JP2819797B2 - 植物性タンパク粉末の製造法 - Google Patents
植物性タンパク粉末の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はトランスグルタミナーゼ(以下TGaseと略記
する。)を利用して改質された植物性タンパク粉末の製
造法に関するものである。
する。)を利用して改質された植物性タンパク粉末の製
造法に関するものである。
〔従来技術とその課題〕 近年、植物性タンパクの価格変動が激しく、蒲鉾、ち
くわ、揚げかま、ソーセージ、ハムなどの魚肉・畜肉製
品のコストを安定させるため、大豆タンパクをはじめと
する各種植物性タンパク質を使用することが行われてい
る。しかしながら、大豆タンパクに代表される植物性タ
ンパクは、魚・畜肉組織への浸透、結着が充分でなく、
臭い、色調の点でも植物性タンパクとなじみにくいこと
から、前記の様な食品への使用量は少なく、固形分換算
で製品全体に対して多くても3%程度にとどまってい
る。
くわ、揚げかま、ソーセージ、ハムなどの魚肉・畜肉製
品のコストを安定させるため、大豆タンパクをはじめと
する各種植物性タンパク質を使用することが行われてい
る。しかしながら、大豆タンパクに代表される植物性タ
ンパクは、魚・畜肉組織への浸透、結着が充分でなく、
臭い、色調の点でも植物性タンパクとなじみにくいこと
から、前記の様な食品への使用量は少なく、固形分換算
で製品全体に対して多くても3%程度にとどまってい
る。
一方、植物タンパクとカルシウムの組合せは大豆タン
パクの製造法をはじめとして例えば特公昭46−6816、特
開昭63−240748、特開平2−97358に開示されている。
しかしながら、この場合も、使用量が多くなると魚肉・
畜肉製品の弾力や硬さがそこなわれると言う欠点があっ
た。
パクの製造法をはじめとして例えば特公昭46−6816、特
開昭63−240748、特開平2−97358に開示されている。
しかしながら、この場合も、使用量が多くなると魚肉・
畜肉製品の弾力や硬さがそこなわれると言う欠点があっ
た。
そこで、本発明の目的は臭い、色調にすぐれ、かつ物
性の改善された植物性タンパクを提供することである。
性の改善された植物性タンパクを提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、植物性タンパク含有水溶液にカルシウム化合物及
び/又はマグネシウム化合物を添加し、主に色調、味、
風味を改善し、カルシウムやマグネシウムにより、低下
したゲル化性をTGaseを作用させることにより改善し、
色調・味・風味と同時にゲル化能が改善された植物性タ
ンパク粉末をしかも高収率で得られることを見いだし、
この知見にもとづいて本発明を完成するにいたった。
結果、植物性タンパク含有水溶液にカルシウム化合物及
び/又はマグネシウム化合物を添加し、主に色調、味、
風味を改善し、カルシウムやマグネシウムにより、低下
したゲル化性をTGaseを作用させることにより改善し、
色調・味・風味と同時にゲル化能が改善された植物性タ
ンパク粉末をしかも高収率で得られることを見いだし、
この知見にもとづいて本発明を完成するにいたった。
即ち、本発明は植物性タンパク含有水溶液に、タンパ
ク重量当り0.1−6.0重量%のカルシウム化合物及び/又
はマグネシウム化合物並びにタンパク1g当り0.1−100U
のトランスグルタミナーゼを添加し、次いで加熱、乾燥
することを特徴とする植物性タンパク粉末の製造法であ
る。
ク重量当り0.1−6.0重量%のカルシウム化合物及び/又
はマグネシウム化合物並びにタンパク1g当り0.1−100U
のトランスグルタミナーゼを添加し、次いで加熱、乾燥
することを特徴とする植物性タンパク粉末の製造法であ
る。
本発明において用いられる植物性タンパクとしては、
大豆タンパク、小麦タンパク、トウモロコシタンパク、
米タンパクなどを例示することが出来るが、好ましくは
大豆タンパクを用いるのが良い。この様な植物性タンパ
クを含有する水溶液としては、植物性タンパクが例えば
大豆タンパクの場合は、濃縮タンパク、分離タンパクな
どを製造する工程中に生ずるタンパク含有水溶液をその
まま使用するとか、類似の方法で調製したものを利用す
るとよい。他の植物性タンパクの場合も同様である。具
体的に大豆分離タンパクの製造法を例にとると、 (1)脱脂大豆を温度40−70℃、pH6−8において7−1
5重量部の水で水抽出する。pHの調製が必要ならばH2S
O4,HCl,H3PO4などの食品級酸、またはNaOHなどの食品級
アルカリを使用するとよい。抽出処理物からデカンタ
ー、遠心分離機などによりオカラを分離して抽出液を得
る。
大豆タンパク、小麦タンパク、トウモロコシタンパク、
米タンパクなどを例示することが出来るが、好ましくは
大豆タンパクを用いるのが良い。この様な植物性タンパ
クを含有する水溶液としては、植物性タンパクが例えば
大豆タンパクの場合は、濃縮タンパク、分離タンパクな
どを製造する工程中に生ずるタンパク含有水溶液をその
まま使用するとか、類似の方法で調製したものを利用す
るとよい。他の植物性タンパクの場合も同様である。具
体的に大豆分離タンパクの製造法を例にとると、 (1)脱脂大豆を温度40−70℃、pH6−8において7−1
5重量部の水で水抽出する。pHの調製が必要ならばH2S
O4,HCl,H3PO4などの食品級酸、またはNaOHなどの食品級
アルカリを使用するとよい。抽出処理物からデカンタ
ー、遠心分離機などによりオカラを分離して抽出液を得
る。
(2)この抽出液をH2SO4,HCl,H3PO4などの酸により、p
H4.5付近に調製し、等電沈澱処理に付する。ついで、デ
カンター、遠心分離機などによりホエイを分離してタン
パクカードを得る。
H4.5付近に調製し、等電沈澱処理に付する。ついで、デ
カンター、遠心分離機などによりホエイを分離してタン
パクカードを得る。
(3)5−10重量部の水を加えてこのカードをディスポ
ーザー、ミキサー、撹はん機などにより解砕してタンパ
クスラリーを調製、ついで得られたスラリーは所望によ
りNaOHなどの食品級アルカリにより中和して中和スラリ
ーとする。(4)中和スラリーをエジェクタータイプの
加熱機などにより、70−200℃で加熱する。(5)つい
で噴霧乾燥や、凍結乾燥、真空乾燥して、目的たる分離
大豆タンパクを得られる。
ーザー、ミキサー、撹はん機などにより解砕してタンパ
クスラリーを調製、ついで得られたスラリーは所望によ
りNaOHなどの食品級アルカリにより中和して中和スラリ
ーとする。(4)中和スラリーをエジェクタータイプの
加熱機などにより、70−200℃で加熱する。(5)つい
で噴霧乾燥や、凍結乾燥、真空乾燥して、目的たる分離
大豆タンパクを得られる。
本発明において用いられる植物性タンパク含有水溶液
とは、大豆タンパクの場合、前記工程(1)の抽出液、
(3)のタンパクスラリー、及び(4)の加熱液を用い
ればよい。もちろん、一旦製造された、分離大豆タンパ
ク粉末などを水溶液に懸濁させたものを用いてもよい。
とは、大豆タンパクの場合、前記工程(1)の抽出液、
(3)のタンパクスラリー、及び(4)の加熱液を用い
ればよい。もちろん、一旦製造された、分離大豆タンパ
ク粉末などを水溶液に懸濁させたものを用いてもよい。
次に、この植物タンパク含有水溶液にカルシウム化合
物及び/又はマグネシウム化合物並びにトランスグルタ
ミナーゼを添加する。
物及び/又はマグネシウム化合物並びにトランスグルタ
ミナーゼを添加する。
本発明におけるカルシウム化合物及び/又はマグネシ
ウム化合物の添加量はタンパク重量当り、0.1〜6.0重量
%、好ましくは0.5〜3.0重量%である。使用量が少なす
ぎると得られる植物性タンパクの色調を改善する効果に
乏しく、一方多すぎるとタンパクの凝集がおこり、ゲル
化促進効果がみられず、形成したゲルはもろくなり、TG
ase非使用の場合と差がみられなくなる。
ウム化合物の添加量はタンパク重量当り、0.1〜6.0重量
%、好ましくは0.5〜3.0重量%である。使用量が少なす
ぎると得られる植物性タンパクの色調を改善する効果に
乏しく、一方多すぎるとタンパクの凝集がおこり、ゲル
化促進効果がみられず、形成したゲルはもろくなり、TG
ase非使用の場合と差がみられなくなる。
本発明で使用されるカルシウム化合物としては、特に
限定されないが、Ca(OH)2、CaCl2、CaSO4、CaCO3、
などを揚げることができる。また、マグネシウム化合物
としては、特に限定されないが、Mg(OH)2、MgCl2、M
gSO4、MgCO3などを挙げることができる。
限定されないが、Ca(OH)2、CaCl2、CaSO4、CaCO3、
などを揚げることができる。また、マグネシウム化合物
としては、特に限定されないが、Mg(OH)2、MgCl2、M
gSO4、MgCO3などを挙げることができる。
また、本発明で使用するTGaseについては、その起源
は特に問わず、例えばモルモットの肝臓から分離したも
の(以下、MTGaseと略記する。)、微生物が産生するも
の(以下、BTGaseと略記する。)、更には天然物、例え
ば野菜、果実などの水抽出物液等、魚類など水産物の抽
出液および洗浄液等に含有されるものを挙げることがで
きる。MTGaseは、例えば特開昭58−14964号に記載の方
法で調製することができる。BTGaseは新酵素であって、
その酵素特性、製造法等については特開平1−27471に
開示されている。
は特に問わず、例えばモルモットの肝臓から分離したも
の(以下、MTGaseと略記する。)、微生物が産生するも
の(以下、BTGaseと略記する。)、更には天然物、例え
ば野菜、果実などの水抽出物液等、魚類など水産物の抽
出液および洗浄液等に含有されるものを挙げることがで
きる。MTGaseは、例えば特開昭58−14964号に記載の方
法で調製することができる。BTGaseは新酵素であって、
その酵素特性、製造法等については特開平1−27471に
開示されている。
TGaseの使用量は、タンパク1gあたり0.1−100U、好ま
しくは0.2−30Uである。使用量が少なすぎると得られる
植物性タンパク粉末にゲル化促進効果はみられず、TGas
e非使用の場合に対して差がみられず、一方多すぎると
やはりゲル化促進効果がみられず、形成したゲルはもろ
くなり、かつ色調・臭いの点でも改善効果がみられず、
不適である。
しくは0.2−30Uである。使用量が少なすぎると得られる
植物性タンパク粉末にゲル化促進効果はみられず、TGas
e非使用の場合に対して差がみられず、一方多すぎると
やはりゲル化促進効果がみられず、形成したゲルはもろ
くなり、かつ色調・臭いの点でも改善効果がみられず、
不適である。
TGaseを作用させる時の溶液のpHに関しては、5.5−8.
0、好ましくは5.7−7.2の範囲である。pHが低すぎると
ゲル化促進効果がでず、TGaseの非使用の場合と差がな
く、高すぎるとゲル化促進効果は大となるものの、色調
・臭いの改善がみられない。TGaseを作用させる時の温
度は0−70℃、好ましくは20−60℃の範囲である。低す
ぎると長時間の処理時間が必要であり、高すぎると酵素
反応が速すぎて反応のコントロールが困難である。
0、好ましくは5.7−7.2の範囲である。pHが低すぎると
ゲル化促進効果がでず、TGaseの非使用の場合と差がな
く、高すぎるとゲル化促進効果は大となるものの、色調
・臭いの改善がみられない。TGaseを作用させる時の温
度は0−70℃、好ましくは20−60℃の範囲である。低す
ぎると長時間の処理時間が必要であり、高すぎると酵素
反応が速すぎて反応のコントロールが困難である。
また反応に供せられる植物性タンパク含有水溶液にお
けるタンパク含有量(濃度)は特に問題とならないが、
通常4−15重量%の範囲が採用される。もちろん上記範
囲に限定されるわけではない。この様な作用条件で処理
すると1分ないし3時間で適度な架橋化が起こる。
けるタンパク含有量(濃度)は特に問題とならないが、
通常4−15重量%の範囲が採用される。もちろん上記範
囲に限定されるわけではない。この様な作用条件で処理
すると1分ないし3時間で適度な架橋化が起こる。
カルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物、と
TGase添加順序は特にこだわらない。即ち、カルシウム
化合物及び/又はマグネシウム化合物を添加した後に、
TGase処理を行っても良いし、またTGase処理を行った後
にカルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物を添
加しても良い。しかし、好ましくはカルシウム化合物及
び/又はマグネシウム化合物を添加した後でTGase処理
を行うのが良い。
TGase添加順序は特にこだわらない。即ち、カルシウム
化合物及び/又はマグネシウム化合物を添加した後に、
TGase処理を行っても良いし、またTGase処理を行った後
にカルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物を添
加しても良い。しかし、好ましくはカルシウム化合物及
び/又はマグネシウム化合物を添加した後でTGase処理
を行うのが良い。
カルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物を先
に添加した場合、添加する化合物の種類によりpHが変動
するので、水酸化ナトリウムなどのアルカリ又は塩酸、
リン酸、硫酸などの酸を用いてTGase処理に適したpH、
即ちpH5.5−8.0、好ましくは5.7−7.2に調製する。
に添加した場合、添加する化合物の種類によりpHが変動
するので、水酸化ナトリウムなどのアルカリ又は塩酸、
リン酸、硫酸などの酸を用いてTGase処理に適したpH、
即ちpH5.5−8.0、好ましくは5.7−7.2に調製する。
こちらのカルシウム及び/又はマグネシウム化合物並
びにTGaseの添加時期は特に限定されない。例えば分離
大豆タンパクの製造においては、前述の工程(1)〜
(4)のいずれの段階で処理を行ってもよい。しかし、
好ましくは、前述の工程(3)においてカルシウム化合
物及び/又はマグネシウム化合物を添加した後に、必要
によりpHを調製後、TGase処理に付す。
びにTGaseの添加時期は特に限定されない。例えば分離
大豆タンパクの製造においては、前述の工程(1)〜
(4)のいずれの段階で処理を行ってもよい。しかし、
好ましくは、前述の工程(3)においてカルシウム化合
物及び/又はマグネシウム化合物を添加した後に、必要
によりpHを調製後、TGase処理に付す。
また、必要により、植物性タンパク含有水溶液に還元
剤を添加しても良い。還元剤としては、アスコルビン酸
等、食品に添加の認められているものであれば、いずれ
も使用することができ、残存濃度の定められているもの
であれば、それに従って使用すればよい。
剤を添加しても良い。還元剤としては、アスコルビン酸
等、食品に添加の認められているものであれば、いずれ
も使用することができ、残存濃度の定められているもの
であれば、それに従って使用すればよい。
植物性タンパク含有水溶液にTGaseを作用させた後に
加熱するが、これはタンパクの腐敗防止の為の殺菌と併
せて、目的の植物タンパクの機能性を付与するためであ
る。この目的からは、通常、牛乳の殺菌等に用いられる
高温短時間方式などが好ましい。本技術においては、加
熱温度は70−200℃、加熱時間は2秒−10分以内、色調
・ゲル化性、臭いの面から好ましくは100−150℃、5秒
−5分である。加熱温度が70℃以下ではタンパクの改質
とTGaseの失活が不十分であり、200℃以上では臭いが強
くなって不適である。
加熱するが、これはタンパクの腐敗防止の為の殺菌と併
せて、目的の植物タンパクの機能性を付与するためであ
る。この目的からは、通常、牛乳の殺菌等に用いられる
高温短時間方式などが好ましい。本技術においては、加
熱温度は70−200℃、加熱時間は2秒−10分以内、色調
・ゲル化性、臭いの面から好ましくは100−150℃、5秒
−5分である。加熱温度が70℃以下ではタンパクの改質
とTGaseの失活が不十分であり、200℃以上では臭いが強
くなって不適である。
次いで行う乾燥は、その条件は特に限定されるもので
はないが、所望の機能性を付与されたタンパクが更に変
性を受けるような温度などの条件を避けるべきことはも
ちろんで、通常ドライヤーの入口温度130−200℃の温度
でノズルタイプやディスクタイプのスプレードライヤー
などを用いて行うことができる。もちろん凍結真空乾燥
も差し支えない。
はないが、所望の機能性を付与されたタンパクが更に変
性を受けるような温度などの条件を避けるべきことはも
ちろんで、通常ドライヤーの入口温度130−200℃の温度
でノズルタイプやディスクタイプのスプレードライヤー
などを用いて行うことができる。もちろん凍結真空乾燥
も差し支えない。
以上、本発明を分離大豆タンパクに関連させて説明し
たが、もちろん本発明はこれに限られるものでないとい
うことは当業者であれば容易に理解できよう。つまり、
高純度小麦タンパク、高純度米タンパクなども本法によ
り機能性を付与したものが得られる。更にまた、従来法
で一旦製造して得た分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパ
クなどを本法の植物タンパクとして採用し、これに本法
を実施すれば、そのような分離大豆タンパク、濃縮大豆
タンパクなどに新たに所望の特性を付与することもでき
る。
たが、もちろん本発明はこれに限られるものでないとい
うことは当業者であれば容易に理解できよう。つまり、
高純度小麦タンパク、高純度米タンパクなども本法によ
り機能性を付与したものが得られる。更にまた、従来法
で一旦製造して得た分離大豆タンパク、濃縮大豆タンパ
クなどを本法の植物タンパクとして採用し、これに本法
を実施すれば、そのような分離大豆タンパク、濃縮大豆
タンパクなどに新たに所望の特性を付与することもでき
る。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 脱脂大豆(米国イリノイ州産大豆を剥皮後室温でn−
ヘキサンで抽出して得たもの)を9重量倍の水に添加し
た。該混合物のpHは6.4であった。これに水酸化ナトリ
ウムを加えてpH7.0に調整後40℃で30分間撹拌してタン
パクの抽出を行なった。抽出処理物からスーパーデカン
ターによりオカラを除去して抽出液を得た。
ヘキサンで抽出して得たもの)を9重量倍の水に添加し
た。該混合物のpHは6.4であった。これに水酸化ナトリ
ウムを加えてpH7.0に調整後40℃で30分間撹拌してタン
パクの抽出を行なった。抽出処理物からスーパーデカン
ターによりオカラを除去して抽出液を得た。
この抽出液のpHをaq.H2SO4にて4.5に調整してタンパ
クを等電沈澱させ、スーパーデカンターによりホエイを
除去してタンパクカード乾物(固形分31%)を得た。
クを等電沈澱させ、スーパーデカンターによりホエイを
除去してタンパクカード乾物(固形分31%)を得た。
カード乾物当り8重量倍の水を加えてディスパースミ
ルにより解砕してタンパクスラリーとし、NaOHを用いて
pH6.0及び7.0の2種の中和タンパクスラリーを調製し
た。各サンプルのタンパク含量は3.2重量%前後であっ
た。
ルにより解砕してタンパクスラリーとし、NaOHを用いて
pH6.0及び7.0の2種の中和タンパクスラリーを調製し
た。各サンプルのタンパク含量は3.2重量%前後であっ
た。
次いで、各サンプルにタンパク重量当り、Ca濃度が0.
1,0.7,1.5,5%の濃度となるようにCaCl2を添加した。
1,0.7,1.5,5%の濃度となるようにCaCl2を添加した。
各サンプルにタンパク1g当りBTGase(BTG−1、比活
性1.9U/mg)を0.1、1、10、及び100Uとなるようにそれ
ぞれ添加し室温(25℃)で30分間保持して、TGaseを作
用させた。
性1.9U/mg)を0.1、1、10、及び100Uとなるようにそれ
ぞれ添加し室温(25℃)で30分間保持して、TGaseを作
用させた。
このようにしてTGaseを作用とさせた各サンプル(各
タンパクスラリー)をエジェクター類似混合管にて高温
蒸気吹込みにより120℃で2分間保つ加熱をし、次いで6
00mm Hg程度の減圧に保持してあるサイクロン内に噴出
し、急速に60℃に冷却した。
タンパクスラリー)をエジェクター類似混合管にて高温
蒸気吹込みにより120℃で2分間保つ加熱をし、次いで6
00mm Hg程度の減圧に保持してあるサイクロン内に噴出
し、急速に60℃に冷却した。
このものを噴霧乾燥(約160℃)することにより大豆
タンパク粉末を得た。
タンパク粉末を得た。
因みに、上記大豆タンパク粉末についてゲル化能の評
価を次のようにして、行なった。
価を次のようにして、行なった。
(1) ゲル調製法 大豆タンパク粉末100gに水400ccを加え、擂潰機によ
り15分間混練し、この混練物を非可食性ケーシングチュ
ーブ(折幅47mm)に充填した。次いで、90℃の熱水中で
50分間加熱後、水道水にて常温まで冷却することによ
り、評価用ゲルを調製した。
り15分間混練し、この混練物を非可食性ケーシングチュ
ーブ(折幅47mm)に充填した。次いで、90℃の熱水中で
50分間加熱後、水道水にて常温まで冷却することによ
り、評価用ゲルを調製した。
(2) ゲル強度の測定 ゲルを厚さ30mmに輪切にしたものを用い、不動工業
(株)製レオメーターにて、プランジャーは5mmφの球
を用いて得られたゲル強度(g)で表示した。
(株)製レオメーターにて、プランジャーは5mmφの球
を用いて得られたゲル強度(g)で表示した。
(3) 色調測定 ゲルを厚さ10mmに輪切りにしたものを用い、日本電色
工業(株)製の色差計にてL値を測定した。L値は高い
程色調が明るく良好である。
工業(株)製の色差計にてL値を測定した。L値は高い
程色調が明るく良好である。
(4) 官能評価 ゲルを厚さ10mmに輪切りにしたものを用い、パネル数
10名(男5名、女5名)により、10点法にて風味を評価
し、10名の平均値を評点とした。
10名(男5名、女5名)により、10点法にて風味を評価
し、10名の平均値を評点とした。
評価基準:10…非常にすぐれている、8…かなりすぐ
れている、5…普通(対照、pH7、Ca及びBTGase不使
用)、3…かなり劣る、0…非常に劣る。
れている、5…普通(対照、pH7、Ca及びBTGase不使
用)、3…かなり劣る、0…非常に劣る。
これらの検査結果を表1に示した。
(効果) 本発明により、カルシウム化合物及び/又はマグネシ
ウム化合物を添加後にTGase処理することにより、従来
得られなかった色調、風味に優れ、かつ物性の改善され
た植物性タンパクを得ることができる。
ウム化合物を添加後にTGase処理することにより、従来
得られなかった色調、風味に優れ、かつ物性の改善され
た植物性タンパクを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 俊浩 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所内 審査官 村上 騎見高 (56)参考文献 特開 平2−265440(JP,A) 特開 平2−257831(JP,A) 特開 昭58−149645(JP,A) 特開 昭59−166040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23J 1/00 - 7/00 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】植物性タンパク含有水溶液にタンパク重量
当り0.1−6.0重量%のカルシウム化合物及び/又はマグ
ネシウム化合物並びにタンパク1g当り、0.1−100Uのト
ランスグルタミナーゼを添加し、次いで加熱、乾燥する
ことを特徴とする植物性タンパク粉末の製造法。 - 【請求項2】植物性タンパクが大豆タンパクで、かつ植
物性タンパク粉末が分離大豆タンパク粉末である請求項
(1)記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17488690A JP2819797B2 (ja) | 1990-07-02 | 1990-07-02 | 植物性タンパク粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17488690A JP2819797B2 (ja) | 1990-07-02 | 1990-07-02 | 植物性タンパク粉末の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0463548A JPH0463548A (ja) | 1992-02-28 |
JP2819797B2 true JP2819797B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=15986389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17488690A Expired - Lifetime JP2819797B2 (ja) | 1990-07-02 | 1990-07-02 | 植物性タンパク粉末の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2819797B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1960641B (zh) * | 2004-03-30 | 2010-05-26 | 不二制油株式会社 | 生产大豆蛋白的方法以及使用该大豆蛋白生产肉类加工食品的方法 |
JPWO2006080426A1 (ja) * | 2005-01-27 | 2008-06-19 | 不二製油株式会社 | 大豆蛋白の製造方法 |
JP5271827B2 (ja) * | 2009-06-19 | 2013-08-21 | ハウス食品株式会社 | チーズ様食品組成物及びその製造方法 |
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1990
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