作り、この処理面を内側にして2枚の生地を重ね合わせ、この重ね生地によって具を包むことにより、蒸し器中に加温状態に長時間置いても、具の水分が生地中に移行せず、生地の破れもなく、具のジューシー感を保ち、良好な風味を保った包子類提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1の実施例に使用した生地の説明図である。
【符号の説明】
1 包子類
2 重ね生地
3 具
4 生地
5 カードランの処理面
【考案の属する技術分野】
本考案は、食品の包子(パオズ)類に関し、特には、蒸気による長時間の加温に耐え得る包子類に関する。
本考案における包子類とは、小籠包(シャオロンパオ)、肉まんじゅう、餡まんじゅう、蒸しぎょうざ、しゅうまいその他の小麦粉を主成分とする生地によって、肉類、魚介類、野菜類、餡類などを材料とする具を包み、蒸気により加熱する食品を指す。
【0002】
【従来の技術】
包子類は、従来から中華料理店で提供される点心と呼ばれる食品に含まれるが、中華料理店においては蒸し後、30分〜1時間以内の比較的短時間の内に喫食されるので、美味しく食べることができる。
しかし、家庭用には蒸した状態で提供されることが多いが、蒸した状態で提供される肉まんじゅうや餡まんじゅうは、蒸気による加温時間が長くなると生地の中に肉汁や餡の汁が浸み込み、食味を損なう場合が見られる。
【0003】
更に近年、コンビニエンスストアーで提供される食品が多様化し、包子類も増加しつつあるが、これらの包子類、特に生地の薄い蒸しぎょうざや具に水分の多い小籠包は、蒸し器中に4〜5時間も保持されていると、具の水分が生地に移行して生地が破れたり、具のジューシー感が低下するなど品質の著しい低下が見られる。
こうしたことから、生地を厚くすることによって、生地の破れは防ぐことが出来るけれども、具の水分が生地に移行することは防げないので、具のジューシー感の低下は抑えることができない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、これら包子類を蒸し器中に4〜5時間加温しつつ保持していても、具の水分が生地に移行して生地が破れたり、具のジューシー感が失われることの少ない包子類を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、小麦粉を主成分とする生地4を2枚用意し、そのいずれか一方または両方の生地4の片面に下記するような処理を施し、その処理面5を内側にして重ね合わせた重ね生地2とし、この重ね生地に肉類、魚介類、野菜類、餡類の1種以上を用いた具3を包むことにより、具の水分が生地に移行するのを減らすことができ、美味しい包子類1を提供することができる。
【0006】
上記生地4に施す処理は、上記生地の片面に、先ず、約0.05〜5.0重量%のアルカリ性カードラン水溶液を塗布し、次いで、pH1〜4の酸性水溶液をスプレーしてから、処理面5を内側にして2枚の生地を重ね合わせる。
この処理により2枚の生地の間にカードランの膜が形成され、この膜は加熱により水分を通し難くなって、蒸気で長時間蒸したときにも具から生地への水分の移行を減らすことが出来る。
【0007】
また、他の処理として上記生地4の片面に、先ず、約0.05〜5.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布し、次いで、1〜10重量%のカルシウム水溶液をスプレーしてから、処理面5を内側にして2枚の生地を重ね合わせる。この処理により、2枚の生地の間に水に不溶性のアルギン酸カルシウム膜が形成され、蒸気で長時間蒸したときにも具から生地への水分の移行を減らすことが出来る。
【0008】
上記小麦粉を主成分とする生地は、小麦粉100重量部当り25〜60重量部の水道水を加え、均一に混和することにより得られる。小麦粉は、通常、たんぱく質含量の多い、いわゆる強力粉が好ましいが、ソフトな食感を得たい場合は、たんぱく質含量の少ない、いわゆる薄力粉を用いるとよい。
また、必要に応じて水道水中に食塩、アルカリ成分であるかん水を加えることも出来る。
【0009】
さらに、上記生地中に加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白、乳化剤、増粘多糖類から選ばれた1種以上を含ませると、蒸気による加熱によって生地中に具の水分が移行することを更に抑えることができる。
【0010】
上記加工でんぷんとしては、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、タピオカでんぷんなどをアセチル化、リン酸化、エーテル化したでんぷんを用いることができ、特にエーテル化タピオカでんぷんが好ましい。
加工でんぷんの添加量は、小麦粉に対し約1〜50重量%にするとよい。
【0011】
上記小麦たんぱく質としては、活性グルテン、グルテンから抽出したグリアジン、グルテニンなどを用いることができる。
小麦たんぱく質の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し約0.1〜10重量%が好ましい。
【0012】
上記卵白は、生、冷凍、粉末のいずれでもよく、全卵、冷凍全卵でも用いることができる。卵白の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し卵白粉換算で約0.1〜10重量%程度にすることが好ましい。
【0013】
上記した乳化剤には、ステアリン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルなどを用いるとよい。
これらの乳化剤の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対し約0.01〜5.0重量%が好ましい。
【0014】
また、上記増粘多糖類としては、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ジェランガムなどが好ましい。
これらの増粘多糖類の添加量は、小麦粉および小麦粉の一部を代替した加工でんぷんなどの粉類に対して、約0.01〜5.0重量%がよい。
【0015】
上記した生地4の製法は、小麦粉と、必要に応じて上記加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白粉、乳化剤、増粘多糖類などを加えた粉末を篩で3回程度篩って混合し、これに水または食塩水、油などの液体を加えて、良く練りポリエチレン製等の袋に入れて、室温〜30℃程度の温度で約1〜5時間熟成させる。次いで、麺棒ないし製麺機のロールにより圧延し、帯状にする。
こうしたものを必要な大きさ、形状に型抜きをする。この際、重ね合わせる生地の大きさは同じ大きさでもよいけれども、具に接する内側の生地は外側の生地より小さくすると、具を包んだときに合わせ目が厚くなりすぎるのを防ぐことができて好ましいことが多い。
【0016】
重ね合わせる生地の一方には発酵生地を用いることができ、この場合は他方の生地に上記した加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白粉、乳化剤、増粘多糖類などを加えたものを使用すると好ましいことが多い。
【0017】
重ね生地2の中に包む具3は、豚肉、牛肉、鶏肉などの挽肉ないし小塊、えび、たこなどの魚介類、にら、きゃべつ、白菜などの野菜類、餡類などを使用し、更に糖類、食塩、調味料、香辛料、ラー油、ごま油、ラードなどの油脂類、ゼラチン、寒天などのゲル化剤を適宜配合して使用するとよい。
【0018】
【実施例】
小麦粉(強力粉、カメリア、日清製粉(株)製品)80gに、加工でんぷん(エーテル化したタピオカでんぷん、G−400、日澱化学(株)製品)20g、小麦たんぱく質(活性グルテン)4g、卵白粉3g、乳化剤(コハク酸モノグリセライド、ステップSS、花王(株)製品)1g、増粘多糖類(キサンタンガム、エコーガム、大日本製薬(株)製品)0.5gを混合し、この粉体に食塩3gを溶解した水道水50gを加えて良く練り合わせ、ポリエチレン製袋に入れて、30℃で1時間熟成させた。
【0019】
次いで、これを製麺機のローラーにより次第に薄く延ばし、厚さ1〜2mmにする。この帯状体から小さな直径8cmおよび大きな直径10cmの円形の型で同枚数づつ型抜きする。このとき1枚の重量が8〜9gになるように上記厚さを調節しておく。
【0020】
次に、上記大小両生地4、4の片面に1.5%アルカリ性カードラン水溶液(カードラン製剤、CD−15P、オルガノ(株)製品)を塗布し、10分後、2%乳酸水溶液(PH=2.2)をスプレーする。外側を直径10cm、内側を直径8cmの生地として、上記カードラン溶液処理面5同士を重ねて重ね生地2とする。
【0021】
具3の調製は、豚ひき肉100gに食塩1g、砂糖2g、片栗粉2g、うまみ調味料0.1g、胡椒0.1g、ごま油0.3g、ラード1gを加えて良く練り合わせる。これとは別にゼラチン(ゼラチン21、新田ゼラチン(株)製品)2gを45〜50℃の温水98gに加えて溶解させた後、氷水中で冷却して固まらせる。次いで、上記味付けした豚ひき肉と固まったゼラチンゲルを混ぜ合わせて冷蔵庫中に1時間保つ。
【0022】
上記重ね生地2に上記具3の25gを包んだ小籠包1を蒸し器に入れ、強火で5分間蒸す。これを室温まで冷却してアルミバットに乗せ、厚手のポリエチレン袋で包んで冷凍保存した。
【0023】
(比較試験)
本案品と対照品の比較試験を次の要領で行った。
本案品:上記実施例の冷凍保存後20時間経過したものを、蒸し器に入れ弱火で4時間加温した。
対照品:市販のぎょうざの皮を2枚重ねて、本実施例と同じ具を25g包み、同様に強火で5分間蒸して、冷凍保存した。冷凍保存後20時間経過したものを、同様に蒸し器に入れ弱火で4時間加温した。
【0024】
(結果)
本案品と対照品について官能評価を行ったところ、本案品では生地に具の水分が移行するのが少なく、具にジューシー感が保たれていた。一方、対照品では生地が柔らかくなりすぎ、具のジューシー感も感じられなかった。
【0025】
【考案の効果】
上記したように、本考案の小麦粉を主成分とした生地の片面に、カードランまたはアルギン酸カルシウムの膜を作り、この処理面を内側にして2枚の生地を重ね合わせ、この重ね生地によって具を包むことにより、蒸し器中に加温状態に長時間置いても、具の水分が生地中に移行せず、生地の破れもなく、具のジューシー感を保ち、良好な風味を保った包子類提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図1の実施例に使用した生地の説明図である。
【符号の説明】
1 包子類
2 重ね生地
3 具
4 生地
5 カードランの処理面
Claims (3)
- 小麦粉を主成分とする生地を2枚用意し、その1枚または2枚の生地の片面にアルカリ性カードラン水溶液を塗布後、pH1〜4の酸性水溶液をスプレーし、この処理面を内側にして重ね合わせた重ね生地に、肉類、魚介類、野菜類、餡類の1種以上を用いた具を包んだ蒸気による長時間の加温に耐え得ることを特徴とする包子類。
- 小麦粉を主成分とする生地を2枚用意し、その1枚または2枚の生地の片面にアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布後、カルシウム水溶液をスプレーし、この処理面を内側にして重ね合わせた重ね生地に、肉類、魚介類、野菜類、餡類の1種以上を用いた具を包んだ蒸気による長時間の加温に耐え得ることを特徴とする包子類。
- 上記生地中に加工でんぷん、小麦たんぱく質、卵白、乳化剤、増粘多糖類から選ばれる1種以上を含有する請求項1または2記載の包子類。
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JP2003001976U JP3097079U (ja) | 2003-04-10 | 2003-04-10 | 包子類 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006158289A (ja) * | 2004-12-07 | 2006-06-22 | Takeshi Suzuki | 鶏肉まんじゅうの調理方法 |
JP2014076036A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Masashi Ootori | 成形加工食品とその製法 |
CN114304598A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-12 | 苏州闻达食品配料有限公司 | 一种素馅抱团剂及其制作方法和应用 |
-
2003
- 2003-04-10 JP JP2003001976U patent/JP3097079U/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006158289A (ja) * | 2004-12-07 | 2006-06-22 | Takeshi Suzuki | 鶏肉まんじゅうの調理方法 |
JP2014076036A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Masashi Ootori | 成形加工食品とその製法 |
CN114304598A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-12 | 苏州闻达食品配料有限公司 | 一种素馅抱团剂及其制作方法和应用 |
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