JP6349563B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機に関する。
従来から、メダルをベットした状態でスタートレバーを操作することで複数の役から当選する役を決定する内部抽選を行うとともに複数のリールが回転を開始させ、ストップボタンを操作することで複数のリールを停止させて内部抽選で当選を決定した役が入賞した場合に、入賞した役に対する配当としてのメダルが支払われるスロットマシンが知られている。
現在提供されているスロットマシンの多くは、例えば、内部抽選の結果として特定の当選状態となった場合において小役を確実に入賞させることができる操作手順を報知する期間であるアシストタイムや、アシストタイム中にアシストタイムの残り期間を増加させることが可能な上乗せ特化ゾーンといったような、通常の遊技状態よりも有利な複数の状態を有しており、このような有利な状態が繰り返し発生または継続することで、より多くのメダルを獲得できるような遊技性を備えている。
一方で、遊技者の遊技機に対するのめり込み防止の観点から、遊技機の射幸性が高くなりすぎないように遊技性を設計されることが当局より求められている。この課題を解決するために、一連の有利な状態におけるメダルの払出枚数が多くなりすぎないように遊技機を制御する機能である、いわゆるリミット機能を搭載することが提案されている。リミット機能とは、例えば、アシストゲーム中に獲得したメダルの枚数が所定数に到達した場合に、アシストゲームを強制的に終了させる機能である。
特開2002−346028号公報
しかしながら、上述のようにアシストゲームを強制的に終了させることは、アシストゲームを継続するために残されていた権利を強制的に剥奪することであり、これにより遊技者に対する不利益が明らかとなってしまうため、遊技者が遊技を継続する動機を喪失させてしまっていた。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、リミット機能を搭載している遊技機であっても、遊技者に対して不利益を感じさせず、遊技者が遊技を継続する動機の喪失を回避する遊技機を提供することを解決課題とする。
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号等を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を表示の形態に限定する趣旨ではない。
本発明の遊技機は、通常遊技状態における所定の開始条件の成立に応じて当該通常遊技状態より有利な特別遊技状態(AT状態、ATゲーム)の開始を判定する第1開始判定手段と、前記特別遊技状態における遊技の進行に応じて第1カウンタ(ATゲーム数カウンタ)を減算する第1減算手段(Sa1504)と、 前記第1カウンタが第1閾値(0)以下であることを条件として前記特別遊技状態の終了を判定する第1終了判定手段(Sa1505)と、前記特別遊技状態における所定の加算条件の成立に応じて前記第1カウンタを加算する第1加算手段(上乗せ抽選処理)と、 前記特別遊技状態における遊技の進行に応じて第2カウンタ(消化ゲーム数カウンタ)を加算する第2加算手段と、前記第2カウンタが第2閾値(最大消化ATゲーム数:1500)以上であることを条件として前記特別遊技状態の終了を判定する第2終了判定手段とを備え、前記第1加算手段は、前記第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値を超えないように、当該第1カウンタの加算値を設定する。
また、本発明の好適な態様の遊技機の前記第1加算手段は、前記第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値を超えないように、当該第1カウンタの加算値を決定する数値範囲を設定するようにしてもよい。
また、本発明の好適な態様の遊技機の前記第1加算手段は、前記第1カウンタに設定する加算値が、当該第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値を超えるような値となった場合に、当該値以下となるように当該加算値を変更して当該第1カウンタに加算するようにしてもよい。
また、本発明の好適な態様の遊技機は、前記特別遊技状態における所定の開始条件の成立に応じて、前記特別遊技状態より前記第1加算手段における前記所定の加算条件が成立し易い遊技状態であって、連続する1以上のゲームで構成される特定遊技状態(上乗せ特化状態)の開始を判定する第2開始判定手段を備え、前記第1加算手段は、前記第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値を超えないように、前記特定遊技状態における当該第1カウンタの各加算値を設定するようにしてもよい。
また、本発明の好適な態様の遊技機の前記第1加算手段は、前記第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値より少ない前記第3閾値(所定の閾値)を超えると判定した場合に、当該第1カウンタが当該第1閾値以下となる前に当該第2カウンタが当該第3閾値を超えないように、当該第1カウンタの加算値を設定するようにしてもよい。
また、本発明の好適な態様の遊技機は、遊技の進行を制御する主制御部(メイン基板100A,CPU101)と、当該主制御部から一方向に通信接続されて、当該主制御部から受け付けた遊技情報に応じた表示を制御する副制御部(表示制御基板100B,CPU191)とを具備し、前記第1カウンタは、前記主制御部にて管理される主第1カウンタと、前記副制御部にて管理される副第1カウンタとで構成され、前記第1加算手段は、前記主制御部にて前記主第1カウンタを加算する主第1加算手段と、前記副制御部にて前記副第1カウンタを加算する副第1加算手段とで構成され、前記主第1加算手段は、前記主第1カウンタの加算値を決定して前記主第1カウンタに加算するとともに当該加算値を副制御部に送信し、前記副第1加算手段は、前記副制御部が前記主制御部から受け付けた加算値を、前記副第1カウンタが前記第1閾値以下となる前に前記第2カウンタが前記第2閾値を超えないような値に変更して当該副第1カウンタに加算するようにしてもよい。
本発明によれば、リミット機能を搭載している遊技機であっても、遊技者に対して不利益を感じさせず、遊技者が遊技を継続する動機の喪失を回避する遊技機を提供することができる。
本発明の実施形態に係るスロットマシン1の概観を示す斜視図である。 (A)リールユニットRL全体の構造を示す説明図、(B)右リールの詳細の構造を示す明図である。 (A)リール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図、(B)リール窓20内に表示される図柄の位置と入賞ラインLの関係を示す説明図である。 スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。 1回のゲームに係る処理の流れを示すフローチャートである。 内部抽選テーブルの構成を示す説明図である。 リール回転処理におけるウェイト処理に係る処理の流れを示すフローチャートである。 リール回転処理における基本処理に係る処理の流れを示すフローチャートである。 リール停止処理で用いられる停止テーブルの構成を示す説明図である。 図柄判定処理で用いられる役構成テーブルの構成を示す説明図である。 AT状態における押し順の報知に係る処理の流れを示すフローチャートである。 押し順報知テーブルの構成を示す説明図である。 AT抽選処理に係る処理の流れを示すフローチャートである。 AT抽選処理に利用されるAT抽選テーブルの構成を示す説明図である。 ATゲームの終了に係る処理の流れを示すフローチャートである。 ATゲームの残りゲーム数の加算に係る処理の流れを示すフローチャートである。 上乗せ抽選処理に利用される上乗せ抽選テーブルAの構成を示す説明図である。 上乗せ特化状態に移行させるか否かを抽選により決定する抽選処理に利用される状態移行抽選テーブルの構成を示す説明図である。 上乗せ特化状態における上乗せ抽選処理に利用される上乗せ抽選テーブルBを説明するための説明図である。
<1.用語の定義> 本明細書で用いる用語について、以下に説明する。
「可変表示装置」とは、複数の図柄で構成された表示列を備え、表示列の図柄を可変表示させる表示装置のことをいう。表示列がリールで構成される場合には、リールの回転動作によりリール上に配置された図柄を可変表示させる。表示列が液晶表示器等による表示画像で構成される場合には、表示画像の内容を変化させることで表示画像としての図柄を可変表示させる。
「リール窓」とは、可変表示装置の備える表示列を構成する複数の図柄の一部を遊技者に視認可能とするものをいう。
「停止図柄」とは、可変表示装置により表示列の図柄の可変表示を停止した場合において、表示列を構成する複数の図柄のうち、リール窓を通して遊技者に視認可能となった図柄のことをいう。リール窓内に図柄が停止することを「停止表示」という。
「遊技媒体」とは、遊技機に使用されるメダル又は遊技球のことをいう。遊技機に電気的又は磁気的に記憶された遊技媒体の数を示す情報のことを「クレジット」といい、その数を「クレジット数」という。
「ベット」とは、ゲームを開始するために必要な遊技媒体を設定することをいう。ベットされた遊技媒体はゲームの開始とともに消費される。ゲームを開始するために設定された遊技媒体の数のことのことを「ベット数」という。「ベットボタン」とは、ゲームを開始するために必要な遊技媒体を設定するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「スタートレバー」とは、ゲームの開始を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「ゲーム」とは、スタートレバーの操作を契機として可変表示装置が備える表示列の図柄の可変表示を開始したときから、表示列の図柄の可変表示が停止して入賞の判定の結果に基づく処理が終了するまでの一連の過程のことをいう。「1ゲーム」、「1回のゲーム」とは、その一連の過程の1回分のことをいう。
「ストップボタン」とは、可変表示装置が備える表示列の図柄の可変表示の停止を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「内部抽選」とは、ゲームの開始を契機として、予め定められた複数の役から1以上の役の当選または何れの役も当選しないハズレを、抽選により決定することをいう。
「役」とは、所定の特典に対応付けられた図柄組合せパターンのことをいう。役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示した場合に、役に対応する特典が付与される(本明細書では、例えば入賞ライン上に、表示列の左から右にかけて図柄「X」、図柄「Y」、図柄「Z」が停止表示した場合に所定の特典を付与するような役を、「X−Y−Z」役と称する場合がある)。役の「当選」とは、内部抽選の結果として、役の入賞が許容される状態になることをいう。役の「入賞」とは、役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示することをいう。役は、特典の種別に応じてボーナス役、小役、再遊技役に大別される。小役は、入賞に応じてメダルが払出される役である。再遊技役は、入賞に応じて再遊技が付与される役であって、入賞に応じて追加のベットなしに再度のゲームの開始が可能となる。ボーナス役は、入賞に応じてボーナスゲームが作動する役であって、入賞に応じてメダルの払出しに関して有利な状態に移行する。
「入賞ライン」とは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せのことをいう。ベットに応じて入賞の判定が無効の状態から有効な状態に変化する。
「停止テーブル」とは、ストップボタンが操作された場合に、ストップボタンが操作されたタイミングに応じてリール上の図柄をどのように停止表示させるかを定義したテーブルのことをいい、リールの停止制御に利用される。
「役構成テーブル」とは、役に対応する図柄組合せと特典が定義されたテーブルのことをいい、入賞の判定処理以降の処理に利用される。
「ボーナスゲーム」とは、ボーナス役の入賞に応じて移行する遊技状態であって、ボーナスゲームが作動中の遊技状態は、ボーナスゲームが作動していない遊技状態と比較して、メダルの払出しに関して有利な状態である。ボーナスゲームは、遊技規則における「普通役物」、「第一種特別役物」、「第一種特別役物に係る役物連続作動装置」、「第二種特別役物」、「第二種特別役物に係る役物連続作動装置」等によって実現される。
「AT」(アシストタイム)及び「ART」(アシストリプレイタイム)とは、小役を確実に入賞させるためのストップボタンの操作方法(押し順又は操作タイミング)が遊技者に報知される遊技状態のことである。報知された通りに遊技者がストップボタンを操作することで小役が入賞し、より多くのメダルを獲得することができる。通常遊技状態と比較して、再遊技役の当選確率が一定のものを「AT」といい、再遊技役の当選確率が高確率に変動するものを「ART」という。
「押し順」とは、ストップボタンの操作順序のことをいい、「順押し」とは、左、中、右の順序、「ハサミ押し」とは、左、右、中の順序、「逆押し」とは、右、中、左の順序でストップボタンを操作することをいう。「順押し」又は「ハサミ押し」以外の押し順のことを「変則押し順」という。
以下に、本発明に係る遊技機を、実施形態としてスロットマシンを例に説明する。
<2.遊技機の構成>(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の概観を示す斜視図である。スロットマシン1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類を配置した操作部OP、リールユニットRLが備える各リールR1〜R3の図柄を視認するリール窓20や遊技の進行に係る情報を表示するための表示器類を配置したパネル表示部DP、遊技の進行に係る情報を表示するための液晶表示器類や電飾装置を配置した演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
操作部OPには、操作部OPの上面右側にメダル投入口10を配置し、上面左側にベットボタン11が配置されている。メダル投入口10へのメダルの投入、またはベットボタン11を操作することにより、スロットマシン1に対してベットすることができる。ベットボタン11の下部位置の前面側には、リールユニットRLの各リールR1〜R3の回転の開始を指示するためのスタートレバー12を配置し、その右側には左リールR1の回転の停止を指示するための左ストップボタン13a、中リールR2の回転の停止を指示するための中ストップボタン13b及び右リールR3の回転の停止を指示するための右ストップボタン13cを配置し、遊技を進行させるための基本操作順序となる、ベットボタン11→スタートレバー12→左ストップボタン13a→中ストップボタン13b→右ストップボタン13cという、一連の流れの操作を行い易いようになっている。
スタートレバー12の左側には、貯留装置(RAM105におけるメダルのクレジット数の記憶領域のこと)に記憶されたクレジットを精算してメダル受皿40にメダルを払い出す精算ボタン14を配置する。この精算ボタン14は遊技をやめる場合に使用し、操作の頻度が低いことや遊技中に誤って操作しないよう、上記一連の操作の流れから外れる位置に配置してある。さらに操作部OPには、メダル貸機がスロットマシン1に接続されている場合に使用する貸出ボタン15、メダル貸機に挿入されたプリペイカードや現金を返却する返却ボタン16及びメダル貸機の貸出可能な度数表示が行われる度数表示器17が設けてある。なお、このように、スロットマシン1にメダル貸機が接続されている場合には、スロットマシン1のこれらの貸出ボタン15、返却ボタン16の操作によるメダル貸機の作動及び度数表示器17による度数表示は、メダル貸機の制御によって行われる。
パネル表示部DPには、1つのリールにつき3個の連続した図柄が目視でき、3つのリールで9個分の図柄をのぞむ透明アクリル板からなるリール窓20を設け、さらにリール窓20上には水平の入賞ラインLを有する。このリール窓20の左側には、入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21を設け、メダルを3枚投入すると入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21が点灯するようになっている。なお、入賞ラインLとは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せを遊技者に分かりやすく表現したリール窓20上の表示のことであるが、本明細書では、「入賞ラインL」と役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せ(「入賞ライン」)を同義に扱う場合がある。
また、遊技の結果、入賞ラインL上に役に対応する図柄の組み合わせが成立した場合には役の入賞となり、入賞ラインLに対応した入賞ライン表示器21が点滅表示し、遊技者に知らせるようになっている。また、リール窓20の右側には、役が入賞した場合に点灯する表示器や遊技状態に応じて点灯するLEDなどの複数のLEDが配置された遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下側には、貯留装置に蓄えられたクレジット数を表示するクレジット数表示器23a、特定の遊技状態におけるメダルの獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23b、及び役が入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23cから構成される遊技価値情報表示部23を有している。
演出表示部TPには、遊技の進行状態を画像で表示する液晶表示装置30、遊技の進行状態に応じて色彩や点灯パターンを変化させて表示させる電飾LED31及び遊技の進行状態に応じて変化させるBGMやボタン操作に応じた操作音、ガイド音声を出力するスピーカ32が配置されている。
受皿部BPには、メダル払出装置が駆動されてメダル払出口40aから排出されたメダルを貯めるメダル受皿40を設け、メダル受皿40の左側には灰皿を設けてある。
(2)リールユニットの構成
図2は、スロットマシン1のリールユニットRLの構造を示す説明図である。図2(A)は、リールユニットRL全体の構造を示し、図2(B)は、右リールの詳細の構造を示す。
リールR1〜R3は、透明なABS樹脂等からなり、軸部から放射線状に延びた複数のスポーク部と環状の枠からなるリール枠56a〜56cと、そのリール枠56a〜56cの周面に貼り付けられている21個の各種の図柄(図柄番号PN:1〜21)が印刷されたリール帯58a〜58cから構成される。リールR1〜R3は、ステッピングモータ54a〜54cに固定され回転動作するようになっている。リールR1〜R3の回転動作には、504ステップのパルスを供給することで1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用し、所定のパルスを供給することで所定の図柄をリール窓20に表示させることができる。さらにLED(図示せず)を設置したバックライト装置53a〜53cを設け、リール帯58a〜58cの内側から光を照射できるようになっている。このように、リール帯58a〜58cの内側からバックライト装置53a〜53cによって光を照射することで、遊技者にリール帯58a〜58c上の図柄を目立たせることができる。
またスポーク部の一つに検知板57a〜57cを取り付け、リール位置検出センサ55a〜55cによって、リールR1〜R3が1回転するごとに1パルスのリール位置検出信号155a〜155cを出力できるようになっている。このリール位置検出信号155a〜155cを検知してから12ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL上に位置するように検知板57a〜57cとリール帯58a〜58cとの位置が設定してある。
リールユニットRLにおいて、リールR1〜R3、リールR1〜R3が固定されたステッピングモータ54a〜54c、バックライト装置53a〜53c及びリール位置検出センサ55a〜55cを、それぞれベース板52a〜52cに固定することで一つのユニット構成としている。また、リールユニットRLは、ベース板52a〜52cをリールユニットRLのケース体50に設けられたガイドレール51a〜51cに沿って挿入してケース体50内に収容するようになっている。
図3(A)は、リール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図である。左、中、右のそれぞれのリールには21個の図柄を等間隔で配置して印刷されている。504ステップのパルスを供給することで1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用しているので、21個の図柄を配置すると図柄の間隔は24ステップとなる。また、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから12ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓の中央の入賞ラインL上に位置するようにしたから、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから36ステップ進めれば図柄番号PN=2が入賞ラインL上に位置し、60ステップ進めれば図柄番号PN=3が入賞ラインL上に位置し、492ステップ進めれば図柄番号PN=21が入賞ラインL上に位置することになる。492ステップより先に進めると、再びリール位置検出信号155a〜155cが検知される。これにより、リール位置検出信号155a〜155cが検知されたタイミングを基点にして、進めるステップ数により所定の図柄を入賞ラインL上に位置させることができる。
図3(B)は、スロットマシン1の入賞ラインLを示す説明図である。スロットマシン1は1つの入賞ラインLを備えている。入賞ラインLは、リール窓20内における各リールの中段の図柄位置により形成される。スロットマシン1は、入賞ラインL上に役に対応する図柄組合せが停止表示したと判定された場合に、役が入賞したと判定される。
<3.スロットマシンの電気的構成>
図4は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、液晶表示器に対して表示制御を行い画像表示する表示制御基板100B、パネル表示部DP又は演出表示部TPのLED類や音の演出の制御を行う電飾制御基板100Cを備えている。メイン制御基板100Aは、CPU(central processing unit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read−only memory)104、RAM(random−access memory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105を備えなくてもよい。
CPU101は、ROM104に格納されたプログラムを、クロック発生回路a102で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU101は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a102の周期とは異なるクロック発生回路b103で発生されられたINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒である。CPU101はプログラムの実行に応じて、フラグ類やカウンタ類などの各種の遊技情報をRAM105に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM105は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。CPU101は、入出力ポート107を介して各種ボタン、センサの状態を読み取り、各種モータ、LEDを駆動する。
ベット操作指示信号111a〜111c、開始操作指示信号112、停止操作指示信号113a〜113c及び精算操作指示信号114は、それぞれ操作部OPに設けられたベットボタン11、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13c、精算ボタン14ボタンが遊技者に操作されたことに応じて出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に入力されることで検知される。
表示制御信号123a〜123cは、それぞれパネル表示部DPに設けられたクレジット数表示器23a、獲得枚数表示器23b、配当数表示器23cに表示するための表示信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。リール位置検出信号155a〜155cのそれぞれは、リールユニットRLのそれぞれのリールに対応し、リールが1回転するたびに1回検出する信号であり入出力ポート107を介してCPU101に入力される。リール駆動信号154a〜154cのそれぞれは、リールユニットRLのそれぞれのリールR1〜R3を駆動するステッピングモータ駆動信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
メダル投入信号160は、メダル投入口10から通ずる前面扉3の内部に設けられたメダル検出装置に設けられたメダル投入センサが、投入されたメダルを検出した場合に出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に入力される。また、メダルブロック信号161はメダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動する信号であり入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。メダル払出信号162は、メダル払出装置のメダル放出部に設けられたメダル払出センサが、メダル払出装置により払い出されたメダルを検出した場合に出力される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、払出駆動信号163はメダル払出装置に設けられたモータを駆動する信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
CPU101は、データ送出回路106を介して表示制御基板100B及び電飾制御基板100Cへ各種コマンドを出力する。電飾制御基板100Cは、メイン制御基板100Aより各種コマンドを受信し、入賞ライン表示器21、遊技ガイド表示器22、電飾LED31による電飾装置の点灯制御、リールユニットRLに設けられたバックライト装置53a〜53cの点灯制御及びBGMなどのサウンドをスピーカ32から出力する。
表示制御基板100Bは、CPU(central processing unit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read−only memory)194、RAM(random−access memory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。このCPU191は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU191は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路c192の周期とは異なるクロック発生回路b193で発生されられたINTR1信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR1信号のタイミングは、例えば、2ミリ秒とする。CPU191のストローブ信号は、プログラムの実行に応じて、フラグ類やカウンタ類などの各種の遊技情報をRAM195に保存する。また、メイン制御基板100Aのデータ送出回路からのデータ送出タイミングに同期して送出されるストローブ信号に基づいてINTR2信号を発生させ、このINTR2信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。
<4.ゲーム基本処理>
スロットマシン1における1回のゲームに係る処理の流れを、図5を用いて説明する。
<4−1.処理の流れ>
(1)メダル受付処理
スロットマシン1は、メダル投入口10へメダルが投入されると、投入されたメダルを受け付けてスロットマシン1の内部に取り込むか、投入されたメダルを受け付けずにメダル受皿40に返却する(Sa501)。
具体的には、ベット数が3かつクレジット数が50未満の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルをスロットマシン1の内部に取り込むとともに、投入されたメダルの枚数だけクレジット数を加算する。また、ベット数が3かつクレジット数が50の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、メダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動して、投入されたメダルをメダル受皿40に返却する。
(2)ベット処理
スロットマシン1は、メダル投入口10へのメダルの投入、ベットボタン11の操作、または再遊技役の入賞に応じて、ゲームの開始に必要なベット数を設定する(Sa502)。
具体的には、ベット数が3未満の場合にメダル投入口10にメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルの枚数だけベット数を加算する。また、ベット数が3未満の場合にベットボタン11が操作されると、CPU101は、クレジット数を減算してベット数を加算する。また、再遊技役が入賞した場合には、CPU101は、そのゲームでベットされていたベット数を、クレジット数の減算なしに再びベットする自動ベット処理を実行する。
(3)レバー受付処理
スロットマシン1は、3枚のメダルがベットされている状態でスタートレバー12の操作を受け付けた場合にゲームを開始させる(Sa503)。具体的には、ベット数が3に設定された状態でスタートレバー12が操作されると、CPU101は、後述する内部抽選処理以降の遊技処理を実行する。一方で、ベット数が3未満に設定された状態でスタートレバー12が操作された場合には、CPU101は、内部抽選処理以降の遊技処理を実行しない。
(4)内部抽選処理
スロットマシン1は、ゲームの開始にともない、予め定められた複数の役から1以上の役の当選または何れの役も当選しないハズレを、抽選により決定する(Sa504)。ベット数が3に設定された状態でスタートレバー12が操作されると、CPU101は、内部抽選処理を実行する。内部抽選処理の詳細については後述する。
(5)リール回転処理
スロットマシン1は、内部抽選処理の実行とともに、リールR上に配置された図柄を可変表示させるためにリールR1〜R3のそれぞれを回転動作させる(Sa505)。具体的には、CPU101は、ステッピングモータ54a〜54cのそれぞれに対して継続的にパルスを供給することで、リールR1〜R3のそれぞれを回転させる。リール回転処理の詳細については後述する。
(6)リール停止処理
スロットマシン1は、リールRの回転中にストップボタン13が操作されるとリールRの回転動作を停止させる(Sa506)。リールRの回転中にストップボタン13が操作されると、CPU101は、操作されたストップボタン13に対応するリールRが固定されたステッピングモータ54に所定のパルスを供給することで、対応するリールRの回転動作を停止させる。リール停止処理の詳細については後述する。
(7)図柄判定処理
スロットマシン1は、リールR1〜R3の全てが停止した後に、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを判定する(Sa507)。リールR1〜R3の全てが停止した後に、CPU101は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、予め定められた所定の図柄組合せであるか否かを判定する。図柄判定処理の詳細については後述する。
(8)特典付与処理
スロットマシン1は、図柄判定処理によって役に入賞したと判定された場合に、役に対応する特典を付与する処理を実行する(Sa508)。特典付与処理の詳細については後述する。
<4−2.各処理の詳細説明>
上述した1回のゲームに係る各処理の詳細について説明する。
(1)内部抽選処理の詳細
スロットマシン1における内部抽選処理の詳細について説明する。内部抽選処理は、予め定められた複数の役から、1もしくは複数の役の当選または何れの役も当選しないハズレを抽選により決定するための処理であり、図6に示す内部抽選テーブルを用いて実行される。内部抽選テーブルでは、1または複数の役と、抽選確率を示す抽選値との対応関係が定義されている。
CPU101は、スタートレバー12の操作を受け付けると、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲から1つの乱数値を取得する。次に、取得した乱数値を、内部抽選テーブルで定義された複数の抽選値と順次に比較しながら、該当する抽選値を特定する。より具体的には、CPU101は、乱数発生器から取得した乱数値と、内部抽選テーブルにおける1番目の抽選値とを比較する。比較した結果、乱数値が抽選値未満の場合には、1番目の抽選値に対応付けられた役の当選を決定する。乱数値が抽選値以上の場合には、乱数値と、1番目の抽選値に2番目の抽選値を加算した値とを比較する。比較した結果、乱数値が1番目と2番目の抽選値の合計未満の場合には、2番目の抽選値に対応付けられた役の当選を決定する。
このように、乱数値が、1番目からN番目までの抽選値の合計値未満となるまで繰り返したときのN番目の抽選値に対応付けられた役を、当選する役として決定する。例えば、CPU101は、乱数発生器から取得した乱数値が3077である場合、乱数値は1番目の抽選値(300)以上であるので、この値に2番目の抽選値(2500)を加える。乱数値(3077)は、1番目と2番目の抽選値の合計値(2800)以上であるので、これに3番目の抽選値(500)を加算する。乱数値(3077)は、1番目〜3番目の抽選値の合計値(3300)未満であるので、3番目の抽選値(500)に対応付けられた「スイカ1」役の当選を決定する。
以上のように、内部抽選処理では、内部抽選テーブルを利用して、乱数発生器から取得した乱数値に該当する抽選値を特定し、特定した抽選値に対応する役の当選を決定する。なお、本明細書では、内部抽選処理の結果として抽選される役のグループ(内部抽選処理の結果として当選が決定され得る1以上の役が属するグループ)を、内部抽選テーブルで定義された複数の抽選値のそれぞれと対応付けて、抽選対象Nの様に称する場合がある。
(2)リール回転処理の詳細
スロットマシン1におけるリール回転処理の詳細について説明する。上述したように、スロットマシン1は、ステッピングモータ54にパルスを供給することでリールRを回転動作させる。
(2−1)ウェイト処理
スロットマシン1は、リールRを回転動作に先だって、各ゲーム間における最小遊技時間を確保するためのウェイト処理を実行する。リール回転処理におけるウェイト処理に係る処理の流れを、図7を用いて説明する。
まず、スロットマシン1は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を経過しているか否かを判断する(Sa701)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶されたインターバルタイマの値が、最小遊技時間を超えているか否かを判断する。スロットマシン1において、最小遊技時間は4.1秒に予め設定されている。CPU101は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていると判断した場合には処理を先に進め(Sa701:YES)、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていないと判断した場合には、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えるまで処理を待機する(Sa701:NO)。これが、スロットマシン1における、各ゲーム間における最小遊技時間を担保するためのウェイト処理である。
CPU101は、インターバルタイマの値が最小遊技時間を超えていると判断した場合には、インターバルタイマの値を0にリセットするとともに(Sa702)、インターバルタイマの計時を開始させる(Sa703)。CPU101は、インターバルタイマをリセットして計時を開始させた後に、以降の処理を実行する。
以上のように、スロットマシン1では、3枚のメダルがベットされている状態でスタートレバー12の操作を受け付けた後に実行されるウェイト処理により、各ゲーム間の間隔が最小遊技時間である4.1秒以上となるよう制御される。
リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの間は、リールRは回転動作が継続される。そして、この間にもインターバルタイマは計時される。従って、リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの期間が長いほど、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は短くなり、リールRが回転動作を開始してからストップボタン13が操作されるまでの期間が短いほど、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は長くなる。このように、リールRが回転動作を開始してから、遊技者によりストップボタン13が操作されるまでの期間に応じて、次回のゲームにおけるウェイト処理での待機時間は変化する。
(2−2)基本処理
スロットマシン1は、上述したウェイト処理の後に、ステッピングモータ54にパルスを供給することでリールRを回転動作させる。メイン制御基板100A(CPU101)は、各リールRに供給したパルスのステップ数をそれぞれRAM105に保持しており、各リールRにパルスを供給するたびにステップ数をそれぞれ加算して更新する。また、CPU101は、リール位置検出センサ55から出力されるリール位置検出信号155が入力されると、対応するリールRについてのステップ数を0にリセットする。
このように、CPU101は、リール位置検出信号155が入力された時点で、リールの回転位置が基準回転位置にあると判断できるので、基準回転位置から供給したステップ数を管理することで、現在のリールの回転位置を常に把握することができる。
図8を用いて、スロットマシン1のリール回転処理における基本処理に係る処理の流れを説明する。なお、本処理は、上述したCPU101で実行される割込みプログラム内で実行される処理であり、リールRの回転動作が開始されてから、周期的に発生する割込みのたびに実行される。また、本処理は1つのリールRに対して実行される処理であり、複数のリールRが回転動作している場合は、回転動作する各リールRに対してそれぞれ実行される。
リール回転処理において、CPU101は、回転動作の対象であるリールRに対応するステッピングモータ54に対して、パルス(ステッピングモータ駆動信号)を供給する(Sa801)。これにより、リールRが1ステップだけ回転動作する。CPU101は、ステッピングモータ54に対してパルスを供給したことに応じて、ステップ数に1を加算する(Sa802)。これにより、CPU101は、ステッピングモータ54に供給した累積のパルス数を把握することができる。
次に、CPU101は、リール位置検出信号155が入力されているか否かを判定する(Sa803)。リール位置検出信号155が入力されていない場合は(Sa803:NO)、現在のステップ数が504を超えているか否かを判定する(Sa804)。現在のステップ数が504を超えていない場合は、そのまま処理を終了する(Sa804:NO)。
一方で、リール位置検出信号155が入力されている場合は(Sa803:YES)、現在のステップ数が504より少ないか否かを判定する(Sa805)。現在のステップ数が504より少なくない場合は(Sa805:NO)、ステップ数を0にリセットする(Sa806)。これにより、CPU101は、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点からステッピングモータ54に供給した累積のパルス数を把握することができる。
これに対して、現在のステップ数が504より少ない場合には(Sa805:YES)、CPU101は、リールRの回転動作が異常状態にあると判断し、所定のエラー処理を実行する(Sa807)。これは、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点から1周分を回転動作させるために必要な504パルスをステッピングモータ54に供給するよりも前に、リールRの回転位置が基準回転位置に到達してしまったことを意味する。つまり、何らかの理由によりリールが脱調してしまい、CPU101が把握しているリールRの回転位置と、実際のリールRの回転位置とのズレが発生していることを意味する。
また、現在のステップ数が504を超えているか否かを判定した際に(Sa804)、現在のステップ数が504を超えている場合(Sa804:YES)も、CPU101は、リールRの回転動作が異常状態にあると判断し、所定のエラー処理を実行する(Sa807)。これは、リールRの回転位置が基準回転位置に到達した時点から1周分を回転動作させるために必要な504パルスよりも多くのパルスをステッピングモータ54に供給しているにも関わらず、リールRの回転位置が基準回転位置に到達していないことを意味する。つまり、上述したケースと同様に、何らかの理由によりリールが脱調してしまい、CPU101が把握しているリールRの回転位置と、実際のリールRの回転位置とのズレが発生していることを意味する。
このように、スロットマシン1のリール回転処理において、CPU101は、現在のリールの回転位置を常に把握しながら、リールRの回転動作を制御している。また、リールRが脱調したことを正確に把握することができる。
(3)リール停止処理の詳細
スロットマシン1におけるリール停止処理の詳細について説明する。
図9は、スロットマシン1におけるリール停止処理で用いられる停止テーブルの構成を示している。この停止テーブルは、内部抽選処理により「スイカ1」役の当選が決定している場合において、順押し(左リールR1に対応するストップボタン13a、中リールR2に対応するストップボタン13b、右リールR3に対応するストップボタン13cの順番で操作されること)された場合に用いられる停止テーブルを示している。
「図柄番号PN」はストップボタン13が操作されたタイミングで入賞ラインL上に位置する図柄の図柄番号、「滑りコマ数」は上記のタイミングでストップボタン13が操作された場合に、リールRが停止するまでにリールRを回転移動させる移動量を図柄数で示したものである。例えば、CPU101は、左リールR1が回転中に、図柄番号PN=17の「スイカ」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで左ストップボタン13aが操作されると、図柄番号PN=17に対応する滑りコマ数は「0」なので、図柄番号PN=17の「スイカ」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで、左リールR1を停止させる。
スロットマシン1は、リールRの回転中にストップボタン13の操作を受け付けると、リールRの回転を停止させる。より具体的には、CPU101は、リールRの回転中にストップボタン13a〜13cのいずれかの操作を受け付けると、操作を受け付けたストップボタン13に対応するリールRを停止させる制御を実行する。これを、リールR1〜R3の全てが停止するまで繰り返す。このとき、CPU101は、ストップボタン13に対する操作がなされた時点から、最大4図柄分のリールの回転量の範囲内において、対応するリールRを停止させる。また、CPU101は、内部抽選処理により何らかの役の当選が決定されている場合には、当選した役に係る図柄を入賞ラインL上に引き込むように、リールRを停止させる。
例えば、CPU101は、リールR1〜R3が回転中であって、内部抽選処理により「スイカ1」役の当選が決定している状況において、左リールR1における図柄番号PN=15の「プラム」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで左ストップボタン13aが操作された場合、左リールR1を2図柄分だけ回転移動させて図柄番号PN=17の「スイカ」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで、左リールR1を停止させる。
次に、CPU101は、中リールR2における図柄番号PN=7の「チェリー」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで中ストップボタン13bが操作された場合、中リールR2を4図柄分だけ回転移動させて図柄番号PN=11の「スイカ」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで、中リールR2を停止させる。
次に、CPU101は、右リールR3における図柄番号PN=7の「ベル」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで右ストップボタン13cが操作された場合、右リールR3を2図柄分だけ回転移動させて図柄番号PN=9の「チェリー」図柄が入賞ラインL上に位置するタイミングで、右リールR3を停止させる。リールR1〜R3の全てが停止した結果、入賞ラインL上には「スイカ」図柄(左リールR1)、「スイカ」図柄(中リールR2)、「チェリー」図柄(右リールR3)、が停止する。
内部抽選処理により「スイカ1」役の当選が決定していたにも関わらず右リールR3において入賞ラインL上に「スイカ」図柄を停止させないのは、右リールR3において、右ストップボタン13cが操作されたタイミングである図柄番号PN=7の図柄の位置から4図柄分先の図柄番号PN=11の図柄までの間に、「スイカ」図柄が存在しないためである。このようなタイミングでストップボタン13が操作された場合には、ストップボタン13が操作されたタイミングにおいて入賞ラインL上に位置する図柄から4図柄分先までの範囲内で予め定められた図柄を、入賞ラインL上に停止させる。
このように、CPU101は、特定のストップボタン13の操作に対して、ストップボタン13の操作タイミング応じた適切な滑りコマ数を取得するために停止テーブルを用いて、リール停止処理を実行する。なお、図9に示した停止テーブルは、CPU101がリール停止処理を実行するたびに、停止テーブルを構成するための予めROM104に記憶された複数の要素データから、内部抽選処理の結果等に基づいて特定される要素データを適宜に組み合わせた結果としてのデータ構造を示している。
このように構成された停止テーブルを用いてリール停止処理を実行することで、ベット数、内部抽選処理の結果、停止済のリールRの停止の状態、及びストップボタン13の操作タイミングに対して常に同一の停止結果を得られることを前提としつつ、許容された引き込み範囲内で、当選している役に係る図柄組合せを入賞ラインL上に成立させるように、かつ当選していない役に係る図柄組合せを入賞ラインL上に成立させないように、リールRを停止させることができる。
(4)図柄判定処理の詳細
スロットマシン1における図柄判定処理の詳細について説明する。CPU101は、リールR1〜R3の全てが停止した後に、図柄判定処理を実行する。図10は、スロットマシン1における図柄判定処理で用いられる役構成テーブルの構成を示している。役構成テーブルでは、役ごとに、役に対応する図柄組合せと、役が入賞した場合に付与する配当とが定義されている。「ANY」はいかなる図柄でもよいことを示している。
CPU101は、入賞ラインL上に停止した図柄組合せが、役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれかと一致するか否かを判定する。CPU101は、役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれかと一致すると判定した場合は、その図柄組合せに対応する役が入賞したと判定し、役構成テーブルで定義された図柄組合せのいずれにも一致しないと判定した場合には、何れの役にも入賞していないと判定する。
(5)特典付与処理の詳細
スロットマシン1における特典付与処理の詳細について説明する。CPU101は、図柄判定処理を実行した後に、特典付与処理を実行する。特典付与処理は、図柄判定処理により入賞が判定された役に応じた特典を付与するための処理であり、図10に示す役構成テーブルを用いて実現される。
CPU101は、図柄判定処理により再遊技役である「リプレイ」役に入賞したと判定した場合に、特典付与処理により、自動ベット処理を実行する(図5:Sa508→Sa502)。自動ベット処理では、直前のゲームを開始させるためのベット数と同数のベット数を、RAM105に記憶するベットカウンタに設定する。CPU101は、図柄判定処理により「リプレイ」役に入賞していないと判定した場合であって、図柄判定処理により小役に入賞したと判定した場合に、特典付与処理により、入賞した小役に対応する配当で示された枚数のメダルを払出すためにメダル支払処理を実行する。
小役とは、配当としてのメダルの支払いが対応付けられた役であり、スロットマシン1においては、「チェリー1」役、「チェリー2」役、「スイカ1」役、「スイカ2」役、「ベル」役、「制御1」役、「制御2」役、「制御3」役、「制御4」役、「制御5」役、「制御6」役、及び「制御7」役が該当し、それぞれ2枚、2枚、3枚、3枚、9枚、1枚、1枚、1枚、1枚、1枚、1枚、及び1枚の配当が対応付けられている。CPU101は、メダル支払処理において、入賞したと判定した役に対応する配当に応じた値を、貯留装置に加算する。CPU101は、貯留装置のクレジット数が、メダル払出装置を駆動して50枚を超えた分の遊技メダルをメダル受皿40に払い出す。
<5.ATゲーム> スロットマシン1は、通常の遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態であるAT状態とを備える。スロットマシン1は、所定の開始条件が成立したことを契機として、遊技状態を通常遊技状態からAT状態に移行させ、所定の終了条件が成立したことを契機として、遊技状態をAT状態から通常遊技状態に移行させる。このように、スロットマシン1は、通常遊技状態とAT状態との間で遊技状態を切り替えながら遊技を進行させる。
スロットマシン1におけるAT状態は、内部抽選処理の結果として特定の抽選対象が抽選された場合に、その抽選対象に属する配当の異なる複数の小役のうち、最も配当の高い小役を入賞させるためのストップボタンの押し順(操作の順序)を遊技者に報知する遊技状態のことをいう。このとき、報知された押し順以外の押し順でストップボタンが操作された場合には、最も配当の高い小役は入賞させずに、ストップボタンの操作のタイミングに応じて配当の最も低い小役を入賞させるか、または小役を入賞させない。一方で、通常遊技状態とは、上述した小役を入賞させるための押し順を遊技者に報知しない状態のことである。
<5−1.押し順報知> スロットマシン1のAT状態における押し順の報知に係る処理の流れを、図11を用いて説明する。メイン制御基板100A(CPU101)は、内部抽選処理が実行されると、現在の遊技状態がAT状態であるか否かを判定する(Sa1101)。CPU101は、遊技状態がAT状態ではないと判定した場合には、そのまま処理を終了する(Sa1101:NO)。一方で、CPU101は、遊技状態がAT状態であると判定した場合には(Sa1101:YES)、内部抽選処理の結果に基づいて報知内容を特定する処理を実行する(Sa1102)。次に、特定された報知内容に応じた報知の実行を、データ送出回路106を介して表示制御基板100Bに指示する(Sa1103)。図示は省略するが、表示制御基板100B(CPU191)は、メイン制御基板100A(CPU101)から受け付けた報知の実行に係る指示に従って、特定された報知内容を液晶表示装置30に出力させる。
報知内容を特定する処理(Sa1102)は、図12に示す押し順報知テーブルを用いて実行される。押し順報知テーブルでは、内部抽選処理による抽選結果と、液晶表示装置30に表示すべき報知内容との対応関係が定義されている。押し順報知テーブルでは、抽選対象6と、第1停止として左ストップボタン13aの操作を促す報知内容、抽選対象7と、第1停止として中ストップボタン13bの操作を促す報知内容、抽選対象8と、第1停止として右ストップボタン13cの操作を促す報知内容、とがそれぞれ対応付けられており、その他の抽選対象には、報知を行わないことが対応付けられている。CPU101は、報知内容を特定する処理において、押し順報知テーブルを参照することで、内部抽選処理による抽選結果に基づいて、液晶表示装置30に出力させるための報知内容を特定する。このように、スロットマシン1は、遊技状態がAT状態である場合において、内部抽選処理の結果に応じた報知内容を遊技者に報知する。
<5−2.停止制御> スロットマシン1における、内部抽選処理の結果としてAT状態での押し順の報知の対象となる抽選対象が抽選された場合のリール停止処理について説明する。
(1)払出し数優先 スロットマシン1は、内部抽選処理により当選が決定された役を可能な限り入賞させるようにリール停止処理を実行する。つまり、ストップボタン13が操作された時点から、引き込み可能な範囲内(最大4図柄分のリールの回転量の範囲内)において、当選している役に係る図柄組合せを構成する図柄が存在する場合には、当該図柄を入賞ラインL上に引き込んで停止させる。
以下に、図6で示した内部抽選テーブルを用いた内部抽選処理により、抽選対象6が抽選された場合を例にとって説明する。この状態において、CPU101は、当選が役された「ベル」役、「制御1」役、「制御2」役、「制御3」役、「制御4」役、及び「制御5」役のいずれかの役を可能な限り入賞させるようにリール停止処理を実行する。
〔第1停止[左]正解時における第1停止[左]操作〕 CPU101は、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合に、左ストップボタン13aが操作された時点での引き込み可能な範囲内に、当選役である「ベル」役を構成する「ベル」図柄が存在し、他の当選役である「制御1〜4」役のいずれかを構成する「スイカ」図柄、又は「制御5」役を構成する「プラム」図柄が存在しない場合には、「ベル」図柄を、入賞ラインL上に停止させるように、左リールR1に対するリール停止処理を実行する。
一方で、CPU101は、第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合に、左ストップボタン13aが操作された時点での引き込み可能な範囲内に、当選役である「ベル」役(9枚配当)を構成する「ベル」図柄が存在し、さらに他の当選役である「制御1〜4」役(1枚配当)のいずれかを構成する「スイカ」図柄、又は「制御5」役(1枚配当)を構成する「プラム」図柄が存在する場合においては、配当が最も高い「ベル」役を構成する図柄である「ベル」図柄を、入賞ラインL上に停止させるように、左リールR1に対するリール停止処理を実行する。
つまり、CPU101は、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止で左ストップボタン13aが操作された場合には、左ストップボタン13aの操作のタイミングに関わらず、必ず「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させるように、左リールR1に対するリール停止処理を実行する。
左リールR1で入賞ラインL上に「ベル」図柄が停止した時点で、入賞の可能性のある役は「ベル」役しか残されていない。このため、CPU101は、中ストップボタン13bと右ストップボタン13cの操作の順番や操作のタイミングに関わらず、中リールR2、右リールR3のそれぞれにおいて、「ベル」役を構成する「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させるように、中リールR2、右リールR3のそれぞれに対するリール停止処理を実行する。
スロットマシン1では、各リールRにおける各「ベル」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、どのようなタイミングでストップボタン13が操作された場合でも、ストップボタン13が操作された時点での引き込み可能な範囲内に存在する「ベル」図柄を停止させるように、各リールRに対するリール停止処理を実行することが可能である。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として左ストップボタン13aが操作された場合には、「ベル」役が入賞する。
(2)組合せ数優先〔第1停止[左]正解時における第1停止[右]操作〕 上述した状況において、CPU101は、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合に、右ストップボタン13cが操作された時点での引き込み可能な範囲内に、当選役である「制御3〜5」役のいずれかを構成する「プラム」図柄が存在し、他の当選役である「ベル」役を構成する「ベル」図柄、「制御1」役を構成する「BAR」図柄、又は「制御2」役を構成する「チェリー」図柄が存在しない場合には、「プラム」図柄を、入賞ラインL上に停止させるように、右リールR3に対するリール停止処理を実行する。
一方で、CPU101は、第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合に、右ストップボタン13cが操作された時点での引き込み可能な範囲内に、当選役である「制御3〜5」役のいずれかを構成する「プラム」図柄(3種類の役の入賞に寄与)が存在し、さらに他の当選役である「ベル」役を構成する「ベル」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、「制御1」役を構成する「BAR」図柄(1種類の役の入賞に寄与)、又は「制御2」役を構成する「チェリー」図柄(1種類の役の入賞に寄与)が存在する場合においても、入賞が可能な役に係る図柄組合せを最も多く構成する図柄である「プラム」図柄を、入賞ラインL上に停止させるように、右リールR3に対するリール停止処理を実行する。
つまり、CPU101は、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止で右ストップボタン13cが操作された場合には、右ストップボタン13cの操作のタイミングに関わらず、必ず「プラム」図柄を入賞ラインL上に停止させるように、右リールR3に対するリール停止処理を実行する。
スロットマシン1では、各リールRにおける各「プラム」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には、どのようなタイミングでストップボタン13が操作された場合でも、ストップボタン13が操作された時点での引き込み可能な範囲内に存在する「プラム」図柄を停止させるように、各リールRに対するリール停止処理を実行することが可能である。
右リールR3で入賞ラインL上に「プラム」図柄が停止した時点で、入賞の可能性のある役は「制御3〜5」役のいずれかしか残されていない。このため、CPU101は、第2停止で中ストップボタン13bが操作された場合に、中ストップボタン13bが操作された時点での引き込み可能な範囲内に、「制御3」役を構成する「プラム」図柄、「制御4」役を構成する「ベル」図柄、又は「制御5」役を構成する「7」図柄が存在する場合には、いずれかの図柄を入賞ラインL上に停止させるように、中リールR2に対するリール停止処理を実行する。
次に、CPU101は、第3停止で左ストップボタン13aが操作された場合においても、左ストップボタン13aが操作された時点での引き込み可能な範囲内に存在する図柄のうち、右リールR3及び中リールR2が停止した時点で入賞の可能性が残されている役を構成する図柄を入賞ラインL上に停止させるように、左リールR1に対するリール停止処理を実行する。
スロットマシン1では、各リールRにおける各「プラム」図柄は、最大4図柄の間隔で配置されている。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には、どのようなタイミングで右ストップボタン13cが操作された場合でも、右ストップボタン13cが操作された時点での引き込み可能な範囲内に存在する「プラム」図柄を停止させるように、右リールR3に対するリール停止処理を実行することが可能である。つまり、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合には、第2停止及び第3停止におけるストップボタン13の種類や操作のタイミングに関わらず、「ベル」役は入賞しない。
〔第1停止[左]正解時における第1停止[中]操作〕 詳細な説明は省略するが、上述した状況において、CPU101は、第1停止として中ストップボタン13bが操作された場合には、上述した第1停止として右ストップボタン13cが操作された場合におけるリール停止処理と同様に、当選役のうち、「ベル」役以外の役を可能な限り入賞させるように、リール停止処理を実行する。
(3)まとめ このように、スロットマシン1は、内部抽選処理により抽選対象6が抽選された状況において、第1停止で左ストップボタン13aが操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させ、第1停止で左ストップボタン13a以外のストップボタン13が操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させないように、リール停止処理を実行する。同様の仕組みにより、内部抽選処理により抽選対象7が
抽選された状況において、第1停止で中ストップボタン13bが操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させ、第1停止で中ストップボタン13b以外のストップボタン13が操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させないように、リール停止処理を実行し、内部抽選処理により抽選対象8が抽選された状況において、第1停止で右ストップボタン13cが操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させ、第1停止で右ストップボタン13c以外のストップボタン13が操作された場合には必ず「ベル」役を入賞させないように、リール停止処理を実行する。
以上のように、スロットマシン1は、内部抽選処理により特定の結果が得られた場合において、通常遊技状態では確実には入賞させることができない「ベル」役を、AT状態では報知された押し順の通りにストップボタン13を操作することにより、確実に入賞させることができる。
<5−3.ATゲーム中の各種状態管理>(1)AT状態の開始 スロットマシン1は、所定の条件の成立を契機として、遊技状態を通常遊技状態からAT状態に移行させてATゲームを開始させる。以下に、スロットマシン1におけるATゲームの開始に係る処理として、AT抽選処理に係る処理の流れを、図13を用いて説明する。
CPU101は、内部抽選処理の結果として特定の抽選対象(以下「特定抽選対象」という)が抽選されたか否かを判定する(Sa1301)。スロットマシン1における特定抽選対象とは、抽選対象1〜4のことをいい、他の抽選対象5〜9(以下「通常抽選対象」という)と比較して、内部抽選処理により抽選される確率が相対的に低い抽選対象のことである。CPU101は、特定抽選対象が抽選されていないと判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa1301:NO)。
一方で、CPU101は、特定抽選対象が抽選されたと判定した場合は(Sa1301:YES)、AT抽選処理を実行する(Sa1302)。AT抽選処理とは、ATゲームの当選または非当選を抽選により決定する処理である。
図14は、AT抽選処理に利用されるAT抽選テーブルを説明するための説明図である。AT抽選テーブルでは、内部抽選処理による抽選結果と、ATゲームの当選に係る抽選確率を示す抽選値との対応関係が定義されている。より具体的には、AT抽選処理において、CPU101は、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲で取得した乱数値と、内部抽選処理における抽選結果に対応する抽選値とを比較して、乱数値が抽選値よりも小さい場合に、ATゲームに当選したと判断する。
AT抽選処理を実行した後、CPU101は、AT抽選処理によりATゲームに当選したか否かを判定する(Sa1303)。CPU101は、ATゲームに当選していないと判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa1303:NO)。一方で、CPU101は、ATゲームに当選したと判定した場合は(Sa1303:YES)、ATゲームの残りゲーム数を初期化する(Sa1304)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶された、ATゲームの残りゲーム数を示すATゲーム数カウンタに、初期値として50を設定する。なお、図示は省略するが、このとき、CPU101は、RAM105に記憶された、ATゲーム中に消化したゲーム数を示す消化ゲーム数カウンタを0に初期化する。
次に、CPU101は、遊技状態をAT状態に移行させる(Sa1305)。具体的には、CPU101は、遊技状態としてAT状態を示す情報を設定してRAM105に記憶する。スロットマシン1は、遊技状態が通常遊技状態からAT状態に移行したことを契機として、ATゲームが開始される。
図示は省略しているが、このとき、CPU101は、ATゲームが開始されたことを示す演出を実行する旨を指示するコマンドを、データ送出回路106を介して表示制御基板100Bに対して送信する。表示制御基板100B(CPU191)は、このコマンドを受信して、ATゲームが開始されたことを示す演出を液晶表示装置30に表示させる。
また、CPU101は、上述した、ATゲームの残りゲーム数を示すATゲーム数カウンタと、ATゲーム中に消化したゲーム数を示す消化ゲーム数カウンタとに係る情報を、ATゲーム中の各ゲームにおける所定のタイミングで、データ送出回路106を介して表示制御基板100Bに対して送信している。表示制御基板100B(CPU191)は、これらの情報に基づいて、ATゲームの残りゲーム数、及びATゲーム中に消化したゲーム数を、ATゲーム中は常時、液晶表示装置30に表示させる。
(2)AT状態の終了 スロットマシン1は、所定の条件の成立を契機として、遊技状態をAT状態から通常遊技状態に移行させてATゲームを終了させる。以下に、スロットマシン1におけるATゲームの終了に係る処理の流れを、図15を用いて説明する。
スロットマシン1におけるATゲームの終了に係る処理は、図11で示した、AT状態における押し順の報知に係る処理の後に実行される処理である。処理Sa1501〜Sa1503は、図11における処理Sa1101〜Sa1103と同様であるため、説明は省略する。
CPU101は、ATゲームの残りゲーム数を減算する(Sa1504)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶された、ATゲームの残りゲーム数を示すATゲーム数カウンタを1だけ減算する。なお、図示は省略するが、このとき、CPU101は、RAM105に記憶された、ATゲーム中に消化したゲーム数を示す消化ゲーム数カウンタを1だけ加算する。
次に、CPU101は、ATゲームの残りゲーム数が残っているか否かを判定する(Sa1505)。具体的には、CPU101は、ATゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。CPU101は、ATゲームの残りゲーム数が残っている(ATゲーム数カウンタの値が0ではない)と判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa1505:NO)。
一方で、CPU101は、ATゲームの残りゲーム数が残っていないと判定した場合は(Sa1505:YES)、遊技状態をAT状態から通常遊技状態に移行させる(Sa1506)。スロットマシン1は、遊技状態がAT状態から通常遊技状態に移行したことを契機として、ATゲームを終了する。
以上のように、スロットマシン1は、ATゲームの開始時にATゲームの残りゲーム数が設定され、1回のゲームが実行されるたびにATゲームの残りゲーム数が減算され、ATゲームの残りゲーム数が0になると、ATゲームが終了する。
(3)ゲーム数上乗せ スロットマシン1は、ATゲーム中における所定の条件の成立を契機として、ATゲームの残りゲーム数を増加させる。以下に、スロットマシン1におけるATゲームの残りゲーム数の加算に係る処理の流れを、図16を用いて説明する。
CPU101は、内部抽選処理の結果として特定抽選対象が抽選されたか否かを判定する(Sa1601)。上述したように、スロットマシン1における特定抽選対象とは、抽選対象1〜4のことをいい、他の抽選対象5〜9(以下「通常抽選対象」という)と比較して、内部抽選処理により抽選される確率が相対的に低い抽選対象のことである。CPU101は、特定抽選対象が抽選されていないと判定した場合は、そのまま処理を終了する(Sa1601:NO)。
一方で、CPU101は、特定抽選対象が抽選されたと判定した場合は(Sa1601:YES)、上乗せ抽選処理を実行する(Sa1602)。上乗せ抽選処理とは、増加させるATゲームの残りゲーム数を抽選により決定する処理である。
図17は、上乗せ抽選処理に利用される上乗せ抽選テーブルAを説明するための説明図である。上乗せ抽選テーブルAでは、内部抽選処理による抽選結果と、各上乗せゲーム数の抽選確率を示す抽選値と、上乗せゲーム数との対応関係が定義されている。より具体的には、上乗せ抽選処理において、CPU101は、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲で取得した乱数値と、内部抽選処理における抽選結果に対応する抽選値とを比較して、上乗せゲーム数を決定する。
上乗せ抽選処理において乱数値と抽選値とを比較して1つの上乗せゲーム数を決定する抽選方法は、上述した内部抽選処理における抽選方法と同様のため説明は省略するが、図17に示す上乗せ抽選テーブルAを利用した上乗せ抽選処理により、内部抽選処理により抽選対象1又は3が抽選された場合は、300ゲーム、200ゲーム、100ゲーム、又は0ゲームが、ATゲームの残りゲーム数に対する加算数として決定され、内部抽選処理により抽選対象2又は4が抽選された場合は、50ゲーム、30ゲーム、20ゲーム、10ゲーム、5ゲーム、又は0ゲームが、ATゲームの残りゲーム数に対する加算数として決定される。
CPU101は、上乗せ抽選処理により決定されたゲーム数を、ATゲームの残りゲーム数に加算する(Sa1603)。具体的には、CPU101は、RAM105に記憶された、ATゲームの残りゲーム数を示すATゲーム数カウンタに、上乗せ抽選処理により決定されたゲーム数を加算する。
以上のように、スロットマシン1は、ATゲーム中における所定の条件の成立により、ATゲームの残りゲーム数が加算される。
(4)上乗せ特化ゾーン スロットマシン1は、ATゲーム中における所定の条件の成立を契機として、遊技状態を、通常のAT状態と比較して、上述した上乗せ抽選処理によりATゲームの残りゲーム数が加算され易い遊技状態である上乗せ特化状態に移行させる。
図18は、ATゲーム中において、遊技状態を上乗せ特化状態に移行させるか否かを抽選により決定する抽選処理に利用される状態移行抽選テーブルを説明するための説明図である。
状態移行抽選テーブルでは、内部抽選処理による抽選結果と、遊技状態の上乗せ特化状態への移行に係る抽選確率を示す抽選値との対応関係が定義されている。より具体的には、当該抽選処理において、CPU101は、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲で取得した乱数値と、内部抽選処理における抽選結果に対応する抽選値とを比較して、乱数値が抽選値よりも小さい場合に、遊技状態を上乗せ特化状態へ移行させることを決定する。当該抽選処理により遊技状態を上乗せ特化状態へ移行させることが決定された場合、CPU101は、遊技状態として上乗せ特化状態を示す情報を設定してRAM105に記憶する。スロットマシン1における、上乗せ特化状態でのATゲームの残りゲーム数の加算に係る処理の流れは、図16で示した内容と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図19は、上乗せ特化状態における上乗せ抽選処理に利用される上乗せ抽選テーブルBを説明するための説明図である。上乗せ抽選テーブルBでは、図17で示した上乗せ抽選テーブルAと同様に、内部抽選処理による抽選結果と、各上乗せゲーム数の抽選確率を示す抽選値と、上乗せゲーム数との対応関係が定義されており、上乗せ抽選処理において、CPU101は、不図示の乱数発生器から0〜65535の範囲で取得した乱数値と、内部抽選処理における抽選結果に対応する抽選値とを比較して、上乗せゲーム数を決定する。
上乗せ抽選テーブルBは、抽選対象1,3及び抽選対象2,4のそれぞれに対応する抽選値及び上乗せゲーム数は、上乗せ抽選テーブルAと同一であるが、抽選対象5〜9に対応する抽選値及び上乗せゲーム数を含んでいる点において、上乗せ抽選テーブルAと異なる。このため、上乗せ抽選テーブルBを用いた上乗せ抽選処理では、内部抽選処理の結果として抽選対象5〜9が抽選された場合であっても、上乗せゲーム数が決定されることがあり得るため、上乗せ抽選テーブルAを用いた上乗せ抽選処理よりも、ATゲームの残
りゲーム数が加算され易くなっている。
なお、スロットマシン1では、所定ゲーム数の消化に応じて上乗せ特化状態が終了する。具体的には、CPU101は、遊技状態を上乗せ特化状態に移行させる時に設定されて1ゲームごとに1づつ減算される上乗せ特化状態カウンタが0になったことに応じて、上乗せ特化状態を終了して遊技状態をAT状態に移行させる。
(5)リミット機能 スロットマシン1は、ATゲーム中に消化したゲーム数が最大消化ATゲーム数として予め定められた1500ゲームに到達したことを条件として、ATゲームの残りゲーム数の有無に関わらず、ATゲームを強制的に終了させるリミット機能を備えている。
より具体的には、CPU101は、ATゲーム中における各ゲームごとに、消化ゲーム数カウンタが1500に到達したか否かを判断しており、消化ゲーム数カウンタが1500に到達したと判断した場合には、ATゲーム数カウンタを0にリセットするとともに、遊技状態をAT状態から通常遊技状態に移行させることで、ATゲームを終了させる。
ATゲームの残りゲーム数とは異なり、ATゲーム中に消化したゲーム数は、減算されるのみであるため、リミット機能の存在により、一連のATゲームの最中に払い出されるメダルの総量が、一定量を超えないことが担保される。
(6)ゲーム数上乗せにおける特殊処理 スロットマシン1は、上述したリミット機能の発動を回避するように、上述した上乗せ抽選処理を実行する。より具体的には、スロットマシン1は、上乗せ抽選処理により上乗せゲーム数を決定する際に、現在のATゲームの残りゲーム数に対して、当該上乗せ抽選処理で決定した上乗せゲーム数を加算した場合であっても、ATゲーム中に消化するゲーム数が最大消化ATゲーム数を超えないように、上乗せゲーム数を決定する。
例えば、ATゲーム中であって、ATゲームの残りゲーム数が163、ATゲーム中に消化したゲーム数が1278、である状況において、内部抽選処理により特定抽選対象である抽選対象3が抽選されて、上乗せ抽選テーブルAを用いた上乗せ抽選処理を実行した結果として、上乗せゲーム数として200が決定された場合であっても、上乗せゲーム数を58として再決定して、ATゲームの残りゲーム数に加算する。
これは、最初に決定した上乗せゲーム数としての200を、そのままATゲームの残りゲーム数に加算してしまうと、当該ATゲーム中に再度の上乗せ抽選処理が実行されないとしても、ATゲームの残りゲーム数と、ATゲーム中に消化したゲーム数と、上乗せゲーム数との合計が1641となり、ATゲーム中に消化したゲーム数が、将来的に最大消化ATゲーム数である1500ゲームに到達してしまうことが確実となってしまうため、上乗せゲーム数を再決定することで、将来的に最大消化ATゲーム数である1500ゲームに到達することを回避するためである。
上述した処理は、より具体的には、CPU101は、上乗せ抽選処理により上乗せゲーム数を決定した際に、最大消化ATゲーム数(1500)から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値よりも少ない値に、決定済の上乗せゲーム数を再決定することで実現される。
このように、スロットマシン1は、一連のATゲームの最中に払い出されるメダルの総量が一定量を超えないように制限するためのリミット機能を備えているが、当該リミット機能によりATゲームが強制的に終了してしまうことを回避するように、上乗せ抽選処理される。これにより、ATゲームが強制的に終了してしまうことにより遊技者が不利益を感じることを、事前に回避することができる。
<6.変形例> 前述の形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された1以上の態様は相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)変形例1 上述の形態においては、上乗せ抽選処理により上乗せゲーム数を決定した後に、ATゲーム中に消化したゲーム数が、最大消化ATゲーム数に到達するか否かを判断して、最大消化ATゲーム数に到達すると判断した場合には決定済の上乗せゲーム数を再決定する態様について説明した。しかしながら、上乗せ抽選処理により上乗せゲーム数を決定する際に、ATゲーム中に消化したゲーム数が、最大消化ATゲーム数に到達しないような範囲を予め設定して、当該範囲の中から上乗せゲーム数を決定するようにしてもよい。
例えば、上述した例と同様に、ATゲーム中であって、ATゲームの残りゲーム数が163、ATゲーム中に消化したゲーム数が1278、である状況において、内部抽選処理により特定抽選対象である抽選対象3が抽選された場合には、最大消化ATゲーム数(1500)から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値よりも少ない値として、例えば50を上限とした範囲で上乗せゲーム数を決定するように、上乗せ抽選処理を実行するようにしても良い。
これを実現するために、上乗せ抽選テーブルにより確定される、上乗せゲーム数の抽選範囲(上述した状況においては0〜300の範囲)を、上乗せ抽選処理の実行時に、最大消化ATゲーム数から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値に基づいて、動的に設定するようにしてもよいし、予め複数種類の上乗せ抽選テーブルを用意しておき、最大消化ATゲーム数から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値に基づいて、適切な範囲を有する抽選テーブルを適宜に選択して上乗せ抽選処理に利用するようにしてもよい。
このように上乗せ抽選処理を実行することで、決定済の上乗せゲーム数を再決定する態様と比較して、無駄な処理を実行することなく上乗せゲーム数を決定できるだけでなく、例えば通常の状況では決定されることがない不自然な上乗せゲーム数(例えば上述したような58という上乗せゲーム数)が決定されるのを回避することを、より簡易な構成で実現できるようになる。
(2)変形例2 上述の各形態において、遊技状態が上乗せ特化状態である場合と、そうでない場合とで、ATゲーム中に消化するゲーム数が最大消化ATゲーム数を超えないように上乗せゲーム数を決定する処理の内容を変化させるようにしてもよい。
これは、上乗せ特化状態が複数ゲームで構成されるような場合(上乗せ特化状態に移行する際に上乗せ特化状態カウンタが2以上の値として設定される場合)においては、上乗せ特化状態が有効な期間において複数回の上乗せ抽選処理が実行される可能性が高いため、各上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数が不自然とならないようにするためである。
例えば、上乗せ特化状態における1回目の上乗せ抽選処理の結果として、ATゲーム中に消化するゲーム数の見込みが1400ゲームから1499ゲームとなった場合には、2回目の上乗せ抽選処理が実行される場合には、ATゲーム中に消化するゲーム数の見込みが1500以下の範囲で上乗せゲーム数を決定することが不可能となってしまうので、このような事態に陥らないように、1回目の上乗せ抽選処理から抽選結果を制御する。
より具体的には、ATゲーム中に消化するゲーム数の見込みが1400ゲームの状態で、上乗せ抽選処理が実行される回数の期待値が4回である上乗せ特化状態を開始した場合には、各上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数の期待値、又は上限値が25となるように、各上乗せ抽選処理を実行するようにする。このように制御することで、上乗せ特化状態において複数回の上乗せ抽選処理が実行される場合であっても、各上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数のバラつきが少なく、より自然な上乗せゲーム数を決定することが可能となる。
また、上述したような、上乗せ抽選処理が実行される期待値と、ATゲーム中に消化するゲーム数の見込みとに基づいて、上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数の期待値、又は上限値を制限する方法に限らず、上乗せ特化状態の開始時に、上乗せ特化状態において実行される上乗せ抽選処理の回数やタイミング等を、上乗せ特化状態への移行時に予め決定しておく方法や、さらに各上乗せ抽選処理により決定される各上乗せゲーム数を予め決定する方法によっても、上述した例と同様に、各上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数のバラつきが少なく、より自然な上乗せゲーム数を決定することが可能となる。
(3)変形例3 上述の各形態においては、最大消化ATゲーム数(1500)から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値以上の上乗せゲーム数が決定されないように、上乗せ抽選処理を実行する態様について説明した。ここで、上述の内容に加えて、最大消化ATゲーム数よりも少ない所定の閾値(例えば1300)を予め設定しておき、当該所定の閾値(1300)から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値以上の上乗せゲーム数が決定されないように、上乗せ抽選処理を実行してもよい。
これにより、上乗せゲーム数が、最大消化ATゲーム数(1500)からATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値を超える条件よりも、上乗せゲーム数が、所定の閾値(1300)からATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値を超えるを超える条件の方が、より成立し易いため、上乗せ抽選処理による上乗せゲーム数の決定の制限を、段階的に実施することができるようになる。つまり、上乗せ抽選処理により決定される上乗せゲーム数が、通常より少ない数に急に制限されるのではなく、徐々に制限を受けるようになるため、その変化がより自然な形で実現されるようになる。
さらに、当該所定の閾値(1300)から、ATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた0以下となった場合には、当該所定の閾値(1300)を基準として上乗せ抽選処理が上乗せゲーム数を決定することを無効化するようにしてもよい。
(4)変形例4 上述の各形態においては、少なくともATゲーム数カウンタが、メイン基板100A(CPU101)のみで管理されている態様について説明したが、メイン基板100A(CPU101)と、表示制御基板100B(CPU191)とのそれぞれで、ATゲーム数カウンタが管理されるように構成してもよい。
このように構成において、CPU101は、上乗せ抽選処理により決定した上乗せゲーム数を、メイン基板100A(CPU101)で管理するATゲーム数カウンタに加算するとともに、上乗せ抽選処理により決定した上乗せゲーム数に係る情報を、データ送出回路106を介して表示制御基板100Bに送信する。表示制御基板100B(CPU191)は、メイン基板100A(CPU101)から受信した情報に基づいて、表示制御基板100B(CPU191)で管理するATゲーム数カウンタに、上乗せゲーム数を加算する際に、上乗せゲーム数が、最大消化ATゲーム数(1500)又は所定の閾値(1300)からATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値を超えるか否かを判定し、超えると判断した場合には、上乗せゲーム数を異なる値(上乗せゲーム数が、最大消化ATゲーム数又は所定の閾値からATゲーム数カウンタと消化ゲーム数カウンタとを減じた値を超えないような値)に変更して、ATゲーム数カウンタに、当該上乗せゲーム数を加算する。
そして、表示制御基板100Bは、表示制御基板100B(CPU191)で管理するATゲーム数カウンタに基づいて、ATゲームの残りゲーム数を液晶表示装置30に表示するようにする。この場合、メイン基板100A(CPU101)で管理するATゲーム数カウンタと、表示制御基板100B(CPU191)で管理するATゲーム数カウンタとで値が異なる値として管理されることになるが、メイン基板100A(CPU101)
で管理するATゲーム数カウンタの値は液晶表示装置30に表示されないため、遊技者は、両者の値の不整合について認識することができない。
これにより、上乗せ抽選処理における、ATゲーム中に消化するゲーム数が最大消化ATゲーム数又は所定の閾値を超えないように上乗せゲーム数を決定する処理を、メイン基板100A(CPU101)ではなく表示制御基板100B(CPU191)に実行させることが可能となるので、メイン基板100A(CPU101)の処理の負担を軽減することが可能となる。
(5)変形例5 上述の各形態においては、最大消化ATゲーム数、所定の閾値、ATゲーム数カウンタ、及び消化ゲーム数カウンタが、それぞれゲーム数の単位で設定または管理される態様について説明したが、これらのうちの少なくとも1つが他の単位により設定または管理されるように構成してもよい。
具体的には、例えば、最大消化ATゲーム数に代えて最大払出枚数として3000枚を設定しておき、消化ゲーム数カウンタに代えて、ATゲーム中に払い出されたメダルの累積枚数である払出メダルカウンタを管理するようにして、払出メダルカウンタが最大払出枚数としての3000枚に到達した場合に、ATゲームを強制的に終了するようにしてもよい。
また、上記に加え、ATゲーム数カウンタに代えてAT払出枚数、上乗せゲーム数に代えて上乗せ払出枚数を管理するようにして、上乗せ抽選処理により決定した上乗せ払出枚数を、AT払出枚数に加算するようにしてもよい。この場合、AT払出枚数はATゲーム中に払い出されたメダルの累積枚数として管理される。このように、各カウンタや各閾値の単位は、ゲーム数に代えてメダル枚数であってもよいし、又は他の単位により設定または管理されるように構成してもよい。
1……スロットマシン、12……スタートレバー、13a〜13c……ストップボタン、R1〜R3……リール、20……リール窓、L……入賞ライン、14……精算ボタン、30……液晶表示装置、40……メダル受皿、100A……メイン制御基板、101……CPU、104……ROM、105……RAM、100B……表示制御基板、191……CPU、194……ROM、195……RAM。

Claims (2)

  1. 通常遊技状態における所定の開始条件の成立に応じて当該通常遊技状態より有利な特別遊技状態の開始を判定する第1開始判定手段と、
    前記特別遊技状態における遊技の進行に応じて第1カウンタを減算する第1減算手段と、
    前記第1カウンタが第1閾値以下であることを条件として前記特別遊技状態の終了を判定する第1終了判定手段と、
    前記特別遊技状態における所定の加算条件の成立に応じて前記第1カウンタを加算する第1加算手段と、
    前記特別遊技状態における遊技の進行に応じて第2カウンタを加算する第2加算手段と、
    前記第2カウンタが第2閾値以上であることを条件として前記特別遊技状態の終了を判定する第2終了判定手段と
    を備え、
    前記第1加算手段は、
    前記第1カウンタに加算すべき加算値を仮決めする仮決め処理の実行後、該仮決めした加算値が、前記第2閾値から現時の前記第2カウンタ値と現時の前記第1カウンタ値とを減じた値である最大加算値よりも大きいか否かを判断する判断処理を実行し、
    該判断処理の結果、肯定判断した場合には、前記第1カウンタに加算すべき加算値を前記最大加算値以下の範囲内で再決定する再決定処理を実行して、該再決定した加算値を前記第1カウンタに加算する一方、否定判断した場合には、前記仮決めした加算値を前記第1カウンタに加算する、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技の進行を制御する主制御部と、当該主制御部から一方向に通信接続されて、当該主制御部から受け付けた遊技情報に応じた表示を制御する副制御部とを具備し、
    前記第1カウンタは、
    前記主制御部にて管理される主第1カウンタと、前記副制御部にて管理される副第1カウンタとで構成され、
    前記第1加算手段は、
    前記主制御部にて前記主第1カウンタを加算する主第1加算手段と、前記副制御部にて前記副第1カウンタを加算する副第1加算手段とで構成され、
    前記主第1加算手段は、前記仮決め処理を実行し、該仮決めした加算値を前記主第1カウンタに加算するとともに、前記副制御部に送信し、
    前記副第1加算手段は、
    前記主制御部から受け付けた前記仮決めした加算値が、前記第2閾値から現時の前記第2カウンタ値と現時の前記副第1カウンタ値とを減じた値である最大加算値よりも大きいか否かを判断する判断処理を実行し、
    該判断処理の結果、肯定判断した場合には、前記最大加算値以下の範囲内で前記副第1カウンタに加算すべき加算値を再決定する再決定処理を実行して、該再決定した加算値を前記副第1カウンタに加算する一方、否定判断した場合には、前記仮決めした加算値を前記副第1カウンタに加算する加算処理を実行する、請求項1に記載の遊技機。
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