JP5271827B2 - チーズ様食品組成物及びその製造方法 - Google Patents
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きに、軟質チーズに類似した物性及び食感を有するチーズ様食品が形成されることを見出した。本発明は以下の発明を包含する。
(3)トランスグルタミナーゼ及び/又は油脂を更に含む、(1)又は(2)記載の食品組成物。
(4)大豆タンパク質が、加熱及び/又は凝固剤添加により凝固している、(1)〜(3)の何れかに記載の食品組成物。
(5)曳糸能のあるチーズ様組織を有する、(1)〜(4)の何れかに記載の食品組成物。
(7)原料としての大豆タンパク質が、予め、大豆タンパク質の乳液を凝固剤で凝固させた凝固物を粉砕して形成された粉砕物である、(6)記載の方法。
(9)大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、凝固剤を加えて混合し、小麦タンパク質を加えて混合し、次いで加熱処理すること、
大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、凝固剤を加えて混合し、小麦タンパク質を加えて混合し、次いで静置すること、あるいは、
大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、小麦タンパク質を加えて混合し、次いで加熱処理すること
を特徴とする、(6)〜(8)の何れかに記載の方法。
本発明のチーズ様食品組成物は、食品組成物全量(チーズ様食品組成物の湿重量としての全重量)に対して固形成分として0.5〜10質量%の大豆タンパク質と、固形成分として15〜35質量%の小麦タンパク質とを含有することを特徴とする。この量の範囲内で二種類のタンパク質を組み合わせることにより、驚くべきことに、軟質チーズが有する食感及び伸び性(糸曳き性)が付与される。大豆タンパク質の配合量は、食品組成物全量(湿重量)に対して固形成分として1〜4質量%であることが特に好ましい。小麦タンパク質の配合量は、食品組成物全量(湿重量)に対して固形成分として20〜30質量%であることが特に好ましい。本明細書において、各原料の使用量は、特段の説明がない限り、当該原料のチーズ様食品組成物の湿重量としての全重量に対する割合として記載する。
、例えば、分離大豆タンパク質、脱脂大豆粕、大豆粉、豆乳、豆乳粉末等の形態のものが使用できる。いずれの材料も粉体などの固体状の形態であってもよいし、水に溶解または懸濁された液状の形態であってもよい。また、大豆タンパク質は、大豆タンパク質の乳液を凝固剤で凝固させた凝固物(すなわち、豆腐及び豆腐類似物)を粉砕した粉砕物の形態で使用することもできる。大豆タンパク質の上記の配合量は、原料の形態に関わりなく、原料中に含有される大豆タンパク質の固形成分に基づいて算出される。
本発明のチーズ様組織を有する食品組成物は、所定量の大豆タンパク質と小麦タンパク質とを少なくとも含む原料を混合すること、並びに、大豆タンパク質を凝固させることを含む方法により製造することができる。大豆タンパク質の凝固は、加熱凝固と凝固剤添加とを併用して行うことが特に好ましい。歯応え、舌触り及び口溶けに関してチーズに最も
近い食品が得られるからである。
大豆タンパク質の凝固処理として凝固剤添加と加熱凝固とを併用する本発明の方法としては、水、大豆タンパク質、小麦タンパク質、凝固剤及び他の原料を混合する混合工程と、得られた混合物を加熱して大豆タンパク質を凝固させる加熱工程とを含む方法が挙げられる。
活温度(約90℃)の温度で数分間加熱する工程を更に含むことが好ましい。
大豆タンパク質凝固処理として凝固剤添加のみを行う本発明の方法としては、水、大豆タンパク質、小麦タンパク質、凝固剤及び他の原料を混合する混合工程と、得られた混合物を静置して大豆タンパク質を凝固させる静置工程とを含む方法が挙げられる。混合工程の手順としては、上記2.1で説明したのと同様の手順を採用することができる。つまり、全原料を一括で混合してもよいし、順に加えて混合してもよいし、大豆タンパク質及び水を含み、必要に応じて油脂等の、小麦タンパク質及び凝固剤以外の他の成分を更に含む原料を予め均質化した物に凝固剤及び小麦タンパク質を加えて混合してもよい。また、静置工程の前後において、得られた混合物を所望の形状に加工することができる。
トランスグルタミナーゼを配合する実施形態では、前記酵素の失活のための加熱工程を更に含むことが好ましい。
大豆タンパク質凝固処理として加熱凝固のみを行う本発明の方法としては、水、大豆タンパク質、小麦タンパク質、及び他の原料を混合する混合工程と、得られた混合物を加熱して大豆タンパク質を凝固させる加熱工程とを含む方法が挙げられる。
実施例1
1.原料
大豆タンパク質と水をミキサーにかけて混合し、得られた混合物と、小麦タンパク質及び凝固剤を除く他の原料とを、ホモジナイザー(DX−10型/NIHONSEIKI社製)により、3000〜8000rpmで60〜120秒間均質化した。
得られた混合物に更に小麦タンパク質を加えて混合した。
こうしてチーズ様食品を作成した。
上記工程により作成したチーズ様食品を、アルミホイルに乗せ、オーブントースターで約2分間焼く。トースターから取り出した後、温かいうちに両手で左右に引っ張り「伸び性」を評価した。また、口に含み、歯応え、歯切れ感、舌触りで「食感」を評価した。
大豆タンパクと小麦タンパクの質量部を変えた以外は、実施例1と同様の原料配合(すなわち、実施例1表1における大豆タンパクと小麦タンパク以外の他の原料の量(質量部)は変更してない)及び手順によりチーズ様のスライス状食品を得た。得られた食品を実施例1と同様の操作及び基準により食感および風味を評価した。
豆腐をホモジナイザー(DX−10型/NIHONSEIKI社製)を用いて、300
0〜8000rpmで60〜120秒間均質化し、メジアン径10μ程度に調製した豆腐ペースト40質量部(豆腐ペースト40質量部を用いたとき、全原料中に大豆タンパク質は固形成分の分量として2.1質量%含まれる)を、大豆タンパク質2.1質量部と水37.2質量部とをミキサーにかけた混合物に代えて用いる点を除いて、実施例1と同様にして、チーズ様のスライス状食品を得た。得られた食品の性能は、実施例1で得られたものと同等であった。
1.原料
大豆タンパク質と水をミキサーにかけて混合し、得られた混合物と、小麦タンパク質及び凝固剤を除く他の原料を、ホモジナイザー(DX−10型/NIHONSEIKI社製)により、3000〜8000rpmで60〜120秒間混合して均質化した。
得られた混合物に更に小麦タンパク質を加えて混合した。
実施例1と同様の手順で評価を行ったところ、「伸び性」が◎、「食感」が△であり、曳糸能のあるチーズと同等の物性と食感、風味を有することが確認された。
凝固剤として乳酸の代わりに塩化マグネシウムを用いる以外は、実施例7と同様にして、チーズ様のスライス状食品を得た。得られた食品の性能は、「伸び性」が◎、「食感」が△であり、実施例7で得られたものと同等であった。
凝固剤を用いない点、水38.0質量部を用いる点、均質化した原料に凝固剤を加えて混合する工程を行わない点を除いて実施例1と同様の手順によりチーズ様のスライス状食
品を得た。得られた食品の性能は、伸び性が◎、食感が○であり、実施例1で得られたものとほぼ同等であった。
Claims (11)
- 食品組成物全量に対して固形成分として0.5〜10質量%の大豆タンパク質と、固形成分として15〜35質量%の小麦タンパク質とを含み、大豆タンパク質が凝固している
ことを特徴とする、チーズ様組織を有する食品組成物。 - 大豆タンパク質は、大豆タンパク質の乳液を凝固剤で凝固させた凝固物の粉砕物が凝固したものである、請求項1記載の食品組成物。
- トランスグルタミナーゼ及び/又は油脂を更に含む、請求項1又は2記載の食品組成物
。 - 大豆タンパク質が、加熱及び/又は凝固剤添加により凝固している、請求項1〜3の何れか1項記載の食品組成物。
- 曳糸能のあるチーズ様組織を有する、請求項1〜4の何れか1項記載の食品組成物。
- 小麦タンパク質が、グリアジンである、請求項1〜5の何れか1項記載の食品組成物。
- 原料全量に対して固形成分として0.5〜10質量%の大豆タンパク質と、固形成分として15〜35質量%の小麦タンパク質とを含む原料を混合すること、並びに、大豆タン
パク質を加熱及び/又は凝固剤添加により凝固させることを特徴とする、チーズ様組織を
有する食品組成物の製造方法。 - 原料としての大豆タンパク質が、予め、大豆タンパク質の乳液を凝固剤で凝固させた凝
固物を粉砕して形成された粉砕物である、請求項7記載の方法。 - 原料がトランスグルタミナーゼ及び/又は油脂を更に含む、請求項7又は8記載の方法
。 - 大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、凝固剤を加えて混合し、小麦タンパ
ク質を加えて混合し、次いで加熱処理すること、
大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、凝固剤を加えて混合し、小麦タンパ
ク質を加えて混合し、次いで静置すること、あるいは、
大豆タンパク質及び水を含む原料を均質化した後、小麦タンパク質を加えて混合し、次
いで加熱処理することを特徴とする、請求項7〜9の何れか1項記載の方法。 - 小麦タンパク質が、グリアジンである、請求項7〜10の何れか1項記載の方法。
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