JP5341326B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
解決手段1:本発明の遊技機は、遊技者にとって通常の条件で進行する通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な特別の条件で進行する特別遊技とを実行し、特別遊技の終了後に遊技者に対して所定の付加価値が付与される付加価値遊技を実行可能とする。そして本発明の遊技機は、通常遊技又は付加価値遊技の実行中に特別の事象が発生したことを条件として、通常遊技又は付加価値遊技から特別遊技に移行させる特別遊技移行手段と、特別遊技移行手段とは別に、特別の事象が発生すると、その後に実行される付加価値遊技にて遊技者に付与するべき付加価値の程度を事前に選択的に決定する付加価値決定手段と、付加価値決定手段により付加価値の程度が決定されると、付加価値の程度を記憶する付加価値記憶手段と、付加価値の程度を再度選択的に決定する付加価値再決定手段と、付加価値再決定手段により付加価値の程度が再度決定されると、再度決定された付加価値の程度と、付加価値記憶手段により記憶された付加価値の程度と、を比較する付加価値比較手段と、付加価値比較手段による比較の結果、再度決定された付加価値の程度の方が記憶された付加価値の程度の方よりも遊技者にとって有利な場合、付加価値記憶手段により記憶されていた付加価値の程度を破棄し、付加価値再決定手段により再度決定された付加価値の程度を付加価値記憶手段に記憶させる付加価値再記憶手段とを備える。
解決手段4:すなわち本発明は、1回のゲームごとに使用する遊技媒体の数を決定して所定の表示位置を有効にし、複数種類の図柄が周方向に配列して付された複数の表示体を周方向に回転させて図柄の表示を変動させた後、遊技者の停止操作に応じて表示体の回転を順次停止させ、全ての表示体の停止時に有効な表示位置に表示された図柄の組み合わせからゲームの結果を判断する遊技機、特に回胴式遊技機である。
図1は、回胴式遊技機の一例であるスロットマシン1を示す斜視図である。このスロットマシン1は、例えば遊技メダルを媒体として遊技を行うタイプのものであり、いわゆる「パチスロ機」と称されているものである。この他に、遊技球を媒体として遊技を行うタイプの回胴式遊技機(いわゆる「パロット機」)もあり、こちらも本発明の実施形態として好適である。先ず、スロットマシン1の構成について説明する。
前面扉4の奥、つまり筐体2の内部には、表示体として3つのリール6,8,10が設置されている。リール6,8,10はいずれも円環状に成形されており、その周囲には複数の図柄(図示されていない)が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。図柄には複数の種類があり、例えば数字の「7」やアルファベットの「BAR」等の文字列をデザインしたもの、「ベル」等の縁起物をデザインしたもの、「チェリー」や「スイカ」等の青果類をデザインしたものの他、スロットマシン1のゲームコンセプトに基づいてデザインされたキャラクターの図柄、あるいは当選種類の1つである「リプレイ」を意味する図柄等が挙げられる。なお、ここでは図柄の種類を例示しているに過ぎず、特にこれらに限定されない。
表示窓14内には、横方向に並んだ3つのリール6,8,10同士の間で図柄の組み合わせが構成される表示位置、つまり、表示ラインが形成されている。表示ラインは、例えば表示窓14内で水平方向及び斜め方向に規定される5本の仮想線(図1中に示される一点鎖線)である。このうち水平方向の3本の表示ライン上では、3つのリール6,8,10につき、上段・中段・下段の各位置でそれぞれ3つずつの図柄の組み合わせが構成されている。また斜め方向の2本の表示ライン上では、左リール6の上段位置、中リール8の中段位置、右リール10の下段位置で3つの図柄の組み合わせが構成されるほか、左リール6の下段位置、中リール8の中段位置、右リール10の上段位置でも3つの図柄の組み合わせが構成される。なお、水平方向及び斜め方向の表示ラインは一例に過ぎず、表示ラインは水平方向と斜め方向とを合成したもの(折れ線状)であってもよい。
パネル部12には、例えば表示窓14の下方に3つのベットランプ12gが設けられている。これらベットランプ12gは、1回ごとの遊技で遊技者が投じたメダルの枚数(「ベット数」、「掛け数」等と称する。)を表示するためのものである。またベットランプ12gは、そのときのベット数に応じて有効化される表示ライン、つまり有効ラインの本数を表している。以下の説明では、ベット数に応じて表示ラインが有効化された状態を「有効ライン」と称する。
上記のようにメダルのベット及びスタートレバー18の操作を経てリール6,8,10が回転中に遊技者により停止ボタン20,22,24が操作され、全てのリール6,8,10が回転を停止すると、表示窓14内で有効ライン上(有効な表示位置)に表示された図柄の組み合わせから1回のゲームの結果が判定される。例えば、有効ライン上に「ベル」や「スイカ」等の同種の図柄が3つ揃う組み合わせが表示された場合、それぞれ「ベル」又は「スイカ」という小役に入賞したと判定され、各小役について予め決められた枚数のメダルが払い出される。小役に対応する図柄の組み合わせには、3つのリール6,8,10で同種の図柄を組み合わせるものの他、例えば左リール6に「チェリー」の図柄があれば、他のリール8,10の図柄は何でもよい組み合わせ(「チェリー」−「ANY」−「ANY」)もある。このような組み合わせは実質的に単独の図柄だけで構成されているため、2本の有効ラインが交差する位置(上段又は下段の位置)で「チェリー」の図柄が停止していた場合、二重入賞となって払い出し枚数が加算される。
一方、有効ライン上に例えば赤色の「7」−「7」−「7」等の図柄の組み合わせが表示されると、いわゆる「ビッグボーナスゲーム」等の特別遊技に移行する利益が遊技者に与えられる。あるいは、有効ライン上に例えば黒色の「BAR」−「BAR」−「BAR」等の図柄の組み合わせが表示されると、いわゆる「レギュラーボーナスゲーム」等の特別遊技に移行する利益が遊技者に与えられる(いずれもメダルは払い出されない)。特別遊技に移行すると、遊技者に有利な特別の条件でゲームが進行し、例えば、通常よりも高頻度に「ベル」や「スイカ」等の小役に入賞する機会が得られたり、入賞に対する払い出し枚数が増加したり、通常では入賞することがない種類の小役に入賞したりすることが可能になる。
また本実施形態では、特別遊技の終了後、高確率で上記の「リプレイ」の結果が得られる有利遊技として、リプレイタイム(RT)に移行する利益が遊技者に与えられるものとなっている。このリプレイタイム中は、通常遊技よりも再遊技に当選する確率が高く(例えば6倍程度の高確率に)変更され、その分、非当選の確率が相対的に減少することになる。この結果、リプレイタイム中にゲーム回数を重ねても、遊技者が保有するメダルの減少は少なく抑えられる(場合によっては微増する)。
スロットマシン1には、主制御用コンピュータ100(マイクロコンピュータ)が装備されており、この主制御用コンピュータ100は主に、スロットマシン1における遊技の進行を制御する機能を有する。主制御用コンピュータ100には、中央演算処理装置であるメインCPU102を実装した回路基板が装備されており、メインCPU102には、ROM104、RAM106等の半導体メモリがバスを通じて接続されている。なおメインCPU102は、ROM104及びRAM106を合わせて集積したパッケージとして構成されていてもよい。
上記の主制御用コンピュータ100とは別に、スロットマシン1は制御上の構成としてサブ制御用コンピュータ150(マイクロコンピュータ)を備えている。このサブ制御用コンピュータ150は、スロットマシン1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。サブ制御用コンピュータ150にもまた、中央演算処理装置であるサブCPU152を実装した回路基板が装備されている。サブCPU152にもまた、ROM154やRAM156等の半導体メモリがバスを通じて接続されている。このサブCPU152もまた、ROM154及びRAM156を合わせて集積したLSIパッケージとして構成されていてもよい。
先ず図3は、メインCPU102により実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。このメイン処理は、スロットマシン1の電源投入後に実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS16:先のステップS14で両方の条件が満たされたと判断すると(Yes)、メインCPU102は次に抽選処理を行う。抽選処理では、メインCPU102は乱数発生器108から乱数サンプリング回路110を通じて乱数(例えば10進数表記で0〜65535のいずれか)を取得し、その値をキャッシュする。そしてメインCPU102は、ROM104から読み出した抽選テーブルを参照し、取得した乱数値がいずれかの当り値と一致しているか否かを判断する。抽選テーブルには、全乱数値(0〜65535)の中でいくつかの当選範囲及び非当選範囲が規定されており、さらに当選範囲に対しては何らかの当選種類(当選役)が割り当てられている。
ステップS20:リール6,8,10を回転させると、次にメインCPU102は回胴停止処理を実行する。この処理は、いわゆる「リール制御」に相当するものである。メインCPU102はリール6,8,10の回転速度が一定になったことを確認すると、各停止ボタン20,22,24について停止スイッチ124及びリール停止信号回路126の機能を有効にする。これにより、例えば停止ボタン20,22,24にLEDが内蔵していれば、リール停止信号回路126はLEDを点灯させたり、その発光色を切り替えたりする処理を行う。
特に図示しないが、上記の特別遊技中処理に移行すると、メインCPU102は例えば「ビッグボーナスゲーム」や「レギュラーボーナスゲーム」等と称する特別遊技の条件でゲームの進行を制御する。合わせてメインCPU102は、図示しない外部端子板を通じて「ボーナス中」を表す遊技ステータス信号を出力する。この場合、メインCPU102はRAM106上の当選フラグを消去し、また、ROM104から取得した基本的な遊技情報(必要枚数、抽選テーブル等)を特別遊技中のものに書き換える。これにより、特別遊技に移行する前の通常遊技とは異なる条件でゲームが進行する。特に抽選テーブルは、通常遊技中のものより小役の当選確率が高く設定されているため、毎回のゲームで高確率で小役に当選し、その結果、高い頻度で入賞によるメダルの払い出しを受ける機会が遊技者に与えられる。なお特別遊技は、その間の払出枚数が規定枚数に達すると終了条件が満たされる。メインCPU102は、この終了条件が満たされたときのゲームで特別遊技中処理を終了する。
次に、有利遊技中処理について説明する。上記の特別遊技中処理を終了すると、メインCPU102は次に有利遊技中処理を実行する。図示していないが、メインCPU102は有利遊技中処理に移行すると、例えば「リプレイタイム」等と称する有利遊技の条件でゲームの進行を制御する。合わせてメインCPU102は、図示しない外部端子板を通じて「リプレイタイム中」を表す遊技ステータス信号を出力する。
ただし、リプレイタイム中のゲームで「チェリー」という特定種類の小役に入賞すると、メインCPU102は有利遊技中処理を終了し、リプレイタイムとは別の遊技状態を経由して通常遊技に復帰させる処理を行う。リプレイタイムから別の遊技状態に移行すると、例えば再遊技役の当選確率が通常遊技よりも低く変更される。ただし、別の遊技状態は数回(例えば1〜3回)のゲーム数を消化すると終了し、その次のゲームから通常遊技に復帰する。
上記のように、本実施形態のスロットマシン1による遊技では、ボーナスゲームの終了後にリプレイタイムに移行するという付加価値が遊技者に与えられる。この間にボーナス(特別役)に当選すると、さらにリプレイタイムからボーナスゲームに移行する利益が遊技者に与えられる。特にリプレイタイム中は遊技者が保有するメダルの数がほとんど減少しないことから、リプレイタイム中にボーナスに当選する(いわゆる連チャンする)ことは遊技者にとって大きな利益である。
そこで本実施形態のスロットマシン1は、リプレイタイム中の付加価値として、遊技者が積極的に「チェリー」の入賞を回避するべく、その停止操作を補助するための情報を遊技者に提供する。
リプレイタイム中の上限回数は、例えばサブCPU152が行う抽選によって決定される。抽選の機会は遊技を通して2回あり、その1回目はボーナスゲーム移行時であり、2回目をボーナスゲーム中に特定役に入賞した時である。これら2回の抽選は、サブCPU152が実行する制御プログラムの中で行われる。以下、具体的に制御の手順を追って説明する。
図4は、サブCPU152が実行する演出制御処理のフローチャートである。この演出制御処理中の中で、サブCPU152はさらに複数の処理(サブルーチン)を呼び出して実行する。以下、演出制御処理中の各処理について説明する。
処理の詳細は図示しないが、コマンド待ち処理を実行すると、サブCPU152は例えば所定の割込周期で入力ポート(図2には示されていない)を開き、メインCPU102から送信されるコマンドを待ち受ける。通常、メインCPU102からのコマンドは図示しない入出力インタフェースでラッチしておき、これをクロックパルスに同期させてサブCPU152の入力ポートに転送する。特にコマンドを受信しないままタイムアウトした場合、サブCPU152は演出制御処理に復帰する。一方、何らかのコマンドを受信すると、これをRAM156のコマンド記憶領域に記憶させてから演出制御処理に復帰する。
(2)始動操作コマンド・・・スタートレバー18を押下する始動操作が受け付けられたことを表す。
(3)当選番号コマンド・・・抽選の結果が非当選であるか、もしくは当選であれば、その当選種類(小役、リプレイ、ボーナス)を表す。なお、このコマンドには3色別の「チェリー」の当選番号の他、3種類の「特殊役=チャンスベル」の当選番号が含まれる。なお「チャンスベル」については後述する。
(4)回胴回転コマンド・・・リール6,8,10の回転が開始したこと(回胴始動)を表す。
(5)操作回胴コマンド・・・左リール6、中リール8、右リール10のいずれについて停止ボタン20,22,24が操作されたかを表す。
(6)押下位置コマンド・・・各リール6,8,10について、有効ライン上にどの図柄が位置するタイミングで停止ボタン20,22,24が押下されたかを表す(サブ制御用コンピュータ150で出目履歴等を表示する場合に利用される。)。
(7)停止番号コマンド・・・各リール6,8,10について、有効ライン上にどの図柄が停止したかを表す。
(8)判定結果コマンド・・・非入賞、入賞、再遊技、特別遊技への移行等の判定結果を表す。
(9)回胴停止後コマンド・・・全てのリール6,8,10が停止したことを表す。
(10)払出枚数コマンド・・・メダルの払出枚数を表す。
(11)遊技ステータスコマンド・・・通常遊技、ボーナスゲーム、リプレイタイム等の内部状態を表す。
サブCPU152は、このゲーム中演出処理を通してスロットマシン1による演出動作を制御する。演出動作は、例えば上述した液晶表示器44による画像の表示や、スピーカ162からの音響出力、ランプ164による発光動作等である。なお、具体的な処理の手順については、別のフローチャートを用いて後述する。
この処理では、サブCPU152はリプレイタイム中に情報を提供するゲームの上限回数(以下、「ARTゲーム数」という。)を決定する。またこの処理は、上限回数を決める1回目の抽選に該当する。なお、ARTゲーム数決定処理の具体的な手順についても、別のフローチャートを用いて後述する。
この処理では、サブCPU152は先のARTゲーム数決定処理で決定したARTゲーム数の更新、つまり再決定を行う。この処理は、上限回数を決める2回目の抽選に該当するものである。ARTゲーム数更新処理の具体的な手順についても、別のフローチャートを用いて後述する。
この処理では、サブCPU152はリプレイタイム中にARTゲームの残数をカウントする。ARTゲーム数カウント処理の具体的な手順についても、別のフローチャートを用いて後述する。
この処理では、サブCPU152はRAM156のカウンタ領域で抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新や、不要となったレジスタの消去等を行う。なお、その他の処理の手順は特に図示しない。
図5は、ゲーム中演出処理の手順例を示すフローチャートである。また図6は、ゲーム中演出処理で表示される画像の例を示す図である。
例えば、今回のゲームで当選番号が「白チェリー」に該当している場合、液晶表示器44の表示画面上に「白チェリー」に対応する図柄を画像として表示させる。このような画像に接した遊技者は、今回のゲームで「白チェリー」に当選したことを明確に覚知することができる。また、合わせてスピーカ162から「白チェリーを外してください」等の音声情報を出力させるとともに、表示画面上にも文字情報を表示させることで、遊技者に対して白色の「チェリー」を入賞させないタイミングで停止操作が行われることを促すことができる。また、ここでは図示していないが、サブCPU152はランプ164を点灯させて、パネル部12で「白チェリー」に対応する演出ランプ12aを点灯させてもよい。この場合、3つある演出ランプ12aがそれぞれ「赤」、「青」、「白」に対応していることが望ましい。
ステップS210:これに対し、ARTゲーム残数が0以下であれば(ステップS206:No)、サブCPU152は非アシスト演出処理を実行する。なお、ARTゲーム数決定処理又はARTゲーム数更新処理において、もともとARTゲーム数として「0回」が選択されていた(ART非当選)場合も同様である。
例えば、今回のゲームで当選番号が白チェリーに該当していたとしても、液晶表示器44の表示画面上には単に「注意!」等の文字情報とともに、例えば3色全ての「チェリー」の図柄が並んで表示されるだけであり、具体的にいずれの色の「チェリー」に当選したかを特定する画像は表示されない。このような画像に接した遊技者は、今回のゲームで3色いずれかの「チェリー」に当選したことを認識することはできるものの、果たしてどの色であるかを特定することができない。したがって、遊技者がどのようなタイミングで停止ボタン20を操作しても、3分の1の確率で「チェリー」に入賞することになる。なお、特に図示していないが、このときパネル部12の演出ランプ12aは、いずれも点灯しないか、もしくは3つの演出ランプ12aが順繰りに点灯する態様で演出を行う。
ステップS212:コマンド待ち処理で当選番号コマンド以外を受信していた場合(ステップS201:No)、サブCPU152はその他演出処理を実行する。その他演出処理では、例えば上記(1)の投入処理コマンドや、(4)の回胴回転コマンド、(5)の操作回胴コマンドを受信した場合、サブCPU152はスピーカ駆動回路158に対してベット効果音やメダル投入音、リール始動音、リール停止音等を出力させる指示を与える。これにより、ゲームの進行状況に応じてスピーカ162から効果音を出力する演出が実行される。あるいは、(7)の停止番号コマンドや(8)の判定結果コマンド、(10)の払出枚数コマンドを受信した場合、サブCPU152は有効ライン上に停止した図柄の組み合わせや入賞の有無、払出枚数等を判断し、スピーカ駆動回路158及びランプ駆動回路160に対してテンパイ演出や入賞演出を指示する。これにより、スピーカ162からテンパイ音やメダルの払出音を出力させたり、トップランプ37や左右のパネルランプ40,42を点灯・点滅させたり、あるいは、入賞時にリール6,8,10のバックランプを点滅させて有効ライン上の各図柄を強調したりする演出が実行される。
以上のゲーム中演出処理を通じて、リプレイタイム中のゲームで「チェリー」に当選した場合、今現在のARTゲーム残数が0より大きければ(ステップS206:Yes)、サブCPU152はアシスト演出処理(ステップS208)を実行する。この場合、遊技者に対して「チェリー」の入賞を回避するために停止操作を補助する情報が、何らかの付加価値を持った演出(アシスト演出)として提供される。このようなアシスト演出は、抽選で決定されたARTゲーム数の期間にわたって継続するので、この期間は遊技者にとって「入賞回避の補助を受けられる期間」、つまり「アシストリプレイタイム」となる。
次に図7は、ARTゲーム数決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、処理の手順を追って説明する。
図8は、上記のARTゲーム数抽選処理(図5中のステップS204)で抽選に用いられる「ARTゲーム数抽選テーブル(標準)」の一例を示したものである。この「ARTゲーム数抽選テーブル」は、スロットマシン1の設定値(1〜6)別に、それぞれARTゲームの上限回数「0回」〜「10000回」ごとの振り分け率を定めたものである。
次に図9は、ARTゲーム数更新処理の手順例を示すフローチャートである。サブCPU152は、この処理の中でARTゲーム数を更新、つまり再決定する。また図10は、ARTゲーム数再抽選処理(以下のステップS404)で再抽選に用いられる「ARTゲーム数再抽選テーブル」の一例を示したものである。以下、具体的に説明する。
図10に示される「ARTゲーム数再抽選テーブル」もまた、図8と同様にスロットマシン1の設定値(1〜6)別にARTゲームの上限回数「0回」〜「10000回」の振り分け率を定めたものである。ただし、この「ARTゲーム数再抽選テーブル」には、2回目の抽選でARTゲーム数をアップさせるための味付けがなされている。例えば、スロットマシン1の設定値が3以上(設定3〜6)である場合、いずれも4分の1の確率(=16384/65536)で「1000回」のARTゲーム数が選択されるものとなっている。これは、図8の「ARTゲーム数抽選テーブル(標準)」において、同じ設定3〜6の場合に「1000回」が選択される確率(128分の1)に比較すると、特段に大きいことがわかる。ただし、ここでは「10000回」のARTゲーム数は選択されない。
サブCPU152は、ARTゲーム数再抽選処理で新規なARTゲーム数を決定すると、次にステップS406に進む。
図11は、ARTゲーム数カウント処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
以上の処理をサブCPU152が実行することにより、本実施形態のスロットマシン1による遊技は以下のように進行する。
例えば、遊技者が通常遊技からスロットマシン1のゲームを開始した場合を考える。通常遊技中のゲームでボーナスに当選し、そのゲーム又以降のゲームで有効ライン上にボーナス図柄の組み合わせ(「7」−「7」−「7」)が表示されると、それによってサブCPU152が内部的にARTゲーム数を決定する。このとき、ARTゲーム数は「0回」〜「10000回」の範囲内で決定され、RAM156のゲーム数記憶領域に記憶される。
ボーナスゲーム中は、上述したとおり小役(例えば「ベル」)の当選確率がアップし、その分、相対的に非当選(はずれ)の確率が低下するため、遊技者は短期間のうちにまとまって多くのメダルを獲得していくことができる。一方、この間にも「チャンスベル」を含む小役の抽選が行われているため、ボーナスゲーム中に3種類の「チャンスベル」のいずれかに当選すると、これを入賞させることでARTゲーム数の再抽選を受ける機会が遊技者に与えられる。
ただし、上述のように特殊役である「チャンスベル」には(1)「赤7」−「ベル」−「ベル」、(2)「青7」−「ベル」−「ベル」、(3)「白7」−「ベル」−「ベル」の図柄の組み合わせに対応して3つの種類があり、たとえいずれかの種類に当選したとしても、実際に入賞できるか否かは、遊技者自らが行う停止ボタン20の操作にかかっている。
上記のような「3択チャレンジ」としてのゲーム性を実現するため、例えばサブCPU152は、図5のゲーム中演出処理において以下の制御を行うことができる。
ボーナスゲーム中の再抽選で事前のARTゲーム数よりも多い回数が選択されると、この多い方のARTゲーム数が採用されるため、遊技者にとって非常に恩恵が大きい。仮に事前の抽選でARTゲーム数が「0回」(=非当選)と決定されていたとしても、ここで「100回」以上が選択されれば、復活当選という恩恵を受けることができる。
その結果、例えば「1000回」ものARTゲーム数が決定された状態でリプレイタイムに移行すると、実際に1000回のゲームを消化するまでの間、「チェリー」の入賞を回避するための情報が遊技者に提供される。これにより、遊技者は自己の停止操作によって「チェリー」の入賞を回避し続けている限り、リプレイタイムが終了することはないので、メダルの使用量を抑えながら次のボーナスの当選に期待することができる。
6 左リール
8 中リール
10 右リール
14 表示窓
16 メダル投入口
18 スタートレバー
20 左停止ボタン
22 中停止ボタン
24 右停止ボタン
30 ベットボタン
32 MAXベットボタン
38 トップランプ
40 左パネルランプ
42 右パネルランプ
44 液晶表示器
100 主制御用コンピュータ
102 メインCPU
150 サブ制御用コンピュータ
152 サブCPU
162 スピーカ
Claims (3)
- 遊技者にとって通常の条件で進行する通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者に有利な特別の条件で進行する特別遊技とを実行し、前記特別遊技の終了後に遊技者に対して所定の付加価値が付与される付加価値遊技を実行可能にする遊技機において、
前記通常遊技又は前記付加価値遊技の実行中に特別の事象が発生したことを条件として、前記通常遊技又は前記付加価値遊技から前記特別遊技に移行させる特別遊技移行手段と、
前記特別遊技移行手段とは別に、前記特別の事象が発生すると、その後に実行される前記付加価値遊技にて遊技者に付与するべき付加価値の程度を事前に選択的に決定する付加価値決定手段と、
前記付加価値決定手段により前記付加価値の程度が決定されると、前記付加価値の程度を記憶する付加価値記憶手段と、
前記特別遊技の実行中に特殊な事象が発生したことを条件として、前記付加価値の程度を再度選択的に決定する付加価値再決定手段と、
前記付加価値再決定手段により前記付加価値の程度が再度決定されると、再度決定された前記付加価値の程度と、前記付加価値記憶手段により記憶された前記付加価値の程度と、を比較する付加価値比較手段と、
前記付加価値比較手段による比較の結果、再度決定された前記付加価値の程度の方が記憶された前記付加価値の程度の方よりも遊技者にとって有利な場合、前記付加価値記憶手段により記憶されていた前記付加価値の程度を破棄し、前記付加価値再決定手段により再度決定された前記付加価値の程度を前記付加価値記憶手段に記憶させる付加価値再記憶手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記特別遊技移行手段としての機能を果たすための制御プログラムを実行する主制御用コンピュータと、
前記主制御コンピュータから制御上のコマンドを受信して、前記付加価値決定手段及び前記付加価値再決定手段としての機能を果たすための制御プログラムを実行するサブ制御用コンピュータとをさらに備えたことを特徴とする遊技機。 - 1回のゲームごとに使用する遊技媒体の数を決定して所定の表示位置を有効にし、複数種類の図柄が周方向に配列して付された複数の表示体を周方向に回転させて図柄の表示を変動させた後、遊技者の停止操作に応じて前記表示体の回転を順次停止させ、全ての前記表示体の停止時に前記有効な表示位置に表示された図柄の組み合わせからゲームの結果を判断する遊技機において、
1回のゲームごとに前記表示体の回転を始動させる遊技者の始動操作に応じて、遊技者の利益に関わる利益抽選を行う抽選実行手段と、
前記表示体が回転した状態で遊技者により前記停止操作が行われると、前記利益抽選の結果に基づいて前記表示体の停止位置を所定の可能範囲内で制御する停止位置制御手段と、
遊技者にとって通常の条件でゲームが進行する通常遊技を実行する通常遊技実行手段と、
少なくとも前記通常遊技中に前記利益抽選の結果が特別役の当選に該当し、かつ、前記表示体の停止時に前記特別役に対応する図柄の組み合わせが表示されると、前記通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別の条件でゲームが進行する特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別遊技が終了すると、前記利益抽選の結果に基づいて前記表示体の停止時に特定の図柄の組み合わせが表示されるまでの間は前記通常遊技よりも遊技者にとって有利な条件でゲームが進行する有利遊技を実行する有利遊技実行手段と、
前記有利遊技中のゲームが規定の上限回数に達するまでの間は、前記利益抽選の結果が特定の当選種類に該当した場合に前記特定の当選種類を表す当選情報を報知することで、前記有利遊技に対する付加価値として遊技者に提供する付加価値付与手段と、
前記利益抽選の結果、前記特別役に当選したこと、又は前記特別役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことを条件として、事前に前記上限回数を選択的に決定する上限回数決定手段と、
前記上限回数決定手段により前記上限回数が決定されると、前記上限回数を記憶する上限回数記憶手段と、
前記特別遊技中のゲームで前記利益抽選の結果が特殊役に該当し、かつ、前記表示体の停止時に前記特殊役に対応する図柄の組み合わせが表示されたことを条件に、前記上限回数を再度選択的に決定する上限回数再決定手段と、
前記上限回数再決定手段により前記上限回数が再度決定されると、再度決定された前記上限回数と、前記上限回数記憶手段により記憶された前記上限回数と、を比較する上限回数比較手段と、
前記上限回数比較手段による比較の結果、再度決定された前記上限回数の方が記憶された前記上限回数の方よりも大きい場合、前記上限回数記憶手段により記憶されていた前記上限回数を破棄し、前記上限回数再決定手段により再度決定された前記上限回数を前記上限回数記憶手段に記憶させる上限回数再記憶手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
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